魔王「詰んだな」側近「詰みましたね」 (40)


魔王「まさか同盟結んだ全種族が裏で人間たちと通じ合ってたとはなー」

側近「勇者一行に目を行かせておいて、その隙にちゃくちゃくと対魔族用の兵器量産してたとは。
敵ながら天晴ですね」

魔王「ホントホント。逃げ帰った来た奴らが撮った写真見たか?ガンダムっぽいのからアイアンマンっぽいの、
メカゴジラっぽいのまでいたぜ」

側近「まさか空想の科学を確率させるとは思いませんでしたねぇ」

魔王「あー、どーしよ」

側近「白旗でも上げますか」

魔王「あー、とりあえず準備しておいて。ってか白旗とかあるっけ、うち」

側近「黒旗しかありませんね」

魔王「ダメじゃん」

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魔王「俺たちの戦力どんぐらいだっけ」

側近「ざっと2万ってとこですね」

魔王「人間どもは?」

側近「全種族込みで6万と1300ですね」

魔王「あー、終わるわ。魔族終了のお知らせ」

側近「匙投げちゃいますか、魔王様が」

魔王「ならなんか手はあるか?」

側近「生憎私は策士ではありませんので」


魔王「とりあえず、各魔族の代表集めて。形だけでも会議せにゃ、いつ謀反を起こるかわからん」

側近「どれぐらい集まるでしょうか。アチラに寝返るのも出てきてるそうですし」

魔王「誰しも自分の命が可愛いからな。こうなったのも俺の能力不足だし、文句はいえんな」

側近「器は王様ですね」

魔王「中身がないとタダのがらくただよ」


魔王「あー、諸君。集まってくれてありがとう」

魔竜「御託はいい、要件だけを」

魔王「これが魔族最後の会議になるかもしれんのに、つれんねー。
ま、要件だけ言うと、このままいくと我々は滅びます」

側近「戦力差はおよそ4万。人間だけでなく、魔族以外の全ての種族が人間と加担しています」

オーク「それには、俺らの裏切り者もいるんだろ?」

魔王「……ま、多少は、ね」

吸血鬼「魔族も地に落ちたな」

堕天使「全くだわね」

勢いで書いたけど疲れて眠い。
明日更新します


魔王「そういう訳で、早急に手を打たなきゃ巨人よろしく駆逐されかねん。
何か案がある人は挙手ね」ノ

側近「…………」

魔竜「…………」

オーク「…………」

吸血鬼「…………」

堕天使「…………」

魔王「誰も何もないんかい」


魔竜「そういうお前も何も出してないではないか」

魔王「俺は王であって軍師でも司令官でもないっての」

吸血鬼「側近殿も何も出ないとは」

側近「皆さん勘違いしてますけど、私コネ就職ですよ?」

堕天使「え、マジで?魔帝大出てるって噂だったのに」

側近「地元の大学ですよ、私。悪魔大っていう」

オーク「あ、俺の弟もそこだわ」

側近「それならどこかで会ってるかもしれませんね」

魔王「うぉーい、今、会議中。お先真っ暗だけど会議中だから、今」


堕天使「ただでさえ勇者一行に煮え湯飲まされ続けてたってのに、それ以上の奥の手どんどん作られてるんでしょ?
無理無理、かないっこないわ」

魔王「同族絶望させてどうすんのさ君」

吸血鬼「いくら軍略がないといっても、少しぐらい頭を捻ってはいかが」

魔王「白旗ないし黒旗で降伏」

魔竜「そこになおれ。消し炭にしてくれるわ」メキメキ

魔王「冗談だから第二形態にならないで、部屋壊れちゃうから」

オーク「自滅覚悟で特攻でもするか?」

堕天使「エレガントじゃないわね」


側近「もういっそスレ建てて模索しますか」

魔王「あー、もうそうしようかなー」

堕天使「どう思うよ、ネットの力借りる魔王って」

吸血鬼「少なくとも魔王の適正は皆無だな」

魔竜「全く、先代は何故こんな奴に魔王を……」

側近「あ、魔竜さんは先代から魔王軍に仕えているんでしたね」

魔竜「おう。先代は奴なんかとは比べるのも恐れ多い程、優れた魔王だったぞ。
領土、食料、思想……様々な問題を瞬く間に解決し、魔族を統一し人間どもを攻め入るまでに至ったからな」

魔王「それがその矢先にポックリいっちゃうんだもんね。だからあれほど休めって言ったのに」

堕天使「私には分かんない考えだわ、そこまで働くってのは」

オーク「基本玉座に座るだけだもんな、俺ら」


兵士「魔王様、魔王様!お伝え申し上げます!!」

魔王「どったの、そんな息切らして」

兵士「そ、それがですね、うっオェェェェ」

堕天使「ぎゃー!吐いたー!!」

魔王「側近、雑巾とお水取って来てあげて」

側近「御意に」

魔竜「そんな事より何があった。早く言わんか」

兵士「は、はい!魔王様、もう城の目の前まで勇者達が攻め入っております!!」

魔王「」


吸血鬼「……これはどういうことだ?」

魔王「おっかしいなー。警報装置も超魔力バリアも異常があったらすぐ分かるはずなんだけど」

兵士「それが……何やら人間たちの平気で無効にしていたようで……」

魔王「まーじーかー」

堕天使「……どうすんのさ、魔王様?」

魔竜「白旗を上げる、などと言ったらどうなるか分かっているだろうな?」

魔王「わかってますよ、魔竜さん……。とりあえず、勇者のトコに行ってみるわ」

オーク「交渉でもしようってか?」

魔王「まぁね。もしかしたら、って事もあるし」

吸血鬼「まず無理だと思うがな」

魔王「やるだけやるさ……そういう訳で、これからは各自の判断で行動してねー……解散!」


魔竜「むぅ……!?」バシュン

堕天使「転移魔法!?」バシュン

吸血鬼「魔王様……!」バシュン

オーク「ふざけんなよゴルァ!」バシュン


魔王「皆の文句は生きてたら聞いてあげるから、ごめんねー」

魔王「……さて、城にいるのはこれで俺と勇者達か……あいつらも武装してんのかなぁ、ガンダムとか
持ってこられたら勝ち目はないんだけどなー」


魔王「まぁ、なるようになるか。えっと、お茶と煎餅がこの辺に……」ゴソゴソ

魔王「お、あったあった。勇者が来る前にはお湯沸けばいいけど」






魔王「……足音聞こえてきたな。そろそろか」

勇者「魔王、覚悟!」グチュ

勇者「……グチュ?うぉ、なんだこれ!?ゲロか!?ゲロだ!うわぁぁ、伝説の装備でゲロ踏んじまったぁぁぁ!!」

魔王「あ。掃除するの忘れてた」

戦士「大丈夫か勇者!おのれ魔王、姑息な手を!」

僧侶「うっ……私ちょっと……」

魔法使い「ちょ、僧侶!頑張って、回復魔法かけるから!」パァァ

勇者「魔王!こんな卑怯な手を使って恥ずかしくないのか!」

魔王「うん、なんかごめん」


魔王「まぁ、なるようになるか。えっと、お茶と煎餅がこの辺に……」ゴソゴソ

魔王「お、あったあった。勇者が来る前にはお湯沸けばいいけど」






魔王「……足音聞こえてきたな。そろそろか」

勇者「魔王、覚悟!」グチュ

勇者「……グチュ?うぉ、なんだこれ!?ゲロか!?ゲロだ!うわぁぁ、伝説の装備でゲロ踏んじまったぁぁぁ!!」

魔王「あ。掃除するの忘れてた」

戦士「大丈夫か勇者!おのれ魔王、姑息な手を!」

僧侶「うっ……私ちょっと……」

魔法使い「ちょ、僧侶!頑張って、回復魔法かけるから!」パァァ

勇者「魔王!こんな卑怯な手を使って恥ずかしくないのか!」

魔王「うん、なんかごめん」


魔王「よし、掃除も終わった。そこの娘、大丈夫?」

僧侶「はい、なんとか、ご迷惑をおかけしました……」

魔王「では……勇者よ」キリッ

勇者「みんな……これが最後の戦いだ!魔王に勝って平和を取り戻すんだ!」

戦士「おう!」

魔法使い「ええ!」

僧侶「はい!」



魔王「お茶飲むか?煎餅もあるぞ」ズズ…


勇者「……え?」

魔王「あ、紅茶の方が良かったか?安物でよけりゃ淹れるぞ」

戦士「宿敵の勇者を前にして……お茶だと?」

魔法使い「なにあれ、余裕のつもりなの?」

魔王「まさか。腹が減っては戦は出来ぬ、とはお前らの言葉だろ?」

僧侶「そうですけど……でも、敵が出したモノなんて……」

魔王「あー、それもそうか。けど毒なんて入ってないぜ?なんなら毒見でもしようか?」

勇者「敵からの施しは受けないと言っているんだ!」

魔王「あ、そう。ならいいけどさ」ズズ…


魔王「とりあえず座ったら?立ち話もなんだし」

勇者「……話し合いでもするつもりか?」

魔王「うん。だからこうして、おもてなしてるんじゃん」

勇者「……いいだろう。言い分ぐらいは聞いてやる」

戦士「(本気かよ勇者)」

勇者「(感じるか?何故だかあの魔王、殺気も覇気も感じない)」

戦士「(言われてみれば……腹の探り合いってわけか)」

勇者「(そういうことだ)」


勇者「で、話し合いってなんだ?」

魔王「戦争をふっかっけておいてなんだが、現状俺たちの戦況は不利な方に傾くばかりでな。
ここらで一つ、和解でもしようじゃないかとね」

魔王「無論、タダでとはいわん。条件があればある程度は飲もう」

勇者「……それは、例えお前の首でもか?」

魔王「むしろ安いぐらいだな」

勇者「…………」


勇者「(一体何を考えているんだ……?)」

魔王「金なら払うだけ払うし、命以外の損失の補償もするぞ」

魔法使い「…………」

魔法使い「一つ……聞いていいかしら、魔王?」

魔王「おう、プライベートな事以外なら」


魔法使い「貴方、部下はどうしたのよ」

僧侶「そういえば……城の前までは物凄くいたのに、城の中では魔王以外に見てませんね……」

戦士「……確か、二万近い戦力がいるって話だったよな」

勇者「あぁ、だから俺たちも封印されてた伝説の装備を更に全ての種族の技術で強化した最強装備で
乗り込んできた……それなのに」

魔法使い「答えてくれるんでしょう?魔王」

魔王「……こんな無能の下につくのが嫌になったんだろ。そっちにも何人か亡命してるだろ?
皆、田舎にでも帰ったんじゃないか?」

魔法使い「二万の軍勢のその全てが?」

魔王「それもこれも人徳のなさが成せる技さ」



魔法使い「…………」

魔王「そんなに難しく考えるなよ。俺の首ならくれてやるからさ」

勇者「……まだ聞いてなかったな」

魔王「うん?俺の好みのタイプか?そうだな、キャスケットの似合う黒髪ロングで、」

勇者「そんな事は聞いてない!」

魔王「それじゃ、何かね?」

勇者「お前の要求だ」

魔王「…………あー」


勇者「お前……というか、魔族側にも要求があるんだろ?
魔王の首を差し出してでも、通したい要求が」

魔王「……まぁ、あるっちゃあるけどね。
ハナから通るどころか聞いてくれるとも思わんし。とりあえずは終戦したら、それで概ね俺は満足だよ」ズズ

勇者「……聞くだけ聞いてやる。話してみろ」

魔王「魔王の戯言を勇者が聞き入れるのか?」

勇者「戯言ならもう聞いているだろ」

魔王「話し合いと戯言は別だよ。お前達が問答無用で襲って来るつもりだったら、
城ごと爆破するつもりだったし、それでも生きていようものなら全身全霊で殺すつもりだったさ」ギロ

僧侶「ひっ……」ビクッ

勇者「…………」

魔法使い「……勇者、提案があるんだんだけど、いいかしら」

勇者「提案?なんだ?」

魔法使い「一旦王国に戻らない?この魔王を連れて」


勇者「本気か?魔法使い」

魔法使い「本気と書いてマジよ。それに、こんな大事な話、私たちだけでは判断しかねるわ。
一度帰って、全種族の長達と話し合わせましょう?」

魔王「まぁ、一理あるな」

戦士「けど、そんな事して何かあったらどうすんだ?魔王だけじゃなくて俺たちの首もハねられるぞ」

僧侶「えぇ!?そ、それはちょっと……」

魔法使い「そこでこの誓約書。これは魔導を嗜む者達が使うものでね、この誓約書にお互いが約束事を書きあうの。
で、その約束を破った方には、一切の魔法が使えなくなるの」

戦士「つまり?」

魔法使い「魔王はこれから一切の魔法の使用及び他種族への危害を与える事の禁止を条件にさせる。
そして魔王の私たちへの条件をこの誓約書に書かせれば、お互いそれを遵守しなければならないって訳よ」

戦士「つまり?」

魔法使い「……お互い無駄に血を流さなくていいって事よ」

勇者「……お前はそれでいいのか、魔王?」

魔王「異論はないが。ただ、その誓約書とやらは他にもあるのか?」

魔法使い「えぇ、貴重な物だけどあと何枚かは」

魔王「それだけ聞ければ良い」


今日はここまで。


魔法使い「……ほんと拍子抜けするわね。貴方、もしかして影武者じゃないの?」

魔王「俺が知らんだけでその可能性はあるかもな」

戦士「……やっぱり、コイツここで倒しておいた方がいいんじゃないか?」

勇者「……どっちにしろここにはコイツしかいない。影武者にしても、それなりに使い道はあるだろ」

僧侶「それじゃ……魔法使いさんの考えに乗るんですか?」

勇者「あぁ」

魔法使い「それじゃあ、魔王。これに署名と、私たちへの条件を」

魔王「はいはいっと」カキカキ

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