やよい「ペンギンは関係ないです」 (60)

やよい「いちばん最初になくなります」の続編となります


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やよい「あずささん」

あずさ「なにかしら?」

やよい「髪型なんですけど」

あずさ「えぇ」

やよい「あずささんの髪型って」






やよい「アホ毛って言うんですよ」

あずさ「やよいちゃん」

やよい「アホ毛」

あずさ「違います」

やよい「えっ」

あずさ「間違いよ」

やよい「でも」






あずさ「ぴこ毛よ」

やよい「違う」

あずさ「これはぴこ毛」

やよい「アホ毛」

あずさ「やよいちゃん」

やよい「絶対アホ毛だもん」






あずさ「妬んでるのね」

やよい「はっ」

あずさ「やよいもぴこ毛が欲しいのよね」

やよい「いらないもん」

あずさ「んふふ、なにもないわね」ナデナデ

やよい「やめろ」バッ






あずさ「素直じゃないんだから」

やよい「本当だもん」

あずさ「でもねぇ」

やよい「はい」

あずさ「私ぴこ毛がない子はちょっと」

やよい「えっ」






あずさ「違うと思うのよね」

やよい「違くない」

あずさ「美希ちゃんと高槻が目の前にいたら」

やよい「あっ」

あずさ「美希ちゃんを選ぶわ」

やよい「なんで」







あずさ「ぴこ毛があるから」

やよい「ぐぬぬ」

やよい「私だって伊織ちゃんと三浦がいたら」

あずさ「やめなさい」

やよい「伊織ちゃんを選ぶもん」

あずさ「子供ね」

やよい「アホ毛がないから」

あずさ「うふふ、おかしいんだから」



やよい「ナス色なんて選ばないもん」






やよい「」ダッ

あずさ「トェェェェイ」ダッ

やよい「はなせ」ジタバタ

あずさ「このお口が悪いのね」ギュ

やよい「ひゃめろ」






あずさ「まったく、悪い子なんだから」

やよい「私は正しいもん」

あずさ「知ってるかしら」

やよい「知ってます」



あずさ「知ってるの?」

やよい「私が知らないわけないもん」

あずさ「じゃあ言ってみなさい」

やよい「えっ」

あずさ「はやく」






やよい「ぺっ」

あずさ「あっ」

やよい「ずるい」

あずさ「これだから牡羊座は」

やよい「関係ないもん」

あずさ「あります」

やよい「ありません」






あずさ「強情ね」

やよい「こっちのセリフかなー、って」

あずさ「実は伊織ちゃん」

やよい「はい」

あずさ「憧れているのよ」

やよい「私に?」

あずさ「ぴこ毛に」

やよい「えっ」






あずさ「伊織ちゃん、ぴこ毛に憧れているの」

やよい「」

あずさ「この前も相談されたわ」

やよい「そんな」

あずさ「『どうして私にはぴこ毛がないの?』って」

やよい「嘘」

あずさ「そう思ってるはずよ」

やよい「ち、違うもん」

あずさ「私には分かるの」






やよい「うぅ」

あずさ「んふふ」

やよい「でも伊織ちゃんは」

あずさ「私を選ぶでしょうね」

やよい「えっ」

あずさ「やよいちゃんが伊織ちゃんを選んでも」

やよい「違う!!」






あずさ「伊織ちゃんは私を選ぶでしょうね」

やよい「ああああ」ペタン

あずさ「いいのよ」ギュッ

やよい「だって……、伊織ちゃんは……」

あずさ「間違いは誰にだってあるのだから」ナデナデ

やよい「あ、あずささん」

あずさ「やよいちゃん」






あずさ「私の髪型は?」ボソッ

やよい「あ、あぁ」

あずさ「ゆっくりでいいの」

やよい「私は」

あずさ「ねぇ、やよいちゃん」

やよい「でも」

あずさ「やよいちゃんは誰よりも賢いもの」

やよい「私が、一番」

あずさ「答えられるはずよ」






やよい「……ぴこ毛、です」ポロポロ

あずさ「よくできました」ヒシッ

やよい「私が間違っていました」ポロポロ

あずさ「大丈夫、やよいちゃんは同じ過ちをしない子だから」

やよい「あずささん」

あずさ「ふふっ」

やよい「……あずささん」ギュッ



ガチャ

律子「戻りまし」






やよい「うわあん、あうあうあう!!」ポロポロ

あずさ「よしよし」ナデナデ

律子「えっ」

あずさ「おかえりなさい」

律子「えっと」

やよい「律子さんも、です」グス

あずさ「そうね」

律子「これはいったい」






あずさ「成長したんです、やよいちゃん」

やよい「私はあずささんのような立派な人になります」

律子「はぁ」

やよい「そうすれば、私にも生えますか?」

あずさ「もちろん」

律子「生える?」

やよい「ぴこ毛です」

あずさ「憧れていたんです、やよいちゃんは」

律子「そ、そうなんですか」

やよい「本当は妬んでいたんです、私」

あずさ「でもこれからは、素敵なぴこ毛アイドルに」

やよい「一生懸命に頑張ります」

律子「あの」

あずさ「はい」






律子「ぴこ毛?」

あずさ「えぇ、ぴこ毛です」

やよい「です」

律子「なんですか、ぴこ毛って」

あずさ「あらあら、律子さんったら」

やよい「生えてるじゃないですか」m9

律子「頭?」






律子「あぁ、アホ毛と呼ばれる」

あずさ「律子さん」

やよい「えっ」

あずさ「ぴこ毛です」

やよい「あずささん、今」

律子「アホ毛って呼び方も失礼な話で」

あずさ「律子さん!!」

律子「ひっ」






やよい「アホ毛……?」

あずさ「言い間違えただけですよね」

律子「いや、その」

やよい「律子さんはアホ毛って」

あずさ「気にしないで」ギュッ

やよい「でもたしかに」

あずさ「律子さんがちょっとおかしいだけなのよ」

律子「えっ」






あずさ「やよいちゃんなら、誰が正しいか分かるわよね」ボソッ

やよい「そ、それは」

律子「もうなにがなんだか」

やよい「あずささん、です」

あずさ「そうね」ナデナデ

律子「ほどほどにしてくださいね」






律子「そうそう」ガサッ

あずさ「コンビニですか?」

律子「備品ついでに飲み物買ってきたんですよ」

やよい「なんと」

律子「やよいはオレンジで良かったかしら?」

やよい「ありがとうございます」

あずさ「大好きなのよね」

やよい「はい」






律子「あずささんは、お水ですよね」

あずさ「ありがとうございます♪」

やよい「えっ」

やよい「お水?」

律子「最近よく買ってますよね」

あずさ「ハマっちゃったんです」

やよい「わ、わざわざお水を」

あずさ「美味しいのよ?」






やよい「水道のお水は」

あずさ「あまり飲まないかしらね」

やよい「っ」

やよい「……どうして」

律子「やよい?」

やよい「どうしてお水を買うんですか?」

あずさ「やよいちゃん?」

やよい「蛇口をひねればお水が出るのに」



やよい「どうしてジュースでもお茶でもなく」






やよい「わざわざお水なんて買うんですか!!」

律子「ちょ、ちょっと」

あずさ「やよいちゃん」

やよい「違う、そんなの違う!!」

あずさ「そんなこと言っちゃいけません」

律子「落ち着いて」

やよい「だって水道水があるのに!!」

あずさ「やよい」ダキッ

やよい「っ!?」






あずさ「正しいのは誰?」ボソッ

やよい「……そ、それは」

あずさ「感じたままに言えばいいの」ナデ

やよい「……私は」



やよい『どうしてお水なんて買ってきたの!!』

かすみ『高槻は水道水しか飲んだことないんだろ、って』

やよい『まさかそんな言葉に屈して』

かすみ『だ、だって!!』

やよい『負けちゃだめ!!』

かすみ『お姉ちゃん……!!』

やよい『だって私たちは』






やよい「ドン・キホーテだからぁ!!」ギュム

あずさ「いたたたた!!」ジタバタ

律子「」

やよい「はなせ」バッ

あずさ「なにをしたの!?」

やよい「つねった」

あずさ「やよいちゃん」

やよい「騙されない」

あずさ「落ち着きなさい!!」

やよい「アホ毛なんかに騙されない」

あずさ「っ!!」

やよい「だって私は」






やよい「『765のドン・キホーテ』だから」

律子「」

あずさ「……そう」

やよい「力になんて屈しない」

あずさ「悪い子ね」

やよい「アホ毛なんていらない」

あずさ「あらあら」






あずさ「めっ」ペチッ

やよい「いたっ」

やよい「おまえ」ポカ

あずさ「きゃあ」

律子「ちょっと!?」






やよい「やるのか」ポカポカ

あずさ「年上に向かって」ペチペチ

律子「やめて!!」

あずさ「あなたが竜宮小町じゃなくて本当に良かった」

やよい「私だって」

あずさ「あなたには尻尾組で十分」

やよい「なんだと」



やよい「ナス色小町」

あずさ「トェェェェイ」ダッ

律子「えっ」






律子「ナス色?」

あずさ「えっ」

やよい「んふっ」

律子「私が考えた、ナス色?」

あずさ「いや」

律子「あずささん、ナス色って」

あずさ「違っ」

律子「私が考えた竜宮小町は」






律子「……ナス色?」ポロポロ

あずさ「」

やよい「トェェェェイ」

律子「あはは、ナス色」ポロポロ

やよい「ふっ」ダッ

あずさ「待ちなさい!!」

律子「あずささん、あずささん」ダキッ

あずさ「くっ!!」






あずさ「やよいちゃん、……いえ」

あずさ「覚えてなさい、『765のドン・キホーテ』」






律子「竜宮小町はディープ・ローヤル・ブルーで」ガクガク

あずさ「そうね、マジック・バイオレットね」ギュッ

やよい「ふぅ」

真「あっ、やよい」

やよい「真さん」

真「これから事務所?」

やよい「必ず助けます」

真「うん?」






やよい「そのアホ毛、抜いて見せますから」ダッ

真「えっ」

やよい「伊織ちゃん」ガシッ

伊織「えっ」

やよい「憧れてなんかいないよね」

伊織「な、なに」

やよい「憧れてなんかいないよね!?」ユサユサ

伊織「やめっ、やよ」

やよい「答えて!!」グッ

伊織「ひっ」






やよい「……答えないんだ」

伊織「い、いったいなんなのよ」

やよい「もういい」

伊織「……やよい?」

やよい「信じてたのに」

伊織「だからなにを」

やよい「さよなら、伊織ちゃん」






やよい「実は私、ジャンバルジャンよりいぬ美派だった」ダッ

伊織「えっ」

今度こそ終

ありがとう、アホ毛
そしてごめんなさい、ジャンバルジャン

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