赤ずきん「安価でおばあさんのお見舞いに行きます」(38)

神経質なチェシャ猫:
 ごきげんよう。君達が紳士であると自負しているなら
 彼女の冒険を手助けしてほしい。

神経質なチェシャ猫:
 彼女は典型的な労働者であり、賢いものの手助けが必要だ。
 そうでなければ、彼女は性的搾取を受けたり物理的暴行を受けてしまうだろう。
 尤も、君達がそうなるよう差し向けることも可能なのだが

神経質なチェシャ猫:
 君達は四次元の住人だ。君達の行為は私達に干渉するが、私達の行為が君達を妨げることはないだろう。
 ぜひ嗜好品を片手に、娯楽のようにやってほしい。

母親「赤ずきん、来てください」

赤ずきん「はい、お母様」

母親「赤ずきん、あなたの祖母にあたる人が病気です。あなたは人道的見地からお見舞いに行かなければならない」

赤ずきん「はい、お母様。私は良識的で勤勉なのでお見舞いに行きます」

母親「治安維持プログラムから、今回は特別に有機的な食物を提供する許しを得ました。あなたはそれを提供するべきです」

赤ずきん「はい、お母様。わたしは速やかにそれをします」

 近くの街では、幸福の王子が自身の金銀を浮浪者にばら蒔き不潔な人垣を形成している。

 更に近くの壁面には、掘っ立て小屋があり、中に片足の兵隊が物乞いをしている。襤褸布にくるまれた彼は、裂け目から悪魔を殺した時の目線で睨み付ける。

 奥にはアリストクラートの人だかりが形成されている。彼等は行政長官のメッセンジャーであるウサギの言葉に耳を傾けている。

 >>28、赤ずきんは何をすべきだろうか。

1・・・『幸福の王子』に会い、彼の資産の無駄遣いを批判する。

2・・・『片足の兵隊』と話し、彼が如何に社会的弱者であるかを啓蒙する。

3・・・『ウサギ』の言葉に耳を傾けて、模範的な労働者の証明をする。

 次に語るべきなのは・・・・・・『ハートの女王』という男についてだ。
 尤も彼の一般的な呼び名は『行政長官』だが。

 彼は無慈悲で、享楽的だが理知的で寛大でもある。

 彼は市民を省みない。市民にどれだけ奉仕しても市民が自分に忠誠を誓うことはないと理解しているからだ。

 彼は反逆者を許さない。
 何故かといえば、権威を揺るがされる・・・・・・恐れている・・・・・・と、理由は様々だろう。
 だが正直なところ、彼が『反逆者を赦さないのが支配者の義務』だと考えているからだろう。

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