真涼「今日はエイプリルフールよ」鋭太「おい」 (26)

真涼「いよいよ。エイプリルフールになったわ」

真涼「私は決して忘れない!去年のエイプリルフールのミスを!」

※一年前にVIPに投下した
姫香「エイタの心が読めるようになった」
を参照


真涼「今日は4月1日!携帯のカレンダーの確認もしたわ」

真涼「というわけで騙されなさい!鋭太!」

鋭太「…今、何時だ?」

真涼「何を言ってるのかしら?4月1日の0時よ?」

鋭太「帰れ。以上」


ガタン


真涼「…閉め出されてしまったわ」

真涼「…」

真涼「寒い…」ガタガタ

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ガララッ


鋭太「はぁ…」

真涼「鋭太?」

鋭太「ったく何でこんな時間に来たんだよ。女子が一人で危ないだろ…」

真涼「ふふっ、心配不要よ。だって私はずっと庭に隠れていたんだから」

鋭太「こえーよ!自分自身の身が心配になってきたぞ!」

真涼「そうよ。常にあなたを監視しているの。というか私を監視して頂戴、鋭太」

鋭太「もう僕には意味が分からないよ!真涼さん!」


真涼「そうね。わかりやすく説明すると…」

鋭太「もうそれはいいから、泊まってけ」

真涼「…え?」

鋭太「こんな時間に彼女を帰らせるわけには行かないしな」

真涼「本当にいいの?」

鋭太「いいって言ってるだろ」

真涼「朝までジョジョ談義するかもしれないわよ?」

鋭太「まあ、まだ春休みだし多少はOKだ」

真涼「ついつい間違えて、鋭太のノート談義しちゃうかもしれないわよ?」

鋭太「うわあああああ!急に泊める気無くなってきたぞ!?」

真涼「ふふっ。夜中なのに元気ね?…ありがとう鋭太」

鋭太「ったく、最初から素直に言えってーの。面倒な彼女を持つと本当に疲れるな」

真涼「ええ、私はとても面倒なのよ。常に構ってね。私の偽恋人(フェイク)さん♪」

鋭太「『面倒なのよ』って自覚ありかよっ!!!」


真涼「それにしても『俺のベッドで寝ようぜ』なんて、鋭太って積極的なのね」

鋭太「どんなに台詞を見直しても『俺』も『ベッド』も『寝よう』もまったく言ってないぞ!」

真涼「まったく鋭太ったら照れ屋さんね」

鋭太「お前はリビングな!絶対に俺の部屋には来るなよ!」

真涼「ふふふっ。冗談よ。ありがとう鋭太」

鋭太「…」

鋭太(何で嬉しそうなんだよ…)

■昼

鋭太「ぐー」Zzzzz

トントントン

鋭太「ん…」

鋭太(あれ?包丁の音が聞こえる…)

鋭太(そうか…真涼か…)


鋭太「ふわぁ~」

鋭太「もう朝か…そろそろ起きるか」

「鋭太ー。昼ごはんが出来てるわよー」

鋭太(…って、もう昼!?)

鋭太(そういえば、朝までジョジョ談義で寝かせてくれなかったんだよな…)

鋭太「はぁ…」


「鋭太ー?起きてるのかしらー?」


鋭太「おう!起きてるぞー」

鋭太(起きたら飯が出来てるか…こんな目覚めもいいよなっ)

鋭太「朝飯同様だし、味噌汁とかかな~♪卵焼きも欲しいよな~♪」

 
………


真涼「ウイダーインゼリーよ。なんと新発売のトマトヨーグルト味よ」

鋭太「おいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

真涼「起きてから一発目に発声練習をするなんて、さすが鋭太ね」

鋭太「意味がわかんねーよ!というか包丁の音が聞こえたのに、何でウイダーインゼリーなんだよっ!」

真涼「…」

鋭太「おい!」

真涼「台所は見ない方が…身の為よ」

鋭太「……………ああ」

鋭太(そうだった。こいつ料理できないんだった…)


真涼「ちなみに証拠隠滅の為、台所は数秒後に爆発します」

鋭太「すんな!」

真涼「冗談よ。包丁は鋭太が喜ぶかな?って、ちょっと頑張って『トントン』させただけよ」

鋭太「何やってんだよ…そんなんで喜ぶわけないだろ…」

鋭太(喜んでました。ごめんなさい)


真涼「…」

鋭太「…」

真涼「その反応。本当にあなたはわかりやすい人ね」

鋭太「うっ…悪かったな」

真涼「ねえ、鋭太?やっぱり料理って出来た方がいい?」

鋭太「ん?出来ないよりは出来た方がいいと思うぞ?」

真涼「…ふ~ん」

鋭太「?」

 
………


鋭太「ご馳走様でした」

真涼「お粗末さまでした」


真涼「ねえ鋭太?」

鋭太「ん?」

真涼「料理は美味しかったかしら?」

鋭太「あ?」

真涼「まったくダメダメね。そこは『彼女が頑張って作った料理なら何でも美味いぜ!』ぐらい言いなさいよ」

鋭太「じゃあ、頑張って作って見せろよゴラァ!!」

真涼「へぇ~、鋭太は私が頑張って作れば食べるというのね?」

鋭太「お、おう」

真涼「あああああああなた正気なの?私は絶対に食べないわよ」

鋭太「うわあああ!騙したなーーーー!」


真涼「ふふっ。冗談よ」

真涼「食べると言ってくれてありがとう鋭太。嬉しかったわよ」クスッ

鋭太「…………なんだよそれ」

 
………


■夕方

鋭太「んー。とりあえず勉強は休憩だ」

真涼「…」

鋭太「なあ?どこまで読んだんだ?」

真涼「ちょうどジョジョの4部が読み終わったところよ」

真涼「きりもいいし。そろそろお暇しようかしら」

鋭太「おう、送っていくぜ」

真涼「あら?今日の鋭太は優しいのね?」

鋭太「俺はいつも優しいんだよ」

 
………


スタスタスタ


真涼(今日ももう終わるわね…)

真涼(夜中から鋭太と一緒だったし、ジョジョも1部~4部まで読み返せたし、悪くない一日だったわ)

真涼「…」

真涼(なにか…忘れて…)

真涼「…」

真涼(って、今日は4月1日エイプリルフール!?)


真涼(今年は絶対に騙すって去年から計画していたのに忘れていたわ!)

真涼(鋭太!私を幸せにして、エイプリルフール作戦を台無しにしようとしたわね!?)

真涼「ぐぬぬぬ」

鋭太「ん?なんだ?」

真涼「ねえ、鋭太…その、あのね?」

鋭太「ん?」

真涼「私、偽恋人(フェイク)とか関係なしに、本当は鋭太の事が大好きなの」

鋭太「………え?」

鋭太(なっ…なっ!?)


真涼「ふふふふふふふふふ♪何て顔をしているのかしら?」

鋭太「え?だって、お前…」

真涼「嘘よ。全部嘘。忘れたのかしら?今日はエイプリルフールよ」

鋭太「何だ…嘘かよ」


鋭太(一瞬本当なのかと思ってしまった…だって…)

真涼『本当は鋭太の事が大好きなの』

鋭太(と言った時のこいつ…顔真っ赤だし、少し涙目だったし…)

鋭太「…」

鋭太(ずっと一緒にいたけど、本当に本気でこいつが可愛いと…)

鋭太「…」

真涼「悔しい?や~い、騙されてやんのー。いい気味だわ~。このガリ勉野郎~♪」

鋭太「…」イラッ


鋭太「真涼!真剣な話をするから…一度しか言わないからよく聞けよ!」

真涼「何よ?急に真面目な顔になって…」


鋭太「俺、季堂鋭太は夏川真涼が世界で一番好きだ!愛してる!俺と真剣に付き合ってくれ!」

鋭太(どうだ!俺の渾身の偽告白(フェイク)は!)

真涼「っ//」ボンッ


鋭太「え?」

真涼「なななななななっ何を言っているのかしら?さすがに嘘ってバレバレよ」

真涼「私の真似なんて本当に鋭太ったら、猿知恵ね。ええ、サル真似しかできないお猿さんだわ」

鋭太「はいはい。そうですか。真似で悪かったですね」

 
ギュウウッ


鋭太「って、急に抱きつくなよ!」

真涼「いいでしょ?私達は恋人なんだから」

鋭太「偽恋人(フェイク)だろっ」

真涼「鋭太、大好きよ」

鋭太「何言ってんだよ。俺の方がもっと好きだ」

真涼「いいえ、私の方がもっともっと好きなんだから」


鋭太「…………嘘だよな?」

真涼「もちろん嘘よ。ええ、全部嘘(フェイク)よ」

鋭太「…」

真涼「ねえ、鋭太。もう一回『好き』って言って」

鋭太「はぁ…。はいはい、俺は真涼さんが『好き』だよ」


真涼「ふふっ。騙されたわね。今のお願いは嘘よ」

鋭太「意味がわかんねーよ」

真涼「今度は『愛してる』って言って」

鋭太「言わねーよ」

真涼「じゃあ、私が言うわ。鋭太…私は世界で…いいえ宇宙で二番目に鋭太が好きよ」

鋭太「って、二番目かよっ!」

真涼「嘘よ。本当は鋭太が一番なの。ええ、一番好きよ」

鋭太「ぐっ…」


真涼「あら?赤くなったわ。そういう反応嬉しいわ」

鋭太「…」

鋭太(テメーはずっと真っ赤だろうが!)






鋭太(この後も、真涼さんの嘘告白(フェイク)が続いた)

鋭太(真涼はとっても嬉しそうだった…)

鋭太(年相応…いやそれ以下の無邪気な笑顔に俺は…)


真涼「鋭太、大好きよ」スリスリ

鋭太(何が本当か嘘かわからなくなってきてしまった…)

真涼「ふふふっ♪」

鋭太「なあ、真涼?」

真涼「なぁーに?鋭太?」


鋭太「これからもよろしくな」

真涼「おかしな鋭太ね。あたりまえじゃない」


真涼「だって、私は彼女。あなたは彼氏なんだから、ずっと一緒よ」

鋭太「………そうだったな」


鋭太(今の日常が、このフェイクが…)

鋭太(とてもすごく居心地良いと思うのはダメだと思う)

鋭太(だって、全部嘘(フェイク)なんだから)

鋭太「…」

鋭太(でも、もっと今の日常(フェイク)が続けばいいなと思ってしまった)



鋭太(本当に思ってしまったのだった)







       終わ

>>20修正

終わ

終わり

最後の最後ですみません
ここまで読んでくれてありがとうございました!
俺修羅8巻7月15日発売!楽しみですね!では!

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