ああイヤだ。
もうイヤだ。
あいつらと一緒に戦うたび、オレはいつもこんな気持ちになる。
いったいいつからだろう……?
「オレって戦力外なのかな……」と思うようになったのは……。
─ 秘密基地 ─
基地の通信装置に機密連絡が入る。
エスパー「……はい、分かりました! すぐ出動します!」ピッ
魔法少女「エスパーさん、どしたの?」
エスパー「みんな、政府から『メタル団』が町で暴れてるって連絡が入った!」
エスパー「出動するぞ!」
魔法少女「うん、分かった!」
メガネ「メタル団……彼らも懲りませんね」クイッ
マッチョ「…………」
エスパー「どうした、マッチョ?」
マッチョ「!」ハッ
マッチョ「い、いや、なんでもねえよ。今日こそ叩き潰してやろうや!」
─ 町 ─
町中で暴れる、金属のような光沢を持つ怪人たち。
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャ! 暴れてやれい、鉄兵士ども!」
銀博士「メタル団の恐ろしさを、人間どもにたっぷり教えてやるのだ!」
銅巨人「壊せえ~! 壊しまくるんだぁ~!」
鉄兵士A「アイアーン!」ドガンッ
鉄兵士B「アイアイアイアイアーン!」バキッ
鉄兵士C「アイアン!」ガシャーンッ
鉄兵士D「アイアーンアーン!」ドガッ
ワァァ…… キャァァ…… ヒィィ…… ウワァァ……
エスパー「やめろっ、メタル団!」ザッ
魔法少女「今日こそ決着をつけるよ!」フワッ…
メガネ「ボクの新兵器……試させてもらいますよ」クイッ
マッチョ「…………」ズンッ
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャ、来たか……エスパーども!」
銀博士「いつもいつもジャマをしてくれるが、今日はそうはいかんぞ!」
銀博士「鉄兵士も大幅にパワーアップしているからな、ゆけいっ!」バッ
鉄兵士A~D「アイアイアーンッ!」ズドドドッ
エスパー「来たぞ! みんな、絶対に奴らを食い止めるんだ!」サッ
エスパーたちとメタル団の戦いが始まった。
エスパー「超能力でふっ飛ばしてやる! 必殺サイキックアタック!」ドウッ
ズドォンッ!
鉄兵士A「ア、イア……」ドサッ…
魔法少女「いっくよ~! マジカルサンダーッ!」バリバリッ
ズガァンッ!
鉄兵士B「ア、アイア……ン……!」バチバチ…
メガネ「先日開発した超小型兵器、ミクロボム!」ポイッ
鉄兵士C「アイアンッ!?」
ドゴォォォンッ!
三人はあっという間に鉄兵士を片付けてしまった。
マッチョ「うおおおおっ! マッスルパンチ!」ブンッ
ガンッ!
マッチョ(ちっ、大して効いちゃいねえ……)
鉄兵士D「アイアーンッ!」ガシャンガシャン…
ドゴォッ! バキィッ! ガッ!
マッチョ「ぐっ……!」ヨロッ…
マッチョ(耐久力だけじゃなく、パワーも上がってやがる!)
マッチョ(ちょっと前まではオレの方が上だったってのによ!)
マッチョが苦戦していると──
エスパー「マッチョ、下がっててくれ! 俺がやる!」
マッチョ「お、おう!」
エスパー(超能力で身体能力を強化!)シャキン!
エスパー「はああ……」
エスパー「必殺サイキックパンチッ!」シュッ
ズドォンッ!
鉄兵士D「アイアッ!?」ゲボッ…
鉄兵士D「ア、イア……ン……」ガクッ
銅巨人「うぅ~、やられちゃったよぉ~」
銀博士「信じられん……前回の戦闘データをもとに改良したのに!」
銀博士「エスパーどもの成長速度はワタシの計算を超えるというのか!」
銀博士「だが、メタル団最強の幹部、銅巨人はこうはいかんぞ!」
銀博士「やれい、銅巨人!」
銅巨人「ウガァァッ! 叩き潰してやるぞぉ~!」ドドドッ
身長三メートル近い銅巨人による猛突進だが──
エスパー「連携サイキックコンビネーション!」
ドガッ! バキッ! ガッ! ガゴッ! ドズッ!
身体強化されたエスパーの連続攻撃に、銅巨人は手も足も出ない。
銅巨人「うぐぅ~……人間のくせにぃ~」
銀博士(くっ……銅巨人が押されている! ──やむをえん!)
銀博士「銅巨人、撤退だ!」
銅巨人「う、うん!」
ブオオォォォ……
二人は事前に用意していたマシンで、逃げてしまった。
エスパー「またしても逃がしたか! あと一歩だったのに!」
魔法少女「ねえ、いっそのことこっちから攻め込む? これじゃキリないもん」
メガネ「それは無謀というものです」クイッ
メガネ「彼らのアジトは要塞ですから……攻め落とすのは困難です」
メガネ「今はこうやって少しずつ、彼らの戦力を削るしかないのです」
魔法少女「なるほど~、さすがメガネさん」
エスパー「俺たちの成長は、奴らの戦力増強を上回っているから心配ないさ!」
マッチョ「いてて……」
エスパー「あ、大丈夫か、マッチョ? 立てるか?」スッ
マッチョ「わ、わりぃな」ガシッ
エスパー「いや、かまわないさ。だって俺たちは仲間だろう?」
マッチョ「……そうだな。仲間だもんな、オレたちは──」
“仲間”という言葉を口にしたマッチョの顔にはかげりがあった。
マッチョ(オレたちは──……)
オレたちは──
宇宙人や怪人といった、警察などの手に負えない未知の力を持つ悪人どもと戦う集団。
最初はボランティアだったが、今では功績を認められ政府公認の組織となっている。
メンバーは以下の四人だ。
リーダーである超能力者、エスパー
生まれながらに魔力を宿す女の子、魔法少女
天才メカニック、メガネ
筋肉自慢、マッチョ(オレ)
それぞれがちがった特技を持ち、それを生かして悪と戦っているんだ。
初めのうちは──
エスパー「いくぞ、マッチョ!」ダッ
マッチョ「おう!」ダッ
メガネ「ボクは戦えませんから、後方から妨害音波を発します!」
魔法少女「アタシも、魔法でサポートするね!」
バキィッ! ドガァッ! ガスッ!
エスパー「ふぅ……マッチョのパワーは相変わらずスゴイな」
マッチョ「へへっ、なんたってそれだけが取り柄だからよ!」ムキッ…
頑強な肉体を持つオレと、強力な超能力を持つエスパーが攻撃役で、
メガネと魔法少女はサポートというフォーメーションだった。
しかし、戦いを経験していくにつれて──
バリバリバリッ!
魔法少女「みてみて~! アタシの雷が、あんな大きな岩を砕いたよ!」
メガネ「ボクも研究と改良を重ね、かなり強力な兵器を開発しましたよ」クイッ
エスパー「おお! 二人とも、もう立派に戦えるな!」
マッチョ「や、やるじゃんか!」
魔法少女の魔力や、メガネのメカ開発力がメキメキ伸びていき、
二人ともオレと遜色ない戦闘力を発揮するようになっていった。
いや、それどころかオレは──
異星人「きええええっ!」シュバッ
ザシュッ!
マッチョ「ぐわっ!」
エスパー「大丈夫か、マッチョ! 必殺サイキックパンチッ!」
ズガァッ!
異星人「ぐ、があっ……!」ドサッ
エスパー「平気か!?」
マッチョ「お、おう。オレとしたことが、ちょいと油断しちまったぜ」
エスパー「魔法少女とメガネも、どうにか敵を倒したようだ」
マッチョ「そ、そうか……そりゃよかった。へへへ……」
徐々に上がる戦いのレベルに、だんだんとついていけなくなっていった……。
もちろん、再び三人に並ぶため、トレーニングを続けたが──
マッチョ「ふんっ!」ググッ…
マッチョ「ふぅ~……」ゴトン…
マッチョ(よっしゃ……10キロも記録を更新したぞ!)ハァハァ…
マッチョ「…………」
マッチョ(いや逆だ……。たったの10キロ、だ)
マッチョ「ここ数週間で、オレのベンチプレスはたったの10キロしか伸びなかった」
マッチョ「今やエスパーの奴は、大型トラックを超能力で転がせるってのに……」
マッチョ「他の三人の成長スピードに比べて……」
マッチョ「オレの……筋肉(オレ)の成長スピードはなんて遅いんだ!」
もはや追いかけることすら困難になっていた。
「オレ、もう抜けていいかな?」何度いおうと思ったか分からない。
エスパー「みんな、メタル団っていうのが港を占拠してるらしい!」
魔法少女「メタル団? なにそれ?」
メガネ「すぐにデータを照合しましょう」カタカタ…
メガネ「ふむ……金首領、銀博士、銅巨人を中心とした悪の組織ですね」
メガネ「新興の組織ですが、手強いですよ」クイッ
魔法少女「へぇ~、さっすがメガネさん!」
エスパー「よし、みんな出動だ!」
マッチョ「……あの」
エスパー「どうした、マッチョ?」
マッチョ「い、いや何でもねえよ。メタル団とかいうのを、ブッ飛ばそうぜ!」
だけど、いえなかった。
─ 秘密基地トレーニングルーム ─
マッチョ(……──いえなかった)グッ…
バーベルの上げ下げを繰り返すマッチョ。
マッチョ(結局そのままズルズルとここに居続け……)グッグッ…
マッチョ(今もこうしてトレーニングは重ねちゃいるが)グッグッ…
マッチョ(成長速度はますます落ちるばかり)グッグッ…
マッチョ(そりゃそうだ)グッグッ…
マッチョ(トレーニング時間に正比例して筋力がつくなら、苦労はねえ)グッグッ…
マッチョ(筋肉は、超能力や魔法、科学とはちがうんだ。限界ってもんがある)グッグッ…
マッチョ(あ~あ、もうやめたい……)グッグッ…
マッチョ(だけど、いえない)グッグッ…
マッチョ(あいつらから戦力外だからやめろっていわれるならともかく──)グッグッ…
マッチョ(自分からやめるなんざ情けなくってよぉ……)グッグッ…
そんなある日、またも『メタル団』が現れたとの通信が入る。
─ 秘密基地 ─
エスパー「また町で暴れてるらしい! こないだやっつけたばかりなのに……」
魔法少女「なんだか、活動が活発になってきてるね」
メガネ「被害が広がらないうちに、食い止めなければなりませんね」クイッ
エスパー「もちろんだ。さあみんな、出動だ!」
マッチョ「…………」
─ 町 ─
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッ! 来たか! 今日という今日は負けんぞ!」
銅巨人「オイラたちの力を見せてやるぅ~!」
エスパー「それはこっちのセリフだ、メタル団! まず鉄兵士から片付ける!」
魔法少女「オッケ~!」
メガネ「任せて下さい」
マッチョ「……おう!」
銀博士(今日はまともにやり合うつもりはない)
銀博士(なんとしても、エスパーどもの“隙”を見つけねば……)
銀博士(あと一歩……あと一歩なのだ!)
エスパー「必殺サイキックアタック!」ドンッ!
魔法少女「マジカルファイヤーッ!」ボワァッ!
メガネ「ミニバズーカ!」ズオッ!
ズガガガァンッ!
エスパーたちの猛攻で、鉄兵士軍団は全滅した。
銀博士「ぐ……鉄兵士たちがあっさりと……!」
銅巨人「ちくしょう、また負けかぁ~!」
銀博士「──ん?」
バキッ! ドゴッ! ガスッ!
鉄兵士E「アイアーンッ!」バキッ!
マッチョ「う、うげっ……!」ヨロッ…
銀博士「…………」
エスパー「マッチョ、そいつは俺がやる! 下がっててくれ!」
マッチョ「お、おう!」
エスパー「必殺サイキッククラッシュ!」
ズオッ!
鉄兵士E「ア、イィィ……ア、ン……」ガクッ
エスパー「魔法少女、マッチョを手当てしてやってくれ!」
魔法少女「うん! マッチョさん、すぐ治すからね!」パァァ…
マッチョ「すまねえな……」
マッチョ(情けねえ……本当に情けねえ……!)
銅巨人「うぐぐ……最後の一人も粘ってたけどやられたかぁ~!」
銀博士「今日はもう勝てん。今のうちに退くぞ」スッ
銅巨人「分かったぁ~!」
銀博士(これは……思わぬ収穫かもしれんな)
─ メタル団本拠地 ─
メタル団のボスである金首領が、幹部二人を叱責する。
金首領「バカどもめ!」
金首領「またおめおめと逃げ帰ってきたのか! これで何度目だと思っておる!?」
金首領「あのエスパーどもを倒さねば、日本征服など夢のまた夢ぞ!」
銀博士「申し訳ありません……金首領様」
銅巨人「ごめんなさぁ~い……」
銀博士「しかし、ご安心下さい」
銀博士「我々とて、ただ負けていたわけではありません」
銀博士「今までの戦いから、ようやくワタシにも勝利への道筋が見えました」
金首領「ほう……なにか考えがあるようだな、銀博士」
金首領「分かった、やってみせい。だが、今度失敗すれば次はもうないぞ!」
銀博士「ははっ!」
─ 秘密基地 ─
エスパー「みんなもうすうす感づいていると思うが──」
エスパー「メタル団は度重なる敗北をへて、かなり焦っている」
エスパー「そろそろ、本格的な攻勢をかけてくるだろう」
エスパー「みんな、ここからはさらに気を引き締めよう!」
メガネ「了解です」クイッ
魔法少女「分かったわ!」
マッチョ「……おう」
マッチョ(鉄兵士一匹にすら歯が立たないオレが、気を引き締めたところで)
マッチョ(足手まといにもなりゃしねえ)
マッチョ(いったいなんでオレはここにいるんだろう)
マッチョ(パワー担当として輝いてた昔に、未練があるからなんだろうか)
マッチョ(再び輝けることなんて、あるわけないのによ……)
─ 一般スポーツジム ─
マッチョ「ふんっ!」ググッ…
「うおっ!?」 「あんなデカイダンベルを軽々と……」 「腕ぶっといなぁ~」
ザワザワ…… ワイワイ……
マッチョ(ちっ、こんな一般のジムでパワーを見せつけて、憂さ晴らしとは……)
マッチョ(つくづくオレは情けねえ奴だ……)
トレーニングをするマッチョの前に、二人組の男が現れた。
白衣「あの、少しお話をよろしいでしょうか」
大男「どうもぉ~」
マッチョ「……ん? なんだよアンタら」
マッチョ(……えらくデコボコなコンビだな)
白衣「わたくし、こういう者です」スッ
マッチョに名刺が手渡される。
マッチョ「えぇ~と、『身体能力向上研究会』……? ……なんだこりゃ」
白衣「我々は人間の肉体を高める手段を模索している団体なのです」
マッチョ「ふうん……で、オレになんの用だよ?」
白衣「あなたはすばらしい肉体を持ってらっしゃいます」
白衣「おそらく人間としては最高クラスの肉体美です」
マッチョ「へっ、褒めたってなにも出ないぜ」
白衣「にもかかわらず!」
白衣「あなたはまるで満足していない……それはなぜか?」
白衣「あなたはもっと強くなりたいのに──」
白衣「自分自身に限界を感じている……ちがいますか?」
マッチョ「!」ギクッ
マッチョ「ど、どうしてそれを……」
白衣「ここではなんですから、場所を変えましょうか」ニコッ
白衣と大男に連れられ、マッチョはある建物にたどり着いた。
─ 身体能力向上研究所 ─
マッチョ「……ここは?」
白衣「ここは我々の研究所です」
白衣「世にはびこる悪党どもを日本から追い出すために作った、ね」
マッチョ(オレたちと同じような集団だってことか……!)
白衣「我々は苦心の末、ついに人間の能力を飛躍的に伸ばす術を見つけました」
白衣「実はこの大男も、元々は私と同じぐらいの体格だったのですが」
白衣「その術でこれほどの体格になったのですよ」
大男「…………」ニヤッ
マッチョ(マ、マジかよ……すげえ!)
白衣「もしそれをあなたに施せばどうなるか、想像がつくでしょう?」
マッチョ「…………」ゴクッ…
白衣「あなたは対悪党にうってつけの、最強の肉体を手に入れることができるのです!」
マッチョ「いったいどんな方法なんだ?」
白衣「極秘事項ですが、あなたにだけは特別にお教えしましょう」
白衣「ずばり、サイキックパワーと魔力をあなたの体内に注入することです!」
マッチョ「!!!」
白衣「さらに上等な金属があればそれを装着すれば──」
白衣「あなたは完全無欠の戦士となれるのです!」
マッチョ(完全無欠……!)
マッチョ「や、やってくれ! 頼むっ! オレを強くしてくれ!」
白衣「落ち着いて下さい」
白衣「実は……今すぐには不可能なのです」
マッチョ「どういうことだよ!?」
白衣「実は大男の実験で、サイキックパワーと魔力を使いはたしてしまったのです」
白衣「現状、再び入手するメドもたっていません」
マッチョ「それを入手するには、どうすればいいんだ!?」
白衣「簡単です」
白衣「ここに、私の発明品である容器があります」スッ…
白衣「この容器が超能力と魔力を浴びれば、それぞれのパワーがこの中に入ります」
白衣「そしてそのパワーをこの研究所にある装置であなたに注入すれば──」
白衣「あなたは大幅にパワーアップできる!」
マッチョ「…………!」ドキッ…
白衣「しかし、今の我々には不可能なことです」
白衣「ですから、今日はこの施設の紹介だけで──」
マッチョ「……いや、ある! オレには入手する方法がある!」
白衣「えっ……本当ですか!?」
マッチョ「ああ」
マッチョ「詳しいことはいえないんだが」
マッチョ「オレの知り合いに超能力者と魔法使いがいるんだ」
マッチョ「そいつらに頼めば──」
白衣「なるほど」
白衣「しかし、我々もあなたを全面的に信用したわけではありません」
白衣「それにこの容器の存在が、色々な人間に知られるのは避けたい」
マッチョ「じゃあ、どうすりゃいいんだ?」
白衣「ですから、どうにかこの件は我々とあなただけの秘密のまま」
白衣「サイキックパワーと魔力を手に入れてもらえないでしょうか?」
マッチョ「…………」
マッチョ(……まぁ、それぐらいならできるだろう)
マッチョ(それに、みんなに内緒でパワーアップした方がかっこいいしな!)
マッチョ(お前いつの間にそんな強くなってたんだ!? ……みたいな)ニヤ…
マッチョ「分かった、その条件でいいぜ!」
白衣「ありがとうございます」
そして──
白衣「では、一週間後にまたお会いしましょう」
白衣「くれぐれも内密にお願いしますよ」
マッチョ「ああ、分かってる!」
マッチョ(ようするに、この容器をうまく隠し持ったまま)
マッチョ(あいつらの魔法や超能力を受ければいいんだろ? 楽勝だ!)
マッチョ(上等な金属だって、メガネがいくらでも持ってるだろうしな!)
マッチョ(これがうまくいけば……オレはやっとあいつらに追いつける!)
マッチョ(いや……追い越せる! またオレの時代が始まる!)
マッチョ(やってやる、やってやるぞ!)
マッチョ「それじゃ、また!」ザッザッ…
白衣「ええ」ニコッ
白衣&大男「…………」
数日後──
─ 秘密基地 ─
廊下でエスパーを待ち伏せするマッチョ。
マッチョ(お、エスパーだ。ようし……)ドキドキ…
マッチョ「よう、エスパー。どこ行くんだ?」
エスパー「サイキックルームで、超能力のトレーニングをしようと思ってね」
マッチョ「へぇ~、だったらお願いがあるんだが……」
エスパー「うん?」
マッチョ「お前の特訓に、オレも付き合わせてくれよ!」
エスパー「え、でも……」
マッチョ「頼むよ! な、このとおりだ! 新技が開発できそうなんだ!」
エスパー「……そこまでいわれたら、断れないな。分かった、いいよ!」
マッチョ「ありがとよ!」
─ 秘密基地サイキックルーム ─
エスパー「サイキックアタック!」
ドンッ!
エスパー「サイキッククラッシュ!」
ズアッ!
マッチョ「ぐ……!」
マッチョ(手加減しててもすげえ威力だ……超能力ってのはとんでもねえな!)
エスパー「大丈夫か?」
マッチョ「おう、鍛えてあっからな! おかげで新技を思いつきそうだ!」
エスパー「そうか……ならよかった!」
マッチョ(新技なんてねえよ……けどよ)
マッチョ(エスパーの“サイキックパワー”を容器に入れることに成功したぜ!)コソッ…
マッチョの計画は進む。
─ 秘密基地マジックルーム ─
魔法少女「え、魔法を浴びて、新技のヒントにしたい? いいの?」
マッチョ「おうよ!」
魔法少女「じゃあ……マジカルファイヤーッ!」
ボワァッ!
魔法少女「マジカルサンダーッ!」
ピシャァンッ!
マッチョ「ぐおっ……!」
マッチョ(もし、いつも鉄兵士に撃ってる威力だったら)
マッチョ(オレは最初の炎の時点で病院送りだろうな……これが魔法か!)
魔法少女「マッチョさん、平気!?」
マッチョ「あ、ありがとよ。新技開発のヒントになったよ」
マッチョ(よし……これで魔法少女の“魔力”も入手したぞ!)コソッ…
─ 秘密基地ラボラトリー ─
マッチョ「なぁメガネ、ここら辺にあるガラクタもらっていいか?」ガシャ…
メガネ「かまいませんよ。しかし、なにに使うのですか、マッチョ君?」
マッチョ「あ、いや……パンチ力を試すのにちょうどいいからよ」
マッチョ「サンキューな!」
マッチョ(これで“上等な金属”も手に入れた!)
マッチョ(つまり、オレが強くなる材料を全て手に入れたんだ!)
マッチョ(これで……これでオレもこいつらに追いつけるんだ!)
マッチョ(やっと……!)
マッチョが白衣たちと出会ってから、一週間後──
─ 秘密基地 ─
マッチョ「わりぃ、ちょっと出かけてくる」
エスパー「おい、これから政府の防衛関係者を交えたテレビ会議だぞ」
エスパー「そんな大きな荷物抱えて、どこ行くんだ?」
マッチョ「すまねえ、どうしても外せない急用なんだ!」
マッチョ「すぐ戻るからよ! 約束する!」
エスパー「……分かった。なるべく早く戻ってきてくれよ」
マッチョ(わりぃな……だが、この用事だけは外せねえんだ)
マッチョ(今日で……今日で足手まといじゃなくなる! いや、それどころか──)
マッチョ(オレがお前たちを追い抜くんだからな!)
意気揚々と、『身体能力向上研究所』へ急ぐマッチョ。
─ 身体能力向上研究所 ─
マッチョ「よう」ズイッ
白衣「これはこれは……お待ちしていましたよ、マッチョさん」
白衣「どうですか? 無事集められましたか?」
大男「集めたかぁ~?」
マッチョ「おう、この通りだ!」サッ
白衣「ほう、これはすごい!」
白衣「ではさっそく、あちらにある私が作った巨大装置で」
白衣「サイキックパワーと魔力を、あなたに注入できるよう変換するとしましょう」
マッチョから受け取った“材料”と巨大装置をいじりながら、興奮する白衣。
白衣「おお……! これはすごい!」カタカタ…
白衣「純度がちがいますよ、さすがマッチョさん!」カタカタ…
白衣「これを注入すれば、注入された戦士はまちがいなく最強になれます!」カタカタ…
マッチョ「本当か!? これじゃ使えないっていわれるかもとヒヤヒヤしたぜ!」
白衣「本当は戦闘の際、手に入れたかったんですが、それは非常に難しいですから」
白衣「あなたに頼んで正解でしたよ」
マッチョ「そ、そうか!」
マッチョ「…………」
マッチョ「──ん?」
マッチョ「なぁ、“本当は戦闘の際”っていったいどういう意味だ?」
白衣「!」
白衣「おっと、つい口が滑ってしまったか……」
マッチョ「口が滑った?」
白衣「ヒィ~ッヒャッヒャ、まだ分からんのか?」
マッチョ「!」
マッチョ(この甲高い変な笑い声……どこかで……)
白衣「我々の正体は──」グッ…
大男「オイラたちの正体は──」グッ…
──バサァッ!
一瞬で変身を遂げる二人。
銀博士「メタル団最高幹部、銀博士と!」
銅巨人「メタル団最高幹部、銅巨人だったんだぁ~!」
マッチョ「なっ……!?」
今回の投下はこれで終わりです
次回へ続きます
ありがとうございました!
念の為トリップつけときます
二人の正体に、驚きを隠せないマッチョ。
マッチョ「なんで……!? こりゃいったい、どういうことなんだ!?」
マッチョ「てめえら、オレをだましやがったのか!?」
銀博士「ヒャヒャ、だましたとは人聞きが悪いな」
銀博士「普通こんな怪しい話に乗るか? 脳みそまで筋肉なんじゃないか、オマエ」
マッチョ「なんだと!?」
銀博士「まぁ……せっかくだ」
銀博士「“銅巨人”をパワーアップさせる材料を持ってきてくれたお前にだけは」
銀博士「せめてもの情けとして真実を教えてやろう」
銅巨人「教えてやろぉ~う」
銀博士「オマエも知っているだろうが、我々はオマエたちに負け続けた」
銀博士「その結果、ワタシは一つの結論に達した」
銀博士「それは──」
銀博士「オマエたちが持つ超能力や魔力を身につけねば、オマエたちには勝てないと!」
銀博士「だからこそ、オマエに渡したあの容器を作り上げたんだが──」
銀博士「戦闘中にサイキックパワーや魔力を手に入れるのは至難の業だ」
銀博士「この容器自体を壊される可能性の方が高いからなァ……」
銀博士「いい方法はないものか、と模索していたその時──」
銀博士「銅巨人はおろか鉄兵士にすら苦戦するオマエの姿が映った」
銀博士「普段は眼中になかったが、よくよくオマエを観察してみると」
銀博士「他の三人に対して劣等感を抱いているのがすぐ分かった!」
銀博士「なんでオレだけこんなに弱いのか……となァ」
銀博士「そして、こいつを利用すればサイキックパワーと魔力を入手できる!」
銀博士「──と人間に変装してオマエに近づいたワケだ!」
マッチョ「ぐ……!」
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャ、礼をいわせてもらうよ、マッチョ君」
銀博士「まぁ……そこでじっくりと見ていろ」
銀博士「銅巨人が究極のパワーアップを遂げる瞬間をなァ……」
銀博士「銅巨人、こっちに来い」
銅巨人「おぉ~う」
マッチョ(ち、ちくしょう!)
マッチョ(オレは……みすみす敵を強くしちまう手伝いを……!?)
マッチョ(まだだ……パワーアップを止めれば間に合う!)
マッチョ「させっかよォッ!」ダッ
銅巨人に飛びかかるマッチョ。
銅巨人「ウガァッ!」ブンッ
ドゴォッ!
マッチョ「げぶっ!」ドザッ
だが、あっけなくダウンさせられる。
銀博士「バカが。鉄兵士にすらかなわぬオマエが、銅巨人に勝てるわけなかろう!」
銀博士「セット完了だ」ガチャッ
銀博士「さぁ~て、注入するぞ」
銅巨人「おおぉ~う」
コポコポコポ……
巨大装置から、銅巨人の中にエネルギーが注入されていく。
銅巨人「ウッ、ウオオッ!? 分かる……オイラ、強くなってるぅ~!」コポコポ…
銅巨人「ウオオオオオオオオオッ!」メキメキ…
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
銀博士「並の生物ならこんなことをすれば、自滅してしまうのがオチだが」
銀博士「メタル団最強のオマエならば、耐えられる! 計算通りだ!」
銅巨人「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」メキメキメキ…
銀博士「すばらしい! サイキックパワーと魔力が銅巨人をパワーアップさせているゥ!」
銀博士「加えて、マッチョが持ってきた金属を溶かし」
銀博士「アーマーとして装着させれば……」
ジャキィンッ!
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッ! 完成だ!」
銀博士「銅巨人という最高の素材に最高のパワーが融合した、ニュー銅巨人だ!」
銅巨人「ウオオオッ! オイラ、もう誰にも負けない!」ムキッ…
銀博士「これぞワタシが提唱する究極の方程式──」
腕力+超能力+魔力+科学力=無敵!!!
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャ! もう一度礼をいっておこう、マッチョ君!」
マッチョ「ぐっ……」ググッ…
マッチョ(やべえ……あの銅巨人、とんでもねえ強さだ……!)
マッチョ(オレが……命を捨ててでも、あいつを倒さねえと……)
マッチョ(市民も、エスパーたちも、みんなあいつに殺されちまう!)
マッチョ「そうは……させるかァ!」ダッ
銀博士「バカめが……また来るか。軽くひねってやれい、銅巨人!」
銅巨人「ウガァッ!」ブオンッ
ドゴォッ!
銅巨人の拳が、マッチョをふっ飛ばした。
マッチョ「ぐへえっ!」ドザッ…
マッチョ(さっきとは比べ物にならねえ……! だが──)
マッチョ「ま、まだまだ……」ヨロッ…
銀博士「…………」イラッ
銀博士「……やれやれ、見苦しい」
銀博士「この期に及んで、まだ自分のパワーが通用すると思ってるのか?」
銀博士「洗脳でもしてこき使ってやろうと思ったが、こんな脳筋は部下にいらん」
銀博士「銅巨人、最初の獲物はコイツだ! 己の無力さをじっくり思い知らせてやれい!」
銅巨人「分かったぁ~!」
マッチョ「……負けるかよぉ!」
ドゴォッ! バキィッ! ガゴンッ!
マッチョ「が、はっ……!」ドザッ
マッチョ(速いし、重い……!)
マッチョ(あいつにとっちゃ小突いてるようなもんなんだろうが……強すぎる!)
マッチョ(でも、立たなきゃ……!)ググッ…
銀博士「哀れなもんだな、実力差が分からんってのは」
銀博士「だからワタシのように学習しようとすらしない」
マッチョ「う、うぐぐ……! オレにだって意地があんだよ……!」ゲホッ…
銀博士「…………」
銀博士「ったく、とことん脳筋だな」
銀博士「超能力や魔法といったこれまで未知の領域だった力が登場するようになり」
銀博士「ロケットはよその星にまで飛ばせる時代に──」
銀博士「本気で筋肉なんかが役に立つと思ってんのか!?」
ドゴォッ!
銅巨人の蹴りが、マッチョを打ち上げた。
銀博士の罵声と銅巨人の打撃が、容赦なくマッチョに浴びせられる。
銀博士「原始時代ならいざ知らず……」
バキィッ!
銀博士「過剰な筋肉なんざ今日びなんの役にも立たないんだよ! 無駄なんだよォ!」
ドゴォッ!
銀博士「筋肉で戦車に勝てるか!? 筋肉でフォークリフトより働けるか!?」
ドズッ……!
銀博士「筋肉鍛えるより、効率的に力を得る方法なんざいくらでもある!」
バシィッ!
銀博士「ただでさえ計画がうまくいってるのに、これ以上笑わせるな! バカめが!」
ドボッ!
銀博士「これからの時代、必要とされるのは──超能力、魔力、科学力だ!」
ガッ!
銀博士「これらの力があれば、筋肉の力なんていくらでも補えるしなァ!」
バキャッ!
銀博士「オリンピックでも狙ってりゃ、まだヒーローにもなれたかもしれんが」
ガンッ!
銀博士「我々の世界にオマエが立っていられる場所なんざないんだよォ!」
ドゴォッ!
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!」
マッチョ「ぐ、ふっ……!」ドサッ…
マッチョ(そう、なのか……? 本当に、筋肉は無駄……なのか……?)
マッチョ(オレはなんのために、体を、鍛えた……?)
マッチョ(エスパーたちを……あいつらを……守りたかったからじゃないか!)
マッチョ(そうだ……。だからオレは一生懸命、体を鍛えた……!)
マッチョ(でも、結局、オレはそんな目的はとっくの昔に忘れて……)
マッチョ(とにかくあいつらを見返したくて……こんな奴らにだまされた)
マッチョ(オレじゃ、こいつらには勝てねえ……勝てねえ、けど……)
マッチョ(ならせめて、こいつらに少しでも傷を……)
マッチョ(エスパーたちを守るためにッ!)
マッチョ「無駄、じゃない」ググッ…
銀博士「あ!?」
マッチョ「オレの筋肉は……無駄、じゃない! 絶対に!」ヨロ…
銀博士「無駄だっていってるだろが! 銅巨人、頭を砕いてやれいっ!」
銅巨人「死ねえぇ~っ!」ブオンッ!
銅巨人の拳がマッチョの頭に迫る。
「必殺サイキッククラッシュッ!」
ズドォンッ!
銅巨人「うおぉ~!?」シュゥゥ…
銀博士「むむっ、この攻撃は……!?」
マッチョのピンチを救ったのは──
エスパー「大丈夫か、マッチョ!」
魔法少女「しっかりして! すぐ回復するから!」
メガネ「ここからはボクたちに任せて下さい!」
マッチョ「うぅ……。お前たち……どうして、ここに……?」
エスパー「どうも様子がおかしかったから、やっぱりお前を追うことにしたんだ」
エスパー「もしかしたら、敵に操られてるって可能性もあったしな」
エスパー「だから、超能力でお前を探して、ここを見つけたんだ」
マッチョ「そう、だったのか……」
マッチョ「あの銅巨人を見りゃ、だいたいの状況は分かるだろう……」
マッチョ「オレは……あいつらにお前たちのパワーをくれちまった……」
マッチョ「すまねえ……。オレはまんまとだまされて、敵を強くしちまった……」
マッチョ「オレが……お前らを見返したいなんて、思ったから……」
エスパー「いや、もういいんだ」
エスパー「マッチョ……ここまでお前を追い詰めたのは、俺たちの責任でもある」
マッチョ「え……?」
エスパー「俺たち……本当は気づいてたんだ」
エスパー「俺たちと差がついたことで、お前が悩んでるってことを……」
エスパー「だけど……必死にトレーニングしてるマッチョを見ていると」
エスパー「とても気づいているとはいえなかった……」
マッチョ「そう……か……」
エスパー「それに──」
エスパー「俺たちも、自分の力に酔っていた」
エスパー「なぁ?」
魔法少女「うん……どんどん強くなっていくのが楽しかったし」
メガネ「普通の状態で殴り合いをすれば絶対敵わないであろうマッチョ君に」
メガネ「他の力で追いつき、追い越せたことを、正直嬉しくすら思っていました」
マッチョ「…………」
エスパー「ハッキリいおう」
エスパー「俺たちだって、お前に差をつけることでいい気になっていたんだ」
エスパー「本当にすまない……!」グッ…
マッチョに心から謝罪をするエスパー。
エスパー「だからこそ、この銅巨人は──俺たちの手で倒す!」
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャ、無駄なことだ!」
銀博士「今さら加勢にきたところで、今の銅巨人には絶対勝てんぞ!」
銀博士「ちょうどいい。ここでオマエたちに引導を渡してやる!」
エスパー「みんな、全力でいくぞ!」
エスパー「必殺サイキックエクスプロージョン!」ズアッ!
ズドォォンッ!
魔法少女「分かった! マジカルフレアー!」ボウッ!
ボワァァンッ!
メガネ「とっておきのメカで勝負です! ミクロミサイル!」シュボッ!
ズガァァンッ!
これまでにない、本気の集中砲火。
マッチョ(す、すげえ……一瞬でケリをつけやがった!)
マッチョ(分かりきってたことだけど……やっぱこいつら、オレよりずっと強ええ!)
マッチョ(へっ、いい気になる資格くらい、余裕であるってもんだ──)
マッチョ「!」ピクッ
シュウゥゥゥ……
煙の中から現れたのは、まったくの無傷である銅巨人。
銅巨人「こんなもんかぁ~? ほとんど痛くなかったぞぉ~?」シュウウ…
エスパー「なんだって……!?」
魔法少女「ウソ……直撃したはずよ!」
メガネ「傷一つ負っていないなんて……信じられません!」
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャッ! かつての銅巨人ならばともかく」
銀博士「オマエたちの力を注入したこいつに通用するわけなかろう!」
銀博士「腕力+超能力+魔力+科学力=無敵、なのだ!」
銀博士「さぁ、たっぷりお返ししてやれいっ! 銅巨人ッ!」
銅巨人「ウガオオオオオオオッ!!!」
両手を横に伸ばし、銅巨人が回転を始める。
銅巨人「ブロンズトルネェェェドッ!」ギュルルルルッ
ブオンッ! ブオンッ! ブオンッ! ブオンッ!
エスパー(ただ回ってるだけなのに……なんて風圧だ! まるで竜巻か台風……!)
魔法少女「きゃああああっ!」
メガネ「なんてパワーだ、測定できないなんて……!」ピピピ…
マッチョ「ぐうっ……!」
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャ! すばらしいぞ、銅巨人!」
銀博士「どうせ、この研究所はマッチョをはめるためだけに突貫工事で作ったものだ!」
銀博士「こいつらもろとも壊してしまえいッ!」
銅巨人「ウガアアアアアッ!」ギュルルルルッ
ドゴォォォンッ……
銅巨人の“ブロンズトルネード”によって、研究所は壊滅した。
─ 研究所廃墟 ─
銀博士「派手にやりおって……パワーがあり余ってるようだな」ニヤッ
銅巨人「うへへ、いい気持ちだぁ~」
エスパー「くっ……」
魔法少女「うぅ……痛いよぉ……」
メガネ「恐ろしい……強さ、です……」
マッチョ「う、ぐぐ……」
エスパー「みんな、諦めるな! 絶対に銀博士と銅巨人を倒すんだ!」
魔法少女「うん! すぐ回復魔法をかけるよ!」
メガネ「まだまだ……これからです!」
マッチョ(みんな、頼む……。オレじゃとてもこの戦いにはついていけねえ……!)
今回の投下はここまでです
次回に続きます!
エスパーたちと銅巨人の死闘が再開する。
エスパー「超能力で身体能力強化! ──必殺サイキックパンチッ!」
魔法少女「魔力で体力アップ! ──マジカルキィック!」
メガネ「ボクもマシーンで援護します!」ピピピ…
ドゴォッ! バキィッ! ズガァンッ!
先ほどより、さらに威力を増している集中砲火だが──
銅巨人「無駄だぁ~、かゆいかゆい」シュウウ…
銅巨人「今日ここでお前ら全員、グシャグシャに潰してやるぞぉ~」ズシン…
バキィッ! ドゴォッ!
エスパー「ぐはぁっ!」
魔法少女「きゃあっ!」
銀博士(ヒィ~ッヒャ、勝てる! 今の銅巨人は、まさしく無敵だ!)
その後もエスパーたちは押され続け──
エスパー「が、はっ……!」ドサァッ…
魔法少女「もうダメ……!」ドサッ…
メガネ「ううっ……!」ドザッ…
マッチョ「ぐおおっ……!(歯が立たねえ……)」ドザンッ…
銀博士「多少は苦戦するかと思いきや、これほど差があるとは──」
銀博士「実に気分がいい!」
銅巨人「気分いいなぁ~」
銀博士「もう回復する力も残ってないだろう……トドメを刺してやれいっ!」
銅巨人「オイラ、トドメ刺すぅ~」ズシンッ…
マッチョ(ち、ちくしょう……!)
マッチョ(オレのせいで、みんなが……みんな殺されちまう!)
マッチョ(つっても打つ手はねえ……)
マッチョ(なにしろ、敵はただでさえ強い銅巨人が)
マッチョ(エスパー、魔法少女、メガネの力で強化されたバケモノなんだ……!)
マッチョ(あの三人の力で……!)
マッチョ(あの三人の……)
マッチョ「!」ハッ
マッチョ「エ、エスパー……魔法少女……話がある」
エスパー「マッチョ……!?」
魔法少女「なに……?」
マッチョ「オレに、サイキックパワーと魔力を注入してくれないか……」
エスパー&魔法少女「!」
マッチョ「た、頼む……」
マッチョ「もしかしたら……銅巨人みたいに……パワーアップできるかもしれねえ」
エスパー「だけど、他人に力を与えるなんてやったことないし……」
魔法少女「うん……マッチョさんがどうなっちゃうか分からないよ!」
マッチョ「たしかにな……」
マッチョ「だけどよ……このままじゃオレは死んでも死にきれねえ!」
マッチョ「頼む……オレにチャンスをくれえっ!」
マッチョ「思いついちまったからには、やるだけやってみたいんだ……!」
マッチョ「それで死んだとしても、オレはかまわねえ……!」
銀博士「ぬぅ……そんな手があったとは!」ギリッ…
銀博士「銅巨人がすぐに飛び込める間合いでもない……くそったれめ!」
マッチョ(銀博士のヤロウ……焦ってやがる!)
マッチョ「さあ、早くやってくれっ! もうこれしか手はねえっ!」
銅巨人「そうはさせるかぁ~!」ザッ…
銀博士「待て」
銅巨人「え?」
銀博士「心配するな、さっきのは演技だ」ボソッ
銅巨人「……どういうことだぁ~?」
銀博士「バカな人間が無様な花火になる瞬間を、見てみたいとは思わんか?」ニタッ
エスパー「分かった……やろう!」
魔法少女「だけどエスパーさん……危険すぎるよ!」
メガネ「ええ、データがないので、マッチョ君がどうなるかボクにも分かりません!」
エスパー「マッチョ、いいんだな? 覚悟はできてるんだな?」
マッチョ「おう! やってくれ!」
エスパー「……分かった!」
エスパー「サイキックパワー注入!」フィンフィン…
魔法少女「アタシも、魔力を与えるよ!」パァァ…
サイキックパワーと魔力が、二人の手からマッチョに注がれる。
すると、すぐに異変が起こった。
マッチョ「ぐ!? ぐおおっ!?」ボコン…
エスパー「!」
マッチョ「おおおおおおおおおおおお!!?」ボコンボコン…
エスパー「マ、マッチョ!?」
魔法少女「マッチョさぁん!」
メガネ「肉体が……泡立っている!? どういうことなんだ!?」
マッチョ「ぐああああああああああッ!!!」ボコンボコン…
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャッ! バカどもめぇ!」
エスパー「銀博士!?」
銀博士「ワタシは長年オマエたちを研究していたから、結果を知っていたのだよ」
銀博士「超能力や魔力とは、素質があってこそ生かせるもの」
銀博士「素質のない者に力を与えたりすれば、肉体が暴走し、崩壊するだけだァ!」
銀博士「それこそ銅巨人のような人間を超えた強靭な体を持たねばな!」
銀博士「人間の中ではトップクラス程度の、その脳筋では絶対耐えられん!」
銀博士「さぁまもなく、人間が派手に爆発するシーンを見られるぞ! 傑作だァ!」
銀博士「ヒィ~ッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
銅巨人「アッハッハァ~、ざまぁみろぉ~!」
エスパー「そ、そんな……!」
魔法少女「いやぁぁぁっ! どうにか、どうにかしなきゃ! マッチョさんが!」
メガネ「さっき焦っていたのは演技だったのですか! ……なんてことだ!」
マッチョ「ぐ、ぐ、ぐうううううう……!」ボコンボコン…
ボコンボコン…… ボコンボコン……
マッチョ(ち、ちがう……!)
マッチョ(この筋肉の脈動は……体が暴走してるわけじゃねえ!)
マッチョ(これは、筋肉の感情表現だ!)
マッチョ(そう、これは──喜びと怒り!)
マッチョ(人間の肉体ってのはいくら鍛えたって、どうしても限界がある)
マッチョ(現にオレの肉体はもう成長の余地がないとこまできてた……)
マッチョ(そして、限界に達した肉体が限界を超えるには、“何か”が必要になる!)
マッチョ(その“何か”ってのは、つまり……超能力や魔力だったんだ!)
マッチョ(だけどオレは──自分の筋肉を誇りたいがあまり)
マッチョ(あくまで筋肉だけで戦おうとし、筋肉以外の力を無視してた……)
マッチョ(だからオレの筋肉は喜んでいるし、同時に怒っているんだ!)
マッチョ(やっと筋トレだけじゃ決して行けない領域に行ける、と……)
マッチョ(なんでもっと早くこうしなかったのかバカヤロウ、と……!)
マッチョ(すまねえ……!)
まもなく、マッチョの筋肉の脈動が収まり──
マッチョ「うぅおおおおおおおおおおっ!!!」メリメリメキ…
ムキムキィッ!
エスパー「マッチョ!」
魔法少女「マッチョさん!」
メガネ「マッチョ君!」
銀博士「む!?」
銅巨人「なんだぁ~!?」
シュゥゥゥ……
外見こそほとんど変わらないが、“明らかに前とは違うマッチョ”が立っていた。
マッチョ「待たせたな……。ようやく筋肉がオレを許してくれたようだ」シュウウ…
マッチョ「下らないプライドで、筋肉以外の力を拒絶してたこのオレをな」
エスパー「マッチョ!」
マッチョ「エスパー、ありがとよ。あとは任せてくれ!」ムキッ
銀博士「バ、バカな……肉体が四散するはずなのに!? なぜ耐えきれたのだ!?」
マッチョ「広背筋、あまり興奮すんな。僧帽筋も少し落ちつけ」ムキッ
マッチョ「腹直筋はまだ怒ってるのか……。今はスネてねえで、力を貸してくれ」ムキキッ
マッチョ「大胸筋はジョークいってる場合じゃねえだろ!」ピクピクッ
マッチョ「下腿三頭筋と大腿四頭筋はケンカすんな! 仲良くやろうぜ!」ムキッ
エスパー「ど、どうしたんだ、マッチョ!?」
魔法少女「マッチョさんが筋肉と……しゃべってる……!?」
メガネ「ある高名なコメディアンにしかできぬ芸当と聞きますが」
メガネ「つ、ついにマッチョ君もその域に達したようですね……!」クイッ
メガネ「……あ、そうだ」カチャカチャ…
メガネ「マッチョ君、これを!」ポイッ
マッチョ「なんだこれ?」パシッ
メガネ「今、研究所のガレキを使って即席で作ったナックルです!」
メガネ「“マッスルナックル”とでも名づけましょうか!」
マッチョ「ありがとよ、メガネ! お前の力も使わせてもらうぜ!」カチャッ
マッチョ「さぁ、覚悟しやがれ! メタル団!」ザッ…
銀博士「……ふん、調子に乗りおって」
銀博士(ノーマルな状態では、銅巨人の方がコイツより遥かに強かった)
銀博士(同じ条件でパワーアップしたのだから、実力は銅巨人が上に決まっている!)
銀博士(腕力+超能力+魔力+科学力=無敵、なのだ!)
銀博士「銅巨人、この死にぞこないをとっととあの世に送ってやれいっ!」
銅巨人「粉々に砕いてやるぞぉ!」ブオンッ
──ガシィッ!
銅巨人「!?」
銀博士「な……銅巨人の全力パンチを!?(腕で受け止めただと!?)」
マッチョ「ありがとよ、上腕二頭筋と三頭筋!」ニヤッ
マッチョ「うおおおおおおおおおっ!!!」
ムキムキ…… メキメキ……
マッチョの右腕が異常な盛り上がりを見せる。
銀博士&銅巨人「~~~~~~~~~~!!!」
マッチョ「予告しとく。今から“マッスルパンチ”をブチ込むぜ」
マッチョ「マッスル……」メキメキ…
銅巨人「銀博士ぇ、オイラどうすればぁ~!?」
銀博士「お、お、落ちつけ! 腕力+超能力+魔力+科学力=無敵なのだ!」
マッチョ「パァンチッ!!!」
マッチョの豪腕から、凄まじい右ストレートが放たれた。
パンチが放たれてからの一瞬で──
銀博士と銅巨人は防衛本能からか、自分たちの“究極の方程式”を頭に思い描いていた。
銀博士(腕力+超能力+魔力+科学力=……)
銅巨人(腕力+超能力+魔力+科学力=……)
腕力+超能力+魔力+科学力=……
腕力+超能力+魔力+科学力=無……
無……
無……
無理!!!
ズドォォォォォンッ!!!
……
…………
………………
銅巨人「う、うぅ……」
銀博士「あ……ごふっ……」
銅巨人はマッスルパンチで倒され、銀博士は銅巨人の下敷きになっていた。
マッチョ「ざまあみやがれ!」ムキッ
エスパー「やったな、マッチョ! すごいパワーだったぞ!」
魔法少女「それに無事でよかったぁ……ホントに死んじゃうと思ったもん」
メガネ「なるほど……ただ力を継ぎ足しただけの銅巨人とはちがい」
メガネ「マッチョ君の場合は、限界まで鍛え抜かれたマッチョ君の筋肉そのものが」
メガネ「超能力と魔法と出会うことで、さらに上の領域に引き上げられ──」
メガネ「飛躍的なレベルアップを遂げたのですね」クイッ
マッチョ「あと……お前の科学力もな!」ニヤッ
エスパー「マッチョ……ありがとう!」
魔法少女「ホント、命の恩人だよ!」
メガネ「マッチョ君の提案がなければ、みんなやられていたでしょうね」
マッチョ「いや、礼をいうのはこっちの方だぜ」
マッチョ「みんなが来てくれなきゃ、オレは殺されてたし」
マッチョ「こうして奴らを倒せたのも……みんなのおかげなんだから!」
マッチョ「本当にありがとう……!」
エスパー「マッチョ……」
マッチョ「だけどよ、まだ戦いは終わってないぜ!」
マッチョ「オレももうしばらくこのパワーのままでいられそうだし……」
マッチョ「今日、一気にメタル団との決着をつけてやろう!」
─ メタル団本拠地 ─
最高幹部二人の敗北は、金首領に伝わっていた。
金首領「なんだとォ!?」
金首領「銀博士と銅巨人が、エスパーどもに敗北しただと!?」
金首領「しくじりおって、あの役立たずどもめが!」
鉄兵士F「アイ、アイアーン!」
金首領「ふん、そううろたえるな」
金首領「この要塞には鉄兵士軍団がごまんとおるし、内部には罠もたっぷりある」
金首領「奴らが乗り込んできたところでどうにもならん」
金首領「仮に戦ったとしても、ワシの強さは銅巨人の三倍だ! 負けはせぬ!」
グラッ……
金首領「ん!? なんだこの揺れは?」
鉄兵士F「アイン?」
グラグラ……
金首領「ずいぶん長いな……地震か?」
金首領「どれ……外の様子をモニターで見てみるか」ピポッ
~ 映像 ~
マッチョ『うぐおぉぉぉぉぉ……! 大腿筋、根性出せ!』メキメキ…
エスパー『いいぞ、その調子だ!』
魔法少女『ファイト! ファイトーッ!』
メガネ『少しずつ動いてますよ!』
~
金首領「エスパーども!? この要塞の外壁など掴んで、なにをやっておるのだ?」
金首領「────!」ハッ
金首領「ま、まさか!?」
マッチョ「ぬぐおおおおお……! もっとやれるだろ、三角筋!」メキメキ…
マッチョの作業を妨害しようと、要塞から鉄兵士軍団が飛び出してきた。
鉄兵士軍団「アイアイアーン!!!」ドドド…
メガネ「鉄兵士たちが出てきましたよ!」
エスパー「ようし、あいつらは俺たちが片付ける!」サッ
魔法少女「マッチョさんに手出しはさせないよ!」バッ
ズガァンッ! ドォンッ! ドバァンッ!
マッチョ「助かるぜ、みんな!」グググ…
マッチョ「これ以上兵隊が出てこないうちに、ケリをつけねえとな……」グググ…
マッチョ「うがぁぁぁぁぁ……!」グググ…
マッチョ「があっ!!!」グンッ
グワァッ……!
ついに、要塞が地面から浮いた。
マッチョ「今のオレなら、絶対やれると思ったぜ!」グオッ…
マッチョ「だが、こっからが本番だぞ!」
マッチョ「肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、準備いいかァ!?」
マッチョ「持ち上げて──」グググ…
マッチョはメタル団本拠地を両腕で持ち上げ──
マッチョ「ブン投げるッ!!!」
ブオンッ!!!
ブン投げた。
─ メタル団本拠地 ─
要塞内部で金首領は──
グラグラ…… ガクガク……
金首領「ぬおおっ! ますます揺れがひどくなっていく!」
金首領「鉄兵士はなにをやっておる!? どいつもこいつも使えん!」
金首領「わわっ! 要塞が傾いた!? 要塞が持ち上げられた!?」
金首領「と思ったら、飛んだぁっ! ありえん、こんなこと絶対ありえん!」
金首領「じ、地面に要塞が落ち──」
金首領「うわああぁぁぁぁぁっ!!! バカなぁぁぁぁぁっ!!?」
ドズォォォ……ンン……
メタル団本拠地、壊滅──
マッチョ「よっしゃあっ!」ムキッ
エスパー「メタル団基地を丸ごと投げ飛ばすなんて……」
魔法少女「マッチョさん、すっごぉ~い!」
メガネ「内部に攻め込むより、たしかに効率的ですね」クイッ
マッチョ「みんなも敵の足止め、ありがとよ。だけど、そろそろ……」シュウゥゥ…
マッチョ「うぐぅっ!」ガクッ
エスパー「大丈夫か、マッチョ!」
マッチョ「どうやら、元に戻っちまったようだ……」シュゥゥ…
マッチョ「それに、かなりの筋肉痛だ……こんな筋肉痛は久しぶりだな」ズキズキ…
マッチョ「オレもまだまだ、トレーニングが足りねえな……」
エスパー「マッチョでトレーニングが足りないなら、みんなサボり魔になっちゃうよ」
ハッハッハッハッハ……
マッチョ(それからというもの──……)
それからというもの──
オレたちは変わらず、平和を守るために悪党どもと戦い続けている。
エスパー「必殺サイキッククラッシュ!」ズアッ
ズガァンッ!
魔法少女「マジカルウォーター!」ポウッ…
ザバァァッ!
メガネ「ミクロミサイル!」シュボッ…
バゴォォンッ!
「ぐわぁぁぁっ!」 「ぐぎゃっ!」 「うげぇっ!」
悪魔怪人「我ら魔界のデーモン教団の精鋭が、たかが人間如きに……!?」
マッチョ「みんな、いいぞ、いいぞぉ! 応援は任せろ!」
とはいえ普通の状態では、やっぱりオレは他の三人に敵わないのだが……。
悪魔怪人「おのれぇ~! ゆけっ、デビルティラノ!」
デビルティラノ「ギャォォォンッ……!」ズシンッ…
エスパー「うわっ、なんだアイツは!?」
メガネ「これは……生半可な攻撃では、通用しそうにありませんね」
マッチョ「ならオレの出番だ! みんな、オレにパワーを!」
エスパー「分かった!」フィンフィン…
魔法少女「ちゃんと量を調節して魔力を与えるね!」パァァ…
マッチョ「みなぎってきたぜぇ!」
マッチョ「うおおおおおおおおお……!」メキメキ…
メガネ「あちらに用意してある武器は──」
メガネ「パワーアップしたマッチョ君用に開発した“マッスルアックス”です!」
メガネ「50トンの重さですが、今のマッチョ君なら扱えるはず!」
マッチョ「ありがとよ!」ガシッ…
マッチョ「今日は筋肉絶好調だ! どおりゃああっ!」ブオンッ!
ズガァァァンッ!!!
デビルティラノ「ギャァァァァスッ!」ドズゥ…ン…
マッチョ「ふうっ……!」
エスパー「やった!」
魔法少女「これでデーモン教団もオシマイだねっ!」
メガネ「ボクの計算通りの結果ですね」クイッ
エスパー「マッチョ、体は平気か?」
マッチョ「ああ、二人がちゃんとパワーを調節してくれたおかげでな」
マッチョ「こないだ病院に健康診断に行ったが、特に異常はなかったしよ!」
マッチョ「だが、二人のパワーにもっと応えられるよう、オレも鍛錬を続けなきゃな!」
魔法少女「これからも頼りにしてるよ~、マッチョさん!」
メガネ「なにしろ、マッチョ君は我々の秘密兵器ですからね」
メガネ「特撮番組でいう、巨大ロボというやつです」
マッチョ「オレは巨大ロボか! アッハッハ、そりゃいいや!」
エスパー「デーモン教団も片付けたし、今日はみんなでパーっとやろうか!」
魔法少女「わぁ~い!」
メガネ「フフフ……かまいませんよ」クイッ
マッチョ「よっしゃあ! オレの筋肉も喜んでるぜ!」
平和を脅かす悪党どもはまだまだたくさんいる!
だけどオレたち四人は、そんな奴らに絶対に負けはしない!
そのためにも、オレは今日も筋肉を鍛え続けるんだ!
─ 完 ─
この話はこれで終わりです
レスしてくれた人励みになりました!
ありがとうございました!!!
(´・ω・`) n ナイスマッスル
⌒`γ´⌒`ヽ( E)
( .人 .人 γ /
=(こ/こ/ `^´
)に/こ(
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません