佐村河内「小保方、そのノート、どうしたんだ！　破かれてるじゃないか！」

小保方「守ちゃん、こ、これは何でもないの」

佐村河内「ASKA達にやられたのか！」

小保方「ちがうの…私が悪いのぐすん」

小保方「私のノートのまとめ方が下手くそだったから…」

佐村河内「そんなことない。俺は好きだよ、小保方のノート」

小保方「え？」

佐村河内「楽譜ってさ、見やすいほうが演奏者も楽なんだ」

佐村河内「小保方の見やすいノート、俺は好きだよ！！」

小保方「守ちゃん…！」

情報の時間

ゆうちゃん（フフ…！　ウイルスを流して小保方を泣かしてやる！俺は悪魔だ！）

ASKA「フゥ～見ろよ！　画面に小保方の全裸画像が出てるぜ～」

小保方「ひ、ひどい！」ガタッ

チェックメイト竹井「なんだぁ～ヤフーチャットの女神だったのかよ小保方～」

佐村河内「おい！やめろ！こんなのは合成だ！」

佐村河内「小保方はこんなことする女じゃない！」

地震「えぇ～そうかなぁ～佐村河内は小保方のビッチなとこ知らないだけだよ～」

佐村河内「なんだと！？」

地震「実はさ～こないだカラオケで」

小保方「や、やめて！」

ASKA「フゥ～いま地震ちゃんが話してんだから黙れよ～
　　　ほらお薬やるからさぁ」

ブスッ

小保方「あぁっ！」

地震「イケメン５人にまわされて、アヒアヒ喜んでたんだよぉ～ヒヒヒ」

佐村河内「な、なんだと？」

ゆうちゃん「これがその時盗撮した画像さ」

ピピッ

佐村河内「そ、そんな、小保方」

小保方「うぅ、ごめんなさい、ごめんなさい」

地震「これでも佐村河内は小保方かばうの～？」

佐村河内「俺は…」

チェックメイト竹井「チェックメイト！」

小保方「うぅ、ちがうの、信じてぇ」


佐村河内「俺は、小保方を信じる！」


地震「はぁ？　こんなに証拠があるのに何言って！」

佐村河内
「俺は、耳が聴こえない……！
　そのせいで、何度も差別を受けてきた。
　人の汚い面を何度も見てきた。今のお前たちのようにな」

佐村河内
「作曲も上手くいかず、何度も悩んだ。
　酒にも溺れた。だが、そんなどん底の時に
　俺を救ってくれたのは小保方だったんだ」

～～

小保方
「守ちゃん、こんな私でもSTAP細胞を発見できて、世界から褒められたんだよ。
　諦めずに続ければ、絶対、世間を見返すチャンスは来るよ」

～～

佐村河内「俺は耳が聴こえない。けど大事なものを見通す瞳がある！」

佐村河内「小保方はお前らの言うような酷い人間じゃない！」

小保方「守ちゃん…！」

地震「ちっ、耳が聴こえないくせにいきがってんじゃねーぞ！」

ドンッ

佐村河内「ぐわっ！」

ガシャーン！

チェックメイト竹井「やべえ！　佐村河内がガラスに突っ込んだ！」

小保方「守ちゃん、しっかりして、守ちゃん！」

佐村河内「うっ…！　あ、あれ？」

小保方「守ちゃん？」


佐村河内「耳が……聴こえる…！」

地震「くくｗｗ耳が聴こえるようになったら、お前の作曲家人生終わりだなｗｗｗ」

佐村河内「あ、い、いや、聴こえない！！なんだって！？」

小保方「守ちゃん、どっちなの！？」

佐村河内（そんな、なぜ、いまさら聴こえるように…！）

佐村河内（いやだ！　今さら全盲のモーツァルトの名を捨てたくない！）

佐村河内「いえ、聴こえません」

チェックメイト竹井「てめーどっちだコラ！　嘘ついたら小保方と同じ扱いにすんぞ！」

佐村河内「え！？　何ですか！？」

佐村河内「なんとか脳梗塞のフリをしてごまかして逃げてきたが…」

ドンッ！

佐村河内「クソ、どうすればいいんだ…耳が聴こえるようになってしまった…！」

プルルル

佐村河内「はい、佐村河内守です」

小保方「あ、守ちゃん…？　具合はどう？」

佐村河内「なんだ、小保方か。大丈夫だよ、心配かけてすまない」

小保方「ごめんね、私のせいで守ちゃんまでいじめられて…」

佐村河内「気にするな。俺は人として当然のことをしたまでだ」

小保方「それより…耳は、聴こえるようになっちゃったって、本当？」

佐村河内「……」

小保方「私には本当のことを言って、守ちゃん」

佐村河内
（小保方に本当のことを言うべきか…？
　だが、もし、この事実がバレたら俺は終わりだ。
　N○Kの取材も、収録したばかりだっていうのに！）

佐村河内「…聴こえないよ」

小保方「そっか…。元気出して。あなたには作曲の才能があるのだから」

小保方「私は大丈夫だからね。守ちゃんは、頑張って音楽のお仕事してね」

ガチャン

佐村河内「俺は…最低だ…」

プルルルッ

佐村河内「はい、佐村河内守です」

新垣「佐村河内さん、頼まれていた新曲出来ましたよ」

佐村河内「ああ…約束通り、報酬は翌週に振り込むよ」

新垣「すみません、いつも、こんな無理をさせてしまって」

佐村河内
「いいんだよ、新垣さん。
　昔、売れない作曲家だった俺のおやじの借金を肩代わりしてくれた恩が
　あるからさ」

新垣
「だが、今では私が君に寄りかかっている。
　いつまでも、こうやって君に迷惑をかけるわけには…」

佐村河内
「新垣さんは、家族がいるのでしょう？
　ここでたくさんお金を儲けておけば、お子さんも
　大学まで行けるでしょう…。
　いいんです、俺を利用して下さい」

新垣「すまない…守君…」

ガチャン

佐村河内
「今さら、この舞台を降りるわけにはいかない。
　俺は背負うべきものがあるんだ」

翌日

佐村河内「おはよう！　みんな！」

シーン

佐村河内「あれ？　どうしたんだ？　みんなシーンとして」

ASKA「テレビ見ろよ、フゥー」

小保方「守ちゃん、これ…」

佐村河内「こ、これは！」

パシャパシャ！

新垣「えー、つまりゴーストライターとして私は」

新垣「佐村河内守の曲をかかされていたのです！」

新垣「彼の全盲は、すべてウソであります」

佐村河内「な、なぜだ。新垣さん…！」

TV曲スタジオ前

佐村河内「新垣さん！　なぜあんなことを！」

新垣「やぁ、守くん。君はもう用済みということだよ」

佐村河内「なんだと！？」

新垣「実はテレビ局から、とくダネ！を暴露する代わりにたんまり金をもらってねぇ」

新垣「おまけに私はかわいそうな被害者。今じゃ仕事がバンバン入って右うちわだよ」

佐村河内「貴様！　騙したな！」

新垣「この世は食うか食われるかだよ、佐村河内君」

佐村河内「おのれ、おのれ！」

新垣「これからは辛い人生を歩むがいいさ。ハハハ！」

アク○フーズ

「今日から契約社員として働く佐村河内守くんだ」

佐村河内「よろしくお願いします…」

ゴウンゴウン

佐村河内「くそ、月給11万だと？　こんなんじゃ生活していけないじゃないか」

佐村河内「俺は…落ちぶれちまった…」

佐村河内「逃げるように東京をさり、今じゃ群馬で工員だ」

佐村河内「俺の人生は終わったな」

小保方「守ちゃん…？」

佐村河内「お、小保方！　なぜここに！」

小保方「１年前から契約社員として働いているの」

佐村河内「だけど、君は理研を退職後はアメリカの研究室に行く予定だったはずじゃ」

小保方「えへへ、ノートのことがきっかけで、ダメになっちゃったんだにゃ」

佐村河内「そうだったのか…辛いな」

小保方「私達、社会の底辺だね」

佐村河内「ああ…でも、一番下まで落ちたら楽なもんさ」

佐村河内「君がいるだけで救われるよ」

小保方「守ちゃん…！」

１年後

佐村河内「じゃあ、仕事に行ってくるよ」

小保方「うん。ほら、パパにいってらっしゃい」

赤「ばぶー」

佐村河内「ハハッ、いってくるよ」

佐村河内（作曲家としては終わったけれど、今は別の道を歩んでいる）

佐村河内（これもまたひとつの幸せなのかな。ふふ）

工場

佐村河内「なんですって！？」

幹部「だから、給与は改定だ。本日から月給５万円で働いてもらう！」

佐村河内「そんな、子供も生まれたばかりなのに…！」