男「死ぬ前に童貞卒業したい」 (24)

男「といっても彼女とか面倒だな」

男「そうだ、出会い系でもやろう」

男「この出会い系サイトで良いか」

男「プロフィール編集してっと……」

~三日後~

男「誰も来ねぇ」

男「まあ来るわけねーか」

男「退会しよ……」

男「ん? メール?」

男「何? 送ってきたのは男だと?」

男「……ホモかよ」

男「この際男でも良いか」

男「何? こいつ同年齢かよ」

男「公務員か……」

男「男前だな」

男「……こいつになら掘られてもいいかもな」

男「……はっ! 何考えてんだ俺、ホモじゃあるまいし!」

男「童貞卒業より処女卒業が先だなんて……変だろ」

男「今日は寝よう」

~翌日~

男「またメールか」

男「ん? ……好きなゲームについての話か」

男「ホモかと思ったが……気が合いそうだな」

男「返信するか……」

男「ホモとメールのやり取りをしていると時間を忘れてしまうほどだった」

男「返事が待ち遠しい」

男「俺は断じてホモじゃない。可愛い女の子か綺麗なお姉さんが好きだ」

男「そんな俺だが何だかんだでホモと会うことになった」

男「待ち合わせ場所は最寄り駅の●●」

~当日~

男「あの人のことだ、無理矢理はないだろう」

男「……もうそろそろ来る頃だな」

男「人と話すなんて久々だな」

男「……緊張してきた」

男「……怖いな」ビクビク

??「あの、すみません。あなたが男君ですか?」

男「!?」

男(こいつ……いつの間に……!)

男「は、はいっ! 男です!」

保茂「どうも、保茂です」

男「や、保茂さんですか」

男(くそっ、写真より男前じゃねーか。女には困らねーだろうな。……まあ、ホモだろうから関係ないか)


※ホモの名前は保茂にしておきます

保茂「こうやってサイトの人と出会うのは初めてですよね。緊張しなくて良いですよ」

保茂「焼き肉でも食べにいきますか」

男「や、焼き肉!? 俺そんなに金持ってない……」

男(俺フリーターだし……)

保茂「あ、俺が奢るので大丈夫ですよ」

男「す、すみません」

保茂「気にしなくて良いですよ。誘ったのは俺ですし。喜んでくれると俺も嬉しいです」

~移動~

男「肉なんて久しぶりだな……」

保茂「じゃあ、今日は沢山食べてください」

男「……では、いただきます」

男「……うめぇ……」

男(最近もやしくらいしか食べてないからな……)

男(貯金を崩しながらの生活もそろそろ終わりそうだし……金がないんだよなぁ)

男(今日は一杯食べよう)

保茂「美味しそうに食べますね」

男「肉は好物だしな」

保茂「野菜も食べないと体に悪いですよ」

男「お前はカーチャンか」

男(カーチャンに会いたくなったじゃねーか畜生)

男(カーチャンとトーチャンが死んで五年か……)

男「うう……もう食えねえ」

保茂「食べすぎです。限度というものがあるでしょうに……」

男「すまん……」

保茂「お酒も飲みすぎです。体壊しますよ」

男「良いんだよ、別に。そのうち死ぬんだから」

保茂「えっ……?」

男「会社クビになって貯金とバイトで生活してるけど、そろそろ限界が来てな……」

男「カーチャンとトーチャンの元に行きてーんだ」

男「結婚だの恋だのどうでも良い。その前に童貞卒業したかった」

男「なのにメールしてきたのはホモ」

男「こんな悲しい話あるかよ」

保茂「……」

男「……ぐぅ……」

保茂「あ、あれ? 男君もしかして眠ってしまいましたか?」

保茂「困ったな……」

保茂「連れて帰るか」

保茂「ただいま」

保茂「……と言っても返事なんて返ってくるわけないか」

保茂「よいしょ……っと」

保茂「ベッドは男君に使わせて、俺はソファーで寝るか」

保茂「その前にシャワーでも浴びるか」

保茂「……おやすみ、男君」

~翌日~

男「ん……」

男(俺……確か保茂と出会って焼き肉食いに行ってそれから……酒飲んだんだっけ)

男(頭いてえ…)

男「それよりここは何処だ」

保茂「俺の家です」

男「!?」

保茂「男君、途中で寝ちゃったので」

男「えっ」

男(嘘だろ)

保茂「大丈夫です。男君が思ってるようなやましいことはしてませんから。朝御飯できたんだけど、食べようか」

男「はい……」

男「焼き魚に味噌汁に納豆、ご飯か……和食だな」

保茂「いつもはパンなんですけどね。男君が居るからこれくらいはしなきゃと思って」

男「すまんな」

保茂「謝らなくても良いですよ」

男「まあまあだな」

男(って……何様だよ俺)

男(まあ俺が作る料理に劣ることは確かだが……)

保茂「あまり料理は得意じゃないので」

男「まあ、そうだよな。俺は得意だけど……」

保茂「じゃあ今度は男君に作ってもらおうかな」

男「良いよ別に」

男「暇だし」

男(あれ? さりげなくまた会うことになってないか)

男(侮れないホモだな)

~食事後~

男「すまん、風呂入りたい」

保茂「構いませんよ」

保茂「あっちにあります」

保茂「服は俺の置いておきますんで」

男「かたじけない」

保茂「何処の武士ですか」

~シャワー中~

男(掘られた形跡はないな)

男(真面目なホモだな)

男(感心した)

男(それにしても……こいつ金持ちだな)

男(一軒家だしな)

男「ふう」

男「バスタオルは…ここか」フキフキ

男「これがホモのパンツか」

男「ボクサーパンツかよ……」

男「文句言える立場じゃないが」

保茂「あ、服どうですか? 大きくないですか?」

男「……まあ、大丈夫だな」

保茂「なら良かったです」

男「……」

男「な、なあ保茂」

保茂「何ですか?」

男「なんで出会い系なんかに登録したんだ? ホモかバイかわからないが、お前なら普通にモテるだろ」

保茂「言っておきますけど、俺ホモじゃないですよ。可愛い女の子が好きです。●●の●ちゃんみたいな」

男「お前が見かけによらず二次元好きなのを今思い出した」

保茂「まあ、そんなんだからよく引かれるんですよね。女性に」

保茂「俺から声をかけることは滅多にないんですけど、外面だけ見て寄ってくる女性が多すぎてウンザリしてました」

保茂「ちなみに出会い系サイトに登録した理由は、何となくです。そこでも色々と誘いがあったんですが……」

保茂「大半が割りきり……あ、援助交際のことです。割りきりを希望している人。それか顔だけ見て判断して俺の話を聞かない人。そんな人ばかりでした」

保茂「呆れていた時に男君を見つけました」

保茂「趣味も合いそうですし、話しかけてみました。男の人と会うのは初めてなんですけど、気兼ねなく話せるので気楽でしたね」

男「なるほど」

保茂「寂しい、っていうのも出会い系サイトに登録した理由になりますけど」

男「……」

男「ここ、一軒家だよな。本来なら親兄弟が居るが、居ない。寂しいのもわかるような気がするな」

保茂「察しが良いですね」

ピーンポーン

保茂「おや、お客さんだ」

保茂「そんな話は聞いてないけど」

保茂「はーい」

男「……」

男「ホモじゃなかったのか……」

男「安心した」

男「ソファーにでも座るか」

??「ちょっと、そこ……私の特等席なんだけど」

男「!? 何奴!!」

??「それ私の台詞なんだけど」

保茂「ごめん男君……姉が帰ってきたみたい」

男「えっ? 保茂のお姉さん?」

男(綺麗な人だな……)ムクムク

男(巨乳でグラマーでむちむちの美脚だと……? これはけしからん)

男(俺は保茂と同年齢、つまり年上だ。俺はロリ系も好きだが綺麗系も好きだ)

男(俺の息子が爆発しそうだ)

保茂「不二子っていう名前なんですよ」

不二子「何名前勝手に教えてんのよ」

不二子「……とにかく、男だっけ」

不二子「そこ退いて、寝るから」

男「は、はいっ!」

不二子「わかればいい」

男「何なんだこの人」

保茂「姉さんは漫画家で徹夜続きだったみたい」

男「こんな人が漫画家なのかよ」

保茂「ちなみにBL漫画描いてる」

男「」

男(腐女子かよ)

男「そして俺はボロアパートに帰ってきたわけだが、保茂からラインが来た」

男「不二子さんはあの家で創作活動をすることになったらしい」

男「そして俺は家にいつでも来て良いように言われた」

男「ちなみに家はそう遠くなかった」

男「そして金曜日になる」

男「俺は保茂の家へ向かった」

ピーンポーン

不二子「はーい」

男「男です、保茂に誘われました」

不二子「ああ、男君ね」

不二子「あがって」

男「おじゃまします」

不二子「お茶淹れるから待ってて。あ、あの特等席はダメだから」

男「はいはい……」

不二子「はいは一回でしょうがぁぁぁ!!」

男「!?」ビクッ

不二子「あ、ごめんごめん。いつもの癖が出てしまって」

不二子「……つか、保茂と男君はどういう関係なの」

男「……どうなんだろうな」

不二子「もしかしてホ」

男「断じて違う!」

不二子「ちっ」

不二子「ネタになると思ったのに」

男「まあ、知り合いみたいなものです」

男(俺なんかが友人を名乗るなんて申し訳ないしな)

不二子「ふーん」

男「あ、お茶いただきます」

男「ゴフッ!!」

男「まずっ!! なんだこれ……」

不二子「何よ、そこまで言わなくても良いじゃない」ムッ

男「俺が教えるよ、こう見えて料理とかは好きだし」

不二子「何かあんたムカつく」

男「もう二十代後半ですよね。お嫁に行けませんよそんなんじゃ」

不二子「うるっさいわね!! まずBL漫画描いてることにドン引きされるから料理とかは関係ないでしょ!!」

保茂「仲が良いんですね」

男「お、保茂。今帰りか」

保茂「ただいま」

不二子「そこはただいまんこでしょうが」

保茂「姉さん、そんなんだから彼氏にフラれるんですよ」

不二子「あんたもいちいちうるさいわね」

男「……はぁ」

男「とりあえず台所借りますね」

男(喧嘩してるけど結構仲良いんだな)

男(おれは一人っ子だし……ああいうの羨ましいなー)

~省略~

男「晩飯できたから座って」

保茂「これ全部、男君が作ったんですか」

男「まあな……適当に使わせてもらった」

不二子「結構やるじゃない」ヒョイ、パクッ

男「ああ! 不二子さん! つまみ食いしないでくださいよ!」

不二子「ごめんごめん、美味しそうだからつい」

保茂「じゃあ食べますか。……いただきます」

男「いただきます」

不二子「いただきマンモス」

男(つまらないな……それでも漫画家かよ……)

保茂「ごちそうさまです。凄く美味しかったです」

男「そ、そうか?」

不二子「母さんの手料理を思い出すわね……」

男「……」

男(この二人も、今はカーチャン居ないのかな)

男(触れないでおこう)

保茂「じゃ、俺は男君とゲームするから、姉さんは原稿頑張ってくださいね」

不二子「言われなくてもわかってるわよ」

すまん、飽きたから止める

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom