美月「ユニット……ですか」
織姫「ええ。いっしょにユニットを組むのは、神崎の好みの子でいいわ。誰か気になる子はいるかしら?」
美月「そうですね…」
美月「ヒトケタの男の子がいいです」
織姫「好みってそういうことじゃないわ。神崎」
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織姫「それにこの学園にヒトケタの男の子はいないわ」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「いないんですか?ヒトケタの男の子」
織姫「ええ。いないわ」
美月「なんでいないんですか」
織姫「スターライト学園はアイドル養成学校だからよ」
美月「ならいるんじゃないですか」
織姫「いないわよ」
美月「なんでですか?世には男性アイドルもいますよね」
織姫「ええ。いるわね」
美月「じゃあヒトケタの男の子はこの学園にいるべきですよね?」
織姫「いないわよ」
美月「なんでですか!」
織姫「この学園、女学園よ」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「女学園だったんですか?この学園」
織姫「ええ。そうよ」
美月「男の人いますよね」
織姫「? いたかしら」
美月「ジョニー先生とか」
織姫「ああ。教職員は別よ」
美月「なんでですか?この学園男子禁制なんですよね」
織姫「入学できないだけよ」
美月「じゃあヒトケタの男の子がこの学園にいてもおかしくないですよね?」
織姫「普段はいないわよ」
美月「なんでですか!」
織姫「この学園、基本的に関係者以外立ち入り禁止よ」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「関係者以外立ち入り禁止なんですか?この学園」
織姫「ええ。そうよ」
美月「じゃあわたしが夜ふけっているといつもわたしの上や下にいるヒトケタの男の子は一体」
織姫「知りたくもないわよ」
美月「わたしは知りたいです」
織姫「ただのあなたの妄想でしょう」
美月「そうでしょうか?わたしはそうは思いません」
織姫「思い込みの産物じゃないの」
美月「でもヒトケタの男の子がこの学園の関係者でも何もおかしくはないですよね?」
織姫「おかしいわよ」
美月「なんでですか!」
織姫「関係者ってのは、主にこの学園の生徒や仕事関係で来ている人たちの事よ」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「いないんですか?仕事で来るヒトケタの男の子」
織姫「ええ。いないわよ」
美月「おかしくないですか」
織姫「そうかしら」
美月「ヒトケタの男の子でも仕事はできますよね」
織姫「ヒトケタの男の子は就業に適していないわよ」
美月「なんでですか?アイドルって仕事ですよね」
織姫「そうね」
美月「じゃあヒトケタの男の子がこの学園にライブに来てもおかしくないですよね?」
織姫「まず来ないわよ」
美月「なんでですか!」
織姫「そもそも、アイドルやってるヒトケタの男の子がほとんどいないもの」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「少ないんですか?アイドルやってるヒトケタの男の子」
織姫「ええ。少ないわよ」
美月「おかしくないですか」
織姫「そうかしら」
美月「ヒトケタの男の子ってこの世で最もかわいらしい存在ですよね」
織姫「そう思う人もいるかもしれないけど、みんながみんなそう思っているわけではないわ」
美月「なんでですか?あんなにかわいいのに」
織姫「個人の価値観はみんな違うものなのよ」
美月「じゃあ主にわたしの需要に答えるためにヒトケタの男の子もアイドルとして養成しませんか?」
織姫「やらないわよ」
美月「なんでですか!」
織姫「この学園、中高一貫校よ」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「中高一貫校だからですか?ヒトケタの男の子をアイドル養成しない理由」
織姫「小等部ないもの。それにスターライト学園は女学園よ」
美月「小等部がないなら作ればいいじゃないですか」
織姫「新設する予算がないわ」
美月「私が出します。スターライトクイーンの収入舐めてもらっちゃあ困ります」
織姫「土地もないわよ」
美月「わたしの住んでいる寮ってなんでしたっけ?名前ついてましたよね」
織姫「美月パレスね」
美月「じゃあスターライトクイーン権限で美月パレスを建て替えてヒトケタの男の子をアイドル養成する学校にしませんか?」
織姫「ダメよ」
美月「なんでですか!資金は全てわたし持ちです!お買い得じゃないですか!!」
織姫「あの寮、代々スターライトクイーンに受け継いでいくものだから」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「受け継いでいくんですか?あの趣味の悪い名前の寮」
織姫「名づけたのはあなたよ。それに誰かに受け継がれたら名前は変わるわ」
美月「受け継がれるってことはわたしあの寮から追い出されるってことですか」
織姫「ニュアンスは違うと思うけど。スターライトクイーンが交代したらね」
美月「スターライトクイーンが交代するってことはスターライトクイーンカップで私が負けるってことですよね」
織姫「そういうことね」
美月「ヒトケタの男の子がこの世に存在する限りわたしは負けません」
織姫「生涯無敗を貫けそうね」
美月「だからスターライトクイーン権限で美月パレスを建て替えてヒトケタの男の子をアイドル養成する学校にしてもいいですよね?」
織姫「ダメよ」
美月「なんでですか!」
織姫「どのみち、あなたが学園を卒業したら学園内の寮に住むわけにはいかなくなるじゃないの」
美月「えっ」
織姫「? 何か変かしら」
美月「卒業できるんですか?わたし」
織姫「ええ。何も心配は要らないわ」
美月「わたしずっとアイカツ!しかしていない気がするんですが」
織姫「あなたアイドルとしては歴代トップの成績だから問題ないわよ」
美月「義務教育まともに受けていませんよ」
織姫「実はアイカツ!と称してこっそり義務教育レベルの勉強を済まさせておいたのよ。化学実験とかあったでしょう」
美月「あれアイカツ!じゃなくて義務教育だったんですか」
織姫「義務教育どころか高校卒業レベルまで仕込んであったのだけど、美月はどの教科も最高クラスの成績だったわ」
美月「アイカツ!には手を抜きませんから」
織姫「頼もしいわ」
美月「特に化学と生物はがんばりました」
織姫「理系教科が好きなのかしら」
美月「ヒトケタの男の子のホムンクルスを作りたいだけです」
織姫「あなたの執念、畏怖に値するわ」
織姫「話を戻すけど」
美月「何の話でしたっけ」
織姫「ユニットを組む話よ」
美月「そういえばそうでした」
織姫「やってもらえるかしら?」
美月「ヒトケタの男の子となら」
織姫「この学園に所属している生徒と組んでもらいたいわね」
美月「あまり乗り気がしません」
織姫「じゃあユニット活動最初の仕事は、全国の小学校でのライブツアーにしましょうか」
美月「全力でユニットを組ませていただきます!!!!それでは!!!!」
織姫「いってらっしゃい」
美月「…安易にユニットを組むという話を受けちゃった」
美月「しかし!ヒトケタの男の子の理想郷(ユートピア)である小学校へ合法的に入れる機会よ!逃すわけにはいかないわ!!」
美月「でも誰と組んだらいいのかわからないわね…」
美月「張り紙でも貼って募集してみようかしら」
美月「わたしが求める人材…」
キャーキャーワーワー
いちご「なんだか騒がしいね。何かあったの?」
あおい「なんと!なんとなんと!!あの美月さんがユニットを組むんだって!!」
いちご「ええっ!?すごい!」
あおい「それでユニットメンバー募集のポスターがあそこに張ってあるのよ!!」
いちご「それじゃ、わたしたちでも美月さんとユニット組めるのかな」
蘭「可能性はあるな。だが、美月さんのことだ。アイドルとしてかなりのレベルが要求されるだろうな」
あおい「とにかくポスターを見てみましょう!」
ザワザワ ザワザワ
美月「…………」
美月「誰も来ないわね…」
美月「面接場所を中庭に指定したのがいけなかったのかしら」
美月「それとも野次馬に囲まれている状況に臆して出てこれないのかしら。あ~~んっ いじらしいわねっ!でもかわいいっ!」
いちご「誰も行かないね」
蘭「そりゃあ男子がそもそもいるはずないんだしなあ…」
あおい「待って!誰か一人出てきたわ!」
蘭「あれは…」
いちご「学園長!?」
あおい「まさか美月さんとユニット組んでアイカツ!復帰!?」
いちご「学園長って男の人だったの!?」
蘭「そんなわけないだろ!」
織姫「神崎」
美月「学園長!面接に来てくれたんですか!いやー、ちっとも誰も来てくれなくてこの学園にヒトケタの男の子っていないんじゃないかと心配してたところなんですよ。あ、でも学園長はヒトケタの男の子じゃないですね…」
織姫「この学園にヒトケタの男の子はいないわ」
美月「えっ」
>>14と>>15の間抜けてた
いちご「えーっと、『求ムッ!!ヒトケタの男の子ッ!!』って書いてあるんだけど」
蘭「…これ本当に美月さんが書いたのか?」
あおい「右下に手形が押してあるから間違いないわ。指紋も筆跡も鑑定済みよ」
蘭「…ヒトケタの意味はわからんが、女である私たちに応募資格はないらしい」
いちご「え~っ、残念…」
蘭「というかこの学園、男子生徒いないよなあ…」
あおい「面接場所が書いてあるわね。せっかくだから野次馬しにいこっか!」
織姫「あなた、ポスターになんて書いたかしら」
美月「『求ムッ!!ヒトケタの男の子ッ!!』って……ハッ」
織姫「気づいたかしら」
美月「漢字で書いたから読めなかったのね!」
織姫「違うわ神崎。そもそもこの学園の生徒にヒトケタの男の子はいないわ」
美月「そういえばそんな話していましたね」
織姫「思い出してくれて何よりだわ。どうしてあんなこと書いたのかしら?」
美月「たまっててつい」
織姫「なにがたまっていたのかは聞かないわ」
美月「でも、可能性があるなら、たとえそれが0.001%だったとしても可能性があるなら!わたしはそれに賭けます」
織姫「赤と黒しかないのに白に賭ける人はいないわよ」
織姫「とにかく、この学園内の女生徒の中からユニットメンバーを決めて頂戴」
美月「仕方ないから『わたしと小学校へ百度参りしたい人!この指とーまれっ!』って文言に変えて再掲示したわ」
美月「…なのに学園長によって『小学校へ百度参りしたい人』に巨大な×印をつけられて、代わりに『ユニット組みたい人』って文言を書き加えられたわ」
美月「小学校へ行くことがメインであって、ユニットを組むことはおまけのはずよね?」
美月「あの文言だとわたしとユニットを組むことがメインになっているわけよね」
美月「…………」
月影「はーい、順番に整列してくださーい」
美月「なにこれ」
美月「学園の生徒ほとんど全員いるんじゃあないかしら」
美月「年下どころか年上、宇宙人…果ては周辺の森の野生生物まで」
美月「…みんなそんなにわたしとユニット組みたいのかしら」
美月「…………」
美月「全員と面接するのは時間がかかりすぎるわね。ふるいにかけましょう」
美月「あんな大勢の人たちに指をつかまれたらひとたまりもないし」
美月「というわけでアスレチック風試練をやらせているのだけれど」
美月「…………」
美月「ほとんど脱落しないわ。野生生物ぐらいじゃないの」
美月「鈴川ァッ!もっと気合入れなさいッ!!」
織姫「なんでほとんど脱落しないか教えてあげましょうか?」
美月「学園長!」
織姫「神崎、もしあなたがあれをやるとして、アスレチックを突破した景品がヒトケタの男の子だったらどうかしら」
美月「ワールドレコードで砂漠が森になりますね」
織姫「そういうことよ」
美月「えっ」
美月「えっ」
美月「まだ悲観する必要はないわ美月。ただ私とヒトケタの男の子を語り合いたい同好の士もいるはずよ。全力で見極めなくっちゃ」
美月「結局ほとんど全員アスレチックを突破したから、その直後のライブで特に盛り上がった数人と面接することにしたわ」
美月「でも今のライブってお互いに思い思いの相手と組んでライブしていたのよね…」
美月「もうその組み合わせでユニット組めばいいんじゃないかしら」
美月「そういえば見慣れない子がいるわね」
かえで「わたしのことかな?」
美月「ええ。そうよ」
かえで「わたしは一ノ瀬かえで!たった今StarLight学園に編入したところなんだ!よろしく!」
美月「よろしくね」
かえで「ところで美月、ちょっとおなか減ってない?」
美月「そうね。少し減ったかもしれないわね」
かえで「そうだろうと思ってお寿司握ってきたんだ!よかったら食べて!」
美月「私が好きなのはアボガド寿司よ」
かえで「はいどうぞ!」
美月「えっ」
美月「でも今はハンバーグ寿司か食べたい気分だわ」
かえで「はいどうぞ!」
美月「えっ」
美月「…………」
美月「ありがとう」 ぱくっ
かえで「美月が喜んでくれたみたいで、わたしもうれしいよ!」
美月「でもってお寿司を食べた後のスイートはチョコレートケーキよね」
かえで「はいどうぞ!」
美月「えっ」
美月「…………」
美月「ありがとう」 ぱくっ
美月「第一回!ドキドキ!美月の圧迫面接会始まります。フフッヒ。どうぞー」
いちご「一番!星宮いちご!行きます!」
美月「はいいらっしゃい」
美月「では星宮いちご、あなたの好みはなんですか?」
いちご「(好み?好きな食べ物のことかな?)」
いちご「ナンも好きですけど、一番好きなのはのり弁です!」
美月「そうですか。のり弁…では、面接の結果を発表します」
いちご「えっ?もう??」
美月「ダララララララー…」
いちご「ゴ ク リ」
美月「残念!不合格です」
いちご「そんなあ!」
美月「ちなみにわたしはうな重が好きよ」
いちご「ごめんなさい、わたしのうちではうな重置いてないんです」
美月「わたしが次買いに行ったときに置いてあるのを期待しているわ」
いちご「次…?もしかして美月さん、わたしのうちのお弁当屋さん来たことあるんですか?」
美月「ええ。249回ぐらい行ったわ。2年前までね」
いちご「わあ!そんなに!お得意さんだったんですね!」
美月「そのうちお弁当を買ったのは74回ほどだったわね」
いちご「え?残りの175回は一体」
美月「…次の機会を楽しみにしておくわね」
いちご「はい!」
あおい「二番!霧矢あおい!美月さんのスカートの中に突撃します!うおおおおお!」
美月「おっと」ヒョイッ
あおい「さすがは美月さん!華麗な身のこなしでわたしの奥義をかわしつつマウントポジションを取るとは」
美月「あなたがヒトケタの男の子だったら勝敗はわからなかったわ」
美月「では、面接を始めます」
あおい「このポジション…見下すかのような目線…くぅぅぅぅっ!たぎりますッ!!」
美月「あなたの好みは――」
あおい「いちごですッ!!!!」
美月「…不合格よ」
あおい「ッシャオラッ!!」
美月「…………」
美月「落としておいてなんだけど、喜ばれるのも複雑ね。何で面接受けに来たのかしら?」
あおい「いちごが美月さんとユニット組みたいって言ったので」
美月「ほうほうそれで?」
あおい「いちごの上下前後左右あおいありなので」
美月「ふんふん。つまり霧矢は星宮と運命共同体なわけね」
あおい「はい!揺りかごから来世まで!それがわたしのモットーです」
あおい「つまりいちごが面接落ちた時点で、わたしが美月さんとユニットを組もうとする意味はなくなりました」
あおい「あ、でも美月さんのパンツの中身は見たいです」
美月「あなたがヒトケタの男の子だったら見せないこともなくもなかったわね」
美月「ところでそのカメラに入っている写真はなんなのかしら」
あおい「アイドルたちのパンチラショットです!美月さんの考えたアスレチックのおかげで捗りまくりでした。特に巨大扇風機とか」
あおい「ちなみに八割がたいちごのいちごパンツです」
美月「そう」
美月「霧矢」
あおい「はい!」
美月「あなたとわたし…目指すものは違えど、根底にある志は同じもののようね」
あおい「どういうことですか?」
美月「海底を突き抜けマントルをぶち壊すその深き愛…」
美月「あなたとわたしは血ではなく魂でつながった姉妹よッ!!」
あおい「姉妹…!」
美月「がんばってね」
あおい「はい!ありがとうございました!」
美月「…………」
美月「ヒトケタの男の子のパンチラ…いいえこの際シリチラよ…魅力的じゃないの。想像しただけであふれるわ。あふれるわ」
蘭「三番!紫吹蘭!行きます!」
美月「ねえそれはやってるの?」
蘭「えっ もしかして言わなくてもいいんですか?」
美月「うん」
蘭「そんな…わたしの努力は一体なんのために…」
美月「紫吹蘭。あなたに質問です」
蘭「はい!」
美月「あなたの好みは?」
蘭「(好み?衣装の事でいいんだろうか)」
蘭「そうですね。美月さんと同じく、セクシー系の衣装が好みです」
美月「不合格よッッ!!」
蘭「え!?いきなり!?」
美月「あなたはふんどしでもはいてなさいッ!」
蘭「ふ、ふんどし!?」
美月「次ッ!」
おとめ「四番!おとめ!いっちゃいまーす!」
美月「さあそこですかさず決めゼリフをッ!」
おとめ「らぶゆ~」
美月「…………」
美月「(らぶゆー→Love You→あなたを愛しています→ハッスルハッスル!…)」
美月「不合格よ」
おとめ「ええ~っ!そんなあ~…」
美月「あなたはいい物を持っていると思ったのだけれど…残念だわ」
おとめ「らぶゆーの一言で全てを悟る美月たん…さすがなのです!おとめも負けていられません!」
美月「そうだ有栖川、今度あなたのおうちでライブしたいのだけどいいかしら」
おとめ「わあ!美月たんがおとめのおうちに来てくれるんですかぁあ~!大歓迎なのですぅ!きっと幼稚園のみんなも歓喜の雄叫びをあげるのです!」
美月「それはとっても光栄ね!ふれあい会も開いちゃうわッ!サイン会も!」
おとめ「きゃああああ~!すっごくらぶゆーなのです!おとめたち、すっごく楽しみにして待ってるのです!それでは!」
美月「ええ、全力を出させてもらうわ」
美月「…………」
美月「一度すれ違ったときから感づいていたわ、有栖川おとめ」
美月「あなたから濃厚なヒトケタの男の子のフレグランスがするんだもの。すれ違うたびあふれるわ。あふれるわ」
さくら「五番!北大路さくらぁ~っ!いざ、出陣のぉぉぉときぃぃぃ~っ!!」 ベベン
美月「さくら、現状あなたが一番面白いわね」
さくら「お褒めに預かり光栄ですわ、美月様」
美月「ちなみに一番愉快だったのは霧矢よ」
さくら「わたくしには言葉の違いがわかりませぬ、美月様。やはり美月様はわたくしなど到底足元にも及ばぬ存在なのですね…」
美月「そう自分を卑下するもんじゃないわさくら。あなたわたしの√二乗面白いから」
さくら「すみません美月様」
美月「では、面接を始めます」
さくら「はい」
美月「質問はたった一つ。たった一つだけ。とってもシンプルな質問です」
さくら「はい」
美月「この質問の受け応えが合格を左右するといっても過言ではありません」
さくら「質問がひとつでは過言も何もないのではないのでしょうか美月様」
美月「そこッ!口を慎むッ!」
さくら「はいっ すみません!」
美月「…コホン ンー ンッ ゴホッゴホッ」
さくら「ゴ ク リ ン チ ョ」
美月「好みは?」
さくら「(このみ………木の実ですね!)」
さくら「あいにく切らしておりまして…ただいま献上する分がございません。申し訳ございません美月様」 ぺこぺこり~ん
美月「やっぱあなたわたしの二乗の√の半分の倍ぐらい面白いわ」
さくら「では…それでは!」
美月「いよっ!不 合 格なりィ~!」
さくら「あ ぁ ~ 美 月 様 ぁ 、 な ん て 無 情 な ぁ ~ っ !」
美月「でもさくらはわたしの円周率分のπぐらい面白いから、敗者復活戦争枠に入れようと思うの」
さくら「敗者復活戦争枠…なにを持って勝敗を決するのでしょうか」
美月「そうね…盆踊りね」
さくら「かしこまりました美月様!不肖、この北おお~路さくらぁ~っ 次こそ美月様の心を射止めるべくぅぅぅ~~ 精進いたすしだいでぇぇ~ ありますぅぅぅぅ~」 カン カン カンカンカンカカカカカカカカカカーン カン
美月「やっぱあなたはわたしを気体にして液体にして固体にしたぐらい面白いわ」 パチパチパチ
美月「次は…同級生's…どぞー」
美月「好みは――」
同級生1「美月!」
美月「不合格!」
同級生2「美月ちゃんっ!!」
美月「お帰りはあちらよっ!!」
同級生3「美月様ッッ!!!」
美月「異教徒は全力全壊排除するわッッ!!!」
美月「くっ…同級生's…私を知り尽くしているだけあって強敵だわ…このわたしがここまで精神を磨耗させられるとは」
同級生's「ふっふふふふふ」
美月「というか三人がかりで面接来るとか卑怯じゃないの」
同級生1「美月とユニットを組むためなら手段を選ばないからわたしたち」
美月「思い出すわね、かつてユニットを組んだときの事を……」
美月「あのときのわたしはあなたたちの『弟をいいなずけにする』という甘言に惑わされてホイホイユニットを組んでしまった…」
美月「しかし今あなたたちの弟は全員フタケタだわッ!!もはや今の神崎美月はあなたたちに対して無敵要塞と化しているッ!」
同級生2「――わたしたちの手札にはまだカードが残っているとしたら?」
美月「!!??」
同級生1「――二人目の『弟』」
美月「なん……ですって!?」
同級生2「――『甥』」
美月「くっ…ぐぅぅぅぅっ!!」
同級生3「――わたしたちの『息子』ッ!!!」
美月「がっばあああああーーーーっっっ!?!?」
同級生3「見たかこの三連コンボォッ!!さすがの美月とて、この布陣には耐えられまい!」
美月「…代償はあなたたちと『ユニットを組む』、それでいいのね?」
同級生1「ああ!」
同級生2「ええ!」
同級生3「おお!」
美月「契約の儀式を執り行うわッ!引換券――贄――『ヒトケタの男の子』をこちらに」
同級生's「えっ」
美月「えっ」
美月「なんでそんな素っ頓狂な声上げるのよ」
同級生1「だってほら、仕込み途中だし?」
同級生2「そうよそうよ!」
同級生3「もう数年ほど待ってほしいかなーって」
美月「 神 崎 美 月 拳 ッ ッ ッ ! ! ! ! 」 ドッゴオオオ
美月「ラス一ー」
かえで「九番!かえでだよっ!」
美月「はい質問いきマース」
かえで「どんな質問もPerfectに答えるよっ!期待しててね美月!」
美月「かえで一ノ瀬ェェェ あなたの好みを答えてくだサーイ」
かえで「ヒトケタ、だよっ」
美月「…………」
かえで「ゴ ク リ ン チ ョ ッ プ」
美月「クロスカウンタァーッ!」
かえで「アウチッ!美月の愛、伝わってくるね!」
美月「合格」
かえで「Yahooooooo!!!組めるの!?わたし美月とユニット組めるの!?」
美月「ええそうよ。これから共にヒトケタの男の子を語り、めで、愛しましょう!楽しみね!」
かえで「美月といっしょにアイカツ!できるんだあ!二人そろえばいろいろ捗りまくりだねっ!」
美月「ええ。捗りまくりよもう。というわけではやくAmericanなヒトケタの男の子の写真をシェアしてほしいのだけど」
かえで「はいどうぞ!」
美月「ホントあなた準備がいいわね…ギブアンドテイクよッ!受け取りなさいッ!」
かえで「Waoっ!?これは日本の伝統的な衣装である『Yukata』に身を包んだヒトケタの姿じゃないか!しかもこのはだけっぷりっ!舐めたい!」
美月「わかるわ。そして、あなたに告げるべき言葉は一つね」
美月「『アメリカよ、これがヒトケタの男の子だ』」
かえで「ところでこの写真どこで撮影したんだい?」
美月「有栖川の実家の幼稚園よ。今度ライブすることになったから、せっかくだしユニットでいきましょうか」
かえで「Excellentッ!幼稚園ライブッ!!みなぎってきたねェェェ~!!ヒトケタ消失イリュージョンやっていい?」
美月「ダメよ」
かえで「意外と冷静だね美月」
美月「パンツ消失イリュージョンぐらいなら構わないわ」
かえで「そうこなくっちゃ!」
美月「ヒトケタの男の子消失事件簿もいいわよ」
かえで「Ah、それは練習しないと難しいなあ」
美月「じゃあいますぐ練習を始めるわ!それとこれからはあの美月ナントカで共同性活ッ!引越しの準備は済ませてきた?おかずをわたしに荒らされる準備はOK?」
かえで「完璧!バッチリだよっ!今日日本に来たばかりで住むとこも決まっていなかったからね!」
美月「グッド!あなたホント準備がいいわ!今夜のおかずが楽しみね!行くわよッ!」
かえで「Lady,Go!」
かえで「…………」
かえで「(最近のわたしの夜の寿司ネタはもっぱら幼女美月だってことは隠しておかないとねっ!)」
美月「というわけでかえで一ノ瀬とユニットを組むことにしました」
織姫「無事に決まってほっとしたわ。ユニット名は決めたのかしら」
美月「トライスターです」
織姫「何か由来はあるのかしら」
美月「ほら、かえで一ノ瀬はアメリカから来たじゃないですか」
織姫「そうね」
美月「つまり渡来人じゃないですか」
織姫「普通に帰国子女でいいじゃないの」
美月「渡来人と、月というわたしたち人類にとって1,2を争うほど身近な星の組み合わせ…そこからトライスターという名前を思いついたんです」
織姫「あなたはともかく、かえではそんな扱いで怒らないのかしら」
美月「ヒトケタの男の子をけしかければどうとでもなります」
織姫「独断で名前付けたのね…」
美月「まずヒトケタの男の子を見てわたしがいろいろあふれます。あふれます。そこから6A始動コンボです」
織姫「けしかけるって賄賂の事だと思ったわ。それに当たる保障はあるのかしら」
美月「6Aは発生0F全画面ガー不なので何の心配もありません。しかもあふれた時点でゲージは常時MAX状態に移行します」
織姫「ただのチートじゃないの」
美月「スターライトクイーンですから」
織姫「関係あるのかしら」
美月「とにかく!早いとこ小学校ツアーの計画早いとこ立てちゃってください!全国のヒトケタの男の子がわたしを思ってふけってるんです!」
織姫「神崎、思ったのだけれど」
美月「はい」
織姫「『天を駆け巡り、地上を平伏させる力と知恵と勇気の三極星』のほうが由来としては威厳があるんじゃないかしら」
美月「知りません」
織姫「この場合、トライは3という意味になるわね。というわけで神崎、三人目も決めて頂戴。決まるまで小学校ツアーはお預けよ」
美月「えっ」
アニメで初等部あるんだよな
>>32
mjd?やっちゃたか
美月「なんということかしら」
美月「最近、学園長のいいようにされている気がするわ」
美月「でも小学校という地上の楽園を手中におさめるためだわッ!がんばらなくっちゃ」
かえで「私も手伝うよ!この世のどんな貴重なお宝より価値あるもんね!」
さくら「美月様ぁ!」
美月「あらさくら、いらっしゃい」
さくら「ユニットメンバー再募集と聞いてぇぇ~、参上つかまつったしだいでェェー ございまするぅぅぅ!」
美月「そうね。あなたは敗者復活戦争枠に入った唯一の人物だものね」
かえで「Wao!Sakuraは美月の敗者復活戦争枠に入ったんだ!すごいね!」
さくら「そんなことありませんわかえで様!わたくしなどでは美月様のお目にかなう事なく、情けで敗者復活戦争枠に入れていただいただけのことですわ」
美月「自分を卑下する必要はないわさくら。あなた平行世界のわたしぐらい面白いんだもの。このスターライトクイーンが連帯保証人になるわよ」
さくら「すみません美月様」
美月「で、敗者復活戦争なんだけど」
さくら「はい」
美月「戦争っていうぐらいだし団体競技にしようと思っていたのよ。ド派手にやりたいわ」
さくら「しかし敗者復活戦争枠に入れたのはわたくし一人…一体どうすればいいのでしょうか」
美月「三人チームで競ってもらうつもりだったから…そうね。まず三人でのユニットを組んで来なさい!」
さくら「かしこまりました美月様!早速探してまいります!ドロン!」
かえで「Hoo!生Ninjutu!」
美月「いってらっしゃい」
美月「…………」
美月「私とユニットを組むために別の誰かとユニットを組むって本末転倒じゃないかしら」
かえで「ねえ何で二人とも対戦相手がいないことに気が付かないんだい?」
かえで「というかさくらをそのままユニットメンバーに加えるわけにはいかないの?敗者復活戦争枠に入れたんだし」
美月「敗者復活戦争はただ勝ち残ればいいというわけではないわ。合格に至るに足りなかった要素を追求、見つけ、身につける…それが敗者復活戦争の本質よ」
美月「さくらに足りなかったものを見つけてもらうためにも、開催しなくてはならないの」
美月「それに盆踊りの時期はもう少しあとでしょう?」
かえで「? 盆踊り?」
美月「村にわいたゴーストたちにお帰り願うための儀式魔法よ」
かえで「なんだか妙に西洋的だね!で、その盆踊りが敗者復活戦争と何の関係があるんだい?」
美月「盆踊りステップでよりたくさんのゴーストに『そうだ、ヒトケタの男の子に転生しよう』と思わせたチームの勝ちだから、盆踊り……ようはゴーストがウジュルウジュル湧き出してくる時期じゃないとできないのよ」
かえで「なんていうか、わたしたち得だね!」
美月「そう。さくらは足りないものを身につけることができるし、世界にヒトケタの男の子が増加し、世界平和が訪れる……一石二鳥どころの話じゃないわ」
かえで「Wonderful!でも盆踊りの季節までさくらを我慢させるのはちょっとかわいそうなんじゃない?」
美月「…さくらなら大丈夫よ。わたしの等身大フィギュアぐらい面白いから。その時期が来るまでビンビンで構えをとっているはずだわ」
かえで「(幼女美月の等身大フィギュアならもう作ったなあ…そろそろマイクロビキニの幼女美月フィギュアもほしいね)」
かえで「Wao!スターライト学園の地下にこんなたくさんの施設があったなんて…Surprised!」
美月「ここにはドリンクバー、闘技場、親子どんぶり修練場…多岐にわたる施設が設置されているわ」
かえで「なんであるのかわからないのばっかだ!それで、なんでここに来たの?」
美月「あのアスレチック…この学園で唯一参加しなかった生徒がいるんだけど、この地下を根城にしているのよ」
かえで「うんうんそれで?」
美月「よく考えたらその子って『ヒトケタの男の子を愛でる党』の創設メンバーなのよね」
かえで「ふうん。他のメンバーは?」
美月「わたし」
かえで「うん。そうだろうけど。他には?」
美月「以上よ!」
かえで「二人だけなんだ!ずいぶんと少数精鋭なんだね!」
美月「政治理念は『ヒトケタの男の子を愛し、力に変えよう』よ」
かえで「いつもの美月だね!」
美月「一議席は確保できたんだけれど。もう一議席ほしいわね」
かえで「政界進出も果たしていたなんて……!!美月ってホントに中学生?」
美月「わたしはヒトケタの男の子のためなら、カブトムシの王にだってなるわ」
かえで「ひょっとして、その例の創設メンバーをユニットに誘おうと?」
美月「そういうことよ。わたしが求める人材は『ヒトケタの男の子』、『ヒトケタの男の子を愛するもの』、『自由の美月像ぐらい面白いもの』、その三者よ」
美月「少なくとも彼女は『ヒトケタの男の子を愛するもの』であることは間違いないわ」
かえで「まあそうだろうね」
美月「で、ここがドリンクバーよ。ガチャリンコ」
かえで「西部劇でよく見る酒場みたいだ!Hey!道場破りだよ!ドバーン」
美月「マスター。いつもの」
ヒカリ「はいよ」 パサリ
かえで「まさか飲み物じゃなくてヒトケタの写真が出てくるだなんて!」
美月「そう。『いつもの』と言っただけでヒトケタの男の子の写真を差し出してくれる彼女…三ノ輪ヒカリはわたしのよき理解者よ」
ヒカリ「どうも」 ビッカアアアアーッ
かえで「Uwaっ!まぶしい!」
美月「まぶしい!」
ヒカリ「おっとすまない、自家発電が過ぎたようだ」 ビッカアアアアーッ
美月「今日ここに来たのはほかでもない……あなたをわたしたちのユニットに誘いに来たのよ」
ヒカリ「だろうと思ったよ」
美月「組んでくれないかしら? ユニットを」
ヒカリ「悪いけど、わたしは美月のユニットに参加することはできない」
美月「なぜ!?わたしと共に来れば、ヒトケタの男の子との輝かしい将来設計図が待っているのよ?それをイントゥザダストボックスるというの!?」
ヒカリ「美月。わたしはあんたと一緒に行けない。行けないんだ。なぜなら…」
ヒカリ「わたしは気づいてしまったんだ。『二次元』のヒトケタの男の子の素晴らしさに」
美月「なん…ですって……!?」
ヒカリ「美月…アンタは『三次元』のヒトケタの男の子原理主義者だったよね」
美月「…ええ。そうよ。こればっかりは、ヒトケタの男の子が滅んでも変わらない、不滅の歌よ」
ヒカリ「だろうね。美月なら…だがわたしは変わってしまったんだ」
ヒカリ「美月は知っているでしょ?わたしが地下に身を潜めるようになった理由」
美月「…あえてヒトケタの男の子を断絶することにより、ヒトケタの男の子への愛をより強固なものにするため、だったわね」
かえで「さっき写真差し出してたような」
ヒカリ「……見ないように頑張って目をつぶっていたさ。ぎゅっと。こんな注文をするのは美月だけだよ」
美月「わたしからの試練ということよ」
ヒカリ「話を続けよう。ヒトケタの男の子を断絶すること。しかしその裏には、隠された真の目的があった」
かえで「真の目的?」
ヒカリ「その真の目的というのは……『ヒトケタの男の子を断絶することによりわたしの想像力を高め、妄想のヒトケタの男の子を具現化すること』…だったんだ」
ヒカリ「寝食いたす行為を共に過ごし、共有し、常にわたしの側につき、励まし、慰めてくれる……そんなヒトケタの男の子がほしい、そう思ったのがきっかけだった」
美月「そうよね。いたす時以外もヒトケタの男の子にいてほしいわよね」
ヒカリ「えっ」
かえで「えっ」
美月「えっ」
ヒカリ「……まあいいや。続けるよ」
ヒカリ「ヒトケタの男の子の断絶から来る禁断症状。それはわたしの想像をはるかに凌駕するものだった」
ヒカリ「地下にこもり始めて一週間たったころか。最初は少し落ち着きがなくなることから始まった」
ヒカリ「それからというもの…液漏れ、漏電、唾液の増加、異常な数値検出、ペプチド結合、振り切ったメーター、接触不良、大マゼラン星雲、液状化現象、リアス式海岸、ルミノール反応、ンゴボンゴボ、倦怠感、etc……」
ヒカリ「そういった異常事態が、わたしの体をゆっくり、ゆっくり、着実に蝕んでいったんだ]
かえで「どういった症状なのかほとんど見当もつかないあたり、たしかに想像を凌駕してるね!」
美月「ヒカリはよく耐えたほうよ。わたしだったら27時間56分43秒11でンボゴンゴボだわ」
ヒカリ「なにがあってもアイカツ!と妄想は笑顔で続けたけどね。そして妄想のヒトケタの男の子の肖像画を描いていたある日……」
ヒカリ「ふと思ってしまったんだ。『二次元』のヒトケタの男の子を見るのは問題ないんじゃないか、って」
ヒカリ「むしろより良質なヒトケタの男の子を生み出すいい参考になるのでは?……そんな愚かしい考えすら持ってしまったんだ」
美月「…この地下施設群を一人で掘り上げたヒカリほどの猛者がそこまで追い詰められるだなんて…」
かえで「『ヒトケタの男の子を愛でる党』の創設メンバーってスケールが違うね!」
ヒカリ「掘ったついでに出てきた黄金でできたアイカツ!システムとアイカツ!カードの化石は党の活動資金に当てたよ」
ヒカリ「出口も明かりもない暗闇の迷路で、脱出口につながる一筋の光を見た気分だったよ。まさに抜け道を見つけたぞ!ってね」
ヒカリ「そして……ネットで検索してしまったんだ。『二次元』のヒトケタの男の子を」
ヒカリ「そこから堕落していくのはすぐだった。ヒトケタの男の子を何よりも渇望していたからね」
ヒカリ「まるでスポンジが水を吸うかのように、『二次元』のヒトケタの男の子を理解していったんだ」
ヒカリ「次の日のことだ。いつものように妄想のヒトケタの男の子を具現化しようと試みる。そして現れたのは――『二次元』のヒトケタの男の子だった」
ヒカリ「気がついたよ。『二次元』のヒトケタの男の子という水を吸いすぎたわたしは、おぼれて水底へと沈んでいったんだ。そしてもう――二度と戻れなくなってしまったんだ」
ヒカリ「水底に沈んだ結果……『三次元』という空気ではなく、『二次元』という水で呼吸するようになったのが今のわたしだ」
ヒカリ「このことに対して後悔はないんだ。新しい世界を知ることができたから。でも――結果的に美月を裏切ることになった。そういう意味では酷く後悔している」
ヒカリ「責めるがいいさ。罵るがいいさ。不甲斐ないこのわたしを。信念を貫けなかったわたしには、美月の隣に立つ資格などないんだ」
美月「…誰があなたを罵ることができるというのかしら」
ヒカリ「美月……」
美月「ヒカリ、あなたはおぼれてなんかいないわ。あなたはただわたしたちとは漂う空気が違う道に入っただけの事じゃないの。それに結局空気だろうと水だろうと、『ヒトケタの男の子』という酸素がなければ呼吸ができないわ」
美月「わたしたちが目指す終着駅……ヒトケタの男の子をただ愛する――それはなにも変わっていないじゃない」
ヒカリ「そう、かな」
美月「ええそうよ。確かにわたしは『三次元』のヒトケタの男の子原理主義者よ。だからといって『二次元』のヒトケタの男の子を愛することにしたあなたの愛を否定する権利などない」
美月「たとえ次元が違えど、あなたが『ヒトケタの男の子を愛するもの』であること……わたしたちの同士であることに変わりはないわ」
かえで「そうだよ!例え一次元だろーと四次元だろーとヒトケタは人の心を捉えて放さない存在のはずだって!」
ヒカリ「そう言ってもらえると……ああ、心が救われたようだ」
美月「でも、そうね。あなたがわたしの隣に立つことができないというのなら……無理強いはしないわ」
ヒカリ「ああ、すまない二人とも。わたし以上にふさわしいユニットメンバーはきっと見つかるさ」
ヒカリ「代わりといっちゃあなんだけど、太陽神になる権利を貸して上げるよ」
美月「…ありがとう。素直に受け取っておくわ」
ヒカリ「トイチね」
美月「レンタル料取る気なの!?」
かえで「なんなんだい?太陽神になる権利って」
ヒカリ「太陽神にもなれずに『地下の太陽』なんて呼ばれるわけがないだろう?」
かえで「そういうもんかなあ」
美月「ヒトケタでない者がヒトケタの男の子ではないのと同じことよ」
かえで「なるほど!」
美月「…そこを行くのはアスレチックにおける数少ない脱落者、藤堂ユリカ」
かえで「Hello!」
ユリカ「こんにちは」
美月「藤堂、あなたは脱落したことを誇りに思うべきだわ」
ユリカ「…どういう事でしょうか」
美月「あのアスレチックで脱落したのあなたと野生生物ぐらいだもの。ホントレアキャラ」
ユリカ「不名誉じゃないですかそれ!」
美月「藤堂が脱落したのは巨大扇風機だったわね。あれ霧矢が絶賛してくれたわ」
ユリカ「はあ」
かえで「何で飛ばされちゃったの??」
ユリカ「…この傘よ」
かえで「傘?」
ユリカ「そう。この世でこのユリカ様が最も敬愛する傘よ。いつだってわたしを慰めてくれるの。その傘が飛ばされそうになったのよ。絶対手放すわけにはいかないわ」
かえで「Oh!いたしてたら飛ばされたって言うのかい?なかなか業が深いね!」
ユリカ「? いたす?」
美月「まあそれは置いといて」
ユリカ「はあ」
美月「実はいま私は太陽神と化しているのよ。灼熱の炎に焼かれて消失するといいわ!」
ユリカ「きゃー!やられたー!」バタン
かえで「まさかヒカリにもらった能力が生きてくるなんて」
美月「…………」
美月「正直な話、わたし、太陽神ってそんなに強くないと思うのよ」
ユリカ・かえで「「!?」」
美月「どうせなら絶望邪王混沌破滅煉獄太陽神ぐらいのほうがいいと思わない?」
ユリカ「くっ くくくくく」
美月「?」
ユリカ「まさか…このユリカ様が…たったあれだけの攻撃で…浄化されるとでも思ったのかしら?」
美月「たっ…立ち上がった、ですって!?」
ユリカ「貧弱…実に貧弱よッ!道端に転がった小石のほうがまだ驚異的ねッ!」
美月「出力二倍よッ!」
ユリカ「効かんと言っとるでしょーーがァーーーッ!!貴様はこのユリカ様の永遠の下僕と成り果てる運命なのドゥアーーッ!」
美月「こっ…これほどのダークマターをっ!?なんという強大な闇ッ!!」
ユリカ「恐怖するがいいわぁ!絶望の悲鳴を上げるがいいわぁ!それら全てがッ!このユリカ様の血肉となりッ!悦びの感情を生み出すのよっ!!」
美月「…ここで負けてなるものですか!わたしは――わたし自身をランクアップさせるっ!」
ユリカ「なっ!?かの神話に登場する神技を――あなたは会得しているというの!?」
美月「ええそうよ!あなたを倒すのに出し惜しみなんてしていられないようだしねっ!はあああああっ!!」
ユリカ「こっ…この姿はッ!まさか銀河を統べるスターライトクイーン…いえっ!それを超える存在になったとでもいうのッ!?」
美月「そう――さしずめ、『ハイパー神崎アルティメット美月』とでも呼んでもらおうかしら。これで終わりよッ!」
ユリカ「きゃああああーーーっ!」
美月「…藤堂ユリカ。あなたもまた、あの天空に浮かぶ美しき月に惑わされた偶像神の一人だったのね…」
ユリカ「ぐっ…!クウゥ!」
美月「なんですって…!?まだ原形を保っていられるというの!?」
ユリカ「この感覚…この感触…どうやらわたしの内に潜みし『真なる人格』の封印がとけかかっているようね」
美月「一体なにを言って――」
ユリカ「光栄に思うがいいわッ!数億の刻を超え、この世界に顕現する『悪』に滅せられることをッ!!」
美月「この波動…!?余波だけで世界が滅びかけているッ!?」
ユリカ「恐れおののけっ!崇め讃えなさいッ!!泣いて許しを請うがいいわあっ!!!アーッハッハッハァーッ!!!」
かえで「ネエーいつになったら終わるのー?」
美月・ユリカ「「無論、わたしが勝つまで」」
かえで「地球が爆発しても終わらなそうダネー」
美月「その程度でこの『究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様』がやられるわけないじゃないの」
かえで「なんかいろいろだぶってるよ」
ユリカ「そうよ!この『覇宇宙ユリカVerセプテントリオンModeカタストロフfeat.暗黒の滅歌王Vol.魔の追求者二億六千部九十三の巻第五章その八百一三千三頁四段落七行目@ブラスターファイブwith心界の虚神 ~安寧の翼~』にとって、地球の爆発など全身のミトコンドリアが全て壊れるかどうかのレベルだわ!」
かえで「致命傷じゃないかそれ」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「とにかく!わたしたちの聖戦に茶々を入れるのは許されざる行為!厳正に罰せられる覚悟をしておきなさい!」
ユリカ「美月を倒したら次はあなたよッ!闇の底にぶち込んでやるわっ!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「『究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様さん』」
ユリカ「ごめんなさい」
かえで「…………」
かえで「…いい加減、この世界も飽きてきたねー。Resetしちゃおっか♪」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様・ユリカ「「!?」」
かえで「わたしにやれることはたった一つ。たった一つだけ。すっごくシンプルだ。……零、無にすること。でも零にできないものは…ないんだよね♪」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「まさか…この宇宙…時空をッ!!消し去るつもりなの!?」
かえで「Yes♪ もちろん君たちもさ!時空や君たち相手だと能力発動するまでちょっと時間がかかっちゃうけどねー。でも発動したら……BOM!一巻の終わりってやつだよ♪」
ユリカ「フン!時間がかかる、ですって?このユリカ様相手になになまっちょろい事言ってるのかしら!アンタなんてコンマ一秒で細切れにしてやるわっ!」
かえで「NoNoNoNoNoNoNo!人の話はよく聞かなくっちゃあねえ~~VampireGirl♪ わたしは『なんでも無にできる』、と言ったんだ」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「………なにが言いたいのか、理解しかねるわ」
かえで「ホントはわかってるくせにィ~~美月♪」
ユリカ「御託はけっこうよ!消えなさい!」
かえで「はい残念♪」
ユリカ「!? このユリカ様闇の一撃が……まったく通じない、ですって!?」
かえで「Do You Understand? 理解できたでしょ? 私の言ったこと」
かえで「君たちの攻撃だって、無にできる」
かえで「君たちの攻撃程度なら、時間は必要ないも同然だよ」
ユリカ「このっ!このっっ!!このっっっ!!!」
かえで「無駄無駄ぁ。虫一匹潰せるか怪しい攻撃だろうが、惑星ひとつ粉々にする攻撃だろうがわたしには届かないよ!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「…………」
かえで「美月はもう諦めて消えるその時を静かに待っているみたいだよ?ユリカもおとなしくしたらぁ?」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「…誰も諦めてなんかいないわ。可能性を考えていただけよ」
かえで「ん?」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「藤堂!わたしと共鳴しなさいッ!」
ユリカ「仕方なくもないわね!やってやるわ!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様・ユリカ「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
かえで「フン。何をやったって無駄だってことがまだわからないのかい?」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様・ユリカ「「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!」」
かえで「だーかーら!効かないって!手数で押そうとしても無駄だって!」
ユリカ「あなた――反応が遅れてきているわよ?」
かえで「!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「あなたは、『君たちの攻撃程度なら、時間は必要ないも同然』、と言った。確かに無敵に聞こえるでしょうね」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「しかしその言葉から、何千分の一秒か何万分の一秒かわからないけど、攻撃を無にするのにほんのわずかな時間が必要だということがうかがい知れたわ」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「そしてさっきのユリカの攻撃で確信したわ。あなたは攻撃を一つずつ認識しないと無にできない、ということを!」
かえで「!!」
ユリカ「これだけラッシュをかければいつかは捌ききれなくなるでしょう!さあ!ぶち当てるまでとことんやるわよ!!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様・ユリカ「「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!」」
かえで「そ、そんな理屈でやられるとでも……グバァッ!?」
ユリカ「一撃!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「二撃ッ!!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様・ユリカ「「三撃ィィッッッ!!!」」
かえで「そんな!?そんな馬鹿なっ!?このわたしがあっ!!」
ユリカ「やった!かえでを倒した!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「がふっ!?」
ユリカ「究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様さん!?」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「彼女…かえでを倒すことはできたけど…ほんの…ほんの一瞬だけ早く、わたしに対する消滅呪文が完成していたようだわ…」
ユリカ「そんな…!そんなことって!世界は救われたというのに…!また究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様さんとコロシアイできると思ったのに…!」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「どうやらお別れのようね…藤堂ユリカ!どうかわたしの変わりに…ヒトケタの……男…の子……」
ユリカ「究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様さん!究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様さぁぁぁぁぁぁああああああんんんっっっ!!!」
かえで「美月、消滅呪文くらったんだからがふってる暇ないよ?」
究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様「申し訳ございません」 ドゲザア
美月「さて藤堂」
ユリカ「はい」
美月「あなたは見事わたしとかえでを討伐することに成功しました」
ユリカ「わたしはただ、美月さんと共鳴しただけですよ」
美月「それを評して、一枚の認定証をあなたに授けます」
ユリカ「はあ」 ピラッ
ユリカ「え……っ!これって!?」
美月「そう――――これは――――」
ユリカ「そんなっ!!まさかぁ!!?」
美月「ええ――――そうよ――――」
美月「藤堂がいつもニンニクラーメンを注文するラーメン店の利きチャーハンプロ認定書よ」
ユリカ「まさか利きチャーハンプロ初代が美月さんだったなんて……でも、貰っても困ります」
美月「貰って困らなかったら困るわよ。それはただの冗談。本物はこっち」
ユリカ「!? 『神崎美月のユニットメンバー認定書』!? …いいんですか?わたしなんかで」
美月「むしろあなただからよ。『究極帝王ハイパー神崎神アルティメット美月ちゃん様』と共鳴できるんだもの。後にも先にもせいぜい七人ぐらいだわ」
かえで「けっこう多い気がするぞ」
美月「もちろん、あなたが断るというのならそれを尊重するわ」
ユリカ「そんなこと…! ぜひ、やらせてください!!」
美月「じゃあ、これからよろしくね。藤堂――いえ、ユリカ様」
ユリカ「はいっ!」
かえで「よろしく!」
かえで「参考に聞きたいんだけど、ユリカって美月にとってはどれくらい面白いの?」
美月「そうね。クフ王の美月ぐらいかしら」
かえで「それぐらいなんだ!全然わからないや!」
美月「というわけで絶望邪王混沌破滅煉獄破壊藤堂神ユリカが仲間に加わりました」
織姫「あの子そんな物騒なキャラだったかしら」
美月「ミッションコンプリート。出すもの出してもらいますッ!」
織姫「全国の小学校とその電話番号の一覧表よ。アポは自分で取り付けなさい。それじゃ、頑張ってね」
美月「えっ」
美月「ところで二人とも、ユニット名なんだけど」
かえで「うん」
美月「『トライスター』 それがわたしたち、偶像に支配された世界を蹂躙する三人の称号よ」
ユリカ「トライスター……宵闇の中にわずかばかりの光を求めし魂のかけらが疼くわ。何か由来はあるんですか?」
美月「学園長いわく、『天を駆け巡り、地上を平伏させる力と知恵と勇気の三極星』って意味らしいわ」
ユリカ「中二病も大概な由来ですね」
美月「そうよね」
かえで「二人がそれ言っちゃうの?って、ユニット名考えたの学園長なの?」
美月「ユニット名を考えたのはわたし。由来は学園長によって書き換えられたわ」
ユリカ「じゃあ美月さんが考えた元ネタもあるんですね」
美月「聞きたい?」
ユリカ「ええ、ぜひとも今後の参考に」
かえで「それって中二病な由来を期待してるんじゃ」
美月「心して聞くがいいわ!『アメリカから来た渡来人と、月というわたしたち人類にとって1,2を争うほど身近な星のツーショット』よッ!」
ユリカ「ただの観光旅行に来た外国人、って感じですね」
かえで「わたし一人で成立しちゃうね!」
美月「月ってわたしのことよ!?藤堂は入ってないけど」
かえで「ユリカは入ってないんだ……」
ユリカ「それは早とちりよかえで!」
かえで「なんだって!?それは本当かい!?」
美月「なんですって!?」
ユリカ「由来をよーく読み取りなさい……『月』というのは美月さんが言ったように、アイドル界の頂点に君臨する美月さん本人を指す言霊…このことからして月は最も美しい状態でなければならないことは明白だわ」
美月「ふむふむ」
ユリカ「つまり渡来人と月のツーショットというシチュエーションは必然的に夜に限定されるッッ!!真昼間などありえないッ!」
かえで「な、なるほどぉ~ でもそれだけじゃ由来の時間帯が夜ってことしかわからないよ?」
ユリカ「それだけあれば十分だわっ!夜に生き、夜を支配するアイドルは誰かしらっ!? そうっ! このユリカ様よッ!!」
美月「支配された夜の中でも革命の輝きを放つのは誰かしら!? そうっ! この美月ちゃんよッ!!」
ユリカ「アイドル界に夜の帳を下ろすのはこのっ!ユリカ様よっ!!」
かえで「夜から連想されるアイドルがユリカだからいいってことかい?ユリカがいいならいいけど」
美月「本題は学園長の考えた由来のほうなんだけど」
ユリカ「えっ? 由来をさらに上書きするための署名活動の下準備じゃなかったんですか?」
美月「『天を駆け巡り、地上を平伏させる力と知恵と勇気の三極星』……誰が三極星のいずれかを担当するのか決めなくちゃならないわ」
かえで「Why?なんで決める必要があるの?」
美月「ライブ前のパフォーマンスを誰がどれをやるのか円滑に決めるためよ。力だったらベンチプレス、知恵だったら知恵の輪、勇気だったらライオンビシバシ、といった風に」
ユリカ「全部力だけでできそうですね」
かえで「ライオンを屈服させる程の力って……ああ吸血鬼だったっけ」
美月「じゃあ知恵は知恵の輪くぐり、勇気は火の輪ジャグリングね。担当希望の極星に挙手してください。力がいい人ー」
美月・ユリカ「「はい」」
美月「知恵がいい人ー」
美月・ユリカ・かえで「「「はい」」」
美月「勇気がいい人ー」
美月・ユリカ・かえで「「「はい」」」
かえで「ちょっと二人とも欲張り過ぎない?」
ユリカ「あなただって二つ手を上げたじゃないの」
美月「わたしはあまったところに円滑!に入れるよう全てに手を上げただけよ」
かえで「I Konow。わたしは知っているよ。美月が誰よりも早く、より正確に、より力強く、より美しく、限界まで背伸びして挙手していたことを」
美月「足つったわ」
かえで「はいヒトケタの写真!」
美月「重さ30キロぐらいの火のついた知恵の輪程度ジャグリングしながらとくなんて造作もないわ」
ユリカ「くっ…!さすがに吸血鬼であるこのユリカ様でもそれをやってのける自信はないわ」
かえで「どうやらわたしたちは極星の側でひっそり輝く星々に過ぎなかったようだ」
かえで「(幼女美月をこの身を持ってしっぽりねっとりじっとりぐっちょり味わえるならわたしもやってのける自信はあるけどね!)」
さくら「美月様ぁ!」
美月「あらさくら、いらっしゃい」
さくら「ユニットを組んでまいりました!」
おとめ「らーぶゆー」
しおん「こんにちは」
美月「有栖川に神谷……なかなか個性的なメンバーね」
さくら「はい!わたくしなどが隣に立っているのはおこがましいほどすばらしい先輩方ですわ」
美月「さくら、あなたはそのすばらしい先輩に認められたからこそ、その先輩と同じユニットに所属しているのよ。自分を卑下する必要はないわ。あとあなた創生の美月ぐらい面白いし」
さくら「……そうですね!ぽわぽわプリリンのぉぉぉ~~一メンバーとしてぇぇぇーーー、全力を尽くす次第でぇぇありますぅぅぅ~~」デデン
美月「ぽわぽわプリリン……それがあなたたち三人の思いをこめた、永世に伝わりしアイドル黙示録なのね」
おとめ「らーぶゆー」
さくら「はいっ!個人的にはぽわぽわプリリンも捨てがたかったのですが…」
美月「…ン?」
さくら「はい?」
美月「…まあいいわ。ではさくら、有栖川、神谷の二人といっしょに盆踊りの時期まで精進なさい。特にチームワークが大事になるはずよ」
おとめ「らーぶゆー」
さくら「かしこまりました美月様!ぽわぽわプリリンに加入すべく、ぽわぽわプリリンの一員として頑張っていきます!」
美月「えっ」
さくら「はい?」
美月「えーと、さくらは敗者復活戦争に参加……するのよね?」
さくら「もちろんでございます!」
美月「かえで、ユリカ、わたしが相手になると思うけど…もちろん四人目の席も空いているわ。わたしたち三人記者会見でユニット名発表したのだけれど、聞いてくれたかしら」
さくら「はい!とっても素敵なユニット名です!この北大路さくら、不覚にも涙いたしました!」
美月「そ、それはうれしいわ。……それで、あなたが最終的に所属したいのはどのユニットかしら」
おとめ「らーぶゆー」
さくら「ぽわぽわプリリン、でございます!」
美月「えっ」
さくら「はい?」
美月「…ええと、わたしたちトライスターに加入する必要あるのかしら?」
おとめ「らーぶゆー」
さくら「はい!ぜひともぽわぽわプリリンのメンバーにこのわたしを加えていただきたいのです!」
美月「もう入ってるじゃないの」
さくら「えっ」
美月「えっ」
おとめ「あい!さくらたんはぽわプリの終身名誉保険係なのです!」
さくら「おとめ様!?」
おとめ「さくらたんもぽわぽわプリリンがいいといっているのです!それでは!らーぶゆー!」
さくら「えっ!おとめ様!わたくしはぽわぽわプリリンに加入したいと…あぁ~~れぇ~~………」
美月「…………」
美月「よくわからないけど、さくらは頼れる上司を見つけたようだわ」
織姫「ねえ神崎」
美月「なんですか学園長」
織姫「あなた『マスカレードに憧れてアイドルになった』って言っていたわよね」
美月「はい。今でも憧れの存在です」
織姫「それはうれしいわね。でもどうして憧れるようになったのかしら」
美月「ヒトケタの男の子に人気ありそうで」
織姫「あなたの経歴からして、あなたがだいたいヒトケタのころわたしたちに憧れを抱いたと思うのだけど」
織姫「それに老若男女人気あったわよ。ヒトケタの男の子に限らないわ」
美月「でもヒトケタの男の子選び放題だったのは周知の事実ですよね?」
織姫「そんな事実ないわよ。それに選んでもいないわ」
美月「そんなこと言っちゃって…マスカレードすべてのライブでヒトケタの男の子が周囲をぐるぐる回っていたじゃないですか。一般公募から選んだのですよね?」
織姫「それはきっとあなたの幻覚よ。アイドルの周囲をぐるぐる回るのはアイドルのオーラだけで十分だわ」
美月「え?つまりアイドルのオーラがヒトケタの男の子と化していたと?」
織姫「そんな事実もないはずだけど」
美月「……まあいいです。しかし学園長、わたしには夢ができました」
織姫「なんとなく想像がつくけど、一応聞いてあげるわ」
美月「マスカレードと並び、いえ、超越してアイドルのオーラをヒトケタの男の子へと昇華させること、です」
織姫「まるでスタンドね」
美月「スタンドバイミーとはよく言ったものですね。もちろん群体型を目指します」
織姫「あなたのヒトケタの男の子に対する執着っぷりを見ているといずれ達成できそうね」
美月「完成したときには、学園長にも一人おすそ分けしますね」
織姫「遠慮しておくわ」
美月「養子でもいいんですよ?」
織姫「遠慮しておくわ」
美月「なんでですか!ヒトケタの男の子アイドル専攻科をつくるいい礎になってくれるはずですよ!」
織姫「つくらないわよ。それにヒトケタの男の子ならミヤから三人引き取っているのよ。もういっぱいいっぱいだわ」
美月「えっ」
美月「えっ」
終わり!
見てくださった方々、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
オチンポでおマンコぐちょぐちょのぬるぬるにしてぇぇぇ~~~~!
あんっ、イ、イイ、イクッ ちゅぱちゅぱ ぐちゅぐちゅ
なかにいれるよっ ズボッ あ、あんっ、あん、あんっ、あん、あんあぁっ イクゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ショワァァーーーーーーーーーー はぁはぁはぁはぁっ