村勇者「……」
どれだけ問いかけても、彼女は悲しげに俺を見つめてくるだけ。
それでも……。
村勇者「せめて……手だけは」スゥ…
村勇者「………」
村勇者「うん、行ってきます」
そっと片手を彼女と触れあうと、そのままひんやりとした手から離れる。
彼女もとても名残惜しそうに俺の手から離れると、振り返る。
村勇者「夜までには帰るよ」
村勇者「…………シンシア」
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村勇者「……」ザッザッ
外はまだ夜明け前らしく、月明かりすらない。
暗闇の中で、俺は静かに腰の鋼の剣を引き抜いた。
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【シネ・・・】
【・・コロス】
【コロス・・・コロス・・・】
【オマエ・・コロス】
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静寂に包まれた中で響き渡る声。
殺意に満ちた声が俺の耳に囁くように聴こえ、同時に暗闇を淡い光が照らしていく。
ナイトリッチA【・・・】ガシャッ
ナイトリッチB【・・・】
ナイトリッチC【・・・】
ナイトリッチD【・・・】
青白い、 髑髏の中で灯る鬼火。
静かな殺意と狂気が徐々に形作られ、強固な鎧を、鋭利な刃を生み出す。
もう何ヵ月も村に現れている、正体不明のモンスターだ。
村勇者「……」
村勇者「殺してやるよ……!!」
頭が割れるような痛み。
そして、激しい高揚感が俺の体を動かしていった。
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