P「その後のお話」(595)

:※当スレはアイマススレに見せかけた濃厚なモバマススレです。





伊織「……ちょっと!聞いてるのあんた!?」

P「ん、ああ、うん。聞いてる聞いてる。」

伊織「ったく、あんたってやつはいつもいつもぐーたらぐーたら……。」

P「いやはや、面目ない。マジで。」



P(どうも。こちらP。お初にお目にかかる。)

P(765プロというとあるアイドルプロダクションでプロデューサーとして働いてたりしていた、しがない30手前のおっさんだ。)

P(俺が765プロの地を始めて踏んでから、7年と少し。)

P(765プロが『解散』してから、もう4年が経とうとしている。)

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P(大学4年、22歳、就活も佳境。)

P(周りがみんな内定を決めて、ぼちぼち俺も焦っていたころ。)

P(不意に「ティンときた」とやけに黒いおっさんに絡まれたのが、そんな時。)

P(特に就職の目星もついていなかったちょうどその時、いわゆるスカウトというやつは俺にとってはまさに天の助けみたいなもので。)

P(とんとん拍子で話が決まって、俺は晴れて765プロデューサーになった。)

P(そして次年度、俺はほとんど何も知識を持っていないまま、プロデューサー業に身を投じることとなる。)




P(そこで待っていたのは、個性的な社長の下でも遜色ないほどの、個性的なアイドルたち、個性的な事務員。)

P(そのころには親も他界しており、取り立てて我が身以外に大事なものがなかった俺は、ひたすらに仕事に没頭した。)

P(毎日が楽しかった。最初のころはたくさん失敗もしたし、たくさん相手方にも怒られた。)

P(それも糧になると考えればある程度は楽観的に考えられたし、何より、アイドルたちの励ましが原動力となった。)


P(そして、それでも765プロは少しずつ有名になっていって、収入も上がっていって。)

P(961プロからの妨害や、一騎打ち。他にも色々あったりしたけれど。)

P(俺が入社してから、二年。)

P(アイドルたちの努力の結果として、765プロのアイドル全員が、Sランクアイドルへと登りつめた。)




P(一人がSランクになれば、みんなが我がことのように喜んだ。)

P(みんながSランクになったときは、それはもう狂気乱舞したものだ。社長が。)

P(その次の日と、そのまた次の日あたりまではみんなでどんちゃん騒ぎだったと思う。)

P(なぜかマスコミも、それをニュースにしていたりした。謎だ。)

P(そして、次の年。会社の経営がうるおいにうるおい、そろそろ新しくアイドルたちを雇おうと律子と話し合っていたころ。)

P(突如社長が、765プロ『解散』の報を、俺達に告げたのである。)

P(久々に…………およそ8か月ぶりに全員集合した、その事務所の中で。)




P(最初は意味が分からなかった。俺もその時は最高に調子が良かった時。律子も同様だったはずだ。)

P(他の一同も、ある人は口をぽかんとあけ、ある人は持っていたおにぎりを服の上に落とし。)

P(またある人は自分のハムスターを握り潰しかけ、とある事務員は酒を飲む手が止まった。)

P(代表して俺が理由を聞いてみると、理由はこうだった。)


社長『うむ。如月君もアメリカへ行くことが決まったし、近いうちに音無君も寿退職するだろう?一つの区切りになると思ってね。』

社長『………というのは言い訳だ。本当のところ、私は怖いのだよ。』

社長『この会社が、この事務所が、いったいどこまで登りつめるのか。そう考えると、不意に身震いがしてね。』

社長『…………私は、これ以上進むともう戻れないんじゃないか、と、不安に駆られたのだよ。』

社長『身勝手なのは分かっている。許してほしい。しかし、私は決意を変える気はない。』




P(その瞳を見て、誰も言い返さなかった。あるいは、言い返せなかった。)

P(社長の、『今ある765プロの資産は、ちょうど人数分に等分する。』という言の下、その後も粛々と最後のパーティは続けられた。)

P(意外なもので、涙を見せたのは春香と真美ぐらいなものだった。あるいは、みんなもその時はまだ受け入れられていなかったのかもしれない。)

P(事務処理の方も淡々と済まし、次々と舞い込んでくる仕事をすべて断ってお偉方に訝しげな視線を向けられ。)

P(そのころになって現実を受け入れ始め、泣きに泣くアイドルたちをあやしながら。)

P(その月の月末。縁担ぎのために吉日を選んで。)

P(765プロは、大々的な記者会見を開き、その前で正式に『解散』を発表した。)


P(そして、その日から三年。今日。)



伊織「あんた、やっぱり人の話聞いてないわね?」

P「………まさか。そんなわけないじゃないか。」

伊織「今の間は何なのよ………」


P(俺ことPは、絶賛ニートライフを満喫し、元765プロのアイドルの一人に説教を垂れられているのである。)




伊織「……大体ねぇ。あんたに金はあるのは分かるわ。それは認める。」

P「おう。向こう十年は遊んで暮らせる金もらえたしな。」

伊織「でも、それはそれ。これはこれよ。働かずにいるなんて非生産的なこと、私は認めないわ。」

P「別に伊織に認めてもらったところでなぁ。」

伊織「………はあ。あんたがその気ならいつでも水瀬財閥系のところに入社させてあげるって、いつも言ってるのに。」

P「裏口入社は良くないぞ。」

伊織「働かないよりはよっぽど建設的よ!」


P(765プロが解散宣言をし、事務所を完全に取っ払った後、メンバーたちは次々と散らばっていった。)

P(律子はやはりプロデュースを続けたいらしく、退職金という名の膨大な資金を使って事務所をもう一回買い戻し、間もなく新生765プロを結成。)

P(やはりアイドルを続けたかったのであろう春香や、美希、真、やよいらはその後に続いた。)

P(あずささんはアイドルは引退し、新生765プロの事務員として勤めているらしい。いわゆる音無さんポジション。)

P(他のメンバーはと言えば、目の前にいる水瀬伊織は765プロの解散及び、竜宮小町の解散を期にアイドルを引退。)

P(そのまま水瀬財閥の跡取りとしての勉強を始め、現在は水瀬社長の傍らでその仕事っぷりを研究、習得しようとしている。)

P(音無さんは宣言通り寿退職、千早も同様にアメリカへ。)

P(見送りの際に春香が号泣したのは、それもまたいい思い出だ。)




P(他のメンバーはと言えば、雪歩は大学を卒業後、小説を出したり、詩を新生(ryに提供したりして大ヒット。)

P(真との親交も続いており、今彼女が書いているのは真をモデルにしている小説なのだとか。)

P(亜美、真美は現在医大生。どうやってやつらが合格できたのかは分からんが、親の仕事を継ぐために必死に努力中らしい。)

P(無駄に頻繁にメールで近況を知らせてくる。辺り、余裕なのかどうか判断しかねる。)

P(響は解散の後、すぐに沖縄に帰っていった。いや、普通にメールはするけど。)

P(トップアイドルになるまでは帰らない、ということはつまり、なったら帰る、ということで。)

P(仲違いしていた兄とも仲直り出来たらしいし、「プロデューサーも遊びに来なよ!」ともメールでお呼ばれしている。)

P(「働き始めたらな」と返事を返すと、電話がかかってきて「早く働くさぁあああああ!」と迫真の声で言われたが。)




P(これを言うと、何かしらの言い訳になるかもしれないが。)

P(なんかこう、765プロが解散してから、すべてのことが億劫になってしまった。やる気が出ない。)

P(ちょっと調べてみると、どうも俺は燃え尽き症候群というものにかかってしまったらしい。)

P(燃え尽き症候群……英名バーンアウトシンドロームは、)

P(一定の生き方や関心に対して献身的に努力した人が期待した報酬が得られなかった結果感じる徒労感または欲求不満。)

P(あるいは、慢性的で絶え間ないストレスが持続すると、意欲を無くし、社会的に機能しなくなってしまう症状。)

P(………らしい。すべてWikipedia先生の受け売りであるが、症状?は大体一致していた。)

P(とどのつまり。今の俺が何が言いたいかと言えば。)


P「働きたくないでござる。」キリッ

伊織「あ゛?」

P「あ、いえ、なんでもないですよー。」



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 ̄ ̄

伊織「とにかく、働く気になったらすぐに私に電話なさい。相応のポストにつけてあげるように言ってあげるわ。」

P「なにもそこまでしなくていいだろうに。俺は今アラサーのニートだぞ?」

伊織「だからこそよ。知り合いに、しかも恩人にニートがいたってなったら私の沽券に関わるわ。」

P「………おっしゃる通りで。」

伊織「よろしい。素早い電話、待ってるわよ?」

P「………前向きに検討します。」

伊織「それでいいのよそれで。にひひっ♪」


P(そう言って、将来日本の経済を引っ張っていくであろう彼女は喫茶店を出て行った。)

P(ただいま、日曜日。時間は大体午後3時ぐらいか。まあ、向こうも暇じゃないだろうし、引き留めるのも悪いか。)


伊織「じゃあ、ね?」

P「おう、またな。」

伊織「………なんなら、今ここで返事をもらってもいいんだけど?」

P「働きたくn

伊織「あ゛ぁ?」

P「なんでもありません。」

伊織「そ。じゃあねー。」

こんな感じでどうでしょ?




P(しかしまあ、することがない。)

P(765プロにいたころは家なんざ寝るための雨よけだったし、大学以前のころは生活費確保のためにバイトで忙しかったし。)

P(んじゃあバイトすりゃあいいんじゃないかってなると、そうするなら伊織に社畜として雇ってもらうし。)

P(んでもでも、今は働きたくないし。もう三年ぐらいこれ言ってるけど。)

P(じゃあ何かやること……趣味的なものはあるのかって聞かれれば、これもない。)

P(結局この三年間は、その考えの無限ループで、結論は「まだ働かなくていいや」になるんだよなぁ。)

P(………どうしようか。とりあえず、この喫茶店は出よう。歩きながらなら何か思いつくかもしれない。)


P「会計お願いしまーす」


アリガトウゴザイマスー


P「……あ、伊織のやつ、コーヒー飲み逃げしやがったな。ちくしょう、やられた………」




P(……さて、何をしよう。)

P(ゲーセン……一人で行くのはなんか空しい。映画館……確か見たい映画はなかったはず。)

P(立ち読み……するぐらいなら本買うよな。不景気には貢献しないと。)

P(………公園か。この時間帯に行ったら間違いなく子連れの主婦の方々に何か言われるな。)

P(「ママー、なんであのおじさんこのじかんに公園にいるのー?おしごとはー?)

P(「しっ、見ちゃいけません!○○ちゃんもああなっちゃうわよ!」)

P(「ええー!やだー!」)


P(………ってか。やめよう。泣きたくなって来た。)

P(俺ももう、おっさんって呼ばれる年になったんだよなぁ………)


P「……しゃーない。本買って公園でベンチに座って日向ぼっこしながら読もう。奥様方の視線を受け流せずに何が男か。」



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P(公園にとーちゃーく。)

P(思ったよりも人は少ないなぁ。こんなもんなのか?)

P(見渡す限り、まばらに見えるのはウォーキング中の御老輩の方々ばかり……)

P(そういや、近くにもっと大きな公園あったはず。んじゃあ、みんなそっちに流れたのかな。)

P(………まあ、ありがたいことだ。読書しよう読書。本は教養を深めるからな。)


~♪~♪♪


P(………ん?)

P(何か音楽が流れてくる。確かこの曲、765プロの曲だよな。)

P(なんかイベントの準備でもあるのかもしれんな。行ってみるか。)


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?「……っ!………っ!」

??「よっ!ほっ!はっ!」

???「わっ………っとと!?」


P(ダンスの練習か。まあ、静かだし、誰もいないし、適所って言ったら適所か。)

P(………ふむ。)




P(お世辞でも、あまり上手とは言えないな。)

P(真ん中で踊ってる娘とか掛け声出してる娘とかはともかく、もう一人がとにかくこけそうで危なっかしい。)

P(後の二人が上手いかって言ったらそうでもなくって、ちょっと目を凝らして見てみれば息があってないのは一目瞭然。)

P(………765プロで目が肥えすぎたか。どうもよくないな。反省反省。)



???「……あわわっ!?」


P(あ、こけた。言わんこっちゃない。)


?「……大丈夫?卯月?」

??「ありゃー、やり直しかぁ。……あー、つ゛か゛れ゛た゛ー!」

卯月?「うう……ごめんね、凛ちゃん、未央ちゃん」

凛?「ううん。大丈夫。少し、休憩しようか。」

未央?「なに?休憩?やったー!ジュース買ってこよーっと!」

凛?「未央、私たちの分もお願い。」

未央?「おっけー!じゃあ行ってきまーす!」




P(どこかに行ったみたい、だな。)

P(こういうところで、社長はスカウトなんかもやってたんだろうか。)

P「…………」

P(まあ、いいか。明日から本気出す。さて、買ってきた『あれかこれか』でも読むかな)



凛?「……で、陰からこそこそ何してるの、おじさん?」

P「うげっ」

卯月?「ふぇ?凛ちゃん、だれかいるの?」

凛?「うん。あそこの陰。私たちが踊ってるの、ずっと見てたよ。」


P(ばれてたか。亜美真美や美希に捕捉されないように気配を消す練習もしたんだがなぁ。)

P(やっぱり年、か。アラサーは泣けるぜ。)


凛?「出てきたら?出てこなかったら通報しちゃうよ?」

P「………そりゃあ、困るなぁ。」

卯月(あ、ちょっとかっこいいかも。)




凛?「こんにちは。初めまして、かな?」

P「こんな可愛い子たちだったら、一度会ったら忘れないと思うんだがなぁ。)

P(スカウト的な意味で。)



卯月?「えと、おじさん?はどうしてここに?もしかして、その……」

P「おう、ニート街道一直線。この道三年目だな。」

凛?「……うわ。」

P「マジで引くなよ。悲しくなっちゃうじゃないか。」

凛?「この時間帯にここに大の大人がいる時点で、もう結構悲しいことだと思うけど。」

卯月?「り、凛ちゃん……」

P「や、いいさ。事実だし。」


P「ところで話は変わるけど、君らってさ。」


P(そこから、三本飲み物を持って帰ってきた女の子を含め四人で、少しだけ会話をした。)

P(俺の心を容赦なく抉ってきた子も、決して悪気があって言ったわけではなく、ただ少し無愛想なだけなんだ、とかもわかったりもして。)

P(そして、胸の中に秘めていた確信めいた事実を裏付ける言葉が、彼女らの口から漏れ出た。)




P(………彼女らは、アイドル候補生である、という事実を。)




P(SGプロダクション。)

P(シンデレラガールズの名を略したそのプロダクションは、ごくごく最近出来たばかり。)

P(道理で、今でもそこそこアイドルに関する知識はある俺でも知らないプロダクションのはずだ。)

P(候補生たちは今のところ俺の目の前にいる三人だけで、あとはプロデューサー兼マネージャー、事務員が一人ずつ。)

P(実力が足りないのは本人たちも百も承知で、日曜日は一日中特訓に飽きくれる日々。)

P(体を壊さないか、いささか心配でもある。)



P(で、一応、それぞれの名前も聞いておいた。)

P(少し無愛想な子が、渋谷凛。コミュニケーションはあまり得意ではないらしいが、よく気配りが利くんだとか。)

P(この中でのリーダー格らしい。まあ、確かにダンスは少しこの子が秀でていた気がするが。)




P(もう二人のうち、ダンスの途中でこけたほうが島村卯月。)

P(普通に会話していても「頑張ります!」しかあまり言わないのは何なんだろうと思うが、普通にいい子である。)

P(………なぜか、春香と似た香りがする。頑張ります以外の個性はあるんだろうか。)


P(そして、もう一人、最後の一人が、本田未央。)

P(ダンスは勢いで押している感があるが、まあ踊れていないことは無い、といった程度。)

P(性格もかなり元気はつらつと言った感じで、どうもテンションだけを見れば亜美真美を思い出してしまった。)



P(………とまあ、こんな感じ。未来のスターアイドルかもしれないし、顔だけでも覚えてもらうのもいいのかもしれない。)




未央「ねーねーPさん、私たちの踊り見てたんでしょ?」

P「ああ、まあな。」


P(当然と言っちゃあ当然だが、俺が元765プロのプロデューサーだということは伏せてある。)

P(特別語る必要もないと思ったし、レッスンに協力するよ、と言った時にも「少しダンスには心得があるんだ」と言えば納得してしまったし。)

P(ぶっちゃけ、3年も前の時の人なんて覚えていないだろう。その点、一発芸芸人に通ずるところがあるのかもしれない。)


卯月「あ、そうでしたね!Pさんから見て、私たちのダンスってどうでした?」

P「……ふーむ。」


P(難しい話だ。ここで現実を突きつけるか、ちょっと持ち上げとくか。)

P(現実を突き付けてへこんでしまったら、SGプロのプロデューサーに何を言われるか分かんないし。)

P(あるいは、もし持ち上げてしまったら将来のこの子たちのためにならないようにもなるな。)


P「……甘めか辛め、どっちがいい?」

凛「……辛めで。甘く見られてもあんまり嬉しくないし。」

P「そうか?んじゃあ、あー、うん、まあ………






  9点ぐらいかな。辛めに評価したら。」




未央「………へ?」

卯月「きゅ、きゅう?」

凛「……結構、辛辣だね。アドバイスとか、あるかな?」

P「いくらでもあるけど、とりあえず一人一つずつ言うなら………


 ………島村さん」

卯月「あ、はい!」

P「転ばないように」

卯月「」


P「本田さん」

未央「はいっ!」

P「勢いだけでダンスは踊れん。まずは振りつけ覚えてから出直して来い。」

未央「」


P「凛さん」

凛「……ん。」

P「全体的にちょっと周りを見過ぎかな。センターを踊るんなら、自分が合わせるんじゃなくて自分に合わさせないと。」

凛「………。」

>>25
訂正:P「凛さん」→P「渋谷さん」



P「そうだな、他には……。おいお二方。寝なさんなや。渋谷さん起こしてあげて。」


凛「あ、はい……。ほら、二人とも………。」

未央「う、うー……?」

卯月「が……がんばりま………」


P「起きたな?よーっしゃ。ダメ出しタイム行くぞー。」

P(そこから先は、延々とダメなところを片っ端から挙げていった。)

P(ここまで自分の考えを喋るのも、ずいぶんと久しぶりな気がする。)

P(765プロのやつらと喋ってると、どうも脱線しがちだしな。)

P(まあ、そんな感じで、大体20分は延々といびりタイムを続けていた。)

P(まるで律子みたいだな。鬼軍曹と呼ばれる日も近い、か。」


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 ̄ ̄

P「ざっとこんなもんか」

卯月「うー、頭がくらくらするよー……。」

未央「指摘されると、結構来るね。一生懸命踊ってたつもりなんだけどなぁ。」

凛「…………。」

P「?  渋谷さん、どうかしたか?」

>>27

ミスた。>>25じゃなくて>>26や。


凛「ね、おじさん。」

P「んー、何?」

凛「おじさんがよければさ、その、私たちにダンス教えてくれないかな。」

P「!?」

未央「あ、それいいね!Pさん結構詳しいみたいだし、いい先生になるよ!」

卯月「ルキトレさん、プロデューサーさんに言われてレッスンは甘くするように言われてるみたいだし。」

凛「うん、週に一回の鬼軍曹、みたいな感じでさ。どうかな?」

P「うーん…………」


P(どうするかなぁ。まさかこうなるとは思いもしなかった。まるで意味がわからんぞ。)

P(でもまあ、いいのかもしれないな。少なくともすることのない一週間のうち一日は潰れるわけだし。)

P(なにより、ダンス見るのは楽しいしな。向こうがやる気なら、こっちもやる気になるってもんだ。)


P「よし、引き受けた。授業料は一回ジュース一本な。」

未央「やたっ!」

卯月「が、頑張りますので、ご指導よろしくお願いします!」

凛「……うん。よろしくね、おじさん。」

P「おう、よろしくー。」


P(……こんな感じで。)

P(俺の奇妙な日曜日は。毎週一日の変わったレッスンは、幕を開けた。




―――次の週、日曜日。


P「とりあえず、先週踊ってたのの振りの確認から始めるか。んじゃ、音楽流すぞー。」


~♪~♪♪



未央「よっ!とっ!せっ!」

P「本田さん振りちがーう。そこはここをこうやってこう!」

未央「は、はい!」



P「島村さーん。こけかけてるこけかけてる。もっと軸足安定させて!」

卯月「が、頑張ります!」



P「渋谷さん、周り見るな!先週も言ったけどセンターがみんなを引っ張るんだ!君が合わせてどうする!」

凛「……!はいっ……!」



―――そのまた次の週。日曜日。


P「島村さんだいぶ安定してきた!その調子!」

卯月「はいっ!う、うわわっ!?」

ズッテーン

P「……はあ。おだてるとすぐこれか。」



P「本田さんあとちょっと!そこはこれをこう………」

未央「! 分かった!ここをこうだ!」

P「そう!そこをこうやってここにこうしてこうしてこうだ!」

未央「はい!」

凛(………文面だけだとなにがどうなってるのかわかんないな)



P「ほーら渋谷さん、ぼーっとしないで。動け動けー!」

凛「あ、はいっ!」



―――さらに二週間後、土曜日。


ルキトレ「すごい……!この一か月ですごい成長ぶりよ!」

モバP「やるなお前ら!さすが社長がティンときただけある!」


卯月「えへへ………。これも一重に、Pさんのおかげです!頑張りました!」

モバP「Pさん?」

凛「うん。毎週日曜日にね、公園で教えてもらってるんだ。すっごい的確なアドバイスしてくれるんだよ。」

未央「ルキトレさんより上手かもねー」

ルキトレ「うっ」

モバP「未央!
   ………とにかく、何かしらお礼もしなくちゃいけないな。この一か月ずっと教えてもらったのか?」

凛「うん。授業料は週一に一本のジュースだよ。」

未央「チェリオだと怒るんだけどね。」

モバP「そうか……。うーん」

ちひろ「せっかくですし、事務所に来ていただいたらどうですか?お礼もそこならしやすいでしょうし。」

モバP「そう、ですね。よし、そのPさんって人がよければ、うちの事務所に来てもらえないか頼んでくれないか?」

卯月「はい!頑張ります!」


モバP(にしても、Pさんか。どこかで聞いたことがあるような………?)

ちひろ(Pさんって人にはたっぷり青田買いしてもらいましょうか。ふふっ)ニッコリ



―――翌日、日曜日。レッスン終了後。


P「……ほう?SGプロに来い、と?」

凛「うん。ちひろさんも、そこならお礼もしやすいだろうって。」

卯月「是非来てください!お茶ぐらいならありますよ!」

P「んー………。」


P(まあ、断る理由もないか。別に用もないし。暇だし。)


P「よし、わかった。寄らせてもらうか。」

未央「よし!んじゃあモバPさんに準備するように電話しとくねー。」

凛「うん、頼んだよ、未央。」


P「んじゃ、片付けして、とっとと行くぞー。」

卯月「はいPさん!今日の授業料です!」

P「おう……。ん?おい島村さんン?」

卯月「はい?………あ」

P「これチェリオじゃねぇかあああああああああああ!」

卯月「ヌワーーーーーーーーーーッ!」



未央「……置いて行こう、凛。」

凛「うん。」




P「……で、ここがそのSGプロ事務所か。」

凛「うん。ちょっとビル自体は古いけどね。」

未央「よーし!行こう!」


P(一個下には料理亭、そしてなぜか使えないエレベーター……。なんでだろう。すごく765プロを彷彿とさせるな。)

P(……うわ、階段のボロさまで再現かよ。いつも思ってたけど大丈夫かこれ。)


卯月「足下、気を付けてくださいね。滑らないように……」

P「お前がな。」

凛「まあまあ……。さ、ついたよ。ようこそ、SGプロへ。」

未央「モバプロデューサー!Pさん連れてきたよー!」

モバP「うわ、もう来たのか!?マズイ、まだ昼飯食って……な………」


P(あ、固まってカロリーメイト落とした。もったいないな。)

眠気がピークだぜーッ!寝るぜッ!起きて残ってたらまた書くぜッ!消えてたらこのまま消えるぜッ!




モバP「あ……な……は………?」

未央「プロデューサー?どうしたの?」



P(現在までのあらすじ。)

P(お呼ばれしたら俺の顔見て固まった人がいた。以上。)

P(なんだ?俺そんなに不細工か?一応律子には「もうすこし頑張れば完璧」って言われた程度の顔は持ってるらしいけど。)

P(それとも何か?知らない間に俺指名手配されてたとか?っべー。マジべーわ。どーしよ。)


モバP「も、もしかしてあなたは……」

P「?」

モバP「な、765プロのプロデューサーではありませんか!?」




P「は、はぁ……。そうですけど……。」

モバP「やっぱりですか!っくぅーッ!感激だなァーッ!」

凛「……プロデューサー、おじさんのこと知ってるの?」

モバP「おじさんなんて失礼な呼び方をするんじゃないッ!」

卯月「うわわ!? び、びっくりした……。」


モバP「当時ほとんど無名だった765プロダクションを、自分が入社してからわずか数週間である程度の知名度を誇らせッ」

モバP「しかも入社わずか二年で所属するアイドルを全員Sランクアイドルに押し上げた、まさにプロデューサー界の生ける伝説!」

モバP「彼に憧れてプロデューサーになって挫折した人も多いと言う……。まさか本人に相見える日が来るとはッ!」


凛「……おじさんって、偉い人だったんだね。」

未央「本当!びっくりですよ!」

P「……よく分からんなぁ。自分は遮二無二やってただけなんだが。」


ちひろ「モバPさん?もうお客さん来たんでしょう?お茶入れて……は?」

卯月「あ、ちひろさんも固まりました!」

P(お茶こぼした。もったいないな。)



ちひろ「どうぞ。粗茶でございます。」

P「あー、はい。どうも。」


凛「さすがちひろさん、相手がお偉方だと分かるとコロッと態度が変わるね。」ヒソヒソ

未央「本当にね。まさしく運営のいn……」

ちひろ「」ニッコリ

未央(アカン)


モバP「ええっと……。今回はPさんにうちのアイドル候補生たちにダンスを教えていただいて……。」

P「ああ、気になさらんでください。アラサーのおっさんの道楽ですよ。」

モバP「あー……。失礼ですが今何をなされて?」


P(やべぇ。ここでニートなんて答えたらどんな空気になるか……。)


卯月「Pさんは、ニートさんなんですよ!その道三年のベテランさんなんですって!」

モバP「」

P「」

ちひろ「」


未央「あーあ……。」

凛「ダメだよ、卯月。そんなこと言っちゃ。」

卯月「?」




モバP[えと……その……なんと言えばいいのか……。」

P「いや、お気になさらず。事実ですし。ハハハ……。」

未央(哀愁漂ってるなぁ。あの笑い方。)


ちひろ「そうだ!」

凛「?」

モバP「ちひろさん、どうかしましたか?」


ちひろ「Pさん、今働いてないんですよね?」

P「は、はい」グサッ

ちひろ「無職なんですよね?」

P「……はい」グサグサッ

ちひろ「ニートなんですよね!?」

P「ええ!そうですとも!ニートですとも!」グサグサグサッ

卯月(あ、開き直っちゃった。)

ちひろ「そこで……。どうでしょう?Pさんにもここで働いてもらうって言うのは?」

P「はっ?」




モバP「そりゃあいい!Pさんがいればこの事務所も安泰です!どうですかPさん!是非!是非にッ!」

P「…………」


P(まさかこんな展開になるとは思わなかった。なんで俺は就職勧誘受けてるんだ。)

P(…………)

P(仮に、受けたとする。そうするとどうなる?)

P(特にデメリットは何もないな。何より職にありつけるっていうのはありがたい。んじゃあ、もし受けなかったら?)

P(……受けなかったら、また退屈な日を過ごすことになるのか。)

P(毎日何もせずに生きて、惰性に過ごして、一日を終える。)

P(この一か月は日曜日を楽しみに生きてたぐらいだし、本当に、暇なんだよな。)

P(…………)

P(迷う必要はない、か。じゃあ、伊織には悪いけど……)


P「わかりました。私なんかでよければ。」

モバP「ほ、本当ですか!?」

P「ええ、ただ、差し出がましいようですが、一つお願いがあるんです。」

ちひろ「ええ、なんでしょう?」




P「私を、事務員として雇ってくださいませんか?」




ちひろ「事務員として……ですか?」

P「見たところ、そこの三人には十分にトップアイドルになるための気質はあると思います。」

P「プロデューサーも大事なんでしょうけど、765プロで働いていて、いかに事務仕事が苦行かって言うのは身に染みて分かってるつもりです。」

P「……うちの事務員もそうだったんですが、そこの方も、あまり真面目には仕事をなさらないようですし。」チラッ

ちひろ「!?」


凛(ちひろさんの本質を一瞬で見抜いた……!)

未央(この人………できる!)


P「ですので、事務員が二人いても差し支えは無いと思います。給料はそこまで必要とはしてないですし。」

P「それに、モバPさんにはプロデューサーとしての仕事を全うしてほしいですし。どうでしょう?」




モバP「うーん……。」

ちひろ「……こちらに来てくれるのはありがたいのですが、さすがにそこまでは私の一存では。社長に伺わないと……。」

モバP「大丈夫ですッ!俺がッ!説得して見せますからッ!」

ちひろ「あのですね……、私はそれが一番心配で」


タダイマカエッタヨキミィ


卯月「あ、噂をすれば社長さん帰ってきましたよ!」

ちひろ「Pさん、とりあえず社長室に行っててくれませんか。モバPさんが案内しますので。」

P「はい、そりゃあ構わないですけど。」

モバP「ではではPさんッ!こちらへッ!」


P(思ったけどこの人の喋り方なんなんだ。変わってるなぁここも。)





モバP「こちらに掛けてお待ちになってくださいッ」

P「ああ、分かりましたー。」


P(……そういや、さっきの声。どこかで聞いたことあるような無いような。)

P(社長さんだったか?口調もなんか似てたし……。いや、まさかな。)

P(つーかここ社長室って言ってたよな?社長より先に席に座ってていいのか?)

P(……いかん。ツッコミどころしかない。どうしてこうなった。)



ちひろ「こっちですよ、社長。キリキリ歩いてください。」

?「ううむ……千川君、社長より先に客人を社長室に上げるっていうのはどうなのかね。」

ちひろ「社長がスカウトなりなんなりで遅いから悪いんですよ。ほら、早く面接しちゃってください。」

?「むう。モバP君やちひろ君が言うのだから才能については間違いないんだろうが……。」


P(来たか。……あ、今気付いた。今の俺ジャージじゃねぇか!)

P(ミスったな……。これじゃ雇ってくれって言える立場じゃないぞ。面接にジャージってどうなんだ……)

P(いや、俺は悪くねぇ。こんなの予想出来たらエスパーだっての。)


?「あー、んんっ、それじゃあ入るぞ。」

ちひろ「じゃあも何も、社長さんの部屋じゃないですか。早く入ってください。」

?「まったく……。失礼するよ。」


P「ああ、はい。……ああ、やっぱりか。そんな予感はしてましたよ。」




P「…………元765プロ社長。」

社長「」




社長「な、なんでP君がここにいるんだね!?」

P「そりゃあ、俺がここに雇ってもらえるってことになってるからじゃないでしょうか?」

社長「う、ううむ……。確かにその通りなのだが……。」

P「というか、何やってるんですか社長。なんでわざわざ765プロ解散させて新しいプロダクションなんて……。」

社長「ああ、うむ。それだがね。」

社長「どうも、私はこの仕事をやめられないらしくてな。765プロが解散を完了させてから、3か月ぐらいでもう一回同じ仕事をしたくなったのだよ。」

P「本当に何やってるんですかあなた。」

社長「まあ、さすがにもう一度765プロを作るのは気が引けるし、何より許さないだろうと思ってな。」

P「誰がです?」

社長「律子君だよキミィ。」

P「……すごく、賢明だと思います。」




社長「まあつまり、私がやりたくなったから始めたと。理由の半分はそれだ。」

P「と、言うと。もう半分は?」

社長「……確かに765プロは、君や律子君、音無君やアイドルのみんなのおかげで、アイドル業界ではトップになった。」

社長「そして765プロを解散すると、すぐに律子君が新生765プロなるものを作ったじゃないか。」

P「……つまり?」

社長「今を時めくアイドルに、無名から這い上がったアイドルたちがどれだけ立ち向かえるか。その可能性を信じたくてね。」

P「……で、シンデレラガールに選ばれたのが渋谷さんたちだ、と?」

社長「そういうことだよ、キミ。」

社長「もともと、私の手腕のせいもあって君が入ってくるまで765プロも無名だったんだ。昔出来たことがどうして今できないことがあろう?」

P「……モバP君に、期待しているんですね。」

社長「もちろんだよ。今はまだ青いが、将来はあるいは君を超えるかもしれんぞ?」

P「ほう。それは楽しみですね。」



――――――

――――

――


社長「む、結構時間が……ああ、そうか。面接だったね。もちろん、君は採用させてもらうよ。事務員、だったかな。君は事務もよくできたし、大歓迎だよ。」

P「はぁ、ありがとうございます。」


P(結局、30分ばかり昔話に浸ってしまった。)


社長「………それはそうと、キミィ。ちひろ君から聞いたよ。今、ニートだそうじゃないか。」

P「うぐ。」

社長「私が言うのは何だが、働かないのは良くないぞ?君ほどの有能な人材が、雑踏に紛れてしまうのはもったいないことだ。」

P「……本当に、社長が言えたことではないと思いますけどね。」

社長「うぐ。」




社長「今まで働いていなかった理由はあるのかね?」

P「どうなんでしょう。すべてに対するやる気が無くなったってやつですか。燃え尽き症候群ってやつですね。」

社長「……やっぱり理由は?」

P「そりゃ、765プロ解散一択で。」

社長「う、ううむ……。」

P「……でもまあ、また社長の下で働くことができるってなったら、少しばかり働く気にもなるってもんです。」

社長「では、正式に採用、ということだな。ちひろ君!」


ガチャ


ちひろ「お呼びで?」

社長「必要ないだろうが、一応彼にうちの施設を案内してやってくれ。モバP君は出払っただろう?」

ちひろ「ええ。女の子たちもみんな出払いましたよ。Pさんに教えてもらったところを確認するんだとか。」

社長「みんながみんな熱心なことだ……。ではP君、ちひろ君について行ってくれたまえ。」

P「社長はどうなさるので?」

社長「もちろん、スカウトだよ!」

P「……ですよね。分かりました。行ってらっしゃい。」

社長「うむ。では、後を頼んだよ!」




P(そんなこんなで、俺は再び芸能界に身を投じることとなった。事務員として、だが。)

P(社長曰く、「目標は765プロと並び立ち、そして勝つ」こと。)

P(随分と、遠大な野望だとは思う。)

P(でもまあ、それを大言壮語ととられないのが、一重に彼の憎めないところと言うかなんというか。)

P(……再び、無名のプロの中で。今度は765プロではなくSGプロという場所で、俺の日常は始まる。)



OP的なものは終了です。遅筆&知識不足について深くお詫びさせていただきます。


ここからは安価で分岐。どれか一つだけやるわけではなく、やる順番が変わるだけだと思ってください。


√1:今いるメンバーでのぐだぐだレッスン&会話。主にPとちひろの会話がメインとなります。

√2:Pと現・旧765プロアイドルとの会話。会話順はそれも安価で取るかも。

√3:アイドル新規参入、アイドルだけの絡み。参入アイドルは安価で決定予定。
  (CuとPaは新規参加メンバー決定済み。安価取るのはCoキャラ)

√4:新生765プロ×SGプロの絡み。飲み会(お酒は無し)のパーティになるかも。


安価は>>63にでも。

√2を選ぶ場合は会話させたい765キャラ、√3を選ぶ場合は参入させたいCoキャラを一人添えて書き込んでくださいませ。

2のいおりん

>>63さんの言に従って、Pと伊織との会話を投稿します。

この形式は後3~4人で切り上げて、さっさと次の安価に移りたいと思います。

思い出したころにまた765プロとの会話の安価をとって全員分(音無含む)は補完するつもりですので、長い目で見てやってください。




rrrrr……


From:P
Sub:悪い

本文:就職決まった。すまん。




rrrrr……


From:伊織
Sub:へえ

本文:よかったじゃない。残念だわ、社畜第一候補のあんたを雇えないなんて。
   
   ……あ、そうそう、今度の日曜、いつもの喫茶店に来なさいね?たっぷり〆てあげるわ。




rrrrr……


From:P
Sub:Re:へえ

本文:行かないって言ったら?




rrrrr……


From:伊織
Sub:No Title

本文:消すわ


P「…………おっかねぇ。行くしかないじゃないか。」




――――日曜日、午後。

「いらっしゃいませ!おひとり様でしょうか?」

P「や、待ち合わせをしてるはずなんだが……」


伊織「あ、やっと来たわね。こっちよ、こっち。」

P「あ、いたいた。すいません、ホット一つ。」


カシコマリマシター


伊織「……で?あんたの血の滲むような就活談、たっぷり聞かせてもらおうじゃないの。」

P「そんな大げさな話でもないんだがな……。まあいいや。どんどん質問かかってこい!」

伊織「まず一つ目。何の仕事?」

P「アイドルプロダクション。事務員だよ。」

伊織「……へぇ、あんたならもう一回プロデューサーでもやるかと思ってたけど。」

P「既存のプロダクションに参入した形だからな。俺より若くて暑いプロデューサーもいたし、大丈夫だろ。」




伊織「じゃあ、そのプロダクションの名前は?」

P「SGプロ。SGはシンデレラガールズの略な。」

伊織「……聞いたことのない名前ね。有名なの?」

P「いや、最近出来たばっかだとさ。アイドル候補生もまだ3人しかいないよ。」

伊織「……大丈夫なの、それ?」

P「初期の765プロも似たようなもんだったさ。給料は安定したら一括で請求する予定だよ。」

伊織「もし、失敗したら?」

P「その時はその時。また路頭にさまようだけだよ。金だけはあるからな。」

伊織「……はぁ。あんたらしいわね。」

P「あ、そうそう。一つ付け加えておくとな?」

伊織「なによ?」



P「そのプロダクションの社長、旧765プロの社長だから。」

伊織「」




伊織「え?は?」

P「まあ無理もないよなぁ。社長は765プロが解散した後、貴音と一緒で行方不明になってたし。」

伊織「……呆れた。芸能プロダクションを解散したと思ったらまた別の芸能プロダクションを?」

P「まあ、俺も唖然とさせてもらったよ。一回遊びに来るか?見た目もびっくりするぐらい765プロとそっくりだぞ?」

伊織「それは、わざとなの?」

P「本人によれば、そうらしいな。」

伊織「……もう、何も言えないわ……。」

P「ま、そこで働かせてもらえるんだから、社長にはまたまた感謝しなくちゃいかんな。はははっ」

伊織「…………」

P「どうした?難しい顔して。」

伊織「それ、律子には話さないほうがいいわ。絶対に。」

P「……肝に銘じておこう。」


P(早かれ遅かればれるだろうけどなぁ。)




伊織「……気を取り直して。」

P「おう。」

伊織「それじゃ、あんたが就職した経緯を教えてくれない?」

P「ん。えーとな……。一か月前、ここでお前と別行動になったときだ。」

伊織「うん。」

P「やることなかったから、本でも買って公園で日に当たりながら読もうと思ったんだ。」

伊織「……本物のニートじゃない。主婦の方々の目は怖くなかったの?」

P「怖かったさ。でも、それすらにも立ち向かえずして、何が男か、ってあのころの俺は思ったわけだ。」

伊織「アホね。」

P「あのころは若かったんだよ。」

伊織「若者の一か月と、年寄りの一か月。重要さは全然違うわよ?」

P「うっせぇ!俺はまだ二十代だ!」




伊織「まあいいわ。それでそれで?」

P「ん。で、本読もうと思ったら、閑散とした公園の向こう側から、何か曲が聞こえてくるんだ。」

伊織「何の曲よ?」

P「765プロの曲だったよ。んで、懐かしいなあとか思いながらそっちへ行ったら……」

伊織「SGプロのアイドル候補生たちが、私たちの曲で自主トレをしていた?」

P「その通り。んで、特に声をかけるつもりは無かったんだけど、陰から覗いてるのがばれてな。」

伊織「バカねぇ。現役時代ならそんなヘマしなかったでしょうに。」

P「出てこなかったら通報する、なんて言われたよ。」

伊織「ストーカーでロリコンとか……救いようがないわね。」

P「やかましい。」




伊織「んで?その子たちにちょっとコツとか教えてあげたらいつの間にか仲良くなってて事務所に紹介された、と?」

P「そういうことになるな。」

伊織「見知らぬ女子に大の大人が声かけるなんて、犯罪スレスレよ?よくその関係が一か月も続いたわね。」

P「レッスンしてくれって頼んできたのは向こう側だった。向上心のあるいい子たちだよ。」

伊織「へぇ。そりゃあいい子ね。聖人君子ばりだわ。」

P「どういう意味だおい。」

伊織「まあまあいいじゃない。職場環境はどうなのよ。事務員とかその『若い』プロデューサーとかの為人は。」

P「少し話したが、『青い』プロデューサーはとにかく熱血タイプだよ。亜美真美のイタズラへの集中力を仕事に向けた感じ?」

伊織「……あんた以上の仕事人間になるんじゃない?その人。」

P「ああ、いつ倒れるか気が気でないな。」




伊織「もしその人が過労で倒れたら、他の人たちで分担してプロデューサーの代わりをすることになるのね?」

P「ああ、そういうことだな。」

伊織「ということは、あんたも?」

P「んまあ、そうなるかもしれないんじゃないか?」


伊織「……それはそれで楽しみね。」

P「?」


伊織「なんでもないわ。で、事務員の方は?」

P「よく言えば、世渡りが上手って感じかな?」

伊織「悪く言えば?」

P「運営の犬、とでもしとこうか。」

伊織「うわぁ。大丈夫なのそれ?」

P「社長がスカウトしたんだから能力に間違いはない。SGプロの景気がいい時はニコニコして付き従うだろうな。」

伊織「言い換えれば、一たび窮地に陥れば……」

P「コロッと手のひらを返す可能性もある。まあ、今のところは悪戯のベクトルでは音無さんの完全上位互換って感じか。」

伊織「仕事で言えばどうなのよ?」

P「どっこいどっこいじゃないか?二人とも妄想と悪戯とであんまり仕事しなさそうだ。」

伊織「ああ、なるほどね……。」




rrrrr……


伊織「あ、ごめん。電話だわ。」

P「気にすんな。緊急かもしれないんだろ?」

伊織「ん、ありがと。……はい、もしもし……」


P(7年前の伊織なら今の社長の行動を見て割とガチで消そうとするだろうなぁ。丸くなったもんだ。)

P(物腰もだいぶ落ち着いたし、なんというか、貫録が出てきたな。見た感じ、ウサちゃんも肌身離さず持ってるわけじゃなさそうだし。)

P(……さて、次に就職の事報告するとしたら、誰にしようかな。)


伊織「はい、分かりました。失礼します……」


ピッ


P「なんだったんだ?」

伊織「緊急の会議だから参加しなしなさいって……。まったくもう、乙女の休日に口出しするなんて!」

P「いいじゃん。行け行け。俺なんかよりもその案件はよっぽど重要だろうに。」

伊織「……あんたが最優先に、決まってるじゃない」ボソッ

P「ん?なに?」

伊織「……なんでもないわよ。」

P「……あんたが最優先に、決まってるじゃない」ボソッ

伊織「~~~~~~っ!」




伊織「バカ!変態!死んじゃえ!」

P「はっはっは。三年のニート生活の中で培われた弁論術と地獄耳には、天下の水瀬伊織も形無しだな!」

伊織「……もう!知らないんだから!」

P「おうおう、とっとと行っちまえ~。……あ、そうそう」

伊織「なによ!?」

P「あのウサちゃんはどこ行った?えと、何て名前だったか……」

伊織「シャルル・ドナテルロ18世のこと?あの子ならこの鞄の中に入れてるわよ?」

P「……半分社会人の身として、それはどうなんだ?」

伊織「いいじゃない。もはやこの子は私の半身よ。この子なしに私は存在しえないわ」

P「………そんなにか?」




伊織「そんなによ。じゃあ、また今度ね?」

P「おう……。あ、伊織!」

伊織「なに?やっぱり天下の水瀬伊織ちゃんが恋しくなっちゃった?」



P「自分の飲み物代は自分で払え、な?」



伊織「……てへっ?」

P「いや、そういうのいいから。二回も飲み逃げされてたまるかってんだ……」





伊織編、了。



伊織編おしまいです。初投稿ですけどやっぱり書きやすいですね、伊織は。

さて、この765会話編。まとめてするのは後3人とします。

次の安価は>>84です。ではでは。

2たかねぇ

説明が足りてませんでした。謝罪させていただきます。

>>82は、「後三回分は765プロの人とPとの会話を投稿する」ってことです。

今回は>>84で貴音が選ばれたようなので、次からは貴音とPの会話を登校させていただきます。




――――伊織との会話後、喫茶店外。


P(さて、伊織も行ったし、やることがなくなってしまったな)

P(事務所に行くのもアレだし……。ううん、何をしようか)

P(……そう言えば、さっきちらっと言ったけど、貴音って今頃どうしてるんだろうか)

P(まあ、貴音のことだから何ともないとは思うんだが……)


P「もしかしたら、名前を呼んだらひょっこり出てくるかもしれないなぁ」

P「よし、呼んでみるか。おーい、貴音ー?」

P「…………」


P「ははは、やっぱりそうだよな。そんなに都合よく……」

貴音「お呼びになりましたか、あなた様」

P「」




P「……びっくりさせるなよ。どこから出てきたんだ」

貴音「とっぷしーくれっと、でございますよ」

P「またそれか。便利な言葉だなそれ」

貴音「はい。ところで、あなた様」

P「どした?」

貴音「再就職の儀、真におめでとうございます」

P「………お前はどこまで知ってるんだ」

貴音「あなた様のことなら、何でも」




P「まあ、今の発言はスルーさせてもらって、だ」

貴音「むう……。あなた様はいけずです」

P「やかましい。で、立ち話もなんだ。どこか寄るか?奢るけど」

貴音「らぁめんで」

P「……貴音さん?即答したところ申し訳ないが」

貴音「はい?」

P「今、五時前なんだけど……?」

貴音「それではやはり、らぁめんで」

P「」




貴音「らぁめん♪らぁめん♪」

P「女の子と二人でラーメン屋とは。なんと風情のない……」

貴音「よいではありませんか。好みと言うものは人それぞれです。それに……」

P「それに?」

貴音「あなた様とらぁめんを再び食せる日を……心よりお待ちしておりました……」ボソッ

P「? なんだって?」

貴音「……なんでもございません。では参りましょう、あなた様」

P「あなた様とらぁめんを再び食せる日を……心よりお待ちしておりました……」ボソッ

貴音「っ!?///」


P(あ、これ面白い。伊織にもやったけど、今度他のみんなに会ったら使ってみようかな)




P(まあそんなこんなでいつものらぁめん屋さん……名前はあえて言うまい。そこに来たわけだが)


貴音「…………」

P「た、貴音さーん?」


P(どうも、貴音さんが話を聞いてくれない。つーんという効果音が似合いそうな雰囲気を、ずっと醸し出している。)

P(参ったな。ここまで怒るとは思ってなかったぞ。どうするか……)


ヘイラッシャイ!

貴音「ヤサイマシマシニンニクアブラカラメを」

P「相変わらずよく食うなぁ。あ、じゃあ俺は……」

貴音「二つで」


マイドォ!


P「」


貴音「ふふ……。からかった罰、ですよ?」

P「……返す言葉もございません。申し訳ございませんでした」

貴音「分かればいいのです。ともあれ、注文は受理されてしまいました。食べるしかありませんね、あなた様?」

P「」




P「く、おぉオ……」

貴音「真、美味でございました」


P(もやしは何とか全部食った……。麺も少し。それでもだいぶ健闘したと思うんだよ、俺……)

P(相変わらず化け物だなぁ貴音は。もしかして、俺が残すことを予想して余計にラーメンを食べるためにさっきの注文を……?)


P「そうだ、貴音……」

貴音「はい、なんでしょう?」

P「お前、今の今までどこに行ってたんだ?ここら一帯は探しても見つからなかったし……」

貴音「少し、故郷に帰っておりました。帰省、とでも言うのでしょうか?」

P「ふうん。そうか、故郷にか。久しぶりに帰ってどうだった?」

貴音「特別、騙るような変わった出来事はございません。相も変わらず、変わり映えのしないところでした」

P「……そうか。でもまあ、親は大事にしろよ?この世に二人しかいないんだからな」

貴音「重々、承知しております」

僕だ!

>>96
いや俺だ

>>97
はよ書けwww

>>98
すまんな。飯なんだ。スパゲティなんだ。



P「ふぅ……。さて」

貴音「あなた様?」

P「ぼちぼち出るか。いつまでも居座られちゃ店の人が迷惑するだろうし」

貴音「……むう。もう少し、話したかったのですが」

P「俺の方から話題が振れないんだよ。ニート中の生活ならいくらでも話してやるけどな」

貴音「それは、いかほどかかるのでしょう?」

P「……要約すれば、5分もかからないんじゃないか。3年分ぐらいはあるけど」

貴音「ふふ……そのくらいなら、歩きながらでもできますね。では、参りましょうか」

――――――

――――

――


P「貴音」

貴音「はい、なんでしょう?」

P「これからどうするんだ?」

貴音「……その前に、あなた様の『にぃと』なる時の生活を教えてもらわねば」

P「……貴音、意味わかって言ってるか?」

貴音「『のぅえくすぺりえんす、えじゅけいしょん、あんどとれいにんぐ』の略と聞いております。学問、職業訓練、就職活動の一切を破棄した人、だと教えられました」

P「………誰にだ?」

貴音「天海春香ですが」

P「あんにゃろう……。余計なことを……!」



P「……まあいい。実を言うとな貴音、俺がニートだったころの話は十秒で終わるぞ」

貴音「なんと」

P「毎日毎日ぶらぶらして、何をするでもなくさまよってた」

P「……ほら、十秒で済んだぞ。なんか泣きたくなったけどな」

貴音「面妖な……」


P「んで、改めて聞こう。貴音はこれからどうする?」

貴音「…………」

P「貴音?」

貴音「そう、ですね」


貴音「できればあいどるに戻りたいものですが、それはかなり身勝手なように思われます。仮にでも、勝手に消えてしまったわけですし」

貴音「かといって、この地には他に頼れる宛が無いのも事実。頼れるのは765の仲間だけなのです」

P「それじゃあ、どうするんだよ?」




貴音「……あなた様。ご迷惑でなければ、あなた様の家に住まわせてはいただけないでしょうか?」

P「ファッ!?」




P「あー、そのだなー、やっぱりそういうのは……」

貴音「無論、ただでとは言いません。家事一式は大方修めておりますし、ご迷惑をおかけするおつもりはありません」

P「じゃあお前、退職金紛いのあれはどうしたんだ?全部使ったのか?」

貴音「秋月律子の事務所創設に大半を貸してしまいまして……。残りは、全部」

P「いや……いいのか?アイドルではなくなったにしろ、やっぱり貴音のプライベートはとっぷしーくれっとであるべきだろ」

貴音「いえ、それはもうよいのです」

P「よいのですって……よいのか?」

貴音「ええ、よいのです」

P「いやでも、春香とかに……ああそうか、千早以外はみんな実家住みか……」

P「んー……」

貴音「…………」



P「……仕方ない。うちにおいで」

貴音「ま、真でございますか!」

P「実家住みの人はさすがに迷惑かかるだろうしなぁ。仕方なくだよ、仕方なく」

貴音「それでも、感謝してもし足りません」

貴音「誠にありがとうございます、あなた様」

P「ただし!世の中そんなに甘くは無い。もちろん条件がある!」

貴音「条件……ですか」

P「おう。条件だ」

貴音「して、その条件とは?」

P「うん………」



P「らぁめんは、一週間に一杯な?」

貴音「」




貴音「……あ、あなた様?今何と……」

P「らぁめんは一週間に一杯な?」

貴音「な、なんと!なんとご無体な!」

P「何がご無体じゃ。止めてもらえるだけでもありがたく思えよ」

貴音「あなた様ぁ……なにとぞ……なにとぞご慈悲を……」


P「ああもうほら、泣くな泣くな。そのことはゆっくり家で話し合うから、早く家に帰るぞ」

貴音「くすん……あなた様はいけずです………」




貴音編、了


こうして貴音はPの下に居候することになりましたとさ、めでたしめんどくさし。

今日はここまでにしようかな、と思ってます。閲覧感謝。


一応次の765プロ×Pの会話の安価だけ。

>>111でお願いします。ではでは。

確認しました。

>>111より、明日は響で投下させていただきます。

お待たせしました。誰もいないと思うんでぼちぼち投下していきます。

では、響×Pの会話です。どぞー。




P「そう言えば、働き始めたら響の地元に遊びに行く、と言う話になっていたので」

P「貴音に留守番を頼み、社長に有給を貰って、彼女の故郷である沖縄にやってきた、のだが………」


へび香「シュルルルル・・・」

ねこ吉「シャアアアア」

いぬ美「グルルルルル・・・」

ワニ子「………」

ハム蔵「ヂュッ」


P「……助けてください。響のペットに囲まれて、身動きが取れません」



響「……プロデューサー?」

P「んー?どした響?後俺もうプロデューサーじゃないぞー?」

響「じb……私からしたら、プロデューサーはいつまでもプロデューサーだz……ですよ?」

P「無理して口調を変えなくてもいいんじゃないのか?」

響「そうはいかないんだ……です。私ももう20代の半ばにさしかかろうとしてますし、今のままだと恥ずかしいんだぞ…です」

P「治せてないじゃないか。無理に戻す必要はないぞ。というか早くこの子たちから解放してくださいお願いします」

響「そう?じゃあそのままで……って!自分が言いたいのはそういうことじゃないぞ!」

P「ほら、その口調の方が響っぽいって」

響「……ああもう!プロデューサーは黙って自分の話を聞けばいいんだ!」

P「分かった。分かったから……ああおいいぬ美、噛むんじゃ……」


P「……まてワニ子。お前に噛まれると割とシャレにならないから。やめろ。落ち着け。待って!俺が悪かったから!」




P「……あー、酷い目にあった」

響「プロデューサーが悪いんだぞ!人の話も聞こうとしないで……」

P「悪かったって。んで、なんだ?その言いたい話ってのは」


響「本人から聞いたぞ!プロデューサー、貴音と同居してるんだろ!」

P「同居っていうか……。向こうが居候してるだけだしなぁ」

響「いい年したおっさんが年頃の娘と屋根の下一つってのはよろしくないと思うぞ!この変態プロデューサー!」

P「誰が中年だ誰が!俺はまだ20代だって言ってるだろ!」

響「四捨五入して30なら十分おっさんさ!おっさんおっさんおっさんおっさん!」

P「んだと!?お前こそ結局身長伸びずに最近測った最新の身長が153cmらしいじゃないか!このチビチビチビチビ!」

響「うぎゃー!?なんでプロデューサーがそれを知ってるさー!?」

P「貴音から聞いたんだよバーカ!チービ!」

響「うるさいぞ!この中年太り気味!」

P「!? なんで知ってるんだお前!?確かに最近5キロ太ったけど……」

響「貴音が教えてくれたさー!やーいこの中年ー!」

P「なんだとこの万年チビガキめ!」

響「おっさんおっさんおっさん!」

P「チビチビチビチビ!チービ!」


響・P「「うきぃいいいいいいいい!」」


――――――

――――

――


響「ぜぇ……ぜぇ……。プ、プロデューサー?」

P「はー……はー……。な、なんだ、響ー?」

響「……空港で不毛な争いするの、やめない?」

P「……そうだな。周りの視線が痛いし」

響「……移動するぞ。タクシー捕まえて家まで行くさー」

P「おう………」



――

――――

――――――




P「……あ、こんにちは、響のお兄さんですか。どうも、響にはアイドル時代にお世話に……」

P「!? いえいえそんな!迷惑だなんて。響は向こうでもとてもいい子で……」

P「……は?『かなさんどー』と聞いたことはあるか?そう言えば一度聞いたことがあるような……」

P「……はい。うちなーぐちはよく分からないので、意味を聞こうと思ったんですが。響は顔を真っ赤にして逃げて行ったもので……」

P「……え?どうしましたか、そんなに首を振って。やれやれ?朴念仁?」

P「……はあ、『かなさんどー』の意味は本人に聞けと」

P「分かりました。ありがとうございます、失礼します……」


P「……そう言えばいつ言われたんだっけ。トップアイドルになった時だったか?」

P「意味を知ってたらしい音無さんは驚愕してたけど。なんなんだろうかなあ」

P「うん、気になるし聞いてみようか。一泊二日で時間も限られてるけど、なんくるないだろ」




P「お。ここにいたか響」

響「あ、プロデューサー!やっと来たか!」

P「すまんかった。お兄さんと話し込んでてな」

響「まあいいさー。この日のために二日分有給取ったんだし。今日はうちに泊まっていくんでしょ?」

P「そりゃ響に言われたしな。一応最低限の荷物は持ってきたさ」

響「なら大丈夫だな。うーん……どこ行こうかなぁ」

P「なあ、響」

響「無難に地元の商店街でも回るかなー?都会に出てみるのもいいなー!」

P「響ー?」

響「いやでも……ん?どうしたんだプロデューサー?」



P「『かなさんどー』って、どういう意味だ?」

響「!?」

私用で少し離れます。もしかしたら今日は響のだけ書いて終わるかも。



響「い、いきなり何さ!?びっくりしたんだぞ!?」

P「や、響のお兄さんがな?響が俺に、『かなさんどー』って言ったことある?って聞いてきたんだよ」

響「そ、そっそそそそそそれで?何て答えたの?」

P「そう言えば一回言ってましたよって答えた」

響「」

P「それで、その言葉ってどんな意味なんですか?って聞いてみたら、それは響本人に聞いた方がいいって流されてさ」

響「」

P「なあ、『かなさんどー』っていったいどういう意味なんだ?思い返したらかなり気になるんだが……」

響「」


P「……響?」

響「」

P「……返事がない。ただの屍のようだ、ってか」

響「」

P「……はあ、仕方ない。お兄さんに布団出してもらってそこに寝転ばせよう。立ったまま気絶なんて器用なことするなあこいつも」




P「すいませーん、響の部屋ってどこでしょうかー?」

P「……ああ、はい。ここの突き当たりですね。ありがとうございます」

P「……え?俺の背中で気絶してる響はどうしたのかって?」

P「いや、それがですね。『かなさんどー』の意味を聞いたら顔を真っ赤にして気絶してしまいまして。立ったまま」

P「へ?さすがにこれは病気?普通はそこで察せ?」

P「……いやいや、無茶言わんでくださいよ。私にはうちなーぐちは分かりませんし」

P「……分かりましたよ。絶対に調べたりしません。響から言うのを待てばいいんですね?」

P「はい、分かりました。何から何まですいません。……いえいえ、とんでもない。では……」


――――――

――――

――



――――――

――――

――



響「う……ん………」

P「お、起きたか響。もう夜だぞー?」

響「んぇ……よる……?」

P「おう。もうすっかり夜だな。さすが沖縄。夜でも暖かいなぁ」


響「っ!」ガバッ

P「おおっ?」

P「おいおい、いきなり起き上がって大丈夫か?眩暈とかは?」

響「…………」

P「おーい、響さーん……?」


響「やってしまったさああああああああああ!」

P「うおっ!?」




響「うわぁ……最悪だぞ自分……。せっかくプロデューサーと会えたのに……」

P「あー、なんか悪いな。元を正せば俺が悪いんだし」

響「せっかく有給も取ったのに……。もういいんだぞ……」

響「…………」


P(やばいな。割と本格的に落ち込んでる。どげんかせんと)

P(でもまあ、響はまだまだ子供だなぁ。口調とかも直せてない当たり、まだ大人にはなりきれてない感じだ)

P(貴音はもう昔とほとんど面影変わってなかったし中身も変わってなかったし。なんなんだろうね、あの子)

P(……仕方ない。これを渡すのはちょっとためらいがあるが、音無さんが昔ずっと欲しがってたものを……)


P「響?」

響「……なにさー?アイドルやめて完璧じゃなくなった自分に何か用か?」

P「そういじけるなよ。これやるから」

響「? なにこれ?なんかの鍵?」

P「ん。俺の家の合鍵」

響「……!?」




P「それやるから、今度は響がこっちに遊びに来い。好きなタイミングでいいから」

響「……いいの?」

P「別にいいよ。なんなら泊りがけでも構わんぞ?昔と違って今はきっちり定時で帰れるからな」

響「……そう言えばプロデューサー、事務所の事務員になったんだっけ。でも、本当に……」

P「構わんさ。盗られて困るようなものは大体持ち歩いてるし。いざとなったら貴音いるし」

響「自分は盗みなんかしたりしないぞ!」

P「はははっ、そりゃそうか」

響「もう……失礼しちゃうぞ」

P「悪かったって」




響「……でもまあ、いっか。今日はプロデューサーと会えただけでも。これあればいつでも会いに行けるし」

P「仕事休んでまで来るなよ?」

響「そこまで落ちぶれたりしてないぞ!」

P「言ってみただけだって」

響「まったく……」


響「あ、もうこんな時間か。晩御飯できてるかな?」

P「響が起きて一息ついたら来てくれって響のお母さんから言われてるぞ?ぼちぼち行くか?」

響「うん、分かった!早く行こ!」

響「……あ、プロデューサー!」

P「ん?」


響「『かなさんどー』!」

P「……結局、それどういう意味なんだろうな」




響編・了

響編終了です。自分の才能が怖い。もちろん悪いベクトルで。

それでは、本日ラスト。確認したところ大丈夫そうなので、今日はあと一人765の会話を書いて終わりに。

安価は>>151あたりでお願いします。ではでは。

ここまで伊織、貴音、響か

美希

>>151
把握しました。次は美希か。フェアリーはおしまいですね。
ぼちぼち投下していきます。




P(響と別れ、沖縄から戻った数日後、日曜日)

P(その週は木曜日にらぁめんを食いに行ったので、らぁめんを食べに行けないと唸る貴音をなだめてまったりと過ごしていた、そんなとき)

P(不意に、メールが来た)

P(最近登録した渋谷さんたち候補生やモバP君は別として、俺は765プロのアイドルからのメールにはアイドルそれぞれの持ち歌を着信音として設定してある)

P(なので、遠くからでもある程度は誰なのか判別はつくのだが、音で聴いてもにわかには信じにくくて)

P(仕方なしに貴音にカップラーメンを投げ渡した後。携帯を開いて、誰から来たのかをを確認すると……)






From:星井美希
Sub:久しぶりプロデューサー!

本文:久しぶりに休みがもらえたの!
   今、会えるかな?




P(俺としては、もちろん二つ返事で了承したいところだった)

P(久しぶりに美希も話したいこともあったろうし、俺もみんなに就職が決まったことを言わなければならない)

P(とはいえ、俺にしてみたら身近な人でも、彼女は今のアイドル界を引っ張るSランクアイドル。スキャンダラスなことは避けなければならない)

P(そこで、美希には事務所で待っていてもらい、俺から新生765プロに凸することになった。俺でも、スーツでも着れば営業マンにはなるだろう)

P(律子に土下座する勢いで、と言うよりは実際に電話越しに土下座して、密室空間である社長室を時間制限をかけて貸してもらい)

P(春香や真、やよいがいないタイミングを見計らって、見慣れた事務所に飛び込んだ)

P(エレベーターが動くようになってたのは感動したな)

P(そして、アイドルをやめてからは新生765プロの事務員として就職したらしい秋月涼君に誘われるがまま、社長室に案内されたのだが……)



P「み、美希さーん……?」

美希「…………」ギュー


P(社長室に入って鍵を閉めた瞬間ダイブされて、そのまま離れてくれない)




美希「…………」ギュー

P「……なあ美希?」

美希「…………」ギュー

P「離してくれないと、話が進まないんだが」

美希「……ねぇ、ハニ、プロデューサー」

P「……なんだ?」

美希「貴音から聞いたらしい響から聞いたよ。どこかのアイドルプロダクションの事務員になったんだってね」

P「……うん」

美希「どうして、ここに戻ってきてくれなかったの?ミキ、ずっと待ってたのに」

P「あー、それな……」




P「まあ端的に言うと、またここに来て働いてもつまらないって思ってしまうかもしれないから、だな」

美希「ミキたちとのお仕事、つまらないの?」

P「いや、美希たちとの仕事が、じゃなくて、なんかこう……やりがいみたいなさ」

美希「やりがい?」

P「俺が来るまで、765プロって閑古鳥が鳴いてたじゃないか」

美希「うん」

P「今俺がいるところだと俺がするわけじゃないけどさ」

P「まずプロダクションの名前とアイドルたちの名前を覚えてもらうために営業に回りまくって」

P「顔を覚えてもらったら根気よく売り込んで、小さな仕事から少しずつ始めてさ」

P「徐々に大きな仕事を貰えて、頑張って、頑張って、頑張って」

P「……で、プロデュースしてる子をトップアイドルにする。俺的に、これがプロデューサー業の醍醐味だと思うわけよ」

美希「ふうん。よく分からないの」

P「うん、美希には分からないかもしれないな。でも、俺的なプロデューサーとしての醍醐味が、美希からは得られないんだよ」

美希「えと、つまり……」

P「美希の名前は関係者なら誰でも知ってる。新生であれ765プロもアイドル業界を牽引するプロダクション。売り込まなくても、仕事は入ってくる」

美希「…………」




P「普通の人から考えたら、これの方が楽でいいと思われるかもしれないけど、プロデューサーとしてはどうだろう」

P「俺は、すごくつまらないって思うんだ。我が身を削って駆けずり回るのが、俺の中でのプロデューサーだしな」

美希「…………」

P「だから、行かなかったし、行けなかった」

P「まあ何より、何年もニートしてたおっさんがいきなりトップアイドルのプロデューサーになったら、変じゃないか?」


美希「……それが、本音?」

P「こっちが割とガチな方の理由かな。何より、今の俺の体でお前らのスケジュールについて行けるとは思えん」

美希「ふーん……」




P「ってのが、言い訳ってやつだな。納得は……」

美希「してないの」

P「ですよねー」

美希「別に、ハニ、プロデューサーがいてくれるならプロデューサーじゃなくてもいいの。事務員でもよかったの」

P「うん」

美希「それでもミキたちのところに来なかったのは、やっぱり自分のはたらいてるところを信頼してるの?」

P「そりゃあそうさ。向こうのプロデューサーも事務員も癖はあるけど悪い人じゃあないと思うし、候補生たちもいい子ばかりだよ」

美希「SGプロダクション、だっけ」

P「ああ」

美希「シンデレラはCinderellaなの。Sじゃないの」

P「……それは、うちの社長に言ってくれ。俺のせいじゃない」


P(まさか社長も、美希にスペルミスを指摘されるなんて夢にも思わないんだろうなぁ)




美希「ドジな人なんだね、その社長って」

P「まあ、そうだな。あの人がドジなのはいつも通り……」

美希「あれ?その社長さんとプロデューサー、昔からの知り合いなの?」

P「あ、ああ」

美希「本当にドジなの?」

P「い、一応な」

美希「仕事人間だったプロデューサーにトモダチがいるなんて思えないし、でも知り合いの中でドジで社長になれる人なんて…………」

P「ミキ。それ以上はいけない」

美希「分かった!765プロの社長さんなの!そのSGプロの社長さんは、昔の765プロの社長さんなの!」


P(アカン)


美希「ね、そうでしょ?」

P「………………」

美希「プーローデューサー?」

P「美希」

美希「なに?」


P「………律子には言うなよ?」

美希「合点承知なの!あはっ☆」




P「言うなよ!?絶対言うなよ!?振りとかじゃないからな!?」

美希「大丈夫なの。ミキ、ハニーとの約束はちゃんと守るの」


P「……あのなぁ、美希。ハニーって呼ぶのはトップアイドルになった時から禁止……」

美希「あ、もしもし律子さん?あのね、実はね……」

P「やめて。洒落にならんから」

美希「じゃ、ハニーって呼ばせてね?」

P「………この際やむを得んか。こことか、765プロの人しか周りにいないときだけだぞ?」

美希「そこらへんは任せるの!」


P「……はあ。しくじったな」

美希「あ、そう言えばいちごババロア最近食べてないなー。食べたいなー……」

P「ああもう、はいはい。買いに行けばいいんだろ?」

美希「急いで帰ってきてね?じゃないと、春香たち帰ってきちゃうよ?」

P「分かった分かった……」


美希「あ、二人分買ってきてね!二人っきりで一緒に食べよ?」

美希「ね、ハニー!」




美希編・了

美希編完了です。まさか展開が読まれるとは……やはり天才か。

ここでいったん、765プロ×Pの会話編はいったん終了です。

この√については以降は間章的なものとしてところどころに入れて765プロ(小鳥含む)全キャラを補填する予定。

では、今後の安価をば。


ここからは安価で分岐。どれか一つだけやるわけではなく、やる順番が変わるだけだと思ってください。


√1:今いるSGメンバーでのぐだぐだ会話。主にPとちひろの会話がメインとなります。

√3:アイドル新規参入&レッスン、アイドルだけの絡み。参入アイドルは安価で決定予定。
  (CuとPaは新規参加メンバー決定済み。安価取るのはCoキャラ)

√4:新生765プロ×SGプロの絡み。飲み会(お酒は無し)のパーティになるかも。
  ※765側から参加させられるのは今まででPと会話した人のみです。


安価は>>167にでも。

√3を選ぶ場合は参入させたいCoキャラを一人添えて書き込んでくださいませ。ではでは。

3小梅

>>167
確認しました。次は√3、新規参入キャラは小梅で行きたいと思います。
言い忘れてましたが、今日の分はこれで終わりです。ありがとうございました。

お待たせしました。

新規参入三名含めての、モバマスキャラ6人のアイドルの会話風景をぼちぼち投稿していきます。(一人は安価で小梅に決定)

……まさかこの時間帯に、いないですよねぇ?

――――――

――――

――


社長「ふむ……。スカウトに来たのはいいものの、めぼしい子はなかなかいないか」


社長「まあそう簡単にアイドルのタマゴは見つかるわけではないし、そろそろ場所を……」




?「~♪~~♪」



社長「…………む?あの子は……」

?「~~♪」


社長(こ、これは………)

社長(女性でありながら私と並ぶほどの巨体。それでいて、どことなく幼さを感じられるその風貌)

社長(しかも先ほどの鼻歌。粗削りだが、磨けば光ると見た。ルックスも申し分なし。おそらく、身のこなしも然り)

社長(まれにみる逸材と見た!これは………)


社長「………ティンときた!」

?「にょ?」


――

――――

――――――




――――――

――――

――


モバP「こ、困りますって!そんなこと言われても!」

?「ほらー。ああ言ってるんだし、無理に行っちゃ向こうに悪いよー」

??「あんたは黙ってなさい!最近あんた、学校も最低限しか行ってないじゃないの!」

?「いいじゃん、だるいんだもん。別に授業受けなくても点数とれるし」

??「そういう問題じゃないでしょ!大体学校っていうのはね……」

モバP「まあまあ……その辺にしてやってくださいよ叔母さん」

??「でもねぇモバPちゃん。この子ったら、やればできるのに何にもしないのよ?私、そういうのダメだと思うの」

モバP「は、はぁ」

?「人の考えを他人に押し付けるなー」

??「働いてない人より働いてる人の方がいいのは当たり前です!」

?「ステレオタイプだよそれー」

??「……もう!ああ言えばこういう!」

?「言わせるのはお母さんじゃないかー」

??「あーはいはいそうですね!」


??「……じゃあモバPちゃん!この子よろしくね!そっちの家にしばらく預けるから!じゃ!」

P「え、あ、ちょっと叔母さん!?」

??「本当にやればできる子なの!立派なアイドルにしてあげてね!」

P「ちょっと待ってくださいってば!……行ってしまった」

?「うげぇ。あんたと同居かー。ま、私のスペースくれるならどこでもいいけどさー」

P「……ああ、どうしよう。困った………」


――

――――

――――――

>>180 訂正。P→モバP


――――――

――――

――


P「……んー。休日は暇だから律子にオススメされた映画見に行ったんだが……」

P「ただひたすら、グロかった。それだけだな」

P「いや、もう映画のタイトルからしてやばかったし。貴音は怖いもの嫌いだから来なかったし」

P「感想聞かせてくれって言ってたからな。後でメールで『グロいだけじゃねぇか』って送っておいてやろう」

P「……しかしまあ、最初は映画館の半分ぐらいは人いたのに、今ほとんど残ってないじゃないか」

P「もしかしたら残ってるのは俺だけ……」

P「……ん?向こうに人影が」




?「……お、面白かった……!」




P「……ふむ」


――

――――

――――――





――――――

――――

――


凛「……へえ。みんなのスカウトの理由って、そんなのだったんだ」

未央「……あれ?私たちはそれぞれモバPさんにスカウトされたんだっけ?」

卯月「そうだよ未央ちゃん!簡単に忘れないで!」


双葉杏「……あーあー、疲れた。わたしゃ早く帰りたいよ」

諸星きらり「にょわー☆杏ちゃんお疲れー?はぴはぴすぅ?」

白坂小梅「わ、私も……み、見たい映画が、あ、あるかなって……」




未央「映画って言えば、小梅ちゃん、いつも映画見てるっていってるよね?」

小梅「は、はい……。す、好きだから………」

卯月「なんの映画見てるの?せっかく小梅ちゃんの家にお邪魔させてもらってるんだし、みんなで一緒に見ない?」

杏「……あー、私パス」

きらり「にょわー?杏ちゃんおねむー?」

杏「Pから、小梅の好きなジャンルの映画の話聞いたんだ。私には合わないかなーって」

凛「杏、おじさんと仲良いもんね」

未央「へー?どんなのどんなの?杏ちゃんが苦手なのって……」

杏「ま、せっかくだし一緒に見てみれば?私は向こうで酒飲んでるモバPと社長ととまったりしてるよ」

卯月「杏ちゃん、お酒飲むの?」

凛「……大きくなれないよ?体に毒だし」

杏「ほっといてくれよ」




未央「……ほんとに行っちゃった」

きらり「にょわー……。杏ちゃん映画見ないのー?」

凛「みたいだね。そんなに嫌なジャンルなのかな」

卯月「まあまあいいじゃない!DVDデッキはあるし。早速見ようよ!」

凛「そうだね。小梅、何かオススメある?」

小梅「は、はい……。オススメ、あ、あります……。と、取ってきますね?」

凛「うん、お願いね?」

――――

――


小梅「も、持ってきました……!」

未央「よし!じゃあそれ見ちゃおう!レッツビデオ観賞会!」

卯月「おー!」

きらり「にょわー☆」

凛「……ところで小梅、そのオススメってなに?」


小梅「こ……これです………」


ホステル「」


一同「「「「」」」」



―――――映画鑑賞後。


凛「」

未央「」

卯月「」

きらり「にょ…わ……」

小梅「お……面白かった……!」


杏「ただいま戻りましたよーっと……あーあ、全滅じゃないか」

小梅「あ、杏さん。みなさんどうしちゃったんでしょう?」

杏「あー……うん。感動して気絶しちゃったんじゃないかな。うん」

小梅「そ、そっか……。そ、そうだよね。じゃ、じゃあ、今度みんなが起きてきたら、こ……これを……」

杏「よせ。それ以上はいけない。オーバーキルだ」




杏「……しっかしあれだよねぇ?小梅って、ホラー映画終わってたまたま同じ映画を見ていたPに目をつけられてスカウトされたんだっけ?随分変わってるよね」

小梅「あ、杏さんは……学校行かないでニ、ニートになってるところをおか、お母さんに……」

杏「そ。うちの親が従兄のモバPに私を押しつけてアイドルに強制的にさせたってやつ。私も大概変わってるか」

小梅「う、うん……」

杏「はっきり言うね……まあいいけどさ」


小梅「……き、きらりさんは……」

杏「きらりはごく普通にしゃちょーさんにスカウトされたんだっけ」

杏「奴風に言うなら、『えっとねー!きらりんソング歌いながらお散歩してたら社長さんにスカウトされちゃったのー☆にょわー☆』とでもなるのかな」

小梅「……ふふ」



オーイアンズー、ミンナハダイジョウブカー!


杏「もう手遅れだからほっといても勝手に目を覚ますと思うよー」


オー、ワカッター!


小梅「……て、手遅れ?」

杏「ああ、いや、うん。気にしないで。こっちの話」

小梅「え、えっと……お話……」

杏「あー、そうだったね」



小梅「も、モバPさんは、私の好きな映画は、に、苦手らしくて……」

杏「一回タイトル見たときびっくりするぐらい拒絶反応してたしね。まあ私も無理だけど」

小梅「で、でも、Pさんはちゃ、ちゃんと……」

杏「……あれは別格でしょ。しゃちょーさんもちひろさんも無理だったんだよ?その映画たち」




社長『な、なんだねそれは!頼むから近づけないでくれ!』

ちひろ『……さすがにとびっきりグロいのはちょっと』

ちひろ『……卯月ちゃん、なにその顔?私が怖いもの苦手だって信じられない顔ね?ちょっとこっちに来なさい?』



小梅「う、うう……」

杏「まあ、あんまりそれ人に勧めないようにね?本当にダメな人もいるんだから」

小梅「じゃ、じゃあ……」

杏「Pに全部押し付けなさい。あの人なら全部受け入れてくれるって。多分」

小梅「う、うん……そ、そうする……!」


杏(かわいい笑顔してるだろ?スプラッター映画大好きなんだぜ、こいつ……)




小梅「……P、Pさんと言えば……」

杏「うん?」

小梅「あ、杏さんも、Pさんには懐いてるって、り、凛さんが……」

杏「……ああ、それね」


杏「あの人ってさ、それより前はガッチガチの仕事人間だったけど、その後で4年は完成されたニート生活を送ってるわけだよ」

小梅「う、うん」

杏「たった四年とはいえ、旧765プロのアイドルたちに気をかけてもらって、社交的なニート生活を過ごしたわけだ」

杏「まあ、幸か不幸か、アニメとかゲームには疎いみたいだから、本当に無駄な日々を過ごしてたらしいんだけどね」

杏「私にはそれが羨ましくって羨ましくって。ありゃニートの星だよ。我らの希望だよ」

小梅「へ、へぇ……」




杏「んでまあ、今は私がありがたーいことにアニメやらゲームの知識を吹き込んでやってるわけさ」

小梅「そ、そうなんだ……」

杏「Pがオタクの知識を身につけて、それでもって杏の味方になってくれたら……」

杏「もしそうなったらさ、モバPはPに頭が上がらないようだし」

杏「もしかしたらPの『やめてやれ。杏が可哀そうだろ』の一声で、私は仕事をしなくてよくなるかもしれないのさっ!」


凛「……仕事って言っても今はほとんどレッスンだけどね」

小梅「!?」

杏「あ、凛。おはよー」

凛「……うん。でもまあ、それは考えにくいね」

杏「ほう?どうしてだい?この杏ちゃんのぱーふぇくとな計画に隙は……」

凛「おじさんも昔は立派なプロデューサーだったわけだし、昔はびっくりするぐらいの仕事人間だったんだよ?」

凛「むしろ、あれやこれやで杏を論破して、働かざるを得ない状況に追い込むかもしれないし」

凛「何より、おじさんは公私の分別はしっかりしてるって社長も言ってたし、杏の味方になるのはまあありえないかな」

杏「」




杏だったもの「」


卯月「……んぅ、あれ、私……」

きらり「あ、卯月ちゃんやっと起きたにぃ?おはよー☆」

卯月「おはよう、きらりちゃん……。私ってなんで気絶してたんだろ?」

未央「……忘れてるなら、それはそれで幸せだと思うよ」

凛「……うん。無理に思い出す必要はないと思うな。きらりも忘れてるみたいだし」

卯月「?」

きらり「にょ?」


杏だったもの「」


未央「……それはそうと、これ、何?口から魂みたいなもの出かけてるんだけど」

小梅「り、凛さんが、ろ、論破したら……こ、こうなったんです」

凛「常識論を述べただけだよ。私は何も悪くない」

卯月「でも、早く起きてもらわないと困るよ?もうそろそろお開きの時間みたいだし」

凛「もうそんな時間か……。気絶してたからね、しかたないか。きらり?」

きらり「どうしたの凛ちゃんー?」

凛「きらりのぱわーで、杏を目覚めさせてあげて」

きらり「にょわー☆分かったにぃ☆」




きらり「いっくよー、杏ちゃーん☆」


杏だったもの「」



卯月「……ねぇ、凛ちゃん。大丈夫なのかな?杏ちゃん」

未央「明らかに、この先には杏の絶望しか待ってない気がするんだけど……あれ?小梅ちゃんは?」

凛「モバPさんを呼びに行ったよ。……まあ、なんとかなるんじゃないかな」

卯月「あ、曖昧なのはちょっと怖いんだけど……」

未央「……あ、始まるね」



きらり「にょわー☆元気のない杏ちゃんにきらりんぱぅわーを注入するにぃ☆」

きらり「きらりーん…………ぱぅわああああああああ!(物理)」


ゴッ


杏だったもの「ケプゥ」


ドサァ



未央「……ダメだったみたいだね」

卯月「……私、しーらないっと」

凛「……大丈夫だよ。杏を運ぶのはモバPさんの役目だから……」



モバP「ふう、ちょっと酔っちまった……ってなんじゃこりゃ!?」


杏のようなもの「」


モバP「杏!?おいどうした!?返事をしろ!杏!あんずうううううううううう!」






お疲れ様でした。ぐだったね。仕方ないね。

では次は、765プロアイドル×Pの安価を取ります。

>>200に、好きな765プロの方の名前を書いてくださいませ。(伊織、貴音、響、美希は終了済み)

千早

>>200
確認しました。千早さんは今アメリカにいるという設定なので、電話形式でよろしければ次は千早を書かせていただきます。

風呂入ってくるので、それまで待っててくだしあ。

いいお湯でした。再開します。




P「……そうか。そっちでもぼちぼち成功してるか」

?『プロデューサーといたときよりは、明らかに知名度の上がり方が遅いですね。英語の勉強と並行してできるから、楽と言えば楽ですけど』

P「ああ。ここだけの話な、俺らの知名度の上がりようは異常だったんだそうだ」

?『それはわかってます。私も、あそこまで早いタイミングで歌だけでやっていけるようになるとは思いませんでした』

P「ははは、お前、初めて会ったときは、「歌以外はする気はありません」とか言ってたのにな」

?『……忘れてください。あれは、』

P「黒歴史、か?」

?『…………はい』

P「まあ、そっちに行ってだいぶ経ったろうし、そろそろこっちに帰ってくるんじゃないか」




P「千早」



千早『そう、ですね。そろそろ撤退の手続きも始めています。1か月ほどで帰れるかと』

P「撤退って……。戦じゃあるまいし」

千早『何を言っているんですか、プロデューサー』

千早『時はアイドル戦国時代、強きが残り、弱きが消える』

千早『そう教えてくれてくれたのは、プロデューサー本人じゃありませんか』

P「……さてな。そんなこと言ったっけ。後、俺もうプロデューサーじゃないぞ」

千早『ええ、知っています。そして、765プロが解散してからニートになったことも』

P「うぐ」




千早『でも、私にとってのプロデューサーはプロデューサーだけです。そこは、変わらないし、変えられません』

P「いや、それはそれでどうなんだ。新しいプロデューサーのことも信用できるようにならないとこっちに来た時に……」

千早『いえ、プロデューサーがプロデュースしてくれないなら私、一人でやります。できます』

P「……おいおい、正気か?」

千早『プロデュースについての勉強もある程度は修めました。実践できるかどうかは、別ですが』

P「……あまりお勧めはしないな。プロデュース業なんざ学ぶもんじゃない。慣れるもんだと思ってる。実際俺も、765プロに入ったときは右も左も分からなかったしな」

千早『でも、最初の方は皆を送ったりした後、勉強してたそうじゃないですか』

P「あれはどちらかと言うとマナーとか社会人としてのふるまいの勉強だよ。敬語とかは本気でやったなぁ」

千早『…………』

P「まあともかく、千早一人で動くのはあまりお勧めしないし、できないな」

P「実際、事務所から独立した歌手でも、マネージャーなりなんなりと一緒に独立した人の方が成功している人は多い」

P「自分でスケジュールを確認して、自分で組んで、自分で自分を売り込んで、ってやると、いつか首が回らなくなるぞ」




千早『それは、分かります。でも』

P「でも、って言うのは甘えだぞ、千早」

P「割ときつめに言っとく。お前もとっくの昔に分かってると思うが、芸能界ってやつはそんなに甘いもんじゃない。むしろ辛い。ハバネロ並だ」

P「そりゃあ、アメリカ帰りの英語ペラペラの日本人歌手なんざ、有名になるに決まってる

P「ましてやそいつは、昔の一世を風靡した元765プロ。仕事もびっくりするぐらいに入ってくる」

P「でもそれは、あくまで一般人、非芸能人の目線だ。そりゃあ、大衆から見れば羨望の眼差しで見られるだろうよ」

P「だがな?芸能人ならどうだ?せっかく自分が人気を築いてきたのに、それを帰国子女ってだけのぽっと出の歌手にファンを取られるんだ」

P「それが、その芸能人にとって、面白いことだと思うか?」

千早『…………』




P「今俺が喋ってるのは極論だ。今アイドル界隈でトップなのは新生765、961、876の三つ巴」

P「だから、そこに千早が入っていっても、多分受け入れてくれる。961は知らんが、妨害はしないだろう。向こうの社長もだいぶ丸くなったし」

千早『確か、小鳥さんと結婚してからですよね。あの人が急に大人しくなったのは』

P「うん。音無さんも裏で色々やっててくれてるんだろうが……。幸せそうで何よりだ」



P「……で、そう言えば何の話だったっけ?」

千早『ええっと、芸能界は厳しいって話だったはずです』

P「……何話すか忘れちまったなぁ」

千早『……もう』




P「……まあ、なんにせよ、何が言いたいかって言えばだ」

千早『はい』

P「困ったときは俺を頼れ。一応俺も、再就職したから」

千早『そ、そうなんですか!?!?』

P「おお!? どうした千早、柄に無く大声で叫んだりして」


千早『……プロデューサーに、私の事支えて欲しかったのに』ボソッ


P「ん?なんだって?マジで聞こえなかったぞ?」

千早『な、なんでもありません!もういいです!』

P「……ふーん。まあ千早がいいんだったらいいんだけどさぁ」




P「SGプロってところだ。まだ弱小だが、いずれ大きくなるさ」

千早『……また、プロデューサーを?』

P「言ったろ?俺はもうプロデューサーじゃない。ただのしがない事務員だよ」

千早『……一介の弱小プロの事務員を信じろなんて、ずいぶん無茶を言いますね』

P「う」

千早『そんなダメな事務員さんを頼るなら、春香や律子を頼ります』

P「まあ、春香は今でも大スターだし、律子も社長だしなぁ」


千早『……そう言えば、765プロの高木元社長はどこへ……』

P「いや、それは今のうちの社長……」




P「…………あ」




千早『……呆れた。あの人、そんなことを……』

P「……これ言うの何回目になるか分からんが、どうか律子には内密に……」

千早『私が被害を被りそうで、言えませんよこんなこと』

P「……すまん、助かる」

千早『……まあ、でも?』

P「?」

千早『すぐ、ばれると思いますよ?』


P「……ですよねー。ばれますよねー」




千早『……では、私はこれで。少し、喋り過ぎましたね』

P「お……なるほど。もうこんな時間か。3時間も喋ったことになるのかー」

千早『国際電話だから、後が怖いですね。少し名残惜しいですけど』

P「まあ、そのうち帰ってくるんだし。楽しみは後にとっておくってことで」

千早『そう、ですね。ええ、わかりました』

P「おう。じゃあ、そろそろ」

千早『あ、プロデューサー!』

P「んう?どうした千早?」

千早『一つ、お願いがあるんですが』

P「……ほう?」




P「千早が我儘なんて、珍しいな。いいぞ。何でも言ってこい」

千早『もうすぐ、日本に帰ります』

P「うん」

千早『その時、私が飛行機から空港に降りたとき、まっさきにプロデューサーに駆け寄ってきてほしいんです』

P「…………」

千早『そして私に、「おかえり」って言ってほしいんです』

P「…………」

千早『駄目、でしょうか………?』




P「…………」

千早『プ、プロデューサー?』

P「……心外だなぁ。心外だぜ、千早」

千早『え?』

P「お前に言われなくても、真っ先にお前に駆け寄って、抱きしめてから『お帰り』って言うつもりだったのに」

千早『………!』

P「言われなきゃ俺がしないと思ってたなんて。うわー、心外だなー」

千早『……ふふ』

千早『ごめんなさい、プロデューサー。頼むまでも、ありませんでしたね』

P「分かればいいんだよ、分かれば」


千早『じゃあ、迷惑ついでにもう一つ、お願いいいですか?』

P「おう。かかってこい」

千早『私が知ってるプロデューサーは、もうプロデューサーじゃないらしいので………』





千早『……そちらに戻ったらプロデューサーのこと、Pさんと、呼んでもいいんでしょうか?』






千早編・了

千早編終了です。文章の劣化が激しい。
……乗っ取ってくれても、いいんやで?(いいんやで?)

さて、今日はもうおしまいです。明日また出直してきます。

もう一回分765プロ×Pの会話を入れて次のモバマスシリーズに入りたいと思いますので、もう一人765プロの子で安価を取ります。

安価は>>219にでも。ではでは、お疲れ様でした。

72言ってんだお前?これはお前が責任もって最後までやるべき作品だろうが

安価なら雪歩

私は72か勘違いをしていたようです。完走目指して頑張ります!(小並感)

>>219確認しました。明日は雪歩からで行きます。お疲れ様でした。

昨日は寝落ちしてしまってご迷惑おかけしました。再開します。




P(千早との電話が終わり、そろそろ彼女が帰ってくると分かって少し上機嫌な俺に、一件のメールが)

P(この子とは、765プロが解散した後は向こうが大学だったりなんだったりで多忙だったためほとんど会えていなかった)

P(もっとも、それでも向こうからはほぼ毎日のようにメールを送ってくるので特に気にはしていなかったが)

P(にしても、今は日曜の午後6時前。いつもメールは10時ぐらいに送ってくるのだから、少し変だな、とは俺も首をかしげていた)

P(が、メールを確認し、自然と「ああ、なるほどな」と口に出てしまうほどの納得できる内容だったので)

P(夕食を楽しみにしている貴音に、特別に貯蔵してあるカップ麺(ざっと100個以上)を『好きなだけ』食べてもいいぞ、と伝言を残した後)

P(歓喜のあまりに涙を流すやつを背に、俺は雪歩の家に向かった)

P(彼女にも、千早がそろそろ帰ってくることを知らせなきゃいけない)



From:雪歩
Sub:お願いが……

本文:久しぶりに、夕食でもご一緒しませんか?少し、小説についての意見を聞きたくて……
   駄目……ですかね?無理でしたら日を改めますぅ。
来ていただけるんでしたら、ぜひ私の家までお願いします。
場所、覚えてくれてますか?実家じゃありませんよ?忘れてたら地図をお送りしますぅ。



―――PM6:30、雪歩宅前


P「確かここだっけか。やっぱそこそこ高価そうなところに住んでるなぁ」

P「ぼろい一軒家の俺とは大違いだぜ」

P「ええと、雪歩の部屋は……1907室か。19階っつったら……」

P「………このマンション、20階建てじゃなかったか。最上階より一階下か」

P「……最上階を取らないあたり、雪歩らしいなぁ」

P「さて……呼び鈴でも鳴らすか」



「……はい、どちら様ですか?」

P「雪歩か?俺だ、俺」

「……申し訳ありませんがオレオレ詐欺は間に合ってますぅ」

P「あれ、そうだったか。んじゃあ今日はもう失礼させてもらおうかなぁ。夕飯楽しみにしてたんだが」

「わ、わ、ちょ、ちょっと待ってくださいぃ!」

P「ん?」

「わ、悪かったですから帰らないでください!ドアのロック開けてもらいますから!」

P「…………」

「……ふぇ……」

P「あー、わかったわかった、泣くな泣くな。すぐそっち行くからな、雪歩」



雪歩「……はい!」



―――19階


P「ひょえー、高いなー。落ちたら一瞬であの世逝きかこれ?」

P「……ん?飛び降りてしばらくは意識が残ってるんだっけ?すぐ意識が無くなるんだっけ?」

P「まあいいや。ここが1906室だから、隣の……ここだな」

P「雪歩ー?いるかー?」


ドタドタドタ ガチャッ


雪歩「はい!いますよ!」

P「久しぶりだな」

雪歩「はい!お久しぶりですぅ!どうぞ上がってください!」

P「おう、お邪魔しまーす」




P「……にしてもいい部屋だな。適度にものが無いというか、かと言って殺風景ではないというか」

雪歩「もう少し暗くなったら、夜景も綺麗なんですよ。外を眺めながら飲むワインは格別なんですぅ」

P「……お前ワインなんて飲むようになったのか」

雪歩「はい。適量飲むと、妙に執筆意欲が沸くんですぅ」

P「酒飲みながら仕事って……いいのか、それ」

P(つーか酒飲んでから書いてるのか、あれって)

雪歩「これ以外に特に大金を使うことがなくて……。最近はチーズもちょっと勉強し始めたんですけど」

P「ソムリエにでもなるつもりか?」

雪歩「いえいえそんな!こんなひんそーでちんちくりんな私がそんなこと……」

P「雪歩は謙虚だなー」




P「しっかし、ワインね……。俺はそういうのの違いは分からないなー」

雪歩「最初は私も分からなかったんですけど、だんだんわかってくるようになって……。お茶と一緒ですぅ」

P「そういや雪歩、お茶はどうした?もう極めちゃったのか?」

雪歩「いえいえ、朝と昼はずっとお茶ですぅ。いろんな茶葉を集めて飲み比べなんかもしてますよ」

P「……765プロにいたころでは考えられなかったことだな」

雪歩「それはもちろん嬉しいんですけど。でも、少し寂しくもあるかなーって思ったりも……」

P「だよなぁ。新生765プロに走ったみんなとは会いたくてもなかなか会えなくなったしなぁ」

雪歩「響ちゃんは沖縄に帰っちゃいましたし、四条さんはどこかに行っちゃいましたし……」




P「……貴音なら、うちで居候してるぞ」

雪歩「……え?」





P「なんでも、故郷とやらに帰ってたらしくてな。無一文でこっちに戻って来たから家に泊めてやってるんだ」

雪歩「ふえー……。そうなんですか」

P「いや、何も邪なことはないからな?今日だって雪歩も二人がいいだろうと思って貴音は家においてきたんだし」



雪歩「……Pさん、成長しましたね。その甲斐性をどうして私たちがアイドルの時に……」

P「……あれは正直すまんかったと思ってる。振り返ってみれば、美希はともかく、伊織とかも結構分かりやすかったしなぁ」

雪歩「結局、みんな一旦は諦めてましたからね。確か、初めてみんなの好意に応えたのって……」


P「春香に告白されたとき、だったかな。いやー、申し訳ないことをした」




雪歩「あの後、大変だったんですからね?春香ちゃんは泣きじゃくるし、Pさんの言葉で間接的に律子さんたち以外みんな振られたことになっちゃって……」

P「……『悪いが、アイドルをそういう風に見ることはできないよ』、だっけか」

雪歩「はい。『ここでプロデューサー殿を取ったら、私が悪者みたいじゃない』って、律子さんも身を引いちゃうし……」

P「その律子から聞いたよ。雪歩もみんなも、わんわん泣いたんだって?俺が帰った事務所で」

雪歩「あ、あれは……。うぅ、否定できないですぅ……」


P「で、一方そのころ音無さんはと言えば、だ」

雪歩「春香ちゃんが告白したのがSランクになった時だったから……そのころからもうすでに961プロの社長さんとお付き合いしてたんですね」

P「俺もびっくりしたよ。まさかあそこでくっつくとは、ってな」

雪歩「……一方そのころ、Pさんは?」

P「仕事が恋人でしたよ。ええ。ちくしょう……」




雪歩「あ、そうだ。事務所で思い出しましたけど、Pさんって確か……」

P「ん。再就職したな。SGプロってところの事務員をやってるよ」

雪歩「あ、またプロデューサーをしてるんじゃないんですか?」

P「いや、してないよ。なんかやる気が起きなくてなー」

雪歩「……まあ、あんな解散の仕方をした手前、燃え尽き症候群になるのは仕方ないことだと思いますけど」

P「でもまあ、ある程度は克服できたさ。おかげで職にもありつけたことだし」

雪歩「伊織ちゃんの誘いを蹴って、ですね?」

P「……なあ雪歩、なんかお前性格悪くなってないか?」

雪歩「そんなことないですぅ。ひんそーでちんちくりんな部分は昔から変わりませんよーだ」

P「……そうか?随分変わったと思うけどなぁ」




P「……まあ、いいか。ところで雪歩、一つ朗報があるぞ」

雪歩「……? なんですか?」

P「千早がな、近々アメリカから帰ってくるらしいぞ」

雪歩「……! 本当ですか!?」

P「おう。雪歩からメールが来るまで千早とずっと電話してたからな。確かな情報だぞ?」

雪歩「わぁ……! もしかしたら、またみんなで集まれるかもしれないですね!」

P「そうだな。響は沖縄から呼べばいいし。いや、逆に響のところに行って沖縄で騒ぐってのもありだな」

雪歩「それでそれで、いつなんですか!?千早ちゃんが帰ってくるの!」

P「まだ具体的には決まってないらしいが……一か月ぐらいで帰ってくるらしいぞ?」

雪歩「じゃ、じゃあ、みんなで空港でお出迎えしましょう!」

P「いや、出迎えは俺一人で行くよ」

雪歩「? どうしてですか?」

P「ちょっといろいろ約束しちまってな。レディーとの約束は守らなきゃいかんだろう?」




雪歩「それは……かまわないですけど。じゃあ、みんなには内緒でサプライズみたいな感じにしちゃいます?

雪歩「久しぶりに集まったら千早ちゃんがどーん……みたいな?」


P「どーんて……。あ、そうだ雪歩」

雪歩「今度はなんでしょう?」

P「料理、大丈夫なのか?」

雪歩「…………あぁ!」


――――――

――――

――


P「おーい、大丈夫だったかー?」


ヒーン、オサカナガコゲチャッテマスー!


P「飯は作り直し、か。雪歩ー、穴掘ろうとするなよー!」


ワ、ワカッテマスヨー!


P「……雪歩のことだから、きっと料理も丹精込めて作り直しててくれるんだろうなぁ

P「んで、結局飯にありつける時間は遅れる、と1時間そこらで済めばいいけど……」



P「……あー、腹減ったよちくしょう……」




雪歩編・了

雪歩編おしまい。やっぱりアイマス勢の中で一番好きな子だと筆も進みますねー。
さて、ここからは再安価です。

ここからは安価で分岐。どれか一つだけやるわけではなく、やる順番が変わるだけだと思ってください。


√1:今いるSGメンバーでのぐだぐだ会話。主にPとちひろの会話がメインとなります。

√4:新生765プロ×SGプロの絡み。飲み会(お酒は無し)のパーティになるかも。
  ※765側から参加させられるのは今まででPと会話した人のみです。

安価は>>250にでも。ではでは。

1

見てる人いたのか。たまげたなぁ。

>>250より、次はPとちひろの会話をメインにしたのを書きます。順次投下。


―――平日、AM8:30、SGプロ



ちひろ「おはようございます……あら」

P「うん?あー、千川さんか。おはよう」

ちひろ「おはようございます。珍しいですね、事務所に来るのは私が基本的に一番乗りなんですけど」

P「いや、今日は俺が来たときはもう鍵は開いてたよ。社長でも先に来たんじゃないかな」

ちひろ「……一応聞きますけど、社長はどこに?」

P「……ホワイトボード見てみ」



【スカウトに行ってくるから留守は頼むよキミタチィ】



ちひろ「……はぁ」

P(まあ、ため息吐きたくなる気持ちは分からんでもないがなぁ。765の時でもこんなのいつものことだったし、俺は慣れたが)




ちひろ「まったく……。社長は本当にこればっかりなんですから」

ちひろ「事務は全部私とモバPさんに押し付けて。自分はのうのうと街中を散歩ですからねぇ。いい御身分じゃないですか」

P「そう腐りなさんなよ。事務だって俺が来てから随分と楽になったろうに」

ちひろ「ええ、そりゃあもう。あなたがやり過ぎて私の分がいつの間にかなくなってるぐらいには」

P「5:5で事務の仕事は分けようって言ったのになぁ。結局8:2ぐらいで落ち着いてしまってるよな。ちょっとたるんでるんじゃあないか?」

ちひろ「……あなたが有能過ぎるだけですよ。凡人の私と一緒にしないでください」

P「……凡人、ねぇ?」




ちひろ「……なんですか。その含みのある言い方は」

P「いや、別に?君に泣かされた人たちが数多存在するっていう情報が俺の下に届いててね」

ちひろ「……根拠も何もない、うわさの範疇を出ない出鱈目ですねぇ」

P「いやいやいやいや、これがなかなか信憑性があってなぁ。信頼できる筋からの情報なのよ」

ちひろ「へぇ」

P「しかも一部の界隈では、『鬼や悪魔を超越する外道』って呼ばれてるらしいぞ?」

P「『鬼!悪魔!ちひろ!』って言ったら『ちひろは言いすぎだろ……』って返される程度に。裏で何やってるんだよ君?」

ちひろ「……さて。なんでしょうね」


ちひろ「あ、Pさん、できればその情報を教えてくれた人のこと、すこーし教えてくれればうれしいんですけど」ニッコリ

P「俺は出来るだけ知り合いには死んでほしくないからなぁ。黙秘権を行使させてもらおうか」

ちひろ「そうですか。残念です」

P(………このニッコリの裏で、一体何人の人たちが葬られてきたんだろうか)




P「ま、茶でも入れるよ。さっさと自分の席に座りたまえ」

ちひろ「そうさせてもらいますね」ニッコリ

P(その笑みが怖い)




モバP「……すいません!遅れました!」


ちひろ「あら、モバPさん。まだ9時10分前ですよ?時計見間違えたんじゃありません?」

モバP「え?うわ、本当だ……。目覚まし時計、時間ずれてるのかなぁ……」


P「お茶を入れて来ましたよーっと……お、モバP君か」

モバP「っは!?Pさん!おはようございますッ!」


ちひろ(うわ、扱いの差が顕著。これはひどい)


P「そう硬くならなくてもいいのに」

モバP「いえいえッ!大先輩に向かってそんなことなどできませんッ!」

P(うわ、なにこの面倒くさい子。これはひどい)



モバP「では!私は営業に行ってまいります!」

ちひろ「いってらっしゃーい」

P「気をつけろよー」

モバP「はいッ!気をつけて行ってまいりますッ!ではッ!」


――――――

――――

――


ちひろ「行っちゃいましたねー」

P「本当、元気な子だよなぁ。あれが若さか……」

ちひろ「それだけじゃないと思いますけどね。いやーしかし、アラサーの人が言うとその言葉はしっくりきますねぇ」

P「俺はまだ30だいじゃないって言ってるだろ……」




ちひろ「ぶっちゃけ、どうなんですか?」

P「何が?」

ちひろ「モバPさんみたいな人」

P「……面倒くさい、かなぁ」

ちひろ「うわぁひどい。向こうは本当に尊敬してるのにそれは無いと思いますよー?」

P「いや、あれは社会人としては満点だと思うんだ。年上を敬って、敬語使って。ただなー……」

ちひろ「ただ?」

P「なんだろ、感覚が狂ってるのかな。ずっと765プロにいたから、なんかああいうのが変に感じるんだよ」

ちひろ「へえ、どういうことでしょう?」

P「765プロって、社長が……言っちゃああれだけど、あんなんだったから」

ちひろ「……ええ、よく分かります。痛いほど分かりますとも」

P「だから、なんというか……すごい、社内がアットホームな感じだったんだよ」




ちひろ「ほうほう、それでそれで?」

P「んだから、俺も……そりゃあ敬語は使うべき人には使ってたけど、事務所の人たちの仲がすごく良かったから、すごく仕事しやすいのは確かだったな」

ちひろ「理想の職場じゃないですか」

P「おう。仕事がないオフの日でも、時間を潰すために事務所に来てたやつとかもいたしな」

ちひろ「それは相当ですね。仲が悪い子とかはいなかったんですか?」

P「それは知らない。顔はニコニコ笑ってても裏では何思ってるか分からない人だっているしな」

ちひろ「それは怖いですねぇ」

P「あれ、おかしいな。皮肉が通じないぞ」

ちひろ「なにか?」ニッコリ

P「いや、なにも」




P「……まあとにかく、あんなガッチガチの敬語とか年功序列な態度には慣れてないってことだ。社会人としては失格なんだろうがな」



ちひろ「へえー……。あ、そろそろ誰か来るんじゃないでしょうかね」

P「まだあの子らは下積みの時代だからレッスンばかりだものな……。今の時代、下手な実力でデビューしても潰されるだけだし」


P(そういや、モバP君ってどこに営業に行ってるんだろ。名前覚えてきてもらうためにひたすら這いずり回ってるんだろうか)


ちひろ「そうですねぇ。かつて辣腕を振るった元765プロの30手前プロデューサーから見て、うちの子たちはどんな感じでしょう?」

P「……いちいち言葉に棘があるな。まあいい」

P「まだまだ粗い部分はあるが、十分トップアイドルになる素質を持ってるやつらだとは思う」

P「……この点、社長のスカウト能力はさすがだな。渋谷さんらを引っ張ってきたあのチョイスはやっぱり侮れん」

ちひろ「遠まわしに、小梅ちゃんをスカウトした自分も有能ですよーって自慢してます?」

P「ねぇ、なんで君そんなに突っかかってくるの?」




ちひろ「気のせいですよ。さ、続きをどうぞ?」

P「続きって言ってもな……。まあモバP君の従妹?の杏だって、だるいだるい言いながらもやらせたらなかなかやるしな」

ちひろ「あら、そうなんですか?」

P「素のポテンシャルでは他の奴らより一つ抜きん出てるな。あのルックスで17歳ってのもまた武器の一つだ」

ちひろ「でも、なかなかあの子を動かすのって……」

P「大変だと思うでしょう?でも、ああいうやつに限って働かせるのって簡単なんだよなこれが」

ちひろ「へえ、そうなんですか? 何かコツでも?」




P「こうな、あいつの耳元でつぶやいてやるんだよ」

ちひろ「はあ」

P「もしお前がデビューして、CDがオリコン一位でもとったら、印税がガッポガッポ入ってきて、一生働かなくて済むぞー……ってな」

ちひろ「うわぁ。で、杏ちゃんそれにどんな反応したんですか?」


杏『な、なんだって!? P様、詳しく話を聞かせていただけないでしょうか!?』


P「だってさ。あっさり釣られてやがる」

ちひろ「……本当に簡単なんですねぇ」


P「ああ。後、あいつを懐柔するのに使うのは……これだな」ガサガサ

ちひろ「これ……飴、ですか?」




P「そう。飴。特に金の使い道も無いからな。やたらと高いもの買ってるよ」

ちひろ「入ってる袋からしてなんかものすごく豪華そうなんですけど……これいくらです?」

P「50個入りで10000円だから、実際は一個200円かな。価値的には」

ちひろ「阿呆みたいに高いですね……。で、これをどうするんですか?大体わかりますけど」

P「まあ予想通りだろが、『これやるから頑張れ』って言ってこれをやるんだ」

ちひろ「そしたら?」

P「びっくりするぐらい真面目に働いてくれる」


ちひろ「……分かりやすいですねー」

P「だろ?」




ちひろ「まあ、大体わかりましたよ。いかに杏ちゃんが扱いやすいのか」

P「ま、よっぽどのことが無い限り、この飴はやらんがな。しかも………」


ガチャ


杏「どもー。Pいるー?」

P「噂をすればなんとやら、か。いるぞー。後年上には敬語つかえー」

杏「だーるーいー」

P「ならいいやー」


ちひろ「杏ちゃん、今日はレッスンも何もない日だったと思うけど……どうしたの?忘れ物?」

杏「ん?ああいや、家にいてもどうせ高校には行かんし親がうるさいからこっちに来て駄弁ってようかなって」

ちひろ「……へぇ」




P「な?社長がゆるいとこんな感じになるだろ?」

ちひろ「なるほど……当事務所ではアットホームな、たまの休日でも来たくなるような、そんな事務所を目指してます……って感じですか?」

杏「なにそれブラック企業臭い。てかなんの話よ?」

P「気にすんな。大人の話だよ」

ちひろ「そうね。杏ちゃんにはまだ早いかも」


杏「子ども扱いするなよー」

P「そういうのは、3サイズ公開できるようになってから言おうな?」

杏「うわああああああああああああああああああああああああああ!」

ちひろ「……ふふっ」




ちひろ(のんびりとしたこの感じ、私も嫌いじゃないですよ。イタズラしたい放題ですし)

ちひろ(まあ、そんなこんなで)

ちひろ(SGプロは、今日もまた、平和です)



終了です。睡魔は強敵だったよ……。

次は765×Pの会話を一つだけ突っ込んでから、√4、SG×765のお食事会をやりたいと思います。

安価は>>270にでも。好きな765プロのメンバーをレスしてやってくださいまし。

今日の更新はこれで終わりです。お疲れ様でした。

真美

>>270より、次は真美で行かせてもらいます。

よかった……。亜美真美でまとめてくる人が来たらどうしようかと。

ではでは、ありがとうございました。

※当スレはアイマススレに見せかけた濃厚なモバマススレです。
に見せかけた普通のアイマススレだな

どっちか1本に絞った方がいいんじゃね

>>274
765×Pの会話が終わったらモバマスメインになるはずなんだ(震え声)

ぼちぼち投下していきます。




P(下積みと言う名のレッスンに次ぐレッスンの後に)

P(俺から見る限り、SGプロのみんながアイドルとしてはある程度のレベルまでにはなったと思えるようになった頃、ちょうど日曜日)

P(不意に、真美が俺の家に直接乗り込んできた。アポなしで)

P(少し説教してやろうかとも思ったが、なんだかんだで真美に会うのも久しぶりだったので)

P(いつも一緒にいるはずの亜美がどうしていないのかを聞いてみるためにも、とりあえず家にあげてみることにした)





P「……んで?何しに来たんだお前?許可も取らずに遊びに来て……」

真美「まあまあいいじゃないか兄ちゃん。一杯やろうぜ?」

P「アホか。まだ昼だろうが。つい最近酒が飲めるようになったからって調子乗るなよ」

真美「えー、けちー」

P「ケチじゃありません。休みの昼間っから酒とか完璧にダメな大人じゃないか……」

真美「あ、ダメな大人で思い出した。兄ちゃんまた働き始めたんだよね」

P「……もうどんどん広がってるのな。まあみんなに言うつもりだったけどさ。誰に聞いたんだ?」

真美「ミキミキ!」




P「……んで?何しに来たんだお前?許可も取らずに遊びに来て……」

真美「まあまあいいじゃないか兄ちゃん。一杯やろうぜ?」

P「アホか。まだ昼だろうが。つい最近酒が飲めるようになったからって調子乗るなよ」

真美「えー、けちー」

P「ケチじゃありません。休みの昼間っから酒とか完璧にダメな大人じゃないか……」

真美「あ、ダメな大人で思い出した。兄ちゃんまた働き始めたんだよね」

P「……もうどんどん広がってるのな。まあみんなに言うつもりだったけどさ。誰に聞いたんだ?」

真美「ミキミキ!」

P「……美希か。よく喋るなぁ、あいつも」




真美「んっふっふー。兄ちゃん、ミキミキにハニーって呼ばせてるそうじゃないかー。お主もたらしよのぉ」

P「はあ? 誤解を招くようなことを言うんじゃない。まるで俺が美希にそう呼ばせてるみたいじゃないか」

真美「えーノリ悪いよ兄ちゃーん。そこは照れるとこっしょー?」

P「そんな柄じゃないだろうに。というか真美さん?」

真美「ん?どしたの兄ちゃん?」

P「お前、アイドル時代は『ー』の部分は『→』だったろ」

真美「え? ……あ、これ→?」

P「そうそうそれそれ。それなんで使わなくなったんだ?」



真美「……二十歳にもなってこれ使うのってどうなの、って亜美が言ったからー……」

P「ああ、そう……」




P「それじゃあもう一つ質問」

真美「おう!何でも来なせぇとっつぁん!」


P「……亜美は今日はどうした?いないのか?」

真美「ああ、亜美はね、というよりは私たちはね」

P「うん」

真美「友達に合コン紛いの事に誘われてたんだけど」

P「うん」


真美「……亜美に押し付けて、逃げてきた!」

P「おいおい……。いいのかそれ?亜美怒ってるぞ多分」

真美「だいじょーぶだって!昼からボウリングかなんかに行ってそのまま飲み会のノリで合コンするらしいから!」

P「何が大丈夫なのか俺にはまったく理解できないんだが」




真美「だからさ! きっと向こうも楽しんでるって! だいじょーぶだって!」

P「……そうだといいんだが」


P(真美が帰ったら亜美に真美がうちに来たこと言ってやろう)


アナタサマー

P「んー?どうしたー?」

ラァメンガ、ワタシヲヨンデオリマスー

P「幻聴だから気にすんなー。強く生きろー」

メンヨウナッ!


真美「……あれ? 今の、お姫ちん? 行方不明じゃなかったっけ?」

P「無一文になってうちに転がり込んで来た。いわゆる居候だな」

真美「なんと!?うらやまけしからん!」

P「何が羨ましいんだ何が。まあ、お前が来るから俺の部屋に入れといたんだが……。どうする、呼ぶか?」

真美「……いや、別にいいや。私も聞きたいことあるし」




P「ほう。真美が俺に聞きたいこととな」

真美「うむうむ。そうなのだよ。で、何が聞きたいのかというとだね……」

P「なんだ?」



真美「正直言って、今の職場、どうよ?」

P「どうって、何がだ?」

真美「何がだって、アイドルの子が可愛いかどうか聞いてるんだよ?」

P「……お前なぁ」

真美「兄ちゃんのことだから、どーせまた女の子を誑し込んでるんだなって思うとわたしゃあ耐えられなくて……よよよ」

P「何言ってるんだお前は。こんな30手前のおっさんを誰が好きになるんだよ」

真美「兄ちゃんこそ何言ってるんだよー。今時はおじさんの方がタイプって子も多いんだから」

P「自分より年上だったら自分よりはやくくたばって財産使い放題だからか?」

真美「濁ってる! 発想が濁ってるよ兄ちゃん!」




P「いやでも、実際そんなもんじゃないのか?」

真美「そんな裏側事情とかはいいからー!」

真美「……ほらほら! 兄ちゃんのことだから所属してる候補生の写真とかあるんでしょ! 出しなさい!」

P「へーへー。忙しないなあもう」

P「……ええっと。確か携帯に……。お、あったあった」

真美「見せてっ!」

P「あ、おい。勝手に見るなよ……」

真美「む! むむむむむ…………」

P「? なんか変なのでも写ってたか?」


真美「この子……でかい!」

P「……ああ。諸星さんね。あの子はでかいわ」




真美「写真越しでも感じる威圧感……!こやつ、何者っ!?」

P「まあこいつ、俺よりでかいしなぁ。俺178だし」

真美「え゛。この諸星って子、兄ちゃんより高いの?」

P「天ヶ瀬冬馬より高いはずだぞ。182とかなんとか」

真美「ほえー……」

P「あ、そう言えばレッスンしてたらレッスン期間中にまだ身長伸びてたって杏が言ってたな。今は184だそうだ」

真美「レッスン期間中と言う短時間の間に何があったの兄ちゃん!?」

P「俺が知るか。他のアイドルに聞け」




真美「じゃあじゃあ、この小さい子は?いわゆるロリってやつ?」

P「ロリ……?ああ、杏のことか」

真美「杏ちゃんって言うの?可愛いじゃんこの子!写真撮られてる時に臆面もなく欠伸するところが特に!」

P「……こいつ、そんなたいそうなやつじゃあないんだがなぁ」

真美「うーん……あだ名は何にしようか……。」

P「考えなくて大丈夫だから。というか、そいつ17歳だ。ロリじゃないぞ、精神的にはな」


真美「………え?」

P「ん?」

真美「……ごめん兄ちゃん。私ちょっと耳が遠くなってたみたい。もう一回言って?」

P「いやだから、そいつ17歳だぞ」

真美「」




真美「え、は、ま、こ、これ」

P「落ち着け真美。柄にもなく慌てるなよ」

真美「だ、だっ、だってこれ」

P「まあ気持ちは分からんでもないがな?非常に残念ながらこの子高校生だから。学校行ってないらしいけど」

真美「」

P「しかも学校行ってなくてもテストの点数取れるんだってよ。腹立つよなーこういう子見てるとー」

真美「」


P「……真美さん?どうかなさいました?」

真美「……たい」

P「?」

真美「会いたい!」

P「!?」




真美「いいないいないいなー!私もこの子たちとあーいーたーいー!」

P「お前はなにを言っているんだ」

真美「だってさ!私たちの大学の周りなんか美人女医目指して頑張ってる子なんてほとんどいないんだよ!メガネのがり勉君ばっかり!」

真美「それなのに兄ちゃんときたら……。何年もニートを経験しながら再び美少女の集う職に就けるなど!許せん!」

P「知るかよ。医大に行ったお前らが悪いんだろ」

真美「これは運命の仕業か!?それともゴルゴムの仕業か!? どちらにしろ……」

P「ゆ゛る゛さ゛ん゛……てか?やかましいわ」

真美「いーじゃん別にー!兄ちゃんいっつもおいしい思いしてるんでしょー!?よりどりみどりなんでしょー!?入れ食い状態なんでしょー!?」

P「やかましい。つーか元アイドルの言いぐさかよそれ……」




真美「とにかく!真美この個性的な子……特に杏ちゃんと会いたいんだよ!」

P「知らんがな」

真美「会わせてくれるまで、真美ここを動かないんだからね!」

P「マジか。それは困ったな……」



P「……そうだ。いいこと思いついた」

真美「おおっ!? 兄ちゃん765プロのころのイタズラ思いついたときの顔してるよ!? 何かティンときた!?」

P「ああ、ティンときたティンときた。また近いうちに連絡するから、今日はお前もう帰れ。晩飯の支度もあるから」

真美「えー! 私、兄ちゃんのごはん食べたかったのにー!」


P「……帰らないと、亜美に真美がここに来たって連絡入れるぞ」

真美「今日のところは退散させていただきます、P殿」

P「よろしい。さすれば、帰り道は向こうだ。気をつけて帰られよ」

真美「ははーっ! 失礼いたす! ではさらば!」





P「……やれやれ。相変わらずテンション高いなぁあいつは。ノリを捌くのが大変だ」


P「そう言えば一人称変えたのいつだっけ。随分昔だった気がするけど」


P「……ま、いいか。さて、いけそうなやつから声かけていこうかね………」




真美編・了

真美編終了です。

そしてこれ書いてる途中に気付いたけど、雪歩ガッツリ一人暮らしじゃないですか。貴音預けられるじゃないですかやだー。

今日はこれで終了です。
次回は、765プロ(今まで登場した人、ただし千早を除く。ごめんよ……)×SGプロの飲み会です。ノンアルコールですよ。

では、お疲れ様でした。

諸事情で遅れました。すいません。

SGプロ×新生765プロメンバー、ぼちぼち投下していきます。



P「……さて、一応千早以外全員に声をかけてみたはいいものの」

P「集まりはそれほどよくはなかったな。いや、多すぎても入れる食事処がないか」


伊織「そうねぇ……。向こうは引率も入れて7人だっけ?こっちも同じだし、妥当じゃない?」

響「貴音。一応言っとくけど、今日食べに行くところはラーメンないからな?」

貴音「あなた様、響が何か嘘を申しておるようです。叱責の方を……」

美希「ミキ、現実逃避は良くないって思うな。懐石料理にラーメンが出るはずないの」

雪歩「美希ちゃん、目が輝いてる……。そっか。焼きおにぎりがメニューにあるんだよね、今日行くところ」

真美「兄ちゃんのおごりでね! ごちそうさまでーす!」




伊織「しかしまあ、元765プロの半分が揃ったってなかなか無かったわよね」

美希「ミキは、春香やとか真くんとは会ってるけどね。雪歩たちと会うのは久しぶりかなーって」

雪歩「そうだね。私、765プロが解散してからは真ちゃん以外とはあんまり会ってなかったし……」

響「自分や貴音なんて、ここに戻ってくるのも久しぶりなんだぞー」

貴音「真、面妖なことですね。こうして皆が再び会うことができるなど」

真美「やっぱり765のみんなは絆で繋がってるんだZE-」

伊織「……案外、そうかもしれないから怖いわ」


P「はいはい、感傷に浸ってないでさっさと行くぞ。こっちは待たせてる身なんだからな」

P「それと……お前ら、俺が頼んだこと忘れてないよな?」

伊織「当たり前じゃない」
雪歩「だ、大丈夫ですぅ」
美希「もちろんなの!」
響「当然だぞ!」
真美「問題ないって!」


貴音「…………?」

P「おい」




――――――

――――

――


凛「おじさん、遅いね」

未央「いーじゃんいーじゃん。今日はPさんの奢りなんだし!」

卯月「懐石料理、なんですよね……。私、頑張って食べます!頑張ります!」

小梅「こ、こっちからも呼ぶ人がいる、って、Pさんは、い、言ってたけど……」

杏「誰なんだろうね。想像つかないや。もしかしたら、すっごいえらい人だったりしてね」

モバP「いや、それは考えられんだろう……。にしても、Pさん遅いな。そろそろか?」


オ、イタイタ。オーイ!


きらり「にょわー! Pちゃんだにぃ!」

モバP「あ、そっちからか。はーい、Pさん、こっち……です……?」




P「ふう、ここにいたか。探したぞ」

美希「あ、この子たちがハn……Pさんのところの候補生なの?」

雪歩「わぁ……みんなかわいい……」

貴音「らぁめん……」

響「貴音ー、帰ってこーい。もうついたぞー?」

伊織「ったく……。あなたたちがSGプロ? へぇ、悪くないじゃない」

真美「杏ちゃん! 杏ちゃんはどこだっ!?」



モバP「」

凛「」

未央「」

卯月「」

杏「ん?この人たち誰?」

小梅「な、765の人たち……だと思う」

きらり「にょわー! みんなきれいだにぃ!」



――――――

――――

――


モバP「……ん、んん……?」

美希「あ、目覚めた?」


モバP(あれ……? なんで俺こんなところで寝てたんだろ?)

モバP(確か……「ちょっと喝入れてもらうからみんな連れてこい。腹空かせとけよ」ってPさんからメールが来て)

モバP(不満たらたらの杏とかを何とか説得してみんなをかき集めて)

モバP(集めましたってメール送ったらちひろさんは待機、社長は絶対に呼ぶな、って指示が来て)

モバP(で、待ち合わせの場所で待ってたらあの星井美希とかの新旧765プロのアイドルが勢ぞろいしてて)

モバ(…………ん?)

モバP(『新旧765プロのアイドルが勢ぞろいしてて』――――っ!?)




モバP「……はっ!?」

美希「わわっ、びっくりしたの。いきなりどうしたの? 大丈夫?」

モバP「え、いやあの、はい、大丈夫です……」


モバP(変装こそすれ、今俺の前にいる人、『あの』星井美希だ。間違いない。伊達に765プロのファンをやってなかった)

モバP(……いや、なんで星井美希が俺の目の前にいるんだ!? まったく状況が読めないぞ!? 三行でいいから今の状況の説明を……)


美希「ねぇ、あなた本当に大丈夫? 美希の顔に何かついてる?」

モバP「あ、いえ、大丈夫です……」

美希「ならいいの。ハニー! そこの人が目覚ましたよー!」


モバP(……ハニー?)

ながら更新になって申し訳ありませんが、飯買ってくるからしばし更新が(ry

今日はぼっち飯なのです。

>>1にはおれらがいるっしょ?

仲間だもんげ!

>>315-317に泣いた。濡れた!抱いて!俺男だけど。

ぼちぼち再開。ホットミルクにメープルシロップ入れたのwithプリンを楽しみながら、まったり書かせていただきます。




P「こるぁ美希。ハニーって呼ぶのは765のみんながいるときだけって言っただろ」

美希「大丈夫だと思うな。聞いてたのはそこの人とハニーだけだし」

P「そこの人……?ああ、モバPくんか。いやだから、モバPくんは違うだろ?」

美希「そこも問題ないと思うな。伊達にプロデューサーやってるわけじゃないんだし、きっと口は固いよ」

P「ったく、雪歩といいお前といい、みんながみんなして変に口だけ回るようになりやがって……」

P「……で、すまんね、モバPくん。驚かしてしまって」

モバP「い、いえ……」


モバP「……て、そうじゃなくて!」

P「ん? じゃあなんだ?」

モバP「え、っと……そ、そうですよ! どうして765プロのアイドルたちがここにいるんですかッ!?」




P「どうしてって。そりゃ、俺がみんなを呼んだからなぁ。なんか問題でもあったか?」

モバP「い、いえ! むしろご褒美です! ……昔からファンでしたし」

美希「へえ、そうなの。嬉しいな。特に誰かのファンだ、とかあったりする?」

モバP「……いえ、自分は765プロのアイドル全員が好きでしたから。アルバムとかも、全員のを買ってましたよ」

美希「……もしかして、観賞用とか、保存用とか、布教用とか、分けてたりする?」

モバP「そ、そこまでは! お金があったら、そうしたかもしれないですけど……」



P「……いいか、美希。こういう人たちがいるから、お前らみたいな芸能人とか、俺らみたいな裏方が金を貰えるんだ。感謝しろよ?」

美希「……うん。肝に銘じておくの」

モバP「ちょっと!? どういう意味ですかそれ!?」




P「まあとにかくだ。早く向こうに顔見せに行ってやれ。心配してたぞー? 主に渋谷さんと諸星さんが」

モバP「え、そうなんですか。早く言ってくださいよ……」

P「君がぎゃーぎゃー騒いでたから話すのが遅れたんだろ? やっぱり美希に様子見るように頼んだのは失敗だったか……」

美希「酷いのハニー! 美希、普通に起きたのを確認してからハニーを呼んだだけなの! なんなのなの!」

P「なんなのなのってなんなのなの」

モバP「……はあ、じゃあ自分はこれで……」


モバP「……ん? ハニー?」

P「……あ。そう言えば聞かれてたんだった」




モバP「え……ハニー……?あの星井美希がPさんのことをハニー……?アイドルの……星井美希が……え……?」

P「あー……。えっとな、モバPくん。こいつは俺のことをハニーと呼んでいるが別にそんなやましい関係ではなくてだな……」

美希「ミキはハニーと将来を約束した仲なの!」

モバP「しょ、将来を……!?」

P「やめろ! もうお前喋るな! 余計に話がややこしくなるだろ!」

美希「酷いのハニー! あの熱い夜のことは冗談だったの……よよよ」

モバP「あ、あの熱い夜……!?」

P「やめろって! モバPくんの目が虚ろになってきてるから!」

美希「そんな言い方ないの! あの夜はあんなに激しくしてくれたのに……」

モバP「は、激しくぅ……!?」

P「お前それうちでスマブラやった時の話なんだな!? 俺が狐使って美希の事ぼこぼこにして半泣きにしたあれなんだな!? そうなんだな!?」



モバP「」

P「モバPくん、これは違うんだって。弁解を……」

モバP「」

P「……モバPくん?」

モバP「」

P「……おい、モバPくん!? 大変美希!モバPくんが息してない!」

美希「それは大変なの! メディーック!メディーックなのー!」




メディーック!

メディックナノー!


杏「……はあ、向こうは向こうで何やってるんだか」

真美「いいじゃん別にー。向こうは向こうで楽しんでるんでしょー?」

杏「いやいや、それはいいんだけどね」



杏「……私はなぜ、双海さんに抱きかかえられてるんでしょう?」

真美「いーじゃんいーじゃん、減るもんじゃないんだしー」

杏「まあ別にいいですけど……ご飯食べれないし」

真美「私が食べさせてあげよう! ほい、あーん」

杏「子供扱いするなー。私はもう17歳だぞー」




真美「だいじょーぶだって! 全然17歳に見えないから!」

杏「いや、それは全然大丈夫じゃなくてですね……」

杏「……もういいや、めんどくさいし。この方が楽だし」

真美「そーそー。流れに身を任せればいいんだよ。ほら、あーん!」

杏「あーん」


真美(あー……可愛い。今ならいおりんや兄ちゃんがやよいっちのこと愛でてた気持ちが分かる気がするよー……!)




――――――

――――

――


卯月「わ、わた、わたたたしはそそそそそその」

雪歩「あ、落ち着いてね? 深呼吸、深呼吸……」

卯月「は、はひぃ! 深呼吸、がんばりりrまっす!」

雪歩「う、うん……」


卯月「すぅー……はぁー……」

雪歩「どう? 落ち着いたかな?」

卯月「はっ、はいぃ! わ、わたたしししし島村卯月でっす! ががが頑張ります!」

雪歩「あ、あはは……」




雪歩「え、えっと。そっちは……未央ちゃんでいいのかな?」

未央「は、はいぃ! ほ、本田未央ですっ!」

雪歩「あ、あのね……」

未央「私、こんな機会に巡り会えたことに感謝してます!アイドルの目標となってる765プロの方に名前を覚えてもらったことを誇りに思います!えと、ええっと、それから、それから……」

雪歩「あ、あははは……」


雪歩(……うーん)

雪歩(卯月ちゃんは顔が真っ赤になった時の春香ちゃんみたいになっちゃうし、未央ちゃんは喋りだしたら止まらなくなるし……)

雪歩(どうしましょうプロデューサー、このままじゃお話できないですぅ……)


――

――――

――――――




小梅「そ、それじゃあ、ひ、響さんも、Pさんのお、おかげで、トップアイドルに?」

響「うーん、まあそうなるなー。自分と……」


貴音「はふはふもくもくもしゃもしゃもっちもっちはぐはぐ」


響「……そこで馬鹿食いしてる貴音は、961プロってとこからの移籍だったんだけどね」

凛「知ってます。今の三つ巴の一角で、何でも経済力は一番とかなんとか……」

響「うーん……。まあそうなんだけど、一度あそこにいた自分としてはあんまりあそこはオススメできないなぁ」

凛「そうなんですか。何か、理由が?」




響「あそこ、リアルに実力主義だからなぁ。力が無かったら即座に切られるんだ」

凛「……それだけ聞いてれば、なんだか普通の企業なような気がしますけど」

響「いやいや、事務の人は普通の企業と一緒かもしれないけど、自分たちアイドルからしたらなかなか厳しいんだぞ?」

響「なんたって、961にはプロデューサーっていうのが存在しなかったからなー」

響「自分で営業行って、自分で仕事とってきて、自分でスケジュール組んで」

響「んで、トレーナーさんと相談して自分たちでレッスンして、自分たちでコンサート会場とか決めて、予約して」

響「自分たちでセットの指示もお願いして、自分たちで結果を残す」

小梅「た、大変そう……」


響「……やりがいはあるだろうけど、自分は沖縄から上京してすぐそれだったからなー」

響「つらかったけど、なんとかやっていけてたんだ。でもまあ、自分も貴音も、普通に765プロにフェスで負けてな」

響「それからは、即、クビさー」

凛「……たった一回の失敗でですか!?」

響「『敗者は我がプロダクションにはいらん!』、らしいぞ。まあ、小鳥……765プロの元事務員と結婚してからは、めっきり大人しくなったらしいけどな」




響「今思えば、とんだブラック企業だったな、961プロ。よく自分もやっていけてたさー」

小梅「そ、それで、765プロに……?」

響「うん、プロデューサーが拾ってくれたんだぞ。路頭に迷うところだったから、ありがたかったさー」

凛「……大変、だったんですね」

響「今となってはいい思い出だぞ。沖縄で働いてても全く面白くないさー」

響「でもまあ、久しぶりにみんなに会えてよかったぞ。凛や小梅とも知り合えたしな!」

小梅「わ、わたしも……う、嬉しいです……」

凛「私もです」

響「うんうん。初心を忘れるべからず、さー。今のレッスン時代を忘れなかったら、凛たちもきっとトップアイドルになれるぞ!」

響「自分は、応援してるからな!」




凛「ありがとう、ございます……!」

小梅「が、頑張ります……」


響「あはは、自分はもうアイドルじゃないから大きな口は聞けないけど……」

貴音「はふはふもぐもぐんくんく」

響「プロデューサーも認めてるモバPさんならきっとみんなもトップアイドルに……」

貴音「んぐんぐぱくぱくしゃきしゃきばりばり」

響「してくれると……」

貴音「むしゃむしゃぺりぺりぽりぽり」

響「……思う、から……」

貴音「くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ」


凛「……うわ」

響「……ああもう台無しさ! 貴音!凛が本気で引いてるから早く戻ってくるさ!」

貴音「あ、店員様。申し訳ありません、ここからここのめにゅうを全部……」

響「……人の話は聞くさぁああああああああああああああ!」


――

――――

――――――




――――――

――――

――


きらり「にょわ? 伊織ちゃんもみんなも、きらりたちのために来てくれたのー?」

伊織「ええ。あいつ……あなたのところの事務員に頼まれてね?」

伊織「『せっかくだし、うちのアイドルに激励の一言でも入れてやってくれないか? みんなもやる気が出ると思うんだ』」

伊織「……ですって。まったく、あいつときたら……」



きらり「じー…………」

伊織「………………」

きらり「じー…………」

伊織「……なによ?」

きらり「伊織ちゃん、Pちゃんのモノマネすっごく上手だったの」

伊織「……それが?」

きらり「口では嫌がってるけど、口元はにやけてるにぃ。Pちゃんの事考えると、はぴはぴすぅ?」

伊織「っ!?」




伊織「な、なにを……!」

きらり「うきゃー!伊織ちゃん顔まっかっかだにぃ☆これがPちゃんの言ってたつんでれってやつかにぃ?」

伊織「……あんの馬鹿、余計なことを余計な子に……!」

きらり「うきゃー!伊織ちゃん、照れてるにぃ!照れてるにぃ!」

伊織「うわわっ!? ちょ、ちょっと!抱きかかえないでよ! あんた無駄に背が高いんだから!」

きらり「う? Pちゃんが言ってたにぃ?」

伊織「な……何をよ?」



P『……いいか、諸星さん』

P『もし、もし君が水瀬伊織に会うとしたらだ』

P『君は常に思ったことをどーんと口に出すから、多分それで伊織の顔が真っ赤になる時があると思う』

P『そうしたら、抱きかかえてやれ。何、君よりは年上だけど、伊織は小さいから大丈夫だ』

P『……いや、諸星さんが大きすぎるってわけじゃなくてな?そうじゃないんだ』

P『んで、そしたらもっと顔が赤くなると思うんだ。それこそ、林檎みたいに』

P『そこでやめるな?妥協するなよ? ほめちぎれ。ただひたすらにほめちぎれ。沈黙するまで褒め続けろ』

P『始めの方は抵抗するだろうけど、そのうち大人しくなるさ』

P『そしてその時に初めて、このカメラでその伊織の姿を撮るんだ』

P『……うん? 罪悪感? 伊織ちゃんに悪い気がする?』

P『…………』

P『構わん。やれ』



きらり「って、Pちゃんが」

伊織「………………」



――

――――

――――――


キーッ!アイツオボエテナサイヨー!

ウキャー!イオリチャンオコッタニィー!


真美「おーおー、向こうは派手にやってるねぃ」

雪歩「そう、だね。プロデューサーが何かしたんだろうけど……何したのかな?」

杏「ろくなことじゃないと思うけどなぁ」


凛「……杏、どこに座ってるの?」

杏「ん? 双海さんの膝の上だよ?」

小梅「す、すごくリラックスしてます……」

杏「あんまり気にしたら負けだよ。流れに乗れるものには乗っとかないとね」

真美「そーそー、楽するのが一番……。あー、かーわーいーいー!」ギュー

杏「だーきーつーくーなー」


雪歩(……かわいい)

凛(……和むなぁ、なんか)




凛「あ、そう言えば、おじさん……Pさんのことで聞きたいことが」

真美「おお? しぶりん早くも兄ちゃんにお熱ー? いいぜベイベー、なんでも聞きな!」

凛「いや、そうじゃなくて……。Pさんの、人の呼び方についてなんですけど」

真美「ふむふむ」

凛「私や未央、卯月とかきらりは名字にさんをつけて呼ぶのに、小梅や杏は呼び捨てなんですよ」

小梅「そ、そう言えば……そう、です」

凛「何か、意味があるのかな、と思いまして。どうなんでしょう?」

雪歩「うーん……。真美ちゃん、これ喋っていいと思う?」

真美「いーんじゃない? 酒の勢いってことでごーごー!」

杏「ごーごー……」

雪歩「いや、私たちお酒飲んでないからね……?」




雪歩「じゃあ、もう言っちゃおうか」

凛「お願いします」


雪歩「えっとね。プロデューサーは、基本的に誰でも名字にさんをつけて呼んでるんだよ。私たちも最初からそうだったし」

小梅「そ、そうなんですか……?」

真美「おうともよ。私たちなんて双海姉と双海妹だからね。まいっちゃったよ」

凛「……でも、765プロの人たちを呼ぶときも基本的に呼び捨てじゃないですか? その……小鳥さん?以外は」

雪歩「小鳥さんだけじゃなくてあずささんもそうなんだけどね。えっとね、Pさんが人を呼び捨てにするときは……」




真美「一つ目は、まずやっぱり信用できる人だね」

雪歩「私たちみたいな人はそれにあたるみたい。でも、下の名前で呼んでくれたのって初めて会ってからだいぶ経ってたような……」

真美「だよねー? やよいっち以外は一年以上経ってからじゃなかったかなー?」


凛「やよいっち……高槻さんの場合は、どうだったんですか?」

雪歩「それは二つ目だね。妹みたいな人、だよ」

真美「小梅ちゃんは間違いなくそれだよねー。あ、でも杏ちゃんもかなー?」ギュー

杏「ふむ、私はPにとって妹っぽく思われてるってことか。どやぁ」

真美「よっ! 双葉杏さんじゅうななさい可愛い!」



雪歩「……うーん、杏ちゃんは残念ながら三つ目なんだよねー……」




真美「え?マジ? いやまあ、分からんでもないけどさぁ……」

杏「んむ? 違うの? 妹っぽいのじゃないの?」

雪歩「うん。違うの」

小梅「じゃ、じゃあ、み、三つ目ってなんなんでしょう……?」


真美「あー……」

雪歩「…………うん」


杏「あ、ちょっと。どうして二人とも目を逸らすのかな?ねぇ?」




響「はいさい……疲れたぞ……」

小梅「あ……ひ、響さん……。ど、どうしましたか……?」

響「貴音を落ち着かせるのに疲れたんだぞ……。今は眠ってるけど」


凛「響さん、少し聞きたいことが」

響「んー? なんだー? 自分でよければなんでも答えるぞー?」

雪歩「あ、駄目……!」

凛「Pさんのことなんですけど、Pさんが人のことを呼び捨てにする基準ってなんですか?」

響「え? えーっと……信頼できる人、弟妹みたいな人」

響「後、名字にさんをつけて呼ぶに値しない人、だっけかな」

杏「」


雪歩「……あー……」

真美「あちゃー…………」

響「?」

さすがに無理です。寝ます。明日の朝にこれはぱぱっと仕上げます。マジですいません……。




杏「ぬ……ぬぬぬぬぬ……」

雪歩「あ、杏ちゃん? あのね……?」

杏「失望したぞ! 自分のことを棚に上げて、ニートの私を侮辱するとは! 許すまじ!」


P「……俺が、なんだって?」

真美「あ、兄ちゃん」

美希「ミキもいるの」

響「いや、それはいいんだけど……。プロデューサー、早めに弁解した方がいいぞ?」

P「何がだ? とりたてて何かした覚えはないんだが……」

杏「よくそんなことが言えたな! このニートの敵め!」


P「……真美の膝の上で手足をバタバタさせながら真剣なことを言われても、いまいち緊張感に欠けるんだが」

杏「まだ話を逸らすのか! この! このこのこのこの!」バタバタバタ

P「真美も離してやれよ……」

真美「やだよ。可愛いもん」





P「んで? 杏はいったいこのニートの敵のどこに怒りを覚えているというんだ?」

凛「おじさんの、呼び捨てにするかどうかの基準を聞いたんだよ。そしたら、だね」


P「……雪歩、真美、お前ら喋ったのか……」

真美「ち、違うよ兄ちゃん! 杏ちゃんが怒る直接の原因はひびきんだよ!」

響「じ、自分は凛の質問に答えただけだぞ! いきなりこんな展開読めるわけないじゃないか!」

雪歩「ま、まあまあ……。それより……」


杏「…………」


凛「この不貞腐れた杏をどう対処するか、だよね」

小梅「ひ、一筋縄ではいかないと思いますけど……」




美希「ほら、ハニー。早く杏を宥めないと」

P「俺? いや、これって俺が悪いのか……?」

凛「杏が怒ってるのはおじさんに対してなんだし、おじさんが悪いんじゃない?」

P「理不尽だな、もう。やるけどさ……」

P「……あれ、そういや、ここにいる人たち以外の人は今どこにいるんだ? モバPくんはもう一回気絶したから放って来たけど」


雪歩「卯月ちゃんと未央ちゃんは……向こうの方に……」

小梅「き、きらりさんと、み、水瀬さんは、向こうの方です……」

――――――

――――

――


卯月「わた、わたわたたたたtくぁwせdrftgyふじこlp」

未央「」


――

――――

――――――

――――

――


伊織「あーもう! あんたいい加減に離しなさい! いつまで私を抱えてぐるぐる回るつもりおおおおおおおお!」

きらり「伊織ちゃんがPちゃんのことどう思ってるのかちゃんと言うまでやるにぃ☆」

伊織「ど、どうって……別に信頼できる人以上の感情は……」

きらり「にょわー! ウソつく伊織ちゃんはお仕置きだにぃ!」


ピタッ


伊織「……ちょ、ちょっと。いきなり止まってどうするつもりよ?」



きらり「……きらりんぱぅわー☆(遠心力)」

伊織「や、やめなさいってば! そんなに勢いよく回したら本当に洒落に……きゃあああああああああああ!?」

きらり「一緒にくるくるすぅ?」

伊織「もうしてるじゃないのよおおおおおおおおおおおおおお!」




P「……カオスだな、どこもかしこも」

響「貴音もまだ食べてるし……。威厳の欠片もありゃしないぞ」


雪歩「ご、ごめんなさい。二人とも、あんまりお話聞いてくれなくて……」

P「……まあ、無理もないか。みんなに会えたことだけでも、結構な収穫になったんじゃないか」

美希「そうに違いないの」

P「焼きおにぎりを8刀流しながら喋らないの。全部食べてから口開きなさい」

美希「ふぁーい」


凛(……あれ? 今一瞬でおにぎりが二個消えたような……)


P「……やれやれ。んじゃ、さっさとあのちっこいのをなだめすかしてきますかね」

小梅「い、いってらっしゃい、Pさん……」

P「小梅は健気だなぁ。行ってきまーす」




P「杏さーん?」

杏「…………」


真美(つーんってしてる杏ちゃん可愛い)


P「……ふう、交渉の余地は無しか」

杏「…………」

P「3個だ」

杏「…………」

P「5個」

杏「…………」

P「10個でどうだ?」

杏「…………っ」


真美(何の話してるか分かんないけどぴくってなる杏ちゃん可愛い)


P「……はあ。お前には負けたよ。一袋」

杏「……うん、仕方ないなぁ。許すよ」

P「そりゃどうも」




P「……ふう。また仕入れなきゃいけないな。高いんだよあれ」

真美「ね、兄ちゃん」

P「ん? どうした真美?」

真美「杏ちゃんもみんなのところに戻ったしさ、聞こえないだろうから言うけど」

真美「さっきの3個とか5個とかって、あれなんなの?」

P「あ、あー。あれね。……まあ、さっきの交渉術を一言でまとめるなら、だ」

真美「うん」


P「飴(一個二百円)で買収」

真美「うわあ」




響「……で、だ」


モバP「」

卯月「」

未央「」

伊織「」


凛「この人たちをどうするか、だよね……」

P「最悪タクシーを呼んでもいいが……。残念ながら、俺は伊織の家しか知らないしなぁ」

凛「卯月と未央の家は分かるから大丈夫だよ」

P「ん。タクシー代は払うわ。真美が」

真美「なんで!?」


小梅「モ、モバPさんは、ど、どうするんでしょうか……?」

雪歩「私たちはモバPさんと今日初めて会いましたし……」

美希「ミキ以外は一言も会話してないけどね」

響「凛は、この人の家知ってるか?」

凛「……ごめんなさい。知らないや」

真美「知ってたら知ってたで問題だけどねー」




P「仕方ない。千川さん頼るか」

美希「もう一人の事務員の人だっけ? すごいの?」

P「さあ? まあ、能力はあると思うけど……。あ、もしもし、千川さん?」

P「ちょっと来てもらえない? モバPくんが息してなくてさ、ちょっと運んでほしいんだが……」

P「……状況が全く理解できない? うん、知ってる。だから早く来いと」

P「あーうん、貸しでもなんでもいいからモバPくんをうちまで送ってやってくれ」

P「…………っと、これでよし」


雪歩「タクシー、呼んでおきました」

P「ナイス雪歩。さて、諸星さん?」

きらり「にょ?」

P「この子たちをここの入口まで運んであげて」

きらり「にょわー! わかったにぃ☆きらりんぱぅわー☆(運搬)」


美希「……す、すごいの。大の大人を片手で持ち上げてるの」

真美「圧倒的ではないか! 諸星のきらりは!」




P「お前らも遊んでないで帰れよー。俺は千川さんが来るまで待ってるから」

美希「ミキも残るの!」

P「お前が一番帰らなきゃいかんだろうが」


響「……うわ。モバPさんたちの分まで全部食べてるよ……」

貴音「止まらなくなってしまいまして……。申し訳ございません」

響「まあいいけどさー。プロデューサーが先に帰ってろって。一緒に帰ろう?」


真美「杏ちゃんまたねー! メールしようねー!」

杏「そりゃあ別に構わないですけど……ふあぁ、ねむ……」

真美「あー、かーわーいーいー! お持ち帰りするー!」

雪歩「ダメだよ」

凛「ダメです」

小梅「だ、だめです……」




真美「けちんぼどもめ。別にいいけどさー。写真も撮ったし、亜美に自慢しよーっと」


雪歩「凛ちゃんも小梅ちゃんも、頑張ってね。大丈夫、きっとなれるよ、トップアイドル」

凛「……はい、頑張ります」

小梅「が、がんばり……ます……」


P「……ふう、会計してきたぞ。貴音のせいで財布がすっからかんだ。お前らさっさと帰れー」


「「「「はーい」」」」




終了です。引っ張ってしまってすいませんでした。お詫びさせていただきます。

本日はここまでとなります。ここからは別の安価を。

短編ごとのタイトルを√として入れますので、どんな内容か予想しながらお答えくださいませ。


√1:杏「P-、ゲームしよーよー」

√2:ちひろ「少し、いたずらでもしようかしら」

√3:凛「知らなかったほうがよかった雑学披露会?」

√4:P「新しいアイドル候補生ですか?」→Pa新規とCu新規は安価で決定


安価は>>365にでも。√が一つ終わるごとにP×765も一人ずつ入れていく予定です。ではでは。

2

>>365
確認しました。

ちひろ「少し、いたずらでもしようかしら」

を次回から投稿していきます。では、お疲れ様でした。

お疲れさん

更新ペースが早くて素晴らしいな

ぼちぼち投下していきます。

>>368 そうなの?更新ペースはこれが普通か少し遅いぐらいだと思ってたんだけど。




ちひろ(PさんがSGプロに入ってから、早くも2か月が経った)

ちひろ(ルキトレさんの尽力やPさんのアドバイス、それにモバPさんの鼓舞。それと私の癒し)

ちひろ(それらのおかげで、初期メンバー……凛ちゃん、卯月ちゃん、未央ちゃんはなんとか売り出せるレベルにまで成長したみたい)

ちひろ(モバPさんが駆け回ってくれていたこともあって、『とにかく熱意のあるところ』とお偉方から認識されている我らがSGプロは)

ちひろ(近く、ようやく、徐々にではあるがみんなをアイドルとしてデビューさせていく方針を固めたらしい)

ちひろ(それで、お祝いと言ってはなんだし、突拍子なことであるのは分かっているけれど)



ちひろ(……SGプロのみなさんに、悪戯をしてみようと思う)




ちひろ(別に、深い意味があるわけじゃない)

ちひろ(ただ、私の脳内会議で、満場一致で)

ちひろ(『ためらうな、やれ』との悪戯へのGOサインが出ただけで)

ちひろ(ただ人にイタズラしたいという衝動、リビドーに駆られて)

ちひろ(アイドルたちの困惑した姿をカメラに収めるだけと言う、簡単なお仕事)


ちひろ(……さて、まずは誰から手をつけようかしら)




小梅「~♪~~♪」

ちひろ「あら、小梅ちゃん。おはよう」

小梅「あ、お、おはようございます。ち、ちひろさん」


ちひろ(この子の名前は、白坂小梅)

ちひろ(Pさんが、ホラー映画の上映後に映画館内で一人残っていたのをスカウトしたという、なかなか稀有な経歴の持ち主)

ちひろ(どもり口調で、会話は慣れないとテンポが遅く感じるけど、年相応のかわいい子です)

ちひろ(……鼻歌を歌っているあたり、何かしらいいことがあったようだけれど)




ちひろ「ご機嫌ね。何かいいことでもあったの?」

小梅「Pさんが、え、映画を一緒に見てくれるって言うから……」

ちひろ「……まあ、そんな気がしてたわ。手にそういう系の映画のDVD持ってるものね」


ちひろ(ちなみに、そういう系のDVDというのは、いわゆるグロ系統。ここだけは歳不相応なのよね)


ちひろ「そう言えば、どこで見るの?事務所内に再生するためのものなんて」

小梅「しゃ、社長室にあるDVDプレイヤーで……えへへ……」

ちひろ「それでいいのか元敏腕プロデューサー」

小梅「?」

ちひろ「あ、ううん。何でもないわ」




ちひろ(……ふむ)

ちひろ(この子、実は一緒に映画を見てくれる人がPさんしかいないから、Pさんにすごく懐いてるのよね)

ちひろ(そりゃあ、あんなスプラッタームービーなんて私でもごめんだし)

ちひろ(Pさんが異常なのよ。Pさんが)


ちひろ(…………)


ちひろ(……よし。この子への悪戯は決まったわ)




ちひろ(この子のDVD、AVにすり替えてあげましょう)




ちひろ「ねえ、小梅ちゃん」

小梅「な、なんでしょうか……?」

ちひろ「それ、一回見せてくれない? どんな映画なの?」

小梅「ち、ちひろさんも、い、一緒に見ますか……?」

ちひろ「……間に合ってるわ。あらすじだけでお腹いっぱいだもの」

小梅「じゃ、じゃあ……ど、どうぞ」



ちひろ(さて、いざと言う時のためにモバPさんの机に隠しておいたAVがついに役に立つときが来たわね)

ちひろ(……どのジャンルのものを入れようかしら。判断に困るわ)

ちひろ(……『真夏の夜の淫夢』?)

ちひろ(ホモビデオか。一応これも、AVに入るのよね……)


ちひろ(…………)




ちひろ(……さすがにやめておきましょう。犯人が私だってばれたときに洒落にならないし)

ちひろ(じゃあ、無難に妹モノに入れ替えて、と)


ちひろ「……はい、貸してくれてありがと」

小梅「い、いえ。そ、そういえばPさんは……」

ちひろ「お茶請け買ってくるって言ってたから、そろそろ帰ってくると思うわ」

ちひろ「先に行って準備しておいたらどう?Pさんへはこっちから言っておくし」

小梅「あ、ありがとうございます……。や、やっぱり、ち、ちひろさんも一緒に……」

ちひろ「お断りします」

小梅「は、はい……。す、すいません……」



――――――

――――

――


小梅「し、失礼し、します……」

小梅「……こ、ここが社長室、ですか。ひ、広いです……」

小梅「あ、あれがDVDプレイヤー、かな?」

小梅「じゃ、じゃあ、さっそくこれを……」


小梅「……?」

小梅「DVDのタ、タイトルが違う……?」

小梅「あ、あれ……? こ、こんなの見たことない……」


――

――――

――――――




P「ただいまもどりー」

ちひろ「あ、お帰りなさい。なにかいいのありました?」

P「羊羹で結構いいのがあった。みんなが戻ってきたら食おうか」

ちひろ「はい。お茶の用意もしておきますね」

P「ん、頼むわ。ところで小梅は? 約束があったんだけど……」

ちひろ「はい、社長室で映画見るんでしたよね? もう行くように言っておきましたよ」

P「そりゃ助かる。つーか社員としてそこは止めろよ……」


P「……ん? そのDVDって……」



ちひろ(あ、まずい。DVDすり替えたのばれるかも)




P「……あー、千川さんや」

ちひろ「や、Pさん。これは違うくてですね」

P「あーあー、皆までいうな。皆までいうなよ。いやしかし、千川さんにこんな趣味が……」

ちひろ「は、はぁ……」


ちひろ(……完全にばれたか。こりゃ怒られるかなぁ)

ちひろ(うーん。最後の最後で詰めを誤ったか。残念)

ちひろ(……でも、若干様子が変ですねぇ。なんか、微妙に話がかみ合って無いような……)




P「……いやまあ、そういうのに俺は取り立てて偏見は持ってないつもりなんだよ」

ちひろ「……すいませんでした、お騒がせしてしまって」

P「いーやいーや、気にすることじゃない。物事のとらえ方は人の自由だからな」

ちひろ「はあ……。申し訳ないです」

P「いいんだいいんだ。君にこんな性癖を持っていたなんて、それだけでも収穫だよ」


ちひろ(……ん?)


P「あ、もちろんこれは二人だけの秘密な? 俺はもちろん誰にも言わない。杏はちょっとはこれについて知ってるだろうけど……」


ちひろ(あれ? おかしい。やっぱりなんか会話の論点が……)


P「……いやー、音無さんに一回見せてもらったことあるけど、確かこれホモビデオだろ? この『真夏の夜の淫夢』ってやつ」


ちひろ「」




P「意外だなぁ。千川さんがこんなものに興味があるなんてー」

ちひろ「ちょ、ちょっと待ってくださいPさん!」

P「いーからいーから。別に大丈夫だって。世の中にはそういうのが大好物の人もたくさんいるさ」

ちひろ「ひ、人の話を……」

P「人の話も何も、さっきから認めてたじゃないか。今さら焦らなくたって大丈夫さ。重ねて言うけど、誰にも言わないよ」

ちひろ「だ、だからそうじゃなくてですね!」

P「あーあー、このビデオも見たことあるから、多少の論評はできるさ。また、ゆっくり語り合おうや」

P「さて、俺は先に小梅と映画を……。あ、言っとくけど俺はノンケだからな?」

ちひろ「ちょ、ちょっと待って……誤解なんですってぇえええ!」




ちひろ(結局、説得するのに数十分もかかり、悪戯についてもばれてしまって)

ちひろ(罰としておやつの羊羹抜き。加えてPさんとのひと時を邪魔したので、小梅ちゃんがしばらく会話をしてくれませんでした)

ちひろ(……くすん。こんなはずじゃなかったのに)



終了です。悪戯シリーズが需要があるなら全キャラやりますが、今日はここまで。

需要が無いのならさっさとP×765の安価を入れますが、どうしましょう?

>>390あたりまでの意見を見て、アイドル全員分やるかやらないかを判断したいと思います。

では、お疲れ様でした。

出来れば、全キャラでお願いします。

まさかこんなに日が開くとは思ってなかったんだ(震え声)

遅くなってすいません。再開します。




ちひろ(……いつから、あの程度のお説教で私が悪戯をやめると錯覚していた?)

ちひろ(まさか、いやまさか。その程度でめげるわけにはいかないのです。私は)

ちひろ(Pさんたちがッ! マジギレするまでッ! 悪戯をッ! やめないッ!)

ちひろ(……とは言っても、最近はみんな出払ってて暇なんですよねぇ)

ちひろ(事務はPさんが私とグダグダ喋りながらいつの間にか終わらせちゃいますし……)

ちひろ(そのPさんはと言えば、「留守は任せた」とか言ってどこかへ行っちゃってますし)

ちひろ(ひと眠りしたいところですけど、もう少し待ってみましょうかね)


ちひろ(もしかしたら、誰か来るかもしれないですし)




――――――

――――

――


ちひろ(……はあ。これ以上はいけない。暇すぎる)


ちひろ(……まあ、電凸とかがないのはまだうちからはアイドル出してないからだし)

ちひろ(もしこれからここの知名度が上がるんなら、そりゃあまだ暇なのはありがたいことだけれど)

ちひろ(ネットサーフィンするのも飽きましたし……。そろそろ、誰か来ませんかねぇ)



「……ただいま戻りましたー! 誰かいますかー?」

ちひろ「……ほう。ほほう」




ちひろ「お帰りなさい、卯月ちゃん」

卯月「あ、ちひろさんだけですか? ただいまです!」


ちひろ(島村卯月。一応、候補生の中では最年長にあたる。はず)

ちひろ(屈託のない笑顔が可愛らしい正統派だけれど、どうも個性が無い。いや、それもいいのだけれど)


卯月「あー、一杯レッスンしたから喉渇きましたー。何か飲み物あるかなー?」


ちひろ(……ふむ)


ちひろ「卯月ちゃん? 飲み物は私が用意してあげるから、適当に休憩してたら? 疲れたでしょ?」

卯月「いいんですか? ありがとうございます!」

ちひろ「いいのいいの。どういたしまして」



ちひろ(……さあ、千川ちひろ2*歳。仕事の時間よ)




ちひろ「……ふう」

ちひろ「暇だったけれど、急なことだったし。用意できたのはこれだけ、か」

ちひろ「あの子への悪戯は、飲み物にとてつもないものを出そう、ってやつにしようと思ったのだけれど」

ちひろ「すこし、インパクトに欠けるかしらね。この面子は」

ちひろ「……まあいいわ。どうせ何飲ませてもリアクションはさほど変わらないだろうし……」

ちひろ「さて、何を飲ませようかしら?」



1:レモンの絞り汁(100%)

2:コーヒー+烏龍茶+レモネード(2:1:2)

3:バラエティ番組とかに出てくる無臭だけどとんでもなく苦いアレ

4:白濁液(???)


>>406あたりで決定

1




ちひろ「……うん。無難にレモンの搾り汁にしましょう」

ちひろ「というか、なんでバラエティ番組でよく見るあれがここにあるのかしら。誰かが用意を……?」

ちひろ「……まあ、考察は後でもいいでしょう」


ちひろ「さーて、どれぐらい普通の反応を見せてくれるのかしらねぇ」


――

――――

――――――




ちひろ「はい、どうぞ」


卯月「はい! ありがとうござ……」

レモン汁「」

卯月「い……」

レモン汁「」

卯月「ます……?」

レモン汁「」

卯月「…………」


ちひろ「? どうかした?」

卯月「い、いや、なんか普通の水にしてはすごくドロドロ……」

ちひろ「そう? 気のせいじゃないかしら」

卯月「い、いや、でもですね……」

ちひろ「いいから、飲んで?」

卯月「いや、あの」

ちひろ「飲んで?」


卯月「……はい」




卯月(うぅ……。ダメだよこれ。絶対飲んじゃダメな奴だよぉ……)

卯月(なんかすっごいちひろさん笑顔だし)

卯月(いつものちひろさんの悪戯だろうけど……。こんなに堂々としてるの悪戯って言うのかなぁ。ただのパワーハラスメントじゃないかなこれって)

卯月(確か……万事休す、だっけ。この状況って)

卯月(万事休すになったときは、確かPさんはこう叫びながら事態に立ち向かえって……)


卯月「ええい! ままよ! です!」グイッ

ちひろ「おお、男前」




卯月「…………」

ちひろ「?」

卯月「…………」

ちひろ「? どうしたの卯月ちゃん?」



卯月「スッポォアッシュ!?」


ドサァ


ちひろ「……奇声を発しながら倒れる、ねぇ。やっぱりお約束な感じか……」

ちひろ「さて、そろそろ証拠隠滅しなきゃ。Pさんが帰ってくる前に……」




P「やあ。楽しそうだね」ニッコリ

ちひろ「」



終了です。今日はここまで。悪戯って思いのほか難しくてもうごめんなさい。

では、お疲れ様でした。

生存報告がてら続き行きます。

なお、悪戯の内容は安価になった模様。では、投下。





ちひろ(……ひどい目にあった。何もあそこまでしなくても……)

ちひろ(Pさんに「もうするなよ」とか言われて早数時間。いいや! 限界だ! するね!)


ガチャ


杏「おーい、Pいるー?」



ちひろ(次はこの子か。悪戯の内容何も考えてなかったなそう言えば)

ちひろ(双葉杏。うちの候補生の最年長のひとり……)

ちひろ(なんだけど、そのロリロリしい身体からはとても高校生であると予想は出来ない)

ちひろ(彼女は御年17歳。すでに高校にはろくに行っておらず、特に用事がないときにでも事務所に入り浸るニート候補生。というか準ニート)

ちひろ(その癖、Pさん曰くポテンシャルは無駄に高いらしい。なんなのこの子)

ちひろ(さて、この子には何しようかしらねぇ)


ちひろ(……決めた。>>419にしましょう)

クビ宣告【働かざる者食うべからず】





ちひろ(……クビ宣告、か。いいかもしれないわね)

ちひろ(理由は……そうね、働かざる者食うべからず、でいいかしら)

ちひろ(さて、今度はPさんが帰ってこないことを祈って……)


ちひろ「あ、杏ちゃん。Pさんなら今出払ってるわよ?」

杏「うぇ、本当? あのおっさん、私とここでゲームする約束忘れてるんじゃ……」

ちひろ「へぇ……。何のゲームやるの?」


ちひろ(あえて突っ込まないでおこう。面倒くさいし)


杏「ん? んー……基本的には懐かしいゲームで攻めるつもりだよ。今回は。一番古いのは64まであるね」

ちひろ「に、任天堂64……?」

杏「うん、そうだよ?」


ちひろ(がっつりテレビゲームじゃない。てっきりPSPとかDSとかだと思ったんだけど……)

ちひろ(しかも杏ちゃんが持ってきたこのゲーム、無駄に保存状態いいじゃない……。カセットまで新品同様。やっぱりゲームは大切にするのかしら)




ちひろ「やっぱり、社長室のあのテレビでやるの?」

杏「そういうことになるのかなぁ。ここにはテレビそこにしかなさそうだし」


ちひろ(あっさりそこで認めちゃうのもどうかと思うけど……)

ちひろ(……まあ、いいわ。そろそろ切り出しましょうか)


ちひろ「…………杏ちゃん」

杏「なに? ……おおちひろ、そんな悲しい顔をするとは情けない」

ちひろ「……残念だけど、もうPさんとゲームできないかもしれないわ」

杏「? なにが? どゆこと?」



ちひろ「……杏ちゃん、近々クビになるかもしれないんだって」


杏「……へ?」

風呂で溺れかけたって大丈夫か?
眠けりゃ寝ても良いんだぞ?

>>422
そうさせてもらうわ……。最近忙しくてなぁ。ついさっきまでキーボードの前で突っ伏してたし。

すまぬ……。すまぬ……。

お久しぶりです。長い間来れなかったことに深くお詫びを。

大分間が開いたので、話は仕切りなおして別のお話を。

悪戯シリーズの方は、また別の機会にでもまとめていかせていただきます。



ちひろ「……あら。何かしらこれ」


ちひろ(モバPさんが営業に行ってる間、Pさんに事務所を任せて買い出しに行ってた帰ってきたら)

ちひろ(みんなでおしゃべりしてたりするソファの上にあった、無駄に重量感のある紙袋)


ちひろ「しかしまあ、本当に重いわねこれ。いったい中に何が……」


P「……あ、ああ。千川さんや。あんまりそれには触らないでやってくれ」

ちひろ「Pさん。これPさんの私物なんですか?」

P「いや、それは杏のだな」




ちひろ「杏ちゃんの?」

P「うん。実はそれと同じくらいの重さの紙袋がもう一つあってな。そろそろ……」



杏「P-。接続終わったよー」

P「おー、分かった―。んじゃ、そろそろ始めますか」

ちひろ「始めるって……何をですか? 杏ちゃん、社長室から出てきましたけど……」

P「何をってそりゃ……」

杏「決まってるじゃん」




P・杏「テレビゲームを、だよ」



――――――

――――

――


ちひろ「……本当に大丈夫ですか、これ。勝手に部屋のTV使って、社長とかに怒られたりは……」

P「いやまあ、モバPくんは渋谷さん本田さん島村さんの三人と売り込みに忙しいだろ?」

杏「私は今日レッスン無いし。暇だったからこっち来たけどここも何にもないし」

ちひろ「しゃ、社長は……?」

P「スカウトとか言う面目で北海道に飛んで行ったぞ。2,3日は帰ってこないと思うが」

ちひろ「」



杏「うんうん。適度に働き、適度に遊ぶ。ストレスを溜めないコツだね」

P「お前の場合は働き:遊び=1:9ぐらいだけどなぁ。まあ俺も給料分は働いてるし」

杏「うるさいなぁ。あ、ちひろもやる? 一応みんなで遊べるのをチョイスしてきたんだけど……」




杏「……と、いうわけで」

P「なぜか今日はオフのはずの小梅も来たので、みんなで交代でプレイすることになりました」

P「あ、きらりはレッスン中。終わったら来るようには言ったので来るとは思うが」


小梅「よ、よろしくお願いします……」

ちひろ「なんで私まで……。あ、小梅ちゃんってゲームとかやるの?」

小梅「は、はい。たまにやりますよ」


杏「何やるの? やっぱり怖い系?」

小梅「は、はい。えっと……」




小梅「……バ、バイオハザードの最初の方とか、零ってゲームとか、SIRENってゲームとか」

P「……ものの見事に全部ホラーだな」

杏「バイオも最初の方はなかなかだったんだけどねぇ」

小梅「あ、あと……」

ちひろ「あと?」



小梅「Dead Space」

P「どうやって仕入れたんだ貴様」

ちひろ「む、無駄に発音がネイティブですね……」




P「……まあいいや。んで、杏は今日何を持ってきたんだ?」

杏「んー、無難にパーティゲーム系統かなぁ。後はみんなで遊べるのをちょいちょいっと」

ちひろ「あ、杏ちゃん……そこにあるそれって……」

杏「ん? ああ、NINTENDO64だね」

P「古いなおい」

杏「後はWiiとかGCとかそこら辺を適当に。……あ、Wii sportsとかはないからね。疲れるから」

小梅「さ、最初は何するんですか……?」


杏「あー……うん。今日はこれにしようかなぁ。せっかく64持ってきたんだし」


つマリオパーティ3


P「うっわ懐かしっ」




ちひろ「懐かしいですね。今は9まで出てるんでしたっけ、マリオパーティ」

P「白坂さんや、マリオパーティやったことあるかい?」

小梅「は、はい……。少しだけ……」

ちひろ「そっか。なら、大丈夫ね」



杏「シリーズ屈指の名作と呼ばれている、このマリオパーティ3」

杏「……これを使って、SGプロダクションの真のニートは誰なのか」

杏「……決めようじゃないか、P。勝負だっ!」


P「……上等。格の違いってやつを見せてやるよ……!」




マリオパーティスリー! ハッハー!


P「つーか千川さん。今マリパは10まで発売してるぞ」

ちひろ「あれ、そうでしたっけ。いやー、最近ゲームなんて滅多にしないんで……」


小梅「あ、杏さん、ゲームの保存環境いいんですね。これだけ昔のカセットが一発でつくなんて」

杏「真のゲーマーたるものにとって、ゲームそれすなわち命と同様。命そのもの」

杏「私はまだ死にたくないし。だから、ゲームも大切に扱っているのだよ」

小梅「へ、へぇ……」


P「んじゃあやるか。パーティモードでいいな? 俺誰使おうかなー」

杏「あ、こらP。勝手に仕切るなよー。持ってきたのは私だぞー」




P「バトルロワイヤル、で、俺は……」

杏「あ、私でっていうねー」

P「あ! ちっくしょう、俺が使おうと思ってたのに……」



小梅「テ、テ〇サは……?」

ちひろ「え? 最近のはテレサも使えるの?」

P「確かテ〇サが使えるのは5からじゃなかったか? 白坂さんや、今日は諦めなさい」

小梅「じゃ、じゃあ桃姫で……」


P「んじゃ俺は……配管工(兄)でいいか」

ちひろ「じゃあ、私は配管工(弟)で」




P「ハンデは……」

杏「小梅ににスター一つでいいかな?」

小梅「あ、ありがとうございます……」

ちひろ「やっぱり経験してるかどうかは結構差が出るわよね……」




杏「マップは適当でいいや。んーとー」

小梅「ジョ、ジョーズっぽいのがいる……!」

P「ホージローのことだな。ミニゲームでも登場したはずだぞ確か」

ちひろ「ず、ずいぶん詳しいんですね……」

杏「んまあ小梅がここがいいって言うならここでいいか。プクプ〇しんかい、と」




杏「ターン数は15でいいかなぁ。あんまり長すぎるとアレだし」

P「そうだな。10ターンは短すぎる気がするし、妥当かもな」




杏「ミニゲームはノーマルパック、ボーナスありにして、で……」

P「よし、準備完了。始めるぞ!」


オーケー!

今日はここまで。いやもうホント遅れてすいません。

では、お疲れ様でした。また明日です。

なんで俺が書こうとすると定休日になるんですかねぇ……(困惑)

お待たせしてすいません。再開します



P「さて、まずは順番だな」

ちひろ「Aを押せばいいだけでしたっけ……」

杏「そーそー。数が大きけりゃ先に動けるよ。んじゃ、10コインもらったし、さっさとやりますか」

小梅「え、えいっ」



桃姫(小梅)→10

配管工(弟)(ちひろ)→9

でっていう(杏)→8

配管工(兄)(P)→1



P「…………」

杏「泣くな泣くな」



P「いいし……。勝ってやるし……」

ちひろ「いじけてるPさんはほっといて、小梅ちゃん、どうぞ?」

小梅「う、うん……」


桃姫→3マス移動


小梅「……あ、コイン3つプラス……」

杏「順調だね」

P「羨ましい限りだ」

小梅「え、えへへ……」



ちひろ「じゃあ、次は私ですねー……っと」


配管工(弟)→5マス移動


ちひろ「あ、ノコノコバンク」

小梅「な、なんですかそれ……?」

P「通るだけで5コイン取られる建物だな。そこのマスにぴったり止まったら今まで取られた全員の分のコインを貰えるんだ」

杏「地味にうっとおしいんだよねぇ」



ちひろ「っち。なんでいちいち通るたびに金を取られなきゃいけないのか……」ブツブツ

P(こわい)



ちひろ「……まあ、結局コイン3枚取れましたけど。元とれてないですけど」

P(まだ不貞腐れてやがる……)

杏「んじゃー次私ね。そーれっと」


でっていう→1マス移動


杏「」

P「へー。よかったじゃないか杏! コイン3枚ゲットだぞ!」ニッコリ


杏(このおっさん……さっきのあてつけか……!)

P(俺はおっさんじゃねぇ)

杏(こいつ……直接脳内に……!)



P「最後は俺か。んじゃあほいっと」


配管工(兄)→6マス移動


P「んー……。まだスターを目指すべきじゃないな。ここはアイテムマスで……」

杏「アイテムミニゲームか。まあ無難だねぇ」

P「内容は……へえ、テレベルあるのか。狙おっかなー」

杏「うげぇ」


小梅「テ、テレベルって……?」

ちひろ「使うとテレサを呼んでくれるアイテムですよ。呼んだら金を奪ったり、スターを奪ったり……」

P「コインと呼べコインと」



P「……っしゃあ! テレベルゲットォ!」

杏「うわ。出たよ友情破壊アイテム。誰に使うのさ」

P「ふっふーん。教えねぇよー」

杏「うわ、うざ……」



ちひろ「さて、ミニゲームは何でしょう?」

小梅「な、なにこれ……?」

P「みんなで競い合って勝者だけがコインをゲットできるゲームじゃないな」

杏「自分でキャラを動かして、より多くのコインをゲットするゲーム、だね」

ちひろ「ほう」

小梅「が、頑張れば、たくさんゲットできるんですか?」

P「ああ。頑張れば20コインは行けるんじゃないか」

ちひろ「ほう!」



P「…………」

杏「…………」

小梅「す、すごかったです……ちひろさん」

ちひろ「そう? いやー、稼いだ稼いだ!」


P(千川さん以外は1コインも取れなかった……)

杏(普通に動いてれば5コインは取れるはずなのに……実機じゃありえない動きしてたよ、あの永遠の二番手)

P(金が絡むと、本当に、こいつは……)


ちひろ「~♪」



P「うん。5ターン経ったんだ」

杏「どしたのP? 頭に虫でも湧いた?」

小梅「み、見てみたい……!」

P「湧いてない。やかましい」

ちひろ「~♪」


P「こいつは。本当に……」

杏「今は調子いいみたいだけど、このゲームは最後の最後まで気が抜けないからねぇ」

小梅「で、でも、ちひろさん、凄いお金持ってますよ?」

P「あれだけあってアイテムの一つも買わないんだからな……。何考えてんだか」

ちひろ「さ、6ターン目ですよ。小梅ちゃん、回しちゃってください。サイコロを」

小梅「は、はい……」

5ターン目終了時の各員の状態


桃姫:コイン→15枚 スター→0 アイテム→スーパーキノコ

配管工(弟)→コイン→81枚 スター→0 アイテム→なし

でっていう:コイン→8枚 スター→0 アイテム→まほうのランプ のろいキノコ

配管工(兄):コイン→24枚 スター→0 アイテム→テレベル キーマン

訂正 桃姫:コイン→15枚 スター→1 アイテム→スーパーキノコ



P「さて、次は俺の番か」

ちひろ「っち。せっかくノコノコバンクのマスにぴったり止まったのになんで金貰えないんですか……」

杏「金の亡者め」

小梅「あ、アイテムミニゲームで手に入れたんですけど、このまほうのランプって……」

P「使えばどこからでもスターを取りにいけるんだよ……お、6か」

杏「あ、スターのところまで行けたね。よかったじゃん」

P「おう。これで一歩リードだな」


配管工(兄):コイン→4枚
       スター→1


P「よし、順調順調……あ」

杏「あ、クッパマスだね。よかったじゃん」ニヤニヤ 



P「畜生ォ……有り金全部持っていかれたァ……ッッ!!」

杏「ざまあ」

ちひろ「2vs2……何ですかこれ? ピザ?」

P「いかに早くピザを食いきれるかってやつだな。割と判定厳しいんだよなこれ」

杏「連打ゲーかー。Pと一緒だと、なんか心細いね」

P「なんじゃそりゃ。これでも連打は得意だぞ」


小梅「ち、ちひろさん……もしかしたら役に立てないかも……」

ちひろ「大丈夫よ小梅ちゃん。私に任せて、ね?」ニッコリ

小梅「は、はい……」


杏「今までずっとちひろの一人勝ちだったからね……」

P「そろそろ、勝っとかないとなぁ……!」



P「」

杏「」


小梅「す、すごい……」

ちひろ「ね? ミニゲームは私に任せて」

小梅「は、はい!」


杏(馬鹿な……バランス上、連打に比例する食べる速度の速さはある程度上限があるはずなのに……)

P(俺たちの全力を軽く凌駕してやがった……。金がかかわると千川さん怖い)



小梅「わ……サイコロが3つも……」

P「そりゃあスーパーキノコだし」


小梅「わ……3つとも同じ数だったからコインが……」

ちひろ「なんだとっ!?」


小梅「あ、スター買えるや……えへへ」

杏「なんだとっ!?」

P「……あー、もう一つぐらい欲しいけど金ないなー」

ちひろ「スター2つで小梅ちゃんがトップか……。そろそろ仕掛けるべき……?」

杏「わ、私ビリか……うーん、地味にまずい?」

P「まだ半分だぞ。なんとかなるだろ」




rrrrrrr………


P「……電話か。ちょっと出てくるわ」

小梅「は、はい……」

ちひろ「いってらっしゃーい」


P「……いじるなよ?」

杏「分かってるってー」


ハイ、コチラSGプロ……



杏「…………」

ちひろ「…………」

杏「……さて」

ちひろ「……ええ」

杏・ちひろ「テレベル、捨てよっか」

小梅「えっ」




小梅「だ、駄目だよ……。お、怒られるよ……」

杏「だーいじょうぶだーいじょうぶ。Pはこんなんじゃ怒らないよ」

ちひろ「こういう時は、ためらっちゃいけないの。勝負の時に場を離れるのがいけないのよ」

小梅「で、でも……!」



杏「……仕方ないなぁ」

ちひろ「そうねぇ。じゃあ小梅ちゃんに免じて、捨てるのはキーマンに……」

P「…………」

杏「してあげよう……」

P「…………」

ちひろ「かしら……」


P「…………」




P「ったく……」

杏「ま、まさかリアルファイトとは……」

ちひろ「暴力反対です……」

P「あ?」

杏・ちひろ「いえ、何も」



小梅「で、電話の内容は何だったんですか……?」

P「ん、この後ちょっと野暮用が入っちゃったんだよなぁ」

杏「えー、マジで?」

P「せっかくだし今営業に行ってるやつらは一緒に連れていこうと思う」

ちひろ「? どちらに?」

P「内緒。……まあ、多分このゲームが終わるぐらいはここに入れるだろうよ」

杏「そっか。ならいいや」




――――――

――――

――


P「10ターン経過、か」

杏「随分スムーズに進んだねぇ」

小梅「で、でも、ちひろさんが強すぎてコインはほとんど取れませんでした……」

ちひろ「まあ、金がかかってますし? そりゃあ必死にやりますよ」

P「だからコインと言えと」

杏「……んでもまあ、ぶっちゃけこの状況やばくない?ちひろ勝ちフラグ立ってるよ?」

小梅「な、なんかいろいろすごいです……」

ちひろ「えっへん」


P「何故その情熱をもっと別の方向に向けられないのか」

10ターン経過時の各員の状態


桃姫:コイン→12枚 スター→2 アイテム→キノコ キノコ キノコ

配管工(弟):コイン→99枚 スター→0 アイテム→まほうのランプ まほうのランプ まほうのランプ

でっていう:コイン→21枚 スター→1 アイテム→なし

配管工(兄)→コイン→12枚 スター→1 アイテム→スーパーキノコ



P「……まあ、なんとかなるだろ」

杏「そうかな。んじゃ、Pの時間もあんまりないっぽいし、とっととやっちゃおう」

小梅「あ、はい……」

ちひろ「お、小梅ちゃん、キノコ使うのね」


小梅「わ……サイコロが2つも……」

P「そりゃあ、キノコだからな」

小梅「わ……出目が一緒になってコインが……」

ちひろ「なんだとっ!?」



P「このミニゲームは……」

杏「テトリスの原型だっけ。これはまったなぁ」

小梅「な、何をすれば……?」

ちひろ「同じ色が隣り合うようにブロックを置けばいいのよ。連鎖していけばゲットできるポイントも増えるってやつね」

P「目標ポイントまで到達したら勝ち、だっけか。よし……」


スタート!



P(実はこれ、適当に積んでいけば勝手に連鎖してくれるんだよなー……)カチャカチャ

P(さて、他の人の様子は……)チラッ



杏「んー、ここがこーで……」カチャカチャカチャカチャ

P(普通に上手い)



小梅「あ、あう……」カッチャカッチャ

P(かわいい)



ちひろ「」カカカカカカカカカカカカカカカカカカ

P(やっぱ千川さんだけおかしい)



小梅「の、残り1ターンですね」

杏「うーむ……。粗方アイテムは使い切ったし……」

P「やっぱ千川さんは強いな、こういう系は」

杏「桃鉄とかでもやたらと強そうだよねー」

ちひろ「当然です! お金がかかってるなら私は修羅になります!」


P「……まあいいだろ。俺たちのサイコロ運がいいことを信じて、残り1ターン。やるか!」

杏「んー」

小梅「お、おー……」

ラスト1ターンでの各員の状態


桃姫:コイン→34枚 スター→2 アイテム→のろいキノコ

配管工(弟):コイン→67枚 スター→3 アイテム→なし

でっていう:コイン→24枚 スター→2 アイテム→なし

配管工(兄):コイン→11枚 スター→1 アイテム→キーマン



小梅「と、とりあえずこれをちひろさんに……」

杏「のろいキノコかー。確か1~3しか出せなくなるやつだよね?」

P「あー、そーいやそうだったか」

ちひろ「まあ別にいいですけどね」



ちひろ「……さて、私の番ですねー……あ、1だ」

ちひろ(まあでも、私の勝利はよっぽどのことが無い限り疑い得ないですし、特に問題は……)


ヒャッホー!ギャンブルゲームノジカンダヨー!


ちひろ「」

杏「あ、ギャンブルマスだ」



小梅「な、なんですかこれ……?」

P「……このゲームが、最後の最後まで勝負が分からない鬼畜ゲームと言われる由来だよ」

杏「このマスに止まったら、まず問答無用でコインを全部没収される」

P「で、とあるギャンブルに強制参加させられるんだ」

杏「ギャンブルに勝てば、最低でも2倍になってコインは戻ってくる……が! しかぁし!」

P「このギャンブル、勝てる可能性は限りなく低い。もうゲームのAIがわざと外すように設定しているがごとくよく負ける」

杏「そしてギャンブルに負ければ、コインは残らず没収! 無一文の状態で放り出されるのさ!」

P・杏「「なんて恐ろしいマスなんだろう!」」


ちひろ(目が笑ってる……。他人事だと思ってこいつらは……!)




ちひろ(出たゲームはルーレットのギャンブル……)

ちひろ(とにかくコインが帰ってくればいいんだから、倍率とかは二の次。一番高い確率のを選べば……)

ちひろ(いや、確率が高かったら絶対当たるというわけでも……)


ちひろ「……よし、これで!」


ちひろ(当たって……! 頼むから……!)

P(……っせ!……っせ!)

杏(……外せ!……外せ!)


ちひろ「」


P「……金が無くなって屍になった奴は放っておいて」

杏「Pの最後のターンだよね」

小梅「き、キーマンは……どうしましょう?」

P「使っても意味ないしなぁ。ほっとこう。終わるまで一緒だ」

杏「なんでもいいから、はやくやっちゃってよ。今のちひろならミニゲームも勝てそうな気がするし」

P「そーだなー……あ、なんだっけこの!マス」

杏「さあ……忘れちゃった。まあやってれば何か分かるでしょ」



P「ん? チャンスタイム?」

杏「誰が渡すか決めてください だってさ」

小梅「……は、配管工(弟)になりましたね」

杏「誰に渡すか決めてください って」

P「……桃姫になったな」

杏「何を渡すか決めて だって」




P「……あ、スター全部だってよ。これは酷い」

ちひろ「」

今日はここまででー。

ありがとうございました。

(全く意味が分からないし面白くもない)

>>512
(やめてくださいしんでしまいます)

遅くなっててごめんなさい。いまいちモチベーションが上がらないんで書けませんでした

今日の夜ぐらいに書けたらいいなー、とか考えてますんで、許してください。なんでもしますから

遅くなってすいません

再開します



モバP「ただいま戻りました!」

小梅「お、お帰りなさい」

杏「お土産は?」

モバP「あるかそんなもの」

P「お帰りモバPくん。そう言えば今帰ってきた組は、この後予定あるか?」


凛「私は……特にないけど」

未央「帰って自主練しようと思ってたくらいかな~」

卯月「何か御用があるんですか?」

P「いや、ちょっと連れて行きたいところがあるんだ。いい経験になると思うんだが」



モバP「Pさんが言うんだったら間違いないですね! お前らもそれでいいか?」

卯月「分かりました!」

凛「ん、構わないよ」

未央「行く行く!」


杏「ずるいぞー、私もつれてけー」

P「仕事の話だ。それでもいいならいくらでも連れてってやろう」

杏「あ、やっぱいいです。勘弁してください」


小梅「わ、私ももう帰ります……。み、見たい映画があるので……」

P「そうか、気をつけて帰りなさいな。杏はどうするんだ」

杏「不本意ながらきらりと一緒に帰る約束してるんだよなぁ。待つのだるい」

P「いざとなったら背負ってもらえ。んじゃ、行ってくる」

杏「あいよー」

小梅「い、行ってらっしゃい……」



モバP「Pさんが言うんだったら間違いないですね! お前らもそれでいいか?」

卯月「分かりました!」

凛「ん、構わないよ」

未央「行く行く!」


杏「ずるいぞー、私もつれてけー」

P「仕事の話だ。それでもいいならいくらでも連れてってやろう」

杏「あ、やっぱいいです。勘弁してください」


小梅「わ、私ももう帰ります……。み、見たい映画があるので……」

P「そうか、気をつけて帰りなさいな。杏はどうするんだ」

杏「不本意ながらきらりと一緒に帰る約束してるんだよなぁ。待つのだるい」

P「いざとなったら背負ってもらえ。んじゃ、行ってくる」

杏「あいよー」

小梅「い、行ってらっしゃい……」



凛「ねえ、プロデューサー」

モバP「ん? どうした?」

凛「……なんでちひろさんは事務所なのに何かのゲームのコントローラーを持ったまま固まってるんだろうね」

モバP「さあ、分からん。 ……64か。懐かしいな」




P「全員乗ったなー? じゃ、出発!」

卯月「おー!」
未央「イエーイ!」

凛「……おじさん」

P「んー?」

凛「結局、どこ行くの?」

P「あー、結局言ってなかったっけ。すまんね、無理に付き合わせて」

凛「ううん、それは別に構わないよ。ただ、気になっただけで」

P「そうだな、うん。もう言っちゃうか。隠しててもしょうがないしな」



P「俺たちが今から行くのは……」

モバP「い、行くのは……?」


P「…………」

凛「…………」

卯月「…………?」

未央「…………!」


P「961プロ」

モバP「えっ」

P「961プロ、だよ。うん」

あだめだわこれ。眠くて死にそうだわこれ

寝ます。明日は頑張る

お久しぶりです。

暇を見つけてちょこちょこっと書きだめと言うものをしてみたので、書いた分だけ投下。

次はいつになるかなぁ……(白目)



モバP「961プロ……ですか?」

卯月「961プロって……あの961プロですよね?」

未央「どうして私たちがそんな大手のプロダクションに? いきなりすぎて私ちょっと状況が飲み込めないんだけど」

P「や、実はな。杏たちとゲームやってた時に961プロの社長から電話がかかってきたんだよ」

凛「うん。待って。いろいろおかしい」

P「おかしいって……何が?」

凛「……いや、いっか。おじさんだし。続けて?」

P「ん。で、電話の内容っていうのがちょっとした依頼だったんだよ」

未央「依頼?」

P「そう。確かな……」




黒井『…電話は変わったようだな。相変わらず腑抜けた声をしている』

黒井『まあいい。さっそく本題に入ろうか』

黒井『我らが961プロダクションは、アイドル業界の三角形の一角を担っているのは貴様も知っているな?』

黒井『しかしながら、961の星だったジュピターが解散してからは、765・876にわずかながら劣っているのも事実』

黒井『そこでだ。961プロダクションは、他プロに先駆けて大規模な新人アイドルの発掘を行うことにした』




黒井『……で、だ。貴様らとは違ってセレブな私は多忙でな』

黒井『昔のように私自らがスカウトしに行きたいところだったんだが、それも出来ない』

黒井『仕方なく、うちにちょくちょく顔を出しているジュピターの3人にスカウトは任せたのだが……』

黒井『……はっきり言って不安なのだ。奴ら、どんなチョイスをしてくるかわかったものではない』

黒井『そこでだ! 貴様には奴らが連れてきた者たちにアイドルの素質があるのか見極めてもらいたい』




黒井『貴様の見る目は確かだからな。こればっかりは認めざるを得ない。全くもって悔しいことにな』

黒井『勘違いするなよ? これは別に貴様を信頼しているからではない。これは小鳥に言われて……』

黒井『……いや、高木が認めたプロデューサーなのだからな』

黒井『それぐらいは出来て当然だろうという考えのもとだ』

黒井『むろん、ただとは言わん。飯ぐらいは奢ってやろう。貴様ら下賤の身では一生味わえんほどの極上のものをな!』



黒井『……む。貴様、まさか断らないだろうな?』

黒井『貴様のような弱小プロダクションの事務員など、どうせ暇なのであろう?

黒井『セレブな私には関係のないことだがな』

黒井『……ウィ。分かればいい。では、用意ができ次第すぐに来るように』

黒井『本社の方に小鳥を残しておく。受付に言えば通してもらえるように手配もしておこう』

黒井『ここまでやってやるのだ。せいぜい感謝するのだな』

黒井『……ウィ。ではそろそろ切るとしよう』

黒井『何度でも言うぞ。私はその時にはもう本社の方にはいないだろうが、可及的速やかに来るように』

黒井『ではさらばだ。アデュー!』



P「みたいな感じだったはずだ」

卯月「その黒井さんって……なんかいい人ですね!」

未央「えー、そう? 私にはいちいち嫌みったらしく聞こえたけどなー」


モバP「……何が一番すごいかって、天下の961プロの社長とパイプを持ってるPさんですよね」

凛「その黒井って人の物まねも結構迫真の演技だったし……」

P「まあ短い付き合いじゃないからな。ある時は争ったり、ある時はいがみ合ったり」

凛「敵対してばっかじゃない」

P「……違いない」




卯月「……あ、見えてきましたよ! あれが961プロですね!」

未央「うわー大きいなー……。うちとは比べ物にならないね!」

モバP「…………」

P「気にしなさんなよモバPくん。俺がいたころの765プロも今のSGプロみたいな感じだったし」

凛「おじさん、そろそろ……」

P「そうだな。よしみんな、下りる用意しろよー」

卯月・未央「「はーい!」」




凛「……中も広いし、綺麗だね」

モバP「……なんか場違いな気がしてきたなぁ」



P「Pといいます。アポは取ってるはずなんですが」

「はい、P様ですね。承っております」

「向こう側に社長室直通のエレベーターがございます。そちらをご利用ください」

P「ご丁寧にどうも」

「後、P様宛に社長よりお手紙を預かってあります」

P「手紙? どれどれ……」



『貴様のことだから貴様のプロダクションの候補生を何人か連れてきているだろう』

『その時はそのまま通してもらって構わん。好きにするがいい』

『二度とない機会だろうから、我が社の最新鋭の設備を十二分に観察させておくことだ』

『というのも、貴様の候補生にはせいぜいやる気を出してもらわんと困るのだ』

『どうせ勝つのは我々だが、貴様らにもあがいてもらわんとそれこそつまらなくなってしまうからのでな』

『弱小プロは弱小プロらしく、せいぜいもがいてみるがいいわ!』

『ではまた会おう。アデュー!』



P「……相変わらずのツンデレっぷりだな、あの社長は」

P「アデューって手紙で書くあたり……メールでも使ってるんだろうか?」

P「まあ、いいか。おーいお前ら、移動するぞー!」


卯月「どっちに行くんですか?」

P「向こうだ。社長室直通のエレベーターがあるんだってさ」

未央「社長室直通!?」

卯月「なんか、いろいろゴージャス過ぎてめまいがしてきました……」

凛「……私も場違いな気がしてきた」

モバP「本当、俺たちってここにいてもいいんですか?」

P「堂々と胸はってりゃいいんだよ。俺たちゃお客さんなんだからな。ほら、行くぞー」

未央「うへぇ~……」



未央「おお! おおおお! このエレベーター、外が見える!」

モバP「た、高い……。まるで人がゴミのようだ……」

卯月「落ちたら一発アウトですね~」

凛「ちょっと卯月、縁起でもないこと言わないで」


P「……本当に高いな。何階建てなんだこのビル」

卯月「あれですかね? バカと煙ほどなんとやらってやつ」

モバP「お前それエレベーター降りてから言うなよ? 絶対言うなよ?」




P「……無駄に長い気がするな。気のせいか?」

未央「み、耳がキーンってする……」

モバP「気合で直せ。……それにしても、この先に961プロの社長夫人がいらっしゃるんだよな……」

凛「……緊張するね」

卯月「が、頑張ります! 私頑張りますよ!」

P「そんなに気張らなくてもいいだろうに。ほらぼちぼちドア開くぞー」


チーン シャチョウシツデス


未央「お、お邪魔しまーす……」



P「……お久しぶりですね、音無さん」

P「いや……黒井夫人、の方がいいですか、やっぱり」

小鳥「……そこまで改まる必要はないと思いますよ、プロデューサーさん」

こんな感じで書き溜め終わり

次はいつになるだろうなぁ。エタらないように頑張ります

では

わぁい、一か月過ぎてるよ。

ご無沙汰してます。今日も行けるとこまで行きますので。




小鳥「あ、その人たちがプロデューサーが言ってた新しいアイドル候補生ですか?」

P「ええ、そうです。もうプロデューサーじゃないですけどね」

小鳥「何言ってるんですか。プロデューサーはいつまでたってもプロデューサーですよ」

P「……よく分かりませんね、その論理」


卯月「あ、あの……えと……」

小鳥「あ、ごめんなさいね。すぐにお茶、入れるわね」

P「え、いやいやいやいや、それは申し訳ないですって」

小鳥「いいんです。雪歩ちゃんほどじゃないけど、私もそこそこお茶汲み上手くなったんですよ?」

P「いや、そういう問題じゃなくてですね」




小鳥「ほら、いいからいいから。向こうのソファに座っててください」

P「いえ、しかしですね……」

小鳥「それに……」



未央「おおー! しまむー、しぶりん、すごいよこのソファ! ふっかふかだよふっかふか!」

卯月「ほんとですね! ふっかふかですよふっかふか!」

モバP「お、おいお前ら、もうちょっと遠慮ってものをだな」

凛「…………」



小鳥「他のみなさんは、もう座ってるみたいですよ?」

P「……はあ」


――

――――

――――――――



――――――――

――――

――

P「まあお茶もそこそこに、だ。改めて紹介する」

P「黒井小鳥さん。この961プロのトップである黒井社長の奥さんだ。元765プロの事務員でもある」

小鳥「よろしくお願いしますね!」


P「こっちが、うち……SGプロダクションのプロデューサーの、モバPくん」

モバP「は、はい! ご紹介に預かりましたモバPです!」


P「で、こっちがうちの候補生の3人。向かって右から、渋谷凛、島村卯月、本田未央」

凛「……どうも。初めまして」

卯月「よろしくお願いします!」

未央「お願いしまーす!」


P「……まあ自己紹介はこんなものですけど、お前ら何か質問とかあるか?」

お風呂逝ってくる

なんでまだこんなに見てる人がいるんですかねぇ……(困惑

さっぱりした。続けます




未央「はいはいはーい! 小鳥さんと黒井社長さんとの馴れ初めを聞きたいです! 是非に!」

卯月「あ、私も聞きたいです!」

P「そう言えば、俺もいきなり結婚の報告をされただけで馴れ初めは聞いてなかったですね。俺からも是非」

小鳥「え、私とあの人との馴れ初めですか?」


小鳥「…………いやいや、無理無理、無理ですって。あんな恥ずかしいの話せませんよ。勘弁してください」

未央「えー!」

卯月「残念です……」

凛「…………」

モバP「? どうした凛? なんかすごく残念そうな顔してるけど」

凛「……うるさい。ほっといて」




P「まあ音無さんの馴れ初めについては後ほどたっぷり拝聴するとして、です。音無さん」

小鳥「はい?」

P「ジュピターの3人がスカウトしてきたっていうアイドル候補生、ぶっちゃけ言うとどうですか?」

小鳥「うーん……。実力の方は私には分からないですけど、よくも悪くも個性的な子たち……」

小鳥「……いや、平均年齢的にはあの人たち、の方がいいでしょうか。まあ、そんな感じですよ」


P「……音無さんが言えたくちですか」ボソッ

小鳥「プロデューサーさん?」

P「いえ、なんでも」




P「コホン、まあそれはそれとして、です。俺がモバPくんを連れてきた理由がそこに繋がるわけですよ」

モバP「? 自分がですか?」

P「そうそう。要は、モバPくんにもアイドルをスカウトするための眼を鍛えてもらいたくてですね」

小鳥「うちの候補生たちを見てもらって、光るものがあるかどうかの見極めをする、と?」

P「まああいつらがスカウトしたんだからめったなことはないでしょうけど、一応ですね」

P「あとから自分もきっちり見ますし、そこらへんは大丈夫だと踏んで来たんですけど、まずかったですかね?」

小鳥「いえいえ、全く問題ないですよ。私もプロデューサーさんと話したいことがありましたし」



小鳥「それじゃあ、ええと……すいませーん! 誰かいますかー?」

ガチャ

「お呼びでしょうか?」


未央「わ、呼んだらホントに人が来たよ!」ヒソヒソ

卯月「すごいですね! なんかお金持ちみたいです!」ヒソヒソ

凛「そこ、うるさいよ」ヒソヒソ


小鳥「悪いんですけど、この人とそこの子たちをレッスン場に連れていってあげてもらえませんか?」

「はい。畏まりました」

モバP「Pさんはどうするんですか?」

P「俺はもう少し音無さんと話をしてるよ。後でそっちに行くさ」

モバP「あ、はい。分かりました」

「では、こちらへ……」


――

――――

―――――――――




――――――――

――――

――

小鳥「そう言えば、聞いてなかったですけど」

P「なんでしょう?」

小鳥「あの子たちはどうなんですか? その、アイドルの素質的な意味で」

P「十分すぎるものを持ってると思いますよ。よっぽどプロデュースを間違えない限り、かなり伸びると思います」

小鳥「べた褒めですね」

P「まあ、打倒765プロですし。それに見合うシンデレラを、今の社長たちは育てていると思いますよ」

小鳥「あ、そう言えば、765プロで思い出したんですけど。いや、こっちが本命なんですけど」

P「?」



小鳥「私たち、実は765プロが解散した後でも集まれるメンバーはみんな集まって」

小鳥「定期的に飲んだり食べたりしてたんですよ。いわゆる女子会ってやつですよ」

小鳥「で、もうほとんどの子たちが成人しちゃって、お酒も飲んじゃったりしてたんですよね」

小鳥「で、つい先日も、いつものようにたるき亭でみんなで飲んでたらですね」

小鳥「ほろ酔いになった美希ちゃんが、不意に何気ない口調で言っちゃったんですよ」

小鳥「なんて言ったと思います?」


P「……すでにいやな予感しかしないんですけど、一応聞きましょうか。美希はなんと?」

小鳥「えっとですね……」







美希『あ、ねぇねぇ春香、知ってる? ハニーが勤めてるSGプロの社長さんって、高木社長なんだよー』





P「」

小鳥「貴音ちゃんと響ちゃんと千早ちゃん以外はみんな来てたんですけど」

小鳥「それを目敏く聞いた真ちゃんが律子さんに報告して」

小鳥「そしたら律子さん、烈火のごとく怒り狂いましてね」

P「    」

小鳥「まあ、小川さんたちにも手伝ってもらってなんとか抑えたんですけど」

小鳥「その後、ようやっと落ち着いた律子さんが、なんて言ったか。分かりますか?」




律子『……さっきは取り乱してごめんなさい』

律子『やっぱり暴力に訴えるのはよくないですよね。いい大人にもなって』

律子『……いえいえ。お気になさらず。やっぱり人間、冷静に動けないと駄目ですし』

律子『……高木社長も、プロデューサー殿も』

律子『この世界のやり方で、しっかりきっちり、対応させていただきますから』ニコォ




P「        」

小鳥「……ですから、多分律子社長さんは本気でSGプロを潰しにかかりますよ。正々堂々と」

P「……マジですか」

小鳥「ええ、マジもマジ、大マジです」

P「…………」


P(拝啓、お父様、お母様)

P(ぼちぼち、ニートになってたツケが返ってくるのかもしれません。いろんな意味で)

今日はもう寝るの。記念に酉もつけておくの。

遅くなってすいません。全部白騎士物語がいかんのや……。

では、またいずれ。


あ、小鳥さん編はもうちっとだけ続くんじゃ。

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