松本「衝撃告白!思い出旅館!!」 (29)

旅館に宿泊しているガキメンバーが、今まで誰にも明かしていなかった自分の「過去の秘密」を語るやつのSS。

ガラッ

方正「あー……」

松本「しんどいなー……」

浜田「暖かなってきたな、最近」

遠藤「ですねー」

田中「よいしょっ、と」

浜田「ふー……」

松本「もう……来たくなかったんですけどね」

遠藤「此処にですよね」

松本「うん」

方正「前回から何年経つ?」

田中「五年……ぐらい、ちゃいますか?」

松本「何か今回はジャンルが限定されてる、って聞いてるんですけど」

浜田「マジで?」

松本「あのね、ロクに映画も漫画も見たことないのに、さらにジャンルを狭めるって……」

方正「ねぇ」

松本「ココのスタッフ、もうオンエアとか関係あらへんねんな」

浜田「ンナハハハッwwwwww」


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ガラッ

女中「失礼します」

田中「当たらん時はホンマに当たりませんもんね」

松本「せやねん。これイケるんちゃうか、思たら尚更滑るやろ?」

浜田「なあ?」

方正「まあ、それはしゃあないみたいなとこもありますよ?」

女中「……」スッ

~ルール~
※5枚のカードの中から1枚選び、『話し役』のカードを引いた人はお題にちなんだ『自分の過去』を告白しなければならない。

女中「……」ペラッ

お題『進撃の巨人 / エレン・イェーガー』……調査兵団に入団したエレンは、人類の平和を脅かす巨人に立ち向かう……。

松本「……」スッ

浜田「えぇ……」スッ

方正「んー……」スッ

遠藤「どんな……」スッ

田中「……」スッ

浜田「せーの……」

バンッ!!

『話し役』:遠藤

遠藤「っ……」

浜田「いよっしゃぁ……」

松本「はー……」

方正「温泉どうする?」

田中「もう、行きますか?」

浜田「もーちょい、ゆっくりしてかへん?」

松本「俺はやっぱ二回は入っておきたいなー」

遠藤「ちょっと、あのー……いいですか?」

浜田「ん? どないしたん?」

遠藤「ちょっとこの場を借りて話しておきたいことがありまして……お時間頂いてよろしいですか?」

松本「何か、デジャブを感じる切り出し方やな」

遠藤「信用しないとは思うんですけど……僕ですね、小さい頃ちょっと……壁に囲まれた所で住んでまして」

浜田「え、何?」

方正「壁に囲まれた?」

遠藤「そのー、住んでる所が物凄い……デカい壁に囲まれてたんですよ」

松本「何で壁に囲まれてんの?」

遠藤「外の……壁の外にいる、巨人を入らせないように……」

方正「巨人!?」

浜田「巨人ってお前、どれぐらいデカいん?」

遠藤「まあ、あの……デカいもんやったら、それこそ……20メートルぐらいの奴とかおって」

田中「えぇ~っ!?」

松本「ものっそいデカいやんか!」

浜田「20メートル!?」

遠藤「まあ、ソイツらは野性的な感じで……僕ら人間を食おうとするんですよ」

松本「野性的……」

方正「ほぉー、怖いなぁ、それ」

遠藤「で、ある日……めっちゃデカい巨人が、その壁よりもデカい巨人が現われて、壁を取り壊してきたんですよ」

松本「おうおう、えらいこっちゃ」

遠藤「そしたら他の巨人も入ってくるじゃないですか? もう……町はパニック状態になってまして」

方正「そりゃそうやろ」

浜田「自分んとこはどやったん?」

遠藤「あー、家に帰ったんですよ、それで。そしたらオカンが瓦礫の下におったんですよ」

田中「え、下敷き……ってこと?」

遠藤「そうそう」

松本「ヤバいやんか」

遠藤「ほんでいくら引っ張っても抜け出せなくて、オカンも『逃げろ』言うもんやから、しょうがないから逃げたんですよ」

松本「え? オカンどうなったん?」

遠藤「喰われました」

方正「えええ!?」

浜田「喰われたん!?」

田中「え、それは死んだ、ってことなん?」

遠藤「う、うん……」

松本「いやいや、お前のオカンこないだ『章造愛してる』って歌っとったやんか!」

遠藤「ハハハwww」

方正「ホンマや! 家族と千秋とで歌っとったやん!」

遠藤「あ、いや、生きとったんですよ、それじゃあ」

浜田「喰われたのに!?」

田中「よう生きとったな、それ!」

遠藤「ま、まあまあ、とにかく……色々あって……その時の僕は、もう……巨人に対して凄い憎んでたんですよ」

松本「まあ、オカン喰われたしなぁ」

遠藤「もう……『駆逐してやる!』とか言ってましたね……」

方正「……え、誰が?」

遠藤「僕が、です」

浜田「あ、復讐しよう思たんや」

遠藤「はい、それで巨人を……駆逐する、団体に入って訓練して、何年か経ったんですよ」

田中「はいはい」

遠藤「それで、あの……手を噛み千切ったら」

浜田「え?」

遠藤「手を噛んだら、俺……巨人になったんですよ」

方正「フハハハハwwwww」

松本「え、どっかで話、飛んだ?」

浜田「いやwwwお前、何言うてんの?」

遠藤「僕、巨人になったんですよ」

方正「えええぇぇ!?」

松本「嘘やろ?」

田中「何で巨人に何ねんな?」

遠藤「まあ、あの……実は、小っちゃい頃に親父に注射を打たれてですね」

浜田「その話長い?」

遠藤「いや、あのですね……」

松本「ああもう、ほなええよ。で、巨人になったんやろ? お前も人間を食べとったんか?」

遠藤「いや、理性はちょっとあって……他の巨人と戦ったんですよ」

松本「あ、巨人は巨人でも……ってことか」

遠藤「そうなんです。他の巨人を片っ端から、こう……倒してったんですよ」

方正「でも、そんなん……他の人とかビックリしたんちゃうの?」

浜田「せや、仲間とかおったやろ? ホンマは他の巨人と一緒で喰うんちゃうか、って疑う奴とかおるんちゃうん?」

遠藤「いや、それは、まあ、分かってくれたんですけど……後に判明したのが……」

松本「うん」

遠藤「仲間も巨人やったんですよ」

浜田「ハァ……?」

松本「あの、ゴメン、全然分からへんわ……」

方正「え、仲間も巨人ってことやったん?」

遠藤「え、ええと、ですね……」

浜田「ああ、もうほんならその件はええわ。ほんで結局どうなったん?」

松本「あ、結末や」

遠藤「結末は……あの……」

田中「どうなったん?」

遠藤「まあ、あの……一番新しい話でしたら、幼馴染みが……」

方正「うん……?」

遠藤「いや、一緒に兵団に入った幼馴染みがいるんですけど……ソイツがまあ……、ゲスでしたねぇ……」

浜田「……」

松本「……」

方正「……」

田中「……」

遠藤「……」

松本「え、もう……ええの?」

遠藤「……終わり、です」

浜田「ンハハハハハwwwww」

方正「な、何それ?ww」

田中「最後、巨人関係あれへんがな」

松本「完全に求めたものとは違う答えが返ってきましたけども」

浜田「何やねん、幼馴染みがゲスって」

遠藤「いや、最近聞いた話じゃ、幼馴染みが当初の時とは、性格が変わってきてて、どんどん悪い方向へ進んでるというか……」

浜田「ふーん……」

田中「まあ、でも大変やってんなぁ」

遠藤「うん」

松本「まあ、その巨人と戦った雄姿が後のダイナマイト四国の誕生に繋がるんでしょうね」

方正「アハハハハwww」

浜田「繋がるかwww」

女中「……」ペラッ

お題『中二病でも恋がしたい! / 富樫勇太』……過去に中二病を患っていた勇太は、かつての自分と同じ中二病の少女・小鳥遊六花と出会う……。

松本「んん……?」スッ

浜田「はぁ……」スッ

方正「……これ、っと」スッ

遠藤「……」スッ

田中「ふー……」スッ

浜田「せーの……」

バンッ!!

『話し役』:浜田

浜田「フフンッwww」

松本「うーん……」

方正「そろそろ、ええ時間ちゃうか?」

田中「温泉行きますか?」

松本「ほな行こか」

浜田「ちょ、ちょ、ちょ……ちょい待ちぃな」

遠藤「どうしました?」

浜田「まあ、ちょっと話したいことがあってな」

松本「何やねんな、はよ温泉行こうな」

浜田「短いから、ちょっと聞いてくれや」

方正「短いんやったらいいですけど……」

浜田「そのね……僕、中学ん時、結構痛かったんですよ」

松本「痛いって……今も大概でしょ」

浜田「フッwww」

松本「現在進行形で痛さ爆発じゃないですか」

浜田「いやいや、今は痛くないですけど! まあ、当時は……ちょっと、アレだったんですよ」

遠藤「何をやったんですか?」

浜田「あの……別に怪我も何もしてへんのに、眼帯つけたり包帯巻いとったりしてて」

松本「ああ、もう構ってほしいってことなんや」

浜田「んー、そうそう。かと思って話しかけてきたら、俺に構うなみたいな感じで、なぁ」

方正「うわー、めんどくさい性格ですね……」

浜田「まあ、そうやってん。ほいで高校に上がって、そういうのは卒業して普通になろう思たんよ」

松本「うん」

浜田「ほんで高校上がったんですけど……中学の頃の俺と全く同じことやってる女がおったんですよ」

遠藤「あー、まだ卒業できてない子ですね」

松本「そんな奴と関わらん方がええよ」

浜田「まあ、俺も極力関わらんと思っとったんですよ。でも、その女が結構、こう……擦り寄って来るわけですわ」

田中「へー」

浜田「何やねんな、うっとうしいなぁ、って思っとったんですけど」

方正「はい」

浜田「まあ、その……付き合うようになったんよ」

遠藤「え!?」

方正「付き合ったんですか!?」

松本「こっから悪口が続くんかと思いきや……タレになったんや?」

浜田「そやねん、まあ、色々あって……一緒におったら楽しなってきてもうたんやろな」

松本「へー、そんなもんか、なぁ……」

浜田「うん、まぁ、せやな、うん」

遠藤「その子とは、どんな事して遊んでたんですか?」

浜田「えーと……何か、『闇の炎に抱かれて消えろ!』みたいなこと言うとったなぁ」

松本「……」

方正「何ですか、それ……?www」

浜田「俺の……決め台詞みたいの聞かせろ、みたいな事になって……それで言うた台詞、ですよ」

遠藤「闇の炎に……?」

浜田「抱かれて消えろ、ね。まあ、何かカッコよさそうな言葉を繋げて言うのが好きやったんですよ」

松本「他にどんな台詞言うたん?」

浜田「えー……、境界が……」

遠藤「はい?」

浜田「境界が……、歪んどんなぁ、とか……?」

田中「歪んどんな……?ww」

松本「俺らに聞いても、しゃあないやろ」

浜田「まあ、タレもタレで、邪王真眼とか言うとったし」

遠藤「じゃおう……?ww」

浜田「俺もちょっと乗ってきてもうて、ダークフレイムマスターとか名乗っとって」

方正「……」

浜田「で、気ぃ付いてたら、それが日常みたいなってきてな」

田中「はい」

浜田「ああ、俺ってやっぱり……こういう生き方がええんやなぁ……って思ったなぁ」

松本「……」

方正「……」

遠藤「……」

田中「……」

浜田「……」

松本「……まあ、本人が満足ならそれでええんちゃう?」

浜田「ナハハハハッwww」

方正「ねえ、結果オーライ、というか」

松本「結果オーライなら、ね。別にいいですよ、我々はこれ以上追及しないですよ」

遠藤「ちょっと分かんなかったとこもありますけどねぇ」

田中「もうちょっと掘り下げて聞きたかったですね」

浜田「いやいやいや、もうええよ、うん……二度と話したないわ、こんなもん」

松本「アハハハッwww」

女中「……」ペラッ

お題『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 / 比企谷八幡』……幼少時から数々のトラウマを抱え込む高校生の八幡は、奉仕部に入部する……。

松本「長いなー……」スッ

浜田「……」スッ

方正「……」スッ

遠藤「……」スッ

田中「……」スッ

浜田「せーの……」

バンッ!!



『話し役』:松本

松本「わあああ!」

方正「どうしましたか?」

浜田「風呂入りたぁて、しゃあないんちゃうか?」

田中「じゃあ、そろそろ行きますか」

浜田「おう、行こ行こ」

遠藤「岩盤浴とか、まだやってますかねー」

松本「おぅーい、待て待て待て……」

浜田「何やねん」

松本「待てって。ここに来た時から、言おうかなー、って思っとった事があって」

方正「何なんですかー、もう」

浜田「お前、さっきから行きたい行きたい、言うとったやんけ」

松本「まあ、ちょ、ちょ……聞いてほしいんで、座ってくれる?」

田中「何ですか、一体」

松本「あのー……実はね、俺って生まれも育ちも尼崎とか言うてたんですけど」

浜田「その通りやん」

松本「うん、そうなんですけどね。でも、高校の時……やったかな? 千葉の方に引っ越したんよ」

方正「えぇっ?」

浜田「そうなん?」

遠藤「千葉にですか?」

松本「うん、高校は県内んとこ通っとって」

方正「へぇー」

浜田「初めて聞いたわ、そんなもん」

松本「で、その頃の俺は……まあ、友達おらんかったなー」

浜田「フフッ……www」

遠藤「まあ、知り合いもいないし……しゃあないですよ、そりゃあ」

松本「しゃあないんよ、うん、そりゃ分かっとったんやけど。当時の俺は……荒れとったな」

方正「悪かったんですか?」

松本「……うん、悪いといっても……心身的に悪かったなー……」

遠藤「え……身体が悪かったんですか?」

松本「いやいや、心の病というかね? 何か……友達つくらへんとか、ぬかしとったんよ」

田中「人間不信みたいなもんですか?」

松本「あぁー、それに近いかな?」

浜田「マジで?」

方正「それ結構、重い……もんじゃないですか?」

松本「うーん……思春期特有の複雑な気持ち、やったんかな。今思ったら、アホみたいな事ですわ、ホンマに」

遠藤「いやー、でも、今の松本さん見てたら考えられないですね」

浜田「なあ?」

松本「一生独りでもええわ、みたいな感じでおったな」

方正「そんなところまで追い詰められとったんですか……」

松本「ほいで、その俺の気持ちを察したんやろな。先生がね……『君、部活入れ』みたいなこと言われて」

浜田「うん」

松本「まあ、俺もそれ言われて、はぁ? みたいな感じやってんけど連れて行かれて、部室の方に」

方正「何部やったんですか?」

松本「あれは、奉仕部やったね」

浜田「……フフッ」

松本「……まあ、相方が何でニヤついてんのか知りませんけども」

浜田「いやいやいやwww」

方正「全く、もー」

田中「浜田さん……」

松本「五十路を迎えて、尚ビンビンですよ」

浜田「お前もやろ!」ペチッ

松本「フフッwww何を言うてるんですか。いや、そんな話じゃないんですよ」

浜田「なんやねんな」

松本「奉仕部に、入って……」

遠藤「何をするんですか、それ?」

松本「悩み事とかある生徒の相談に乗るっていう……まあ、ボランティアみたいなもんですよ」

方正「それは松本さんの他に部員は……?」

松本「ああ、おったよ二人」

方正「どんな人なんですか?」

松本「まあ二人とも女でしたね」

田中「ほうほう」

松本「一人はなんか……俺と顔を合わすたんびに毒づく女でして」

方正「どんな事言うんですか?」

松本「主なとこで言うなら……えぇー、病原菌とか、汚染物質とか言われとったよ」

浜田「嫌な女やな」

松本「うん、で、もう片方はアホみたいにスカート短こぉして、ヒッキーとか呼ばれとったわ」

浜田「え、ちょっ、待てや」

方正「ひ、ヒッキー?」

田中「な、何なんですか、それ?」

松本「あだ名やん」

遠藤「松本人志で何でヒッキーなんですか?」

松本「ああー……、引き篭もりがちな性格やったからそう言われとったんかなぁ」

田中「うわ、やなあだ名ですねー、それ」

松本「うん、こればかりは今思い返しても、無いな、って思うわ」

浜田「いや、ほんならええよ。そこに入ってどんな風に変わっていったんよ?」

方正「今の松本さんに、ですよね」

松本「何がですか?」

遠藤「いや、人間不信からどうやって……」

田中「抜け出せたかってことですよ」

松本「うーん……何というか、変わったキッカケっていうのが……そこらへんの記憶はモヤモヤしてるというか……」

浜田「おう」

松本「……」

浜田「……」

方正「……」

遠藤「……」

田中「……」

松本「……まあ、そんな訳でね」

浜田「いやいやいやいや」

方正「何もオチてないですよ」

松本「な、何がですの?」

遠藤「ちゃんと、そこは……ねぇ?」

田中「はい。教えて、頂きたいです」

松本「いや、あの……当時の僕ってのは、さっきも話した通りね。えー、変な奴だったんですよ」

方正「ええ」

松本「いや、もう何やったら他の女も……変な奴らやったんですよ」

浜田「女が?」

松本「うん。毒づく奴は……なんか、別の所では『ラブリーマイエンジェル』とか言われてたり、他んとこやったら『めんま、めんま』言うて泣いとったりしてたわ」

方正「ら、ラブ……?ww」

田中「めんま……?」

松本「片割れの方も、あれやで。別の学校で麻雀打ったり、また別んとこやったら、バーガー屋のバイトして魔王に恋しとったりしてたし……」

浜田「え、何、何、何言うてんの?」

遠藤「全く話が見えてこないんですが」

松本「あのー……うん、やっぱりさ……」

浜田「おう」










松本「アニメは……キツイんちゃうかなぁ?」

浜田「ンナハハハハハ!!wwwww」ペチッ
方正「プフハハハハハ!wwwww」
田中「ンッフッフwww」

遠藤「そんなん言うたら……僕もそうですよ」

松本「フフッwww」



おしまい

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