短編集 (1)

 『男と女』


「この液体を飲むともっと気持ちよくなれるわよ」
 女は確かにそう言った。

「もう気持ちいいことは十分やったじゃないか」
 俺は出来ないと分かりつつも反論する。

「それよりずっと気持ちよくなれるのよ? やってみる価値はあると思わない?」
 女は誘ってくる。まるで悪魔だ。


男「いいよ。じゃあその小瓶の中身を飲んでみよう。」
 一時でもより気持ちよくなれるなら俺は人生のほとんどが苦でも構わない。

俺は小瓶の中身を飲み干し、女に抱きついた。












 目が覚めた。女は居ない。よく目を擦ると、小さな小瓶が机に一つ。

 【完】

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