ロイ「もう限界だ」リリーナ「ロイ…?」 (22)
ロイ「僕はもう限界なんだよ…何日も何日も、そんなヒラヒラした服着てさ」
リリーナ「ロ、ロイ、落ち着いて、ね?」
ロイ「落ち着けだって?悪いのは魔導士の服で誘惑する奴だろ?」
リリーナ「でも…ここ、天幕だから…」
リリーナ「初めては、その…ベッドがいいっていうか…///」ゴニョゴニョ
ロイ「…だめだ、もう我慢できない」
リリーナ「…分かった、いいよ…」
ロイ「ちょっと行ってくる」
リリーナ「えっ」
ロイ「ルゥくんに告ってくる」
リリーナ「待てや」
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ロイ「リリーナ、とめないでくれないか」クッ
リリーナ「そりゃあとめるわよ、クッじゃないわよ」
ロイ「僕は行かなきゃならないんだ」
リリーナ「行ってどうすんのよ」
ロイ「イってくる」
リリーナ「上手くないわよ、というか待って待っておかしい、根本がおかしい」
リリーナ「ロイ、あなたゲイなの?」
ロイ「その必要があるならば、いたしかたないね」ハハッ
リリーナ「なに笑ってんのよ」
ロイ「僕はオスティアで、戦場を舞う花を見た」
リリーナ「なんか始まったわ」
ーーー回想ーーー
ルゥ「あの…ベルンと戦っているリキア軍の方…ですよね? お、お願いですっ!
ぼくもいっしょに戦わせてください!!
頼りなく見えるかもしれないけど、魔法なら少し使えるんです!
ぼくもベルンからみんなを守るために、協力させて下さい、お願いします!」
マーカス「お?wwwwwwなんじゃなんじゃクソガキwwwwwwロイ様率いるリキア軍になにか用かwwwwwwん?wwwwww」
マリナス「ほっほうwwwwwwこれは良い値で売れそうなガキですなwwwwww男娼にして西方に売り飛ばしてしまいましょうぞwwwwww」
ルゥ「ふぇぇ…」ビクビク
ロイ「マーカス、マリナス、どうかしたのか?」
マーカス「はっ、ロイ様。先ほど件の盗賊の若造から魔道士を紹介されまして」
ロイ「魔道士か、心強い、是非とも仲間に加えたい」
マリナス「それが…この子どもでして」
ルゥ「うぅ…」
ロイ「おっほう」
マーカス「ロイ様、いかがなされますか?」
ロイ「えっ、夜の話かい?」
マーカス「いえ、この者の処遇でございます(夜?)」
ルゥ「ロイ様…ですよね?ぼくも一緒に連れて行って下さい!お願いします!ぼくだって、ぼくだってみんなを護れるくらい強くなりたいんです!」ガシッ
マリナス「こ、これ!ロイ様から離れんか!」
ロイ「いや、いいマリナス」
マリナス「しかし!」
ロイ「君、名前は?」
ルゥ「え…ル、ルゥといいます」
ロイ「ルゥ、か。いい名前だ」
「ルゥ、よく聞いてくれ。これから戦いは苛烈になっていくだろう。その中で、君は自分で身を護らなくちゃいけない」
「戦えると言うなら、その証拠を見せてくれないか?」
ルゥ「は、はい!頑張ります!」
ロイ「いい返事だ。さあ、行こうか」
ルゥ「はい!」
マーカス「まったく、ロイ様は」フッ
マリナス「エリウッド様そっくりじゃのう」ヤレヤレ
ロイ「行くぞ、ヘクトル様のもとへ急げ!」
ーーーーーー
ロイ「あの後しばらくレイピアが収まらなくて参ったよ」ハハハ
リリーナ「人の親が死んだところでなにしてくれてんのよ」
今日は寝ます
気の赴くままに書きます
「オスティアからナーシェン将軍を退けた後
さらなる追撃を警戒するロイたちをまるであざ笑うかのように、ベルンのリキアに対する手出しはぴたりとやんでしまった
エトルリアからの弁解要請にも沈黙をまもり続けるベルン王国
その静けさは無気味であるとしかいいようがなく、諸勢力を困惑させた
リキアの有力諸侯はフェレ侯エリウッドただ一人を残すのみとなった
エリウッドはフェレの地に各諸侯の後継者を集め今後について協議した
その結果、まずエリウッドが盟主代行となり残る兵力を集結させ、再度『リキア同盟軍』を結成
この軍は諸侯領地のへだてなく警護することをその目的とした
新しい『リキア同盟軍』の将にはベルン軍撃退の実績からロイが選ばれ、リキア地方全体はにわかに活気をとりもどし、復興への道を歩み始めた
そんなおり、エトルリア本国から新リキア同盟軍に正式な出動要請が届く
『西方三島の賊討伐の任を与える』
とするものであった
なぜわざわざ西方の島々に軍をださなくてはいけないのか
領民の内に不満の声は高かったが、いまだエトルリア王国の保護を必要とするリキアには、要請をのむ他手立てはなかった
エトルリアへの恩にむくいるという大義をかかげ、ロイ率いる『リキア同盟軍』はエトルリアを横切り、西方三島へと出向くのであった
西方三島とは エトルリア王国の保護下にある
大陸西方にうかぶ辺境の島々の総称である
豊富な地下資源にめぐまれ、その発掘が進んでいるが、富の横取りをねらう様々な「賊」が横行している
ほとんど無法に近い状態が長く続き、島の人々を苦しめ続けているのであった…」
ロイ「マーカスありがとう」
ロット「まさか里帰りすることになるなんてな」
ワード「ああ、戦いが終わってからだとばかり思ってたぜ」
シャニー「西方って何があるの?」
ワード「なんにもねえよ」
ディーク「確かエブラクム鉱山とかいうのがあったような…」
ロット「妹」
シャニー「そっか、いろいろあるんだね」
ロット「嫁」
ワード「お前ちょっと黙ってろ」
??「あら、ここにいたのね」
シャニー「ひっ」ゾクッ
??「見習い天馬騎士なんて、ロイも随分かわいらしい娘を雇ったのね…」
ディーク「…エトルリア王国魔道軍将、セシリア様とお見受けします。うちの団員に何かご用事ですかい?」
セシリア「あら、気を悪くしたのならごめんなさい。ただ、ちょっとその娘とお話がしたくてね」
シャニー「うぅ…」ビクビク
ディーク(なんだこの怯えようは…こいつ、シャニーに何かしたのか?)
ディーク(この気迫…話をしに来た人間のもんじゃねえな。どう来る、右か、左か、上か、ファイアーか、サンダーか…)ジリ…
セシリア「傭兵さん、そんな今にも斬りかかって来そうな顔しないで。本当にお話しに来ただけなんだから…ねぇ?」
ディーク「…わか、りました。本当に何もしないんですね」
セシリア「何もしない…ってことはないんだけどね」ニヤ
ディーク(こいつ、危険なニオイがしやがる…ッ!)チャキ
ロット「兄貴!剣を抜いちゃあ!」
セシリア「あら、そっちの方は頭が回るみたいね。さあ、シャニーちゃん…だったかしら?こっちにいらっしゃい」
シャニー「ぃゃ…」ビクビク
ディーク「シャニー、なんでそんなに怯えてやがる。…何をされたんだ?」
シャニー「あ、あの人昨日、廊下で…」ビクビク
シャニー「あたしのおしり…なでまわしてきて…」
ディーク「…はあ?」
ワード「くっだらねえ…」
ロット「レズかよぉ(歓喜)」
セシリア「ごめんなさいね、健康的なおしりだったから、ついペロッと…」
ロット「いいじゃないか、行ってこいよぉシャニー」
ワード「お前ちょっと黙ってろ」
シャニー「ディークさぁん…」ウルウル
ディーク「はぁ…すみませんが、他あたっていただけますか?」
セシリア「は?もしも次の逢瀬のとき、シャニーちゃんがすでにファルコンナイトに昇格していたらどう責任をとられるおつもりで?まだまだ未熟で甘酸っぱい見習い時代は今、現在しか無いんですよ?そこのところ理解してます?私は刹那を生きる人間ゆえ、今「オハナシ」できなければ意味がないのですが、よろしくて?」
ワード「やべえ…真性だ…」
ロット「諦めて行ってこいよシャニー(期待)」
ディーク「あー、はい、すみません、どうぞ連れていってください」
シャニー「ディークさーーーーん!」ガーン
セシリア「あらあらうふふ、物分りの良い人は好きですよ。ではシャニーちゃん、いきましょうか」ズルズル
シャニー「助けてー!」ズルズル
ディーク「なんだったんだいったい…はぁ」
ディーク「!」
??「…どうやら剣の腕は衰えていないらしい」
ディーク「…ルトガーおまえな、いきなり背後から切りつけてくるのやめろって言ってんだろうが!!ったく、命がいくつあっても足りやしねぇ」
ルトガー「フッ、おまえの背中に最初の傷をつけるのは俺だと決めている」
ディーク「おまえとは戦場で何度か顔を合わせたが、敵の時は当然としてこうやって味方の時まで切りかかってくるってのはどういう了見なんだ?あぁ?」
ルトガー「…どうせ相手にするならおまえ位の腕がないとつまらん」
ディーク「つまらん、で何度も命を狙われちゃワリに合わねぇぜ」
ルトガー「よく言う、俺の剣一太刀たりとあびたことなどないくせに」
ディーク「当たり前だ!簡単にくらってたまるか!」
ルトガー「…次こそ覚悟しておけ」
ディーク「チッ、食えねぇやつだ」
ワード「兄貴、大丈夫っすか!そいつめちゃくちゃ速くて…」
ロット「なんだ今度は男色か」
ディーク「まあ、無事だがよ…ってかルトガー、お前なんかやつれてないか?」
ルトガー「…もともとだ」
ディーク「いや、そうじゃなくてもっとこう…なんかあったんだろ?話してみろよ」
ルトガー「ぬ…クラリーネが…さらわれた」
ロット「クラリーネと言や、あのリグレ公爵家の…」
ディーク「…なんだって?リグレ公爵家、だと?」
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