サシャ モグモグ
教官「……であるからにして…」
サシャ ハムハム
教官「故に……、………そこの貴様」ジロリ
サシャ ガツガツ
教官「貴様だ、サシャ・ブラウス!」
アハハハ
マタイモオンナカ
コンドハナニクッテンダ
>>1 一行目に<座学授業にて>をいれて読んでくれ
サシャ !!ハムハム、ゴクン!
サシャ「は、はい!?」
教官「…貴様はいつもいつも、見る度に何かを食っているな」
サシャ「あ、ええと…お腹が空いては頭が回らないので…」
教官「そんな話はしていない、やはり頭が足りんようだな。貴様、この前の試験でどれだけ見るに耐えない成績を残したか覚えていないのか?」
サシャ「う…」
教官「次の試験は来週だぞ。もしもまた半分より下の順位に入るようなら…、一週間夕食抜きだ!良いな!」
ザワザワ
サシャ「え…!そんな…」
教官「少しは努力するんだな。さて、静粛に。授業に戻る」
サシャ 絶望
☆ ☆ ☆
その日の深夜、女子宿舎にて。
皆が寝静まる中、一人教科書とにらめっこをする者の姿があった。
サシャ(ここがこうなって……。ん?これ、どういう意味だろう…。ああー、他にも訳分からん単語がたくさんある。面倒になってきた)
クリスタ「ん…。サシャ、まだ起きてるの?」
サシャ「! すみません、起こしました?」
クリスタ「ううん、何となく目が覚めちゃっただけ。それよりも早く寝なきゃ、明日は一日訓練なんだから身体がもたないよ」
サシャ「いえ、大丈夫です。それより一週間夕食抜きが恐ろしくて…。だったらご飯時以外一週間走りっぱなしのほうが良いです…」
クリスタ「ど、どっちもやだよ。とにかく今日はもう寝よ?明日は5時起きだよ、あと4時間もないじゃない」
サシャ「…」
クリスタ(…サシャ、すごく思い詰めてる)
クリスタ(力になってあげたいけど、私も座学は人に教えてあげられるくらい得意なわけじゃないし…)
クリスタ(……そうだ)
クリスタ「ねえ、だったら明日、アルミンに頼んで教えてもらったら?」
サシャ「え、でも…」
クリスタ(サシャは意外と、内向的なのよね。私やミカサには結構頼ってくれてるみたいだけど、他の人には食べ物のこと以外であまり自分から何かを頼んだりしない)
クリスタ「大丈夫。私はアルミンとそれなりに話とかする仲だし、私がお願いしてみるね」
サシャ「あ、…はい。ありがとうございます!」
クリスタ「ううん。じゃ、お休み」
サシャ「はい、お休みなさい、クリスタ」
☆ ☆ ☆
翌朝、食堂
エレン「ゲッ、何で今日のスープにはブロッコリーが入ってんだよ」
アルミン「あ、本当だ。野菜がたくさん入ってるね、いつもより豪華に見えるや」
ミカサ「エレン。好き嫌いはいけない」
エレン「口うるせーな、お前は。ブロッコリーなんて食べなくても生きていけるだろが」
サシャ「そうです、それを食べなくてもエレンは生きていけます!というわけでスープは私がもらいますね!」ヒョコッ ズズズ
アルミン「あっ」
エレン「おい!」
ミカサ「サシャ!…仕方がない、エレン、私のを分けてあげる。ただし、ちゃんとブロッコリーも食べること」
エレン「要らねぇよ…」
クリスタ「もうサシャ、違うでしょ!」ヒョッコリ
ユミル「クリスタ、もうこんな芋女放っとこうぜ。こりゃ一週間飯抜きになったほうが本人のタメにもなる」
エレン「ああ、昨日の話か」
ミカサ「そうね、私もユミルに同意。サシャは食べ物に執着しすぎ。もっと訓練や座学にまともに励むべき、食糧泥棒も止めれば教官からの評価もきっと上がる」
ミカサ「なのにあなたは懲りずにまた盗みを働き、時間じゃないにもかかわらず食事を始める。一度しっかりと痛い目を見るべき」
サシャ(……)モグモグガツガツ
アルミン「そういえば夕食抜きなんて言われてたね。ミカサも言っているけど、要はサシャもやればできる。飲み込み早いんだから、ちゃんと話を聞けば成績だって上がる筈なんだ」
エレン「しかし本人がこれだもんな」ハァ
ミカサ「エレンはこうならないように」
サシャ「エレン、このパンもらいますね」ヒョイパク
エレン「おい!!」
クリスタ(うーん、何だか頼みづらい空気)
クリスタ「……ねえ、アルミン。あとで一人でちょっと残ってくれない?話があるの」コソッ
アルミン「え?良いけど…」
クリスタ「ありがとう。すぐ終わるから」
ユミル(ったく、またお節介始めやがって)
☆ ☆ ☆
アルミン「で、話って?」
クリスタ「うん。サシャのことなんだけど…」
アルミン「もしかして、勉強を教えてほしい…とか?」
クリスタ「そうなの。お願いできない?」
アルミン「僕は別に構わないよ、復習にもなるし。でも本人はどうしたいのかな?ここに居ないけど」
クリスタ「うんと…。皆の前ではああだけど昨日サシャ、夜遅くまで一人で勉強してたの」
クリスタ「一週間夕食抜きなんて絶対に嫌だって。早く寝るように促したんだけど、私が寝た後もこっそり勉強してたみたいで開いたままの教科書を枕にして寝てた」
クリスタ「そこでアルミンに力を貸してほしいの。サシャのお勉強、手伝ってあげて。私にもできることがあるなら何でもするから」
クリスタ「毎日徹夜で勉強して、昼間はハードな訓練だなんて生活続けてたら絶対に身がもたないよ」ウルッ
アルミン「…クリスタ」
アルミン(女神)
クリスタ「それに、これをきっかけに、サシャが色々な人を頼れるようになれたらって思っててね」
クリスタ「サシャって実は内気なところがあるんだ。だからあまり自分から人に頼みごとできないみたいで。もちろん食べ物のことは別だよ?」
アルミン「……ああ、それは何となく気付いてたかも」
クリスタ「うん。多分、今回もどうにか自分だけで乗りきるつもり。…でも、そんなの絶対限界があるじゃない。だからアルミン、お願い」
アルミン「そうだね。確かに彼女は人ともっと関わることが必要だ。サシャが協調性を高めればそれによってまた緊急時の作戦の幅が広がるかもしれないし、引き受けるよ」
クリスタ「良かった…!ありがと、アルミン!じゃあ今夜よろしくね」
アルミン「構わないよ。じゃあ、そろそろ訓練だしまたあとで」
クリスタ「うん、ばいばい」タッタッタッタッ
☆ ☆ ☆
訓練、休憩時間にて
クリスタ「というわけでサシャ、今日からアルミンが先生になってくれるって!」
サシャ「は、はぁ…」
ユミル「おい、せっかくクリスタかまセッティングしてくれたんだからもちっと感謝しろよ!」
サシャ「す、すみません。ありがとうございます」
クリスタ「もう、ユミル。私が勝手にやったことなんだからそういうこといわないでよ」ムスッ
ユミル「はいはい悪かった!もう、クリスタお前は膨れっ面でも可愛いなあ!」
クリスタ「からかわないで!」
サシャ「あはは」
クリスタ「あのね、サシャ。私も分からないところがたくさんあるからアルミンに聞きたいの。それに付き合ってくれればいいだけだから、ね?」
ユミル「クリスタもいくのか?じゃあ私も…」
クリスタ「ユミルは来なくていい!ね、サシャ?」
サシャ「は、はあ。で…でもやっぱり…」
キース「104期生は集合せよ!これより訓練を再開する!!」
サシャ「え、もうですか!?」
ユミル「五分も経ってねーよ」
クリスタ「急がなきゃ、いこう!」
サシャ(………)
☆ ☆ ☆
よし寝るわ。もしアレだったら他の人続き書いてくれ(*⌒∀⌒*)ミャハ
食堂
激しい訓練が行われた今日は、いつも以上に勢いづいて夕食を食べる者が多く
蓄積された疲労を早く消し去りたいとほとんどの皆がすぐに寝床へ向かった。
現在食堂に残っているのは104期生の数名のみである。
エレン「よし、じゃあ俺たちも帰ろうぜ、アルミン」
アルミン「ああ、僕は少し残るよ。エレンは先に帰ってて」
ミカサ「? 何か用事があるの?」
アルミン「うん、えっと」
アルミン(…今朝のことを考えると、少し言いにくいな)チラ
クリスタ「!! あ、あのね、昨日の座学で分からないところがあったからアルミンに質問したいんだ」
アルミン「そういうことなんだ。だから僕のことは気にしないで」
エレン「勉強熱心だな、クリスタは」
ジャン「それに比べて、クリスタとよくつるんでる芋女は相変わらず食うばっかだなぁ」ジロリ
サシャ ピクリ
サシャ(……)残飯モガモガ
クリスタ(あ…)
アルミン「…あはは。じゃあ、また後でね」
クリスタ「じゃあ、みんな部屋に戻ったことだし…よろしくお願いします、アルミン先生」
アルミン「うん、よろしく」
アルミン(言うことも可愛い)
クリスタ「ほら、サシャも」
サシャ「…よろしくお願いします」 おずおず
アルミン「サシャもよろしくね。一週間頑張ろう」
アルミン「それで早速だけど、サシャ。まずは分からない範囲についてだけど、自分でちゃんと分かってる?」
サシャ「え、どういう意味ですか?」
アルミン「自分が理解できていないところがどこか、自覚できているかって話だよ。それを最初に自分で把握して進めていったほうが勉強しやすいだろう?」
クリスタ「なるほど!分からない部分を順番に片付けていかないと、余計こんがらがるだけだものね」
サシャ「確かに…。しかし分からないところと言われても、…うーん。どこでしたっけ。とりあえずもうほとんどサッパリ分かりません」
アルミン「そっか。でもほとんどってことは、少しは理解できてる部分もあるんだよね?最初のほうとかかな」
サシャ「はい、恐らく五、六回目の授業くらいまでは」
アルミン「ってことは…この辺だね」教科書ペラペラ
アルミン「うん、ちょうどこの時から授業がだんだん複雑になっていった」
クリスタ「あー、そういえば。私もちょっとついていけなくなって、授業終わりに教官に質問していたのよね」
アルミン「そう。クリスタとサシャの違いはそこだよね」
サシャ「?」
アルミン「分からないところがあったら、その日の内に聞かなきゃ。じゃなきゃ授業内容はもちろん、自分が理解できなかったところすら忘れてしまう」
アルミン「そしてそれが続けば分からないことだらけになっていって、授業に真面目に取り組もうという気力が無くなるんだよね」
サシャ「た、確かに…」
アルミン「座学授業は大抵夕食の前にあるからね。きっとサシャは疑問があったっていち早く食事にありつきたくて、誰よりも急いで講堂を出ていたんだろう。あはは、サシャらしいね」クス
サシャ(…馬鹿にされてるんやろうか?いいや、アルミンに限ってそれはないか。でもアルミンの言うことはいちいち的を得とる)
アルミン「まあ別に、これからもその調子でいいよ。その代わり、食事が終わったら僕のところに質問においで。それまではどれだけ食べても良いから、ちゃんとその日の疑問を覚えておくこと」
サシャ「…は、はい、ありがとうございます」ペコ
サシャ(……クリスタもやけど、この人も良い人だな。私、別にこの人たちのために何もしとらんのに、優しくされるばかり…じゃあ私は何を返せば良いの?)
アルミン「じゃあ今日は最初に四回目の内容をやって、本当に全部覚えているか確かめてから次に進んでいこう。サシャ、このページを開いて」
サシャ「は、はい」
クリスタ(あら、案外こんなに早くサシャがアルミンと向き合い始めてる?…試してみよう)
クリスタ「アルミン、サシャがそのページを読んでる間、ちょっとここだけ教えてもらって良い?」
アルミン「ああ、良いよ。サシャ、覚えてないところがあったら呼んでね」
サシャ「わ…分かりました」
アルミン「でね、ここは実は……で、……だったってことになるわけだけど」
クリスタ「あ、そっか。なるほど」
アルミン「…が……で、…………、こういうことになる」
クリスタ「うんうん、すっごくよく分かる!アルミンって本当に頭が良いのね」 チラ
アルミン「そ、そんなこと…」 テレテレ
クリスタ(あー…)
サシャ「……」 ソワソワ
クリスタ(指定されたページの中間くらいかな。あそこからサシャの視線が動いてない…。で、落ち着かない様子…ってことは、覚えてないところを見つけたってことよね。すっごく何かを聞きたそう)
クリスタ(…とりあえず、まだこっちからは何もアクションを取らないでおこう。目が合ったら無視できる自信は無いから、気付かない振りして目線もそらしておこう。ごめんね、サシャ)フイッ
サシャ「……」 ソワソワ チラチラ
アルミン(…サシャの様子がおかしい。聞きたいこと、あるんだろうなぁ)
クリスタ「あとここなんだけど」
アルミン「う、うん」
サシャ「……」 ソワソワ
サシャ「……」 ソワソワ
サシャ「……」 パンモグモグ
アルミン・クリスタ「いやいやいやいやちょっと待った!!!」
サシャ「!!」
クリスタ「どこにパンを隠し持ってたの!?というか、気付かない振りをしたのは申し訳ないけど、ちゃんと声かけてよー」プンスカ
サシャ「え!気付かない振りだったんですか!?ひどいです!」
クリスタ「…ご、ごめんなさい、それは本当に…ごめんね」
アルミン「ま、まあ何も意地悪がしたかったわけじゃないんだよ、サシャ」
サシャ「……」 ジトリ
アルミン「そ、それで、覚えてなかったところはどこ?」
サシャ「…えと、ここです」
アルミン「他には?」
サシャ「あと、こことここも。あ、でもこっちは曖昧なだけで…完全に忘れてしまっているわけでは、ないです」
アルミン「…うん、じゃあ、先にこのうろ覚えの部分。曖昧なままで良いから、サシャの言葉でこれがどういうことか説明してみて。間違っていたら訂正するから」
サシャ「は、はい」
クリスタ(サシャ、頑張ってるのが伝わってくる)
クリスタ(…そうだよね、いくら何でもいきなり内気な性格を直せたりしないよね。それでも歩み寄ろうっていう気持ちがあることは充分に伝わったよ。ゆっくり、サシャのペースに合わせていくことが大事なんだわ)
クリスタ(応援してるよ、サシャ) ニコリ
授業開始から約二時間後。
アルミン「……は……だから、ここが……」
サシャ「はいぃ…」ウトウト
アルミン「…サシャ、眠い?」
サシャ「い、…いえ……」ウトウト
アルミン「あはは、目がとろんとしてるよ。とりあえず今日はキリもいいし、ここで終わりにしておこう」
サシャ「で、でも…せっかく……」ウトウト
アルミン「せっかくここまでやったかもしれないけど、まだあと六日あるんだ。今日ここまでは理解できたんだから、そんなに焦らなくていい。それよりも、しっかりと冴えた頭で取り組むことのほうが大事だよ」
サシャ(そ、そうやないんよアルミン。せっかく受けた恩に対して、何となく失礼な気がして…で、でも、眠い)ウトウト
アルミン「それにさ、ほら」チラ
サシャ「…あ」チラ
クリスタ zzz
サシャ「ヨダレ…」
アルミン(可愛い)
サシャ(……クリスタも、疲れてるのに付き合わせちゃったな)
サシャ「あ、あの、それじゃあ今日は…」
アルミン「うん。また明日ね」
サシャ「ちょ、ちょっと、ひとつだけ宜しいでしょうか」
アルミン「! 何?」
サシャ「…私がアルミンに勉強を教えてもらってること、他言しないでほしい…です」
サシャ(無駄な努力、とか、馬鹿にされそうやし。私だけやなく、アルミンたちも)
アルミン「……うん、分かってるよ。僕もクリスタも最初からそのつもりだったから」
サシャ「ありがとうございます、おやすみなさい」ペコリ
アルミン「気にしないで。じゃあね、おやすみ」ニッコリ
サシャ「……」
サシャ「クリスタ、起きてください」
クリスタ「うーん…?あ、勉強終わっ…ひゃっ!?よ、ヨダレ…!」 ジュルジュル
サシャ「えへへ、ヨダレたれててもクリスタは可愛いですよ」 ナデナデ
クリスタ「ユミルみたいなこと言わないでよ、もう」
サシャ「夜遅いからおかしくなってるのかもしれませんね、たくさん勉強しましたし」
サシャ「さ、戻りましょう」
☆ ☆ ☆
就寝前、男子部屋にて
アルミン(サシャ、うろ覚えの部分、一生懸命説明してくれてたな。最後の最後も自分から話しかけてきてくれたし。僕と向き合おうとしてくれているのがすごく分かったよ)
アルミン(それにしても今日は少し急きすぎたかな?明日からはもっと難しい範囲になっていくからゆっくりと進めていかなきゃ)
ライナー「なぁ、アルミン。クリスタは結局、ちゃんと授業の疑問を解決できたのか?」 ソワソワ
アルミン「え?」
ジャン「こいつ、お前がずっと部屋に帰ってこないからアルミンはまだクリスタと一緒なのか?って終始落ち着きなかったんだぜ。みっともねぇ」
ライナー「い、いやその」
アルミン「はは。クリスタはすぐに分かってたよ、昨日の範囲だけだったから」
エレン「? クリスタは?って何だよ」
アルミン「あっ、えっ?」
ベルトルト「他にも誰か居たような言い方だね。それにすぐに分かった割に、あんなに長時間つきっきりで勉強教えてたって…」
アルミン「あ、ああ。ユミルだよ。ほら、ユミルはクリスタの側にいつも居るから」
ジャン「あいつか。確かにあいつが居たら長引きそうだな。ちょいちょいいちゃもんつけてきたり、茶々いれたりしてきそうだもんな」
ライナー「お前が言うな」
アルミン「あはは。さて、そろそろ寝ようか。あんまり喋ってたら眠れなくなっちゃうよ」
エレン「おう、お休み」
☆ ☆ ☆
同時刻、女子部屋
クリスタ「じゃあ、明かり消すね」
ミカサ「うん、お休みなさい」
クリスタ「お休みなさい、ミカサ。みんなも」
アニ「ああ」
ユミル「お休み」
ミーナ「お休みー」
クリスタ(……あれ、サシャ?)
サシャ スピースピー
ユミル「芋女はもう寝たのか」
ミカサ「今日の訓練は運動量がいつもの倍だったから疲れていたんだろう。心なしか口数も少なかった気がする」
クリスタ「そうだね」
クリスタ(私は途中で寝ちゃったけど、サシャは二時間頑張ってたもんね。疲れ、ちゃんと取れると良いな)
ミーナ「そういえばサシャ、夕飯のあとクリスタと戻ってきたけど、サシャも一緒だったの?」
クリスタ「……」
ユミル「…偶然遭ったんだろ、コイツがんなことするかよ。大方またどっかで食い物でも拾い集めてたんじゃねーの?」
クリスタ「…ユミル。うん、そう。たまたま遭ったから一緒に帰ってきたの」
ミーナ「あはは、そうよね。よく考えたら自主勉強なんてサシャのキャラじゃないわ」
クリスタ「ふふ。じゃ、明日も早いし寝よっか。お休み」
ミーナ「うん、お休み」
サシャ スピースピー
クリスタ(…サシャ、明日も頑張ろうね。お休みなさい)
☆ ☆ ☆
翌日 立体起動訓練休憩中
エレン「アルミン、大丈夫か?」
アルミン「ハァ、ハァ…ふぅ。うん、大丈夫」
ミカサ「お疲れ様。…アルミン、何だかいつもより疲れてる気がする」
アルミン「ううん、そんなことないよ。心配ありがとう」
サシャ「……」チラチラ
ミーナ「ん、どうしたのサシャ?」
サシャ「いえ、別に…」
サシャ(昨日遅くまで付き合わせたからかも…、私はともかくアルミンは元々体力そんなに無いし…やっぱ申し訳ないな)
サシャ(……そうだ、ひとまずここで一度恩を返しておいて今日からはやっぱり一人で勉強すれば…)
エレン「無理だけはするなよ?体調壊したら大変だからな」
アルミン「分かってるって、大袈裟だな」
サシャ タッタッタッタッ
ミカサ「? サシャ?」
サシャ「……あの、これどうぞ」
アルミン「え?タオル…冷たくて気持ち良い」
サシャ「川で濡らしてきたので。良かったら使ってください」
アルミン「でも…」
エレン「まあ、タオルは食い物じゃないからな。アルミン借りとけよ」
サシャ「どういう意味ですか!」
サシャ「じゃあ、またあとで」ペコリ タッタッタッタッ
アルミン「あ、ありがとう!」
ミカサ「……」
ライナー「おい、何だ今の!」
コニー「信じらんねえ、あの芋女が…!」
ジャン「どうせ今恩を売っといてアルミンに夕食をたかる気なんだろ、驚くことはねぇさ」
コニー「なるほど!」
アルミン「そんなことしないよ、サシャは」
ジャン「? 何でだよ?」
アルミン「あ、いや…何となく」
ミカサ「アルミンが何となくで人を語るなんて、珍しい。けど、私もあなたの意見に賛成。サシャは食い意地ははってるけど、下心で仲間に恩を売るなんてしない」
ジャン「……」 ボコッ
エレン「いてっ、何すんだよ!」
ワーワーギャーギャー
ユミル「何だよ、うるせーな。またエレンとジャンが喧嘩してんのか」
クリスタ「仲良いよね、あの二人」
☆ ☆ ☆
寝る
☆ ☆ ☆
夕食後、井戸の前にて
クリスタ「さーて、今日もこのあとお勉強頑張ろうね、サシャ!」
ユミル「今日も夜はクリスタと別行動かよ。おい芋女、お前のせいだぞ」
クリスタ「もう、ユミル!」
サシャ「あのー、それなんですけど…」
クリスタ「あ、そうそう。さっき教官に事情を説明して講堂を使えるようにしてもらったから、今日からはそっちでやろう?」
クリスタ(食堂だと部屋から近すぎて他のみんなが様子を探りやすいからね)
サシャ「えっ、そんなことまで…」
ユミル「よく許可下りたな?」
クリスタ「アルミンが話してくれたから簡単に通ったんだと思う。それにサシャがやる気を出したってことに対して喜んでるんじゃないかな。良かったね、サシャ」
クリスタ「あとは結果を出して、みんなを見返してやろう!」
サシャ「ははは…、感謝感謝ですね本当に」
サシャ(……………はあ)
クリスタ「よし、水汲み終わりっ!行こう」
サシャ(引くに引けない状況に……。そこまでしてもらったら、断ろうにも断れない…)
サシャ(………)
☆ ☆ ☆
講堂
クリスタ「じゃあ、今日もよろしくお願いします、先生」ペコッ
サシャ「お、お願いします」ペコリ
アルミン「こちらこそ。今日は先にみんなシャワーも済ませてるし、消灯ギリギリまで教えられるね」
クリスタ「でもあんまり長いと怪しまれない?昨日は部屋に戻っていろいろ聞かれちゃったよ。ユミルが誤魔化してくれたからいいけど」
アルミン「こっちは上手く言ってあるから平気だよ。クリスタたちの言い訳も用意しておくから安心して」
クリスタ「そっか、ありがと。やっぱりアルミンは頼りになるね」
アルミン「そ、そんなことないよ」
サシャ「あ、…あの…色々と、ありがとうございます」
アルミン「ううん!気にしないで」ニコッ
クリスタ「それじゃあ早速始めましょ!」
アルミン「じゃあ今日も、分からないところがあったら声を掛けてくれる?」
サシャ「は、はい」
クリスタ「絶対だよ?」
サシャ「分かりましたってばもう」
アルミン(クリスタには結構砕けた態度を取るんだよなあ)
サシャ 教科書ジッ
アルミン「ねぇ、クリスタ」 コソッ
クリスタ「ん、何?」コソッ
アルミン「あのね、さっきはサシャに勉強を教えてること上手く隠せてるって言ったけど、やっぱり残り五日ずっと誤魔化し続けることは不可能に近いと思うんだ」コソコソ
クリスタ「だけど…みんなに知られたらきっとサシャのこと馬鹿にする、やる気を削ぐようなことしか言わないよ。そんなことになったら…」コソコソ
アルミン「…そうだね。でも、もちろんその辺のことも考えてる。心配しないで」コソコソ
サシャ「……」 ソワソワチラチラ
クリスタ「分かった、アルミンを信じるよ。…あ、ねえサシャ見て」コソコソ
アルミン「?」 チラ
サシャ「…!! あ、えっと、すみません、あの、ここ…」
アルミン「今行くよ」
アルミン「もうこんな時間か。サシャ、今日は全然うとうとしなかったね」
サシャ「へ、へへへ。頑張りました。……クリスタも手伝ってくれてるし、アルミンも一生懸命教えてくれるので」 ニッコリ
アルミン「…! う、うん、そっか」
サシャ(何とか応えな、二人に失礼やもんね…)
アルミン(……今のサシャ、何か…)
アルミン(……)
アルミン「…今日も結構進んじゃったけど、ちゃんと覚えられたかな?」
サシャ「バッチリです」
アルミン(そうだよね、今日は途中からちゃんと自分から質問してくれるようになったもんね)
クリスタ「あ、私また寝ちゃってた」パチ
サシャ「おはようございますクリスタ」
アルミン「おはよう。ぐっすり寝てたね」クスクス
クリスタ「いつの間に…。あっ!」 ゴシゴシ
サシャ「今日は垂れてないから拭かなくて大丈夫ですよ」
クリスタ「よ、良かった」 テレ
アルミン(癒されるなぁ)
アルミン「それじゃあそろそろ帰ろうか、もうすぐ消灯時間だ」
クリスタ「うん、今日もありがとね」
サシャ「ありがとうございました」
アルミン「ううん、僕の勉強にもなるから。お休み」
サシャ・クリスタ「お休みなさい」
☆ ☆ ☆
翌朝 食堂にて
コニー「お、今日はパンにチーズがついてんのか!パンも何かいつもよりでけぇ気がする!」
ライナー「やる気が出てくるよな!今日も頑張ろう、コニー」 肩バシッ
コニー「あっ!!パンが落ち…」
――…ダダダダダダダダダ
サシャ ガブッ
ライナー・コニー「!!!!!!」
サシャ「いや~もったいないことになるところでしたね」フッ モグモグ
コニー「てめぇぇぇぇ!!」
ライナー「お、落ち着けコニー。俺のせいでもあるんだ、俺のをやるよ」
エレン「す、すげえ!今の見たか!?」
ミカサ「エレン、食事中にサシャの近くには寄らない方が良い。あの速さは私ですら反応できるか危うい」
わーわー
ユミル「あいつ、私の隣に居たよな」
クリスタ「サ、サシャの残像が見えた気が…」
アルミン「ねぇ、クリスタ。ちょっとサシャのことで話があるんだけど」
クリスタ「何?」
アルミン「ええとユミルは知ってるんだっけ?」チラ
ユミル「? ああ、お前らのお節介のことか?知ってるよ。はあ、お前らの余計なお世話のおかげで、私は試験までクリスタとあんまり一緒に居られないんだよなぁ」
クリスタ「あのねえユミル」
アルミン「ちょうどそのことについて話したかったんだ」
クリスタ「?」
アルミン「クリスタ、今日は夜、一旦席を外してくれないかな?」
クリスタ「良いけど…、でもそしたらサシャが…」
アルミン「サシャは少しずつだけど僕に心を開いてくれるようになってる、と思うんだ。でもそれはサシャだけの力じゃない、頼れる君が側に居るからというのもあるんだと思う」
ユミル「クリスタから自立させるってことか?」
アルミン「そういうわけでもないけど…。とにかく僕とサシャの残りの距離、その間を埋める一歩は、どうしてもサシャ自ら埋めてほしい」
クリスタ「分かったわ。アルミン、サシャのこと宜しくね」
アルミン「うん、任せて」
ユミル「何だ何だ? まるで娘を嫁に送り出す親と娘を嫁にもらう男みてぇなやり取りだな!しかし芋女のサシャの相手がアルミンとは意外すぎるっけどなぁヒャヒャヒャ」
アルミン「そっ、そんなつもりはないよ!!」アワアワ
クリスタ(否定してるけど顔赤いよ、アルミン)
ジャン「? サシャとアルミンが何だって?」
ユミル「のわ!居たのかよ、お前」
ジャン「今来たんだよ。で、今何の話してたんだよ」
ユミル「お前にゃ関係ない話だよ。それとも何だ、サシャのことが気になりますってか?」
ジャン「チッ、芋女になんか興味ねーよ」クルッ
アルミン「ありがとうユミル」ホッ
ユミル「気にすんな」
クリスタ「元はといえばユミルがあんなこと言うからいけないんでしょ!」
アルミン「ま、まぁまぁ。でね、実はもう一つお願いがあって…」
エレン「おーいアルミン、何やってんだ、早く飯食おうぜ!」
アルミン「今行く!じゃあね、二人とも。よろしく頼んだよ」
クリスタ「うん!ユミル、私たちも食べよう」
☆ ☆ ☆
翌日 夕飯後、講堂にて
クリスタ「というわけで、私今から馬のお世話にいかなきゃいけないの」
サシャ「ええ~~~!?」
アルミン「それなら仕方ないね、頑張ってねクリスタ」
サシャ「えっ、えっ……」
クリスタ「ごめんねサシャ。でも、私が居なくても先生はアルミンなんだから問題ないでしょ?」
サシャ「それはそうですけど…」
アルミン「もしかしてサシャは、僕と二人なのが嫌だったりするのかな?」
サシャ「…! と、とんでもない!」
クリスタ「なら良いよね。じゃあ、またあと部屋でね、サシャ。アルミンはまた明日」 タタタタ
サシャ アワアワ
アルミン「うん、明日ね」 手フリフリ
サシャ(…………行ってしまった)
アルミン「こっちはこっちで早速始めよう。サシャ、ページを開いて」
サシャ「は、はい」
アルミン「この時に有効な武器は……で、……だから…」
サシャ「………」
アルミン「そこで役に立つのが………」
サシャ「………」
アルミン「…………クリスタが居なきゃ心細いかい?」
サシャ「! い、いえ…」
アルミン「良いんだよ、本音を言ってくれて。別に怒ったりしないから」
サシャ「……ちょっとだけ」
アルミン「そっか」
サシャ「…あの…ごめんなさい」
アルミン「何で謝るの?」
サシャ「だって、失礼じゃないですか……」
アルミン「気にしないよ。でも、何がそんなに怖いのかな?サシャは僕個人に対してじゃなくて、他人そのものに恐怖を抱いてるところがあるよね」
サシャ「…!」
――サシャ、お前には少し臆病なところがあるな。
――他者と向き合うことはお前にとってそんなに難しいことなんか?
サシャ「……べ、別に、そんなことどうだって良いじゃないですか…あはは…」
アルミン「やっぱり逃げるんだね。食べ物のこととなったら我を忘れるけど、普段はおどおどして、びくびくして、ヘラヘラして、基本的に心を開いた特定人物以外との接触から逃げてしまっている」
サシャ「いや、その…」
アルミン「……サシャはダウパー村出身だったね?森に囲まれている閉鎖的な村だと聞いたことがあるよ。君はその小さな村で、小さな世界だけを見て生きてきた。だから怖いんじゃないか、他の世界の人間が」
サシャ「は…はは…」
アルミン「笑ってないでちゃんと僕の言葉を聞いて、こっちを見てよサシャ。君の目には、僕がどう映ってる?僕は誰だ?」
サシャ「……」
アルミン「僕はサシャの仲間だよ。クリスタやミカサと同じ、サシャの味方。エレンもそうだ。ライナーやベトルト、憎まれ口ばかりのユミルや他のみんなだってそうだ」
サシャ(……)
アルミン「怖がることなんてない、だからねサシャ…」
サシャ「うっさいわ、勝手なことばっかり抜かしおって!!!!!そんなんアンタに言われんでも全部知っとるわ!!!!」ガシッ
アルミン「うわぁ!?」グッ
サシャ「仕方ないやんか、アンタの言う通り狭い世界しか見てこんかったんやもん!!!!」
サシャ「それにみんな私のこと馬鹿にするし!!!!教官にだって怒られてばっかやし、お父さんにもまともな人間になるまで帰ってくるなって…!!」
サシャ「その通り!!!私は馬鹿でアホ!弱虫だから、何の取り得もない人間だから、おどおどびくびくするのも当たり前やろうが!!!!」
アルミン「……サシャの本音が聞けて良かった」 ニコッ
サシャ「…!!!!」ハッ
サシャ「わ、私…何てこと……」アタフタ
アルミン「広い世界の色々な人に対しておどおどして、びくびくして…。そう、仕方ないことだよね」
サシャ「え…?」
アルミン「サシャは、そんな自分を変えたいと思う?」
サシャ「私…」
サシャ(……)
サシャ「変われる…かな…」
サシャ「……変われるんでしょうか…」
アルミン「変わりたいと思うなら、僕が手伝おう」
サシャ「アルミン…」
アルミン「でも、無理に変わらなくても良いんだ」
サシャ「…へ?」
アルミン「臆病なままでも、弱いままでも良いんだよ、サシャ」
アルミン「だってそんなサシャのことを助けてくれる人たちには、もう会えてるだろ?」
ガラッ
サシャ「……!」
エレン「うおお、サシャがまじで勉強してるぜ!!こりゃあまじで次の試験は結果が出るんじゃねえか?」
ミカサ「アルミンが先生なんだから、当然」
ベルトルト「今どの辺をやってるの?」
コニー「…? 何だこれ、こんなところやったか?」
ライナー「コニー、お前もアルミンに一から教えてもらうと良い」
ミーナ「いっぱい書き込みがしてあるわね、すごい!ねぇ見てアニ!」
アニ「……ああ、そうだね」
ジャン「食ってばっかいないでいつも真面目にやれよ」
サシャ「え、と…アルミン?」
アルミン「ふふふ、賑やかになったね?緊張してる?」
サシャ「いえ…ただ少し驚いちゃって……」
クリスタ「サシャ」
サシャ「あれ、クリスタ?馬の世話をしにいったんじゃ…」
クリスタ「あれは嘘。みんなを呼びに行ってたの」
アルミン「ごめん、大変だっただろ?」
クリスタ「ううん、ユミルと二人だったから平気」
クリスタ「あのね、サシャ。私…サシャが少しでもみんなのことを、自分から頼れるようになったらって思ってたの…」
サシャ(クリスタも、私のこと気付いてたんや…)
クリスタ「ゆっくりでも良いから、サシャのペースで歩み寄ってくれたらって思ってた。でもね、サシャ。安心して」
クリスタ「これからは私やアルミン…みんなが、困ってるサシャを見つけて、ちゃんと助けにいくから」
サシャ「…クリスタ」
ユミル「しょうがないから私も付き合ってやることにした。もちろん礼はたっぷりもらうけどな」
サシャ「えへへ…!ありがとう、…ございます」
ユミル「やっぱり敬語かよ。まぁ良いけどよ」
アルミン「サシャ、僕は…僕達はサシャのことが好きなんだ。弱くても、弱さが無くなってもその気持ちは変わらない。何てったってサシャはサシャだから」
アルミン「だからサシャも自分のこと、好きになってよ。自信がないならないままでいいから、弱いままの自分を受け入れてほしい」
サシャ「……はい!」
アルミン「だけどね、サシャはさっき自分のことを取りえがないって言ってたけど、僕はサシャの良いところたくさん知ってるからね」
サシャ「…ふふふ、ありがとうございます」ニコッ
アルミン「……」テレ
アルミン「ぼ、僕が伝えたかったのは、そ、それだけだから…じゃあね!」
サシャ「? はい」
ユミル(いや、じゃあね!ってどこ行くつもりだよ)
ジャン「それでよぉ、サシャ。聞いたぜ。お前、俺らのこと見返すんだってな?」
サシャ「え!?」
サシャ(それはクリスタが言ってただけ…!)
コニー「来週の結果、楽しみにしてるからな!!」
ジャン「精々頑張れよ、応援してるぜ」
サシャ(……いや) ニコ
サシャ「そうですね、半分より上どころか、30位以内に入ってやりますよ!!」
アルミン・クリスタ(えええ!?)
ジャン「おお、そうかそうか!なおさら楽しみだ!本当に入ってたら、一週間夕飯全部やるよ!」
コニー(お、俺はヤダ…)
サシャ「本当ですね!?」
ワイワイガヤガヤ
この日の勉強会は結局中止に。
翌日からはジャンとした無理な約束のおかげで、睡眠時間を多少削ってまで勉強した。
消灯後の教官の見回りをかいくぐることが出来たのは、同期メンバーの協力があったからだ。
そして翌週……
サシャ「……で、では、開きます」
アルミン コクリ
サシャ「えいっ」 バッ
ユミル「どれどれ…、おお」
クリスタ「す、すごい!!すごいすごいサシャ、すごいよ!!」
ベルトルト「これは…30位以内に入ったんじゃないか?」チラ
ジャン「い、いや、でもまだ順位発表は…」
ガラッ
コニー「おいサシャ!!順位張り出されたぞ!!」
エレン「良かったな、一週間ジャンの分の夕飯も食えるぞ!」
サシャ パァァッ!
ジャン「嘘だろ…」 絶望
コニー(良かった~、俺は約束してなくて)
アルミン「あははは」
サシャ「アルミン、クリスタ。ありがとうございました、お二人のおかげです」
クリスタ「そんなことないよ。サシャが頑張ったからだよ」
アルミン「そうだ、サシャの力だよ」
サシャ「いえ、お二人のおかげで頑張れたんです。だから、ありがとうございました!」
サシャ「お勉強会が無くなるのは、少し寂しいですけど…」ボソ
アルミン「サシャ…」
サシャ「…そうだ、何かお礼をさせてください!」ニコッ
クリスタ「わ、私はいいよ!ほとんどアルミンにお任せだったし…!」アセアセ
アルミン「で、でも…」
アルミン「……」
アルミン「じゃあ、これからは勉強の話だけじゃなくて、もっといろいろな話を聞かせてほしい」
サシャ「…!」
アルミン「どんな小さなことだって構わないよ、サシャの言葉を聞かせてほしいんだ。ダメかな…?」
サシャ「喜んで!」ニッコリ
クリスタ(ええ何かこの二人すごく仲良くなった!?何かちょっぴりアウェイな気が…!)
………
……
…
ズシン、ズシンと大きな足音は、どれだけ走ったところで消えてくれない。
それでも私は巨人の襲来を受けた家に取り残された少女の手を引いて、ひたすら両足を繰り出した。
あの頃より少しだけ強くなった私は、光を失った少女の目を見て言葉を投げかける。
「ねぇ」
「聞いて」
訓練兵時代、大好きな人に似たようなことを言ってもらった時のことを思い出しながら。
「弱くてもいいから」
「あなたを助けてくれる人はかならず居る」
大切な仲間たちの顔を思い浮かべながら。
「すぐには会えないかもしれないけど…」
「それでも会えるまで走って」
少女の手を離して、私はすぐ後ろまで迫り来ていた巨人と対峙する。
弓を構え、佇む彼女を促した。
「走らんかい!」
走り去っていく足音を耳に、私は弓を放った。
少女を助けるため。
そして、大好きなあの人たちとまた会うために、私はこれから命をかけて立ち向かうのだ。
終わり
読んでくれた人ありがとう
サシャとチューして寝る
あと最後の駆け足感ハンパないのは見逃して
サシャチュッチュッ
寝るわ
アニ(チッ・・・どいつもこいつも気にくわない)
サシャ「クリスタ!!私を選んでくださいよ!!」
ミカサ「クリスタは私のもの、私が守る」
エレン「いやお前らは女だろ!!」
エレン「クリスタ、頼む俺と付き合ってくれ!!」
クリスタ「みんなちょっと落ちついて・・・」
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