第一楽章 始める少女 (21)
戦ってなんかいられない。
私は逃げるぞ……?
しつこい、追いかけてくるな変態、息が乱れる。
無駄な労力は使いたくない、戦いたくない。
戦うと気持ち悪くなる、吐きたくなる。
旅なんか始めるんじゃなかったって。
一日に20回は思うことがある。
そういえばあいつはため息が嫌いだったことを思い出す。
逃げる。
そろそろ朝日が登る頃だろうか。
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中断1
面白くもない街だ。
面白かった街なんて、数えるほどもないけれど。
嘘をついた。
ひとつもなかったかもしれない。
騙された。
忘れたのかもしれない。
自分を騙したらおしまいだって、あいつはいっていたけれども。
自分を騙しながら、進むことだってある。
そう、この街だって、面白いことがあるのかもしれない。
まずはご飯を食べよう。
雨が降ってきたけれども、街にはたどりかない。
ずぶ濡れだ、ついていない。
けれども、雨で私が死ぬ訳ではない。
水飛沫で視界が悪いのだけれども。
私が死ぬ訳ではない。
あいつはいつも幸福そうな顔をしていた。
羨ましかったことしかなかったけれども。
生きている限りはついている。
面白くもないこの世界で、運は私に向いているのだ。
中断2
貴方は何をしているの?
シスターに尋ねられたとき、私は言葉を濁した。
こうしてまた1つ、苦い記憶が加わる。
苦い記憶は嫌いだ。
揺蕩(たゆた)っているっている。
そう言ったところで理解などしてくれるのだろうか。
あいつなら、にこにこしながら話を聞いてくれそうだ。
外はすっかり夜だけれども。
今日はまだ眠たくはなかった。
人に尽くす仕事は奴隷がやる仕事だ。
百歩譲ろう、尽くすことを私は否定しない。
けれども、尽くすということは不満が常についてまわる。
完璧なんて、人間には不可能なのだから。
だからといって、私だって正当な訳じゃない。
楽だなんて思ったことはほとんどないけれども。
楽だんなんて思える人はいないのかもしれない。
私は他人に無関心なのだけれども。
あいつは他人のことしか考えていなかった。
朝は固形物を撮りたくない。
お腹が痛くなってしまうから。
中断3
血反吐を吐いたことはあるかって?
私はないね、馬鹿馬鹿しい。
まるで自分の勲章のように。
そんなことを語る輩もいるだろう。
苦労するのはご勝手だが。
それを他人に強要しないでほしい。
自分から苦労を買うなんていうのはもっての他だ。
だから、私は最後まであいつを理解出来なかった。
路銀がいくらあっても足りなくなってしまうから。
私はベッドに潜り込む。
恋することは結構だ。
けれども私は応援しない。
自分が頑張れるまで頑張って。
走れなくなれば止まればいい。
持論だ、正しいと言って欲しいわけではない。
間違ってると、諭されたくもない。
自由は、誰にだって平等だって。
あいつは笑いながら私に言ったっけ。
街を出たばかりだがお腹がすいた。
ブランチのホットドッグの包を開ける。
失礼しました。
推敲はきちんと行います。
中断4
歩くだけの単純作業。
空は晴天ではないけれど。
曇っているほうが、私は好きだ。
恥ずかしげもなく、鼻歌を口ずさむ。
人前でなんてごめんだね。
一人の時間が沢山あるのは、良いことだ。
探し物をするやつは救いようがない。
無くすほど、物を持たなければ。
探す必要も生まれない。
そんなの絶対勿体ないと。
悲しい顔で、あいつは言った。
太陽が一番高いところを通りすぎたあたりだ。
次の街には夕方頃に。
感情を押し止める。
感情を[ピーーー]。
割り切ることは大切だ。
割り切れないやつは、救われない。
間違っていると言われても。
この世界はそういうルールなのだ。
他人のためにあいつは泣いて。
他人のためにあいつは笑っていた。
けれどもやっぱり私はそれを。
ひどく残酷な間違いだと思う。
>>18
失礼いたしました。
再投稿です。
感情を押し止める。
感情を殺す。
割り切ることは大切だ。
割り切れないやつは、救われない。
間違っていると言われても。
この世界はそういうルールなのだ。
他人のためにあいつは泣いて。
他人のためにあいつは笑っていた。
けれどもやっぱり私はそれを。
ひどく残酷な間違いだと思う。
中断5
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