御手洗「ビブリア古書堂?」 (49)



 ※御手洗潔シリーズとビブリア古書堂の事件簿のクロスSSです。


 ※駄文・設定間違いがちらほら?指摘していただけるとありがたいです。


 ※今でもこの先でも、「あ、だめだこれ」と感じたらブラウザバックどうぞ。




 おk?



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398080850





 『ABC殺人事件』 アガサ・クリスティ




 ※言い忘れてましたが、時間設定は気にしない方向で。ノリで。









 北鎌倉








 春がやってきた。




 並木道から吹き込む桜の花びらは、風流ではあるが店の前の排水口に詰まると少々見栄えが悪い。




 容赦なく掻き出してやる。箒は壁に立てておいて、看板を屋根の下から持ち出した。




 その時ふと風が吹いて、せっかく掃き出した花びらが路上に散らばってしまった。




 五浦「あ・・・・・・」




 箒をもう一度持ち出そうかとも思ったが、まあいいかと考え直した。看板を改めて引き出す。




 さっき吹いた風が、くるくると看板を回す。見慣れた光景のはずだったが、なぜか自然と目に付いた。








 『ビブリア古書堂』








 看板がボヤ騒ぎで新しくなったせいだろうか。




 後になって考えれば、その日が事件の始まりだったのかもしれない―――



 

 その日は平日ということもあり、客は少なかった。




 その上印象的な客が連続して来た為、はっきりと記憶している。




 五浦「いらっしゃい・・・ませ・・・」








 男「・・・・・・」








 一人目は厳つい顔をした、いかにも堅気でない風の男だった。




 長身で、さりとて痩せ型なわけでもなく、とにかく大きな男という印象だった。




 男「・・・・・・」




 男はしばらく店内をうろついていたが、あるコーナーで立ち止まる。




 男「・・・・・・」




 手にしたのは、さほど貴重でもないアガサ・クリスティーの『ABC殺人事件』。




 有名な作品だからと、ほいと置いておいたのが正解だったようだ。




 男「・・・・・・」




 男はしばらくその本を見つめたあと、それを持ってレジの方へ来た。








 男「これをくれ」




 低く、太い声。以前前科持ちの客は来たことがあるが、これほど雰囲気を纏ってはいなかった。


 乱暴に置かれたわけではないのだが、ゴトリと音がした。




 五浦「はい、ええと・・・あ、ちょうどお預かりします」




 男は少々緊張する俺を見かねたように、ゆっくりと、しかし無駄のない動きで財布からぴったりの代金を出してきた。




 五浦「ありがとうございましたー・・・」








 男は無言のまま、店から出ていった。








 ?「・・・大輔、さん?」


 五浦「はい?」




 本の山からひょこっと顔を出したのは、このビブリア古書堂の店主である篠川栞子。


 彼女は本に関しては異常な程の知識を持ち、それに関しては頭も回るのだが、いかんせん人見知りである。


 そのため日常の接客は俺がやることになっているのだが、どうやら今回もそれで正解だったらしい。


 目を見開いて、古書店に不似合いな客が来たことに驚いている様子である。




 栞子「あの方・・・何買って行かれたんです?」




 だが本だ。





 五浦「ええと、アガサ・クリスティーの、『ABC殺人事件』ですね」


 栞子「ABC殺人事件・・・1936年に発表された、18作目の長編・・・ポアロシリーズでは11作目に当たる作品ですね。」


 五浦「聞いたことがありますけど、人気なんですか?」


 栞子「人気なんてもんじゃありませんよ!知名度・評価ともに高い、アガサ・クリスティーの代表作の一つですよ!」




 本のことになると急に饒舌になる。


 まあ、文章を読んでいられない体質の俺としては話を聞かせてもらえるのはありがた―――








 ドアが開いて、ボサボサの髪の、彫りの深い顔をした長身の男が乗り込んできた。








 男「それにしても石岡君、君の趣味の変化の速さは敬服に値するものだよ!」











 『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー







 御手洗「それにしても石岡君、君の趣味の変化の速さは敬服に値するものだよ!」




 御手洗は古書店に乗り込んでおいて、こう言い放った。




 御手洗「昨日音楽を聴いていたと思えば、今日は古書とは!一昨日は記憶喪失だったかな?」




 石岡「いつまでそれを言うんだ・・・」








 無理やりついてきておいて電車の中からずっとその話である。




 知っているぞ、単に夕食を作るのが面倒くさくてドサクサで外食にしてしまおうと企んでいることを―――








 御手洗「いや別に、それを否定するわけじゃないさ!かのフランスの音楽家も―――」




 石岡「ちょっと待ってくれ御手洗、僕は単に古い本に興味があって、買いに来ただけだ・・・」




 御手洗「君が何度もここへ足を運んでいることぐらいわかるさ!」




 石岡「なっ!?」




 御手洗「なにしろ駅についたとき―――いや、そんなことは今はどうでもいい!」




 御手洗「それより、君が何故そうまでしてここに足繁く通っているかどうかだ!」





 『ABC殺人事件』




 どうやら突然踊り込んできた男はミタライ、後ろからトボトボと付いてきた男はイシオカというらしい。


 イシオカの方は顔に見覚えがあった。以前安い推理小説をいくつか買っていった男だ。




 ミタライ「君が何度もここへ足を運んでいることぐらいわかるさ!」


 イシオカ「なっ!?」




 驚いたことに、ミタライという男、来るのは初めてにも関わらずイシオカがうちに来たことがあることを言い当てたらしい。


 なんとなく栞子さんから人見知りを取ったらこうなるのかなと考えて、笑いを堪える羽目になった。




 ミタライ「なにしろ駅についたとき―――いや、そんなことは今はどうでもいい!」




 ミタライ「それより、君が何故そうまでしてここに足繁く通っているかどうかだ!」








 ミタライ「あの女性を意識しているなら諦めたほうがいい!あそこのガタイのいい青年といい関係にあるようだから!」








 目を剥いた。

わかりにくかったでしょうか?

五浦と石岡の視点を切り替えつつ進めていこうと考えております。

ストーリー自体は長くはないので安心してください。

それを短く収められるかは別として・・・

個人的にはこれだと改行が多すぎて読みにくい
御手洗シリーズ?の方は知らないけど期待してる

自分は逆にビブリオシリーズの方を知らないけど、とりあえず乙
1レスごとに視点を切り変えるんじゃなくて、数レスごとにまとめたらいいと思う

>>14>>16了解しましたー


 『そして誰もいなくなった』




 石岡「は・・・はああ!?」


 突然何を言うんだこいつは!?




 女性「あの!ち、違い・・・ます・・・」


 女性が勢いよく立ち上がったが、後半は顔を真っ赤にして蚊の鳴くような声だった。




 御手洗「まあ女性心理に詳しい君ならどうにかなるかもしれないが・・・興味があるのは古書だろう?さあ!」


 石岡「さあって・・・・・・・・・・・・」




 前にもこんなことがあった、喫茶店で同じ時間に店にいただけのサラリーマン達に演説をかました時だ。


 今回は演説ではないが、そういう話題はデリケートすぎる。




 御手洗「僕はもう買うものは決まったからね!」スッ


 石岡「・・・・・・好きにしろよ!」




 私は胸の中がむかむかしてたまらなかったので、そう吐いて店から出る。




 御手洗「全く、二言目には絶交かな・・・大輔君、これをくれ」


 男「!?」


 御手洗「何、会話が聞こえただけさ・・・・・・ありがとう、本、読めるようになるといいね!」


 男「ちょ、ちょっと待っ・・・」




 そこまでは聞こえたが、ガタガタと鳴る扉の音でかき消された。



 御手洗「石岡君!待てよ、何をそう怒っているんだい?」


 石岡「君の態度にだ!君は、僕の趣味を破壊することしか眼中にないのかい!?」


 路上なので多少声は抑えたつもりだったのだが、近くを通ったOLがちらりとこちらを振り返った。




 御手洗「そういうわけじゃないさ、僕たちとすれ違いに出て行った男、暴力団の幹部のボディーガードだね」


 石岡「無理やりついて来ておいて・・・」


 御手洗「君が頭のいいゴールデン・レトリーバーを連れてきてくれるなら話は別なんだが!」


 石岡「~~~ッ!」




 御手洗「まあ待てよ、古書というのはいいもんだぜ。ほら、この本も脳の電気実験が行われる以前のものだ・・・」


 石岡「何を今更!」


 御手洗「脳の仕組み一つにしても電気信号で役目をなしていると判明するまでは宗教が絡みついた・・・石岡君?聞いているのかい?」



 『ABC殺人事件』




 五浦「・・・・・・」


 驚きを隠せないのは、俺だけではないらしい。


 栞子「・・・・・・知り合い、なんですか?」


 五浦「いっいえ・・・初対面です」




 栞子「・・・・・・何を買って行かれたんです?」


 五浦「えっと、『脳味噌絡繰』でしたかね」


 栞子「大正時代に少数出回った、当時最新の脳研究について書いた本ですね・・・」


 五浦「脳・・・」


 栞子「それにしても、あの方は何故大輔さんの・・・・・・あ・・・・・・その・・・・・・な、なぜ体質のことを知っていたんでしょうか?」


 五浦「・・・聞いてたとは言ってましたが、そんなこと言ってませんし・・・」




 悩む栞子さんの指が、ちらと見えた。紙で切った傷の跡が―――




 五浦「・・・あ」

ではまた次回。
未だに御手洗さんのキャラが掴めずにいる・・・

『そして誰もいなくなった』


 それから数日、私たちはほとんど口も聞かずに過ごした。


 私の本を読んでくださっている方の中には御手洗と私の仲を勘違いして、一般的に「腐向け」と呼ばれる二次創作物を錬成してしまう方もいるが、このとおり喧嘩をする時も多い。


 大概御手洗が原因で、大概許すのは私である。


 しかし今回、仲を取り持ったのは意外な人物だった。


 買い物から帰ると、ソファに見覚えのある男が掛けていた。




 丹下「・・・どうも、失礼しております」


 丹下刑事であった。私は大人げもなくまだむかむかしていたので、どうも、と無愛想に挨拶をして個室に入ろうとした。




 御手洗「石岡君、ビブリア古書堂の近くで事件らしいぜ」


 石岡「・・・!」


 御手洗「それも重要参考人として追われているのは、ぼくたちと入れ違いに出て行った男らしい」


 石岡「そんな馬鹿な!?」


 丹下「それが本当でして・・・先生に顔を見せたら知っているというので驚きましたよ」


 そういって差し出してくる書類には、確かにあの男の顔が刷り込まれている。




 御手洗「どうやら久しぶりに、本格的な事件のようだね」


 御手洗は不謹慎にもニヤリと笑って、椅子に座り直した。



 丹下「事の発端は阿蘇 良純という男の捜索願が出されたことでして」


 丹下刑事は私が座るのを待って、話しだした。


 丹下「大切な客が来るからといって今の妻を追い出したそうなんですが、その今の妻が帰ってきたら、誰もいなくなっているというんですな。」


 丹下「その時にはあまり重要視もしていなかったのですが・・・」




 丹下「次は、戊専 竜一という男です。」


 丹下「この男、東京では名前を知られた暴力団の幹部ですな。知らない?ああそうですか・・・」


 丹下「この男が事務所へ向かおうと門から出て、車に乗り込もうとした時ですね。」


 丹下「突然ボディーガードが走り込んできたというんですな。『兄貴が!』と・・・」


 丹下「しかし行ってみると、死体はもうない・・・」


 丹下「ボディーガード・・・近衛 保治という男ですが、『どうなってるんだ!知らない、俺は・・・突然倒れて・・・』と言って、どこかへ逃げていってしまったそうです。」




 丹下「次は、これまた同じ暴力団・・・金沢組というんですが、その幹部ですな。霞 五郎といいますが、こいつも、行方不明になっております。」


 丹下「こいつは散歩に出て、ボディーガードが一瞬離れたときにふと姿を消したと言うんですな。」


 丹下「しかしこのボディーガードは電話で話をしておりましたから、アリバイはあります・・・」


 丹下「大の男をどうこうしようって言うんじゃ、物音が出るのは決まっていますからな。」


 丹下「しかしこの三人の男、後に死体となって発見されるんです。」




 丹下「まず霞五郎・・・」


 丹下「次に戊専 竜一・・・」


 丹下「そして阿蘇です。それぞれ、ゴミ捨て場で発見されました」


 石岡「ゴミ捨て場・・・」


 丹下「そうです。死因は毒殺、いずれも死体に毒針が刺さっていました。毒はテトロドトキシン・・・」


 御手洗「強力な神経毒だね」


 丹下「この針にはなぜか、テープが巻かれていました。2重・・・3重ぐらいですかな。」


 石岡「テープ?セロテープですか?」


 丹下「ええ・・・毒針にテープを巻くなんて、前代未聞ですよ」



 御手洗「続けてください」


 丹下「ええ・・・そして唯一関係者でアリバイのない、近衛を追っているというわけです。」


 丹下「安易だと笑われるかもしれませんが、動機も予想はついているのですよ。この近衛、阿蘇の息子だということが分かっています」


 石岡「息子!?」


 丹下「ええ、前の妻の。その妻は病気で死んだそうです、それで暴力団なんぞに足を踏み外したんでしょうな。」


 丹下「あとこの近衛、以前銃撃戦をやる汚れ役を引き受けているんですな。それで、幹部連中を恨んでいたのではないかと。」


 丹下「しかし妙なことに、霞五郎の死亡推定時刻には、友人に電話していることが分かっているんですな。」


 丹下「それさえなければ指名手配をかけてしまってもいいんですが・・・」




 御手洗「ふんふん・・・わかりました、とりあえず現地に行くとしましょうか!」


 石岡「は?」


 丹下「どこにです?」


 御手洗「北鎌倉ですよ!」


 石岡「ええ!?」


 丹下「北鎌倉って・・・あれ、言いましたっけ!?近衛の事件の・・・」


 御手洗「私が彼を見かけたのは、そこの古書店ですよ!おそらくそこの近くですね、屋敷は!」


 石岡「なんでそんなことが・・・」




 御手洗「彼みたいな無骨な男が、VIP待ちの時間つぶし以外で本屋なんかに入らないだろう!」



早くもトリックが分かった人は御手洗級
次回北鎌倉、『ABC殺人事件』編

『ABC殺人事件』


 それから数日、私たちは変な空気のまま過ごした。


 栞子さんは僕を名前で呼ぶことが恥ずかしくなってしまったらしく、呼びかけては止め、呼びかけては止める。


 本の話をしてくれる機会も少なくなり、あの男の罪は重い―――


 しかし私たちの仲を取り持ったのは、意外な人物だった。


 本の整理をしていたらガラス戸の開く音がしたため、いらっしゃいませ、といいながらカウンターに戻ると―――




 ミタライ「久しぶりだね大輔くん!調子はどうだい?といっても、大半は通販のようだが!」




 この男、イラッとくるセリフの後にまた、とんでもないことを言った。




 五浦「ちょ、なんで知ってるんです!?」


 ミタライ「レジスター!そう新しくもないのに、あまり汚れていないね!」


 五浦「・・・!?」




 なんて観察眼―――しかし僕の場合、前例が一人いるのであまり驚かなかった。




 栞子「大輔さ―――あ、いや・・・ってえ!?あなたは―――」


 ミタライ「僕はミタライ―――ミタライ、キヨシといいます!覚えておいて特があると保証は出来ませんがね!」




 損得かかわらず、忘れられそうにない人物だ。





 丹下「―――というわけでして。近衛が最後にここに寄ったと聞いて、話を伺いたく・・・」


 栞子「そ、そr・・・それは、わざわざ・・・どうも・・・」


 名刺によると刑事である丹下さんは非常にきっちりした方のようだ。栞子さんの噛みが一段と激しい。


 丹下「来店したのは数日前のこととのお話ですが、何か変わったことはありませんでしたか?」


 栞子「あ、あの・・・対応したのはだい、じゃな―――五浦さんですので、そちらに聞いたほうが早、早いかと・・・」


 丹下「ほう、五浦大輔さんでしたかな。変わった様子は―――ってちょっと!先生!?」


 ミタライが丹下を無視して、覆面パトカーを運転してきた若い刑事と話している。


 それより、いかつい丹下がミタライ氏をを先生と呼んでいることに違和感を覚えた。


 もしや栞子さんのように、トラブルを解決したりしているんだろうか。警察が絡むレベルの―――


 石岡「おいミタライ、何を話してるんださっきから?」


 この石岡氏も名刺をくれたが、ミタライ氏は名刺をくれない―――持ってはいたようなのだが、名刺を出しかけて慌てて引っ込められてしまった。名刺になにか知られたくないことでもあったのだろうか。


 ミタライ「いや、現場を見に行こうと思ってね!まさか、警察の一人もいないんじゃ入れてくれるはずもなかろうから!」


 刑事「あの、丹下さん、行っても・・・」


 丹下「ああ・・・お願いします、私はまだ聞くことがありますので。」


 ミタライ「おかしな様子はありませんでしたか、その時間何をしていましたか、か!ふん、この事件はそう型にハマるものじゃありませんよ!」


 丹下「しかし、仕事ですから・・・」


 ミタライ「まあいいでしょう、日本人の悪い癖だ!石岡君、君の本がスッカスカになるのが嫌なら一緒に来たほうがいいぜ!」


 石岡「えええ!?し、しかし・・・」


 五浦「本、書かれてるんですか・・・」


 思わず聞いてしまった。一般的な成人男性にしか見えなかったからだ。


 石岡「い、いやあ、そんな大したものじゃありませんよ・・・」


 ミタライ「いや、わからない!いずれこの古書店にも並ぶかもしれない!安値でね!」


 石岡「ちょっと、どういう意味だいそれは?」


 ミタライ「嫌だなあ石岡君、たくさん出回る、と褒めたのさ!」




 丹下「・・・で、なにかおかしなことは・・・?」


 五浦「いや、ありませんでした。無口で、いかつい人だなあとは思いましたけど」

「ミタライ」が読みづらいかも知れませんが勘弁してください・・・
次回は漢字ですので。

『そして誰もいなくなった』




 幹部「あのねえ、捜査はもう終わったんでしょ?故人の家を歩き回られちゃ困ります!」


 刑事「ですから、事件解決に必要なんです!5分でいいですから!」


 幹部「・・・はあ、3分です!それ以上は待ちません!」




 御手洗「やれやれ、困ったものだね!イタリアのギャングだってあんなに図々しくない!」


 石岡「君も説得したらどうなんだ・・・」


 刑事「御手洗さん、早く!」


 御手洗「あ、刑事さん、腕時計貸してくれますか?」


 刑事「腕時計・・・?ええ、はい・・・」カチャ


 御手洗「僕が調べたいことは一つだ、すぐに済む・・・よおい、ドン!」


 石岡「み、御手洗!?」




 何をするかと思えば御手洗は、庭の入口から玄関へ向けて走り出した!




 御手洗「・・・長い・・・」ダダダダダ


 御手洗「よし!玄関に駆け込めた!」


 御手洗「・・・3分か!」




 石岡「3分!?」


 御手洗「この庭、多少トリックアートの技法が取り入れられているようだね・・・紙の上ですむものを!」


 刑事「んん・・・あの植え込みは遠いのかな?」


 石岡「あ、言われてみれば・・・」


 御手洗「池が視界に入るというのは想定内・・・可能性は二つに一つだ、近衛かそれとも・・・か!」


 石岡「・・・御手洗?何かわかったのか?」



 御手洗「え?何がだ?」


 石岡「いや、犯人の・・・」


 御手洗「ああ、そんなことはとうにわかっている!」


 御手洗は手をうるさそうに振る。こちらは全くわかっていないのだが。


 石岡「だ、誰だい?」


 御手洗「それは・・・ええい、面倒だ!どうせ君は理由も教えろというのだろう!」


 石岡「いや、それは・・・」


 気になるが、犯人すら教えてもらえないのでは―――




 幹部「・・・時間だ」


 刑事「あ、わかりました・・・御手洗さん!石岡さん!行きますよ!」


 御手洗「そうだ石岡君、古書店の二人に相談してみるとするか!ちょうどよかろう?話しやすくて!」


 石岡「はああ!?」


 一番会いたくない二人だが・・・


 御手洗「もう一度要点を整理すれば、君にだってわかるかも知れないし!僕に頼りきりじゃいけないぜ!」




 刑事「早く行きましょう・・・金沢組の連中敵に回したら東京じゃ生きていけませんよ?」ヒソヒソ


 御手洗「ほう!それはどうなるか見てみたいね!」


 石岡「早く行こう御手洗・・・」グイグイ


 御手洗「ほう石岡君!そんなに早く行きたいのかい?」


 石岡「あ、いや・・・」


 御手洗「行こうじゃないか!ビブリア古書堂へ!」


 石岡「・・・わかったよ・・・」ハア




 どういう神経をしているんだろうか。真相をおあずけのまま、変な空気の人たちと会いにいくとは・・・



『ABC殺人事件』


 文香「五浦さぁん?」


 五浦「え?あ・・・何?」


 栞子さんの妹―――篠川文香が話しかけてきた。


 現在市場に行っている姉と対照的な、闊達な少女である。


 文香「なんか最近お姉ちゃんとギクシャクしてない?」


 五浦「え?」ギク


 文香「お姉ちゃん、五浦さんの話題が出ると急に話しづらくなるんだよ。姉妹なのに」


 五浦「え、いや、あ・・・」


 原因は言わずもがなである。


 五浦「実はこの前来たお客さんに、栞子さんと関係があるんじゃないかって言われちゃってね・・・」


 文香「ああ!それで・・・」




 ミタライ「やあ五浦くん!今日はよく会うね!」ガララッ


 石岡「君が会いに行ってるんだろう・・・すいません、何度も」


 噂をすれば影、だ・・・


 ミタライ「ほう!妹さんかい?店長さんの方かな?」


 五浦「あ、はあ・・・」


 ミタライ「実はそこの屋敷の事件でね、新しいことがわかったんだ!だがこのおじさんはその情報からどういうことがわかるのか分析できないようでね・・・」


 石岡「年齢はそう違わないだろう・・・」ポツリ


 ミタライ「まあ暇つぶしにでも聞いてくれないか!まずは事件の概要からだが、全体を見ればとるにたらないものだ!ただ、細部を見ると少々厄介なんだね!まあ、そうでもなければ僕は足を動かすのも億劫なんだが!」


 五浦「あ!あの、少し待ってもらえませんか?栞子さん・・・店長がそういうこと得意でして、今は出かけているんですが」


 文香「え!?五浦さん、警察ざただよ?それに、本のことじゃないし・・・」


 ミタライ「嫌だなァ妹さん!」


 ミタライは外国人のように、人差し指を左右に振って、こう言い放った。




 ミタライ「だから、本を読んでいればこの事件は取るに足らないものなんですよ!」



 五浦「・・・ど、どういう意味です?」


 ミタライ「僕たちの前に入ってきた、いかつい男を覚えていますか?近衛というんですがね」


 五浦「え・・・ええ」


 あの男の放っていた雰囲気は一種忘れようがないものだった。


 ミタライ「あの男、ここに来て数日後に警護していた暴力団幹部が突然倒れたと言って幹部の家に飛び込んできたのですよ」


 ミタライ「門のすぐ後ろにある池を視界に収めながら、3分ほどで・・・」


 五浦「びょ、病気ですか・・・?」


 ミタライ「いえ!テトロドトキシンによる毒殺です!毒針で・・・・・・なぜか針にはテープが巻かれていましたが・・・」


 五浦「毒殺・・・!?」


 ミタライ「そして近衛は自分が疑われることを恐れ、逃走・・・しかし幹部の部下が出てみると、死体なんてどこにもなかった」


 ミタライ「しかしゴミ捨て場で毒針を打たれた状態で見つかった!」


 ミタライ「他にも近衛に恨みを買っている幹部と、離婚した父親が死体となって発見されました!」


 五浦「それって・・・」


 ミタライ「そう!連続殺人死体遺棄事件です!ちなみに死体が発見された順番は、幹部、幹部、父親です」


 五浦「・・・それと本に何の関係があるんです?」


 ミタライ「さっき家に行ってきましたが・・・1丁目でした」


 ミタライ「おそらくこれは住所ですな!幹部や父親の住所は二丁目もしくは三丁目でしょう!」


 五浦「はあ・・・?」


 よくも見ていないのに言えるものだ。


 ミタライ「おや?お分かりにならない?まあそうでしょうなァ!とにかく、店長さんに聞いてみることです!石岡君、わかったかな?」


 石岡「え?」


 ミタライ「おいおい!まあ五浦くん、謎解きも店長との溝埋めくらいに考えてもらって構わないさ!」


 五浦「あ・・・はあ」


 誰が溝を掘ったのだ・・・

『そして誰もいなくなった』




 それから数日が経った時のことだ。


 私と御手洗は、ギターを持ち出して(と言っても私のものは御手洗からもらったものだが)久しぶりに一緒に音楽を聴いていた。その時、丹下が飛び込んできたのだ。


 丹下「御手洗先生!近衛の行方が分かりましたよ!練馬の倉庫街です!」


 御手洗「ああ?誰かと思えば丹下さん!コーヒーでいいですか?」


 丹下「先生、下にパトカーを待たせてるんです・・・本当に近衛を逮捕していいんですか!?」


 御手洗「何だそんなことか!日本の警察は優秀なんでしょう?信じればいいじゃないですか捜査!」


 丹下「し、しかしですね・・・」


 御手洗「さあ、警官が可哀想だ!早く行ってください!」


 丹下「でも、アリバイがあるんですよ?何かあったら・・・」


 御手洗「今更あなた方の名誉なんか知ったこっちゃありませんよ!死亡推定時刻なんてあやふやです!」


 丹下「し、しかし・・・」


 御手洗「おおかた検死官が間違えたんでしょうな!知ってますか?優秀な医者は検死官になんかならないんですよ!」


 丹下「ええ?」


 御手洗「そんなものですよ真実なんて!早く行ってください!」


 丹下「え、ああ・・・じゃあ、失礼しますけど・・・」


 御手洗「ほら!雨降りそうですよ!練馬でしょ?さあさあ!わざわざ寄ってもらってすいませんでしたね!」




 御手洗はグイグイと丹下を押して、追い出してしまった。



 御手洗「ふう・・・」


 石岡「お・・・おい御手洗・・・」


 御手洗「なんだい石岡君?確かビートルズの曲想の変遷と世界情勢の変化の共通要素だったかな?」


 石岡「い、いや・・・随分強引だな、あれで良かったのか・・・いや、違うだろう?」


 御手洗「・・・・・・勘が良すぎるのも考えものだな、くそ!だから、この事件はあれで終わりだ!」


 石岡「おい御手洗、説明しろ!どういうことだ!?」


 御手洗「終わりなんだよ!そんなことより、あのシングルはどこに行ったかな・・・」ガチャガチャ


 石岡「・・・あの現場で測っていたのは何だ?」


 御手洗「・・・ええい!面倒だな!またバキューム付きの模型※を作ればよかったな!」


 石岡「まだ許してないからな・・・」


 御手洗「時間の無駄だそんなこと!動物のほうがいいな、怒りは発散する!シンプルイズベストだよ石岡君!」


 石岡「説明しろ、御手洗!」


 御手洗「チッ!じゃあ、こうしよう!一旦古書堂へお返ししま~す」


 石岡「御手洗ィ!?」




 ※水晶のピラミッド事件参照

次回推理ショー!

オチがどうあれ、犯人が実は死んでたりしててもいいけど
東方ネタだけはやめてほしい

>>40ここから東方につなげられる奴がいたら芥川賞ですね

『ABC殺人事件』


 栞子「成程・・・毒針・・・ですか・・・」


 五浦「流石に、警察ざたですし・・・衝動的なものでもなさそうですし」


 栞子「ええ・・・これは衝動的なものじゃないです・・・でも、この事件に限ってはわかります」


 五浦「え?」


 栞子さんはやにわ椅子から立つと、入口の近くの棚から一冊の本を取り出した。


 栞子「アガサ・クリスティー・・・ABC殺人事件、近衛さんが買っていった本です」


 五浦「それがどうかしたんですか?」




 栞子「近衛さんは・・・この本を参考に事件を起こしたんだと思います」




 五浦「え、え!?」


 栞子「ABC殺人事件は・・・無差別殺人を犯す中で殺したい人を殺しているものです」


 五浦「ということは・・・今回の事件は・・・」


 栞子「ええ、計画殺人を隠しているのでしょう」


 五浦「じゃあ、計画殺人の被害者は・・・えっと、幹部と・・・」


 栞子「一人だけ、イレギュラーな被害者がいたはずです」




 五浦「・・・近衛の、父親!」




 栞子「おそらく他の事件は、それをカモフラージュするためのものです・・・」




 栞子さんは怒りに身を震わせた。





 栞子「近衛さんは・・・この本を見て今回の犯行を思いついたのでしょう」


 栞子「まず父親を」


 栞子「次にボディーガードをしていた幹部を・・・」


 栞子「そしてもう一人の幹部を・・・」


 栞子「次々に毒針で殺し、遺棄したんです」


 栞子さんの口からそんな物騒な言葉が出るのが意外だった。




 五浦「でも・・・アリバイは?」


 栞子「死亡推定時刻は、周囲の気温で・・・いくらでも変わります」


 五浦「じゃあ、暖房か冷房で・・・」


 栞子「この論が、一番無難です・・・ただ」




 栞子「不審な点が多すぎるんですよ、大輔さん」




 五浦「不審な点・・・?」


 栞子「この店に入ってきたことはわかります。ただ、何故ABC殺人事件を手にとったのか」


 栞子「次になぜ、カモフラージュが幹部なのか・・・自分につながっているのでは、意味がありません」


 栞子「次に、アリバイを作るつもりならなぜ電話などという不確かなものだったのか・・・」


 栞子「そして・・・」




 栞子「ABC殺人事件では、死体は遺棄していません」


 五浦「じゃあ・・・なんで?」


 栞子「・・・こちらも非常に不確かですが、これらの疑問がいっぺんに解決する考え方があります・・・」




 栞子「父親が、犯人だった場合です」



『そして誰もいなくなった』




 御手洗「ここまで聞けばわかるだろう石岡君?じゃあ、散歩にでも出かけようじゃないか」


 石岡「ちょ、ちょっと待て!父親って、阿蘇のことか!?どういう意味だ、呪い殺したっていうのか!?」


 御手洗「ほう!そういう考え方もあったね!ただ、その可能性は低いようだよ?」


 石岡「ううう、はっきり説明してくれ、阿蘇が犯人?どういうことだ、一番最初に死んだんじゃないのか彼は?」




 御手洗「ああもう、考え直してもみたまえ!阿蘇は、行方不明になっただけだ!玄関からでも出ていけばいいんだ!」




 石岡「・・・!?死体は・・・」


 御手洗「発見されたのは最後だ、いくらでも他の二人の死体を捨てて回れる!」


 石岡「だ、だが死んで・・・」


 御手洗「毒針を自分に打ち込めばいい!」




 石岡「ま、待て・・・どういう・・・ことだ?じゃあ近衛は?」


 御手洗「冤罪だね」


 石岡「じゃあ突然倒れたって・・・」


 御手洗「本当だね」


 石岡「待てよ御手洗!毒針の他に外傷はなかったんじゃないのか!?」


 御手洗「別に殴りつけたりしなくたって針は打ち込める」


 石岡「でも、近衛がいたんだぞ!?」


 御手洗「ああ~・・・」




 御手洗「じれったいな!吹き矢を使ったに決まってるだろ!」




 石岡「ふ、吹き矢!?」


 御手洗「阿蘇は屋敷の壁の上から、吹き矢を使ったんだよ!」


 石岡「吹き矢・・・吹き矢・・・ああ、針のセロテープは!」


 御手洗「そう、太さを合わせるためだよ!」



 石岡「でも・・・そのあと阿蘇は、どうしたんだ?」


 御手洗「庭に隠れたのさ」


 石岡「でも・・・でも、近衛は?近衛に見られたんじゃ?なんで黙っているんだ?」


 御手洗「ちょっ!ちょっ!吹き矢には何が必要なんだ?」


 石岡「え・・・筒?」


 御手洗「忍者だよ!忍者のように、筒で呼吸をしながら池に潜んでいたんだ!」


 石岡「ま、まさか!そんなことが!」


 御手洗「近衛が犯人じゃないとすればそれしかないね!」




 御手洗は少しだけ残っていたコーヒーを飲み干した。




 御手洗「僕もその点については調べたけどね、門から玄関に行くには3分もかかる!そうすると、何かで呼吸していたとしか考えられない・・・」


 御手洗「筒状のものを持っていたとしか考えられないんだよ!あまつさえ外傷を作らずに毒針を打ち込むとなると吹き矢しかないんだ・・・二回も言っちゃったけどね」


 石岡「そんな・・・阿蘇がふたりを殺して・・・自分をも殺した?そんな・・・」




 御手洗「本だよ」




 石岡「え?」


 御手洗「おそらく阿蘇は、アガサ・クリスティーの本のコレクターだったんじゃないかな?」


 石岡「で、でも・・・なんで?」




 すると驚いたことに、目が本当に丸くなった。




 御手洗「これは驚いたね!石岡君、君は『そして誰もいなくなった』を読んだことがないのかい?」


 石岡「え・・・ああ・・・その本が何か?」


 御手洗「おおありだよ!『そして誰もいなくなった』は、自分を死んだように偽装した男が他の連中を殺す話なんだよ!」


 石岡「な・・・それで思いついたっていうのかい!?」


 御手洗「なぜそれを実行しようとしたのかは、推定するしかないけどね・・・」

『ABC殺人事件』




 栞子「動機はおそらく・・・近衛さんではないでしょうか」




 五浦「近衛・・・?」


 栞子「実の父親である阿蘇さんが、近衛さんを危険な目にあわせた組の幹部への復讐・・・」


 五浦「でも、その息子に罪を着せちゃ仕方がないんじゃ・・・!?」


 栞子「・・・・・・もしかしたら、なんですが・・・」




 栞子「彼は同時に、組の復讐の手からも守ろうとしたんだと思います」




 五浦「は・・・?」


 栞子「幹部を二人殺したとなれば、もはや日本どこにいても後ろから刺されても仕方がない状態です・・・でも」




 栞子「刑務所の中なら、別です」




 五浦「ああ!それで・・・」


 栞子「アリバイが携帯電話だけでは、無罪の証明は難しいでしょう・・・おそらくそれを狙って、故意にこんな殺し方にしたんだと思います・・・」


 五浦「じゃ、じゃあ警察に!」


 栞子「・・・・・・阿蘇さんが、証拠を残すとは思えません」


 五浦「・・・!」


 栞子「でも、これで・・・」




 栞子「阿蘇さんは息子を救えたのではないでしょうか」




 文香「ちょっとお姉ちゃんに五浦さん!前近衛さんって人のこと話してなかった!?テレビに出てるよ!」


 五浦「な、何・・・!?」


 茶の間に飛び込むと、テレビにはあの彼の、無表情な顔が写っていた。




 『本日午後2時頃、練馬三丁目の倉庫街で鎌倉の連続殺人事件に関与していると思われる、近衛保治容疑者が逮捕されました。近衛容疑者は取り調べに対して黙秘を続けており―――』





 『ABC殺人事件』 エピローグ




 あれから、本当にあれで良かったのか考えた。








 五浦「いらっしゃいませー、買取ですか?」





 果たして阿蘇氏の愛は、近衛に通じていたのか?








 五浦「買取ですね、こちら・・・二四六八十の・・・二十点ですね」




 あれは本当に正しい行動だったのか―――ただ、近衛は父のことを忘れていなかったように思う。








 五浦「栞子さん・・・鑑定お願いします」




 それを気づかせてくれたのは、本―――コレクターだった父を思い出して、本を手にとったのであろう。奇しくもそれは事件の、偽物の―――答えだったわけだが。




 それでは、果たして俺にとって本とは―――?何を気づかせてくれるのだろうか?




 栞子「大輔さん、この山をどかすのを手伝ってください・・・」








 それもまた、ページの中にあるのであろう―――









『そして誰もいなくなった』エピローグ




 石岡「それは・・・それは本当かい御手洗!」




 御手洗「本当とも言えるし、嘘とも言える・・・」




 石岡「これは・・・これは!なんてことだ!・・・そうだ、古書店の二人に!」




 御手洗「行かなくていいんじゃないかい?君が行くにしろ、僕は行かないよ」




 石岡「な・・・なんでだい!?古書店の二人だって、知ったら驚くじゃないか!」




 御手洗「別に驚くことを欲しているわけじゃないだろう・・・それに、あの女性は頭が回るらしいから、とっくに気づいているはずだよ」




 石岡「・・・!?なんでそんなことを!?」




 御手洗「梅沢家の事件の時に知り合ったホームレスの、志村さんという人から聞いていたのさ。話していなかったかな?」




 石岡「・・・!・・・だ、だが!」




 御手洗「それに、僕が『空気』とやらを乱してしまったらしいから・・・君が行くのも良くないんじゃないか?」




 石岡「・・・っ!」




 御手洗「それに、今日は僕の用事に付き合ってくれてもいいんじゃないか?古書堂には行かないよ・・・」








 御手洗「今日は頭のいいゴールデンレトリーバーを知り合いが連れてきてくれるんだ」




 御手洗はニヤリと笑って、ソファに座り直した。




 後書きのような何か


 レオナ「ハイ、私よ!」


 レオナ「なんでアメリカにいるはずの私かって?>>1が横着して、『ここで出しときゃいいや』って言ってるのよ!」


 レオナ「全く、手紙で出してくれた方が私としては嬉しいんだけどね!」


 レオナ「『>>1はこれまで数作のSSを書いてきましたが、一番―――とは言ってもクソみたいなレベルですが―――うまくまとまったと思います』だって!」


 レオナ「私を出した割に古書堂さんからはゲスト出さないのね・・・まとまってないじゃない!」


 レオナ「まあその内目障りにならないように依頼を出しておくから・・・」




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 レオナ「アメリカのレオナ松崎からでした!see you!」



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