男「やばい、つい昼寝しちまった」妖精「…………」 (138)

注意
 ・短時間でテキトーに作られたストーリー
 ・そこら中に見え隠れずな手抜き
 ・言葉の間違いの可能性(作者は譲歩と書くべきところを譲渡とか書いたりする残念さ)
 ・薄っぺらな内容
 ・長い説明台詞
などなどです。それでも読んでいただけたらこの上なく嬉しいです。
なお、書き溜めアリなので進行速度は速い(という予定)です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398345404

男「うん? 今何かいたような……」

男「いや、気のせいだ。まだ寝ぼけてんだな」

男「それより今日は女と約束があったんだよな。たしか13時に駅前だったか」

男「つい昼寝しちまったけど時間は……」

12時45分

男「やべ! 急いで支度しねえと!」

――駅前――

13時10分

男「悪い! 遅れた。待った?」

女「ううん、私も今来たばかり」

男「そうか、それなら――」

女「嘘よ。私はきっかり時間通りに来たわ」

男「うっ……」

女「10分遅れ。何があったかくらいは説明してよね」

男「じ、実は途中で道に迷った人がいたんだよ。それでその人の道案内してたら、こんな時間に」

女「へ~、男っていい人だね」

男「だろ」

女「迷った人ってどんな人だったの?」

男「は? あ、ああ、この街にはじめて来た人らしくてさ、どうやらデパートまでの道を知りたかったみたい」

女「そう。それで、デパートまで案内してあげたの?」

男「もちろん」

女「……おかしいわね。デパートは駅の北側、私は南側で待ち合わせるはずだった」

男「…………」

女「駅の北側から南側に通じる道は駅の中だけ。ならなんで、男は駅から現れなかったのかしら?」

男「そ、それは……」

女「さっきの話、嘘でしょ」

男「ごめんなさい」

女「まったく、なんでそうやってバレバレの嘘をつくのよ」

男「悪かった!」

女「あなたっていつも嘘ばかり。付き合いはじめた頃はそれも楽しかったけど、今はイラッとするだけだわ」

男「本当に悪かったって」

女「……まあ、いいわよ」

男「ありがとう」

女「で、なんで遅れたの?」

男「昼寝しすぎて」

女「何よそれ!」

男「悪かったよ」

女「も~う、本当に何よ! 彼女との約束の時間に、昼寝で遅れるなんて」

男「すまない」

女「もういい! 面倒だからさっさとファミレスでも行きましょ!」

男「ファミレス?」

女「昼寝ってことは、お昼ご飯食べてないでしょ?」

男「ああ、忘れてたよ」

女「私もなんやかんやお昼抜いてたから、ファミレスでお昼ご飯食べよ」

男「よし、そうしようか」

――ファミレス――

男「あ~うまかった」

女「季節限定メニューおいしかったな~」

男「あれ美味しそうだったな。なんで一口くれなかったんだ?」

女「一口ちょうだいは大嫌いなの。ていうか男も嫌いでしょ?」

男「まあ、そうだけど」

女「歯切れ悪いわね」

男「……俺、一口ちょうだいが嫌いだなんて言ったか?」

女「言ったじゃない。だいぶ前だけど」

男「あ、たしかに言った」

女「もしかして、また嘘?」

男「…………」

女「なんでそこで黙る」

男「……嘘じゃないさ」

女「嘘でしょ?」

男「……はい」

女「呆れた。嘘にすら嘘を被せるのね、あなたは」

男「悪気はなかったんだ。ただ、女の気を悪くしないようにって」

女「嘘つかれた方がよっぽど気分悪いわよ」

男「うっ、正論」

女「当然のこと言っただけよ」

男「悪かったって」

女「あなたの嘘には私が慣れなきゃいけないのかしら?」

男「俺も気をつけるよ」

女「本当? それも嘘くさいんだけど」

男「そこまで信用されないか……」

女「まあ、もういいわ。この食事を奢ってくれたら許してあげる」

男「ほう、金のない俺にはかなりの痛手となるお仕置きだな」

女「それが狙いよ」

男「ってかお前、この店で一番高いもん選びやがったな!」

女「それも狙い」

男「俺が嘘をつくことはお見通しってわけか」

――ファミレスの前――

男「クソ……」

女「ただでさえ寒いあなたの財布、もう氷河期に突入じゃない?」

男「いや、今回は女が俺の財布に打撃を与えたんだ。核の冬突入ってとこだよ」

女「嫌なこと言うわね」

男「事実だろ」

女「もとはと言えば男が嘘つくのが悪いのよ」

男「……そうだが」

女「それじゃそろそろ、本題に入るわね」

男「本題? なあ、今日はなんで俺を呼んだんだ?」

女「男ってもうすぐ誕生日だよね」

男「そういえばそうだったな」

女「だからね、男の誕生日プレゼントを買おうと思ってるの」

男「え?」

女「そのプレゼント選びを男に手伝ってもらうからね」

男「おかしいだろ」

女「何が?」

男「普通そういうのって、本人には隠しておくんじゃないの?」

女「普通はね。でも、男が欲しいものを一緒に買っちゃった方が楽でしょ。もちろん、今日買ったものは誕生日までお預けだけどね」

男「なんか誕生日プレゼントの旨味ぶち壊しだな」

女「いいから、さっさといくわよ」

男「おい、マジでプレゼント……うん?」

女「どうしたの?」

男「あのトラック、こっち突っ込んでこないか?」

女「何言ってるのよ」

男「ほら、あれ」

女「そう?」

男「……おい、こっち来てないか?」

女「大丈夫よ。ほら、行きましょ」

男「あのトラックの運転手……寝てる!?」

女「え? はいはい、またいつもの虚言癖が……」

男「違う! 嘘じゃない! あのトラックこっちに突っ込んでくる!」

女「嘘……じゃないの?」

男「本当だ! 早く避けろ!」

女「キャ!」

男「うわ!」

――数秒後――

男「目の前にトラックが……危なかった……」

男「うん? 目の前にトラック? それじゃあ、女は……」

女(死体)「…………」

男「え? 嘘だろ? おい女! 女ーーーーーー!!!」

――自宅――

男「うわ!」

男「夢か……」

男「イヤな夢だったな。でも夢でよかった」

男「さて、今の時間は……」

12時45分

男「やべ! 女との約束に遅れちまう! 急いで支度しねえと!」

――駅前――

13時10分

男「悪い! 遅れた。待った?」

女「ううん、私も今来たばかり」

男「そうか、それなら――」

女「嘘よ。私はきっかり時間通りに来たわ」

男「うっ……」

女「10分遅れ。何があったかくらいは説明してよね」

男「じ、実は途中で道に迷った人がいたんだよ。それでその人の道案内してたら、こんな時間に」

女「へ~、男っていい人だね」

男「だろ」

女「迷った人ってどんな人だったの?」

男「は? あ、ああ、この街にはじめて来た人らしくてさ、どうやらデパートまでの道を知りたかったみたい」

女「そう。それで、デパートまで案内してあげたの?」

男「もちろん」

女「……おかしいわね。デパートは駅の北側、私は南側で待ち合わせるはずだった」

男「…………」

女「駅の北側から南側に通じる道は駅の中だけ。ならなんで、男は駅から現れなかったのかしら?」

男「そ、それは……」

女「さっきの話、嘘でしょ」

男「ごめんなさい」

女「まったく、なんでそうやってバレバレの嘘をつくのよ」

男「悪かった!」

女「あなたっていつも嘘ばかり。付き合いはじめた頃はそれも楽しかったけど、今はイラットするだけだわ」

男「本当に悪かったって」

女「……まあ、いいわよ」

男「ありがとう」

女「で、なんで遅れたの?」

男「昼寝しすぎて」

女「何よそれ!」

男「悪かったよ」

女「も~う、本当に何よ! 彼女との約束の時間に、昼寝で遅れるなんて」

男「すまない」

女「もういい! 面倒だからさっさとファミレスでも行きましょ!」

男「ファミレス?」

女「昼寝ってことは、お昼ご飯食べてないでしょ?」

男「ああ、忘れてたよ」

女「私もなんやかんやお昼抜いてたから、ファミレスでお昼ご飯食べよ」

男「よし、そうしようか」

男(あれ? 夢と全く同じ展開だ)

――ファミレス――

男「あ~うまかった」

女「季節限定メニューおいしかったな~」

男「あれ美味しそうだったな。なんで一口くれなかったんだ?」

女「一口ちょうだいは大嫌いなの。ていうか男も嫌いでしょ?」

男「まあ、そうだけど」

女「歯切れ悪いわね」

男「……俺、一口ちょうだいが嫌いだなんて言ったか?」

女「言ったじゃない。だいぶ前だけど」

男「あ、たしかに言った」

男(夢と同じこと言ってるぞ、俺)

女「もしかして、また嘘?」

男「…………」

女「なんでそこで黙る」

男「……嘘じゃないさ」

女「嘘でしょ?」

男「……はい」

女「呆れた。嘘にすら嘘を被せるのね、あなたは」

男「悪気はなかったんだ。ただ、女の気を悪くしないようにって」

女「嘘つかれた方がよっぽど気分悪いわよ」

男「うっ、正論」

女「当然のこと言っただけよ」

男「悪かったって」

女「あなたの嘘には私が慣れなきゃいけないのかしら?」

男「俺も気をつけるよ」

女「本当? それも嘘くさいんだけど」

男「そこまで信用されないか……」

女「まあ、もういいわ。この食事を奢ってくれたら許してあげる」

男「ほう、金のない俺にはかなりの痛手となるお仕置きだな」

女「それが狙いよ」

男「ってかお前、この店で一番高いもん選びやがったな!」

女「それも狙い」

男「俺が嘘をつくことはお見通しってわけか」

――ファミレスの前――

男「クソ……」

女「ただでさえ寒いあなたの財布、もう氷河期に突入じゃない?」

男「いや、今回は女が俺の財布に打撃を与えたんだ。核の冬突入ってとこだよ」

女「嫌なこと言うわね」

男「事実だろ」

女「もとはと言えば男が嘘つくのが悪いのよ」

男「……そうだが」

女「それじゃそろそろ、本題に入るわね」

男「本題? なあ、今日はなんで俺を呼んだんだ?」

女「男ってもうすぐ誕生日だよね」

男「そういえばそうだったな」

女「だからね、男の誕生日プレゼントを買おうと思ってるの」

男「え?」

女「そのプレゼント選びを男に手伝ってもらうからね」

男「おかしいだろ」

女「何が?」

男「普通そういうのって、本人には隠しておくんじゃないの?」

女「普通はね。でも、男が欲しいものを一緒に買っちゃった方が楽でしょ。もちろん、今日買ったものは誕生日までお預けだけどね」

男「なんか誕生日プレゼントの旨味ぶち壊しだな」

女「いいから、さっさといくわよ」

男「おい、マジでプレゼント……うん?」

女「どうしたの?」

男(トラック! あれが夢と同じになったら……)

男「あのトラック、こっち突っ込んでこないか?」

女「何言ってるのよ」

男「ほら、あれ」

女「そう?」

男「……おい、こっち来てないか?」

女「大丈夫よ。ほら、行きましょ」

男「あのトラックの運転手……寝てる!?」

男(嘘だろ! やっぱりこのままだと女が!)

女「え? はいはい、またいつもの虚言癖が……」

男「違う! 嘘じゃない! あのトラックこっちに突っ込んでくる!」

女「嘘……じゃないの?」

男「本当だ! 早く避けろ!」

女「キャ!」

男「うわ!」

――数秒後――

男「目の前にトラックが……危なかった……」

男「うん? 目の前にトラック? それじゃあ、女は……」

女(死体)「…………」

男「え? 嘘だろ? おい女! 女ーーーーーー!!!」

――自宅――

男「うわ!」

男「また夢か……」

男「なんなんだよ今日は……」

男「さて、今の時間は……」

12時45分

男「やべ! 女との約束に遅れちまう! 急いで支度しねえと!」

――駅前――

13時10分

男「悪い! 遅れた。待った?」

女「ううん、私も今来たばかり」

男「そうか、それなら――」

女「嘘よ。私はきっかり時間通りに来たわ」

男「うっ……」

女「10分遅れ。何があったかくらいは説明してよね」

男「じ、実は途中で道に迷った人がいたんだよ。それでその人の道案内してたら、こんな時間に」

男(同じ嘘……か)

女「へ~、男っていい人だね」

男「だろ」

女「迷った人ってどんな人だったの?」

男「は? あ、ああ、この街にはじめて来た人らしくてさ、どうやらデパートまでの道を知りたかったみたい」

女「そう。それで、デパートまで案内してあげたの?」

男「もちろん」

女「……おかしいわね。デパートは駅の北側、私は南側で待ち合わせるはずだった」

男「…………」

女「駅の北側から南側に通じる道は駅の中だけ。ならなんで、男は駅から現れなかったのかしら?」

男「そ、それは……」

女「さっきの話、嘘でしょ」

男「ごめんなさい」

男(やっぱり夢のまんまだ)

――ファミレス――

男「あ~うまかった」

女「季節限定メニューおいしかったな~」

男「あれ美味しそうだったな。なんで一口くれなかったんだ?」

女「一口ちょうだいは大嫌いなの。ていうか男も嫌いでしょ?」

男「まあ、そうだけど」

女「歯切れ悪いわね」

男「……俺、一口ちょうだいが嫌いだなんて言ったか?」

女「言ったじゃない。だいぶ前だけど」

男「あ、たしかに言った」

男(この展開三回目だぞ……)

女「もしかして、また嘘?」

男「…………」

女「なんでそこで黙る」

男「……嘘じゃないさ」

女「嘘でしょ?」

男「……はい」

女「呆れた。嘘にすら嘘を被せるのね、あなたは」

男「悪気はなかったんだ。ただ、女の気を悪くしないようにって」

女「嘘つかれた方がよっぽど気分悪いわよ」

男「うっ、正論」

女「当然のこと言っただけよ」

男「悪かったって」

女「あなたの嘘には私が慣れなきゃいけないのかしら?」

男「俺も気をつけるよ」

女「本当? それも嘘くさいんだけど」

男「そこまで信用されないか……」

女「まあ、もういいわ。この食事を奢ってくれたら許してあげる」

男「ほう、金のない俺にはかなりの痛手となるお仕置きだな」

女「それが狙いよ」

男「ってかお前、この店で一番高いもん選びやがったな!」

女「それも狙い」

男「俺が嘘をつくことはお見通しってわけか」

男(展開も夢の通りだし……)

――ファミレスの前――

男(夢だと女はもうすぐトラックに……今度はそうはさせない!)

女「それじゃそろそろ、本題に入るわね」

男「本題?」

女「男ってもうすぐ誕生日だよね」

男「そういえばそうだったな」

女「だからね、男の誕生日プレゼントを買おうと思ってるの」

男「…………」

女「そのプレゼント選びを男に手伝ってもらうからね」

男「そうだな。早く選びに行こう」

女「聞き分けがいいわね……。天変地異が起きかねないからやめてよ」

男「いいから、さっさといくぞ」

男(うん? あれは……トラック!)

男「あのトラック、こっち突っ込んできてるぞ!」

女「何言ってるのよ」

男「ほら、あれ」

女「そう?」

男「……おい、急いで避けろ!」

女「大丈夫よ。ほら、行きましょ」

男「あのトラックの運転手……寝てる!?」

女「え? はいはい、またいつもの虚言癖が……」

男(嘘だろ! このままだと夢の通りまた女が!)

男「違う! 夢で見たんだよ、この展開を!」

女「何言ってるの?」

男「本当だ! 早く避けろ!」

女「キャ!」

男「うわ!」

――数秒後――

男「目の前にトラックが……女は!」

男「うん? 目の前にトラック? それじゃあ、やっぱり女は……」

女(死体)「…………」

男「またかよ……嘘だろ? おい女! 女ーーーーーー!!!」

――自宅――

男「うわ!」

男「また夢か……」

男「…………」

妖精「どうだった? 彼女が目の前で死ぬ気分は」

男「…………」

妖精「自分がいつも嘘を言い続けたおかげで、彼女はトラックの接近までも嘘だと思い注意を怠り、結果死んでしまった。つまり自分の嘘が彼女を殺してしまった」

男「…………」

妖精「どう? 自分がどれだけ最低かがスポンジのように身にしみたんじゃないかな。身にしみすぎて、絞れば最低な液体がビチョビチョ出てくるんじゃないかな。ドリンクバーの全ての飲み物を混ぜてそれを一度口に含みもう一度コップに戻してという作業を何十回も繰り返してそれをこっそり隣の席のコップにそそぐぐらいの最低さだねえ~」

男「…………」

妖精「でも君みたいな最低な人間のことだから、夢でよかったと思ってるかもしれないけどそんなことはないよね。だって今の出来事は夢でも、君が嘘をついたのは本当なんだから。もしかしたら現実で起きるかもしれないよね。でもしょうがないよね。君は最低だものね。社会への不満を持ちすぎてなんでもかんでも社会への不満に思っちゃうぐらいどうしようもないもんね」

男「なんで俺、体長15センチぐらいのフリフリの服を着た女の子にこんなにディスられてんの? お前は何?」

妖精「私は妖精だよ。おとぎ話とかに腐るほど出てくる可愛らしいヤツだよ」

男「俺もトラックに轢かれたのかな。ここは天国か?」

キリがいいのでここで中断します。
といってもほとんどバカみたいに同じ文章だったので書く方は楽でした。

続きは明日になります。
それまで気長にお待ちいただければ幸いです。

続きは明日とか言っておきながら嘘になってしまいました。
申し訳ございません!

お詫びに今からちょっとだけ続けます。

妖精「嘘をつきすぎて妖精の言葉すらも信じられなくなったか。これだから嘘つきはダメなんだよね。もういっそのこと髪伸ばしてヒゲ生やしてグラサンかけて、耳聞こえないとか言ってろ。もう違うけど」

男「なんの話をしてるんだ? だいたい、普通は妖精の言葉を簡単に信じる方がおかしいだろ」

妖精「目の前に妖精がいるのに? 妖精がいるかどうか以前に妖精が目の前にいるんだよ? 目で見えてるのに信じようとしないのは逃げてるだけだよね。そうやって天国だとか言って自分を偽ってるだけだよね。現実から目を背けるんじゃない」

男(妖精から現実という言葉が出てくるとは……)

男(まあ、妖精の言うことにも一理あるし、会話してみるか)

男「よ、妖精さん。あなたはなぜ俺のところに?」

妖精「ようやく私の存在を認めたと思ったらそんな質問? 察しが悪いな~今までの流れと何かしら関係があるに決まってるでしょ~彼女が死ぬ夢を見てそれが正夢になったと思ったらそれも夢だと思ったらまた正夢になりそうだから彼女を救おうとしたらそれが失敗して正夢になったと思ったらそれもまた夢で目の前に可愛らしい妖精さんが出てきたんだよ~既に答えは出てるよね~それともそれが日常茶飯事の人なの~ヤバい人なの~でも嘘ばっかつく最低な人間って時点でヤバい人か~そうだったよね~」

男(よく喋るしムカつく妖精だな)

男「妖精さんは俺が見た夢と関係があるんだな」

妖精「当然でしょ。植物が光合成をするくらい、人間が息をするくらい、月が地球の周りを回るくらい、ダースベイダーがルークのお父さんくらい、メイトリックスが言った最後に殺すって言葉が嘘なくらい当然でしょ」

男「は、はあ。それで、妖精さんと夢がどうしたんですか?」

妖精「そうかそうか、スズメバチの巣を子供達に突かせるよう強要するくらい最低な君にはわからないよね。いっそのこと夢の国でネズミのキャラクターの着ぐるみを全部脱がせてその映像をネットで公開すればいいんじゃない? そうすれば、あなたでもわかるようになるかもしれない」

男(もう意味がわからない)

妖精「でも面倒だから、この可愛らしく慈悲深い妖精さんが解説してあげるね。実は私は君にチャンスを与えに来ました~」

男「いよいよ意味不明だ」

妖精「さっきの夢は私が見せたものなんだけど、耳が聞こえないと言いながら三年前から耳が聞こえてたように嘘つきな君はこのままだと、彼女との関係はさっきの夢みたいな悲惨な結末を向かえることになります。彼女が死ぬことはなくても、綺麗に別れることなんてできませ~ん。だいたいは胸くそエンドで~す」

男「マジかよ」

妖精「この妖精さんは君じゃないよね。だから嘘つかない。マジです」

男「じゃ、じゃあどうすれば俺と女は幸せになれるんだよ!」

妖精「せっかちだなあ、私はそのチャンスを君に与えると言ってるんだよ?」

男「教えてくれ!」

妖精「どうしようかな~続きはCMの後とか言いながらCMが終わると続きはまた来週とか言われて来週まで待っていざ見てみると大したことのない話だったってくらい最低な君に教えようかな~」

男「頼む! 教えてくれ! 俺は女を愛してるんだ! 彼女には幸せになってほしいんだよ!」

妖精「へえ、どうやら本当に君は女さんのことが大好きなんだね~」

男「そうだ、俺は女を愛してる」

妖精「あんまり愛してるとか連呼されるとちょっと気持ち悪いんだけど。まあ、嘘ついちゃうくらいに女さんが大好きなだけあるね~」

男「……ああ」

妖精「よろしい、ならば教えよう。私だって鬼じゃないからね。慈悲深い妖精さんだからね。私が現れれば巌流島で決闘中の武蔵と小次郎ですら手を止めるくらい可愛らしい妖精さんだからね」

男「早く教えてくれ!」

妖精「方法はとっても簡単で~す。これから君は彼女さんに会う約束だから、そこで〝正しい〟行動をすれば良いんで~す。たったそれだけで~す。そうすれば真実に辿るつくことができま~す」

男「〝正しい〟行動ってなんだよ」

妖精「そのくらいは自分で考えてよ。まったく、これだから思考停止状態の嘘つきやろうってのはダメなんだよな~」

男「……ともかく、これから俺は女に会えば良いんだな」

妖精「当たり前すぎることなんかいちいち口にしなくていいから。ほら、面倒だからさっさと準備をしてね。時計を見てごらん」

男「時計?」

12時45分

妖精「待ち合わせの時間に遅れちゃうよ~また道に迷った人を道案内しなきゃいけなくなるよ~」

男「やべ! 急がないと!」

キリがいいので一時中断です。
妖精の長台詞は早口という設定なので区切りませんでしたが、ちょっと読みにくいですね……。

続きは今夜中にはじめます。嘘ではありません。(たぶん)

様々な感想をありがとうございます。

では続きです。

――駅前――

13時10分

男「悪い! 遅れた。待った?」

女「ううん、私も今来たばかり」

男「そうか、それなら――」

女「嘘よ。私はきっかり時間通りに来たわ」

男「うっ……」

女「10分遅れ。何があったかくらいは説明してよね」

男(夢と同じ展開。でも今度こそは女を助ける!)

男「じ、実は途中で道に迷った人がいたんだよ。それで……」

(ry

――ファミレスの前――

女「それじゃそろそろ、本題に入るわね」

男「本題か……」

女「男ってもうすぐ誕生日だよね」

男「そういえばそうだったな」

女「だからね、男の誕生日プレゼントを買おうと思ってるの」

男「…………」

女「そのプレゼント選びを男に手伝ってもらうからね」

男「そうだな。早く選びに行こう」

女「聞き分けがいいわね……。天変地異が起きかねないからやめてよ」

男「いいから、さっさといくぞ」

女「そんなに急がなくてもいいんだけどな……」

男(トラックが来た! ここまで夢の通り。でもここからだ。女は死なせない!)

男「あのトラック、こっち突っ込んできてるぞ!」

女「何言ってるのよ」

男「ほら、あれ」

女「そう?」

男「……おい、逃げるぞ!」

女「ちょっと、いきなり引っ張らないでよ!」

男「あのトラックの運転手……寝てる!?」

女「どうしたの急に!」

男「あのトラックは突っ込んでくる。急いでここを離れるんだ!」

女「もう、わかったわよ」

ドーーーン!!

女「キャ!」

男「うわ!」

――数秒後――

女「危なかった~」

男(よかった。女は無事だった)

女「まったく、居眠り運転なんて迷惑ね」

男「…………」

女「大丈夫?」

男「ああ、大丈夫だよ。さ、一緒にプレゼント選びするぞ」

女「あんなことがあったのに切り替え早いわね。それになんか嬉しそう」

男「ほら、行くぞ」

女「はいはい」

――数時間後、公園――

男「いや~だいぶ探しまわったな」

女「……そうね」

男「〝水道管配列図〟なんて本、そんじょそこらの本屋にはないと思ってたけど、諦めずに探すもんだな」

女「……そうね」

男「今日は楽しかったよ」

女「……そうね」

男「……猟奇殺人鬼ジグゾウが出てくる映画は?」

女「……そうね」

男「おい、お前さっきからずっと〝そうね〟としか答えてないぞ」

女「……そうね」

男「いい加減うんざりするからやめてくれよ」

女「…………」

男「今度は急に黙るんだな」

女「うんざるしてるのは私よ」

男「は?」

女「何よ〝水道管配列図〟って。男はそれが欲しかったの?」

男「ああそうだ。俺たちの生活の基盤である水道が、全国のどの場所にどのように――」

女「中華鍋はどうなったのよ」

男「中華鍋?」

女「男言ってたじゃない、俺も料理したいから中華鍋欲しいって」

男「あ……」

女「中華鍋を買ったらお前に美味しい中華を食べさせてやるって。言ったよね」

男「……言った」

女「でも男は中華鍋をいつまでも買わなかった。お金がないのかなと思って、誕生日プレゼントっていう名分で今日買おうと思った。男の作った中華料理、食べたかったから」

男「それは……」

女「なのに〝水道管配列図〟?」

男「わ、悪かった!」

女「また嘘ついたのね。男は嘘の塊。嘘が服着て歩いてるみたい」

男「悪かったよ! 悪気はなかったんだよ!」

女「悪気がないから質が悪いのよ! 男はいつもいつも嘘をついて、私をぬか喜びさせて、必ず失望させる! さすがにもう耐えられないわよ! どうせ、私を愛してるって言葉だって嘘だったんでしょ!」

男「それだけは違う! 俺はお前を――」

女「もう嘘つくのやめたら」

男「信じてくれ!」

女「その言葉を信じて私はいつも失望した。だから私はあなたを信じない」

男「おい! 頼むよ! 信じてくれ!」

女「それ以上、私に信じさせようとしないで」

男「頼む!」

女「やめて」

男「俺はお前を――」

女「やめる気がないなら、私がやめさせてあげるわ」

男「お、おい、なんで刃物なんか手に持ってんだよ」

女「私はこれ以上失望したくないの。愛する男に失望するのはもう耐えられないの。私は男を愛してるから男が嘘をつけないようにしたいの。愛してるから男の作った中華料理を食べたいの」

男「やめろ! 俺が悪かった! 俺が全部悪かったんだ!」

女「……嘘つき」

グサリ

男「ウッ! グハッ!」

女「愛してる……愛してる……愛してる……愛してる……愛してる……」

――BAD END――

エンドって書いてありますが終わりません。

>>67に戻ります。

ここから先は別エンドへのルートです。

男「……ともかく、これから俺は女に会えば良いんだな」

妖精「当たり前すぎることなんかいちいち口にしなくていいから。ほら、面倒だからさっさと準備をしてね。時計を見てごらん」

男「時計?」

12時45分

妖精「待ち合わせの時間に遅れちゃうよ~また道に迷った人を道案内しなきゃいけなくなるよ~」

男「やべ! 急がないと!」

――駅までの道――

男(よく考えろ。妖精の存在なんてありえねえだろ。あれだ、寝ぼけてたんだよ)

男(でも、妖精が見せたっていう夢が本当になったら嫌だしな……)

男(そうだ! トラックが突っ込んでくる時間にファミレス前にいなきゃ良いんだ!)

男(なんでこんな簡単なことが思いつかなかったんだ……)

――駅前――

13時10分

男「悪い! 遅れた。待った?」

女「ううん、私も今来たばかり」

男「そうか、それなら――」

女「嘘よ。私はきっかり時間通りに来たわ」

男「うっ……」

女「10分遅れ。何があったかくらいは説明してよね」

中略

女「もういい! 面倒だからさっさとファミレスでも行きましょ!」

男「いや、ファミレス以外のところに行こう」

女「え? なんでよ。昼寝ってことは、お昼ご飯食べてないでしょ?」

男「そうだけど、別にファミレスじゃなくても良いだろ」

女「……まあ、そうだけど」

男「よし、なら駅前デパートのレストランだ!」

女「デパートのレストランって……男、そんなにお金あるの?」

男「気にするな気にするな」

女「……なんか変ね」

――デパートのレストラン――

男「さすがに眺めがいいな~、飯もうまい!」

女「ねえ男、いきなりどうしたのよ」

男「え?」

女「いつもす○屋生活の男が、こんなちょっとだけ高級なレストランに突然入るなんて変よ」

男「あれだよ、あの……女を喜ばせたくて」

女「本当に……?」

男「当たり前だろ、俺は女の笑顔が大好きなんだから」

女「……笑顔が大好き?」

男「お前と一緒にいられて、俺は幸せだよ」

女「男……嬉しいこと言ってくれるわね……。ありが――」

幼馴染み「あ! 男だー!」

男「げ! 幼馴染み!」

男(こいつほど俺を不幸に陥れた奴はいないぞ……。そもそも俺が貧乏生活してる原因もこいつのせいだし)

幼馴染み「あれ? あなたは?」

女「私ですか? 私は女です」

幼馴染み「ほお、彼女さんですか~」

男(何されるかわからねえから、幼馴染みには女のこと隠してたんだよなあ……)

女「えっと、どなたさん?」

幼馴染み「私? 私はねえ、フフフ」

男(ちょっと待て! その笑みは俺を陥れる合図!)

男「こ、こいつは俺の――」

幼馴染み「私は男の彼女です!」

男「はあァ!!」

女「彼女って……それは私のことじゃ……」

幼馴染み「女さんは哀れだね。実は男、あなたと私に二股かけてるのよ」

男「なにデタラメなこと言ってんだ! おい女、こいつの言うことを信じるなよ」

幼馴染み「その言葉そのまま返すぞ~。女さんも知ってるよね、男の虚言癖は」

女「…………」

幼馴染み「実は男は女さんに嘘ついて、私ともあんなことやこんなこともしてるんだ」

女「…………」

男(この腐れビッチ! 俺をどこまで不幸にすりゃ気が済むんだ!)

男「女、こいつの言うことなんか信じないよな?」

女「ねえ男」

男「は、はい」

女「もう別れましょ」

男「え!」

幼馴染み「フフ」ニヤリ

男「ちょっと待ってー!!」

女「男の嘘にちょうどうんざりしてたところなのよ。どうせ、このレストランに来た理由だって、私を喜ばせたいなんてのは嘘でしょ。どうせこの店に来たのも、幼馴染みさんに会うためでしょ」

男「ち、違う! お前を喜ばせたいのは本当だ!」

女「はいはい、それも嘘ね」

男「話を聞いてくれ! 俺は幼馴染みに会いたくなんかないんだ!」

幼馴染み「ひど~い」

女「男の嘘なんかこれ以上聞く価値なんてないわよ」

男「誤解だ!」

女「今までの嘘も誤解だってわけ?」

男「う! そ、それは……」

女「反論できないのね」

男「す、すまん……」

幼馴染み「男って最低ね。でもそんなところが大好き」

女「…………」

男「おい幼馴染み! テメェふざけんな!」

幼馴染み「イヤー怖い! 男が私のこと襲ってくる!」

周りの客1「おいあの男、女の子の髪引っ張ってるぞ」

周りの客2「怖いわね~」

周りの客3「最低な男だな」

店員「お客様、周りのお客様の迷惑に……」

男「違うんだって! 悪いのはこの幼馴染みだ!」

幼馴染み「そもそも二股かけてるあなたが悪いんでしょ!」

男「黙れ!」

怒り狂った男は思いっきり机を叩く。

その勢いで飛び散った水が、女の顔に見事にヒットした。

女「…………」

男「あ……」

幼馴染み「うわ~男最低」ニヤニヤ

男「お、女……」

女「もうあなたとは終わり。じゃあね」

男「おい! 女! 女ーーーー!!」

――END――

この物語の主人公のように最低な作者は何度でも嘘をつきます。

まだ終わりません。

>>67に戻ります。

ここから先は別エンドへのルートです。

男「……ともかく、これから俺は女に会えば良いんだな」

妖精「当たり前すぎることなんかいちいち口にしなくていいから。ほら、面倒だからさっさと準備をして。時計を見てごらん」

男「時計?」

12時45分

妖精「待ち合わせの時間に遅れちゃうよ~また道に迷った人を道案内しなきゃいけなくなるよ~」

男「やべ! 急がないと!」

――駅前――

13時10分

男「悪い! 遅れた。待った?」

女「ううん、私も今来たばかり」

男「そうか、それなら――」

女「嘘よ。私はきっかり時間通りに来たわ」

男「うっ……」

女「10分遅れ。何があったかくらいは説明してよね」

男(ここで嘘をついちゃダメだ)

男「すまない! 昼寝しすぎた!」

女「何よそれ! また嘘じゃないの? でも、そんな嘘つかないか」

男「悪かったよ」

女「も~う、本当に何よ! 彼女との約束の時間に、昼寝で遅れるなんて」

男「反論できねえな」

女「まあ珍しく嘘をつかなかったことは驚きだけど」

男「悪かった」

女「もういいわ。面倒だからさっさとファミレスでも行きましょ!」

男「…………」

女「昼寝ってことは、お昼ご飯食べてないでしょ?」

男「ああ、忘れてたよ」

女「私もなんやかんやお昼抜いてたから、ファミレスでお昼ご飯食べよ」

男「よし、そうしようか」

男(ファミレスで全てを謝ろう)

――ファミレス――

男「あ~うまかった」

女「季節限定メニューおいしかったな~」

男(そろそろだな)

男「なあ女」

女「なに?」

男「俺はお前に謝らなくちゃならないことがたくさんある」

女「ど、どうしたのよ急に……」

男「俺はいつも女に嘘をついてきた」

女「…………」

男「どうしても女に嫌われたくなくて、女の気分を害したくなくて、いつもいつも嘘をついてきた。でもそれは間違いだったって気づいたんだ。おれがついてきた嘘は、女のためじゃなくて自分のためだと気づいたんだ」

女「…………」

男「俺は嘘で女を騙すことで自分を安心させていた。でもその嘘が、女を失望させ、女の心を傷つけていた。俺は、女を愛してるのに、そんなことにすら気づけなかったんだ」

女「愛してるなんて……こんなところでそんな大声で言わないでよ恥ずかしい。嬉しいけど……」

男「誕生日に中華鍋が欲しいって言ったのは嘘だ。本当は水道管配列図って本が欲しい」

男「好きな映画はショーシャンクの空にって言ったけどそれも嘘だ。本当はトレマーズが好きだ」

男「俺の家にある電気スタンドは海外ブランドって言ったけど、それも嘘だ。本当はダイ○ーで買った」

女「…………」

男「俺は女のために嘘をついていた気になっていた。でも俺は自分のための嘘しかつかない、最低な人間だ。本当に悪かった。すまない!」

女「…………」

男「俺は女のために嘘をついていた気になっていた。でも俺は自分のための嘘しかつかない、最低な人間だ。本当に悪かった。すまない!」

女「男……」

男「許してくれとは言わない。ただ謝らせてくれ。俺が悪かった!」

女「もう、男ったら。本当に嘘ばっかりなのね」

男「悪い!」

女「いいよ、許してあげる」

男「え?」

女「私だって男のことは大好きだよ。だから許してあげる」

男「あ、ありがとう!」

女「こちらこそ、謝ってくれてありがとう」

男「…………」

女「あ! でも許してあげる条件を付けるね」

男「なに?」

女「この食事を奢ってくれたら許してあげる」

男「うっ、金のない俺にはかなりの痛手となるお仕置きだな」

女「今まで嘘ついた罰よ」

男「しょうがないな」

――ファミレスの前――

男「俺の財布に核の冬が訪れた」

女「核兵器を落としたのは私?」

男「いや、自爆だよ」

女「フフ、その通りね」

男「でも俺はもう嘘つかないからな」

女「そうよね。それじゃそろそろ、本題に入るわね」

男「本題?」

女「男ってもうすぐ誕生日だよね」

男「そういえばそうだったな」

女「だからね、男の誕生日プレゼントを買おうと思ってるの。水道管配列図だっけ? 男が欲しいのって」

男「その通り」

女「それじゃ、一緒に買いにいきましょ」

男「誕生日プレゼントって普通は内緒で買うもんじゃねえの?」

女「普通はね。でも、男が欲しいものを一緒に買っちゃった方が楽でしょ。もちろん、今日買ったものは誕生日までお預けだけどね」

男「なんか誕生日プレゼントの旨味ぶち壊しだな」

女「いいから、さっさといくわよ」

男(そういえば夢ではここでトラックが)

女「水道管配列図か……普通の本屋に売ってるのかな?」

男(暴走してるトラックは、ないな。俺が女に謝ったから、彼女に降り掛かる不幸は消えたのか。妖精の言ってた通り、俺が女を不幸にさせるところだったのか……)

女「どうしたの男。早く行こうよ」

男「あ、ああ、そうだな」

妖精「……フッ」

――数時間後、公園――

男「いや~だいぶ探しまわったな」

女「駅の周りの本屋さん全部回ったもんね」

男「〝水道管配列図〟なんて本、そんじょそこらの本屋にはないと思ってたけど、諦めずに探すもんだな」

女「なんで男は、そんなマニアックの本を探してたの?」

男「水道管ってさ、俺たちの生活には欠かせないものじゃん? でもどこに水道管が通ってるかを俺らは知らないんだ。いつもお世話になってる水道管がどこをどう通ってるのか知りたくて」

女「変わってるわね。まあ、そこが好きなんだけど」

男「今日は楽しかった」

女「私も楽しかったよ」

男(俺は女の不幸を完全に追い払うことができたんだ。こんなチャンスをくれた妖精にはきちんと感謝しないとな)

女「じゃあそろそろお別れだね」

男「そうだな」

女「次はいつ会えるかな?」

男「遅くても俺の誕生日だろ」

女「そうだね。その時は、このプレゼントをあげるからね」

男「ここまでわかりきった誕生日プレゼントも珍しいな」

女「フフフ、楽しみにしててね」

男「それじゃまた――」

強盗「おいお前!」

女「ちょっと、なんですか?」

強盗「姉ちゃん、金だせよ」

女「え?」

男(なんだ? 何が起きてるんだ?)

強盗「さっさと金を出せって言ってんだよ!」

女「あの……その……」

男(助けなきゃ)

強盗「金を出せ!」

女「キャ!」

グサリ

女「ウグッ!」

男「え?」

強盗「あれ? や、やっちまった……う、うわー!」

男「女……女ーー!!」

女「…………」

男「女、大丈夫か! 女!」

女「私は……大丈夫だよ……」

男「そうだよな! お前は死なないよな!」

女「うん……私は……絶対に……死な……ないよ……」

男「女! 女ーー!!」

男「なんでだ! なんで女が死ななきゃいけないんだ! 妖精! 俺を騙したな!」

男「うわーーーーー!!!!」

強盗「お、おい! お前、俺の顔を見たな!」

男「…………」

強盗「お、お前も! 死ねー!」

グサッ

――自宅――

男「うわ!」

男「また、夢?」

妖精「どうだった? 女さんを幸せにすることはやっぱりできなかったのかな?」

男「妖精! これはどういうことだ!」

妖精「チャンスを与えると言ったな、あれは嘘だ」

男「テメェ、俺を騙したんだな!」

妖精「ちょ、ちょっと!」

男「許さねえぞ!」

妖精「何をするんですか! お帽子を取らないでください!」

男「騙しやがって……」

妖精「やめてください~その手に持っているダ○ソーで買った電気スタンドを下ろしてください~体長15センチにそれはオーバーキルになりますう~」

男「黙れ! これもどうせ夢なんだろ! お前が作り出した夢なんだろ! お前はそうやって俺をたぶらかして喜んでるんだろ!」

妖精「いや、違いますよ! 今度こそ夢の世界じゃないですよ! たしかにさっきは夢の世界だったけど、今度こそ違いますよ! だからその電気スタンドを……って椅子はダメです~可愛い〝妖精さん〟が〝妖凄惨〟になっちゃいます~」

男「覚悟しろ!」

妖精「いや~!!」

?「男、その妖精さんは何も悪くないわ」

男「その声は……」

女「妖精さんを傷つけないで」

男「なんで女がここに……」

妖精「ここは現実の世界なんです~夢の世界じゃないんです~」

女「ごめんね、こんなことして。でもどうしてもあなたにわかってほしかったから、妖精さんと一緒に男にいろいろな夢を見させていたの」

男「はあ?」

妖精「あれは嘘だと言ったな、あれは嘘だ」

男「どういうことだよ!」

妖精「ふらりと群れから離れたらライオンに囲まれ後ろの川にはワニがうごめいている場所にたった一人で取り残された水牛の赤ん坊のように哀れな君に説明してあげる。女さん、これはあなた自身の言葉で説明した方が良いよ」

女「わかってる。実はこの妖精さん、私の悩みを解決するために現れた妖精なの」

男「悩みを解決するため!? 一体どういうことなんだ?」

女「ねえ男、男は一度目から三度目の夢で、嘘によって大切なもの失う辛さを味わった。そして一番大事な四度目の夢で、嘘をつかれる辛さを味わったの」

男「嘘で大切なものを失う辛さ、嘘をつかれる辛さ……」

妖精「自分がいつも嘘を言い続けたおかげで、女さんはトラックの接近までも嘘だと思い注意を怠り、結果死んでしまった。自分の嘘が女さんを殺してしまった。寛大な妖精さんにチャンスを与えられそれが回避されたとしても、女さんは最期に〝私は死なない〟と嘘をつき死んでいった。そもそもチャンスなんてのが嘘だった、ってこと」

女「なんで四度目の夢が一番大切かわかる?」

男「それは……」

妖精「まったく、そのくらい即答しなさいよね。本当にダメな奴ね。テキサス州にでも行ってオズの国を探しに幾つもの竜巻に巻き込まれてくればいいのよ。そうすれば少しはマシになるかもしれない」

女「嘘をつかれる辛さは、男が私に与え続けた苦しみよ」

男「!!」

女「もちろんさっきの夢ほど辛いものじゃないけど、積もり積もればあのくらいの辛さにはなる」

男「あんなに……辛い思いを俺は……」

女「男が嘘をつかないようになるには、嘘をつかれる辛さを知ってもらわなくちゃいけなかった」

妖精「だいたいの加害者は実際に自分が被害者になるまで自分が人にやってきた行為がどれだけ辛いものかなんて知ることはできないからね~それが君のような最低を極めた男じゃなおさらだよね」

男「……俺は、最低な人間だな」

妖精「今更過ぎる言葉ね」

男「反論もできねえ。女、俺が悪かった。すまない!」

女「…………」

男「すまない!」

女「もういいってば。とっくに謝ってくれたじゃない」

男「え……」

女「さっきの男の夢は私も妖精さんに見せてもらってたの。その電気スタンドは○イソーの商品で、好きな映画はトレマーズでしょ」

男「ア、アハハ、その通り」

女「それじゃ男、これから〝水道管配列図〟でも買いに行きましょ」

男「……ああ! 時間もちょうどいいしな」

女「でも、いつかは男の中華料理、食べたいな」

男「いつか食べさせてやるよ」

女「それも嘘だったら承知しないわよ」

男「わかってるって」

女「そのときは妖精さんも一緒ね」

妖精「私はいいわ~寝てる人にシャーペンの芯を握らせてそれをコンセントの中に差し込むぐらいな最低な男の手料理なんか食べたくないし」

男「おい! 雰囲気ぶち壊しだろ!」

女「まあまあ。ほら、はやく買い物行こ」

男「あ、ああ。行こうか」

妖精(男が嘘をつくのを止められるかは疑問だよね~。でも、これで少しは改善されて女さんも楽にはなるよね。じゃないと、女さんは狂って男を刺し殺しちゃうんだから)

妖精(片や虚言癖でそろそろ例えるのも面倒な最低男と、そんな虚言癖を愛した結果自分でも気づかぬうちに殺人鬼一歩手前に迫った女さん。よく考えたらとんでもない二人だよね。ちょっと気持ち悪いし、イライラするし)

妖精(でもそんな、テロリストに占拠されたビルを這いずり回り爆破され滅茶苦茶になりながら生還しちゃうぐらいとんでもない二人だからこそうまくいくのかな?)

妖精(うまくいくか。今こうして笑い合う二人がいる世界は、男の夢の中の世界なんだから)

妖精(自分の夢の中ですらうまくいかなかったら、いくらなんでも最低に磨きがかかり過ぎだよね)

妖精(夢の中だけとは言え、クソ野郎な男の夢の中で、二人は長く愛し合い続けるんだから幸せだよね)

妖精(ただ、私も嘘ついちゃったんだよね。女さんが死んじゃうあの世界が、夢の世界だなんて言っちゃったんだから。女さんが生きている世界が夢の世界なのに)

妖精(フフン、まあでも面白い暇つぶしになってよかったな~)

妖精(さて、そろそろ現実世界に戻って次の暇つぶしを探そうっと)

――現実世界、病院――

テレビ《昨晩の公園付近で発生した殺人事件で、女性一人が死亡、男性一人が意識不明の重体です。犯人は未だ逃走中とのことで、警察は――》

幼馴染み「あんた、彼女いたんだね。あんたを不幸にしてやるとずっと思ってたけど、私以上にあんたを不幸にできる人がいたなんて」

男「…………」

幼馴染み「それにしても、男はなんでこんなに笑顔でいられるのかな」

妖精「…………」

幼馴染み「うん? 今何かいたような……」

――TRUE END――

今度こそ終わりです。
まともな人が誰一人いない胸くそssでした。(作者の感想です)

書き溜めがあったので、いつまでもグダグダ続けるのもどうかと思いさっさと終わらせてしまいました。

まだ一応、他にネタはあるので懲りずに次回作があるかもしれません。
そのときにまた読んでくださる方がいてくだされば、この上なく幸せです。

それでは読んでくださった皆様、お褒めの言葉を書いてくださった皆様、ありがとうございます。

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