【艦これ】伊勢「超弩級戦艦、伊勢型の1番艦伊勢、参ります!」 (230)

みなさんこんばんわ。

初めてのSSです。
不慣れですが何卒よろしくお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395240924

提督「よく来てくれた。私がこの鎮守府の提督だ」

提督「今後君には私の秘書艦として働いてもらう、以後よろしく」

伊勢「はい!」ビシッ


伊勢「──あのぅ……ひとつ質問よろしいですか?」

提督「何だい?」

伊勢「この鎮守府、私以外に艦が見えないのですが……」

提督「……」

伊勢「……」

提督「──そ、そのうち姉妹艦の日向が出来上がるから……」

伊勢(大丈夫なのかなぁ……)

いきなりトリップ入れ忘れるとは……


提督「そ、そもそも、今はあんまり戦艦とかは造れないしな……」

伊勢「えーっ、いっぱいいたほうが楽しいですよ?」

提督「資材も少ないし……というか建造許可が下りないんだよね」

提督「上は軍縮が進んでる中、大きな戦艦を造ろうとしているからな。
   どうやら竣工を軍縮条約前に滑りこませたいらしい」

提督「その煽りを受けてこっちに戦艦をいくつも造れる量の資材はまわってこない」

提督「まあ、ここは新設されて間もない鎮守府だ。これから新造艦が沢山出来るはずだ……たぶん」

伊勢「そうなんですか……」

提督「そうなんですよ……」

伊勢「……」

提督「あっ、お茶でも飲む? 俺が入れるよ?」

伊勢「あっ、すいません。私が入れます、秘書艦ですから」

提督「そうか、悪いね」

コポコポ…

伊勢「どうぞ」コトッ

提督「ありがとう」ズズー

伊勢「秘書艦最初の仕事はお茶くみですね!」

伊勢「よし、今日は私の竣工記念日ね。盛大に祝砲を……」

提督「……実弾は撃っちゃ駄目だからね」

伊勢「ドキッ や、やだなぁ~。そんなことしませんよ~」

提督「そうか、こりゃ失礼。
   なんか頭の中にそんな場面が浮かんできてな」

伊勢(意外と勘の鋭い人ね……)


~提督室~

提督 カキカキ ポンポン

伊勢「……」

伊勢(提督は書類整理……)

伊勢(秘書艦って意外とヒマね……)

伊勢(お茶はさっき入れちゃったし──)

伊勢(ヒマヒマヒマヒマ……)

提督「……」チラッ

提督(なんだか退屈そうだなぁ……話題を提供してあげたいけど、
   そもそもどんなこと話すのかな、最近の子は)

伊勢「……」

伊勢(──あっ、そうだ!!)

伊勢「提督! 事務仕事ばっかりで疲れてないですか? 肩でもお揉みしますよ?」ワキワキ

提督「えっ、別にそこまでじゃ……その手の動きはどうかと思うよ……?」

伊勢「いいから、いいからっ……」ガッ

提督「あーっ、書類にお茶が!」

伊勢「ああぁっ、すいませんすいません。私直ぐに布巾を」クルッ

ブンッ ガッ バサバサー

提督「今度は積んでた書類が!」

伊勢「あっ、振り向きざまに砲塔がぶつかっちゃった?……じゃなくて! ごめんなさいごめんなさい!」

ドタバタドタバタ


───

提督「ふー。やっと一段落ついたな」

伊勢「……うぅ」シューン

提督「……」

提督「……伊勢!」

伊勢「ハ、ハイッ」

提督「今後は提督室内では艤装を外しておくように」

伊勢「……はい」

提督「あー、まあそう気にするな。秘書艦ってのは艦娘の本来の仕事とは若干違うし……」

   お前も秘書艦の仕事を全うしようとしただけだろう?」

伊勢(ヒマだったからなんて言えないなぁ……)


────

提督「これで今日の分は終わりだ」

伊勢「お疲れ様です」

提督「ありがとう」

伊勢「……」

提督「……」

提督(うーん、間が持たない。このままでいいのかなぁ…)

提督「ふーむ……

   今日の分の書類は終わったし、やっぱりやってもらおうかなぁ、肩もみ」

伊勢「えっ?」


提督「ふーぅ、良い気持ちだ」

伊勢「力加減はどうですか?」モミモミ

提督「調度良いよ、ありがとう」モマレモマレ

伊勢「そうですか」フフッ

提督「……」

伊勢「……」モミモミ

提督「意外というか、やっぱりというか……結構力あるな」

伊勢「そうですか?」モミモミ

提督「普段あんなに大きな艤装を着けてて重くないのか?」

伊勢「全然! 重くなんてないですよ!」

提督「そうか、俺はあんなに大きな鉄の塊は持てないだろうなぁ」

伊勢「私は超弩級戦艦ですからね」ドヤァ


~肩もみ終わり~

提督「んー、ありがとう。楽になったよ」ノビー

伊勢「ありがとうございます。言ってくださればまたお揉みしますよ」ニコッ

提督「そうだな、その時はお願いするよ」

伊勢「はい!」

提督「──肩もみのお礼と言ってはなんだが少しこの鎮守府を案内しようか」

伊勢「本当ですか!? やったぁ、早く行きましょう提督!」ダッ

提督「はしゃぐのはいいが艤装は着けていってくれ……」

伊勢「あっ、はーい」エヘヘー


~鎮守府内~

提督「──っと、いくつか案内してきたけど、どうだ?」テクテク

伊勢「いやー、なんていうか。本当に人がいないですねー」テクテク

提督「……それを言われるとな」

提督「だがいつ軍備拡大してもよいように設備は充実しているぞ!」

   演習場、宿舎、食堂、酒保……」

伊勢「酒保にだれもいませんでしたけど」

提督「……そのうち誰か来てくれるよ」


──テクテク ピタッ

伊勢「? 提督、どうしたんですか? 急に立ち止まって」

提督「伊勢、今日君に見せたかったものはここなんだ」

提督「我が鎮守府の建造ドックだ。君もここで造られた」

伊勢「はい、何となく覚えています。

   ──あっ、提督! 今造ってるのがもしかして!?」

提督「そう、お前の妹伊勢型2番艦、日向だ」

伊勢「わあぁ……凄いなぁ」

提督「少し中に入ろうか」


~建造ドック内~

提督「お疲れさん」

建造妖精「よっ、提督。サボりにでも来たのかい?」

提督「人聞きが悪いな……こういうのは視察っていうんだよ」

建造妖精「冗談だよ、気にしない気にしない」ハッハッハッ

伊勢「…アハハ」

建造妖精「おや? そちらさんはもしかして…?」

伊勢「伊勢型1番艦、伊勢です。よろしくね!」

建造妖精「おう、よろしくー。

       こう自分が造った艦娘が動いているところを見るとなかなか感慨深いな」

建造妖精「今妹さん建造してるからも少し待っててくれー」

伊勢「ありがとう」

建造妖精「おうよー」


提督「で、進捗状況はどうなのかな?」

建造妖精「順調だな。まぁ、当初の予定通りといったところだな」

提督「そうか……結構時間がかかるもんだな」

建造妖精「アンタがもっと資材を確保してきてくれれば進みも速いんだけどね」チラッ

提督「うっ」グサッ

建造妖精「あとは人手というか妖精手も増やしてくれるとありがたいんだけどなー」チラッチラッ

提督「ううぅ…」グサグサ

建造妖精「まあ、そう上手くは行かないよな。そこは腕でなんとかするさ」ハッハッハッ

提督「そうしてくれると助かるな……」

建造妖精「今は1隻に集中できるし、艤装も同じものが多いから大丈夫だろう」

提督「そうか…」

建造妖精「おっと、俺もそろそろ作業に戻らなきゃな。じゃあな!」

提督「おう、よろしくな」フリフリ

伊勢「頑張ってねー」フリフリ


提督「少し─と言いながら、結局鎮守府全部をまわったな」

伊勢「ありがとうございます。とっても楽しかったです」

提督「それはよかった」

伊勢「もうすぐ日向に会えるんですね、楽しみだなー」

提督「そうだな。俺も二人が揃って観艦式に出ているところを見たいよ」

伊勢「そのためには、しっかり訓練しないといけませんね」

提督「そうだな、明日から秘書艦としての任務に加え演習も行うのでそのつもりで」

伊勢「はいっ!」ビシッ

提督「いい返事だ」


~数日後の朝~

伊勢「ぐぅーZzz」

伊勢「……いいんじゃない、これってば……Zzz」ムニャムニャ

──コンコン

提督「伊勢、起きてるか?」コンコン

伊勢「……はっ!? て、提督!? 私もしかして寝坊っ──」

提督「ちょうど今マルロクマルマルだ。寝坊じゃないよ」ハハッ

伊勢「よ、良かった……」ホッ

伊勢「あっ、ちょっと待ってください! まだ扉は開けな──」

提督「分かってるよ。寝起きの女の子の部屋に突撃するつもりはないよ」

提督「悪いけど扉越しで用件だけ伝えさせてもらうよ?」

伊勢「あっ、はい。なんでしょうか?」

提督「昨日の夜、建造妖精から報告があってね」

伊勢「?」

提督「本日午前中にも、日向が竣工出来るそうだ」

伊勢「!?」

提督「私はそれに関する手続きやら最終確認で提督室を留守にする」

提督「よって本日午前は通常の秘書艦業務はない」

伊勢「ハイッ……って、わざわざそれを伝えに?」

提督「私はこれから工廠に向かって日向の竣工まで部屋には戻ってこないからな」

伊勢「なるほど」

提督「それと提督室にはヒトサンマルマルに向かう予定だ」

提督「昼食を食べたら、人数分のお茶でも用意して待っていてくれ」

伊勢「ハイッ!」ビシッ


──


伊勢(──あれ? 提督は既に身支度済ませてここに来たって事よね?)

伊勢(早起きだなぁ……)


~そして昼過ぎの提督室~

伊勢「~♪」

伊勢「もうすぐ来るころかな~」ソワソワ

──デココガ──

伊勢「あっ、提督の声だ」

──ソシテココガテイトクシツダ

コンコン

伊勢「はーい」

──ガチャ

提督「おっ、待ってたか。さっ、どうぞ入って」

日向「ああ、ありがとう」

伊勢「日向……」

日向「……伊勢?」

提督「お互い紹介する必要ななさそうだな」


伊勢「日向!!」ダッ

日向「えっ?」

伊勢「会いたかったよ~……イダッ」ゴンッ

日向「伊勢!?」

提督「わざわざ艤装に突進するなんて……」

日向「大丈夫か?」

伊勢「うぅ……痛い。でもちょっとした怪我y」

日向「怪我でもなんでもない気がするのだが」


伊勢「──っと、改めましてよろしくね、日向」

日向「ああ、よろしく」

提督「よろしく、日向。それと今度からは艤装を外してもらって構わん」

日向「それだと戦闘になった際に支障が……」

提督「この部屋だけの話だ。ここは戦艦には狭くてな。

   実際書類が駄目になったりしたからな……」チラッ

伊勢「ぎくっ」

日向「ああ、そういうことか。君も苦労しているな」ヨイショッ…ト


─テイトク、オチャデス─アア、アリガトウ

日向「……一つ気になったのだが、いいかな?」

提督「何でも質問してくれ」ズズー

日向「他の艦は演習中か? それとも出撃中なのか?」

提督「あー……」

伊勢「えーと……」

日向「?」


~色々説明~


日向「なるほど。大体わかった」

伊勢「ふー、数行分で説明出来たわね。手抜きとも言うけど」

日向「何を言っているんだ?」

提督「さぁ」

日向「まぁ、何にせよ平和なのは良いことだ」

日向「今やるべきことはいざ戦闘になったときに備えて訓練に励むことだな」

提督「話が早くて助かるよ。今日は各艤装の動作確認を各自行ってくれ。演習は明日から行う」

日向「了解した」


伊勢「ちなみに私は演習の他に秘書艦としての仕事もあるわ」フフン

日向「ほう」

伊勢「あっ、そうだ提督! 秘書艦って一人じゃないとだめなんですか?」

提督「原則的にはって話だけど、基本的には雑務だからね。二人でも問題ないよ」

提督「まあ、命令系統を明確にするため旗艦は一人になるがな」

提督「秘書艦は問題ない。日向次第だな」

伊勢「だって。どうなのさ、日向?」

日向「ふむ、そうだな……」

伊勢「……♪」キタイノマナザシ

提督「……」ニコニコ

日向「ふっ…了承した。では明日から伊勢に秘書艦の仕事についても教えてもらおう」

伊勢「やったぁ」

提督「じゃあ二人とも明日から秘書艦としての仕事もよろしく」

伊勢・日向「ハイッ!」ビシッ


提督(伊勢も自分の他に艦娘がやってきてうれしそうだな……)

提督(……何より唯一の同型艦である日向だしな)

提督(日向もここに来るまでは緊張して素っ気無い態度だったが伊勢に会って大分緊張が解れたようだ)

提督(明日からが楽しみだな──)

区切りが良いので休憩で。


伊勢型が好きだけどSSって少ないなぁ

自分で書けば良いんじゃね?


って発想から若干見切り発車で始めてしまいました。
今後どのような方向に進むのか自分でもあまり……ゲフンゲフン

ご意見・感想お待ちしております。

>>1乙 伊勢型SSとは趣味が良いね
応援してるよー

>>23-35
駄文にお付き合い頂きありがとうございます。

安価を間違えました……

伊勢の性格は4コマと本編を足して2で割ったような感じを目指しています。
日向はそれにあわせる形になるので同じような配分になるのではないかと…

伊勢が日向をフォローする展開→構想の中にはあります(まだ文章にはなってません…)

響→まだなんとも…


本日は夕方以降に投下予定です。

ぼちぼちと再開します。


~ある日の鎮守府~

コンコン──

伊勢「はーい」

提督「伊勢か、悪いが扉を開けてくれないか?」

伊勢「あっ、はい。わかりました」

─ガチャ

伊勢「うわっ、すごい量の書類ですね」

提督「ふうっ、ありがとう。重くてかなわん」ドサッ

伊勢「これは何なんですか?」

提督「書類と言うよりもメモみたいなものだな。前任の提督が残したものだ」

提督「俺がここの提督室に来た時は書類が山積みだったが段ボールに詰めて倉庫に移したんだ。ふと思い出してな…」

日向「ふむ。見たところ設計図のようだな」

提督「そうだ。まだ倉庫には幾つか箱があるぞ。

   どれも旧式の物だが十分使える。現在の技術ならばまた違ったものが造れるかもしれないしな」

日向「そうだな。新しい物を造る上で参考になるんじゃないかな」パラパラ

伊勢「飛行機のまである!……でも私たちには関係なさそうね」パラパラ

提督「飛行機!? それってここにあって良いものなのか!?」

伊勢「──これはもしかして陸軍の…」

日向「──見なかったことにしたほうが良いかもしれないな…」


伊勢「ところで前任の方は艦隊もないのにどうしてこんなメモを?」

提督「うーん、筆跡とか内容からして色々な所から集めたものじゃないかな?」

提督「前任のじーさんは元々大本営で装備開発を担当していたらしくてな」

提督「新しい鎮守府を造ったはいいがここに来るはずだった提督が別のとこ行っちまって急遽赴任したらしい」

提督「定年も近かったらしいからな。大本営の計らいでもあったんじゃないか?」

日向「それで新任の君が来るまで新しい鎮守府でのんびり過ごしてもらおうと……」

提督「そういうことになるな」


伊勢「うーん……」

日向「どうしたんだ、伊勢?」

伊勢「いやぁ、前からちょっと引っかかってたんだけど……」ウーン

日向「?」

伊勢「……新しい鎮守府でいきなり戦艦なんて造れるのかなぁ?」

提督「良いところに気がついたな、伊勢」ニヤッ

伊勢「これってもしかして……」

日向「……なるほど。前任の提督の指導の賜物ということか」

提督「何人かは元いた所からついてきたらしいがな。

   若干生意気ではあるが腕は確かだ」

伊勢(誰のことかわかっちゃうなぁ…)

提督「これは推測だがこの鎮守府に来ても殆どの時間を工廠で後続の育成にあたっていたんじゃないか?」

提督「じゃないと指示しただけでいきなり戦艦は造れないだろう。

   あと提督室はほぼ物置のような状態だったしな……生活感は皆無だった。

   おかげでどれだけ掃除が大変だったか」


日向「で、君はこれらの書類をどうしたいんだ?」

提督「ああそうだ、大分話が逸れたな。

   悪いが開発される装備の種類ごとに分けたうえで消費資材が少ない順に並べておいてほしい。

   俺は大本営に行ってくる」

伊勢「わかったわ」

日向「了解した」

提督「帰ったら今後の建造予定を話し合おう」

伊勢「えっ? 建造許可ってなかなか下りないんじゃ……」

提督「戦艦はなかなか下りないよ。

   一つの鎮守府にそう何人も必要ないからな。

   今回は巡洋艦やら駆逐艦、あと艦載機を積む航空母艦の話だ。

   大本営に行くのは今後の艦隊計画について指示があるからなんだ」

伊勢「じゃあ、これから仲間が増えていくのね!! やったぁ!!」

日向「少しは鎮守府も賑やかになりそうだな」

提督「そうだ。これからこの鎮守府には新しい艦娘が増えていくだろう。

   空母に関しては俺自身門外漢だから分からないが、

   巡洋艦、駆逐艦には君たち二人に教育係をやってもらうからそのつもりで」

伊勢・日向「ハイッ!」ビシッ

提督「じゃあよろしく、行ってきます」

伊勢「行ってらっしゃい~」

日向「気をつけてな」

──バタンッ

ちょいと席を外します。

戻りました。


伊勢「結構量があるわね~」フゥ

日向「そうだな。これを一人でやるのはなかなか大変だ。

   ……二人でも大変だがな」ペラペラ

伊勢「でも飛行機のレシピがあるってことは今後その空母を造っても問題ないんじゃない?」

日向「…これは陸用の飛行機だろう? 船の上に滑走路を造ったとしても離陸できるか疑問だな。

   提督も言うように大切なのは装備ではなく練度なんだろう」

伊勢「じゃあ、空母は来ないの?」

日向「来るかどうかは分からないが……

   私としては飛行機に戦艦と同等に戦えるほどの能力があるとは考えられないな」フッ

伊勢「ふーん」


────

伊勢「提督の言ってたように同じ鎮守府に戦艦は難しいのかなぁ。

   他の鎮守府に扶桑とか金剛とかいるらしいし」

日向「それよりも軍縮の影響のほうが大きいんじゃないか」

伊勢「軍縮ねぇ……」ハァ…

日向「……」


伊勢「こうもっとまわりにいっぱい艦娘がいてわいわい楽しい鎮守府生活!

   ……てのを望んでたのになぁ」

日向「時代の流れ……というものなんだろう」

伊勢「──そのうち私たち艦娘は必要なくなっちゃうのかなぁ」ボソッ

日向「ふふ──どうした? 伊勢が弱気になるなんて」

伊勢「だってさぁ……」

日向「不要になることなんてないだろう。力というのは抑止力になる。

   しかし、大きすぎる力は均衡が崩れると争いの元になるものだ。

   そして民の生活を顧みず力を増やしたところで国は成長しない」

日向「時代の流れに合わせて規模が変化するのは別に珍しいことでもないしな」

伊勢「うーん……私には難しいな」ハハハ…

日向「大丈夫だ。私たちが必要以上に心配することはない。

   彼さえいれば問題ない」


伊勢「彼って提督のこと? 随分信頼しているのね」

日向「伊勢ほどではないかな」

伊勢「ふ~ん」ニヤニヤ

日向「─どうかしたのか?」ムッ

伊勢「日向ってさぁ、いつも…コホンッ

   『あっ、君』(←コエマネ)

   とか言って素っ気無いけど、案外提督のこと嫌いに思ってないでしょう?」

日向「質問の意図が分からないな」

伊勢「いや、日向のその気持ち分からないでもないかなぁ~って」ニヤニヤ

日向「……」

伊勢「まだ一緒に過ごした時間は少ないけど、なんでだろうね。

   安心する……って言うのかな?

   日向もそんな感じしない?」

日向「……そろそろ手を動かしたほうがいいんじゃないか?
   こっちの山はそろそろ終わるぞ?」パラパラ

伊勢「あっいつの間に!? まっ、待ってよぉ!?」

日向「いや、待つ必要もないだろう…」


………

……



伊勢「ふぅ~、残りの箱も持ってきたけど凄い量ね。

   でもあと少しだし、頑張りましょう!」

日向「しかし、これが全部役に立つのか少し疑問に思えてきたな。

   これとか走り書きされてて読めない……」ピラピラ

伊勢「私のほうにも幾つかあったわね、そういうの」



伊勢・日向「……」



伊勢「少し休憩にしましょうか」フゥ

日向「そうだな」フゥ

伊勢「私お茶入れてくるね~」スッ

日向「ああ、ありがとう」

──バタンッ


日向「うーん……」

日向(提督室に艦娘しかいないというのも……不思議な気分だ。

   上司の仕事部屋に部下しかいないという状態だが……)

日向(他の鎮守府はどうなんだろうな)

日向「よっと」スック

日向「流石に同じ体制でずっといたから体が痛いな」ポキポキ

日向(ふむ……こう提督室をまじまじと見るのは初めてだ)


日向「……」チラッ

日向「…本棚には主に工廠技術に関する本が並べてあるな」スッ

日向「……」パラパラ

日向「……」パラパラ

日向「……」

日向(──わからん…数式ばかり並んでいる…)

日向「本の状態からして前任の提督の物だろうな…」


日向「──提督の机には…これは戦術指南書か」ジー

日向「うん、秘書艦たるもの読んでおくべきだな」スッ

日向「…ふむふむ」パラパラ

──ピラッ

日向「んっ? 何だこれは……本の隙間から落ちたのか?」

日向「──これは……写真?」



日向(この人は提督だな。こっちの椅子に座っているのは……)

──ガチャ

伊勢「日向、おっまたせ~」カチャカチャ

日向「……っ」ビクッ

──サッ

伊勢「んっ?」

日向「……うっ」メソラシ


日向(と…咄嗟に隠してしまった……

   もう少し自然に隠して後でさり気なく戻せば良かったのに)

伊勢「日向ぁ~、わたし見たよぉ~」ニヤニヤ

日向「──なっ、何をだ……?」

伊勢「今、体の、後ろに、隠したのは、何?」ジリジリ

日向「うっ、ま…待て。落ち着け」

伊勢「観念なさい! どりゃっ!」ダキッ

日向「うっ、や、やめろ。どこ触ってるんだ……///」

伊勢「私にも見せなさいよー」

日向「と、とにかく一度離れ……」

伊勢「だったら見せてよ~」

日向「だ…駄目だ!」

伊勢「えーっ、なんでー?」

日向「だ、駄目ったら駄目!!」


提督「ただいま~。おーい、ドアが開けっぱなしだぞー」

日向「……っ」ビクッ

伊勢「あっ、提督お帰りなさい。

   ほら、提督も帰ってきたよ~? 見せてよ~?」

日向「あっ、ちょっと止め……///」

提督「こらこら二人とも、そこらへんにしておきなさい。

   まず伊勢はおぼんを置きなさい。危ないよ?」

伊勢「……はーい」

日向「……ほっ」

──ピラッ

伊勢「あっ…」

日向「えっ?」

提督「んっ?」

伊勢「──これって……?

提督「えっ?」

日向(まずいことになってしまった……)


~かくかくしかじか~

提督「…なるほどね。そういうことか」

日向「……すいません」

伊勢「にしても便利ね~。一行で済んじゃった」

日向「……?」

提督「取りあえず二人とも書類整理ありがとう。

   まさか倉庫のほうにある箱までやってもらえるとは思ってなかった。

   本当にありがとう。」

伊勢「いえいえ」


日向「……」

提督「──で、だ。今回のことだが……」

日向「……っ」ビクッ

日向「申し訳ありません。提督の私物を勝手に見てしまいました。

   どんな処罰でも受け入れます」

伊勢「……日向」

提督「……」

提督「……」フゥ

提督「──今回のことは不問にする」

伊勢「えっ?」

日向「──っ、提督。私は──っ」

提督「提督室にあるものは基本的に自由に閲覧してもらって構わない。

   机の上にある本、書類も然りだ。

   重要書類及び私物は机右側の引き出し、一段目と二段目にそれぞれ入れてある。

   もちろん鍵はかけているがな」

伊勢(そんなこと私達に言っても良いのかしら……)


提督「…で、この写真に関してだが、私物に相違ない。

   本来ならば引き出しにしまっておくべきものだが……

   何かの拍子に間違えて本の間に挟まってしまったんだろう」

日向「……」

提督「だから、本件に関して日向に非はないよ」

日向「……ありがとう…ございます」

提督「……」

伊勢・日向「……」ジッ

提督「……この写真が気になるのかい?」

伊勢「はい、とても!」

提督「ふむ……」チラッ

日向「……っ」ビクッ

日向「……」コクッ


提督「──まあ、隠すことでもないな。これは家内だ」

伊勢・日向「!?」

伊勢「この人が提督の……」

日向「……奥さん?」

提督「驚くほどでもないだろう?

   将校としては若いが結婚ぐらいしていてもおかしくない歳だ。

   同期と比べれば遅いほうだよ」

日向(……まさか奥様だったとは)

伊勢(きれいな人だなぁ……)

伊勢・日向「……(まさか既婚者だったとは…)」


提督「よし、ついでだから良いものを見せてあげよう」スッ

伊勢・日向「?」

─ガチャ─ゴソゴソ─パタン

提督「ほれ」

伊勢「わぁ~」

日向「可愛い、お子さんですね」

提督「息子だ。最近生まれた……

   ちょうど君たちがこの鎮守府に来る前だな」

伊勢「じゃあ、将来の提督候補ですね」

日向「…良く見れば君よりも凛々しい顔をしている」

提督「そりゃあ俺の息子だからな」ジマンゲ

伊勢「ふふっ、提督ったら~」クスクスッ

日向(親バカっぽいな……)クスッ

ふー、少し休憩します。

一旦乙
見てるぜ

>>57
ありがとうございます/`・ω・´)

ほかってきました。

あと少し投下します。


~その後再び書類整理~

提督「ふっー、終わった。

   にしてもあのじーさん、もっと字の練習したほうが良いんじゃないのか?

   漢字か数字かも分からん字が結構あったぞ……」

伊勢「まあ、図が載ってるから種類は分かりますし、

   あとはなんとか前後の文脈から読み取れば……」ハハハッ…

日向「…骨の折れる作業だったな」フゥ

提督「伊勢、悪いが皆の分のお茶を入れてくれないか?」

日向「あっ、今回は私が」

提督「そうか、じゃあ頼むよ」


伊勢・日向・提督「……ズーッ」

提督「ふー」

提督「──それで、今後の建造予定なんだが…」

伊勢「あっ、今日の会合の結果ですね!! どうなったんですか?」

日向「鎮守府の今後を左右する案件だ。ぜひ聞きたい」

提督「…ふむ」


提督「まず空母に関してだがこの鎮守府で当面建造計画はない」

伊勢・日向「えっ?」

提督「まずは俺自身、航空機に関する知識がない」

提督「そして既に正規空母鳳翔を建造した鎮守府があってな」

提督「その鎮守府がその経験を生かして既に建造途中の戦艦を空母に改造している」


伊勢「そうなんですかぁ…」

提督「お偉いさん達は新し物好きだからな。既存の艦艇は若造に押しつけられたわけだ」

日向「…大変だな、君も」

伊勢「でも一度見てみたかったなぁ、空母」

提督「…何も全く会う機会がないわけじゃないぞ?」

日向「──それはどういう…」

提督「空母と言ってもまだまだ新造艦だ。最初は基本的な隊列行動から教える必要がある」

伊勢「じゃあ、私たちが指導係に…?」

提督「──そうだ。ある程度練度がないと援護するのも大変だからな」

伊勢「なるほど。先輩戦艦として良いところを見せなきゃね!」

日向「まだまだ航空機に負けるわけにはいかないな。

   新米相手の演習とはいえ手は抜かないぞ」フッ

提督「ああ。合同演習の際には今までの訓練の成果を発揮してくれ」

伊勢・日向「ハイッ!!」

提督「──というわけで、ここにある航空機のレシピは別の箱に入れて倉庫にしまっておいてくれ……」

伊勢「わ…分かりました」

提督「情報漏洩の証拠を無造作に置いておくわけにはいかないからな」ヤレヤレ


提督「そして巡洋艦、駆逐艦に関してだが今後どんどん増えていくからな」

伊勢・日向「!?」

伊勢「増えていく!? どれぐらいですか!?」

日向「一体どんな奴が来るんだ!?」

提督「まぁ、二人とも落ち着け」

提督「どれぐらいになるかは分からないが…

   今のところ巡洋艦は天龍型だな」

伊勢「…その後は?」

提督「いや、取りあえず天龍型を造ってからだな、

   問題点が出たら改設計を繰り返してだな……」

伊勢・日向「……?」

提督「…と、とにかく沢山増えるよ」

伊勢「結構そこらへん適当なのね」

提督「良く言うだろ。予定は未定だ」


~その日の夕方、入梁ドック~

日向「ふーっ、今日は疲れた…」

伊勢「損傷もしていないのに入梁ドックってのは贅沢よね~」ゴシゴシ

日向「本来ならば間違った使い方だがな。

   風呂の描写を入れるとしたらここしかないんだろう」

日向「他に使う奴もいないし、今日のところはゆっくり浸からせてもらうさ」チャプ

伊勢「そのうち他の娘が増えてきたらここが一杯になったりして」アハハッ

日向「…そんな怪我人だらけの状態は想像したくないな」

伊勢「──本来の使い方をしてたら、確かにそうね……」

鳳翔さんが正規空母って事はまだ軽空母の分類はないのかね


伊勢「これからどんどん人が増えていくのよね。楽しみだなぁ」ゴシゴシ

日向「今度、他の戦艦たちも演習に来るらしいからな」

伊勢「金剛型に扶桑型、どんな人たちなのかしらねぇ……」

日向「話には聞いているぞ」

伊勢「何、何? どんな話?」ワクワク

日向「地獄榛名に鬼金剛、刹那霧島、夜叉比叡、乗るな山城、鬼より怖い」

伊勢「……マジ?」ピタッ

日向「あくまで乗組員たちの間の噂だがな。

   それだけ訓練が厳しいんだろう」

伊勢「まぁ、確かに私たちも演習の時はそんな感じよね……ってあれ?」

日向「どうした?」

伊勢「…誰か一人忘れているような?」


扶桑「…へくちゅ」

扶桑(誰か私の噂でもしてるのかしら……)

山城「姉様、風邪ですか!? は、早く医者を!?」

>>69
その通りです。


日向「近いうちに演習がある。否が応でも分かるだろう」

伊勢「私たち伊勢型戦艦の実力を見せてあげないとね!」

日向「ああ!」


伊勢「でもやっぱり今日一番驚いたのは提督に奥さんがいたことよね~」ウーン

日向「…そ、そうか?」

伊勢「だってさぁ~、まさか子供までいるなんてねぇ。

   なぁんて言えばいいのかなぁ…」ザバーッ

日向「……」チャプ

伊勢「…ちょっと残念だなぁ」ハァ

日向「……」ピタッ

伊勢「ねぇ、日向は何とも思わないの?」

日向「──な、何のことだ?」

伊勢「提督に奥さんがいたってこと」

日向「──べ、別に本人も言ってたように彼ぐらいの歳なら不思議じゃないだろ!?」

伊勢「まあ、そうなんだけどさぁ~」ウーン

日向「─だ、大体上官が既婚者だろうと私たちには関係ないだろう!?」

伊勢「そうかもしれないけどさ…」


伊勢「……あれ?」

日向「どうした?」

伊勢「──確かあのときって日向は写真を……」

日向「……っ」

伊勢「別に隠す必要なかったんじゃ……?」

日向「……///」ザバッ

伊勢「あれ!? 日向、どこ行くの!?」

日向「出る」

伊勢「えっ!? まだ私湯船にも浸かってないのに!?」

日向「出るったら出る」

伊勢「ちょ、日向ぁ! 待ってよぉ!」

日向「明日も早いからな! もう寝る!」

伊勢「寝るって……まだ夕方だよ!?」

今日のところはこれくらいで。少し書きためます。

あと霧島は刹那じゃなくて羅刹ですね……

ゲームのほうでは艦娘の搭載能力などで正規空母・軽空母を分けていると考えています。
排水量でいうと蒼龍、飛龍のほうが飛鷹、隼鷹よりも小さいですし……

ゲームの特性上、このような分類にしたのではないでしょうか?(あくまで主観ですが)


鳳翔に関しては登場シーンということもあり建造時の定義に合わせて正規空母としました。

私個人としては空母・艦載機運用の歴史を(途中裏方に回りながらも)最初から最後まで見つめ続け、
そして戦後には復員艦として役目を果たした彼女を”正規空母”と言いたかったという理由もあります。


提督「…ふーむ」

伊勢「どうしたんですか?」

提督「いや、鳳翔さんを主人公にしてもよかっt…」

伊勢「わーっ!わーっ!聞こえない聞こえない聞こえない!!!」

少し投下します。


~みんなで演習~

提督「よし、今日は予定通り演習だ。

   他の鎮守府からも艦娘が来るからそのつもりで!」

伊勢・日向「はいっ!」

伊勢「はい、提督! 質問があります!」

提督「なんだ、伊勢?」

伊勢「他の鎮守府からも来るって言いましたけど、誰が来るんですか?」

提督「全部」

伊勢・日向「えっ?」

提督「全部」


日向「…この鎮守府に全部集まるのか?」

伊勢「凄いじゃないですか、提督!!」

提督「この鎮守府も新しいからな。上の人たちの視察も兼ねている」

提督「日ごろの鍛錬の成果を存分に発揮してくれ」

伊勢「任せてください!!」キラキラ

日向「伊勢、張り切りすぎるなよ?」フフッ

伊勢「と良いながも日向も楽しみでしょう?」ニヤニヤ

日向「……うっ、うるさいな!///」キラキラ

提督(…本当は演習場の手配とか面倒なことを押しつけられただけなんだがな)ハァ…


~金剛姉妹~

霧島「はじめまして、霧島です。よろしくお願いしますね」

伊勢「あっ…あぁ、よろしく~」

日向「よろしく頼む」

伊勢(…この人が羅刹霧島なの?)ヒソヒソ

日向(どうやらそうらしいな)ヒソヒソ

霧島「?」


榛名「高速戦艦、榛名です。よろしくお願いします!」

日向「ああ、今日の演習でもよろしくな」

榛名「ええ、榛名でいいならお相手しましょう!」

伊勢(……地獄榛名?)



比叡「比叡です! 今日の演習、気合い入れていきましょう!」

伊勢「うん! こちらこそ!」

日向「よろしく」

日向(…この気合いが夜叉たる所以か!)…ハッ


金剛「デース! デース!」

伊勢・日向「……」

日向「──いや、演習になれば彼女の内に秘めたる鬼が……」

日向「──って、んなわけあるかあああああっっっっっ!!!!」

金剛「わっつ!? ど、どうしたんデスカ!?」ビクッ

日向「はぁはぁ…」

伊勢「あっ、ごめんね。この娘時々叫びたくなるみたいで…」ハハハ…

伊勢(あの鬼なんたらとかって誰に聞いたのよ?)ヒソヒソ

日向(…工廠にいた妖精に聞いたんだが)ヒソヒソ

伊勢(あぁ…、なるほどね…)ヒソヒソ

伊勢(……どうみても鬼には見えないわよねぇ)ヒソヒソ

金剛「なんかとっても失礼なこと考えてる気がするヨー」


~扶桑型姉妹~

扶桑「扶桑型戦艦、姉の扶桑です。妹の山城ともどもお願いいたしますね」ニコッ

山城「扶桑型戦艦、妹の山城です」

伊勢「よろしくね」

日向「よろしく」

扶桑「お互い頑張りましょうね」ウフフ

伊勢(うーん、みんな何だかおっとりしてるわね)ヒソヒソ

日向(…多分私たちも同じようなものだ)ヒソヒソ

扶桑(…伊勢と日向には負けたくないの)

伊勢・日向「……っ」ゾクッ

扶桑「じゃあ、またあとでお会いしましょうね」フフフ

伊勢「…あっ、はい」ハハハ…

伊勢「ねえ、日向!? 今何か聞こえなかった!?」

日向「今のは何だったんだ…」


~長門~

長門「戦艦長門だ。よろしくたのむ」

日向「ああ、よろしく」

伊勢「あれ? 長門型ってもう一隻いるはずじゃ……?」

長門「ギクッ いや、今日はちょっと用事があるらしくてな」ハハ…

伊勢「そうなんですか……残念ですね」

長門(ふぅ…)


~鳳翔~

鳳翔「航空母艦、鳳翔です。よろしくお願い致します」

伊勢「おぉ~っ、これがあの飛行甲板!? 初めて見た!」

日向「本当にここから航空機が発艦出来るのか!?」

鳳翔「ええ、出来ますよ。ご覧になりますか?」ウフフ

伊勢「いいんですか!? 見たい見たい!」

日向「是非ともお願いする」

鳳翔「では、行きますよ? 航空部隊、発艦!!」シュバッ

伊勢・日向「おおぉ~!!!」

鳳翔「いかかですか?」ニコッ

伊勢「すごいすごい!!」キャッキャ

日向「これは驚いたな」ホゥ

鳳翔「私の建造と同時に開発された戦闘機なんですよ?」

鳳翔「まだまだ戦艦のような力はありませんが、皆さんのお役に立てれば光栄です」ニコッ


~演習後、提督室~

伊勢「ふぅー、疲れたーっ!!」

日向「いい汗かいたな」

提督「二人とも今日はお疲れ様。どうだった?」

伊勢「性能では私たちも負けてない…というか勝ってるはずなんだけど」

日向「どの艦も練度が高い。流石だな」

提督「そうだろう、そうだろう」ウンウン

提督「特に金剛姉妹は長いからなぁ~」

伊勢「あの連携は凄いわねぇ~。一糸乱れずって感じ?」

日向「私たちも見習わないとな」


伊勢「それよりも今日驚いたのは空母よね~」

提督「鳳翔だな。艦隊行動訓練の後は空母お披露目会みたいなもんだったな」

伊勢「こうバビューンっと飛び立って、バババッと撃って……」

日向「航空機同士の模擬戦は見ていて熱くなったな」

伊勢「日向! 私たちも飛行機飛ばそう!! こう手で投げる感じで!!」

日向「……飛行甲板が無いんだから飛んで行った奴らが帰ってこれないだろう」フゥ

日向「そもそもあれは手で飛ばせるもんなのか?」

伊勢「えーっ、飛行機飛ばしたかったのになぁ……」ショボーン

日向「私たちにはこれがあるからな」ポンポン

提督「そうだぞ、伊勢? あんな小さな飛行機に主砲は積めないだろう?」

伊勢「そうなんですけど……やっぱりロマンっていうものが」ウーン

日向「……ん?」

日向(待てよ…?

   今後あの飛行機達が戦艦に致命傷を与えるほどの攻撃力を備えてきたら……)

提督「……?」

日向(…まさかな)フゥ

提督「……」

今日はこんな感じで終わります。

次から他の艦娘を増やすために少し走り気味になります……

投下します。


~続々来る新造艦~

天龍「オレなは天龍。ふふ…怖いか?」

球磨「くまー」

長良「軽巡、長良です。よろしくお願いします!」

川内「夜戦だああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

夕張「夕張です。さっそく試し撃ちしていいかしら?」

伊勢「ま…まぁみんなよろしくね。あと鎮守府内では砲撃しちゃだめだからね?」

大井「雷撃ならいいんですか?」

日向「どっちも駄目だ!!」


古鷹「古鷹と言います。ここはとてもいい鎮守府そうですね」ニコッ

青葉「ども~、青葉です! 

   青葉の情報網にもお二人のご活躍は届いてますよ~!」

妙高「妙高と申します。共に頑張りましょう」ニコッ

高雄「こんにちは、高雄です」ニコッ

最上「ぼくが最上さ。ぶつかったらごめんね!」

利根「吾輩は利根である。さっそくで済まないがカタパルトを直してくれぬか?」

伊勢・日向「……」


睦月「睦月です。あれ、そんなに私のことが気になりますかぁー?」

吹雪「吹雪です! よろしくお願い致します!」

綾波「ごきげんよう、綾波と申します」

暁「暁よ。一人前のレディーとしt……」


日向「──増えすぎだろおぉぉぉぉぉ!!」


暁「……っ」ビクッ

伊勢「日向!? ちょっと落ち着いて!?」

暁「ち、ちょっとあなたたち!? 一人前のレディーの話がっ……」

駆逐艦娘達(あっ…この後は挨拶もない感じかな……?)


~空母も続々~

鳳翔「こんにちは。ちょっと近くまで来たのでご挨拶に来ました」

伊勢「あっ、鳳翔さん! こんにちは!」

鳳翔「…お取り込み中だったかしら?」

伊勢「い、いえ~、大丈夫ですよぉ~」ハハ…

伊勢「あれ? そちらのおふた方は?」

赤城「航空母艦、赤城です。よろしくお願いしますね!」

加賀「加賀です、よろしく」

伊勢「飛行甲板? じゃあ、もしかして二人とも」

赤城「はい、航空母艦です!」

鳳翔「今までは私一人でしたけど、今は3人で演習しています」

伊勢「へぇ~。じゃあ、今度の演習が楽しみですね!」


鳳翔「以前よりも練度も上がってますし、艦載機も進化しているんですよ」

伊勢「あっ、本当だ! 前に見たのと違う!」

鳳翔「これで少しは戦艦の皆さんにも対抗できると思います」

赤城「実は次の演習までには現在試験中の艦載機が装備されるんですよ」

伊勢「えっ!? まだ新しくなるの!?」

赤城「今度の艦載機は今までのと形も大きく変わりますから楽しみにしていてくださいね?」

伊勢「いいなぁ~。私たちはまだそんなに大きな改装は無いなぁ~」

加賀「ここの提督は装備開発には取り組んでいないのですか?」

伊勢「うーん……最近建造が忙しいらしくて……」

鳳翔「確かに上層部も大分あなたの提督の知識と妖精の技術を信用してるみたいですし…」

伊勢「秘書艦の仕事してても最近建造関係の書類が多いんですよねぇ…」ハァ…

鳳翔「大変ねぇ…」


伊勢「提督は建造で忙しいし、私たちもこれから新しい娘の監督で忙しくなるし…」

伊勢「…何だか提督が遠くに行っちゃうなぁ」ハァ…

伊勢「ちょっと寂しいかな…」ボソッ

鳳翔「……」

鳳翔「伊勢さんは確かこの鎮守府で一番最初の艦娘でしたよね?」

伊勢「えっ、はい。そうですけど…」

鳳翔「ここに来た時からずっと秘書艦を?」

伊勢「はい」コクッ

鳳翔「そうねぇ。

   以前と比べて提督さんもお忙しいと思うし、なかなか二人っきりの時間は作れないわねぇ…」

伊勢「はい……って、え!?」

鳳翔「えっ!? だって今寂しいって…」

伊勢「ち、違いますよ! ただ、最近ちょっとかまってもらってないなってだけで!!///」

伊勢「そ…そう! 最近新しい装備をもらったりしてないなぁ~って!!」アハハ…


鳳翔「じゃあ、少しおねだりしてみてはいかがですか?」ウフフ

伊勢「いや、今提督忙しいし迷惑だから……!」

鳳翔「そんなことはないと思いますよ?」

伊勢「で、でも……」

鳳翔「いいじゃないですか。時にはあまえてみても。

   提督さんも自分の秘書艦が自分を頼ってくるのに悪い気はしないはずですよ?」

伊勢「…そうなんですか?」

鳳翔「そういうものなんです」ニコッ

加賀(私達、なんか空気だな……)

赤城(お腹すきました…)


日向「おーい、伊勢! みんなに鎮守府を案内するから来てくれ!」

伊勢「あっ、うん。わかった」

鳳翔「あら。じゃあ、私たちもこれで」

伊勢「あっ、はい。わかりました」

赤城「では次の演習で会いましょうね」ペコッ

加賀「それでは」ペコッ

伊勢「はい、ではまた」

鳳翔「伊勢さん? 是非自分からお願いしますよ?」

伊勢「はい。……といっても本当に自分でもよく分からないんです」

鳳翔「大丈夫ですよ、伊勢さんと提督さんなら」ウフフ

伊勢「…ちなみに鳳翔さんも自分の提督さんにあまえたりするんですか?」

鳳翔「そうですね、時々」

伊勢「ど、どんなふうに……?」ゴクリ…

鳳翔「それは…ヒミツです」ニコッ


日向(伊勢のやつ、何を話してるんだろうな…)


~鎮守府内~

伊勢「あそこが演習場、こっちが宿舎」

伊勢「駆逐艦の娘たちはこの階の部屋ね」

伊勢(うーん、なんだか集中できない……)

伊勢「で──あれっ? あとどこ回るんだっけ?」

駆逐艦達「……」

伊勢「…あれ? えーと…」 

響「そういえばまだ建造ドックを見てないな」

伊勢「あっ…ああ、そうだった。建造ドック、見てなかったわね」

雷「大丈夫かしら……?」


~建造ドック~

伊勢「ここが建造ドックよ」

睦月「うわぁ~!」

如月「とても大きいですね」

叢雲「無駄に大きいわね」

伊勢「戦艦も造るからね!」フフン

電「はわわ、妖精さんたちがいっぱいいるのです!」

伊勢「今見えているところは装備開発を行っているみたいね。

   もしかしたらあなたたちのかもしれないわよ?」

──ヤッター、ナニガデキルンダロウー

建造妖精「およ、伊勢ちゃんじゃねえか。駆逐艦はべらせてどうしたんだい?」

伊勢「はべらせるとか言わないでください…」ハァ…

伊勢「みんなに鎮守府内を案内していたんですよ」

建造妖精「なるほど。うちはいつでも見学おっけーだぜ?

     中も見ていくかい?」

伊勢「今何か建造しているの?」

建造妖精「なーんも」テヘペロ

伊勢「てへぺろとか止めてください」


建造妖精「そういえば、提督がさっきここにきて伊勢のこと探してたぜ?」

伊勢「えっ? 提督が? なんで?」

建造妖精「さぁ……。あとで部屋に行ってみたらどうだ?」

伊勢(なにかあったのかな?)

伊勢「わかったわ。この娘たちを宿舎まで連れて行ったらね」

建造妖精「よろしくー」

すいません、眠すぎるので今日はこのへんで……

少し投下していきます。


~案内終わり~

伊勢「じゃあ、この後は各自自由で。

   夕飯はヒトハチマルマルから食堂で食べられるわ。

   今日は同じ型のみんなで食べなさい」

──ハーイ!

伊勢「それじゃあ、私は一度執務室に行くから。

   何かあったときは提督か私か日向に相談してね」

──ハーイ、アリガトウゴザイマス

伊勢(日向のほうは終わったかしら……?)

伊勢「提督室に戻ってみよ」タタタッ


~提督室前~

伊勢(…時にはあまえてみてもいい…か)

伊勢(いやいや……)

──コンコン

伊勢「失礼します、伊勢です」

─シーン

伊勢「あれ? いないのかな?」

──ガチャッ

伊勢「鍵開いてるし…」キョロキョロ

伊勢「居ないわね。少し中で待ってますか」ヨイショット

伊勢「……」

伊勢「……ふわぁ~」アクビー


………

……



伊勢「う~ん……はっ!?」ガバッ

提督「おっ、起きたか?」カリカリ

伊勢「あれ!? 提督!?」

提督「おはよう」

伊勢「あっ、おはようございます……。すいませんついウトウトして…」

提督「ああ、別に問題ないよ。今日は疲れただろう」

伊勢「…いえ、そんなことは。どれぐらい寝てました?」

提督「10分ぐらいじゃないかな?」

提督「最近、建造も多かったし、別の鎮守府からも艦娘が来たりしてるから、

   少し負担になってしまったかな?」カリカリ

伊勢「…いえ」


伊勢「それよりも提督、お話があるとか」

提督「おお! そうだったそうだった。実は伊勢に改装を施そうと思っていてな」スッ

伊勢「か、改装ですか!?」

提督「そうだ。他の戦艦や空母はもう改装してるんだがな。

   ここの鎮守府は最後になってしまった」

提督「その分、しっかりと内容を吟味して改装出来るぞ」ゴソゴソ

提督「あった、この書類だ! ほれ」ピラッ

伊勢「──こ、これは?」

提督「主砲・副砲の仰角アップ、高角砲・機銃の増強、装甲強化、水上偵察機の搭載……」

提督「かなり大がかりな作業になるが大幅な戦力強化が期待できる」

伊勢「……」

伊勢「…提督」グスッ


提督「!?」

伊勢「……提督っ」ダキッ

提督「!?」

伊勢「……」ギュー

提督「お、おい! 伊勢!?」

伊勢「……」ギュー

提督「……何かあったのか?」

伊勢「……」

提督「……そうか。まあ、話したくなったら言ってくれ」ナデナデ

伊勢「……」

伊勢「……私、不安だったんです」ボソッ


提督「何がだ?」

伊勢「私思ったんです。

   鳳翔さんたちはどんどん強くなって、新しい装備が増えて……

   この鎮守府にも他の艦娘が沢山来て……」

提督「うん」

伊勢「…私みたいな戦艦はいらなくなっていくのかなって」

提督「……」

伊勢「……グスッ」ギューッ

提督「……」ナデナデ


提督「伊勢?」

伊勢「…はい」グスッ

提督「一つ分かってほしいのは、少なくとも俺は君たちを必要としている」

伊勢「……」

提督「確かに今、空母と艦載機に力を入れていて、

   艦載機の進化が著しいのは確かだ」

伊勢「……」コクッ…

提督「そして砲塔の開発がそれほど進歩していないのも事実だ。

   これに関しては俺にも責任があると思う」

提督「でもそれを君たちが気に病む必要はない。

   そして俺は今でも戦いの最後を決定するのは戦艦だと思っている」

伊勢「何か根拠があるんですか?」チラッ

提督「ないな。しいて言えば俺の勘というか願望というか……」

提督「戦艦って言うのは男のロマンだからな」

伊勢「ふふっ、何ですかそれ」フフッ


伊勢「提督」

提督「何だ?」

伊勢「ありがとうございます」

提督「これからの活躍、期待してるよ」ニコッ

伊勢「はい!」


──コンコン…─ガチャ

日向「うん? 誰かいるのk……」ハッ

伊勢「……あっ」

提督「……」アーア…

日向「……」

日向「いや、あの、その……///」ゴニョゴニョ

日向「」バタン

伊勢「日向!? ち、ちょっとまって!?」


………

……




日向「……」ムー

伊勢「ほら機嫌直してよ、日向?」

日向「…うん、まあ、君たちがそういう間柄でも?

   私には関係のないことだし」

伊勢「いや、そういうんじゃなくて……

   私がちょっと感極まっちゃって」

日向「抱きついて頭撫でられてた…と」

伊勢「あぅ……///」


提督「すまない、日向。俺にも過失はある。

   そう伊勢を責めないでやってくれ」

日向「……」チラッ

伊勢「そ、そうだ。だったら日向も提督に抱きつけb……」

日向「……ギロッ」ゴゴゴゴゴ…

伊勢「…ごめんなさい」(日向の後ろに鬼が見える…)

日向「……」フゥ

日向「まあ、良いだろう。今回は近代化改装に免じて水に流そう」

伊勢「ほっ…」

提督「ありがとう」フゥ


日向「にしても、この改装はかなり大掛かりだな」

提督「そうだな。今までなかった分かもしれないな」

日向「ということは大本営からの指示なのか?」

提督「そうだ」

日向「他の戦艦にも同じ規模の改装が?」

提督「うーん、一概に規模を比較することは出来ないが……

   改装が施されているのは確かだな」

日向「…なるほど。いや何でもない、ちょっと興味があってな」

提督「……」

また夜に投下します。

夜にと言ったのに次の日になってしましました…

投下します。


~その後、宿舎~

伊勢「ふぅ~、今日も疲れた~」グッタリ

日向「お疲れ」

伊勢「でも疲れてない気もするのよね~」

日向「ほう。どういう意味だ?」ピクッ

伊勢「なんか、心地よい疲労感なの~」アハハ

日向「…提督に抱きつくとそんな効果が」ニヤニヤ

伊勢「えっ!? 違っ……もう日向ったら~」

日向「ふふ、冗談だ」

伊勢「というか、入る前にノックぐらいしなよ!!」

日向「したさ。でも返事がなかったんだ」

日向「集中しすぎて聞こえなかったんじゃないか?」

伊勢「あう……」


伊勢(取りあえず話をそらそう…)

伊勢「そ、そういえば今日改装について提督に色々聞いてたけど?」

日向「ああ、そのことか」

伊勢「…なんだか思い当たる節でもあるの?」

日向「いや、大したことでは……」

伊勢「……ふうん」ジー

日向「……」

日向「まあ、伊勢には話しておこう。

   一応言っておくがこれは飽くまで私の主観だ」


日向「最近、巡洋艦・駆逐艦の建造が活発になっているだろう?」

伊勢「そうね、この鎮守府もにぎやかになるわね」

日向「そして空母も増え、艦載機の能力は飛躍的に上昇している」

伊勢「そうね~、鳳翔さんの艦載機は新しくなってたし。

   新しい空母は赤城、加賀ね。あの二人も強そうだなぁ~」

日向「実は既に空母があと2隻が完成している。

   そして新たに2隻現在建造中だ」

伊勢「えっ!? 私聞いてないよ!? どこで知ったの!?」

日向「提督の机の書類を見た」

伊勢「それって重要書類じゃ……」

日向「前に提督が机の上にある書類は見ても構わないと言っていただろう?」

伊勢「ああ…そういえばそんなこと言っていたわね」


伊勢「…でもいつもは口頭で連絡した後に

  『じゃあ、後で見ておけ~』

   って感じでそれに関する書類を置いてない?」

日向「ああ、いつもはそうだ。そしていつも書類は椅子の真正面に置いてある」

日向「…しかし今回は違った。

   いかにも読みかけの本の下に置いてあったんだ」

伊勢「いつも提督は読み終わったら所定の位置に戻すのに…。

   ちなみになんの本だったの?」

日向「確か航空機に関する本だった」

伊勢「航空機? 提督ってそんな本持っていたの?」

日向「最近読み始めたようだ。勉強しているみたいだな」

伊勢「ふぅん」


日向「少し話が逸れたな。

   結論をいうと私は大本営が戦力の増強を急いでいると考えている」

伊勢「でも戦力が増えることにこしたことはないでしょ?

   誰かが鎮守府を攻めてきても対応できるし…」

日向「そうだな、専守防衛に努めるならな。だが前にも言っただろう。

   力は抑止力になる、しかし均衡が崩れると…」

伊勢「…争いが起きる」ハッ

日向「そうだ」

史実で言うところの海軍休日辺りの話なのかな?


伊勢「えっ、でもちょっと待って。

   ただ戦力強化するなら戦艦を増やせば良いんじゃない?」

日向「…私たちがここに来た時の話を覚えているか?」

伊勢「ここに来た時? 何か関係があるの?」

日向「来たときは他に艦娘はいなかっただろう?」

伊勢「──そういえば……あっ!

   もしかして軍縮条約が関係あるとか?」

日向「そうだ。恐らく軍縮条約には戦艦の建造制限があるのだろう。

   条約に対応しながら戦力増強を狙うと私たち戦艦は改装するしかないというわけだ」

伊勢「うーん、なるほどねぇ。

   でも他のところも同じように戦力増強しているなら正当な理由になるわよね?」

日向「まぁ、確かにそうなんだが……」

伊勢「提督は何も言ってないしねぇ」

日向「そうだな。杞憂だといいんだが……」

日向「今の話は飽くまで私の主観だ。

   私たち二人の中に留めておいてくれ。皆に余計な心配をさせてしまうからな…」

伊勢「うん、わかった」



───

──



>>142
そんな感じですね。

ちょっとごちゃごちゃしてますが……


~酒保~


伊勢「気分転換って出てきたけど、どこに行こうかしら?」

日向「連れ出すなら行き先ぐらい決めておいて欲しいものだ」



───ガヤガヤ



北上「間宮さ~ん、ラムネちょうだーい」

間宮「はいはーい」ニコニコ

雷「わたしは羊羹にするわ。電は?」

電「えーっと、電は最中が欲しいのです」

間宮「はいはーい」


伊勢「あれ? 今日は間宮さんが来てるんだ?」

日向「そのようだな。非常ににぎやかだ」

吹雪「あっ、伊勢さん、日向さん。お疲れ様です」ペコッ

伊勢「やっ」

日向「やあ吹雪。買い物かい?」

吹雪「はい、白雪ちゃんたちと一緒にお菓子を」

吹雪「日向さんたちも買い物ですか?」

日向「いや、散歩に来ただけだ」

吹雪「そうなんですか?」

日向「ああ。間宮さんが来ているとは知らなかったしな。

   でも良い機会だから何か買っていくか。なあ、伊s…」

伊勢「あっ、間宮さーん、お饅頭くださーい」

吹雪「いつの間に…」

日向「……」


伊勢「いやー、最近は本当に便利になったわね~。

   これなら士気高揚間違いなしね、もぐもぐ」キラキラ

日向「もう食べてるし……」

伊勢「前は場所があるだけで誰もいなかったし」

吹雪「そうなんですか?」

伊勢「そうよー。何もなかったもの」

日向「提督室でお茶を飲みながら談笑していた時が懐かしいな」

吹雪「いいなぁ~。秘書艦の特権ですね~。

   私も司令官と一緒にお茶したいなぁ」

すいません、寝落ちしました。

続けます。


伊勢「今から行かない? お菓子持ってさ」

吹雪「えっ!? そんなことして良いんですか?」

伊勢「えっ!? 駄目なの!?」

吹雪「……」

伊勢「……駄目なの?」チラッ

日向「わ、私か!?」

吹雪「どうなんですか?」

日向「うーん、中に入ることは出来ないかもしれないが……

   食堂まで来てもらうことは出来るんじゃないか?」

伊勢「それだ!」


雷「ねぇ、何の話をしてるの?」

吹雪「あっ、雷ちゃん。

   えーっとね、今から皆で司令官に会いに行こうと思ってるの」

電「電もいきたいのです!」

青葉「あれ? みなさん何のお話ですか?」

───ジツハイマカラ…


~提督室~

提督「……はい、はい」

提督「では私の鎮守府の工廠を使用するということで」

提督「…はい、はい。お任せください」

───コンコン──ガチャ

伊勢「失礼しま…」ハッ

提督「では失礼します」チンッ

伊勢「あっ、すいません。お電話中に」ペコッ

提督「いや、もう終わったよ。

   ところで何の用かな?」

伊勢「いやお茶でもご一緒にいかがかなと…」

提督「うん? ああ、別にかまわない……が?」

提督「じゃあ、お茶でも入れるか」

日向「今日は食堂でやらないか?」

提督「? 別に良いけど、どうした?」

日向「みんなが待っているんだ」


──ガヤガヤ

提督「おお…」

吹雪「あっ、司令官さん。お疲れ様です」

──オツカレサマデース

提督「おいおい、みんな集まってどうしたんだ?」

日向「いやなに、今の子たちはあまり君とじっくり話をしたことがないというのでな?」

伊勢「提督を招いて皆でお話ししようかと」

伊勢「あれです。パーティですよ」

提督「そうか、いや、皆ありがとう」

提督「でもそれならもっとお菓子があったほうがいいだろう?」

提督「みんなもっと好きなものを買ってきていいぞ?

   伊勢も日向も。俺にツケといてくれ」

一同「やったーっ!!」


~みんなでお茶会~

吹雪「司令官は司令官になる前はどこにいたんですか?」

提督「俺か? 中学を出た後、兵学校に入ってな。

   それからは軍一筋だな」

提督「水雷学校、砲術学校を出て、外海勤務の後ここに来た」

響「じゃあ、司令官は所謂エリートなのかい?」

提督「エリートかどうかはわからないが学校での成績は良かったな」

利根「じゃが、その年でいち鎮守府を任されているのじゃろう?」

提督「まあ、一番下っ端だがな」

那智「そう、あまり自分を卑下するな。

   誇ってよいことだと思うぞ、私は」

提督「そう言ってくれるとうれしいよ」


足柄「次は私の質問ね!! ずばり彼女いますか!?」

提督「家内がいる」

足柄「んにゃー!?」

高雄「へぇ~。どんな人なんですか?」

提督「どんな人って言われてもな……」

青葉(ふふふ。青葉、調べちゃいますよ)メモメモ

衣笠(青葉が悪い顔してる……)


那珂「はーい、次は私の質問ー!」

夕張「あっ、私も!」

川内「夜戦しようよ!!」

提督「まあまあ、順番に聞いていくから」アハハ

提督「夜戦はしないけどな」

川内「えっー…」

伊勢「あはははは」

日向「ふふっ」


~その後~

提督「よし、片づけは終わったな。じゃあ、皆お休み」

一同「おやすみなさーい!!」

伊勢「じゃあ、私たちも戻ろうか?」

日向「ああ」

提督「あっ、伊勢、日向」

伊勢「はい?」

日向「どうした?」

提督「今日はありがとな」


日向「急にどうした?」

提督「こういう機会を設けてくれて感謝している」

伊勢「どうしたんですか? 改まって」

提督「いや、なに。最近きた娘達、特に駆逐艦とかは俺と歳も離れてるからな。

   今日みたいな催しがないとなかなか打ち解けられなくてな……」アハハ…

提督「本当にありがとう」

日向「私たちは秘書艦だからな」フフン

伊勢「私も楽しかったです!!」

提督「できた秘書艦を持ったものだ。ありがとう。

   あっ、そういえば……」

伊勢「はい?」

日向「どうした?」

提督「──いや、なんでもない。じゃあ、おやすみ」

伊勢「お休みなさい」

日向「お休み」

また夜に投下します

投下します。


~演習の日々~

──朝礼

提督「よし、みんな集まったなー?」

──ハーイ!

提督「本日は合同演習を行う。

   他の鎮守府から戦艦、及び空母が参加予定だ」

提督「最初に砲撃練習を行った後、艦隊を複数編成し演習を行う」

提督「参加する艦は戦艦が長門型、金剛型。

   空母が赤城、蒼龍、飛龍だ」

提督「これが終わったら各自艤装の確認を行うように。

   ヒトマルマルマルに演習場集合とする」

提督「──以上だ。何か質問は?」

提督「無いか。後で個別に相談に来てもらっても構わないからな。

   では各自、準備に入れ。解散!」

一同「ハイッ!」ビシッ


伊勢「提督」

提督「伊勢か、どうした?」

伊勢「蒼龍と飛龍が来るのは良いんですけど、

   鳳翔さんと加賀はどうしたんですか?」

提督「ああ。あの二人なら今出撃中らしい」

伊勢「えっ!? 出撃ですか?!」

提督「まあ、出撃といってもそこまで激しい戦闘じゃないと聞いているがな」

伊勢「……ほっ。ちょっと安心しました」ハァ

日向「……」


~砲撃演習~

提督「では駆逐艦の娘達は俺が指導するからよろしく」

──ハーイ

提督「では各自準備に入れ」

───

──



伊勢「私たちもあんな風に指導されたわね」

日向「そうだな。始めのうちはなかなか上手くいかないものだ」

伊勢「私は艦隊行動のほうが苦手だったかな。

   最初はよく艦列から飛び出してた」ハハ…

日向「そんなこともあったな……」


伊勢「では私たちも始めましょうか」

日向「そうだな」

金剛「伊勢! 日向! もう始まってるヨー!」

金剛「ファイヤー!!」ドーンッ!

比叡「主砲、斉射、始め!!」ドーン…

伊勢「皆頑張ってるわね~、おっと準備準備っと」

日向(他の艦も兵装が変更されているな…)


伊勢「目標、左舷、距離10000m!」

伊勢「六基十二門、一斉射!!」ドドーン…

伊勢「ふぅ、やっぱり斉射は気持ちが良いわね!!」キラキラ

日向「至近弾3……直撃ならず」

伊勢「ありゃ?」

日向「もっとちゃんと狙ったらどうだ?」

伊勢「うーん、風かな。ちょっと修正して……」


日向「私も始めるか」

伊勢「うーん、距離は間違ってないな」

日向「目標、左舷。距離10000m」

伊勢「えーっと、風が……あれ?

   今どの辺に着弾したんだっけ?」

伊勢「分かんなくなっちゃった…」

日向「一斉射、てー!!」ドーン…

日向「んっ?」

伊勢「ねえねえ日向ー! さっきの砲撃なんだけど…

   ってどうかしたの?」

日向「えっ? いや……」

日向(また五番砲塔か……)


日向「いや、問題ない。大丈夫だ」

伊勢「……どこか調子が悪いの?」

日向「いや、時々出る”癖”みたいなものだ。

   大丈夫だ、心配ない」

伊勢「本当に……?」

日向「ああ」

伊勢「ならいいんだけど……」


~合同演習~

赤城「私の出番ですね」

伊勢「あれ? 甲板が変わってる?」

赤城「最近、艦載機が大きくなっちゃって長めの甲板じゃないと大変なんです。

   三段式甲板もあまり役には立ちませんでしたし」

日向「バッサリだな」

伊勢「艦載機が大きく……? あっ、こっちも変わってる!!」

提督「ほー、俺も興味があるな」ヒョコ

赤城「あっ、提督。お疲れ様です。

   どうです? 新しい艦載機は」

提督「翼が複葉から単葉になったのか」

赤城「はい、機体も金属になりました。

   まだ全部ではありませんが徐々に入れ替えていきます」

提督「ふむふむ…」


伊勢「提督、熱心ね~」

日向「そうだな」

九六式かな?

>>172
そうです。

やっと九六式を出せました…

すいません続けます。


~模擬戦~

伊勢「目標、左舷、那珂」

伊勢「第一砲塔、第二砲塔。てー!!」ドーンッ

那珂「わぁーっ、顔は止めて!! 回避、回避!!」ササッ

──ヒュン…ドボン

那珂「ふー、危ない危ない。アイドルが怪我しちゃ駄目だよね!」

伊勢「模擬弾なんだけどな…」


村雨「那珂さん、こっちは至近弾でした…」

夕立「こっちも至近弾っぽい…」

那珂「えっー!? 当たっちゃったの!?」

提督「いや、那珂が上手すぎただけだよ」

提督「次は仲間の隊列にも気をくばるようにしろ」

那珂「はーい! 那珂ちゃん、頑張りまーす!」


吹雪「目標、日向さん。砲撃開始、いっけー!!」

白雪「弾幕張ります!!」

──バババババ

日向「応戦だ。三番砲塔、四番砲塔、てー!!」ドーン

吹雪「うわ、回避回避!!」ササッ

日向「いいぞ、追撃だ。四番砲塔……」

妖精「ハッ…雷跡!! 8時の方向より雷跡!!」

日向「何!? 砲撃止め! 回避だ!」ササッ

川内「ちぇ、外れちゃったかー。残念だったねー」

初雪「……」コクッ

提督「駆逐艦二人を陽動に使ったのか、なかなかやるなぁ……」


赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!!」

蒼龍「攻撃隊、発艦始め!!」

飛龍「第一次攻撃隊発艦!!」

──グオオオオオオン

伊勢「げっ、今度は艦載機が!」

日向「伊勢、行くぞ。弾幕だ!!」

───ババババババ

──ヒョイヒョイヒョイ…

伊勢「流石、練度が高い。当たらないわね…!」

日向「寄せ付けないだけでも十分だ!!」

───ババババババ

──ヒョイヒョイヒョイ…

伊勢(……うん? 航空機が少ない…?)


伊勢(残りはどこに…はっ!?)

伊勢「日向!! 上!!」

日向「何!?」

伊勢「回避、回避!!」

日向「回避!!」

──ヒュルルルル…ドボン

艦載機妖精「ちっ!」

伊勢「なんとか回避できたわね」フゥ

日向「私は回避は出来たが至近弾だな」クッ…

提督「伊勢のほうが先に気付いた分回避が早かったな」


赤城「第二次攻撃隊、全機発艦!!」

蒼龍「全艦載機、発進!!」

飛龍「第二次攻撃の要を認めます、発艦急いで!!」

日向「くっ…! こちらも反撃だ!!

   目標、機動部隊艦隊。一斉射!!」ドーンッ

伊勢「よし、六基十二門一斉射!!」ドドーンッ

赤城「回避、回避!!」ササッ

飛龍「面舵一杯!!」ササッ

蒼龍「回避…いや、間に合わ…」

──ヒュルルルルル…ドーン

蒼龍「やだっ!? 至近弾!?」

伊勢「やった! 当たった!!」

日向「だがもう攻撃隊が来ている!?」

──グオオオォォォン

伊勢「いけない! もう急降下態勢に入ってる!」

日向「とにかく避けろ!!」

提督「やはり、二人も練度が高い。よく回避している」フムフム


~演習後~

伊勢「うーん、今回はちょっと駄目だったかも…」グッタリ

日向「ああ…。もう後半は回避で精一杯だった……」ハァハァ…

日向「今回は演習という関係上相手を認知した状態で戦ったが、

   見えない場所からいきなり攻撃されたら分からないな」

伊勢「策敵が重要になってきそうね…」ウーンッ

日向「提督はこの辺を見越して偵察機を搭載させたんだろうな」

伊勢「なるほどね…流石だわ~」

日向「推測だけどな」

伊勢「でも、全然反撃できなかったわね……」ハァ…

日向「そうだな…」


──テクテク…

伊勢「んっ? あれって提督じゃない?」

日向「本当だ。工廠から出てきたな。軍のお偉いさん方と一緒か」

提督「──で…──」

伊勢「今何かやってたっけ?」

日向「いや、無いと思うが…」

提督「──のほうは…──」

伊勢「うーん、何話してるか聞こえない…」

日向「少し遠すぎるな」

伊勢「聴音機でも持ってこようかしら?」

日向「やめなさい!」

日向「…後で聞いてみるか」


提督「──では出口までお送りします」

伊勢「行ったわね」コソコソ

日向「行ったな」コソコソ

伊勢「なんで私たちこそこそしてるのかしら?」

日向「こそこそ工廠に来てるのは向こうだろ」

伊勢「えーっと、開発も建造もやっているみたいね」

建造妖精「よう、お二人さん。どうした?」

伊勢「あ、お疲れ様」

日向「どうだ、調子は?」

建造妖精「ぼちぼちってとこだな」ハッハッハ


建造妖精「ああ、そうだ。

     ちょうどさっきまでお偉いさん来てたから茶菓子が余ってるんだが食べていくか?」

伊勢「やったー!! いただきます!!」

日向(当初の目的を忘れていないか…?)

建造妖精「じゃあ、開発のほうの詰所でな」ガチャ

日向「……」

建造妖精「どうした、日向?」

日向「いや、何でもない。私もいただこう」

建造妖精「……」


~開発工廠内~

建造妖精「ちょっと待っててくれ。用意するから」

伊勢「はーい」

日向「……」

伊勢「どうしたの日向?」

日向「いや、どうもおかしいと思ってな」ヒソヒソ

伊勢「なにが?」ヒソヒソ

日向「さっき、提督たちが出てきたのは建造工廠だった気がするんだが…」ヒソヒソ

伊勢「見間違いじゃないの?」ヒソヒソ

日向「分からない。微妙な所だ」ヒソヒソ


建造妖精「ほれ」サッ

伊勢「ありがとうございます」

日向「ありがとう」

建造妖精「いやー、やっぱりお偉いさんが来ると緊張するねー」ハハハ

伊勢「実を言うと私もあの人たち苦手ですねぇ~」

建造妖精「軍人なんて皆あんなもんさ」ズズッ

建造妖精「まあ、ここの提督が軍人らしくないってのもあるな」

伊勢「確かに言われてみれば…」


日向「視察か何かなのか?」

建造妖精「ああ、視察だな。経過を見に来た」

日向「開発工廠に?」チラッ

伊勢(……!?)

建造妖精「ああ、そうだ。見たいか?」

日向「…ああ、是非ともお願いしたいな」

建造妖精「よし、行くか!」スッ


建造妖精「これが今開発中のカタパルトだ」

伊勢「カタパルト……?」

建造妖精「艦載機を短い距離で加速させて発艦させるものだ」

日向「もう殆ど完成しているじゃないか。これの視察に来たのか?」

建造妖精「いや、これは火薬式のものだ。これは確かに完成してるんだが…」

建造妖精「これだと艦載機を連続で射出できなくてな。

     あと、一気に力がかかるから対応した艦載機じゃないといけないし、機体に負担もかかる」

伊勢「難しいのねぇ…」フーン

建造妖精「今、火薬じゃなくて油圧を利用したものとか考えてるんだが、

     これがなかなか上手くいかなくてな…」

日向「その進行具合を視察しに来たのか?」

建造妖精「そういうこった。

     視察というか俺たちのケツを叩きに来たって感じだったけどな」

日向「大変だな……」


──ガチャ

提督「おっ、伊勢、日向! ここにいたか!」

伊勢「あっ、すいません。何か?」

提督「いや、隣の鎮守府から貰ってきて欲しいものがあってな」

日向「なるほど、遠征か。

   でも燃費面を考えたら駆逐艦のほうが良いんじゃないか?」

提督「まあ、そうなんだけどな。

   他の娘でも良いんだけど、紛失すると厄介なものだからな。

   秘書艦である君たちにお願いしたい」

伊勢「はい、分かりました!」ビシッ

日向「…ちなみに物は何だ?」チラッ

提督「ああ…。もうカタパルトの話は聞いたかな?」

日向「ああ、たった今…な」

提督「よし、なら事情は大体わかるだろ。

   開発にあたって最新の艦載機の設計図が必要でな。

   向こうで赤城が用意しているはずだから貰ってきてほしい」

日向「なるほど。大変だな、君も」


伊勢「じゃあ、行ってきますね」

日向「行ってくる」

提督「おう、よろしくな」

建造妖精「行ってらー」

──



建造妖精「いやー、来てくれて助かったよ」

提督「急に連絡が入って驚いたよ。まあ間に合ってよかった」

建造妖精「すまん、カタパルトはバレちまった…」ハァ…

提督「いや、気にするな。もともとこっちは機密でもなんでもない」

建造妖精「本命は……建造って訳だな」

提督「ああ…そうだな」

提督「上層部も大分期待しているみたいだからな。

   今日の視察も気合いが入っていた……」

建造妖精「まあ、そうだろうな。威信をかけてるのが俺でも分かるよ」

建造妖精「じゃあ、俺もそろそろ工廠戻るわ」


提督「ああ、すまない。俺も夜に一度顔出すよ」

建造妖精「おう、了解ー」

提督「よろしく」

建造妖精「……」

建造妖精「…それと、一ついいか?」

提督「何だ?」

建造妖精「多分日向のほうは薄々感づいてるぞ?」

     いくら秘書艦でも今回のことは……」

提督「……恐らく二人とも気づいているよ。

   でも彼女らは俺が言わない、言えないことに関しては深く追求してこない。

   少しヒントを与えてあげれば自分で答えを探してくる。

   そして自分で出した答えを信じて正しい選択をしてくれると、俺は思ってるよ」

建造妖精「随分信頼してるんだな」

提督「俺の秘書艦だからな」ハハッ



伊勢・日向「へっくし!! へっくし!!」

赤城「あら? お二人とも風邪ですか?」

伊勢「いやー、そんなことないと思うんだけど」アハハ

一旦休憩で。書きためます。

投下します。



───


提督「では、利根。頼んだよ、筑摩にも伝えておいてくれ」

利根「うむ、任せておけ。支援も立派な任務じゃ」



───



提督「──というわけだから阿武隈。頼んだよ」

阿武隈「わ、わかりました…!」

提督「陽炎、不知火、秋雲、霞、霰はあとで提督室に来るように伝えてくれ」



青葉「……?」

青葉(あれは提督と阿武隈? 何を話してるんですかね?)



───

──



~鎮守府内~


伊勢「ふぅ~、今日も疲れたー」スタスタ

日向「そうだな」スタスタ

伊勢「空母と演習やるのもいいけど日向や巡洋艦、駆逐艦とのほうがやりがいがあるわね~♪」

伊勢「やっぱり砲撃戦よ、砲撃戦!!」

日向「………」

伊勢「赤城さんとか加賀さんと演習やると主砲を撃つ間もないし……」

日向「そうだな……」ズーン

伊勢「あっ、日向も落ち込んでる!?」

日向「落ち込みもするさ。

   空母のほうはあれから翔鶴と瑞鶴が増えて艦載機も新しくなったんだからな」

日向「私たちにも改装は施されたが差は広まるばかりだ」

伊勢「折角提督が改装してくれたのにその言い方は……」

日向「すまない、提督を責めるつもりはないんだ」

日向「しかし、最近こう思う時がある。

   戦艦の時代は終わってしまったのだろうか……と」


伊勢「そっ、そんなことないよ!!」

日向「……なんでそう言いきれる?」

伊勢「えっ……?」

日向「空母と戦ってもまともに砲撃も当てられず、一方的に爆撃を食らうだけじゃないか…」

伊勢「いや、それは──」

日向「お前も見ただろう? あの戦闘機を?」

伊勢「ああ……零戦ね。確かに凄いけどさ……」

日向「提督も言っていただろう?

  『零式艦上戦闘機は完璧な艦載機だ』と……」

伊勢「……うん」

日向「私たち戦艦にも分かるほどだ、零戦の戦闘力の高さは」


伊勢「そうだね……。凄いもんね……」

日向「最近は合同演習も行われない。

   もう私たち戦艦では相手にならないんだろうな」ハァ…

伊勢「そ、そんなこと──」

伊勢「って…………あれ?」

日向「どうした?」

伊勢「そういえば最近演習ないわね。遊びにも来ないし……

   どこにいるんだろう?」

日向「さあな、私たちが知る由もない。

   もともと遊びにくるというのも変な話だろう?」

伊勢「うーん……」


日向「提督も艦載機の勉強をしているようだしな」スタスタ

日向「そのうちこの鎮守府にも空母が増えてくるのだろうな……」ジー

伊勢「………そうかもね」スタスタ

日向「………」スタスタ

日向「………ん? 

   何だあれは?」ピタッ

伊勢「どうかしたの?」ピタッ

日向「ほら、窓の外、あそこ。誰かいる……?」ユビサシ

伊勢「どれどれ…………本当だ。

   うーん………顔までは見えないわね」

日向「大きさからして巡洋艦と駆逐艦だな……何人かいるな」

伊勢「手前にあともう一人いるわね……」

日向「そのようだな……」ジッ…

日向「うん? あれは──!?」

伊勢「もしかして、提督……!?」



伊勢「あっ、他の娘は行っちゃった……」

日向「………」ハッ

日向「──伊勢っ」

───サッ

伊勢「きゃ!? 日向、なにすんのさ!?」

日向「いいから隠れろ!!」

伊勢「───っ」ムグーッ

日向(提督は……こちらに戻ってきたが私たちに気づいてはいないようだな)

日向「…ふぅ」

伊勢「ぷはっ……一体どうしたのよ?」

日向「いや、ここで見てたのを知られたらマズい気がしてな」

伊勢「なんでさ?」

日向「なぜ彼女らの行動が秘書艦の私たちに知らされていないんだ?」



伊勢「………そんなこと言われても……」

日向「…………」

伊勢「…………」ウーン





青葉「青葉、見ちゃいました……!?」






伊勢・日向「!?」

青葉「はっ!? つい口に出ちゃいました!?」

青葉「お二人がそういう関係だったとは、スクープです」

日向「えっ!? あっ、これは!?/////」

伊勢「いいから、離れてよ!!」

青葉「大ニュースです!!!」ダッ

伊勢「あっ、待ちなさい!?」ダッ

日向「くっ、あいつを逃がすわけにはいかん!!」ダッ




───

──




~伊勢・日向の部屋~

青葉「青葉、捕まっちゃいました!?」

伊勢「はぁ…はぁ…」

日向「ぜぇ…ぜぇ…」

青葉「それにしても流石ですね。

   戦艦のお二人が重巡の青葉に追いつくとは……」

青葉「これも愛の力d……」

日向「違うわ!!」



青葉「むー、じゃあ違うなら何なんですか?」

青葉「廊下で伊勢さんを壁際に追い込んで、顔を近づけて何をやっていたんですか?」

日向「うっ……////」

青葉「青葉、気になりm──」

日向「──それ以上はいけない」

伊勢「どっちも際どいところね……」



青葉「じゃあ、何があったんですか?」

伊勢「………」

日向「………」

伊勢「──どう思う? 日向?」ヒソヒソ

日向「……いや、この話は秘書艦の私たちだけに留めておいたほうが」ヒソヒソ

青葉「提督? もしかして、提督と利根さん、阿武隈ちゃんたちのことですか?」

伊勢・日向「!?」

伊勢「な、何か知ってるの!?」

青葉「いえ、青葉もよく知りませんが……

   つい先日、提督が皆を呼び出しているのを見ちゃいました」

伊勢「いつもは私たちから声をかけるのに……」

日向「どういうことだ……?」

青葉(これはスクープの予感ですね……)



───

──




伊勢(あれから数日……利根、筑摩、阿武隈と何人かの駆逐艦の姿が見えない…)

日向(提督が言うには遠征らしいが……)

妙高「あっ、伊勢さん、日向さん」

伊勢「あぁ、おはよう」

日向「おはよう」

妙高「おはようございます。提督さんがお二人を呼んでましたよ?」

日向「ああ、分かった。直ぐ行く」



───コンコン

提督「ん、入っていいぞ」

───ガチャッ

伊勢「失礼します」

提督「どうした?」

日向「……私たちを探していたとか」

提督「ああ、そうだったな」

提督「あっ、もう帰ってもいいぞ。元帥に宜しく伝えておいてくれ」

伝令妖精「はい」スッー

伊勢「………」

日向「………」

日向「元帥殿からの伝達か?」

提督「ああ、作戦は成功したようだ」



伊勢(作戦……?)

日向(まさか……)

提督「……少し前から空母との演習がなかっただろう?

   彼女らは今回の作戦のために別の場所で訓練を積んでいたんだ」

伊勢「………」

日向「………」

提督「利根、筑摩、阿武隈、陽炎、不知火、秋雲、霞、霰は今回の作戦の支援に行ってもらった」

提督「……すまない、遠征などと嘘をついて。しかしこれは重要機密だったんだ」



伊勢(…だから夜中に隠れて……)

日向「──で、作戦とは何なんだ?

   ここまで話したからには最後まで言うつもりなのだろう?」

提督「ああ」




提督「───我が軍の機動艦隊は敵軍港に奇襲を仕掛け、成功した」

伊勢・日向「!?」





提督「またそれと同時に宣戦布告を行った」

伊勢「それって……」

日向「………くっ」ギリッ



提督「……これからは忙しくなるだろうな」

と、今日のところはこれくらいで。


申し訳ありませんが明日から最低でも一か月以上更新できません。


その後のことは分からないのですが、もし二カ月以上書き込みできない場合、

一度HTML化依頼を出し、スレを落とします。


そして後日、続きとして新しくスレ立て致します。


書き込みが出来る場合はかなり遅筆になると思いますがスレ継続という形で進めたいと思います。


ご不便おかけいたします。

乙です 待ってる…

>>212-214
ありがとうございます。
よろしくお願いします。

どうも、お久しぶりです。作者です。

本当は1ヶ月程で再開できるはずだったのですが予想外に期間があいてしまいました。

散々待たせた挙げ句で申し訳ないのですが、一度スレを落としてHTML化しようと考えています。

4月より諸事情により自分の生活環境がガラリと変わり、現在恒常的に話を作る資料や書き込む環境などが無い状況にあります。

どうも、お久しぶりです。作者です。

本当は1ヶ月程で再開できるはずだったのですが予想外に期間があいてしまいました。

さて、散々待たせた挙げ句で申し訳ないのですが、一度スレを落としてHTML化しようと考えています。

現在諸事情により恒常的に話を作る資料や書き込む環境などが無い状況であります。

どうも、お久しぶりです。作者です。

本当は1ヶ月程で再開できるはずだったのですが予想外に期間があいてしまいました。

さて、散々待たせた挙げ句で申し訳ないのですが、一度スレを落としてHTML化しようと考えています。

現在諸事情により恒常的に話を作る資料や書き込む環境などが無い状況であります。

連投申し訳ないです…

私自身艦これ愛や制作意欲は衰えていないのですが何しろ自由がないもので……
(。-`ω´-)

再開の目処については明言できませんが、お察しの通り真珠湾まで話が進んでるので最後まで行けたらなぁと考えています。

それでは皆さん何時かまたお会いしましょう。

ごきげんよう、さようなら
(

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