ビター・レイニー・デイ 【アイマス】 (20)
響「はいさーい!」ガチャッ
雪歩「あ、おはよう響ちゃん」
響「はいさい、雪歩。うげぇ……思ったより濡れちゃってた……あれ、小鳥もプロデューサーもいるじゃないか。返事しないなんて酷いぞ」
雪歩「小鳥さんもプロデューサーも忙しいみたいだから」シーッ
響「あ、そうだったんだ。わかったぞ。でも返事くらいはして欲しかったな」
雪歩「じゃあ、あとでもう一度挨拶しよう?」
響「うん、そうする! ぐふふ……絶対びっくりさせてやるぞ!」
雪歩「響ちゃん、驚かせるのは良くないよ」
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・書き溜めがあるのですぐに終わります。
最後までお読みくだされば幸いです。
短いですが、お楽しみいただければと思います。
よろしくお願いします。
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響「今日はすぐ終わるミーティングの予定だったけど、この感じだとお昼回りそうだな。こんなことなら宿題でも持ってくればよかったぞ」
雪歩「宿題も大切だけど、そろそろテストも対策しなきゃね」ガサガサ
響「う……思い出させないでよ…頭が痛くなってくるから……」
雪歩「そんなこと言わないで、ちゃんと勉強しないとダメだよ? はい、タオル」
響「にーふぇでーびる! ん、ふぅ……それにしても、アイドルやってて学校が一番キツイってどうなんだろう?」フキフキ
雪歩「あはは……」
雪歩「そういえば皆の成績ってどれくらいなのかな?」
響「千早はすっごく頭いいぞ! いつも勉強会するとき、春香でもわかるくらい丁寧に教えてくれるんだ! えーっと、春香は赤点取ったことないって言ってたよ。あと、亜美真美はそこそこできるぞ」
雪歩「響ちゃん、二人の先生してるもんね。そういう響ちゃんは?」
響「自分は……ええと、その、まあまあだよ。うん……あー! その顔信じてないな! 自分、どの教科でもクラスで下の方になったことはないんだからね! 本当だぞ!」
雪歩「ふふっ、響ちゃん、その言い方だと言い訳してるみたいだよ?」
響「うがー! 今はそういう話じゃないでしょー!」
雪歩「うん、響ちゃんは勉強してるもんね、成績が悪いはずないよ」ヨシヨシ
響「うー……自分、なんか子ども扱いされてないか?」
響「雪歩はいつも、真と勉強会してるんだよね。 真は頭いいのか?」
雪歩「真ちゃんは成績いい方だよ? お勉強会でわからないことがあってもすぐ理解してるし、いつもテストで高得点だって聞いたことあるから間違いないと思うな」
響「えっ、それはちょっと意外だったぞ」
雪歩「そうかなぁ? ……ところで、私の成績は聞かないんだね」
響「え? 雪歩は頭いいだろ?」
雪歩「うーん……悪くはないと思うけど……それよりも頭が良いって思われてたのは少し意外かな」
響「そんなことないぞ! 雪歩はちょっぴり自信なかったり、変な詩をノートに書いてニヤニヤしてたりするけど、マトモなことは言うし、ちゃんと考えてる! そんな雪歩が頭悪いわけないさー!」
雪歩「なんだろう、あんまり褒められてる気がしないなぁ」
響「やっぱり退屈だぞー。なー、雪歩はじっとしててつまらなくないか?」
雪歩「私は平気だよ。雨の音って落ち着くし、好きなんだ」
響「本を読んでるときなら自分もそう思うけど……うー、やっぱりなにもないと退屈だぞ」
雪歩「それなら、プロデューサーと小鳥さんにお茶を出すのはどうかな? 私も丁度飲みたいって思ってた所だし」
響「それいいね! あ、プロデューサーにはお茶にコーヒーをブレンドするのはどうかな? お茶で一息つけて、コーヒーは集中力が増すっていうから、一石二鳥ってやつだな! うん、それがいい!」
雪歩「さすがに美味しくないんじゃないかな……あ、お茶っ葉が切れてる」
響「あれ、本当だ。 うー、これじゃ暇をつぶせな「響ちゃん」
響「……ふ、二人にお茶を出せないぞ」
雪歩「うん、お茶は美味しくないとね♪ でもどうしよう。お茶っ葉がないと、コーヒーしか出せないね」
響「自分、お茶買ってこようか? ひとっ飛びで買ってくるぞ!」
雪歩「この雨の中?」
響「……うがー! 雨めー!」
雪歩「困ったね……私、コーヒー淹れたことないよぉ」
響「自分もさっぱりだぞー。インスタントコーヒーなら作ったことあるけど、これなんだか違うみたいだし」
雪歩「あれ、響ちゃんは普段からコーヒー飲んでるの?」
響「ううん、いつもはさんぴん茶だよ。コーヒーはお菓子食べるときとか、夜遅くまで勉強するときとかに飲むんだ」
雪歩「そうなんだ。……響ちゃんのコーヒー飲む姿って、ちょっとカッコイイかも」ボソ
響「え? 雪歩、何か言ったか?」
雪歩「ブツ…ブツブツ……」
響「雪歩? ちょっと、どうしたの? ね、ねぇ……」
雪歩「響ちゃん!」クワッ
響「はっ、はいっ!」ビクッ
雪歩「あとでコーヒー飲んでる姿、ゆっくり見せて!」
響「なんで!? きゅ、急にどうしたんだ雪歩!」
雪歩「あとできれば物憂げな瞳で、ため息をつきながらゆっくりとソーサーにカップを戻してそれで落ち着いた感じで今日一日あったことと感想を一つ一つ丁寧に呟きながら…ああ!途中でハム蔵ちゃんが擦り寄ってきたら、慰めてくれるのか? って言いながら余った手で優しく頭をなでるのも……!」
響「うぎゃー! 雪歩、戻ってきてくれぇーっ!」
響「気を取り直してコーヒーを淹れるさー」
雪歩「取り乱してごめんね、こんなことで取り乱す私なんて……」
響「ストップストーップ! いつまでも進みそうにないから、それはなしで!」
雪歩「ご、ごめん……ええと、じゃあコーヒーを淹れよっか。でも、どうすればいいのかな?」
響「インスタントコーヒーもこのコーヒーも粉だから、コップに粉を入れてお湯を注げばいいんじゃないか?」
雪歩「粉がコップの中に残りそうだけど……」
響「大丈夫! インスタントコーヒーはお湯を注ぐとすぐ溶けるんだ! というわけで早速、粉とお湯を淹れるぞ!」コポコポ
雪歩「あ、いい香り」
響「うんうん、いい感じだぞ!」
響(……あれ? 粉ってこんなに浮いたっけ?)ウーン
雪歩「真っ黒で見えないけど、もう溶けた……かな? 味見してみるね。いただきまーす」
響「ちょ、ちょっとまって雪歩! あ、ああぁ……」
雪歩「……響ちゃん」
響「な、なに?」
雪歩「これケホッ、ダメ…ケホッ」
響「ごめん、自分もそう思ってた」
響「よくよく考えたら、ぴよ子はいつもコレ使ってたな」つドリッパー
雪歩「なんだろう、何に使うのかな。そういえば、小鳥さんの淹れてる姿って見たことないかも」
響「案外、見られたくないのかも知れないぞ。たしか、このビーカーの上にコレを置いて……どうするんだ?」
雪歩「うーん……茶こしと同じなら、中に粉を入れるんだけど」
響「でも、穴から粉が落ちちゃうぞ。 うがー……網があればいいのに、どうしてこんな面倒なもの使うんだ?」
雪歩「網でいいなら急須でできるけれど、コーヒーは使わないんだよね?」
響「うん、小鳥が急須でコーヒーを淹れてる所なんて見たことないさー」
雪歩「それはそれで、少し見てみたいかも」
雪歩「あ、コレを使うのかな? えっと……茶色い紙が粉缶の隣に置いてあったよ。パッケージにコーヒーフィルターって書いてあるし、間違いないんじゃないかな」
響「えぇー……飲み物に茶色い紙って、なんかバッちくないか?」
雪歩「うーん……お茶パックみたいなイメージだと思うよ? 多分大丈夫なんじゃないかなぁ」
響「それなら、まぁ…。ええと、その紙を載せればいいのかな? あ、紙に口がある。受け皿みたいだな。おお! コレと紙合体したぞ!」
雪歩「うん、間違い無さそうだね。そしたら、紙の中にコーヒーを入れて……あれ、どのくらい入ればいいのかなぁ?」
響「うーん、ちょっとわからないぞ……そうだ、きっとたくさんいれたほうが美味しいって思うさー!」
雪歩「響ちゃん、多分濃くなっちゃうから山盛りにするのは止めようね」
>>11の一行目修正です。
×雪歩「あ、コレを使うのかな? えっと……茶色い紙が粉缶の隣に置いてあったよ。パッケージにコーヒーフィルターって書いてあるし、間違いないんじゃないかな」
○雪歩「あ、コレを使うのかな? えっと……茶色い紙が、コーヒーの缶の隣に置いてあったよ。パッケージにコーヒーフィルターって書いてあるし、間違いないんじゃないかな」
書き溜めとはなんだったのか……orz
響「入ってた匙のすりきり一杯一人分って事で……あれ、お湯ってどのくらい注げばいいのかな?」
雪歩「どうだろう……お茶ならコップで人数分を測るよ」
響「おお、それなら皆の分を入れられるな! それで行こう!」
雪歩「コップ用意するね」ガチャガチャ
響「一気に入れると溢れそうだね。慎重に注ごう」
雪歩「コップにお湯、入れて来たよ」
響「ありがと! じゃあ、行くぞ…」ジャー
雪歩「うん、やっぱりいい香りだね」
―――――――――
響「よし、もう垂れてないな。 あとはコーヒーをカップに移せば……完成!」
雪歩「やったね響ちゃん! 私は後片付けするから、響ちゃんはプロデューサー達にコーヒー渡してきてくれるかな?」
響「うん、わかったぞ! いってきまーす!」タタタ
響「プロデューサー! コーヒーどうぞ!」
P「おっ。おはよう響。いつの間に来てたのか」
響「あー! やっぱり気づいてなかったんだな。酷いぞプロデューサー!」
P「あはは……すまんすまん。それでもコーヒーを淹れてくれるなんて響は優しいな。コーヒ、頂くよ。ありがとう……ッ!?」
P(こ、このコーヒーものすごく苦いぞ!?)
響「ねぇねぇ、どう? プロデューサー!」ワクワク
P「あ、ああ。文字ばかり見てて少し眠くなってたけど、一気に目が覚めたよ。響は気が利くなぁ」
響「えへへ、もっと褒めて褒めて!」
P(うん。もしかしたら意趣返しかとも思ったけど、響に限ってそれはないな)ナデナデ
P「響はミーティングだったよな。この仕事が終わったら始めるから、少し待っててくれ」
響「ん、わかったぞ! ……もし次もまた、自分が来たことに気づかない、なんてことしたら許さないからな」
P「あはは……すまなかったな。気をつけるよ」
響「それなら良し! ぴよ子も、はいコーヒー!」
小鳥「おはよう響ちゃん。ごめんなさいね。コーヒーありがとう」ズズッ
響「お仕事、忙しそうだね。 あ、そうだ。ぴよ子、お茶っ葉切れてたよ」
小鳥「大変! お昼のついでに買っておくわね。ありがとう響ちゃん」
P(あれ、コーヒーを飲んでも音無さんは表情ひとつ変えないぞ? ということは響、やっぱり根に持ってるのかなぁ)ズズズッ
響「じゃあ二人とも、お仕事頑張ってね!」タタタ
P「……音無さん音無さん。ええと…もしかして苦いコーヒーがお好きなんですか?」ヒソヒソ
小鳥「いいえ、あまり飲みませんよ。……でもこれは、苦くても優しくて、ちょっと昔を思い出すコーヒーですから、へっちゃらです」ヒソヒソ
P「なるほど。……自分にとってコレは、強烈な思い出になりそうです」ヒソヒソ
小鳥「皆個性的なアイドルですから。プロデュースをすればコーヒーも個性的になるかもしれませんよ?」ガサゴソ
P「あはは……自分は尖っていない、普段飲むコーヒーの方が好きですよ」ヒソヒソ
小鳥「ふふ♪ それはお世辞として受け取っておきますね」ガタッ
P「えっと……小鳥さん、何を探してるんです?」
小鳥「コーヒーミルクです。高校生くらいの、しかも女の子には」
< う~~~~っ!? にがっ苦い~っ!
< ゆ、雪歩ー!?
小鳥「濃いコーヒーの苦さは辛いものがありますから」
以上になります。
書き溜めありで修正なんて出してしまい申し訳ありませんでした。死にたい…
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
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