とある科学の合成合唱<カンタータ> (30)
――ここは楽演都市だからな。こんな歌は街中のどこでも聴けるよ
――がくえんとし?
注意書き
・スレ立ては初めて。大縄跳びとか苦手だったノリで総合に尻込みしてしまったけど、元々四月一日ネタだったからそんなにスレ消費しないと思う。
・途中で浜面のツッコミが脳内に聞こえたせいで俺はもうこれ以上書ける気はしないけど、設定気に入ってくれた人いたら使ってやってください。
・誤字脱字の指摘は歓迎。変な言い回しとか方言とかあったら教えてください。
・設定的に再構成するのは無理があった。原作を超特急で飛ばしたみたいになってる。
・原作に描写がある以上のカップリングとかは多分ない。上条爆ぜろ。
・専ブラじゃないのでゆっくり投下。
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「私の歌を聴けーーーーっ!!」
「不幸だーっ!!」
少年は全力で逃げていた。あの電撃姫はテレビの中と外との差が激しすぎる。
「ちょ、だから上条さんが何をしたと」
「この美琴様が本気で歌ってるのに痺れない『人間』がいるのが許せないのよっ!!」
理不尽だ、と上条は夜空を見上げながら思った。この歌姫様の熱狂的なファンも楽演都市の中には存在するらしいが、できることなら代わってほしいくらいである。
上条当麻はこの街に住むレベル0の学生だ。対する少女は、この街に七人しかいないと言われるレベル5の歌姫であり、繁華街を歩いていれば誰もが日に一度はこの少女の歌を耳にするはずだ。最終下校時刻の迫る帰宅ラッシュの今この瞬間だってセブンスミストの辺りであれば、シャンパンゴールドの髪の少女が大画面から笑顔をふりまいて歌っていることだろう。もっとも、上条にしてみれば嘘くさい笑顔にしか見えないわけだが。
「あのなぁ……、歌なんて個人の趣味嗜好とかあるだろ? 誰もが誰もお前の」
「そーゆー話を言ってるんじゃないわよ! アンタ本当に私の声聞こえてんの!?」
「聞こえてなかったら話ができないんですのことよ……」
趣味嗜好の話であってほしかった、と少年は大きく溜め息を吐く。この街は楽演都市と呼ばれる、科学的に音楽を発展させることが主旨の研究機関の集まりだ。本来なら楽器の演奏なども含まれているはずなのだが、レベル分けに考慮されるのはもっぱら歌唱力のみであり奨学金もそれに準じて支給されるので学生間の意識としても、どれだけ難解な楽器を扱えようが歌唱力の無い者は低レベルとして見下される。
古来より音楽には人の心を動かす何かがあると言われている。十字教のミサ、神道の祝詞、礼拝の時を告げるアザーン、宗教に関わる行事の中で歌に準じるものを聴くことが多いのはそのせいだ。ここが普通の歌手養成所であれば、発声練習だの情感豊かに歌うための文学的素地を鍛えるだのという何とも平和な練習風景がうかがえるだろうが、この街はあくまで科学的に音楽を研究している。もちろん上条に現在進行形で喧嘩をふっかけてきているお嬢様なんかは普段から発声練習を欠かさないのだろうが、レベルはそんなものには左右されない。
この街に来た学生はまず能力開発を受ける。血管にクスリを打ち込み、耳から電極を刺し、強制的にトランス状態を作り出す。多くの学生がその催眠状態の中で《自分だけの声》を聴くらしい。どこぞの宗教ならば天のお告げとでも呼びそうなものだが、教師が説明したところによると、そこで聴こえた声が個人の歌唱能力を決めるそうだ。たとえば――
「無視すんなーーーーーーーーっ!!!」
少女がヒステリックに叫んだ瞬間、周囲を歩いていた人間の携帯電話が不穏な音を立てた。商店街の有線放送が途切れる。
「どうよ、これだけやればいくらアンタだってむがっ」
上条は慌てて得意げな中学生の口を押さえた。不幸中の幸いか近くに警備ロボットはいないようだ。周囲の人々が歩き去るのを待って肩を落とす。
楽演都市で開発される歌唱能力には物理的な力がある。今このアイドル中学生がやってみせたように一定の音波を発生させることで聴いた人間に電気ショックを与えたり電化製品をクラッシュさせる電磁系の能力者が最も多いとされているが、他にも人を洗脳するだとか共振作用で脳味噌をレンジに入れたようにしてしまえるとか物騒な歌声の持ち主もいるらしい。
こういう話になると余談として挙がる有名なレベル5の削板という男がいる。楽演都市内の放送で歌のお兄さん的なことをしている高校生であるが、この男の歌は何が起こっているのかよく分からない。素人の耳にも音やリズムが正確とは思えないのに力があると思わされる歌なのだ。背景で虹色の爆発とか不可思議な現象が起こっているのはテレビ映像編集時のエフェクトだと思いたい。
「はぁ、不幸だ。……こんなのと関わったばっかりに」
「こんなのって言うな! 私には御坂美琴って名前があるのよ!!」
(……あんま大きい声で名前言わねぇ方がいいと思うけどなあ)
有名人である電撃姫こと御坂美琴がこんなところにいて誰も騒がないのはテレビの中の彼女とあまりに違い過ぎているからだ。こんな素行のわりに悪い噂を聞かないのは徹底した情報操作のなせる業だと上条は思う。なんせこの女、初対面の時から助けに入ったはずの上条ごと絡んできたチンピラどもに電気ショックの一撃をふりまいたのだ。金切り声に釘バットを持たせたような凶悪な声をこの色んな意味で薄い体のどこから出しているのか不思議ではあったが、その瞬間にビリビリ女は上条の中で『関わってはいけない人間ランキング』一位に堂々ランクインした。チンピラどもに倣って倒れるふりでもしておけば良かったのだ。バカ正直に突っ立っていた上条と「どうしてこの男は倒れてないんだ」と言わんばかりの目が合ってしまった瞬間に不幸がまた一つ増えたのは間違い無い。
「朝は自称魔術師がベランダに引っ掛かってるし、夕方はビリビリ中学生に追っかけられるし、何が今日はラッキーデーだよ、くそ無責任な星占いめ……」
ぶつぶつとこぼす上条にすぐ横から怪訝な目が向けられているが気付かないふりをして今朝別れたシスターのことを思い出す。
――歌は本来、魔術なんだよ
この世で最もおぞましい目録を名乗る少女は上条にそう言った。
――この街では歌にレベルをつけるみたいだけど、上手とか下手とかじゃなくてね、思いをこめた歌はきっと届くんだよ
彼女はこの街でずっとレベル0《つかえない》という烙印を押されてきた上条の内心を見透かすように告げた上で、優しく突き放した。
――じゃあ。私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?
助けを希求するように、助けを拒絶するように、どこか一貫しなかった白い少女の言動がいつまでも胸の奥をチクチクと突き刺す。もう会うことはないだろうと冷静に考える頭のどこかでそれに反発するものがある。
部屋に置いてけぼりにされた純白のフードのような異質さ。星のかけらを拾ってしまったような戸惑いが、ずっと消えない。
「――でしょ? じゃあやっぱり」
「もう、佐天さんったら――」
「何の話してるの?」
休日のファミレスで彼女たちは待ち合わせをしていた。美琴と黒子が花瓶のような頭を見つけたとき、制服に風紀委員の腕章をつけた少女と活発そうな私服を着た少女は何やら盛り上がっていた。
「あ、御坂さん! 都市伝説ですよ、楽演都市の」
「都市伝説?」
非科学的なと心で思うに留めた美琴の横で「何をばかなことを」と黒子が鼻で笑った。
「おかしな噂に振り回されてもろくなことはありませんわよ。どうせそんなものは暇を持て余した方か悪事を隠蔽したい輩が流したものでしょう」
「白井さんは夢が無いなあ。この街のどこかに始まりのローレライがいるなんて素敵じゃないですかー」
「実在する人物に関するおどろおどろしい噂もありますけどね……」
ちらりと初春が美琴をうかがう。「その人の歌を聴くと洗脳されちゃうとか」
「食蜂のことなら八割本当と思ってもらっていいわ。CDはともかく本人は普段からとりまきで遊んでばっかのやつだから」
本当なんだー、と佐天が他人事の気軽さで言う手元でグラスの氷が音を立てた。隣の初春のグラスの氷が融けていないのは彼女の能力によるものだろう。鼻歌を口ずさんでいる間、初春が触れている物の温度は一定に保たれる。レベルは低いが便利な能力だ。
街は常に歌で満たされている。スキルアウトのたむろする路地裏の奥深くでもないかぎり、商店街のスピーカーは学生の精神を安定させるため(という建前)の歌を流し続けるし、何らかの能力を行使しようと歌を紡ぐ学生がそこかしこにいる。草木も眠る丑三つ時であろうと、この街で歌が非難されることはない。眠るときは支給された耳栓の着用が推奨されている。
「そういえば、この世に存在しない音を出す人とか歌わない能力者って噂もありましたねー」
「歌わないのに能力者?」
「はい、喋ったりもしないそうですよ。その人の周りでは不思議なことが起きるんです。声が跳ね返るとか、光が乱反射するとか」
「反響版か鏡ででも出来てるんですの?」
黒子が茶化すが佐天は気にも留めない。
「ちゃんと人間の話ですよお。あ、でも鏡とかじゃないですけど噂によれば真っ白な人だそうですよ」
ますます胡散臭いなぁと美琴は思うが口には出さない。新しくできたレベル0の友人との距離の取り方を模索中なのだ。
「御坂さんのクローンって話もありましたよね?」
既知の冗談を口にするように、少し困り顔で初春が引き合いに出したのは美琴も最近よく聞くようになった噂だ。ばかばかしいと会話に加わろうともしない黒子に佐天が絡んでいく。
「白井さんは嬉しいんじゃないですかー? 御坂さんがもう一人いたら」
「……!! お姉様が」
「ちょっと白井さん……佐天さんも面白がらないでくださいよ」
「クローンねえ……」
能力開発の空き時間に片手間で習っているヴァイオリンのことや、昨日の授業中に起きたちょっとしたハプニング、そんな平穏な日常のどれを話題にしたら楽しいだろうか。面白おかしく話す順序を考えながら美琴は言った。
「やっぱり私と同じ顔がいたら気持ち悪いって思うんじゃないかな――」
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「『実験』の開始まで後四分ですが、準備は整っているのですか、とミサカは確認を取ります。……確認を取っています。その缶珈琲は後二分以内に飲みきることをミサカは推奨します。コーヒー中毒ですか、日に三度のコーヒーを欠かせば苦しさのあまり干涸びた山羊肉のように萎んでしまうのですか、とミサカは喜劇の一節を引用します。無言は実験に支障が無いという意思表示と見なしますよ、とミサカは勧告します。『実験』開始まで後一分五〇秒です、いいかげんにその缶珈琲をぅあてっ――空き缶を投げないでください、とミサカは注意します。実験内容に支障をきたす可能性をミサカは危惧します。機嫌が悪いと推測される表情になっていますが、怒りたいのはゴミ箱代わりにされたミサカの方です、とミサカは被験者の理不尽を責めます。実験にはもっと真摯な態度で臨んでくださいとミサカは希望します。午前九時二十九分、四十五秒、四十六秒、四十七秒――これより第七九八九次実験を開始します、被験者一方通行は所定の位置に着いて待機してください、とミサカは伝令します」
《死ぬ前に言うのがそれかァ? ちっとは何か考えたり……もうイイか。出来損ない》
妹達と呼ばれる軍用クローンと第一位を冠する少年は既に八〇〇〇回近く対面し実験を行っているが、彼女らは誰一人として彼の声を聴いたことがない。少年の薄い唇が言葉を紡いでいるのは分かるのだが、実際に彼女らの耳に届くのは彼女ら自身の声なのだ。まるで自分の発した声が自分を食い荒らしにきたように。
少女の地獄が始まり、終わりの門が開放される。
「侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」
インデックスの両目から発現した二つの魔法陣、それを爆発させる歌が響き渡る。
この日、たった一人の女の子を助けるために、一人の少年が『死んだ』。
昔のことだ。二文字の名字と三文字の名前を持つ、一人の少年がいた。
周りより少しスキルが上なだけという彼の平和な自己認識は、ほんのささいな口喧嘩から崩れ去る。
突っかかってきた同年代の少年達が両耳を押さえて苦しんでいる。かけつけてきた教師も少年が口を開いた瞬間に泡を噴いて倒れた。次々と大人達が現れては少年が弁解する暇もなく倒れていった。
ただ怖かった。怖かったから助けを求めようとした。攻撃する気なんて無いのだと言いたかった。
混乱のあまり喚いた後で、彼は惨状に気付いた。まるで怪獣映画のような廃墟の街が出来上がっていた。そうして彼は気付いてしまう。
この声だ。たったの一言で人は死んでしまう。このまま訴え続ければ世界の滅びを目にすることになるだろうと。
人に『感情』を向けてはいけないのだ。彼は悟った。弁解しようなどと考えてはいけない。他人にどう思われようと、何とも思わない人間にならなければならない。そうすることでしかチカラの暴走から他人を救えない。
幼い子どもはこの時すでに間違えていた。他人の言を全く気にしない人間というのは、裏を返せば、他人がどうなろうと全く意に介さない人間ということだ。そんな間違いに気づかないまま、彼は自分の道を選んでしまう。
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かろうじて『滅び』を回避した彼はもう他人に興味を向けることは無かった。最低限の応答のみ発する装置。しかし歯車はそう簡単には止まらない。死んだように閉じてしまった貝は流されるままに一つの方法に辿り着く。
怪獣ではなく、神様になれば。
誰かを傷つけることなく、誰かに怯えられることなく、自分が居てもいい場所が作れるだろうか、と深く暗い水底から彼の心は夢見た。
その偽りの希望が、のちに多くの人を傷つけてしまうことにも気づかず。
「楽勝だ、レベル5」
一〇月九日は楽演都市の表側に住まう者たちには――少しばかり事件の多い――ただの休日だった。一方、楽演都市の裏側を知る者たちには血腥いお祭り騒ぎのような日だった。
『ええ。検体番号二〇〇〇一号「最終信号」の命の危機に関する情報です』
統括理事会の一員である親船最中が襲撃され、暗部組織の大半が壊滅し、二人の超能力者が大敗を喫し、一人の無能力者が類を見ない勝利を飾った。上から下まで玩具箱をひっくり返したような騒乱の日は幹線道路のスクランブル交差点で幕を閉じた。
「テメェが最終信号と一緒にいた事は分かってんだよ、クソボケ」
この世には存在しない音が響き渡る。ヒトが出しえないのは当然のこと、人間が知り得るどんな物理現象においても生じるはずのない音がビルとビルの狭間を飛び回った。明るい茶髪の青年がスクランブル交差点の真ん中に倒れ伏したことで勝敗は決したかに見えた。
「待つじゃんよ、一方通行!!」
一人の丸腰の女が拳銃を持った少年の前に進み出る。女は撃たれず、少年の手にあった拳銃から弾丸が零れ落ちる。その、まるで物語の中のような馬鹿みたいな結末に呆然としていた少年の思考が異音によって遮断される。
「動きを止めたきゃ殺せば良い。気に食わないものがあるなら壊せば良い。救いなんか求めてんじゃねぇ!!」
遠巻きに人々が立ちすくむ中で、平和な結末が蹂躙された。そして悪魔が目覚めの咆哮をあげる。
楽演都市は四六時中そこかしこに歌が溢れかえっている場所だ。この街の、特に繁華街の大通りで人の歌が聴こえないことなど通常ありえない。今そのありえない状況の中で聴こえるのはこの世のものではない二種類の音だけだ。
「――yjrp悪qw」
「ちくしょう。……テメェ、そういう事か!! テメェの役割は――ッ!?」
見えないはずの音が強大な力のあまり、人々の目に翼の幻影を見せる。絶望と暴虐の泣き声は、もう一つの音が死んでも鳴り止まなかった。
漏れ出す感情の切れ端だけで世界をすり潰しかけていた迷子を、最後の希望が迎えにくるまで。
――これより、楽演都市に『ヒューズ=カザキリ』が出現します。
――関係各位は不意の衝撃に備えてください。
九月三〇日。
人間が消え失せて、雨音だけが残されたような夜だった。そんな街の一角で突如として莫大な音が漏れ出した。中心点から光り輝く翼のようなものが、細長く方々に伸びる草のように広がる。
それは歌の集合体だった。楽演都市で二三〇万人の子どもたちが日々歌う声、話す言葉、祈りというよりはもはや呪いに近い囀りに強制的に方向性を与えた存在が彼女だった。違う紙からバラバラに切り貼りされた犯行予告のように、見る人が見れば歪な化け物でしかない少女を、それと分かっていて友人と呼ぶ者が二人いた。
「待ってろよ、風斬。ここは俺が絶対に食い止めてやる」
「祈りは届く。人はそれで救われる。私みたいな修道女は、そうやって教えを広めたんだから」
強制された音を解除するために修道女の歌が鳴り響く。そのすぐ傍で、悪魔の歌が産まれようとしていた。
『もう分かっているわね。キミにできる事はただ一つ。――――処分なさい、その子を殺す事で、世界を守るのよ』
遠くで声が聴こえる。全力で走っているように胸が痛い。呼吸をするだけで喉が切れるようだ。
《オイ。脳内の電気信号さえ制御できりゃあ》
近くで自分の声がする。助手席で瞼一つ指一つ動かせない少女は、ただ周囲の音だけを拾っていた。普段より何周も遅い思考で気がつく。乱暴に話す自分の声に聴こえるのは一方通行だ、と。
『できっこないわ、そんなもの』
芳川はここにいないのか。少しくぐもった声は電話の向こうなのだろう。
『いい? わたしは殺せと言ったのよ。キミの一〇〇倍もあの子の体の仕組みを理解しているこのわたしが、殺すしかないと判断したの。この意味が分かる?』
こんな声は聞いたことがなかった。絶対能力進化実験に関わる研究者は誰が欠けても問題無いと知っているからか、よほど金銭的に困っている研究員を除き、皆どこか無責任そうだった。芳川はその無責任さを自覚して振る舞い、優しくはなく甘い人間なのだと口癖のように自称して微笑む人だった。
『キミの手で最終信号のウィルスの駆除なんてできるはずがない。そして失敗すれば犠牲になるのは一万もの妹達。さらに問題が発展すれば楽演都市は世界を敵に回すことになる。それを避けるためには最終信号は諦めるしかないの』
強い声だと死にかけの少女は思った。芳川は一方通行に『命令』したのだ。これから行われる殺害の全責任を負う気でいるのが電話越しにも理解できた。
(ヨシカワもアクセラレータも気に病まなくていいのよってミサカはミサカは声が出ない歯がゆさを痛感してみる)
戦争を阻止するため、一万人の命を救うため、一人の小さな命を奪う。
命は地球より重いと尊さを嘯いても、本当は全ての人間が社会という秤の上に乗っていることを彼女は知っている。クローンでも王様でも、地球と天秤にかけられて勝てる人なんて存在しない。
(罰があたったのかなってミサカはミサカは邪推してみる)
誰一人として自分の命に価値を見出さなかった。誰一人として実験内容に疑問を持たなかった。救われるに足る努力など誰もしなかったのに、それどころか普通の人間なら確実に死んでいるような殺人未遂を日常的に行っていたのに、何の関係もない通りすがりのヒーローの正義感にただ命を救われ、与えられた。
悲劇のヒロインなんて存在しなかった。悲しみも愛しさも知らない、自分たちは人形でしかなかったのだから。
誰かの指示で実験動物となり、誰かの言葉で人間になったから、今度は誰かの利己のために世界の敵になり討ち滅ぼされる。それはとても理にかなった、自分にふさわしい末路に思えた。
――だからもうミサカは死なない、これ以上は一人だって死んでやる事はできない
あれが最初の一歩だった。誰に言われたわけでも流されたわけでもなく、自分達をよくは思っていないだろう被験者と話をしなければならないと、初めて自分で考えて決めた行動だった。最初で、そして最後になってしまう可能性の高い覚悟が嘘やハッタリになってしまう自らの無力さを最終信号は悔やんだ。
『もっとも、今のキミにワクチンが用意できれば話は別だけど。キミにできる? ウィルスはもう数分で起動準備を終えてしまうこの状況で!』
だが彼女の後悔はすぐに撤回される。
《できるさ》
静かだった。一万回以上見てきた白く濁りきった狂乱はそこにはなかった。
芳川がそれまでの自分をかなぐり捨てて背負った責任も、最終信号が置かれたどうしようもない状況も、全てを壊す力があった。そこにいたのは実験中の――妹達と何ら変わりない――大人達に言われるままに実験を進める人形のような能力者ではなかった。
《……できるに決まってンだろォが。俺を誰だと思ってやがる》
たとえば、ここに駆けつけたのが他の誰であっても最終信号は助からなかっただろう。不可解な右手を持つツンツン頭の少年であっても、最高位の電撃使いである“お姉様”(オリジナル)であっても。
ただの偶然であろうと、これは彼女が踏み出した一歩が招いた幸運なのだ。最終信号を助けられる力を持ち、最終信号を助ける意志を持ってくれる唯一の存在を、彼女が人間として取った行動こそがこの場に呼び寄せたのだ。
小さい物が落ちる音、硬い物が握り潰される音、そして額に触れた何かが頭の中に入ってきた。ウィルスが縦横無尽に走り回る自分の脳味噌が誰かの掌にそのまま明け渡されたようなイメージが彼女の瞼に浮かぶ。
彼の手だ。存在する全ての音波の向きを操り、触れる全ての物理現象を狂わせてきた彼の手が、まるで羊水のように優しく自分に触れている。もし動くことができたなら、最終信号は全身で驚愕を表しただろう。
しかし本当の驚天動地はその直後にあった。
「ったく、このクソガキが。人がここまでやってんだ、今さら助かりませンでしたじゃ済まさねェぞ」
一瞬、誰の声か本気で分からなかった。
優しい声だった。人間の声だった。一万三十三回の邂逅を経て、初めて聴いた一方通行の本当の声だった。最終信号は死力の限りを尽くして瞼を開けようとした。いったいどんな顔でこんなにも優しい声を出しているのか見たかった。
その努力も空しく、最終信号の意識はウィルス感染前のデータの上書きとともに押しつぶされていく。彼女は自分にできる最大限の手をとって決意を刻みこんだ。
(絶対に! 絶対に、ミサカはこの声をもう一度聞くんだってミサカはミサカは宣言する! 次こそあなたの顔をこの目に焼き付けるんだってミサカは――)
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この夜、最終信号という魂と一方通行という力が初めて互いに触れた。
そして目覚めのときが来る。
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その時。
フランスのモン=サン=ミシェル修道院の尖塔が割れ、眠っていた鐘が引き上げられた。
その時。
インドの聖ヨセフ教会から、荘厳なパイプオルガンが飛び出した。
その時。
スペインの大聖堂から、豪奢な台ごと古い楽譜が舞い上がった。
十字教は長い年月をかけて、信徒を統帥するためのミサを発展させてきた。彼らの精神を一つにするための歌を、演奏を随所にちりばめて。千年以上も信徒たちの祈りを染み込ませてきた物品が吸い寄せられるように一点に飛来していく。
数千、数万とかき集められた歴史の結晶は一箇所に集まると巨大な構造物を自ら形作っていった。
『では歓迎しようか。俺様の城、「ベツレヘムの星」へ』
地上三〇〇〇メートルを超えてなおも上昇し続ける星から音色が大地へ降り注ぐ。距離などお構い無しに、物理法則など無関係に、その音は世界中に轟いた。
常人には不可能な呼吸を行い、体内全体で振動を大きく振るわせ発せられる特殊な音声。彼は気づいていただろうか。自分が行っていることは紛れもない魔術であることを。
体中の血管が破裂しながら自己主張する。崖下に命が転がり落ちていくところを幻視した。しかし彼は進むことしか考えなかった。それまで持っていたあらゆるものをかなぐり捨ててでも、たった一つの命を救うために。
ロシアの雪原に荘厳に響き渡るのは、祈りの歌だった。
歌がきこえた気がした。
長い間捜していた人が手を伸ばせば届きそうなところにいる。そう、最終信号は思った。今まで自分は眠っていたのか記憶を遡れないが、またこの人が助けてくれたのだろうと状況を把握する。
いつも強がってばかりいた人が、立っていることもできないのか真っ白な雪の中に膝をついていた。
「……大、丈夫……? ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
久々に出しただろう声は自分で思っていたほどひどくはなかった。手を伸ばそうと動かない体を叱咤する前に、ところどころ赤く染まった腕が伸びてきた。
「……良かった……」
小さな体を抱きしめる腕が、声が震えていた。最終信号はどうにか手を伸ばして彼の背に回した。今この瞬間に彼が感じてくれたことも、彼から手を伸ばしたくれたという事実も、全てを逃さぬように引き留めたかった。
しかしどんなに願ったところで時は止まってはくれない。
空に黄金の光が集まり、大地へ降り注ごうとしている。賛美歌のような音が絶えず鳴り響いているが、最終信号にはそれが救いの音楽には聞こえなかった。体の中に、まだ彼女のためだけの救いの歌が残っている気がした。その残響だけが、神々しいとすら思える唯一の音だった。
この人は行ってしまうだろう、と最終信号は漠然と思った。彼女が起きるまでに何があったかを知らずとも、空を睨みつける人の背から真っ黒な翼が見えて、それで彼女は別れを悟った。
「嫌だよ。ずっと一緒にいたいよ、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
黄金色の雨を止めることもできず、彼を止めることもできない自分に焦燥感ばかりが募った。すがりついた指が優しく剥がされていく。
「……そォだな」
今なのか、と最終信号は心の中で叫んだ。初めて一方通行の声を聴いた日に他でもない自分に誓ったことが、今こんなところで果たされてしまうのか。
「俺も、ずっと一緒にいたかった」
漆黒の翼が純白に変わる。周囲の雪を反射してキラキラと輝きながら、それは雪とは違って彼女のもとに降りてきてはくれなかった。
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一方通行が見えなくなっても手を下ろさない最終信号に、それまで黙っていた番外個体が告げる。
「今生の別れみたいな余韻に浸ってるとこ悪いんだけどさぁ」
振り返ったアホ毛の少女を見下ろして、ナンバリングでは唯一の妹にあたる少女が小馬鹿にしたように笑った。
「こんな分かりやすい死亡フラグは折るしかないでしょ」
直後、地上八〇〇〇メートルで黄金の光が爆発した。
こんな感じの設定で真面目に書こうとしてたんだけど、次のシーンが思い浮かんでしまったせいで真面目に書く気が無くなった。
全部はまづらのせい。
「ナニしちゃってんのよ麦野ォォォォォ!! どこにか弱いウサギちゃんが埋まってるか分からないっつったでしょうよーもォォォォ!!」
「音もなく接近してんじゃん」
ロシアの雪原に、アイテムの三人が揃った。空を見上げると黒い戦闘服の襲撃者が投下されてきている。第四位の力は当てにできない。浜面は自分にうてる全ての手を考える。
楽演都市からの刺客に先制攻撃をしかけた。浜面の撃った銃弾は一発は途中の木にぶつかり、二発目は襲撃者に当たるかと思われたが襲撃者の白い仮面から伸びた、極めて生物的な外見の翼がそれを阻止した。周囲にこの世には存在しないはずの音が漏れ出している。
Equ. DarkMatter。
その異能は浜面が撃った無数の蜂のような銃弾を全て弾き落とす。
襲撃者が一歩踏み出した瞬間、浜面は何枚もの翼に弾かれ雪の上に飛ばされていた。
未元物質(ダークマター)は第二位垣根帝督の能力だったはずだ。しかし、その発現を直接聴いたことのない浜面にも襲撃者が彼本人ではないことは分かった。これは超能力ではない。
「能力者の歌は炎と似ている」
雪に横たわる浜面を射程距離に収めながら、仮面の男たちのうちの誰かが言った。
「炎は確かに人間だけが制御できる強い力だ。だが炎をそのまま振りかざすのは原人の松明に過ぎん。文明人は炎を使って鉄を打つ。それと同じ事だよ」
麦野沈利や垣根帝督のような超能力者の歌は既存の物理法則を超えた物質を生みだす。ならばその歌を使って生みだされた新物質は? 既存の科学を一切無視した全く新しい構造の物質ができあがるのではないだろうか。
「超能力者から声だけを取り出して利用する……?」
不可思議な現状を生み出す彼らの歌声だけが研究者たちには重要なのだろう。それは無能力者である浜面にも分かる。その歌を研究者たちの手によって調整し出力することで、超能力であった彼らの歌声は正真正銘の『科学』となる。
しかし浜面の頭に浮かんだのはそんな小難しい素粒子や何やらの新しい可能性ではなかった。
「……それなんて殺人ボーカ○イド……?」
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投下終了。
誰も見てないうちに全部投下できたからHTML化頼みにいきます。
このネタがつっかえてたせいで他の書けなかったから吐き出してスッキリした!
え、あれ? HTML化依頼してもすぐになるわけじゃないのか。
ツイッターでフォローしてる有名所さんに呟かれててびっくりした。
ごめん。浜面のツッコミが思い浮かんだ時点で書く気が失せて……
というか自分でこのネタ活かしきれてる気がしないから他の人に使ってほしい(´・ω・`)
次は禁書キャラで魔法少女の騙し合いゲームみたいなカオスなの書こうとしてるけど、早くても来月以降です。
まさかのリアタイで見られてた。
明日早いから1時までに>>3で佐天さんが言ってたローレライの話書く。
昔バカラシというところに女がひとり住んでいた。
近くを通る男たちをひとり残さず恋死させた。
神父様が裁きの庭に彼女を呼び出しなされたが
あまりにも美しい声で話すので調べずに放免なされた。
「私いきるのがもう嫌になりました。私の声を聞いた人は、ただそれだけで死にました」
神父様は彼女にために祈られた。喉を焼こうとした。どんな手段を使っても、彼女の声を奪えなかった。
「私を殺してください。もう誰とも話すことはできないのですから」
神父様は彼女を塔に閉じ込めた。それでもそこに彼女がいるだけで、みな足を止めてしまった。
そうしてどのくらいの月日が過ぎたか、彼女は塔から追い出された。
神父様は彼女を連れ立って街道筋を進み、切り立った岩上からライン川を指差した。
「愛しいローレライ、私はお前を神の国に送ることさえできない」
女は神父様をまじまじと見つめた。数年ぶりに人間の顔を見た。そしてもう数百年は見ることはなかった。
「神父様、あなたは笑ってらっしゃいます」
女は消えた。しばらくすると船頭たちのあいだで奇妙な噂が流れた。
――あの海で女の声を聴くと生きては戻れない。
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ハンバーガーを食べ終えて、雷神トールと名乗る少年はホットコーヒーとチーズケーキを追加注文してきた。
「まだ終わってねえんだ」
「……何だって?」
「魔女狩り全盛期の中世ヨーロッパのど真ん中でどんな裁きを受けることもなかったローレライは、時間の流れも受け付けなかったらしい。そして、そいつは十中八九、この楽演都市にいる」
誰の声も届かない場所。何の音も漏らさない場所。雷神トールは一つの場所を口にした。
「窓のないビル。そこに、あの女……フロイライン=クロイトゥーネは幽閉されてる」
歌ネタやろうと思った時に、フロイラインはローレライだなぁとぼんやり思ってたけど
どこに挟めばいいのか分からなくて書かなかった分です。
これで本当にネタ切れ。力不足はなはだしいネタを読んでくれてありがとう。
全力で乙です
有名所って最終信号の人か
もっと書いてもいいのよ
HTML化の依頼を金曜日に出してるんだけど、いつなるのか分からん。
>>26
もっと書くネタが無い。
原作沿いじゃなくていいなら「削板おにいさんの根性のうた」(番組名)とかになるけど。
『じーんせーいは! まーいにち! 根性!!』
教育テレビ番組から暑苦しい歌が流れ出す。時刻は7:55。お堅い勤め人たちは家を出ている時間だ。
リビングにいるのは三人。テレビの前を陣取っている最終信号と、最終信号の突撃で無理矢理起こされて半分だけ起きた一方通行、テーブルで朝食を突つきつつコーヒーを飲んでいる芳川桔梗、彼女は生活サイクルを昼型に治しているところなのでこの時間帯は起きていたりいなかったりする。白い少年がソファの横の床という何とも中途半端な位置に座り込んでいるのを見て「どうせならソファに座りなさい」と二度寝を勧めるか「こっちに来て朝食をとりなさい」とまともな大人のような言葉をかけるか迷っているのが芳川桔梗という人間の――本人曰く――“甘さ”だそうだ。
「こんじょー」
最終信号がテレビに合わせて歌っている。歌のおにいさんの削板は、この街で日々理詰めに歌の研究をする学生たちからすれば音痴なのだが、よく分からない効果が発生したり豪放磊落な歌い方が子どもたちと一部のストレスの溜まった現代人に大人気の有名人である。
どっかーん、と間の抜けた音がして削板の背後に虹色の爆発が見えた。
「ソギイタの歌はエフェクトが凝ってますなーってミサカはミサカは批評家の真似っこしてみたり」
それはTVディレクターが付加したものではなくて天然だ、と一方通行と芳川桔梗は内心で呟いた。ツッコミのおかげで意識が覚醒してきたレベル5の第一位は重い瞼を開けてテレビ画面に焦点を合わせた。
(こいつ何年も歌番組やってンのに音痴だなァ……)
一方通行は歌に限らず人の声も環境音も全て何ヘルツか聞き分けている。意図してではなく、そういう認識の仕方しか彼は知らない。さきほど最終信号がわめいていた「お・き・ろー!」という台詞だって、522Hz*810ms・683Hz*811ms・620Hz*2087msと彼の耳には記録された。歌も会話も数式とグラフで頭の中に描写される。
能力が万全だった頃は彼が生きているだけで心臓の鼓動や呼吸、血液の流れる音などが特殊な音波の膜を形成していたのだが頭蓋骨を損傷した際に何かがずれたようで、今は普通の人間のように自分の声で話すことができる。とはいっても数年間会話を避けてきた代償は大きく、遠慮のない同居人たちからは日々いじられ続けているのだが。
そんなわけで相槌一つ入れる時ですら先に音声グラフを用意する癖のある一方通行からすると、削板軍覇の歌は「酷い」を通り越して「凄い」という評価になる。
誰が聴いても分かる音痴である。が、楽しそうに何の遠慮もなく歌っている。
ふと数年前のことを思い出す。発声から全ての感情を削り取ることに腐心していた頃にこの男の歌を聴いていたら自分はどうしただろうか。一方通行は想像してみる。
テレビをすぐに叩き割っただろう。部屋を壊しただろう。それで気が済まなかったら削板という男を探し出して息の根を止めに行ったかもしれない。
それは“妬ましい”とか“羨ましい”という感情かもしれない、と自己分析する白い少年の観る前で、テレビの中の少年が最後の一声とともに拳を振り上げた。
バウーン!!
テレビ局のセットが七色の光に満たされた。画面に亀裂のようなものが見えたと思う間もなく『しばらくお待ちください』とテロップが出る。何だかのどかな風景が流れている。
「……生放送だったようね」
後ろで芳川が呟いた。テレビの前で固まる最終信号と一方通行、そこに番外個体がリビングへ入ってきて「何があったの?」と怪訝そうに見渡した。
(羨ましい……か? いや、本当にあれを羨ましいと思うのか? なンか違うよな??)
彼の精神的なリハビリはまだまだ前途多難である。
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「根性ってモンが足りてねえな、兄ちゃん。そんなんじゃ誰も満足しねえぞ!!」
裏路地に仁王立ちする影がある。
「だれだテメェ。俺を内臓潰しの横須賀と知っての――」
「すごいパーンチ」
名乗りを上げている最中の横須賀さんが竹トンボのように高速回転した。
「……ちょ、おげっ。名前くらい……」
「え、だってお前、昨日も会ったよな」
「もーっ! テメェが一度も真面目にやんねえからこうやって何度も」
ナンバーセブンは静かに頷き、拳を高らかに振り上げた。
「オレは歌のおにいさんだ!!」
「せめて超能力者って名乗れよビブルチ!?」
やっべwwもうこんな時間ww
ヘルツは適当に書いてるよ! というか人間の声って一定で鳴ってないから「おきろ」って3文字でもグラフにしたら「お」の部分だけで結構たわんだりしてると思う。まあ平均値を3つに集約してとったらだいたいこんくらいって感じで。
削板と一方さんは原作で絡んでほしいなぁ。上条とは別方向で気が抜けそうな感じがする。
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