美木杉愛九郎「どうして光るんだろうね?」(100)
美木杉「…そういや、皐月さまって、どうして光るんだろうね?」
黄長瀬「お前だって光ってるだろうが」
美木杉「いやぁ、僕のとは仕組みが違うんじゃないのかなぁ」
黄長瀬「逆にお前のはどういう仕組みなんだ。LEDでも埋め込んでるのか?」
美木杉「…紬になら…教えてあげても、いいよ…」ファサッ
黄長瀬「…やめろ」
黄長瀬「…普通に考えたら、親の遺伝じゃないか?」
美木杉「羅暁のは、あれは生命繊維の輝きだと思うよ」
黄長瀬「纏流子は光らないぞ」
美木杉「…本人は気づいてないだけで、実は光るんじゃないだろうか」
黄長瀬「というか、そもそもお前らは何をどうしたらそんな光を出せるんだ?」
美木杉「…自然に?」
黄長瀬「まじか」
美木杉「という訳で皐月様と流子くんの平和な学校生活を観察してみようか」望遠鏡スチャッ
黄長瀬「覗きのために俺を呼び出したのか」
美木杉「覗きじゃない。調査だ」
黄長瀬「覗きだろ。そんな指令出てないだろ」
美木杉「僕の僕による僕のための調査だ。…あ、僕のためって言っちゃった」
黄長瀬「帰らせてもらう」
猿投山「…待ちな」
黄長瀬「!」
美木杉「あちゃー、ばれてた?」
猿投山「心眼通を会得した俺に、貴様らのせこい計画がばれないとでも思ったか」
美木杉「思ってた」
猿投山「…なめられたもんだなぁ」
黄長瀬「で? 鬼龍院に報告するのか? 言っとくが俺は止めたんだぞ」
猿投山「止めるだと? ふっ、誰がそんなことを言った」
美木杉「…まさか、君も」
猿投山「ああ。皐月様のあの光…。あの光の正体だけは、この俺の心眼通をもってしてもわからなかった…」
――がたっ
黄長瀬「――誰だっ!」チャキッ
犬牟田「待った、待った。…その話、僕も乗らせてもらおうか」
猿投山「さすがデータの鬼…。犬牟田、お前もあの光の正体を知りたいのか」
犬牟田「皐月様のカリスマ性の表れ、ということになっているが…無理があるよね。絶対裏に何かあるはずだ」
美木杉「…照明部とか?」
蟇郡「そんな部は無い」むくむくっ
黄長瀬「…お前、よくそんなところに隠れられたな」
蟇郡「ふん。貴様らも知ってのとおり、俺は際限なく大きくなれる」
美木杉「うん。そだね」
蟇郡「…つまり、その逆もまた然りという事…!」シュルシュル
猿投山「すげぇ。ハムスターサイズの蟇郡だ。すげぇ」
犬牟田「なるほど。その特性を生かし、皐月様の隅々まで調べてくれるという訳だね?」
蟇郡「いや、武士道に反する」
犬牟田「それは残念」
蟇郡「光るといえば…満艦飾マコも、ある意味光っていると言えるのではないだろうか」
犬牟田「あのスポットライトのこと? あれこそ照明部の仕業じゃないの?」
蟇郡「だからそんな部はないと言っているだろうが」
猿投山「…なぁ、今思いついたんだが…」
犬牟田「なんだい?」
蟇郡「言ってみろ」
猿投山「…俺らも、本気出したら光るんじゃね?」
黄長瀬「…本気?」
猿投山「こう、光るぜ! みたいな」
犬牟田「君は馬鹿か」
美木杉「…一理あるかもしれないよ。それに、研究者として、一度立った仮説を試しもせずに否定することはポリスィーに反する」
蟇郡「では、言い出しっぺの猿投山から試してみろ」
猿投山「俺はすでに光ってるだろ。11話とか、他の話とかで」
黄長瀬「ああ、そういや光ってたな」
美木杉「え? 気づかなかったな。どこが光ってたの?」
黄長瀬「……どうでもいいだろう」フイッ
犬牟田「…もしかして、俺たちは今も、自覚がないだけで実は光っているんじゃないだろうか」
蟇郡「なるほど。服を着ているから気づかないが、確かに光っているのかもしれん」
美木杉「確かめてみよう。…紬、電気消してカーテン閉めて」
黄長瀬「なんでこういう展開になるんだ…」パチッ シャーッ
猿投山「じゃ、脱ぐぞー」脱ぎっ
美木杉「…まぁ、僕はいつも光るから」ポワー
黄長瀬「……俺は脱がないぞ」
犬牟田「言いだしといて悪いけど、俺も脱ぐ気はないね」
蟇郡(バカ正直に脱いでしまった…)
猿投山「――! ま、まずい! みんな服を着ろ!」
美木杉「?」
ドア ギィッ
流子「おい美木杉、父さんの発明の特許とかってどうなって――」
流子「」
美木杉「…やぁ、よく来たね流子くん」
流子「…えっと……」
猿投山「誤解だ。お前は今、物凄い勘違いをしているぞ纏」
黄長瀬「だから嫌だったんだ…」
蟇郡「満艦飾は一緒じゃないのか?」
犬牟田「俺は違うからね。俺は違うからね」
流子「………」
美木杉「……君も脱ぐ?」
――バタンッ!! (ドアを閉める音)
ダダダダダッ・・・・・(階段を下りる音)
蟇郡(…纏流子が力いっぱい閉めたせいで、ドアが曲がっている…)
美木杉「……ふっ。帰っちゃったか」
黄長瀬「…お前って奴は…」
美木杉「…ねぇ、さっき流子くんちょっと光ってなかった?」
一同「「もう黙れよ!!!」」
おわり
なんでこんなの書いちゃったんだろう…
あ、キルラss増えて欲しいからか…
増えてー!頼む!増えろー!流子ちゃんと皐月様のやつ増えろー!
スレがもったいないからさ
思いついたせっそうないキルラssを書いてこうよ(提案)
纏流子「鬼龍院皐月がグレた」
―皐月の部屋の前―
揃「『今日からグレる』と宣言なされてから、部屋に引きこもったままなのです…」
流子「あの姉さんがなぁ…。ま、無理もないかもしれないけど…」
揃「流子様、お姉さまをよろしくお願いします」
流子「…わかった。
――おーい、姉さん、・・・入るぞー」ガチャ
皐月「……ああん?」
流子「!」
――バタンッ!(ドアを閉める音)
揃「…い、いかがでしたか…?」
流子「…ね、姉さんが…」
揃「?」
流子「…青と白のツートンカラーの特攻服着て前髪あげて白のメッシュ入れてアイシャドウ濃くして、そこまでしてんのに眉毛の太さはそのまんまだから違和感が半端じゃない…」
揃「と、とっこうふく、でございますか…聞いたことはありますが…」
流子「やべぇよ…全然似合ってねぇよ…。ここまでヤンキーが似合わない奴始めて見たよ…」
揃「さようでございますか…」
流子「…やべぇよ…どのくらいやばいって、コンビニ前の中坊にも舐められそうなくらいやべぇよ…」
揃「さようでございますか…」
流子「…しかも姿勢がいいもんだから…。なんか育ちの良さ滲み出ちゃってんだよ…せめてヤンキー座りくらいしようよ…何で直立不動のやつにガンつけられなきゃならねーんだよ…」
揃「流子様、何か打つ手はあるのでしょうか…」
流子「打つ手っていうか…そもそも、これヤンキーじゃねぇよ。ヤンキーになりそこなった何かだよ」
揃「さようでございますか…」
流子「…でも、このままって訳にもいかないだろうしなぁ…
――は、入るぞー姉さん」ガチャ
皐月「…ああん?」///
流子「」
――バタンッ (ドアを閉める音)
揃「…いかがでしたか?」
流子「姉さんのヤンキー座り、腰の位置高すぎて変なことになってた…」
揃「やんきーずわり、ですか…聞いたことはありますが…」
流子「しかもさ、メンチきれてないんだよね。あれじゃ下から小首傾げて見上げてるだけだよ。威嚇できてねぇよ」
揃「さようでございますか…」
流子「しかもさ、ちょっと照れてんだよ」
揃「さようで…」
流子「どうしよう揃さん。なんか同じ土俵に降りてこられたせいか、この姉さん可愛くって仕方ないんだけど」
揃「皐月お嬢様は最初から可愛らしくていらっしゃいます」
流子「そういやそうだったな。…いや、可愛くは無かったろ。イケメンではあったが」
揃「…あれは、皐月お嬢様が五歳のときのことでござ」
流子「あ。もういいです揃さんその話。もう五回目くらいなんで」
揃「さ、さようでございますか…」
流子「姉さん、今度こそ入るぞー」ガチャッ
皐月「……流子」
流子「…メンチ、きらなくていいのか?」
皐月「どうせできていないのだろう…」
流子「…話、聞こえてた?」
皐月「丸聞こえだっ!」
流子「まじか」
皐月「…すまないな」
流子「何が?」
皐月「やはり私には、ヤンキーの気持ちはわからなかったよ…」
流子「?」
皐月「この雑誌に、『グレてた奴の気持ちは、グレてた奴にしかわかんねんだよぉっ!』と書いてあったのでな…。流子の気持ちが少しでも理解できればと思って…」
流子「姉さんってマガ○ン読むんだな」
皐月「流子が読みそうだと思ってな」
流子「ごめん姉さん。私ちゃお読んでた」
皐月「ふっ…『ミルモ○ぽん』か」
流子「『きらり○レボリューション』とかな」
皐月「…わざわざグレる必要は、無かったようだな」
流子「ああ。懐かし少女漫画について語り明かそうぜ…まだ昼だけど」
揃「では、更生なされるということですね?…ほっといたしました…」
皐月「すまない。迷惑をかけたな、揃」
揃「では、お茶を…」
皐月「頼む。茶菓子も一緒にな」
流子「…じゃぁ、その間に」
皐月「何だ?」
流子「……メンチのきり方、教えてやるよ姉さん」
皐月「…ほう」
流子「いいか、こうやってだな」
皐月「ふむ」
流子「…あああん?」
皐月「姉に向かって何だその目つきはぁ!」
流子「いやこれお手本だから!」
皐月「…そうだったな。すまん」
流子「じゃ、次姉さん」
皐月「……ああん?」
流子「かわいい!かわいい!」ゲラゲラ
皐月「…きっさま、流子ぉ!」
流子「…ぶっ、あっはっはっは!」
皐月「いつまで笑っているつもりだぁ!」
流子「…くっ…あははっ…」ヒクヒク
――ガキンッ!
流子「いっきなり何すんだ!?」
皐月「……やるか?」
流子「…へぇーえ、姉妹喧嘩かぁ。いいよぉ。相手になってやる」
皐月「…」チャキッ
流子「…」グッ・・・
皐月&流子「「いくぜぇえええ!!!」」
がらっ
揃「…室内で暴れるのは、いけませんよー」
皐月&流子「「…あ、ごめんなさーい」」
おわり
なんか違う。皐月様が違う。流子ちゃんも違う。揃さんもなんか違う。
まぁ可愛けりゃいいよね。うん。
纏流子「くっそぉ、羅暁のやろぉ…!!!」
マコ「流子ちゃん、大変っ! 消費税8%に値上げしたって!」
流子「なにっ!? ・・・くっそぉ、羅暁のやろぉお!!!」
美木杉「…あー、纏くんと満艦飾くんは、赤点だから今度追試ね」
流子「なにっ!? ・・・くっそぉ、羅暁のやろぉお!!!」
鮮血「…流子。体脂肪率が2%上がったぞ」
流子「――羅暁のやろぉおおお!!!」
マコ「流子ちゃん!ウチに進研セミが届いてるよ!?」
流子「ちっ。…さては、皐月の仕業だなぁっ!」
美木杉「…あー、纏くん、ゴミ箱に君宛のラブレターが大量に捨ててあったんだけど…」
流子「えっ!?…さては、皐月の仕業だなぁっ!」
皐月「そうだ!!!」ピカーッ
流子「何のつもりだ姉さん!」
皐月「…学生の本分は勉強だ。恋愛などという非生産的なことに裂く時間など無いっ!!!」
流子「だからって人宛てのラブレター捨てんなよ!」
皐月「ふん。どうせ届かぬ想いならば、せめて人目に触れないうちに処分してやろうと思ってなぁ」
流子「いや、思いっきり人目に触れてるだろ。先公にも見つかってるし」
美木杉「っていうか、よく見たら全部差出人の名前が鬼龍院皐月になってるねぇ」
流子「ほんと、どういうつもりなんだ姉さん!?」
皐月「…その、またデートに誘ってほしいなぁ、なんて、思ったり、うむ」
流子「…そういうこと、口で言おうぜ姉さん…」
皐月「だって、はずかしかった」
流子「そうか」
マコ「行きましょう皐月様!今度は麻衣子ちゃんも一緒に!」
流子「待てマコ、アイツだけは誘うんじゃねぇ!」
マコ「マコ、いいウサギカフェ知ってるんです!」
流子「え、・・・ま、まさか、マコお前、ウサギを食べ」
マコ「ウサギを撫でたりおやつをあげたりしながらお茶を飲むんです!」
流子(…よかった)
皐月「ウサギか…それもいいな」
マコ「ヤギカフェもあるんです!」
流子「すごいな…」
マコ「…他にも、猫カフェもあるし!あっ、そうだ忘れちゃいけない!!」
流子「なんだ?」
マコ「恋人たちのデートの鉄板…いえ、登竜門…!」
皐月「…」ごくり
マコ「目○寄生虫博物館です!!!」
その後しばらく、マコ以外は麺類が食べられなかったそうな……
終
あ、なんか荒らしっぽくなってるけど
≫12以外は全部≫1だから
猿投山渦「だぁから、コンニャクに切り込みを入れてだな」
流子「…こ、こうか?」
猿投山「だぁー、違うっ。不器用すぎるだろお前」
流子「う、うるせぇっ。えーっと…痛っ」ビッ
皐月「包丁で手を切ったのか?どれ、見せてみろ」
流子「大丈夫だ姉さん。もう治った」
蛇崩「なんでコンニャク一つ切れないのよ転校生。それでも女子ぃ?」
流子「私に言うんなら姉さんにも言えよ」
蟇郡「皐月様は例外だ」
流子「ったく。…ってあ痛ぁっ」ビシュッ
皐月「大丈夫か流子。どれ、絆創膏を貼ってやろう」ごそごそ
流子「大丈夫だ姉さん。もう治った」
犬牟田(このままじゃ台所が血まみれになるね…)
美木杉愛九郎「どうして光るんだろうね?」その2
前回まで:鬼龍院皐月さまの光の謎を追ううちに、纏流子にホモダチだと思われてしまったNB二人と四天王三匹。はたして、彼らは無事に誤解と謎を解くことができるのだろうか。
美木杉「で、皐月様はどうして光るんだろうね?」
黄長瀬「その前に纏の誤解を解いたほうがいいと思うが」
美木杉「…ほんとのことにしちゃおっか?」スルッ・・・
黄長瀬「やめろ」
蟇郡「誤解とはなんのことだ」
犬牟田「君は元から変態だから大丈夫だろうけど、俺はノーマルで通ってるんだ。巻き込まないでくれ」
美木杉「ノーマル?違うね。この世には、ホモとレズとストレートしか居ないよ」
猿投山「それ以外は無いのか?」
美木杉「…それ以上は、僕の口からは言えないなぁ…」ファサッ☆
黄長瀬「……美木杉のことはあきらめるとしてだ。お前ら二人は服を着ろ」
猿投山「前は脱げ脱げ言ってたのにな」
蟇郡「纏に出くわすたび、脱げ脱げ脱げ脱げと」
黄長瀬「…目のやり場に困るんだよ」
美木杉「僕は?」
黄長瀬「お前はどうでもいい」
美木杉「お前『は』ってどういうことだい?」
黄長瀬「」
美木杉「」ポワー
犬牟田「…よし、忘れよう。今あった一連の出来事をすべて忘れて、新しいスタートを切るべきだと俺は思う」
猿投山「そうだな。俺もそう思う」
蟇郡(…な、なんだ、この気持ちは…!?)
黄長瀬(……俺は…)
猿投山「やめるんだ蟇さん。蟇さんは公式で決まっちゃってるからやめるんだ」
犬牟田「俺はそういうの見たくないんだ。トラウマを増やさないでくれ」
美木杉「…もう、どうにも止まらない…」ガリガリガリガリ
猿投山「さ、皐月様の光ってなんなんだろーねー犬牟田ー」
犬牟田「そうだねーなんなんだろねー」
蟇郡「む。そういえばそうだったな」
美木杉「コーヒー入れたけど飲む?」こぽこぽ
黄長瀬「さっきの妙な音はコーヒー豆を挽いていたのか」
犬牟田「コーヒーの香りで男臭さが和らいだね」
猿投山「……犬牟田。俺は今とんでもない事実に気付いてしまった」
犬牟田「なんだい?」
猿投山「皐月様は光ってない」
蟇郡「貴様いきなり何を言い出すかぁ!」
猿投山「皐月様じゃない。皐月様の背後の、二、三メートル離れたあたりくらいから強烈なライトで照らされているような後光が差しているだけで、皐月様自身は光っていない」
犬牟田「確かに」
美木杉「…そうか、やはり照明部が」
蟇郡「そんな部は無い」
黄長瀬「実は専属の黒子がいるとか」
犬牟田「…あり得るね」
猿投山「実は羅暁が皐月様をストーキングしてたとか」
蟇郡「そしたらお前が気づくだろう」
猿投山「ほんとだ」
美木杉「…わからないねぇ」
猿投山「…どういうことなんだ」
犬牟田「…データには載ってないね」
黄長瀬「…もう帰っていいか?」
蟇郡「…逆に考えてみるのは、どうだろうか」
犬牟田「逆?」
蟇郡「皐月様が光っているのではなく、皐月様のあまりのカリスマ性ゆえに周りの景色が光を失っているのだ、と」
猿投山「そっちのが無理じゃないか?」
美木杉「…いや、まさか」
黄長瀬「何かわかったのか」
美木杉「…僕たちは、とんでもない勘違いをしていたのかもしれない…っ」
美木杉「結論から言おう…皐月様は実は光っていない!」
三天王「「な、なんだってぇ!?」」
美木杉「『生命繊維』は、纏ったものの精神電流を喰らい繁殖する。…そして同時に、精神電流を調整し、生体の記憶や認識さえも操ることが可能だっ」
黄長瀬「それがどうやったら、光る光らないにつながるんだ」
美木杉「もし、鬼龍院皐月の光が、現実のものではなかったとしたら?生命繊維の電流による、脳内に直接流されたイメェージだとしたら…?」
一同「「!」」
美木杉「…そう、今まで光を発してきた者たちは、生命繊維を纏った際に、常人以上のシンクロ率を出せる者ばかりだ…。満艦飾くん然り、羅暁然り、皐月様然り、四天王然り!」
美木杉「『生命繊維への耐性が強い』ということは、『その電流に耐え切れる、ある程度自分の中で調節できる』ということとイコォールだ…」
美木杉「つまぁり。彼女ら、もとい彼らはっ、自身の電流を用いて、我々の脳に直接『光ってるぅー』というイメェージを植え付けていたのだぁあああ!」ばばーんっ
犬牟田「…なるほど。説明はつくね」
猿投山「そうか…そういう事だったのか…」
蟇郡「つまり、極制服や神衣がなくなった今、皐月様は前ほど眩しくは光らないという訳か…?」
黄長瀬「確かに、最近控えめになったな」
美木杉「……これで、全ての問題は解決した…」
猿投山「いや、まだ纏のが残ってる」
犬牟田「むしろそっちのが重要だと思う」
蟇郡「…そうすると、美木杉愛九郎」
美木杉「なんだい?」
蟇郡「貴様も、もしかして道頓堀ロボより極制服を着た方が戦力になったんじゃ」
美木杉「DTR!」
犬牟田「…確かに。っていうか道頓堀ロボ自体がそもそも失敗だった気が」
美木杉「ディーティーアァールゥッ!!」
猿投山「どうでもいいけどよ。とりあえず纏探そうぜ。埒が明かねぇよこのままじゃ」
美木杉「…DTR!!!」
完
…さすがに好き勝手やりすぎたなぁ
読んでくれた人ありがとう
そしてキルラss増えろ!
羅暁「うちの三姉妹」
羅暁「禊しよう流子。禊。禊しよう。禊」
流子「いや母さん、普通、この年で母親と風呂一緒とかないから」
羅暁「そんな普通とか普通じゃないとかいう固定概念に囚われるように育てた覚えはありません」
流子「そもそもあんたに育てられた覚えがねぇよ」
羅暁「いつやるの、今でしょ。ほらほら、一回やっちゃえばもう病み付きになるから。怖いのは最初の一回だけだから、ね。ほら。ね、ほら。ねほらほらほら」さわさわ
流子「うわぁどこ触ってんだ…くふぅっ」
羅暁「…何なら、居間ここでやってしまってもいいのだぞ…ふふふ。あ、ほれ。あほれ。あほれほれほれっよいしょよいしょっ」さわさわ
流子「…くっ…くふんっ…///」
鮮血「やめろ羅暁私を脱がせるんじゃぁない!流子しっかりしろ流子ー!」
ばこーん!
皐月「その薄汚い手を離せこの変態セーラー服ばばぁ!!!」
流子「ね、姉さぁーん!!!」うるうる
羅暁「――いっけぇ縫!君の出番だぁあ!!!」
縫「ヌィー♪」
皐月「…受けてみるか…血の粛清を!!!」
――ずばぁっ!
縫「――ツインテェエエエエエエエルウウウウ!!!」
皐月「……うおおおお羅暁ぉおおおおお!!!」
羅暁「愚かなり愚かなり愚かなりぃいいいい!!!」
皐月「なりなりなりなりコロ助か貴様はぁああー!!!」
羅暁「反抗期かこの娘はぁああー!!!うちの娘はどいつもこいつも反抗期かこの年頃はしょうがぁないなぁもうー!!!」
皐月「なんだそのしょうがないから相手してやるみたいな言い方はぁ!いちいちカンに触るなぁお母様よぉお!!!」
羅暁「言葉遣いがなっとらんぞ?…ふふふ流子と一緒に禊が必要だなぁこれは!!!」
皐月「たわけが流子に禊をするのはこの私だぁああああ!!!」
流子「え」
皐月「喜べ流子…我が純潔の最初の供物は貴様にしてやる」キリッ
羅暁「では一緒に入ればいいじゃぁないか。家の風呂はひろいぞ。もう広いぞ。無駄に広いぞ」
皐月「だが断る!!!」
羅暁「ふ…3pはイヤか我が娘よ…」
皐月「滅びろ!」
縫「羅暁さまぁ、4pだよぉ♪縫も入れてよぉ♪」
鳳凰丸「…できれば、5pがよろしいかと」
皐月「私以外の者に流子の純潔が奪われてたまるかぁああああ!!!貴様らなんぞにくれてやれるかおんどれらぁあああああ!!!」
羅暁「あっははははは!とっくの昔に手遅れだ…流子にはもう純潔などどこにもないわぁああああ!!!」
皐月「……っ!…き、貴様……○してやるぅうううううううううう!!!!!」
ひゅーん どーん ばーん ぎゃぁあああーりゅうこーりゅうこー!
鮮血「…流子」
流子「ああ。鮮血、私決めたよ。…今すぐこの家出る」
終わり
神衣万象ネタバレ。
美木杉と黄長瀬がデキてたっていう公式の事実にびっくりした。
絹江「服と人とは敵じゃない」
美木杉「ふぅ…今日もいい実験日和だね絹江さん」ファサ
絹江「ええ。後は、あなたが服を着てくれれば目のやり場に困らなくて済むのだけど」
美木杉「もう見慣れてるだろう?君と僕との仲じゃぁないか」
絹江「見慣れている見慣れていないの問題じゃないの。人としての倫理観の問題よこれは」
美木杉「服は危険だ…纏博士もそう言っていただろう」ポワー
絹江「服と人とは敵じゃない。きっと共存できる道があるはず。だから服を着てくれないかしら?」
美木杉「……共存、ねぇ。これまでの研究データを見る限りでは、どうもこの『生命繊維』は僕たちと仲良くする気はなさそうに見えるけど」
絹江「…それでも、きっと、道はあるはず。だから服を着なさい」
美木杉「…断固拒否する!」
絹江「着なさい!」
黄長瀬「…何やってるんだお前らは」
絹江「ちょうどよかった。紬、手伝いなさい」
黄長瀬「なぜだ。何をだ」
美木杉「勘弁してくれよ紬…いいよもう着るよ」ごそごそ
絹江「それでよし」
一身「…何やっとるんじゃお前ら。データも取らんで」
絹江「なっ…!纏博士、セクハラです!」
一身「なぜじゃ」
美木杉「纏博士からも言ってやってくださいよ。人類は服を着ない方がいい、裸の自分を取り戻そう…って」
一身「…美木杉」
美木杉「はい」
一身「人としての常識くらいわきまえろ」
美木杉「…ふぅ、手厳しい」スルッ
絹江「だから脱がないの!」
終
一身「あ?娘の写真が見たい?……仕方ないのぅちょっとだけじゃぞ」ゴソゴソ
一身「ほれ」
絹江「…やだかわいー!えー、いくつの時のですかー?」
一身「5つの時じゃな…。寝ている所を起さんようにこっそり撮ったんじゃ」
絹江「ギュってしたーい!」
黄長瀬「あほらし…」
美木杉「ほう…これは将来美人になりそうな予感」
一身「じゃろ?」
黄長瀬「美木杉お前は休憩まだだろ!」
一身「…で、これが3つのころ」
絹江「きゃーかわいー!口がωってなってるのがかわいいー!」
美木杉「ところで絹江さん、子供は何人欲しい?」
黄長瀬「美木杉、分析はまだ終わってないだろ」
美木杉「僕は男の子がいいなぁ…でも女の子も捨てがたいなぁ…」ポワー
一身「…美木杉」
美木杉「はい」
一身「白衣を脱ぐな全裸になるなと何度言ったらわかるんだこのばかたれが」
美木杉「…手厳しい……」
黄長瀬「…美木杉いい加減仕事に戻れ」
終
・・・勢いで書きましたすみませんでした。
初めてなもので。もし変な間違いあったらごめんなさい
※死ネタ、ハッピーエンドでは少なくともない
※神衣万象の、アレのねたばれ
※過去捏造
※美木杉と黄長瀬絹江がキスまでをする話、ふつうに全年齢
※書き手、生まれて初めてこの形式で書く
※書き殴り、クオリティは負、とても自己満 読み手がもしいなくても自分の心の平静のために書いたもの
↓つぎから
美木杉「さて! 僕は今、ヌーディストビーチ本部の医療班、最新鋭の設備を備えた集中治療室の前に来ています」
美木杉「信条も捨て、こんな衣装まで着てね。とてもきゅうくつだし、似合わないもんだなぁ」
美木杉「でも、服ってもんはTPOに即して着るべきものだ。今日、この晴れの日は、この姿こそふさわしい」
美木杉「この真っ白い扉の向こう、赤いじゅうたんの向こうには、僕の愛すべき婚約者黄長瀬絹江が待っている」
美木杉「実はもう、約束の時間は過ぎている。ちょっと心の準備に手間取ってね。情けない話だ、僕ももう少しイイ男にならないとね」
美木杉「さて、忘れ物はないだろうか。僕の一世一代の大仕事だ、失敗は許されない。君にも一緒に確認してもらおうか」
美木杉「赤薔薇が108本と、彼女の誕生石をはめた指輪、メンソレータムを塗って準備万端の口唇と、幾夜も温めた愛のことば。身にまとった花婿衣装でこれらが僕のすべてだ」
美木杉「持ち物も完璧になったところで、さあ、行かなければ。時間もない」
美木杉「…………」
美木杉「だめだ、ためらうことなんてもうないのに。行くぞ」
美木杉「…………」
がちゃ
美木杉「こんばんは、マイ・ラヴァー。ご機嫌いかがかな」
美木杉、ベッドサイドに腰を下ろし、絹江の表情を伺う
絹江「…………」
(シュー、シューという人工呼吸器の音と、生命維持装置の波の音だけが響く室内)
sage間違え続けてる
美木杉「実は、僕の婚約者は今、生死の危機に瀕している。今日の午後、生命戦維に関する実験の最中、その戦維を組み込まれた服が暴走して、彼女はその犠牲となった」
美木杉「その実験については、僕から語ることは何もない。ただあるのは海より深い後悔と、空より高い希望を捨てない意志だけだ」
美木杉「ともかく、こうして彼女はその命をこの世につなぎとめている」
美木杉「僕らの結婚は、本来まだ時期を見ている段階だった。しかし、仲人役の纏博士や彼女の弟、紬とも相談の上、今夜決行と相成ったんだ」
美木杉「……絹江さん」
美木杉「病室に、こんな匂いのきついものを大量に持ってくるのはためらわれたよ。でもこの薔薇が正真正銘僕の気持ちだ」
美木杉「君は知っているかな? 薔薇の本数は、その数によってたくさんの意味を持つ。色々あって紹介し切れないが、この108本という本数は、まさに僕の今の状態そのままの意味、結婚してくれという意味なんだ」
美木杉「急なことだったからね、近場の花屋一軒じゃ賄いきれなかった。意地でもちゃんと集めたよ」
沈黙、機械音と呼吸音のみ響く
美木杉「……、僕と、結婚してください」
絹江「…………」
パチッ(絹江、目を閉じる、了承の意)
美木杉「おお、なんという喜び、なんという光!」
美木杉「世界が色を変えるっつうのはこういうことを言うんだね。全てが輝いて見えるよ」
美木杉「僕はいつでも自前で輝いてるだろうって? まあね、これはちょっと体質だから」
美木杉「それを置いといたとしても素晴らしいよ。……ほんとうに、」
美木杉「嬉しい」
絹江「…………」
美木杉「嬉しいよほんとに」
絹江「…………」
絹江、恥ずかしそうな表情 少し疲れが見える
美木杉「いつまでもずっとこの喜びをかみしめていたいもんだが、時計を止められないものだから、次のイベントだ」
美木杉、絹江の左手を取り、その薬指に指輪を通す
美木杉「……永遠の愛を誓います。どうか、僕と一緒に、幸せになってください」
絹江「…………」
パチッ(絹江、目を閉じる、了承の意)
美木杉「この世のこの瞬間の幸せはきっと僕が独り占めしているんだろうね」
美木杉「生まれてきてよかったっていう純粋な感情は一体どれだけの人間が一生のうちに感じれるものなのかな。少なくとも僕は初めて感じるもんだ」
美木杉「愛している」
絹江「…………」
美木杉「愛してるよほんとに」
絹江「…………」
絹江、照れた表情 はっきりとかげりが見える
美木杉「いつまでもずっと愛をささやいていたいもんだが、どうやら君の体力の方が限界を迎えてきたらしい。次のイベントだ」
美木杉、絹江の口元を覆う呼吸器に手をかける
美木杉「なんだかんだ言って、僕らは愛の接吻すらそう多くは交わさなかったね」
美木杉「美しいヴェールをめくって、とはならないことは惜しいが、そう大事なことじゃない。大事なのは気構えだ」
美木杉「どうか君に、いつまでも変わらない愛を、」
美木杉「…………」
絹江「…………」
美木杉「あの、すまない。目、つむってくれないか。僕はこう見えて照れ屋なもんだから」
絹江、少しだけ微笑んで、両目を閉じる
誓いのキスを交わすふたり、少しあって生命維持装置が長い音を続けて発する
集中治療室のドアが開き、外には黄長瀬紬が立っている
紬「……礼を言う」
美木杉「…………僕は、僕の責務を果たしたまでさ、」
紬「…………恩に着る、」
美木杉「そこまで言うなら勝手に恩を感じてろよ、我が、新しい弟、……」
ふっと脱力し頽れる美木杉と、その脇を支える紬
紬「…………」
紬「誰よりも姉自身が、自分がもう助からないことを理解していた」
紬「美木杉は最後まで奇跡を待つと言ったが、姉の心身は限界だったし、俺は姉の意志に従うと言った」
紬「…………纏博士が、最後の意思確認をしたとき、姉は、どうかその延命装置を取ってくれと、そう伝えた、」
紬「人工呼吸器を外すことは、本来の医療機関のもとでは許されていることではないが、このヌーディストビーチの医療班はまた特殊な機関であることだから、纏博士の判断が最優先する」
紬「俺は、本人の望む通り、美しいまま恋人のもとで一生を終えたいという姉の願いを、叶えたかった」
紬「美木杉がどう考え、どう悩み、どう苦しんだかは俺には分からない。どうあれ、どんなのっぴきならない事情が重なったとしても、俺はこの男に、姉の命を失わさせたんだ」
紬「この男にとっては、何よりもつらい行動を強いたんだろうな、」
紬「ただこれは、この男にしかできなかったことなんだ、」
紬「俺が頼まなければ、この男もこんなことはしなかっただろう。最後まであきらめず、苦しみながらでも、」
紬「…………」
紬「このことは、本当に正しかったのか、」
紬「ただ、姉は最後まで、希望を捨てない女だった」
紬「俺と美木杉、そして姉がのこして行ったすべての希望が、どうかこの世界を」
紬「いつの日か、救うことを」
終わり
纏流子「…美木杉、聞きたいことがある」
流子「…これは何だ」
美木杉「何って…僕の部屋着だけど?」
流子「いや、そりゃぁ見ればわかるんだが…。基本半裸のお前が、なんでこんな物持ってんだって聞いてんだよ」
美木杉「半裸って…今日はまだ脱いでないだろう?」
流子「けっ。どうせすぐ脱ぎだすんだろ」
美木杉「……脱いでほしいの?」
流子「っんな訳あるか!」
美木杉「その前に、僕も君に一つ聞きたいことがあるんだが…」
流子「あんだよ」
美木杉「…どうして僕の部屋の段ボールを漁っているのかな?」
流子「決まってんだろ。父さんの情報探してんだ」
美木杉「君の目標は、すでに達成されていたと思うんだがねぇ」
流子「仇は討った。…でも、まだわからないことがある。どうしてNBなんてふざけた名前なのか、どうして手足じゃなく胸とヘソと尻を丸出しにしなきゃならなかったのか…」
美木杉「…そればっかりは、僕にもわからないねぇ。僕は繊維の開発には関わっていたけど、神衣に関しては知らないことが多い…」
流子「その言い訳は聞き飽きた」
美木杉「残念だがそれが事実だ」
流子「知らないから話せねぇっつーんなら、知ってることを全部教えてもらおうじゃねぇか」
美木杉「教えられる範囲ならいいだろう。…何が知りたい?」
流子「じゃぁまず一つ。…父さんは、お前から見てどんな人だった?」
美木杉「……流子くん、それって」
流子「悪口でも何でもいいんだよ。さっさと答えろ」
美木杉「…前にも言ったが、たいした研究者だった。発想、技術、そして地道な実験を正確に精密に行える几帳面さ。どれをとっても右に出る者は居なかった」
流子「……」
美木杉「口数も少なかったし、常に研究に没頭していたからね。…僕にも、そういうことしかわからない」
流子「…そうか」
美木杉「…ああ、そういや、仕事以外のことも話していた。君のことを少し、ね」
流子「父さんが?」
美木杉「なんの前置きも脈絡も無く、『…そういや、娘がな。…かけっこで、一等になったんだ』って呟いてね」
美木杉「にやっと笑って、その話はそれっきりさ。今でもはっきり思い出せるよ…驚きすぎて誰も何も言えなかったけど…」
美木杉「このくらいしか話せないんだけど…いいかな?」
流子「…うん」
流子「……」
流子「…次の質問に移らせてもらう」
美木杉「…え、まだあるの?引っ越し準備で忙しいんだけど」
流子「…お前、一体何のために戦ってたんだ?」
美木杉「決まってるだろう。人類の未来のため、さ」
流子「そんな御大層な理由で戦うような奴だったのかい?」
美木杉「そうだよ。僕たちヌーディスト・ビーチはそのために戦っていた…」
流子「てっきり、他にもなんか理由があると思ってたよ。重役なのに単身スパイしてるし」
美木杉「まぁね…いくらスプレンディッド・ネイキッド・オフィサーでも、本部からの指令があっちゃぁしょうがないからね…」
流子「だったら、NBってのも目茶苦茶な組織だなぁ…」
美木杉「…あー、どういう意味かな?」
流子「単刀直入に言わせてもらおう。…戦いっぷりを見る限り、美木杉、お前は相当弱い!二つ星の連中とどっこいどっこいってとこだ。変態モヒカンの方がよっっぽど強かった!」
美木杉「あー…だから何かな?」
流子「…そんな奴が、敵の本拠地である本能字学園に単身で潜り込むなんざぁ、ほとんど自殺行為じゃねーか。工作もバレバレだったらしいしなぁ」
美木杉「あまり強すぎても、それはそれで警戒されてしまうからねぇ…僕は変装すれば目立たないし、ご覧のとおり何を考えているのかわからないからうってつけだったって訳だ」
流子「…皐月が泳がせてくれてたからよかったものの、そうじゃなかったらどうする気だったんだよ」
美木杉「そしたら、本部から別の人員が補充されるだけさ」
流子「…そしたら、私の担任がお前じゃなかったっつー可能性もあった訳だ」
美木杉「そりゃもう、大いにあったよ。でもまぁ、僕が最初で最後の潜入員だったからねぇ。『前任の教員が生徒会に処刑されてた』とかいう事はないから安心したまえ」
流子「…想像はしていたが、やっぱりお前の立ち位置、危なかったんだな」
美木杉「いやぁ内心ひやひやしてたよ…」スルッ
流子「…なぜネクタイを外す」
美木杉「人類の未来のためなら、多少の犠牲は仕方がない…それが、例え自分自身だったとしてもね…」スルスルスル
流子「…服脱いでごまかしてんじゃねぇよ」
美木杉「真面目な話をしようとすると…なぜか脱ぎたくなるんだなぁこれが…」
流子「本心を隠してる分、身体の露出を増やしたくなる。…そういうことか?」
美木杉「……流子くん…」
美木杉「それは考え過ぎじゃないかな。僕は脱ぎたくて脱いでいる」
流子「そうか。やっぱりただの変態だったか」
流子「…もう一つ聞きたいことがある」
美木杉「どうぞ」
流子「この服は一体何なんだ!」
美木杉「そんなに気になることかい流子くん?」
流子「服が無いのならまだしも、あるんなら着てやれよ。服が可哀想だろうが」
美木杉「……そうだな、着ようか」
流子「えっ」
美木杉「どうした流子くん。着て欲しくないのかい?裸の僕を見ていたいとか?」チャキッ
流子「…寝言は寝て言え」
美木杉「……僕のブリリアントな乳首にハサミを突き付けるのは止めたまえ…!」
流子「てっきり詭弁を並べ立てて裸を正当化するものかと思っていたが…どういう風の吹き回しだ!」
美木杉「おいおいなんて言い草だぁ。僕だって、脱ぎたい時もあれば着たい時だってある。それに、戦いが終わればヌーディストも卒業だ。着ようとは思っていたんだよ。…今なら、袖を通せる気がするんだ…」フルフル
流子「なんだって『服を着る』ことに対してそんなに抵抗があるんだよお前は…」
美木杉「…いやぁ…くたびれたシャツ以外の服を着たのは久しぶりだよ…」
流子「…つまり、今まで教師のカッコと裸だけで過ごしてきたってことか」
美木杉「さすがに、冬場はきつかったよ…。ヌーディストも楽じゃない…」
美木杉「っていうか、よく考えたらこの服秋服なんだよね。この時期には暑すぎるくらいさ。すごい脱ぎたいんだけど」
流子「脱ぐなよ!?…それに、まぁまぁ似合ってるじゃねーか。もっといろいろ着りゃあいいのに」
美木杉「元々服を『着る』という行為があまり好きじゃないからね…」
流子「お前そのうち逮捕されるぞ…。…しっかし、だったら尚更、なんで服なんか買ってんだよ」
美木杉「いいや、買ったのは僕じゃないよ」
流子「……ま、まさか母親とか…?」
美木杉「フィアンセだよ。僕のフィッアーンセが選んでくれたんだぁこれはプレゼントなんだよ流子くん」
流子「…美木杉お前、見栄張るにしたって彼女くらいにしとけよ…婚約者って…」
美木杉「おや、信じていないようだねぇ…」
流子「お前が誰かと結婚したら信じてやるよ」
美木杉「…残念だがそれは無理だ……彼女は行ってしまったんだよ。僕の手の届かない遠くへ…」
流子「逃げられてんじゃねーか!…まぁそれ以前に、どうせ嘘だろうけどな」
美木杉「決めつけるのはよくないよ流子くん!」
流子「…最後に、もう一つ質問がある」
美木杉「…なんだい?」
流子「……ヌーディスト・ビーチって名前を考えたのはどいつだ」
美木杉「…僕だ!!」
流子「やっぱりな!そうだと思った!」
美木杉「というか、それを聞いて一体どうするんだい流子くん」
流子「よかった…これで父さんだったら、両親とも変態になるとこだった…よかった…!」
美木杉「そんなに喜ぶことなのかい流子くん」
流子「ありがとう美木杉…これですっきりした!変態はお前とモヒカンだけだった!」
美木杉「なぜだろうお礼を言われているのにちっとも嬉しくない」
流子「って、もうこんな時間じゃねーか!遅れると皐月にどやされるんだよ…。じゃーな美木杉!」扉ぱたんっ
美木杉「あー、気を付けて帰りなよー…」
美木杉「…本当なんだけどな……」
―鬼龍院邸-
皐月「――遅いぞ流子!どこに行っていた!」
流子「んなもん私の勝手だろ!」
皐月「…まぁいい。今日は苺のショートケーキだ…心して頂けっ!」
流子「おお・・・なんか高級っぽい感じがする…!」
皐月「普通のケーキだがな」
流子「マコにも持ってってやりてーなぁ…。なぁ姉さん、半分タッパーで持って帰っていいかな?」
皐月「案ずるな。ちゃんと満艦飾一家の分も箱で用意してある」
流子「さすが鬼龍院皐月…抜かりはないということか…」
皐月「…ではご褒美のケーキのために、今日も頑張って覚えろ」プリント どさっ
流子「…へーい」
皐月「その前に前回の復習だな」プリント どさっ!
流子「…姉さん、なんで勉強会なんてする必要があるんだ…?」
皐月「ふん。仮に就職するにしても、英語や一般の教養は生活するうえで必要だからな」
流子「へいへい…」
皐月「はいは一回」
流子「はーい」
皐月「伸ばすな!」
流子「――るっせぇな!偉そうなんだよいちいち!」
皐月「ふっ…お姉ちゃんだからな!」
流子「姉貴面してんじゃねぇー!!」
―スラム街―
流子「…遅くなっちまった。…皐月のやろー、できるまで帰さないとか言い出しやがって、ったく…」
流子「…ん?あそこの飲み屋……」
黄長瀬「……」
美木杉「……珍しいじゃないか、紬。君から飲みに誘うなんて」
流子(…なんだ?なんか、緊迫した雰囲気みたいに思えるが…)
黄長瀬「…二つ、良いことを教えてやろう。一つ、誘っといてあれだが俺はあまり金を持ってない。二つ、ということで割り勘で頼む」
美木杉「年下からは、たからないよ…」
流子(……盗み聞きなんて、趣味じゃねーけど…でも、あいつら、まだ何か隠してる気がするんだよなぁ…)こそこそっ
黄長瀬「……お前、他の服は着ないのか」
美木杉「同じのを何枚も持ってるんだ。ちゃんと洗ってるよ…」
黄長瀬「…そうか、ならいい」
流子(…なんだこのやりとり)
黄長瀬「」煙草 フゥー・・・
黄長瀬「…これから、どうする気なんだ?」
美木杉「研究者として働くのは難しそうだからねぇ…。どこかで教鞭でも取るか、それともストリップバーでバイトでもするか…」
黄長瀬「…美木杉」
美木杉「……わかってるよ。言いたいのは、絹江さんのことだろう?」
流子(きぬえさんって…確か、モヒカンの姉貴で、生命繊維に殺されたっていう…)
黄長瀬「…美木杉。まさかお前、まだ姉貴のこと」
美木杉「おいおい、君ほどじゃぁないよ、紬。ただ…」
美木杉「…今でも、ふと、隣にいるように感じる時があるんだよ」
黄長瀬「……そうか」
流子(…?…こ、このやりとり…。ま、まさかな…)
美木杉「ふっ…。僕が絹江さんと婚約したころは、あんなに」
――どんがらがっしゃぁーんっ!
黄長瀬「何者だ!」ジャキッ
しーん…
美木杉「……誰も居ないみたいだけど」
黄長瀬「一瞬だが、気配はあった。逃げられたか…?」
流子(……。お、驚いた…。まさかあの露出狂と婚約する人間がこの地球上に居たなんて…)
――『驚きすぎだ流子』
流子「うっせ――」服ぐいっ
流子「……」
流子「…気のせい、か…」
流子「…そういやお前は、もうここには居なかったな。鮮血…」
マコ「あっ、流子ちゃーん!」
流子「お、マコ!それに、又郎にガッツも」
又郎「ガッツの散歩してたんだよ、流子の姉御!」
ガッツ「ガッツガッツゥ!」
マコ「…あれ?流子ちゃん、その潰れた箱なぁに?」
流子「えっ、――あー!…ケーキ潰しちまったぁ…」
翌日:美木杉の部屋
流子「……」
美木杉「……ええっと…何の用かな流子くん」
流子「…聞きたいことがある」
美木杉「昨日もそれ言ってたよねぇ」
流子「お前は服を脱ぎたいのか、着たくないのか、どっちだ?」
美木杉「…質問の意味が、よくわからないなぁ」
流子「嘘つけ!わかってるだろ」
美木杉「……ふっ」ファサッ!
流子「だから、脱いでごまかすなっちゅーに!」
美木杉「その質問に対する答えは…。強いて言えば、両方、かな…」スルスル
美木杉「脱いで自分の裸を人に見せたいし、着ることによって裸よりもオシャレになる服はそうそうないからねェ僕の場合は!」
流子「うっわ何て野郎だ!――って、だぁからそうじゃなくてだなぁ、」
美木杉「そうじゃなくて…どうなの?」
流子「うっ…!え、えっと…その」
美木杉「…?」すすすっ
流子「…その恰好のまま近づいてくんじゃねぇ刻むぞ」チャキッ
美木杉「おお怖…」
流子「…ええーっと…その、だからだなぁ」
美木杉「…告白?」
流子「違ぇよ!!」
美木杉「じゃぁ何?」
流子「…………」
美木杉「………」
流子「…ああーもう!まどろっこしいのは止めだ!――おら美木杉ぃ!」
美木杉「なんだね?」
流子「お前はいつから露出狂なんだ!」
美木杉「随分と思い切った質問だねぇ流子くん」
流子「そして、露出狂になった理由は何だ!?」
美木杉「…それは、話せば長くなる」
流子「…構わねぇさ。全部聞いてやる」
美木杉「……わかった。すべてを話そう…」
美木杉「―――えー、今から約一万二千年前、地球に到達した原初生命繊維は人類の進化を促し」
流子「どこまでさかのぼる気だてめぇは!!?」
美木杉「あー、どうせなら人類誕生からベルリンの壁崩壊までをおさらいしてあげようかと思ってねぇ」
流子「わざわざ先公モードになってたからおかしいと思ったんだよ!お前自分のこと話す気ねぇだろ!」
美木杉「…僕のことが知りたかったのかい?流子くん…じゃぁ教えてあげよう、君の身体にn」ビリッ
流子「よしわかった。そんなに逝きたいんなら逝かせてやるよ」ハサミ ヒュンヒュン
美木杉「…字が間違ってるよ、流子くん。それだと行きつく先は三途の川だ」
流子「間違ってるのはあんたの常識の方だぞ聖職者」
美木杉「もう教師は辞めてるよ」
流子「そういやそうだった」
流子「……」
美木杉「……」
美木杉「…えーと、結局何がしたいんだね君は」
流子「…気になるんだよ」
美木杉「僕のことが?」
流子「その服。ちゃんと着てやらねーと可哀想だろ」
美木杉「?昨日、着てたじゃないか」
流子「お前はその服をまだ着てやってない。着られてるだけだ」
美木杉「…ええーっと…?」
流子「服を着てる時、みょーに心を閉ざしてるんだよお前は…。取って食われるわけじゃないんだ、もっと安心して素肌を任せりゃいいんだよ」
美木杉「…それはきっと、僕が美しすぎるからさ…!裸がベストの僕にとってはね、服は異物でしかないんだよ…」
流子「いーや違うね。私にゃわかるんだよ。お前が服を拒んでる理由はそうじゃない。お前は服を警戒しすぎてる」
美木杉「…君には関係ないだろう流子くん」
流子「ある」
美木杉「…ほう」
流子「私は服でもあり、人でもあり、どっちつかずの存在だぁ。――同じ『服』が着られもせずにほつれていくのを見るのは忍びないんでねぇ」
美木杉「いつから服に感情移入するようになったんだい?」
流子「あんたが鮮血と引きあわせてくれた時からさ」
美木杉「……この服は鮮血くんとは違うよ。ただの服だ」
流子「あんたにとってはただの服じゃないんだろ?」
美木杉「…なんか、流子くん。キミ急に鋭くなってない?」
流子「皐月の勉強会のおかげかもな」
美木杉「さすが皐月お嬢様だ。人を伸ばすのもお上手」
流子「本当なんだろ。例の、婚約者の話」
美木杉「あれ?信じてくれてたんだ」
流子「…いっっつも、自分のことでも、他人事みたいな言い方しやがって…」
美木杉「それもスパイのたしなみだよ」
流子「もう戦いは終わったろうが。…いつまで潜入してる気なんだよ…」
美木杉「…?流子くん、…もしかして昨日盗み聞きしてたのって」
流子「……帰る」フイッ
美木杉「あ、流子く」
扉 パタンッ
―鬼龍院邸―
皐月「――今度は早すぎるぞ流子!時間通りに来れないのか!」
流子「姉さん、ちょっと相談があるんだが…」
皐月「…ほう、相談、か…。言ってみろ」
流子「なんかさ、その、生命繊維のごたごたのせいで、『服が着れない病』になった人が居るとするだろ?」
皐月「…流子の『制服着れない病』なら覚えているが」
流子「なんで知ってんだてめぇ!?」
皐月「あれだけ目立っていたお前があれだけ休めば、普通は原因を調べるだろう。犬牟田に満艦飾マコの会話を盗聴してもらって、情報を入手したんだ」
流子「…その話は後でケリつける。…あの、あれだ。こ、婚約者?を生命繊維のごたごたで失った人が居たとしてだ」
皐月「ああ、美木杉さんか」
流子「なんで知ってんだてめぇは!?…私だけか?知らなかったのは私だけか!?」
皐月「…落ち着け。犬牟田に美木杉さんの素性を洗ってもらっているうちに、同棲していた女性が居たことがわかってな。さらに調べていった結果、その女性がかなり不自然な亡くなり方をしていたのでな、そういうことかなぁ、と」
流子「……まぁ、知ってるんなら話が早い」
皐月「『服が着れない病』なのか、美木杉さんは」
流子「わかんねー。ただの変態なのかもしれないけど…」
皐月「確かに、美木杉さんはあまりお洒落をしていないな…。しかし、服が『着られない』という訳ではないのだろう?」
流子「うーん、確かにそうなんだけどさ…『着こなせてない』というより、怖がってるような感じもあるような無いような…」
皐月「…よく見ているのだな」
流子「なんか、今まで単に変態だと思ってた分、理由があったのかと思うとつい気になっちまって…お節介だとは思うんだけどさ」
皐月「流子は、服を着れない辛さも、着てもらえない服の辛さも、親しい誰かを失う辛さも、知っているからな…余計に感情移入してしまうのかもしれないが…」
流子「…?」
皐月「これは美木杉さんの問題だ。流子は関わらないほうがいい」
流子「…そうだよな」
皐月「美木杉さんと、その婚約者との間に何があったのかは知らないし、鬼龍院の一族として、私にも責任はある。何かしてやりたいとは思うが…」
皐月「それでも、変態は変態だ。教え子の前で服を脱ぎ、意味もなく裸を見せつける教師は、常識的に考えて危険だ…!」
流子「え、ちょっと姉さん」
皐月「いや、美木杉さんならまだ、保護者の立場を守ってくれているからいいものの…!他の露出狂にまで『理由があるのかも~』とかってホイホイくっ付いて行くんじゃないぞ流子!」
流子「行かねーよ!!何考えてんだ!」
皐月「今の言い方だとそういう事があってもおかしくないかと思ってな…」ブルッ
流子「ある訳ねーだろ…!!」
皐月「まぁ、いづれにせよ美木杉さんの出発は明日だ…。頼むから一緒に行きたいとか言い出さないでくれ」
流子「言わねーよだから何考えてんだよ皐月」
皐月「…いや、その、お前たち二人が実は恋仲だとかいう噂を聞いてだな」
流子「誰だよそれ言ったの!?」
皐月「…裸の付き合いだと聞いて…」
流子「…姉さん、安心してくれ。私が素肌を預けた相手は、(羅暁と針目のアレを除けば)鮮血だけだ」
皐月「そうか…」
皐月「…流子。わかっているとは思うが、人と服とは結婚できないのだz」
流子「――その話題しつけぇよっ!!!」
翌日
流子「…お、まだ居たか」
美木杉「ちょうど、出発するところだよ」
流子「殺風景になったな、この部屋…」
美木杉「で、あんまり時間もないのだけれど…今日は何の用?」
流子「これ、餞別だ」
美木杉「……これって…」
流子「ああ、防虫剤」
美木杉「……」
流子「無臭タイプだ。服が長持ちする」
美木杉「…え、何で?」
流子「あの服、いつかは着こなしてやれよ。それまで、ダメにならないようにそれで守っとけ」
美木杉「…あー、ありがとう流子くん。大事にするよ」
流子「…じゃぁ、元気でな。美木杉」
美木杉「…君もね、纏君」
美木杉「……服と人とは敵じゃない、ねぇ…。あなたが否定した仮説を、あの子は実証しようとしてくれてますよ、纏博士…」
美木杉「僕も、それに応えなきゃならないんだろうね…」
黄長瀬「…飛行機の中くらい、静かにしてくれ美木杉」
美木杉「あーでも脱ぎたいよ紬…超脱ぎたい」
黄長瀬「止めろよ!?」
美木杉「冗談だよ…。紬、静かにしないと。大きな声を出すと迷惑だろう?」
黄長瀬「お前が言うと冗談に聞こえないんだよ…!」
美木杉「せっかく新しく買った服なのに…着こなせないねぇ」
黄長瀬「…充分だろ。似合ってるよ」
美木杉「………紬…」
黄長瀬「…近い」
美木杉「…機嫌が悪いのかい?」
黄長瀬「時差があるんだ寝させろ…!」
美木杉「…ああ、ニコチンが切れてイライラしてるのか。ガム噛む?」
黄長瀬「…もらおうか」
美木杉「……今年中に」
黄長瀬「ん?」
美木杉「禁煙と服を着こなすのと…両方達成しようと思うんだが…」
黄長瀬「……一緒に禁煙しろと?」
美木杉「今の時代喫煙者に厳しいからね…。喫煙席に押し込められてちゃかっこいいも悪いもないじゃない」
黄長瀬「……二つ、良いことを教えてやろう」
美木杉「一つ、俺は煙草を吸わないと禁断症状が出る。二つ、俺は(睡眠の)邪魔をされるのが嫌いだ」
黄長瀬「…わかってるなら聞くなよ」
美木杉「禁煙した方がいいよ紬。老けるの早くなるんだって」
黄長瀬「知るか」
美木杉「……ねぇ一緒に禁煙しようよー」ファサッ
黄長瀬「……っ!まずお前は脱ぐのを止めろと何度言ったら」
キャビンアテンダント「…あ、あの、お客様」
美木杉・黄長瀬「「!」」
キャビンアテンダント「……他のお客様のご迷惑になりますので、できればもう少し小さな声でお願いします」
黄長瀬「すまん」
美木杉「すまない…気を付けるよ」スルッ
黄長瀬「おい…服も着ろ…!」
キャビンアテンダント「…あの、すみませんお客様」
黄長瀬「ほら困ってるだろ」
キャビンアテンダント「…到着後のご予定に空きはございますか?」
美木杉「…すっかすかです!」
黄長瀬「嘘つけやること一杯あるだろ!」
キャビンアテンダント「では…」
美木杉「○○ホテルに宿泊する予定です…明日の××時なんてどうです?」
キャビンアテンダント「その時間はちょっと…△△時では?」
美木杉「…いいね!」
黄長瀬「俺のセリフをこんな場面で使うな!」
美木杉「いやぁこんなに早く素敵な出会いがあるとは思わなかったよ。念のため手鏡を持ってきておいてよかった」
黄長瀬「…お前姉貴が隣にいる気がしてるんじゃなかったのか」
美木杉「寂しさを紛らわしてるだけだよ紬。どうせ一夜限りのあとくされの無い関係だぁ向こうだってきっとそう思ってる」
黄長瀬「最低だ…!!」
終
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません