鳥海「嘘でしょ……うちの司令官さんが、そんな理性のない判断を」

足柄「彼女は私たちよりも先輩の、駆逐艦のエースよ？　何かの間違いよ」

青葉「本当なんです。司令官も、残念って言ってたけど……」

足柄「ほら、もしかして、お相撲さんの話じゃ」

青葉「違います！　だって、か、解体って……」

鳥海「解、体……」

足柄「……曙は？」

鳥海「他の駆逐艦達が、慰めに行っています」

曙「いいのよ……あたしみたいな鼻つまみ者は、こうなる運命だったの」

暁「で、でもでも、これは間違ってると思うのです！」

朝潮「曙が解体なら、あなたより戦果が挙がってない私たちなんてどうするんですか！」

曙「それは……あたしは今までずっと、嫌なら外せって言ってきたんだから……」

暁「うちのしれーかんは、そんなことで解体させる悪い人じゃありません！」

朝潮「何かの間違いかもいれないんだし、冷静になって……」

曙「うっさいわね！！」ﾀﾞｯ

暁「あっ！　待って！」

足柄「ちょっと！　曙！　どこ行くの！」

曙「どいて！　あのクソ提督にお礼参りよ！」

鳥海「落ち着いてください！　まずは……」

曙「あたしとクソ提督の問題なの！　構わないで！！」

足柄「あぁっ！　曙……」

ﾊﾞﾝｯ

曙「き、聞きなさい！　このクソ提督！」

提督「曙！　どうした！？」

曙「あたし、あんたに拾われて、ムカ付きながら出撃させられて」

曙「何度も反抗したり、悪いこと言ったりしたけど……」

曙「でも、でも！　それでも、あたしなりに頑張ったし、あんたはいつも褒めてくれた！」

曙「あたし、この鎮守府にいて……幸せ、でした……」ｸﾞｽｯ

曙「クソ！　提督！！　今まで……ありがとう、ございました……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

曙「うぅ、うわあああぁぁん！！」ﾀﾞｯ

提督「曙！　待て！」ｶﾞｼｯ

曙「離して！　お払い箱は今すぐ去るべきなの！」

提督「お払い箱！？　とんでもない！　お前を見捨てるわけないだろ！」

曙「そんな嘘聞きたくない！」

提督「嘘じゃない！　お前が居なくなったら、どうすればいいんだ！」ﾀﾞｷｯ

曙「ほ、本当なの……？」

提督「本当だ。俺を信じろ」

曙「……」

提督「こんなクソ提督でも、少しくらいは信用してくれたっていいじゃないか」

曙「でも、あたし引退するって、あんた……」

提督「……何だって？」

曙「……え？」

提督「あ、もしかして……」

曙「このクソ提督！！」

足柄「あれから曙、張り切るようになりましたね」

暁「おかげで暁の出番がないのです」

朝潮「私たち重巡も気を引き締めないと……」

青葉「いやぁ、ホントによかったですねぇ～」

鳥海「元はと言えば、あなたの所為なんですけど？」ｷﾞﾛ

青葉「あ、いや！　ほら、雨降って地固まると言いますか……」



曙「これからも頑張ってやるわよ！　この、クソ提督♪」

おわり

短い駄文ですが失礼しました。
ご存じでしょうが、提督が指していたのは今夜が最終運行となる寝台特急「あけぼの」号です。
何度も乗った思い入れある列車でしたし、艦これの曙も好きなキャラなので、ベタなネタですが即興で書かせてもらいました。

全国のクソ提督さん、曙を大事にしてあげてください。