ペルソナ3キタロールート(ハム子なし)。時期は9月。実際のJリーグのスケジュールとはちょっと異なります。ご了承ください。
とある火曜日の厳戸台寮。
順平「たっだいまーってなんすか真田さん唐突に」
真田「いや、今テレビで今やってるぞ、一体何事なんだ?」
ゆかり「まじびっくりしたんだけど、わっけわかんない。順平何したの?」
順平「え?え?なにこれ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404308445
スタスタ
美鶴「伊織、戻ったのか。ちょっと君に頼みがある」
順平「へっ?」
順平「つまり、桐条グループの会社がオーナーやってるセレッソ大阪が、
ペッツァイオリっていうイタリア人監督を連れてきたはずが、
桐条の宗家のシステムがハッキングされたかなにかで、俺の名前にすり変わってプレス発表されたと。
うんうん・・・なんじゃそらー!」
美鶴「すまない。1試合でいいんだ」
順平「いやいやいや有り得ねーっすよ、だいたいJリーグの監督って資格とかいるんじゃ」
美鶴「そのあたりは臨時監督とか代行とかにすれば何とかなるんじゃないか?こちらで何とかする、頼む」
キタロー「なんとかって・・・」
ゆかり「なんとかできちゃいそうなところが怖いなぁ」
さすがに読み手がいるのか不安なペルソナネタ。
続けて、どうぞ
風花「あの、今からプレスの修正発表するとかできないんですか?」
テレビ『伊織氏の詳細についてはまだ公式発表がありませんが、我々が調査したところによりますと、伊織氏は私立月光館学園の
2年生とのことです。現役高校生監督の誕生に、ボロニアンモールは大騒ぎです』
真田「・・・これは今更撤回というのは無理だろうな」
美鶴「プレスの撤回はまずい。桐条と月光館、というか特別課外活動部の関係性が探られてしまうかもしれない。桐条のシステムに君のフルネームが登録されているなん
てことになれば、我々課外特別活動部の特殊性がバレてしまう。だいいち、今回のトラブルのせいでペッツァイオリ監督の登録も
1週ズレてしまって、今週末の試合には間に合わないんだ」
ゆかり「いいじゃん順平、スポーツ大好きでしょ?」
順平「よくねーよ!野球ならともかくサッカーなんて体育の授業でしかやったことねーし!」
美鶴「ついては、今週の授業は欠席にして、早速明日から練習を見に行ってくれ。公欠扱いにしてもらうように、私からお願いしておく」
順平「はっ!公欠っすか!俺に任せてください!」
ゆかり「調子いいんだから・・・」
って事は7/19の柿谷最後の試合か
荒垣「相変わらず強引だな、美鶴のヤロウ」(生フォルランとか羨まし過ぎだろオイ)
美鶴「君たちも、順平には最大限協力してやってくれ。私からの頼みだ」
キタロー「わかりました」
美鶴「そういえば荒垣は中等部までサッカー部にいたんじゃなかったか?伊織、困ったら荒垣に助けてもらうといい」
順平「まじっすか荒垣さん!」
荒垣「フォルランフォルラ・・・ハッ、あ?勝手に決めるなよ(俺も練習行けるのか!?チャンスかこれ!)」
美鶴「まあとりあえず、明日はひとりで練習場に行ってみてくれ。頼んだぞ」
順平「はい・・・」
荒垣(なんだ、いけないのか・・・)ションボリ
翌水曜日。舞洲(練習場)。
順平「ということで、桐条の方から来ました、伊織順平です。あの、若造ですがよろしくお願いします。」
山口「主将の山口です。なんだかトラブルでこんなことになってしまったそうで。こちらこそ宜しくね」
順平「あ、ありがとうございます!」
パキーン「セレッソコミュ」発生!
山口「ただ・・・うちも前半戦の調子が悪くて、前の監督が解任されてしまって、今週末は再開後初戦、大事な試合なんだ、それは
わかるよね」
順平「え、ええ」
山口「だから、素人に口を出されても困る、というのが正直なところなんだ」
順平「あ、はい・・・」
山口「僕らの指導は・・・、君にはできないよね?指導はいいからさ、君は今週1週間、遊びに来ていればいいよ」
順平「そうなんすか。一応ヘッドコーチさんにも挨拶しt」
山口「あ、ヘッドコーチはドイツ人なんだけど君はドイツ語大丈夫?」
順平「げ、ドイツ語ですか・・・ぐーてんたーく、ばーむくーへんくらいしか」
・・・山口蛍離脱
順平(そりゃ、素人なのは間違いないけど、あんな言い方はねーよ!だいたい前半戦調子悪かったのだってお前らがしっかり戦わ
なかったからなねーのかよ!あと高校生がドイツ語なんて無理に決まってんだろオイ!)
スタスタ
フォルラン「ハイ、ミスターイオリ!」
順平「え!はい!だ、だれだ!」
フォルラン「ワタシ、フォルラン。フォワードヤッテマス、ヨロシク」
順平「あ、あ、はい、ヨロシクオネガイシマス」(なんだこのオッサン日本語うまいな)
フォルラン「ホタルハ、アアイッタケド、カレモ、セレッソノコトヲカンガエテル、オコラナイデ」
順平「え・・・」
フォルラン「キミハ、イイメヲシテイル!シュラバヲナンドモクグリヌケテキタヒトナンジャナイカ?」
順平「(え、タルタルのこと言ってんのかこの人・・・?)え、あ、まあ・・・」
フォルラン「キミノメヲミレバ、ワカルヨ!キミノメデミテ、カンジタコト、アドバイス、オシエテ。イマ、セレッソ、ヨワイ。アドバイス、ヒツヨウ」
順平「はい!俺頑張ります!!」
パキーン「フォルランコミュ」発生
サッカー知らんけど久々P3SS嬉しい、期待
夜:厳戸台寮
順平「たっだいまー・・・」
アイギス「おかえりなさいであります」
天田「おかえりなさい、順平さん」
コロマル「クゥーン」
アイギス「コロマルさんは、順平さんが疲れ切っているように見えるので心配だそうです」
順平「おう、ありがとうなコロマル。あ、ところで桐条センパイは?」
キタロー「風花と一緒に作戦室。順平の名前が桐条のシステムに紛れ込んだ原因を探るんだってお」
順平「あ、そうか。確かに俺の名前、ってことはココが出所の可能性高いもんな」
しまったキタローの語尾が
そのころ、作戦室
美鶴「どうだ、山岸。原因はわかりそうか?」
風花「うーん、作戦室からも個人のパソコンからも、原因になるようなアクセスは無いようなんですが…」
美鶴「…?何か気になることがあるのか?」
風花「ええ、パソコンや携帯電話でない、何か別のデバイスが動いていた形跡があるんですが、よくわからないんです。
もう少し詳しく調べてみたいんですが、いいですか?」
美鶴「それ以外のデバイスか・・・。こういうことは山岸が一番信頼できるからな、そうして貰えると助かる。私のIDとパスを使ってくれて構わない」
風花「はい!」
再びロビー。
ゆかり「で、今日はどうだったわけ?」
順平「山口さん、ってキャプテンに、シロートは口出すな、って釘刺されちったよ。厳しいよなー」
アイギス「プロの方の立場からしたら、真っ当な意見なのではないでしょうか」
順平「アイちゃん厳しいなー、あ、でもフォルランっていうオッサンに、気付いたら何でも言ってくれよ!って言われたよ!
日本語も多少は行けるみたいだし、いいオッサンだったな」
荒垣「っ!てめ」
天田「順平さん。フォルランをオッサン扱いって…失礼にもほどがありますよ!」
順平「え、そうなの?」
天田少年によるフォルランの経歴説明
(ウィキペディアご参照ください)
ゆかり「天田くんサッカー詳しいんだねー、ちょっと意外かも」
荒垣(天田がサッカーか・・・上背は無ぇが、タルタロスでの戦闘時の瞬発力、そして高校生にひけをとらないスタミナ。
あれはサイドアタッカーに向いてるかもしれねえな)
真田「天田には、ゆくゆくはボクシング部に来て欲しいと思ったが、サッカー部に行くつもりなのか?」
天田「ええと、はい。中等部に上がったらサッカー部に入ろうと思ってます。
でも、高等部ではボクシング部に行くかもしれませんけど…なんかすいません」
真田「いいさ、どちらにしろ中等部にボクシング部はないからな。中等部でサッカーを極めて、高等部でボクシングをやってくれれば一番うれしいがな」
天田「はい、頑張ります!」
順平「…やっべーそんな大選手だったのか、なーキタロー、明日謝っといた方がいいかな…」
キタロー「どうでもいい」
アイギス「・・・」
アイギス「順平さん、私も明日、練習場に連れていって欲しいであります」
順平「は?なんで?」
荒垣(え?なんでお前がそれ言うんだ!俺が行きたいって言えなくなっただろーが!)
アイギス「サッカーというものに興味があるであります」
順平「え、いやでもオレとアイちゃんと二人で遠出とかまずいんじゃないかなー」
アイギス「順平さんと二人では不安なので、キタローさんにもご同行願いたいであります」
キタロー順平「…」
幾月「いーんじゃないのー。アイギスが色々なものに興味を持つのはウェルカムだよ。」
真田「幾月さん、いつの間にいらしたんですか」
幾月「いや、今来たところだよ。しかし、アイギスがサッカーにここまで興味を持つとは、まサッカーだね、ハッハッハ!」
全員「…」
キタロー「あ、あの、でも明日は平日ですし、順平はともかく僕は…」
幾月「君は学力も学年トップだし、一日くらいいいんじゃないかー?桐条くんには僕から言っておくよ。
まあアイギスは・・・構わないだろう。学校では学べないことが学べるんじゃないかな」
順平「いま、順平はともかく、って言ったろ、さりげなく」
キタロー「…どうでもいい」
荒垣(おい、俺を連れて行きたいって言えよ!経験者だしガッコは行ってないし!)
順平「俺はどうでも良くないの!でもアイギスの保護者なしで2人きりは無理だって、キタロー頼む!」
キタロー「・・・はぁ、わかった」
アイギス「ありがとうございます!」
荒垣(・・・はぁ)
>>15
初SSなのでお目汚しをご容赦いただきたく。サッカーはそんなに詳しくなくても大丈夫です
アイギス「キタローさん、この競技は、あのボールを蹴っ飛ばすものでありますか?」
キタロー「まあ、そうだよ。それであのゴールに入れれば点が入る。今はミニゲームをやっているから、
まさにお互いがゴールを目指しているところだね」
アイギス「サッカーは戦争の原因になるとテレビでいっていました。武力行使の類だと理解していたのですが、違うのですか?」
キタロー「あー、確かに昔戦争の原因になったこともあるけど、純粋なスポーツだよ」
アイギス「なるほどなー、あ、キタローさん、なんであの10番の人はあそこにいるのですか?
キタロー「なんでって…あそこにいるのがいい、と本人が思っているからじゃあないかな。あ、あれが昨日話題になってたフォルランだね」
アイギス「理解できません」
キタロー「アイギス?」
※サッカーと戦争の話は「サッカー戦争」でぐぐってください
アイギス「フォーメーションがなっちゃいないであります。あの10番の選手がもう52センチ前に、
あっちの13番の選手が手前48センチにいればどちらもパスコースになって、DFはどちらのコースのパスもカットできないはずです」
キタロー「!! アイギス、もうサッカーを理解したの?」
アイギス「はい、各個人の能力データがないので、とりあえず選手のみなさんが真田さんの身体能力と同等として計算しました。
ポジショニングについては、対シャドウ戦のために研究されたデータがありますので、それを応用してみました」
順平「アイちゃん、今フォルラン選手指差したでしょ!フォルラン選手がそれに気づいて、挨拶したいって」
フォルラン「Hello! My name is Diego FORLAN.Where are you from?」
順平「え、英語!」
アイギス「こんにちは、私はアイギスといいます。私は日本生まれです」
フォルラン「!? Are you Japanease?」
キタロー「アイギス、何って言ってるのかわかるの?」
アイギス「はい、google翻訳にアクセスして理解できました。私の髪の色を見て、外国人だと思ったみたいです」
順平「あー、グーグル翻訳ね」
アイギス「I'm from Kirijo Ergonomi...」
キタロー「あ、いやアイギスは両親とも外国人なんですけど、日本生まれ日本育ちなんです」
フォルラン「ソウナンデスネ、コンナキレイナコガ、ツウヤクニナッテクレレバイイノニ、ネ?イオリ?」
アイギス「いえ、私はキタローさんのそばにいるのが一番大事ですので、お断りします」
フォルラン「oh」
キタロー(これはもしかして…)
寮に帰ってきました
美鶴「何?アイギスを通訳としてセレッソに入れるだと!」
順平「ほら桐条先輩ちょっと怒ってるじゃんかよー、キタローから説明してくれよー」
キタロー「(今日の見学中のエピソードを説明)」
美鶴「なるほど、確かにアイギスの能力が活かせるのかもしれないな。アイギス、君はどうなんだ?」
アイギス「google翻訳の機能に依存しますが、英語はもちろんドイツ語も韓国語も問題ありません。キタローさんの指示なら従うであります」
美鶴「そうか、分かった。では私から掛け合っておく。こちらも伊織が持って行かれた立場だ。多少の我儘は効くだろう」
キタロー「それと、風花に協力して欲しいんだ」
風花「え、私?」
キタロー「ああ、ここにセレッソの選手のデータがあるんだけど、アイギスが使えるようにコンバートして欲しい」ドサッ
風花「えーっと、、、(パラパラ)これ、電子データあるんだよね?」
キタロー「うん、このUSBに。CSV形式、って言われたんだけど大丈夫かな?」
風花「それなら大丈夫だよ。エラーコードとかだけ整理して、アイギス用のファイル形式に直せばいいね」
順平「アイちゃんも風花もすげーよ!神様仏様アイギス様風花様!」
風花「ちょっと順平くん///」
ゆかり「これ、順平もういらないんじゃないの?」
コロマル「ワン!」
あ、試合は日曜、という設定です。ご承知おきを。
金曜昼:舞洲
山下「おい、蛍!あの高校生、素人なんだよな?」
山口「はい、そう聞いてたんですけど…」
杉本「なんかあの監督の指示すごいっすよ、指示のタイミングで裏に抜けたら絶対オフサイドにならないし」
山下「ああ、おれも思った。さっきのミニゲーム、相手のドリブルしてくるコースがバッチリあたるんで怖いくらい。でも、さ」
全員「なんで通訳の子が日本語で指示してくるの?」
パキーン!
セレッソコミュ、8に。
フォルラン「イオリ、オツカレ!スゴイジャナイカ!」
順平「えー、ハハハ・・・」
アイギス「順平さん、私はお役に立てていますか?」
順平「うん、すごくね・・・」
パキーン!
フォルランコミュ、9に。
同時刻の寮
作戦室
カタカタカタ・・・
風花「桐条先輩・・・!!」
美鶴「どうした、山岸」
風花「はい、あの、順平くんの登録の件なんですけど、謎のデバイスが発信してたデータ、暗号化されてたものを解読したんですが・・・」
美鶴「ブリリアント!・・・それで、どうした?続けてくれ」
風花「はい、あの、その・・・犯人、アイギスだったみたいなんですけど」
美鶴「何だと?本当か?山岸」
風花「はい、えーと、厳密にいうとアイギスが「ペッツァ伊織順平」というデータを飛ばしていたようなんですけど・・・」
美鶴「ペッツァ伊織順平?」
更に同時刻、ロビー
幾月「へー、荒垣くんも天田くんもサッカー好きだったとはねー。意外だなー」
荒垣「いや、まあ好きっていうか昔やってたっていうだけで」
天田「そうですね。中等部にあがるまでにもうちょっと身長を伸ばしたくて、
毎日頑張って牛乳を飲んでるんですけど、こんなチビじゃサッカー部に入っても活躍できないですよね・・・」
荒垣「いや、そんな事はねー!メッシだって上背ないけど活躍してるだろーが!それにマラドーナだってそうだぞ!」
天田「あ、あわわ、なんかすいません(あれ、なんで僕が謝ってるんだろ・・・)」
幾月「サッカー談義で熱くなるのは結構なことだよ。我らがペッツァ伊織くんはまだ午後練か。今頃熱くなってるかな?」
天田「・・・ペッツァ?」
荒垣「・・・伊織?」
夜:作戦室
美鶴「で、理事長はもう帰られたんだな?」
荒垣「あー。上機嫌で帰ってったよ。早野乙って感じだったわ」
天田「ですよねーまったく。」
美鶴(はやのおつ?何のことだかわからないな。あとでキタローにきいてみよう)
「・・・そうか。で全員に集まって貰ったわけだが、今日はタルタロスの話ではなく」
ゆかり「順平のこと、ですよね?」
美鶴「ああ。そこで、アイギスにまず確認したいのだが」
アイギス「何でありますか?」
美鶴「ペッツァ伊織順平」
順平・キタロー・ゆかり・真田「!?」
アイギス「ッ!ブフォ!!」
全員「!!!」
美鶴「ビンゴか・・・。ペッツァ伊織順平、という言葉に聞き覚えは・・・あるみたいだな」
アイギス「はい。先日幾月さんが言っていた、サッカージョーク、というやつであります。
3文字も重なっているところが面白いので、覚えていくように命令されたであります」
ゆかり「覚えておくように命令って」
順平「あの人、最近絶好調すぎだなオイ。でそれが一体・・・」
美鶴「アイギス。覚えておけ、と言われただけなのか?」
アイギス「いえ、あとは拡散しておくように、と言われました」
風花「拡散・・・それって」
アイギス「命令でしたので従いました。ただ、私は知り合いの人間が皆さんしかいませんし、月曜の日中はみなさんいらっしゃらなかったので、
ので、さしあたって桐条のみなさんに<ペッツァ伊織順平>という言葉をお知らせしました」
美鶴「やはり、か・・・理事長・・・」
キタロー「あの、でもペッツァ伊織順平、という名前じゃなくて、プレス時には伊織順平で出たんですよね?一体どういうことですか?」
美鶴「ああ、そうだな、私もさっき電話で宗家に確認して初めて知ったんだが、桐条のネットワーク下全ての端末で、
ペッツァイオリという名前が、ペッツァ伊織順平に書き換えられていたらしい。」
荒垣「全部だと!お前、それわざとやったのか?」
アイギス「私は確かに桐条の全てのマシンに、ペッツァ伊織順平という駄洒落をお知らせしました。
しかしそれが各端末においてどういう効果をもたらすかまではよくわかりません」
キタロー「アイギスは幾月さんの指示に従って行動しただけなんだね?」
アイギス「その通りであります。命令は絶対でありますから」
ゆかり「うわー・・・、アイギスが悪気なくいろいろやってたってことか・・・。
天田「でも、なんでペッツァ伊織順平が伊織順平になってしまったんですか?それもアイギスさんが?」
美鶴「いや、ここから先は桐条の落ち度なんだが、サッカー部門の広報担当者は、最近ローテーションの一環で、
別事業の会社から異動してきたばっかりで、監督名はおろか、所属選手名もろくに知らなかったらしい。
そして、ペッツァ伊織順平、という監督名をみて、ペッツァという部分が文字化けだと判断して消してしまったらしい」
順平「」
真田「つまり、広報担当者が良かれと思ってペッツァ伊織順平を伊織順平に書き直してしまったってことか」
アイギス「私、なにかまずいことをしてしまったでしょうか」
キタロー「大丈夫だよ。ただ、拡散はもうしなくていい」
アイギス「承知しました」
天田・荒垣「どうせだったら僕(俺)の名前を入れてくれればよかったのに」
風花「えっ」
荒垣「いや、何でもない。気にすんな」
キタロー「・・・!」
美鶴「まあ、誰かに陥れられた、とか悪意のある行動による騒ぎではなかった。どうか安心して欲しい」
順平「おれの一週間は犠牲になりますけどね・・・」
美鶴「すまない、辛抱してくれ。何なら遅れてしまった分の勉強は私が見るぞ」
ゆかり(それはそれで拷問だって)
キタロー「あの」
美鶴「ん、どうした?」
キタロー「明日はちょっと予定があって、順平とアイギスに付き合えないんですが」
順平「! ちょっと待ってくれよ、見捨てないでくれよ!今更アイギス抜きってわけにもいかないし、俺とアイギス2人はまずいって!」
キタロー「荒垣さん、あと天田、明日は僕の代わりにアイギスに付き合ってもらえませんか?」
順平「え」
天田・荒垣「!」
天田「は、はい!ぜひ行かせてください!」
荒垣「おい、勝手に決めるなよ。でもまあキタローの頼みとあっちゃ断れねぇな。わかった」
(まじかラッキー!キタローもうどこの誰とでもチュッチュしてこい俺が許す)
美鶴「そうか、天田、それと荒垣も。せっかくの土曜を潰してしまって申し訳ないが頼む」
土曜昼:舞洲
山下「なあ、蛍」
山口「はい」
山下「なんかコーコーセー監督の後ろに2人いるじゃん?」
山口「ええ、なんか監督と通訳の知り合いみたいで」
杉本「それって部外者なんじゃ・・・」
山口「そうなんだけど、なんか会社の人がどうしても断れなかったらしいわ」
山下・杉本「会社って桐条?何者だよあいつら。」
天田「うわー、山口選手と扇原選手があんな近くに!あ!フォルランやっぱうまい!(ウットリ)」
荒垣「しっかし見てらんねーなー。スピード感が無くて温いなこのサッカー、去年のセレッソはこんなもんじゃなかったろ」
順平(うわ荒垣さん機嫌わりー!)「あの、荒垣さん、なんかスンマセン、イヤだったら帰っていただ
アイギス「荒垣さん、それは本当ですか?」
荒垣「あ?本当に決まってんだろ、こいつらの実力はこんなもんじゃねーって」
アイギス「風花さんに入れていただいたデータ、今年のデータだけなんですが、私は選手の皆さんの能力を過小評価している可能性がありますか?」
荒垣「あ、そういうことか。その可能性はあるな。おい伊織、電話しろ」
順平「え、電話って誰にですか?」
荒垣「山岸に、去年のセレッソのデータを渡して、アイギス用に変換してもらうんだよ、当たり前だろ」
順平「え、あ、あ、ですよねー当たり前ですよねー(ピポプペ)あー風花ー?
あのちょっと今晩頼みがあるんだけ、あ、いやそんなへんな意味の頼みじゃなくて、アイギスのデ」
荒垣「おい、変われ!あ、山岸か、今から伊織がデータ送るから、あ、そうセレッソのデータ、古いやつな。
それアイギス用に変換しといてくれないか?あ、条件?なんだ言ってみろ!・・・ロールキャベツ?そんなの別に簡単じゃ・・・あー、わかったよ。
ロールキャベツな?来週教えてやるから、じゃあ頼んだぞ(プチ)」
順平(荒垣さんって風花とあんなに喋れるんだ、ちょっとびっくり)
天田「順平さん?」
順平(俺より荒垣さんの方が風花との仲は進んでるのかな?ショック!)
天田「順平さん!」
順平「え?あ、ごめん、なんか言ったかい天田少年?」
天田「なにボサっとしてるんですか?早くクラブハウス行ってデータ貰ってきて、風花さんに送ってください」
順平「え、俺?今すぐ?あとそもそもなんで古いデータを?」
荒垣「セレッソは今年はじめから監督が代わって、サッカースタイルが変わったからな。
今年は選手の実力が出し切れなかった。だから、去年のデータなんだ。
おい、そんな話はいいから早くしろ!」
アイギス「酒本さん!ポジショニングがダメであります、あと21センチ前に出るであります!」
夜:寮
順平「ただいまー」
山岸「おかえり、みんな。アイギスにはデータが出来てるよ!」
荒垣「おう、サンキュ。で、キタローも戻ってるのか。キタロー、このあと作戦室に来てくれ、試合は明日だ。時間がねえ」
キタロー「わかりました」
荒垣「伊織、天田、風呂済ませて30分後に作戦室な。キタローも頼む。アイギスもそれでいいか」
アイギス「はい、問題ないであります。風花さんのデータをインプットしておきます」
荒垣「頼んだぞ」
美鶴「すまないな。わたしも最大限のバックアップをする、みんなも協力してやってほしい」
全員「了解(です)」
風花「といっても、もう明日が本番なんですよね?応援するくらいしか私にはできないですけど」
ゆかり「いいじゃない。ねえ、順平。私たちの応援があったら100人力よねー?」
順平「・・・うん、そだね」
ゆかり「何そのリアクション」
キタロー「まあ僕たちはやれることをやろう」
更に夜:作戦室
順平は、キタロー、荒垣、天田、アイギスと長い時間過ごした
日曜:キンチョウスタ
順平「で、スタメンなんですけど~~(略)~~」
山口「うん、いいやろ」
順平「はい。それで、基本的には昨日の練習どおりお願いします。細かい指示は練習と同じようにアイギスの声を聴いてください」
山下「・・・なあ監督、フォルランとかジンヒョンはわかるんやけど、なんで僕ら日本人にもアイギスちゃんから指示がくるん?
ただの通訳なんやろ?」
順平「え、あ、あのそれは(やっべーどうしよ)」
アイギス「それは私から説明するであります」
順平(アイギス!大丈夫か!?)
アイギス「こう見えても、伊織監督は声が小さいであります。その点私は、オルギアモードを発動すれば、
逆サイド側の方にも体感200デシベル程度の音量で音声が出せるであります」
順平(おー!ナイスフォロー?)
扇原「お、おるぎあ?」
順平「あーいや、えーと、とにかくアイギスのが声がデカイから通るってことですよ!」
山口「君の声も、こうやって近くで話している分には充分大きいけど・・・」
アイギス「伊織監督はここぞというときに声が小さくなります。人間の小ささに比例しているであります」
順平「アイギス?」
山下「あー、そういうことね。なるほど。オッケー!じゃあアイギスちゃん頼んだよ」
アイギス「了解であります」
順平「なんか納得された」
そして試合開始
アイギス「山口さん!右34度の方向に強いパスであります!」
「ジンヒョンさん、このCKキッカーは筋肉疲労もあってキック力が落ちています。
ファーには蹴ってこないであります、ニアに注意してください」
「杉本さん、ワンツーで出るとき2秒置いてください、オフサイド回避です」
「今です前線のみなさん、総攻撃チャンスであります」
後半40分を終えて5-0。
セレッソ圧勝ムードである。
ゆかり「なんか応援するまでもないねー」
キタロー「そんなことはないさ」
真田「そうだぞ。俺たちの応援があっての、この成果だ」
美鶴「順平もアイギスも頑張っているじゃないか」
天田「順平さんは・・・立ってるだけですけどね」
風花「それだって、すごいよね。私、あの場に立ってたら緊張で倒れちゃいそう」
新垣(ピッチサイドに立てるなんて、羨ましい!くそっなんで俺じゃないんだ!)
天田「しかし、フォルラン選手、今日は精彩を欠いてますね」
順平「なあ、アイギス?フォルラン選手の動き、イマイチじゃね?」
アイギス「フォルラン選手は見たところ、心音、体温等、体調に関するデータは平常です。ただ・・・」
順平「ただ?」
アイギス「私がフォルラン選手に、うまく指示できていないんです。どうしても翻訳を挟む分、タイムラグがあって・・・」
順平「それはGKのジンヒョン選手もおんなじじゃないの?」
アイギス「はい、だから日本人のディフェンスラインのみなさんに頑張っていただいて、できるだけシュートまで持ち込まれないようにしています」
荒垣「いくらフォルラン選手とはいっても、一人で点をとるのは至難の業だからな。
ほかの連中はアイギスの指示で生き生きしているようだけど、どうもフォルランは動きがワンテンポ遅い、というか・・・悪くはないんだが、
相対的にフォルランの動きが悪く見えてしまうから、他の選手もフォルランにパスが出しづらかったりしそうだ」
美鶴「そういうものなのか」
荒垣「ああ。こればっかりはアイギスにもどうしょうもないだろ。残念だけどな。」
順平「くそっ、俺のことを最初に信用してくれたのがフォルラン選手なのに、何にもできないなんて!」
アイギス「手はあります」
順平「え?」
アイギス「フォルラン選手は、簡単な日本語なら話せるし、理解できるのですよね?」
順平「あ、ああ」
アイギス「私には、日本語のどれが簡単でどれが難しいか、というのがよくわからないのですが、順平さんにはわかるのではないですか?」
順平「え、まあわかるけど。やれ!とか行け!とかだったらさすがにわかるんじゃないかな」
アイギス「順平さんが直接その指示を出してください」
順平「え!?いやいや無理だろ?」
アイギス「大丈夫です。順平さんは数多の修羅場をここまでくぐりぬけてきたんですよね?今ならフォルラン選手以外のみなさんも、順平さんのこ
とを信頼しているからしたがってくれます」
順平「そんなこといっても俺素人だし」
アイギス「もうロスタイム3分です、あと1分しかありません」
順平「わーった、わーったよ、やればいいんだろ!えーと、山口さん!(アイコンタクト)」
山口(え、なに伊織君突然に?)
順平「フォルラン!飛び出せ!」
山口(そういうことか!オッケーじゃあ出すぞフォルラン!)ポーン
フォルラン「イオリ!ホタル!」<スッと縦パスを足元で受ける>
順平「シュート!ぶち込め!」
フォルラン「!」
スタジアムアナ「ゴール!」ワーワーフォルランー!
美鶴「・・・フォルラン選手、決めたじゃないか」
天田「すっごいや、さすがフォルラン選手!」
荒垣「今・・・伊織の声じゃなかったか?」
キタロー「そうですね」
真田「グッジョブだ、順平」
試合はそのまま6-0でセレッソが勝利。
チーム広報「伊織君、あの、一応監督って試合後インタビューあるんだけど」
順平「ヘッ?何すかそれ、これふつーの、日常の1試合ですよね?優勝決定戦とかじゃないですよね?」
チーム広報「いや、野球はそういう大一番だけかもしれないけど、Jリーグは必ず監督インタビューが入るの。
スカパーで全国中継だから、よろしくね?勝ったんだし、今日は解説アノ人だし、テキトーにやってもらって大丈夫だよ」
順平「」
玉乃「はい、放送席!勝ちましたセレッソの伊織監督代行に来てもらいました。いやー、シビれちゃいましたよ今日の試合。
えーと、伊織さんはサッカー初采配ということなんですが、今日はいかがでしたか」
順平「(ドキドキガクガク)いや、えーと、僕の力なんて微々たるもので、みなさんの力で勝てたと思います」
玉乃「いやー謙虚ですねー!でも試合中も相当頻繁に、細かい指示を出していましたよね?ベテランの監督だってあそこまではなかなかできないですよ」
順平「いや、えーとそれは」
玉乃「そして最後の最後は千両役者のフォルラン選手のゴール、もうスタジアムはお祭り騒ぎでしたね!」
順平「! はい、フォルラン選手は、僕が合流した日にいろいろ応援してもらったので、是非ゴールを決めてもらいたいと思って
ました」
玉乃「最後、デカい声で”シュート!”って怒鳴ってましたよね。放送席まで生声で聞こえましたよ。
いやー、アツい監督、いいなあ!あの威勢には鳥肌たっちゃいましたよ」
順平「あ、ありがとうございます!」
玉乃「放送席、勝ったセレッソの伊織監督代行でした!」
順平「ど、どもっす」
ドレッシングルーム
山口「よ!勝利監督!お疲れ!」
順平「あ、さっきはありがとうございました!」
山口「?なんで?」
順平「目を合わせただけで、何にも指示してないのに、フォルラン選手にパスを!」
山口「あ、あれね。いや、監督、指示はしてくれてたよね?」
順平「?」
山口「だって、君の考え、伝わってきたよ。フォルランに出せ、フォルランに点を取らせろ、って」
順平「え?でも俺・・・」
アイギス「伊織監督はそんな指示は発していなかったであります」
山口「でも伝わったんだよ、僕には。いや、ピッチにいる全員にも伝わってたんじゃないかな?」
パキーン
「セレッソコミュ」MAX!
山口「伊織くん、君、サッカーはズブの素人だって言ってたよね?」
順平「はい・・・」
山口「で、野球好きなのに今は野球部でもない?」
順平「・・・はい・・・」
山口「うーん、信じられないよ」
順平「・・・」
山口「なんでさっき、あの指示が出せたんだい?
あの敵の、わずかなスキをついて攻めるなんて、スポーツの才能か、
何か戦いの才能でもなきゃ、出来ないんじゃないか?」
アイギス「はい。伊織監督は影時間に戦いまくってい「アイギス!」
山口「影時間?」
順平「あ、こう見えて影では戦ってるんだぞ!ってことですはい」
山口「?まあいい。フォルランに挨拶していくんだろ?ボチボチシャワー室からあがってくるから、挨拶しておいで」
順平「はい!」(これ以上山口さんに追及されるとヤバい、ここは逃げよう!)
シャワー室前
順平「といいつつ、何話せばいいんだろ。とりあえずお礼言おう!」
ガチャ
順平「あ、フォル
フォルラン「テレッテッテー、フォルランハ、レベルアップー!」
順平「」
アイギス「そっくりであります。さすがプロは何をしてもプロであります」
順平「アイちゃん?教えたの?」
アイギス「はい、伊織監督を驚かせたい、とおっしゃったので試合前にお教えしました」
フォルラン「イオリニサプライズ、シタカッタ。アイギスニオシエテモラッタヨ!イオリ、ビックリシタカ?」
順平「あーなんか緊張の糸ぶっとんだわー、うん、ビックリした」
フォルラン「キョウノゴール、イオリノオカゲ」
順平「いや、俺とアイギスのせいで今日のフォルラン選手はプレーしづらかったでしょ、なんかすんません」
フォルラン「?キョウハミンナイイサッカーシタ、ボクモサイゴハキメタ、ミンナヨカッタ!」
アイギス「はい、今日はボールポゼッション、パス成功回数ともクラブ過去最高記録でした」
フォルラン「キョウデオワカレ、サミシイ!マタ、イツデモカエッテオイデ!」
順平「フォルラン!」
パキーン
フォルランコミュMAX
夜:寮
ゆかり「あ、おかえりー」
美鶴「ご苦労だったな、伊織」
風花「スーツ姿の順平くん、なかなかカッコよかったよ!」
キタロー「アイギスもね」
アイギス「ありがとうございます」
順平「あ、ありがとう。あれ?真田さんは・・・?」
荒垣「プロアスリートの活躍に感化された、とかで、スタジアムからここまで走って帰ってくるんだと。まだ大阪府内じゃないか?」
順平「さすが、真田センパイ・・・」
天田「で、あの順平さん・・・?」
順平「あー!忘れてた!新垣さんと天田少年に頼まれてたフォルランのサイン忘れてた!」
荒垣天田「」
ゆかり「うわー・・・ありえない」
風花「天田くん、帰り道もサインの話してたのにね・・・」
順平「まじスイマセン、どうしよ明日行ったら練習場入れてくれないかな」オロオロ
美鶴「まあ落ち着け、私から頼んでおく」
順平「桐条センパイ!」
美鶴「さすがにそれくらいは頼んでも問題ないだろう、伊織、安心してくれ」
順平荒垣天田(ホッ)
ガチャ
幾月「いやーみんなお揃いだねー」
全員「」
幾月「伊織くんは野球好きだと思ってたけどサッカーも行けるんだねー、ホームランとフォールラン、通ずるものがあったのかなー?ホームランとフォールラン、ブフォッ」
全員「・・・」
美鶴「処刑・・・するか?」
キタロー「はぁ、どーでもいい」
終わりです。
初SSということでお目汚し失礼をいたしました。
ペルソナSSが読みたかったけど出回ってなかったので自分で書いちゃいました。
>58
どうもです。試合のところは頑張れば厚くできそうだけど力尽きました…
スレタイにペルソナって書いておけばよかったかなと、ちょっと後悔。
テレッテ大阪俺も思い浮かんだわ
ドラマCDの感覚で読めたよ
もう少し改行したら見やすくなるよ、おつおつ
乙!P3ss珍しいからうれしかった
セリフの後に改行いれると読みやすくなると思います
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