小鳥「私はどうしてこんなところに来てしまったのだろう」(50)

アイマスです
主なネタ
・ジョジョ
・ガンダム
では書き込みますねー

小鳥(2X)「プロデューサーさん…」

P「頑張ってくださいね。今回のステージは小鳥さんがメインなんですから!」

春香「そうですよ!みんなで頑張ってフォローしますからっ!」

亜美「そんなこと言って」

真美「はるるんがフォローされてたら元も子もないっしょー」

春香「えぇ!私だって頑張るもん!」

真「そうだね!みんなで頑張ろう!」

雪歩「少し怖いけど……頑張ってみますぅ!」

P「大丈夫ですよ…」

小鳥「はい……!」

小鳥(なんかデジャブを感じるなぁ……昔もこんなこと…………)

小鳥(18)「初めてのしゅ…しゅてーじ!頑張りましゅっ!」

高木「はっはっはっ、そう硬くならずに」

黒井「そうだぞ、肩の力を抜くんだ」

小鳥「はい……」

高木「でも、よかったよ日高君の代わりに君が来てくれて」

黒井「本当だな…彼女の代用は貴様以外いないのだからな」

高木「代用って言葉はよくないぞ。黒井」

黒井「ふんっ」

高木「まだ開演まで数分ある。少し待っていてくれ」

黒井「私はこれから、日高の見舞いに行く。伝言はあるか?」

小鳥「あっ……いえ、『すみません』とだけ、言っておいてください」

黒井「よかろう……。ではな、アデュー」

高木「別に謝ることはないだろう……」

小鳥「いえ……せっかくの合同ライブ私が頂いてしまったんです」

高木「ならば『ありがとう』が普通なのではないのかね?」

小鳥「…」

高木「はっはっはっ、まぁ、気に病むことはない。君が笑顔でないのに誰を笑顔にするというのだね?ん?」

小鳥「そう…ですよね。頑張ります!」

高木「ああ、頑張りたまえ。それと…」

小鳥「?」

高木「このライブが終わったら…いい報告をしよう」

小鳥「?…ありがとうございます」

小鳥(高木さんは数分って言ったけど、30分もあるのよね…飲み物でも買いに行きましょう)

小鳥「なにを飲もうかしら…」

男「…」スタスタ

小鳥「…」ウーン

男「…」ゴソゴソ

チャリーン

小鳥「?小銭が落ちましたよ。はい、どうぞ」スッ

男「あ…あぁ、ありがとうございます」

小鳥「はい、どういたしまして」

男「…」ジー

小鳥「?なにか?」

男「い…いえ、なんでもありません。失礼します」スタスタ

小鳥「なんだったのかしら?」

小鳥「ただいま帰りました」

高木「ああ、お帰り。あと2つで君の番だ。頑張りたまえ」

小鳥「はい」

高木「おっと、そうだった。君に言っておきたいことがあった」

小鳥「はい?」

高木「これから先いろんなことがある。これがたまたま君の第一歩となったわけだが、必要なのは気持ちだ!頑張りたまえ」

小鳥「……はい」

高木「あと一組で君の番だ。私は少しでてくる。気を付けたまえ」

小鳥(気持ちか…)

小鳥(私はまだ新米で何もできないけれど。楽しいって気持ちは伝わるかな…?)

小鳥(どうだろう?)

小鳥(わからない…この場合、日高さんだったらどういう対応をしてただろう?)

小鳥(頭でわかっていても、体が動かないんじゃだめね)

小鳥(でも、やることをやんなくちゃ!)

小鳥(日高さんの分も!)

「音無さん。準備オッケーでーす」

小鳥「負けないわ!」

結果はダメだった
実際何が悪かったわけではない
ただ私の力不足
舞さんとの力量差
ただこれだけ
みんなは最後までよくやったって言ってくれたけど、お客の数に合わないほどの数少ない声援
そう……ミスなんてしてなかった
だからこそ悔しかったのだ

その日を境に高木さんと黒井さんの中が対立し始めた
それじゃあまるで私のせい…
いえ、実際私のせいではあった
そのライブの夜私は高木さんに呼ばれて事務所に来た

高木「待ってたよ」

小鳥「…すみません」

高木「さっきのライブは残念だったねぇ……でも、まだ君は始まったばかりだ。いや、むしろ始まってすらないのかもしれない」

小鳥「……」

高木「そこでなんだが、君に『始まり』をプレゼントしよう。入って来たまえ」

男「はい」

ガチャ

小鳥「あなたは……」

男「さっきはどうも」

高木「おや?もう顔見知りかね?」

小鳥「この方は?」

高木「明日から…いや、今から君のプロデュースをするプロデューサーだよ」

小鳥「でもっ!高木さんは……?」

高木「私かね?……私はしばらくアイドル研究の一環で、スクールアイドルを見てくる。その間だけさ」

P「いつごろ、お戻りになられるんですか?」

高木「そうだねぇ。3か月後くらいまでには帰るよ」

小鳥「えっ!?」

高木「はっはっはっ、一応日本国内だから心配しなくても大丈夫だよ」

P「わかりました。黒井さんは?」

高木「黒井は日高君のプロデュースに専念するようになっているよ」

小鳥「…」

高木「なぁに、心配することはないさ。このプロデューサー君はきっと君にとっていい道を提示してくれるよ」

P「頑張ります」

高木「では、今日はここまでだ。解散にしよう」

P小鳥「「はい」」

後日
P「では、改めて自己紹介させてもらおう。プロデューサーのPだ」

小鳥「音無小鳥です」

P「では、この間のライブについて」

小鳥「…」ビクッ

P「なぜ…手を抜いた?」

小鳥「え?」

P「高木さんや黒井さんの眼はごまかせても俺はそうはいかない」

小鳥「いえ、一生懸命頑張りましたっ!」

P「いいや、嘘だね……なぜ嘘をついてるかは知らないが、ひとこと言わせてもらおう」

小鳥「なんですか?」

P「あの笑顔は、会場の人に向ける笑顔ではなかった」

小鳥「……っ」

P「なぜ、会場の人たちが盛り上がらなかったか教えてやろうか?」

小鳥「い…や…」

P「それはなぁ!お前の笑顔にうしろめたさしかなかったからなんだよッ!」

小鳥「……」ボソボソ

P「なにが言いたい?」

小鳥「私の何を知ってるっていうんですか!?ほぼ初対面のくせにッ!」

P「……」バチーン

小鳥「!?」ヒリヒリ

P「知るわけないだろ!まだ名前しか知らないのにッ!」

小鳥「じゃあ、どうすれば……どうすればいいのよ…」

P「そんなの、簡単だ」

小鳥「……?」

P「これから強くなれ」

小鳥「どうせ、私の歌を聴いても心に響かないわ」

P「響くかどうかは、お前次第だ」

小鳥「……」

P「心のないロボットのようなよく通る声や動き、表情なら、つくってやる」

小鳥「…」

P「だがな、お前の心で歌う歌だけはな、お前しか作れない。わかったな」

小鳥「はい……」

P「基本はできてるんだ。心配するな」ニコッ

小鳥「プロデューサーさん!」

P「よし!いい調子だ!これからよろしくな音無」

小鳥「はい!」

そこから私の地獄のようなレッスンは始まった
プロデューサーさんは「基本はできているし、ボーカル、ダンス、ビジュアルともに問題はない」と言っていた
だが、私の一番の欠点
体力がないのだ
そこを埋めるために体力づくりをさせられた
毎日の厳しい練習
「基礎ができていても伸ばさないと意味がない」と言ってやらされるレッスン
もう嫌になることなんていくらでもあった
だけど、そんな練習の成果もあってか営業で立ちっぱなしでもへっちゃらになり、撮影も楽になった
そして、いよいよ合同ライブがやってきた
対戦相手はなんと、あの日高舞さんだ

私は過去のライブが目の前に映った
最前列の何人かは別のユニットの話をし始め、真ん中の方の人はほとんどサイリウムをふらない
そして、奥から順番に退出を試みる人たち
考えただけで吐き気を催しそうで頭をハンマーで殴られた気分になった
だが、そんなときあの人の声が聞こえた気がした
「これから強くなれ」
この言葉が私を支えてきた
そして今
私の番が来た

P「音無、準備はいいか?」

小鳥「はい……」

P「どうした?浮かない顔だな」

小鳥「すみません……気分が悪くて」

P「……」

P「…ちょっと腕出してみろ」

小鳥「?……はい」スッ

P「……」スッ

小鳥「私の腕をつかんで何を……」

P「ふんっ!」グッ

小鳥「痛ッ」

小鳥「な…なにするんですか!?本番前ですよ!」

P「だからこそやった。今思いっきり腕を握ったのは俺の気持ちだ。帰ってきたら数倍返しにして俺にぶつけろ。いいな?」

小鳥「…ふふっ」

P「なにがおかしい?」

小鳥「プロデューサーさんって結構心配性なんですね」

P「ああ…だからこそ、確実に勝ちたい」

小鳥「頑張ります」

「音無さん準備いいですかー?」

P「ほら、およびだぞ」

小鳥「はい!…プロデューサーさん!」

P「?」

小鳥「絶対に数倍返しにしますからねっ」

P「ははっ。楽しみにしておくよ」

「音無さん入りましたー」

小鳥(私だってできるんだから!)

幕が上がった
私はできるそう思った
だが、その時私は見えた前回の光景が
そして、何よりも
日高舞自身が私の歌うところを最前列で見ているのを
その眼は冷たく私の心を突き刺すようだった

曲は始まった
私はその場で立ちすくんだ
頭が暑くなってそれとは裏腹に体は冷たく感じる
私はその時感じた
「もう歌えないのかもしれない」
そして、負の連鎖が頭の中で巻き起こった
「私の歌なんて聞きたい人なんていない」
「そのうちプロデューサーさんが曲を止めてくれる」
「みんな優しいから私をかばってくれる」
そんなことを考えていたら曲の最初のサビに入ろうとした瞬間
腕が締め付けられるように痛くなった

すごく痛かった
腕が熱くなり「ギュッ」っと締め付ける
その時プロデューサーさんの声がした気がした
プロデューサーさんのほうを見てもプロデューサーさんはジッとこっちを見るだけ
曲も止めない
そんなとき腕の痛みがピークに達したとき
頭の中で何かが割れた気がした

その感覚があった瞬間
私は不思議とさっきまで熱かった頭は冷えて
ぼやけた視界は鮮明になり
体の硬直は、鉛が体から落っこちるように軽くなった
気づいたら私は笑顔で踊っていた
これまでにない笑顔、声、ステップ
息遣いまできれいに
まるで別人になったかのようだった

そして曲が終盤を迎え最後のステップをきれいにこなしたあと、
私は今までに見たことのない光景を目の当たりにした
それは
「拍手喝采」という言葉が正しく思えるほどの「拍手」
私はこの「拍手」が誰に向けられてる者なのかわからなかった
だが、今自分のやったことを確認してやっとわかった
「この「拍手」は私に向けられているものなんだ」って

P「お疲れ様」

小鳥「はい」

P「なんか、妙に冷静だな。うれしいだろ?」

小鳥「さっきの「拍手」は本当に私に向けられたものなんですか?」

P「どういう意味だ?」

小鳥「そのままの意味です」

P「…」

小鳥「…」

P「だとしたら、すべての拍手がお前の者だ」

小鳥「うれしい……」グスッ

P「泣くほどか?」

小鳥「泣くほどです!」

P「そうだ、約束…」

小鳥「え?……あぁ、いいですよ。そんなの」

P「ダメだ!俺の気がすまん」

小鳥「んー。だったら「小鳥」って呼んでください」

P「え?そんなんでいいのか?」

小鳥「いいんです。それがいいんですよ…ふふっ」

P「おう……じゃ、じゃあ呼ぶぞ」

小鳥「…」ドキドキ

P「ことr」

「アンコール来てますがどうしますか?」

小鳥「…」

P「…」

P「ははは…」

小鳥「ふふっ」

P「じゃあ行ってこい!「小鳥」」

小鳥「はい!」タッタッタッ

黒井「よく育ったじゃあないか。ええ?」

P「俺が成長させたんじゃないですよ」

黒井「ふんっ、よく言う……彼女のためにあちこち駆け回ってたやつがな」

P「ハハハ、でも……彼女はすごい素質を持ってますから」

黒井「そんなこと知っている。私も……高木も……」

P「今回は僕の勝ちですか?」

黒井「ああ、そうだな……だが、次こそは勝つッ!」

P「こっちも負けません!」

黒井「私はさきに帰るからな。アデュー」

小鳥「ふぅ…」

P「お疲れさん」

小鳥「はい」

P「俺は車の用意してくるから着替えたら外に来てくれ」

小鳥「はい、それじゃあ外で」

P「おう」スタスタ

舞「やるじゃない」

小鳥「舞さん」

舞「舞でいいよ。今回は負けたわ」

小鳥「……」

舞「でも、次は負けないわ!」

小鳥「私もです……でも、その前に一ついいですか?」

舞「?なに?」

小鳥「前回のライブではすみませんでした!!」

舞「…」

小鳥「……」

舞「顔をあげて」

小鳥「はい……」

舞「私はね「苦しい努力はしてないけど、楽しい努力はしてるの」」

小鳥「?」

舞「だからね、辛いことは忘れて新しい面白いことをする努力をしましょ?」

小鳥「……はい」グスッ

舞「え?…えっ!な、泣かないでよ…」

P「小鳥ぃ~準備できたかぁ~」

舞「げっ」

小鳥「グスッ」

P「な、なにをするだァ――――ッ!ゆるさんッ!」

舞「こうなったら…逃げるんだよォォォ―――――――ッ!」

そこから私はあのライブ以来すごい勢いで売れるようになった
お仕事も、ライブ、フェス共に毎回「舞」と競い合い
週刊誌からは「IU大賞は日高舞より有力!?」なんてかかれたりして
私はそれでも努力は惜しまなかった
それが認められてかIUに出場できることになったのだ
プロデューサーさんは「IUはいただきだな」なんて言うものだからつい天狗になっちゃったり
そして、月日はめぐりIU前日

P「ただいまー」ガチャ

小鳥「お帰りなさい」ニコッ

P「おう…ってまだ、帰ってなかったのか」

小鳥「はい。一応予定確認です」

P「明日はIUだけのはずだが?」

小鳥「そのIUなんですが…終わったr」

高木「ただいま」ガチャ

P「あっ!高木さん。お久しぶりです」

小鳥「…」ジー

高木「なんだね?」

小鳥「いいえなにも」プイッ

P「こらこら、高木さんに失礼だろ?」

小鳥「知りませんっ」

高木「はっはっはっ、構わなんよ。それに、いい話を持ってきた」

P「いい話ですか?」

P「俺が?」

小鳥「ハリウッドですか!?」

高木「そうだ。一番は音無君をたった数ヶ月でIU優勝候補に挙げられたことがハリウッド関係者の目に留まったらしい」

P「すごい唐突ですね…」

小鳥「あわわわわわわ」オロオロ

高木「唐突ついでにハリウッドへ行く手続きの書類も持ってきたどうだね?」

P「実際なら少し考えるのでしょうけど、せっかく高木さんがくれたチャンスです!ぜひ、行かせてください!」

小鳥「ですが、プロデューサーさんっ!」

P「大丈夫だ。敏腕プロデューサーになって帰ってくるさ」

小鳥「そうじゃなくて……」ボソボソ

高木「では、この書類を全部書いたら、明日にでも出すとしよう」

P「はい!」

高木「私は長旅で疲れたからもう帰る」

P「はい。お疲れ様でした」

ガチャン

P「……」

P「いよっしゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

P「俺がハリウッドに行けるなんて!」

小鳥(プロデューサーさん…あんなに嬉しそう……これじゃ、引き留められないじゃない。バカ)

P「小鳥!本当にありがとう!お前のおかげでここまで来れた!」

小鳥「いいえ、違いますよ。プロデューサーさんの実力です」ニコッ

P「ありがとな…ほんとに」

小鳥「いえ」

P「無理して笑わなくてもいいんだぞ」

小鳥「……っ」

P「本当にお前は顔に出るな」

小鳥「そ、そんなことないですよ…」

P「ほら、顔を上げてみろ」

小鳥「?」

P「こんなに涙溜まってるのに、説得力がないな」

小鳥「だって、だってぇ」グスッ

P「すぐにいなくなるわけじゃあないんだからさ……それに」

小鳥「?」

P「いや、これはまだいうべきじゃないな」

小鳥「えっ!そこまで言っておいて!」

P「ハハハ、ごめんごめん。だけど大丈夫だ…俺はいなくなったりしない。それにハリウッドなんてすぐに俺の実力見せて帰ってきてやるよ!」

小鳥「プロデューサーさん…」ジワッ

P「だから!泣くなって!」

IU当日
P「準備はできてるか?」

小鳥「はいっ!」

P「じゃあ、今日も頑張って行くぞー」

小鳥「オー」

男「…」フラフラ

小鳥「?」

P「小鳥ぃー早く楽屋入りしろー」

小鳥「!はいっ!今行きます!」

ワーワーギャーギャー

小鳥「?どうしたんですか?」

P「いや……小鳥と日高さんどっちがIU優勝できるかって言うことを高木さんと黒井さんが口論してるんだよ」

小鳥「あはは…」

P「そうだ!小鳥の衣装にいいものを買ってきた」

小鳥「え?」

P「このペンダントを衣装に着けて…はいできた!」

小鳥「あら…可愛いですね」

P「お前のために頑張って選んだんだぞー。感謝しろよ」

小鳥「はい…えへへ」ドキドキ

P「IU次、小鳥の番だぞ」

小鳥「はい、行ってきます!」

P「小鳥!」

小鳥「はい?」

P「自分を見せて来い」ニコッ

小鳥「はい!」ニコッ

男「…」フラフラ

P「?」

(よし!いつもの調子で歌うのよ。小鳥!)
そんなことを考えながらステージに立った私は今まで見た世界とは全く違う光景を目の当たりにした
(こんなにたくさんのアイドルが私を見ている)
そんな状況に一瞬おののいたが
すぐに正気に戻りプロデューサーさんがくれたペンダントをチラリとみて息を深く吸った
今日ですべてが終わる
いえ、今日からすべてが始まる
そう考えた瞬間今までのまだ短いアイドル人生がすごく長く感じた
その中で一番大きかった存在を確認した
プロデューサーさんは笑ってくれた
それだけでもう力が湧いてくる
これならいける!
曲が流れた瞬間……

男「ウリャ――――――お前を殺してやるッ!」

ナイフを持った男がこっちに近づいてくる。近くにいた人たちはさっきの声で逃げ出し、男に道を作った

小鳥「え?嘘…こっちに近づいt……」

(男のナイフが私に刺さった。もう助からない)と、思った瞬間
前に人がきてその人の心臓を突き刺した
その人は、男のナイフを食らいながらも男に向かってなぎ倒した
男はテーブルの角に頭をぶつけ倒れた

P「ぐっ…うぅ……かはッ…!」

小鳥「プロデューサーさんッ!」

私を護ってくれたのはプロデューサーさんだった

小鳥「プロデューサーさんッ!」

プロデューサーさんはうずくまりながら頑張って息をしている
刺さったナイフを抜いて男とは反対側の方に投げた
その傷口は痛々しいものでとても見てられない
私は何かできないものかとテーブルクロスを引きちぎってプロデューサーさんの傷口にあてる
それから私は救急車を呼んでプロデューサーさんの介護をしようとしたとき
男が立ち上がった
男は近くにあった料理用のナイフを持ってこっちに来る

小鳥「いや…ッ!来ないでッ!」

男が私の腕をつかんだ
(このまま殺される)
そう思った瞬間

P「オラァッ!」

近くにあった堅そうな椅子を思いっきり男の頭にぶつけた
男はあっさり倒れた
だが、プロデューサーさんの体力も相当限界みたいでその場に倒れこんでしまった
ちょうどのタイミングで救急車の音が聞こえてきた

小鳥「プロデューサーさん!救急車きましたよ!大丈夫ですからね!」

プロデューサーさんはピクリとも動かない
来た救急車は応急処置しながらプロデューサーさんを連れて行った
冷徹なほど冷たい空気がこの場を通った気がした
誰かが近づいてくるがもはや気にならなかった

舞「大丈夫…?」

小鳥「私が…私が殺した……プロデューサーさんを…私が……」

舞「まだ、死んだわけじゃないかもよ?」

小鳥「私が…私がッ…あぁ……」

舞「…」

「私がアイドルなんかやっていたせいでプロデューサーさんを殺した」

「ピー」と耳障りな音が病室に響く
医者は黙って高木さんに向かって首を横に振った
高木さんは「少し席を外すよ」と言って医者と一緒に外に出ていった
その時私の心は決壊したダムのように流れていった
「俺はいなくなったりしない」って言ったのに
そんなわがままもむなしくなる静寂にいらだった

小鳥「もう駄目かもしれない」

私には人を笑顔にすることはできない
そして、私はアイドルになることをやめた

小鳥(2X)(駄目ね私。もう、ステージには上がらないって決めたはずなのに…)

P「音無さん!ちょっといいですか?」

小鳥「はい?」

P「腕を見せてください」

小鳥「?……はい」

P「……」スッ

小鳥「ビクッ」

P「…すみません。衣装に糸くずがついてまして」

小鳥「え?あぁ…ありがとうございます」

「本番始まりまーす」

P「みんな!」

全員「はい?」

P「自分を見せて来い!」
P『自分を見せて来い』ニコッ

小鳥「え…?プロ……デュー……サーさん……?」

幕が上がった
その奥にあった光景は
私の中のトラウマであるプロデューサーさんの死体
逃げ惑う人々
プロデューサーさんを刺した男の姿
これらが頭の中で混ざって
頭を熱くさせた
視界はぼやけ、体は硬直する
自分でも忘れたと思い込んでいたものがここにきてすべて出てきた
あの時は腕のおかげで何とかなったけど今回は何もない
(やっぱり私には無理なんだ)
そう思った時

春香「君が遠い街へ」

真「旅立つこと知った日は」

雪歩「少し肩が震えた」

春香ちゃんたちが歌ってくれていた
その瞬間昔あったあの感覚が再びよみがえる
頭の中で何かがはじけた音がした
頭は冷え、視界がクリアになり、体が軽くなる

亜美「緩やかな坂道」

真美「登り切った公園で」

美希「少し涙溢れた」

(プロデューサーさん…私、こんなに頼もしい仲間ができました…見てますか?」

千早「恋?まさか」

やよい「じゃあ何?」

その時小鳥の眼には不思議な光景が見えた
逃げ惑っていた人たちはサイリウムを振り
殺人鬼は無垢な子供に還った
そしてプロデューサーさんはいつも私を見ていた舞台袖の端でこっちに笑いかけてきた

伊織「気づかない振りは」

あずさ「もうできなくなってた」

次第に、プロデューサーさんの影は消えていった
そして………

小鳥「行かないでって言えないよ」

きっとプロデューサーさんは最初からわかってたんだと思う

小鳥「君が選ぶ道を進んでほしいから」

わたしが歌うことをそして

みんな「行かないでって言いたいよ」

みんなと一緒に歌うことを

みんな「本当は君の近くにいたいよ」

そして、きっとそれが

みんな「気づかないで」

私なりのアイドルマスターだから

小鳥「ふぅ…」

P『お疲れさん』

小鳥「ふふっ…いつもそばにいてくれてありがとうございます」

ガチャ

P「音無さん!アンコール来てますけど出られます?」

小鳥「ええ!もちろん。今日は頑張っちゃいますよー」

P「ん?音無さん、そのペンダントは?」

小鳥「ふふっ、内緒です」

end

P.S.

亜美「ピヨちゃーん!ピヨちゃん宛てに小荷物だよ…って寝てる」

春香「静かにね」

亜美「この荷物誰からだろ……?」

春香「勝手に見ちゃだめだよ」

亜美「アー、テガスベッテフクロアケチャッター」

春香「コラ亜美!」

亜美「あれ?CD?」

春香「THE IDOLM@STER って書いてある」

亜美「ますたーぴーす?」

春香「なんのことだろ?」

小鳥「スースー」

m@ster end

これにて終了させていただきます

貴音と響ごめんなさい!

ゲーム発売まで残すとこ3日ですよ3日!

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