カイジ「俺は無限少女になる……!」 (77)
最近女子高生の間で流行しているカードゲーム……ウィクロス!
勝利しつづければなれる……無限少女に……!
無限少女とはどんな願いでも叶えられる少女!
カイジ「見つけた……働かずに楽して金を稼ぐ方法……!」
この時、カイジに電流はしる!
カイジ「無限少女ってやつになれば、手に入る……大金!」
圧倒的閃き……!
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カイジ「この無限少女……そう簡単にはなれない!」
第一の関門……それはカード
カードゲームをする上で必須となるアイテム
それを手に入れなければならない
カイジ「デッキを購入する必要がある……!」
カードの購入……実のところ購入するだけならそこまで難しくはない
専門店を知らなくても……スーパーやデパートのおもちゃ売り場に行けば買える
カイジ「子供に混じって買うのは少し恥ずかしい」
カイジ「だが……セイフティーだ!」
カイジ「妹のために買うと言えば大丈夫!」
店員に変な目で見られないように言い訳を考える……!
圧倒的事前準備!
これまで伊達に修羅場を潜り抜けてきたわけではない!
カイジ「当然さ、このぐらいは当然……これでこそ一流のギャンブラー」
カイジ「軍資金は千円札が4枚、一万円札が1枚……あとは小銭が少し」
カイジ「それが今の俺の全財産」
デッキの値段は1000円でパックは300円なので、十分に足りる
カイジ「足りるが……問題は他にある」
無限少女になるためには普通のカードで勝利するだけでは駄目……!
カイジ「動くルリグカード……こいつを手に入れる必要がある……!」
カイジ「これが最大の関門……14000円で何としても手に入れなくちゃいけねえ!」
仮に資金を全てデッキ購入にまわすとなると……買えるデッキは14個
カイジ「手に入るか……果たして14個で」
厳しい……たった14個デッキを買うだけで無限少女になる資格が手に入るなら……誰でも無限少女になれるはず
カイジ「やはりパックか……パックには必ず一枚ルリグカードが入っているらしいから、その中に動くルリグカードがある確率は高い」
1パック300円……14000円あれば46パック変える計算
カイジ「46も買って外すか俺が……?」
カイジ「ねぇ! まず当てられる……100%!」
根拠ゼロ……意味不明の計算!
カイジ「俺なら手に入れられる、動くルリグカード!」
カイジ「ルールの説明書を手に入れるためにデッキを一つ買うから……実質、買えるパックは43パックだが大丈夫!」
カイジ「それだけ買えば当てられるはずだ……!」
カイジ「動くルリグカードが手に入ったら……そのカードにあったデッキを組む必要がある……!」
ウィクロスにおいてカードの属性は5つ……!
白……赤……青……緑……黒!
カイジ「手に入った属性のカードでデッキを構築……こういうゲームは一色に揃えた方がいいはずだ!」
カイジ「まあ、どれを使うにせよ……俺はまず負けねえ」
カイジ「なにせ相手は女子高生……所詮はガキ!」
限定ジャンケン……鉄骨渡り……Eカード……地下チンチロ
その他にも、カイジはあらゆるギャンブルで勝利してきた
カイジ「あれだけの修羅場を潜ってきた俺がガキ相手に負けるはずがねえ……!」
カイジ「楽勝だ……おそらくは容易く連勝!」
カイジ「何回勝てば無限少女になれるかは不明だが……勝つこと自体は難しくない」
カイジ「3回負けると無限少女の資格を失うとネットの掲示板には書いてあったが……その心配はまずしなくていい」
カイジ「運の要素が絡むカードゲームである以上……負ける可能性はゼロとは言えないが……3回負けることはまずあり得ねえ……!」
カイジ「問題は対戦相手を見つけられるかどうか」
カイジ「できることなら女子高行って相手を探したいが……まず警察に通報される」
カイジ「そうなればブタ箱……逮捕されて牢屋行き……!」
カイジ「駄目……女子高に侵入するのは駄目だ……!」
カイジ「そうなると……別の場所で相手を探す必要がある」
カイジ「理想的なのはカードショップのフリースペース……!」
そこならば成人男性が出入りしても不自然ではない……!
が……駄目!
カイジ「だが……俺は知らない……カードショップの場所を知らない!」
本来ならネットで調べればいいが……そのためには再びネット喫茶に行かなければならない
カイジ「カードゲームにおいてカードは命!」
カイジ「そのカードを買うための金は……言うなれば銃弾……無駄には消費できない」
カイジ「こんなことなら、ちゃんと調べておけば良かった……!」
カードショップの場所が分からない以上……カイジの計画は……破綻!
カイジ「どうする……どこでウィクロスをすればいい」
次に思い浮かんだのは公園……子供が集まってカードをしているのを見たことがある
……が、よくよく考えればウィクロスは女子高生向けのカードゲーム
小学生ならともかく……女子高生が公園のベンチでカードゲームをするとは考え辛い……!
カイジ「女子高生が集まる場所……どこだ……あの連中がきゃぴきゃぴと騒ぎそうな場所……!」
カイジ「喫茶店……か? ああいう場所に女子高生ってのは集まるのか」
カイジ「それとも……カラオケ……? あそこなら間違いなくいるだろ」
カイジ「あの個室を一件一件、開けてまわれば……女子高生が見つかるはず!」
カイジ「いや……それじゃあ女子高の二の前だ……!」
カイジ「間違えて入ったならともかく……わざとはまずい!」
カイジ「女子高生が複数いる狭い部屋に成人男性が入るというのが駄目!」
カイジ「アブナイ雰囲気……!」
カイジ「部屋の中に押し入れば警察に通報される」
カイジ「ウィクロスをやろうと思ったと言っても、おそらくは信じてもらえない!」
カイジ「カラオケは駄目……!」
再び振出しに戻る……どこでカードゲームをするか
カイジ「あ……あああああ!!」
その時、閃き! 再び閃く……!
カイジ「待ち伏せすればいいんだ……女子高の前で!」
圧倒的奇策!
女子高の中に入れば不審者だが……女子高の前をうろつく程度ならセイフティー
変な目で見られることがあっても、警察に通報されることはない
カイジ「電柱に影に隠れて待ち伏せて……動くルリグカードを持つ女子高生を狩る……!」
圧倒的ハンティング……!
カイジ「掲示板の情報によれば、動くルリグカードは動くルリグカード使いを判別できるらしい」
カイジ「ククク……これなら対戦相手を見つけることは簡単」
カイジ「これで問題は全てクリアーされて……待て、まさか」
ここでカイジは重大な問題に気づく
カイジ「無限少女……少女! まずい、俺は少女じゃねえ……!」
ようやく気づく……最後にして最大の関門に……!
カイジ「成人男性はなれるのか……無限少女に!」
成人男性≠無限少女……普通に考えて無理!
ぐにゃぁぁぁぁ……カイジの顔が歪む……!
カイジ「あ、あああああ、馬鹿な……!」
カイジ「アンフェア……不公平だろ……そんなの!」
カイジ「どうして少女だけなんだよ……差別……酷でぇ! まるで帝愛……!」
エスポワールの軍資金貸付……若者が多く借りられるシステムだった
カイジ「同じだ……帝愛と全く同じ」
カイジ「汚ねえ! そんなのありかよ……!」
ボロボロ……カイジ泣く……圧倒的涙!
カイジ「……いや、そうとも限らない」
泣き終えたカイジ、多少は冷静になる
カイジ「無限少女ってのはあくまで称号みたいなもの」
カイジ「少女しか無限少女になれないとは限らねえ!」
カイジ「大丈夫、大丈夫だ! 俺でも無限少女になれる!」
立ち直り……圧倒的復活!
カイジ「これで全ての問題は解決……さっそくカードを買いにいく!」
「カカカ、待てよカイジ」
カイジ「お前は……和也……!」
登場、兵藤和也!
カイジ「何で……お前がここに」
和也「ウィクロスをやるってことは……無限少女を目指すんだろ!」
カイジ「うるせぇ! お前には関係ねえだろ」
和也「カカカ、相変わらず連れねえな」
カイジ「ていうかお前、無限少女を知ってるってことは、まさか」
和也「そうさ……俺も無限少女を目指してる!」
カイジ「ぐっ……! 何でお前が無限少女を目指す!」
カイジ「持ってるだろ……金! 十分あるはずだ、坊ちゃんなんだから!」
和也「まあ、それは追々話すとして、カードを買いにいくなら一緒に行かね」
カイジ「ふん……! 誰がお前なんかと買いにいくか」
和也「いいじゃん、いんじゃん。初心者同士仲良くしようぜ」
カイジ「ふん、嘘だろ……それ……!」
和也「?」
カイジ「実はお前はゲームを熟知してて、俺が動くルリグカードを手に入れたらやる気だろ」
カイジ「初心者狩り……!」
和也「かぁ、何でそういう発想になるかね」
カイジ「うるせえ……! その手に乗るかよ!」
和也「誤解だって……俺も初心者、まだカードは持ってねえ」
和也「ボディーチェックでもするか?」
カイジ「仮にお前が持ってなくても後ろの黒服に渡してるかもしれないだろ」
カイジ「その黒服が持ってなくても、お前の合図で別の黒服がデッキを持ってくるかもしれねえ」
和也「はぁ、そこまでくると被害妄想だって」
和也「そもそも勝負を挑まれても拒否すればいいだけじゃん」
カイジ(確かにこちらが応じなければ勝負は成立しない)
カイジ「……分かった、買いにいこう」
カイジ(一緒に買えばこいつのデッキを探ることができるかもしれない)
スーパー玩具コーナー
和也「カカカ、何だよ……どこに行くかと思えば」
和也「カードショップじゃなくてこっちか」
和也「これは俺も予想外」
カイジ「ふん、同じだろ! どこで買っても」
和也「それはそうだが」
カイジ「ならいいだろ! どこでも……!」
和也「でもさ、親子連れが多くね」
和也「何か俺ら浮いてんじゃね」
カイジ「来る前から分かりきってたことだ……そんなこと!」
カイジ「大体、お前が黒服を連れてるのも目立ってる原因!」
和也「カカカ、それはそうだが」
カイジ「なら黙ってろ……べらべら喋るな!」
和也「ホントに連れねえなぁ」
カイジ「それでどっちから買う」
和也「カイジからでいいんじゃね」
カイジ「何……どういうつもりだ……何を企んでやがる!」
和也「企むもなにも、俺はとりあえずこの店にあるウィクロスのカードを買い占めるからさ……そうなったらカイジが買えないだろ」
カイジ「買占めだと……! 馬鹿な……一体いくら掛かると思ってる!」
カイジ「大体、そんな金どこにある……! 黒服に大金を持たせてるわけでもなさそうだし」
和也「クレジットカードで買えば済む話じゃん」
カイジ「くっ……!」
カイジ(こいつ、本気だ……本気で買い占めるつもり)
カイジ「良かったのかよ、問答無用で先に買えば、俺がカードを買うのを妨害できたんだぜ」
和也「だからさ、そんなことしねえって」
カイジ「フン……後悔するぞ……40回もチャンスがあれば」
カイジ「俺は間違いなく、動くルリグカードを引く」
和也「カカカ、何の根拠もねえな」
カイジ「俺はツイてる……なら引くさ、上手くいけば一発で」
和也「哀れなギャンブラーの妄想か」
カイジ「言ってろ……!」
カイジ(誰が何と言おうと、ツキはあるし!)
和也「この機会にお前との決着もつけるか……どちらが先に無限少女になれるか」
カイジ「競争ってわけだ……いいぜ、受けて立つ!」
その時、登場……この場に似つかわしくない3人目の成人男性
「ククク、こんなところで会うとはな」
カイジ「まさか……お前は」
利根川「久しぶりだな……カイジ」
カイジ「利根川……お前、廃人になったんじゃ」
利根川「最近、ようやく動けるようになった」
カイジ「ここに来た目的は……俺達と同じか」
利根川「無限少女になるのは私だ……!」
利根川「誰にも邪魔はさせん」
利根川「無限少女になって私は帝愛のトップに立つ」
和也「カカカ、なるほど……あんたが利根川か」
和也「親父に見捨てられたっていう」
利根川「兵藤和也……俺が無限少女になって帝愛の会長の座についたら……貴様は終わりだ」
利根川「あのクソ爺諸共、全てを失うがいい……!」
和也「上等……面白くなってきたんじゃね」
利根川「ふん、私が買うのを邪魔する気はないということか」
利根川「その余裕がどこまで持つか見ものだな……!」
利根川「カイジ、先に買わせてもらうぞ!」
言うが早いか利根川、レジに向かって走る……意外に俊敏な動き!
カイジ「ぐっ……しまった」
カイジも慌ててレジへ向かうが、遅い……利根川の後ろに並ぶ形になる
利根川「このデッキを四つくれ……それからパックはこれと、これ……あとはこれを一箱」
店員に指示を出す利根川を黙って見ているしかない
カイジ(あれは……)
会計の際に利根川が出したのはクレジットカードではなく現金
カイジ(金が入ってたあの袋、銀行のじゃない……おそらく現場で直接渡された給料の入った袋)
カイジ(今時銀行振り込みじゃなく、給料袋を手渡しなんて、日雇いの工事現場のアルバイトぐらい)
カイジ「利根川……お前」
利根川「余計な同情は不要だ」
カイジ(帝愛をクビになり……どん底まで落ちた利根川は賭けに出た)
カイジ(それが無限少女……!)
カイジ(今の利根川は奴隷……皇帝を引きずり降ろして自分がその地位に立つためには無限少女になるしかなかった)
カイジ(そして無限少女になるためにはウィクロスのカードが必要)
カイジ(だから利根川は汗を流して金を稼いだ……!)
カイジ(慣れない力仕事をしてまで)
カイジ(だが……こっちにも叶えたい願いがある)
カイジ(残念だが勝ちは譲れないぜ……利根川)
利根川がカードを買い終える……ようやくカイジの番
好都合なことに売り切れたデッキ、パックはない
これなら利根川と同じ条件で買い物ができる
カイジ(来い……レアカード……動くルリグカード!)
当初の予定通り、カイジはデッキ一つと43パックを購入
カイジ(これだけ買えばまず動くルリグカードは当たる……!)
その後、和也が店内のウィクロスカードを全て買い占めた
おもちゃ売り場の片隅で座り込むカイジ、和也、利根川
これから行われるのはパックの開封……!
傍から見れば異様な光景……ある意味ではアイカツおじさん以上のレア
無論、悪い意味で……当然親子連れからは嫌な目で見られる
「ママ、あの人たち……変……!」
「こら、見ちゃいけません……!」
という感じの会話がされる中で……カイジたちは平然と座り込んでパックを開封
まずはデッキの封を切る……できれば一発で引き当てたいこの状況
カイジ「ぐっ……!」
が……駄目……!
ルリグのカード……動かず!
カイジ(仕方ねえ……!)
カイジ(まだパックがある……元よりデッキで引く確率は低かった)
カイジ(これは予想の範囲内……!)
カイジ(にしても……このカード)
カイジ(かわいい……!)
カイジ、ニヤつく!
カードゲームのモンスターと言えば、普通はドラゴンや戦士が主流
それが今までのカードゲーム……定められたルール
が……ウィクロスは違う……綺麗なデザインの女の子で戦うカードゲーム
カイジ(外しはしたが……悪くねえ……この子、俺の好み!)
カイジ(次はパックの開封……この作業は簡単にはいかねえ)
視線をあげて、和也と利根川の様子を探る
カイジ(まずはこいつらの反応を見たい……レアカードを引くか否か)
カイジ(勝負の流れを確認しておくのが先決!)
カイジ(奴らが動くルリグカードを引かないようなら、俺にツキがあるってこと)
カイジ(さあ……どっちだ!)
カイジ(引いたのか……動くルリグのカード……!)
和也「……クク」
カイジ「……!」
和也「アキラッキー……!」
カイジ「あ……?」
カイジ「何だ……そのあきらっきーって……!」
和也「え? 知らねえの?」
和也「蒼井晶……!」
和也「最近話題のアイドル……」
和也「雑誌とかにも、よく出てるけど」
カイジ「知らねえ……!」
カイジ「というか……どうでもいい!」
カイジ「アイドルとか……そういうちゃらちゃらしたの」
カイジ「ギャンブルには……勝負には不要……!」
カイジ「二流だ……そんなことに現を抜かす奴は二流!」
カイジ「俺が聞きたいのは、そんなことじゃねえ」
カイジ「アキラッキーってのは……ラッキーってことなんだろ」
カイジ「ラッキー……すなわちツイてるという意味」
和也「クク、なるほど、なるほど……そう解釈したか」
カイジ「この状況で……それ以外にどう解釈する……!」
カイジ「舐めるなよ……俺を!」
和也「ククク、そんなに怒るなよ……カイジ」
和也「そう……アキラッキーってのは……」
和也「ラッキーという意味!」
和也「正解さ……!」
和也「お前の考え通りだ!」
カイジ「カードを見ながらラッキー……」
カイジ「引いたってことか」
和也「クク……」
カイジ「はっきりしやがれ……!」
和也「残念ながら半分だ」
カイジ「何……どういう意味だ」
和也「つまり……こういうこと……!」
和也が表にしたカード……それは
カイジ「動いてねえ……だが」
和也「そう……レアカードだ」
レアカード……圧倒的レアなカード!
カイジ「レア……カード」
カイジ「レア……ということは……珍しいカードか……!」
和也「カカカ、一パック目で引く俺って……凄いんじゃね」
和也「お前の言葉を借りるなら……ツキの流れが来ている状態」
カイジ「ククク」
和也「あ……?」
カイジ「墓穴を掘ったな……和也!」
和也「何だと……どういう意味だ」
カイジ「逆さ……買占めまでしたお前は……いずれレアカードを手にしていた」
カイジ「それなのに一発目でレアカード」
カイジ「運の無駄使い……!」
カイジ「動くルリグのカードを引くのに使うはずだった運を消費してしまった」
カイジ「お前が動くルリグのカードを引く確率は下がったんだ……!」
和也「もうその根拠のない妄想は聞き飽きたぜ……!」
カイジ「残念ながら現実さ……これが現実!」
カイジ「見てろ……この流れなら一発で引ける」
カイジ「動くルリグのカード……!」
ここで動く……カイジ、和也の運が下がったのを見て、行動を開始!
自らが購入したパックに手をかけて、そのまま力を込める
カイジ「お前のツキが下がって……逆に俺のツキが上がった」
カイジ「必然だ……今なら必然的に動くルリグのカードを引ける!」
が……しかし……駄目!!
カイジ「何で、どうして……!」
動くルリグのカード引けず……カイジ、混乱!
それどころか出たのはノーマルカード……レアカードすら引けない
和也以下の結果……!
カイジ「馬鹿な……今なら確実に引けたはずだろ」
カイジ「どうしてこんなことに」
和也「カカカ……愚かだな、カイジ!」
和也「これがギャンブル中毒者の何の根拠もない妄想の果て」
和也「相手が悪いカードだから……自分が良いカードを引けるなんて……」
和也「そんなオカルトありえません……!」
カイジ「ざっけんな……!」
カイジ「あるんだ……誰が何と言おうが……目に見えない流れ……ツキは!」
カイジ「お前は坊ちゃんで……人生経験が足りないから知らないだけ!」
和也「負け犬の言い訳を聞いても仕方ねえな!」
利根川「いい加減うるさいぞ……ゴミめら!」
利根川「少しは黙ってカードを開封できんのか……!」
利根川「周りを見てみろ……!」
周囲を見渡せば、3人の周りには人が集まっていた
最初は異様な集団程度で済んだが……カイジと和也が大声で言い争いをした結果……目立ち注目の的になる
馬鹿にしたように指を指す子供……携帯で写真を撮る女子高生……気持ち悪いものでも見るような目で3人を見る主婦
利根川「これ以上目立ちたくなければ……静かにしていろ!」
カイジ「す、すまねえ」
和也「ちっ……!」
さすがの二人も赤面……大人しくカード開封作業に戻る
利根川「そうだ……そうして黙っていろ、ゴミめら」
利根川(お、このカードの女の子……)
利根川(かわいい……!)
利根川(買っておいたカードスリーブに入れて置くか)
カイジ、利根川、和也の順にパックの開封を終える……
和也は2人とは比べものにならない量のパックを購入したため時間がかかったものの……黒服たちに手伝わせて何とか全部開けた……!
結果は……
カイジ「がっ……何で出ない……動くルリグのカード!」
利根川「蛇め……このカードゲーム……一筋縄ではいかん」
和也「かー、これだけ買って出ないとかありえなくね」
駄目……!
全滅……圧倒的、全滅……!
和也「クク……どうやら勝負は持越しみたいだな」
和也「俺はこれからカード屋をまわって、ウィクロスのカードを買い占めるけど、お前らはどうするの」
和也「もう金、ないんじゃね」
カイジ「借りる当てはある……!」
カイジ「坂崎のおっちゃんに頼んで……100万ぐらい金を貸してもらう」
カイジ「その資金で俺も買占め……今度は確実に動くルリグのカードを獲る!」
カイジ「無限少女になれば、億単位の金が手に入るんだから……そうすれば簡単に返せるだろ」
利根川「私は働くさ……今回の件を見る限り……そう簡単に動くルリグのカードは手に入らない」
利根川「ならとりあえずコンビニのバイトで資金を集めながら……動くルリグのカードを手に入れる手段を探す」
カイジ「クク、ご苦労なこった」
カイジ「働くとか……そんなつまんねえことできるかよ!」
カイジ「無限少女になれば大金が手に入るんだから……金は借りればいい……!」
和也「クク、借りるとか働くとか……ごちゃごちゃと大変な奴らだな」
和也「俺は数億という大金を持ってるから……そんなことで悩むこともねえ……!」
和也「ところでよ……せっかくカードが手に入ったんだから」
和也「一勝負していかね」
和也「今は3人とも動くルリグのカードを持ってないから……負けても失うものはないしよ」
カイジ「まずは練習試合ってわけか……いいだろう、受けて立つ!」
利根川「私もかわまんがカイジ、お前はルールを把握しているのか」
カイジ「そうか……まだ説明書を見てなかった」
和也「ククク、なら確認しな……待ってやる……ルールの分からん奴を叩きのめしてもつまらねえからな!」
その頃……別の場所でも無限少女を目指す者たちが立ち上がっていた
兵藤「わしは持っておる……このパーティー会場の誰より……ウィクロスのカードを……!」
兵藤「赤属性を一億枚……青属性一億五千万枚……白属性一億六千万枚……緑属性一億二千万枚……黒属性を九千万枚」
兵藤「黒属性が少なかったから……更に1億枚買い足しておいた」
会長……! 会長……! 会長……と周りから沸き起こる声援……が、しかし……
兵藤「足らんわ……まるで!」
兵藤「わしはもっとウィクロスのカードが欲しいんじゃ……中でも必要なのは生きたルリグのカード」
兵藤「これがなければわしは無限少女の資格を得ることができん……!」
兵藤「何としても生きたルリグのカードを手に入れて持って来い……!」
一条「ペリカを集めてようやく一時的に地上に戻ってこれた」
一条「外出の権利に使ったペリカ以外は全部円に換金……」
一条「この金で俺はウィクロスを買う……!」
一条「動くルリグのカードを手に入れ……目指すは無限少女!」
一条「聞いた話ではカイジも無限少女を目指しているらしい」
一条「リベンジだ……!」
一条「まずはカイジを倒す……そして無限少女になって、俺は帝愛を支配する!」
村岡「無限少女になるざんす……そうなれば失われた以上の金が手に入るざんす!」
三好「無限少女になれば借金も返せるかも」
前田「なら俺達も無限少女を目指すぞ!」
船井「何としても無限少女になるんや」
安藤「無限少女になって……今度こそ大金を手に入れる」
古畑「いっぱい金が手に入るなら……やってみようかな無限少女」
北見「無限少女、チャレンジする価値はありそうだ……!」
各々が異なる思いを胸に秘め……ウィクロスを購入すべくカードショップへと行く
一方、カイジたちは……
カイジ「がっ……何だこのルール……女子高生向けのカードなのに難しい」
カイジ「パニくる……!」
和也「しょうがねえなぁ……もう」
和也「分からねえことがあったら教えてやるよ」
利根川「質問には一切答えない……と言いたいことだが仕方あるまい」
利根川「基本のルールぐらいなら答えてやる」
カイジ「ありがてえ……!」
和也「勘違いすんなよ、カイジ……俺はただ対等の条件でお前に勝ちたいだけだ」
利根川「そうだ、決して慣れあうつもりはない……!」
カイジ「分かってるさ……それでもありがてえよ!」
この平穏は戯言
カイジ「俺だって勝負になれば容赦はしねえさ!」
カイジ「無限少女になって叶えたい願い……祈りがあるからな」
カイジ「一千万、二千万程度じゃない」
カイジ「億単位の大金!」
カイジ「無限少女になればそれが簡単に手に入る……!」
カイジ「なら俺は容赦なく勝つ……!」
カイジ「お前らが相手だろうが、女子高生が相手だろうが……手加減はしねえ!」
その祈りは冒涜
カイジはまだ知らない……これから出会う選ばれし少女のことを
selector
無限少女になる資格を持った少女との出会いによってカイジの運命は大きく動くことになる
そのことをカイジは……まだ知らない
――無限少女黙示録カイジ・完
圧倒的終了……!
オリジナルアニメ3話では話の展開も読めないので……この時点でカイジたちを原作キャラと絡ませるのは無理……!
故にこの物語は一度ここで終了……!
アニメ終了後に破戒録編を書く……かもしれない!
最後に……!
書き終わった後に知ったことだが……無限少女の漢字は正確には夢限少女だったらしい……!
誤字……圧倒的誤字!
あり得ぬミス……痛恨の痛手……!
謝罪……作者……圧倒的謝罪!
誤字は脳内変換して欲しい……!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません