絵理「愛ちゃんの新しい必殺技を開発する?」涼「待って」 (19)


涼「そもそも愛ちゃんは必殺技なんて持ってないと思うんだけど」

絵理「日高チョップ、ランクDパンチ、日高ファイヤー、日高アタック、日高ミサイル、日高ダイナマイト……意外と盛り沢山?」

涼「本当だ」

絵理「主にコミカライズで増えた感がある」

絵理「ところで、涼さんの被害者率が高いのは、なぜ?」

涼「互いにタイミングとか色々まずかったんだよ……」

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絵理「それはいいとして、こうなると足技が欲しくなる?」

涼「そういえば、ないね。足技」

絵理「愛ちゃんの足」

涼「足で」

絵理「挟む?」

涼「何を?」

絵理「……卑猥?」

涼「絵理ちゃん、どうしちゃったの?」


絵理「順当に考えて、腰あたりを両足でギリギリと挟むのがいいと思う」

涼「何が順当か分からないけど、それは愛ちゃんが逆につらくないかな?」

絵理「挟んだまま真っ直ぐでいられれば完璧?」

涼「愛ちゃんの筋力と体力に全てがかかってるね」

絵理「名付けて日高シザース」

涼「けどそれってかけられた側が前に倒れたりしたら終わるんじゃ?」

絵理「そんな……涼さん……そんなひどいことを考えるなんて……」ショック

涼「し、しないよ! 僕は!」

絵理「じゃあ、かかってくれる?」ニコ

涼「」


―――
――


愛「絵理さん、涼さん! 新しい技を伝授してくれると聞いてきました!」

涼「愛ちゃん、技を増やしてどうするの?」

愛「せっかく作ってもらいましたし、人生のどこで役に立つか分かりませんから! 覚えられるときに覚えておきます!」

絵理「愛ちゃん、この技があれば大抵の人は倒せる」

愛「はい! 頑張って覚えます!」

絵理「まず――」


愛「やり方は分かりました! 涼さん、行きます! 痛かったら言ってください!」

涼「こ、来ぉーい」

愛「てやぁぁぁ! 日高シザーーーース!」ダッ

涼「飛びかかってきた!?」

愛「えいっ!」ガシッ

涼「おふ」

絵理「どう?」

涼「勢いあったからぶつかる時にちょっときくけど……」

愛「ぬぬぬ~!」グググ

涼「凄い頑張ってるけど……」

愛「ううう~!」グググ

涼「あんまり効果ないと思うよ? 重いだけで」

絵理「……この技の真価は、ここから?」


愛「うぅ~……きゅ、休憩しまーす……」ダキッ

涼「うわぁっ!?」

愛「これはあたし、すごく疲れちゃいます……」

涼「あ、愛ちゃん? 離れよ? ね?」

絵理「シザースからこの状態に移ることで、相手の戦意を削ぐ?」

涼「というか、単なる抱き着きだよこれ!?」

愛「鍛えればもっとうまくできるかもしれませんけど、そもそも身体大きい人には通用しない気がします」フゥ


―――
――


愛「レッスン行ってきまーす!」タッタッタッ



絵理「シザースは失敗だった……」

涼「ダメージは大きいと思うよ、色々と」

絵理「ここはやっぱり、キックがいいと思う」

涼「キックかぁ」

絵理「愛ちゃんのジャンプ力と突進力、これを利用しない手はない?」

涼「飛び蹴り?」

絵理「名付けて日高アロー」

涼「問答無用で当たると痛い技だよね。普通に日高キックでいいんじゃ?」

絵理「愛ちゃんに空中で回転して、そのまま更に後ろに回転してキックはちょっと無理?」

涼「ああ、名字ついたキックだとそっちになっちゃうんだ……」


涼「ところで、やっぱり僕が実験台になるの? 僕らは何を目指してるの?」

絵理「今回は涼さんになんのサービスもないから、選んであげない?」

涼「さっきのサービスだったの!?」

絵理「愛ちゃんのキックを受け止められそうな人……」

涼「……」

絵理「……」

涼「同じことを考えてるかな?」

絵理「失礼かもしれないけど、頼んでみる?」




真「あれ? 千早も呼ばれたの?」

千早「そういう真こそ」


絵理・涼(そっちかぁ……)

涼「いや、そうじゃなくて、なんで千早さん?」

絵理「よくよく考えたら、星井さんの方がよかったかも……」


愛「新しい必殺技があるって本当……あっ、千早さん! 真さんも! おはようございまーす!」

千早「よく分からないけど、日高さんの成長のために協力するわ」

真「愛、どこからでも来ていいよ」

絵理「愛ちゃん、今回の必殺技を教える――」

涼「怪我は駄目だから、優しくね」

愛「はーい! お願いしまーす!」


千早「真、一番手は任せるわ」

真「うん。そうするつもりだったよ」


愛「てやーーー! 日高アロー!」バッ

涼「愛ちゃんが姿勢を低く駆け抜けて飛んだ!」

絵理「そのまま足を伸ばして……」

千早「飛び蹴りの完成ね」



真「よっと。捕まえた」ガシッ

愛「わわっ!?」

真「愛、むやみに人を蹴っちゃダメだからね?」ギュー

愛「はーい!」ギュー



絵理「……」

涼「空中で捕まって抱っこされたね……」

期待


真「愛は軽いから大丈夫だよ」ニコニコ

千早「真、反射神経って知ってる?」

愛「千早さん、お願いします!」

千早「これが何になるのかよくわからないけれど、日高さん、どこからでもかかってきていいわよ」ドキドキ

愛「……」ジリジリ

涼「間合いをとってる」

絵理「本格的。記録しておこう……」

千早「……」ジリジリ

愛「……」ジリジリ

千早「……日高さん、私の事はストーカーだとでも思って遠慮なく来ていいわ!」

愛「!」ダッ


千早(私は真のようにうまく処理しきれない。だけど、なんとかしてみせるわ!)

真「今度も愛の姿勢が……いや! さっきより低い!?」

絵理「溜めて、飛ぶ!」

涼「足を延ばして日高アロー!」



愛「千早さん! ストーカーはダメです! チョーーーップ!」

千早「あいた」ペコ

愛「好きだからってその人に迷惑かけちゃダメです! ストーカーなんかしないで、ちゃんと応援しなきゃダメですよ!」

千早「え、ええ、そうよね……」

愛「もうしちゃダメですよ!」

千早「は、はい……」


絵理「心にアローが突き刺さるタイプに変化した」

涼「千早さんって何か心当たりでもあるんですか?」

真「ないと思うけど?」


―――
――


真・千早「また呼んで(ください)ね」

愛「レッスン行ってきまーす!」



絵理「日高アロー、恐ろしい技に成長してしまった……これは、封印」

涼「絵理ちゃんが技の管理をするんだ」

絵理「前提が間違っていた。足にこだわる必要はなかったみたい」

涼「足技はもういいの?」

絵理「うん……。愛ちゃんにはやっぱり、直線的な技がいいかも」

涼「似合ってはいるけど、絵理ちゃんは愛ちゃんをどうしたいの?」

絵理「愛ちゃんはきっと、まだまだ苦難が待っていると思う。それに負けないアイドルになってもらいたい?」

涼「必殺技は全然関係ないよね?」



絵理「愛ちゃんの特色を活かした必殺技……」

涼「特色……」




愛「た だ い ま も ど り ま し た ー !!!! 聞いてください! あたし、あたし! なんと今日!」パシャーン

 キーーーーーーン・・・




絵理「」

涼「」

愛「あれ? ……絵理さん、涼さん、こんなところで寝てたら風邪ひいちゃいますよー! ソファに移して、なにかかけるものは……」



おわり 決まり手:日高ボイス

終わりです

愛ちゃんうるさかわいい!

おつー

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