希「すき!すき!だいすき!おにくさ~ん!」 (5)


東條希は私の知る限り「最も肉食に倒錯した人類」である。彼女の前ではエド・ゲインもジェフリー・ダーマーも、あのアルバート・フィッシュでさえマトモに見える、というのは些か云い過ぎだが、少なくともゲインやダーマーは何を考えているのかぐらいは判る、フィッシュは例外として。ところが、東條は何を考えているのやらさっぱり判らない。正常な人間が彼女の頭の中を覗いたら、それだけで発狂ないし腹を空かせてしまうのではないだろうか。


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どきついです。
カニバルです。


 事の発端は2014年6月6日に遡る。東京都千代田区にある綾瀬家に東條希が訪ねて来た。手には地元の銘菓のひとつ『ほむまん』の入った袋を持っている。
「今日絵里さんはいますか?」
 対応したのは次女の綾瀬亜利沙(18)だった。その時、綾瀬絵里は外出しており不在だということを亜里沙が伝えると。
「あちゃあ、えりちと農場でのイベントの打合わせに来たんやけどな、なにせ人手が足りなくて困っとるんよ。亜里沙ちゃん悪いんやけど、えりちが帰ってきたら明日うちに来てくれるように伝えてもらえん?えりち携帯の電源切っているみたいで連絡がとれないんよ」
 亜里沙はこれを快諾。東條は「ごめんなぁ、あとこれおうちの皆さんで食べてな」と土産のほむまんを差し出した。その時、絵里が帰宅。絵里に誘われ綾瀬一家と昼食を共にした東條は、昼食後に絵里と雑談していると、東條がこんなことを云い出した。
「えりち、明日はうちがお昼ご馳走したるわ。楽しみにしとってな、腕によりをかけて最高のお肉さん料理をふるまうから」
 絵里は大喜びだ。翌日の午前11時に絵里は東條の家へ向かっていった。
 絵里はそのまま帰ってこなかった。
 翌朝になっても帰って来ない、東條も家に来ていないと涙ぐんで言った。両親は警察に届け出た。
 手掛かりはまるでなかった。絵里の消息がまったく掴めないままに月日は流れ、6年後の2020年11月11日、綾瀬婦人は以下のような不気味な手紙を受け取った。

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