黒井「プロデューサーさん、密着取材ですよ! 密着取材!!」(200)

P「俺に密着取材ですか?」

社長「そうなんだ」

P「なんでアイドルじゃなくて、俺なんですか?」

社長「いまや765プロも所属アイドル達のおかげで有名になった。その原動力が君である事は疑いない」

P「いやそれは」

社長「謙遜する事はない。最近はテレビをつければウチの誰かが映っているし、街には歌声が流れている」

P「それは確かに」

社長「世間もこれだけの短期間に多くのアイドルを世に出した君に、感心があるのだよ」

P「でも俺なんかに密着しても、面白くないと思うんですが」

社長「そんな事はない。それに、アイドルを密着となるとこちらも気を遣うが」

P「なんでもかんでも撮らせられないですからね。後で編集に口を出せるとしても」

社長「男の君なら、まあ君には悪いがそれほどまでの気は遣わなくていい」

P「釈然とはしませんが、おっしゃりたいことは理解できます」

社長「それでいてウチのアイドル達も自然、君と一緒にテレビに出られる。普段の顔を視聴者も見られるとなれば、数字も出るはずだ」

P「その数字がまた、アイドル達の宣伝につながるわけですね」

社長「さすがに察しがいいな。ではよろしく頼むよ」

P「はあ……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1339031901(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

小鳥「うふふ、仕事とはいえ大変ですねプロデューサーさん」

P「まったくですよ。みんなのためならなんでもするつもりでしたが、芸能人でもない自分がプライベートを売る羽目になるとは」

同時刻 961プロ

黒井「765プロのプロデューサーを密着する、というのは本当かね?」

フリージャーナリスト(以後、フリー)「はあ」

黒井「そのテープ、編集前に見たいのだが……どうかな? ん?」

フリー「見るだけ、ですか」

黒井「なんだね? 別に編集に口を出そうというのではない。テープに細工もしない。見るだけだ、どうだね?」

フリー「なんでまた……」

黒井「黙りたまえ!」

フリー「!」

黒井「これは私からの譲歩だよ、君ィ。別に私は君の取材が、ひいては仕事が無くなってもかまわない、と思っているんだがね」

フリー「……わかりました」

黒井「フン! 最初からそう言えばいいんだよ。ではせいぜい身を入れて、密着取材とやらをするんだな。ああ、この事はあちらに言ってやる必要はないぞ」

フリー「……はい」

……という事があってから一ヵ月後、765プロの事務所

春香「プロデューサーさん、明日が放送ですよ! 放送!!」

P「え? なにがだ?」

春香「もう! この間の密着取材ですよ」

P「ああ、結構色々と撮られたよな。でもまあ、Vチェックもしたけど問題なかったから大丈夫だろ」

真「問題なんてないに決まってますよ! でもみんな、楽しみにしてますからね」

P「楽しみ?」

雪歩「そうですぅ。私たちのプロデューサーが、テレビで取り上げられるんですよ」

あずさ「そうよね~なんだか、自分の子供がテレビに映るような気持ちよね~」

P「あずささん……俺の方が年上なんですが……」

真美「も→! 兄ちゃんはわかってないな→。真美たちの仲間のテレビ初出演だよ」

亜美「兄ちゃんは765プロも仲間なんだから、家族も同然っしょ? 家族のテレビデビュ→なんだから、みんな楽しみなんだYO!」

やよい「うっうー! 私の家でも明日は家族みんなで見るんですよー」

春香「千早ちゃんなんか、明日のためにBlu-ray録画のテレビを買っちゃったんですよ」

千早「ちょ、ちょっと春香!」

春香「ちゃんと録画できるように、特訓までしたんですからね」

伊織(実は私も、新たに最新型を5台買ったわ)

P「なんか、かえって申し訳ないな、みんなにそんな心配というか……気をつかわせて」

千早「いいえ。私はむしろ誇らしいです」

P「え?」

千早「プロデューサーはすごいです。歌うことしかできない私を、芸能界のトップに連れて行ってくれる……そんな尊敬するプロデューサーを、私は胸を張って自慢したいんです」

貴音「わかりますよ、如月千早。わたくしも同じ気持ちです。この偉大なる方を、てれびを通じてもっと世間に知らしめたい」

亜美「ま→千早お姉ちゃんと、お姫ちんじゃあ張る胸がそもそも違うけどね→」

千早「くっ!」ワナワナ

P「うーん。なんか大げさな話になってるなあ。まあ見られてこまるようなシーンもないしな」

律子「本当ですか?」

P「な、なんだよ? なにが言いたいんだ?」

律子「プロデューサーは自覚がないみたいですけど、業界では注目されてるんですよ」

美希「えっ、みんながハニーを狙ってるの!?」

律子「違います……いや、違わないか」

美希「ええっ! ホントなの、律子!!」

律子「だから年上には『さん』をつけなさいって、あれほど言ってるでしょ!」スパコーン

美希「うう★ 痛いの……」

律子「つまりね、プロデューサーを引き抜きたいとか、業務提携したいって話は結構あるのよ」

P「おい律子、その話は……」

真美「え→! 兄ちゃん765プロをやめちゃうの→!?」

やよい「ほ、ほんとですかー!?」

P「……こうなることが予想されたから、内緒にしてくれと……。あー違う違う、そういった話は全部断っている」

美希「ハニー! それはミキの為に!?」パアァ

P「美希だけじゃないけどな。俺はみんなの為にこれからもがんばる。それに他所の所属芸能人のプロデュースもしない。大体、みんなだけで手一杯で、そんな余裕もないしな」

律子「まあそれだけ注目されているのよ。今回の放送も、プロデューサーのノウハウを手に入れようと、業界人は血眼になって見るでしょうね」

雪歩「え……じゃあ明日の放送は、中止してもらった方がいいんじゃないですか……?」

P「? なんでだ?」

雪歩「そういった情報が知れ渡っちゃうと、他のプロダクションも……」

真「そっか。真似されて、同じことをしてくるってわけか。これはマズイですよ、プロデューサー」

P「大丈夫だよ」

雪歩「ど、どうしてですか?」

P「俺は何も変わったことはしていない。見られたり知られたりして、この先困ることなんてなんにもないんだ。まあ、だからこそ見ても面白くないかも知れないが」

律子(正確には、誰もマネができないんだけどね。身近に接していると、プロデューサー殿の凄さが身にしみるわよ、まったく)

同じ頃、961プロ

冬馬「なあおっさん、なんで録画可能のテレビが10台も社長室に置いてあるんだよ」

黒井「いかに我が家が広くても、こんなにテレビばかり置いておけないからだ」

冬馬「いや、そもそもなんでこんなにテレビが必要なんだよ」

黒井「テープは全てダビング済みだが、あのジャーナリストめが私の目を盗んで隠している映像があるかも知れないからな」

冬馬「なんのことだよ?」

黒井「全ては……お前の為だ」ボソッ

冬馬「は?」

黒井「な、なんでもない! それより早く行かんか。今日は営業活動のはずだろう?」

冬馬「あ、ああ。わかったぜ」

黒井「そうだ冬馬……私は私の信念を忘れたわけでも、捨てたわけでもない。しかしお前の為に……お前の為なら……」

誤爆元はここか
面白そうだが酷いスレタイだなww

黒井社長の回想

冬馬「……負けた。負けたぜ……レコ大も765プロがほとんどの賞を取ったし、紅白も765プロオールスターズで中トリ……ショップでの売り場も……この有様かよ」

黒井「んん? あそこの店の前で立ってるのは冬馬か? 雨が降るのに傘もささずに何を?」

冬馬「店頭の目立つトコは765プロの独占。ジュピターは……ヘッ、コーナーがあるだけマシか」

黒井「………………」

冬馬「ヘッ、ヘヘヘ。ハハッ、笑っちまうよな……」

ザーーーーーー

再び961プロ社長室

黒井「そのまま二時間も雨に打たれながら、お前は立ちつくしていたな。冬馬……もう、もうお前にあんな思いはさせない! この私がなんとかしてやるぞ、冬馬!! あの高木の飼い犬めの手法、見定めてやる!!!」

本日より始まりましたスレです。
どうかよろしくお願いいたします。
とりあえず本日はここまでで、一旦停止します。

>>8 なんとも申し訳ないです……あちらの書き手さんにも、読み手さんにもご迷惑をおかけいたしました……
本当にごめんなさい。

翌日、Pの密着番組放送
『密着取材一日目AM7:00 P氏宅』

P「おはようございます」

フリー「今日はよろしくお願いいたします。あ、朝食の準備ですか?」

P「ええ。今日はまあ、朝イチの仕事もないですし、そういう時はなるべくしっかり自炊するようにしています」

フリー「結構な量ですね!」

P「まあそうなんですけどね。最近は手軽にカロリーとか栄養素は摂れるんですよ。しかし健康を維持する為には、やはり食事が大事ですよね。と言っても焼くだけとかの簡単なものばかりで、お恥ずかしいんですが」

フリー「なるほど。それでこの山盛りのサラダに、ベーコンとソーセージ、ゆで卵に納豆、そしてご飯ですか」

P「正直なところ、これが今日摂れる唯一の食事かも知れませんからね」

フリー「え?」

P「その可能性もある、という事ですよ。では失礼していただきます」

フリー「美味しいですか?」

P「いやあ、正直俺……いや、私は調理の才能はないですね」

フリー「そうは見えませんよ。なかなかの食べっぷりに見えますが」

P「これは……今日の一日を乗り切るため、あいつらの為に働くためのガソリンなんです」

フリー「燃料の補給に味は必要ない、と?」

P「いや美味しいにこしたことはないんでしょうが、贅沢も言っていられないので」

ナレーション「人間の持つ三大欲求の食欲。それを切り捨ててでもアイドルに尽くす男の姿が、そこにはあった」

放送と同時刻、P宅
P「大げさな」

放送と同時刻、高月家
やよい「1日1食……わ、私、知らなかったですー」ガーン

放送と同時刻、貴音の家
貴音「あなた様……」ショボーン

放送と同時刻、千早の家
千早「わ、私には……しっかりと三度三度食べるように、なんて言ってたくせに……」グスッ

放送と同時刻、黒井社長宅
黒井「家政婦君、明日は朝食にステーキを用意しておくように。うん? かまわん! 食べると言ったら食べる!! ああ、無論サラダやライスもだ。そうそう納豆も頼む!!!」

家政婦(まあ、これまで朝食はカフェオレとクロワッサンだけだったのに。それに納豆なんて絶対に口になさらなかったのに)

再びPの密着番組放送
『密着取材一日目AM8:20 765プロダクション』

P「おっ、今日は一番乗りか」

フリー「いつも出社は、一番なんですか?」

P「いえ小鳥さ……事務員の方と、争ってる感じですかね。まあ私は、深夜までテレビ局にいてそのまま出社したり、地方に出る事もありますが」カキカキ

フリー「先ずはスケジュールの確認ですか」

P「いえ、スケジュールは頭に入ってますので。こうしてボードに書いておくのは、周知徹底の意味合いが強いですよね」

フリー「12人のスケジュールが全て頭に?」

P「ええ、まあ。とは言っても竜宮小町としての活動は律子……秋月の仕事ですので、実際はもっと少ないですし。それにこの人数が私の限界ですかね」

フリー「十分すごいと思いますが」

P「自分でとってきた仕事ですから、自然に頭が入りますよ。それに受けるかどうか、みんなの力量や適性を頭でシュミレートしますからね。ただ丸暗記で覚えるのとは違いますよ」

フリー「仕事も、ただ取ればいいわけではないんですね」

P「ははは。偉そうなことを言ってますが、ほんのちょっと前……それこそ去年までは選ぶ余裕もありませんでしたよ。お願いして、お願いして……それで貰える仕事もみんなに合ったものでは……でも、それもいい経験でしたよ」

フリー「今の貴方に活かされているわけですか?」

P「え? いいえ。彼女達にとってのいい経験ですよ。今ではありがたい経験ですね」

ナレーション「そう言ったきり、笑顔で押し黙るプロデューサー。その脳裏に去来するのは、苦しかったはずの下積み時代なのだろうか?」

放送と同時刻、P宅
P「仕事に対する姿勢が真摯になったからな。それにあの時期はレッスンに時間がたくさん取れたから、良かったのかもな」

放送と同時刻、千早の家
千早「私ったら、せっかくもらえた仕事に不満ばかり言ってた……」メソッ

放送と同時刻、萩原組
雪歩「い、犬がでている番組に出たのも、私のためだったのかも……」シュン

放送と同時刻、黒井社長宅
黒井「ウィ私だ。今度ウチの可愛いジュピターを、特別にそちらに出させてやってもいいんだがね。なに? もう枠はいっぱい? 君ィ、ジュピターだよジュピター! 別に歌でなくてもかまわんが……ああそうか、もうお前には頼まん!! 次だ次!」

テレビ局ディレクター「まったく! しかし黒井社長が自分から売り込みをかけるなんて、初めてだな……もしかして961プロ、危ないのか?」

高月家…
黒井は何がしたいのかww

再びPの密着番組放送
『密着取材一日目AM9:30 765プロダクション』

春香「おはようございまーす☆」カメラメセン

P「おはよう春香。ん? 今日は午後からの収録じゃなかったか?」

春香「あ、あはは。そうなんですけど、午前中に自主トレなんてしちゃおうかなーと思って」カメラメセン

P「……そうか。偉いな、がんばれよ」ナデナデ

春香「あ……えへへ。プロデューサーさん、私がんばりますね!」

P「ああ。がんばれよ、春香はもっともっと歌もダンスも上手くなる。期待しているからな」

春香「は、はい……」ジーン

P「そうだ、もうちょっとしたらやよいと真美も来る。来たら一緒にやって、気になる所があったらみてやってくれ」

春香「わかりました」

フリー「素直なんですね。春香ちゃん」

P「いやあ、春香はちょっとあざとい所がある。今日早めに来たのも、きっとカメラがあるからかも知れないなあ」

フリー「そういえば終始カメラ目線でしたね」

P「ええ。だけど、それは春香のいい所でもある。貪欲というと言葉が悪いけど、とにかくチャンスに対して一生懸命だ。自分の欠点をわかっている娘は、強い」

フリー「天海春香ちゃんに欠点ですか?」

P「春香は他のアイドルと比べて、アピールするポイントが少ない。秀でてるものが無いんですよ。でもそれでも春香はくさらないし、前向きだ。だからそれが感じられる時は、俺はなるべく褒めるようにしています」

フリー「なるほど。カメラが来ているから早めに来た、とわかっていても褒めたのはそういう理由ですね」

P「褒められて伸びるタイプですからね、春香は。それに期待すれば必ず応えてくれる」

放送と同時刻、P宅
P「俺、思いっきり春香をあざといって言ってるな……明日フォローを入れないと」

放送と同時刻、律子の車(竜宮小町移動中ワンセグにて視聴)
真美「いや→はるるん、あざといですなあ→」

伊織「あざといわね」

あずさ「あざといわ~」

放送と同時刻、天海家
春香「……」ガクー

放送と同時刻、黒井社長宅
黒井「もしもし、冬馬か。……お前には期待しているからな」ガチャ

放送と同時刻、961プロレッスン場
翔太「社長、なんだって?」

北斗「チャオ?」

冬馬「……期待してる、とさ」

翔太「……熱でもあるのかな?」

北斗「チャオ! いや、社長からの激励じゃないか。ここは素直に言葉通りにうけとろう」

冬馬「……だな」

再びPの密着番組放送

美希「おはようなの。ハニー!」

P「こらこら、身内のあだ名は今日はダメだ。カメラが入ってるだろ」

美希「あ、なの。ごめんなさいなの」

P「よし。おはよう美希。んん? 美希も今日は午後からの取材だろ? まさか……自主トレか?」

美希「違うの。それまでここで休むつもりなのー。あふぅ」

P「こらこら! み、美希ぃ。休むって言うのは、休憩をするっていう意味だよな? うん、そうか。それなら良かった」

美希「違うの。ミキこれからここでお昼ね……」

P「あ、あー。おひるね、お昼ねー! いやー、お昼ご飯の時間はまだちょーっと早いなあ。そうだ! 今、春香が自主トレやっているから、美希も行け! さあ行け!! すぐ行け!!!」

美希「え? いやなの。ミキはここで休みたいの」

P「……あのな、美希。まだ新曲のフリ、覚えきれてないだろ」

美希「それは明日やるの。ミキならすぐに覚えられるの!」

P「ダメだ! いつもそう言いながら、スケジュールにおされてるだろ。美希の『すぐにできる』は信用できない。さあ、行くんだ」

美希「……はーいなの……」シュン

P「よし、早く行け。ちゃんと覚えられたら、いちごババロア買ってやる」

美希「がんばるのー」コクッ

フリー「春香ちゃんとはうってかわって、厳しいですね」

P「美希は天才だ。あの天才がやる気さえ出してくれれば、といつも歯がゆい思いですよ」

フリー「天才は、努力は必要ないんじゃ?」

P「とんでもない! 天才であろうが、凡才であろうが努力無き所に勝利はありませんよ。だけど美希は天才だから、たいして努力しなくてもある程度は何でもできる。出来てしまう……」

フリー「はあ」

P「俺はむしろ、その為に美希が努力をしなくなることが怖い。だから美希には少々厳しく接しています。それに期待をかけすぎるのも良くない。美希には『期待している』は禁句です」

フリー「それはなぜ?」

P「彼女は期待されていることに安心してしまう。そしてそれが、美希のモチベーションを下げてしまう。それに天才は、やるだけの努力をしたら、後は自然体で挑むのがいい。それだけの実力があるんだから」

フリー「天才は、天才なりに扱いが大変なんですね」

放送と同時刻、星井家
美希「ハニー! やっぱりミキに厳しいのは、嫌いなんじゃなかったの!! 嬉しいの!!!」パアァ

放送と同時刻、我那覇家
響「自分、あんまり褒められないのは天才だったからだったのかー!」パアァ

放送と同時刻、萩原組
雪歩「私みたいに、そこそこ褒められて、そこそこ厳しくされているのはどういう……?」

放送と同時刻、黒井邸
黒井「ああ私だ。やっぱりお前には全く期待をしていないからな!」ガチャン

放送と同時刻、961プロレッスン場
翔太「今度は社長、なんだって?」

冬馬「……やっぱり全く期待してないってよ」

北斗「チャオ?」

こんにちは、書き手です。
本日はここで、一旦止まります。

レスをたくさんいただけて、とても嬉しいです。

スレタイがヒドイ、との声が多いようですが……どれどれ? うん! 改めて見ると、これは酷い!! 確かにヒドイ!!!
でもその分、インパクトは絶大でしたね。ハハハ。



竜宮小町って真美じゃなくて亜美じゃないのかな

再びPの密着放送
『密着取材一日目AM11:30 某テレビ局』
P「え? なんだこりゃ」

フリー「どうしたんですか?」

P「頼んでおいた弁当と違うものが届いてます。参ったな」

フリー「問題ですか?」

P「ウチに極端な偏食のアイドルはいませんが、やはりみんな成長期ですしね。それにハードな仕事をさせているんだから、弁当ぐらいは好みに合う美味いものを食べさせてやりたいんです。モチベーションを上げるためにも」

フリー「取り替えてもらいますか?」

P「局には局の事情もあるんでしょう。さっき言った事とは矛盾するかも知れませんが、弁当ぐらいで揉めるのは、なによりあの娘らの為にならない」

フリー「難しいものなんですね」

P「いやいや。さて、ここからなら……あの店が近いな。おーい、雪歩」

雪歩「なんですか、プロデューサー」

P「ちょっと外すから、みんなで休憩しててくれ」

雪歩「はいですぅ」

ナレーション「それから15分後、P氏は何かを持って戻ってきた」

P「よーしみんな。昼食にしよう」

真「今日のお昼はなんですか?」

P「なんか新しい所の弁当だぞ。美味いかはわからんが、今日は特別に差し入れもあるぞ」

雪歩「あ! これこの間、貴音さんがリポートしてた有名店のスイーツですぅ」

やよい「うっうー! 私、食べてみたかったんですー」

真「これ行列店でなかなか買えないやつですよね。やーりぃ!」

P「良かったな。じゃあ俺はディレクターに挨拶してくるから、食べててくれ」

やよい「はいですー」

フリー「……あのスイーツを買いに行ってたんですね?」

P「いえ、先日の取材のお礼を言いに。そうしたらあれをくださいまして」

フリー「一石二鳥というわけですか?」

P「とんでもない。まあでも、期待はありましたね。宣伝効果もあったようですから、お互い様……でいいんじゃないでしょうか」

ナレーション「敏腕と呼ばれるには、人柄だけではない強かさも必要。我々はそれを目の当たりにした」

ナレーション「敏腕と呼ばれるには、人柄だけではない強かさも必要。我々はそれを目の当たりにした」

放送と同時刻、P宅
P「いちいち大げさなんだよな」

放送と同時刻、菊地家
真「あの時あんなことがあったなんて……」

放送と同時刻、萩原組
雪歩「あらためて見たら、プロデューサーだけスイーツ食べてないですぅ……」

放送と同時刻、高槻家
やよい「プロデューサーだけお昼ご飯もたべてませーん……」

放送と同時刻、961プロレッスン場
翔太「なに? この大量のケーキデリバリー」

北斗「チャオ! 社長からみたいだね」

冬馬「甘いものより、腹の足しになるものがいいんだけどなあ……」

再びPの密着放送
『密着取材一日目AM15:00 某ラジオ局』

P「ん? ケータイ……小鳥さんからか。もしもし……え? ダブルブッキング!? ……はあ……はあ……ああ、なるほど。いや、わかりました。後は引き受けます。先方には俺が出向くと、ええ」

フリー「トラブルですか?」

P「ははは。そうならテレビ的には盛り上がるんでしょうが、ご期待には添えないみたいですよ」

ナレーション「P氏はそういうと、ラジオでナビゲーターをしている三浦あずさになにか手で合図を送る。三浦あずさはニッコリ笑いながら、指で○印をつくりつつナビゲーションを続ける」

フリー「今のは?」

P「俺はいなくなるからな、と合図しました。あずささんなら大丈夫でしょう」

ケータイ“ピリリピリリ ピリリピリリ”

P「なんだ? 真美か? いいんだ、気にするな。真美は悪くない。俺が話をつけてくるから心配するな。これからは、自分のプロデューサーは怖いから出る仕事は全部一方的に押しつけられているから、って言うようにするんだ。いや、それでいいんだ。わかったな? 気にするなよ」

フリー「なにがあったんですか?」

P「前にバラエティで共演した娘が、『また一緒に出てね』と言ってたのを真美が『うん』と言ったらしいんです。真美にすれば軽い気持ちだったんでしょうが、相手のプロダクションは言質をとったつもりでいるらしいんです」

フリー「どうするんですか」

P「向こうへ出向いて話をつけます。やり方としてはグレーゾーンだが、芸能界も綺麗事ばかりじゃない。まあその為に俺がいるわけですし」

フリー「華やかそうに見えて、怖い事もあるんですね」

P「あまり大げさに怖がらないでください。あ、それから先方の名前は出さないでくださいね」

フリー「わかりました」

ナレーション「都内某所のプロダクションに、P氏は出向いた。相手側はむしろ、P氏の来訪に戸惑いを隠せない様子だ」

某プロ「わざわざおいでになられるとは……お忙しいでしょうし、電話でよろしかったですのに」

P「いえ。今回はウチの双海真美が迷惑をおかけいたしました」

ナレーション「深々と頭を下げるP氏。相手側はその態度に慌てる」

某プロ「い、いえいえそんな。765プロのあのプロデューサーさんに、そんなことをしてもらっては……」

P「本人には厳しく言って、二度とさせませんので」

某プロ「え、あ、ああ。それで結構ですとも」

P「無論、某プロさんには今回のお詫びも兼ねて、仕事を廻させていただきます」

某プロ「……いいんですか?」

P「当然です。ええと、来週のゴールデンヒットの生に、765プロは2枠もらっていまして、如月と双海真美を出そうと思っていたんですが、真美の枠をお譲りします」

某プロ「ご、ゴルデンヒットと言えば、ゴールデンタイムの歌番組! しかも生……」

P「お詫びとしては、物足りないでしょうか?」

某プロ「と、とんでもない! あ、あの如月というのはあの……?」

P「ええ、如月千早です。生での歌番組なので、本人も気合が入っています。あ、その2枠でデュオもやる予定ですのでよろしく」

某プロ「ええっ!? う、ウチのタレントと如月千早がデュエットを……?」

P「ご不満で?」

某プロ「え? い、いや……その、ちよ、ちょっとウチの娘では荷が……正直、重いかと」

P「そうですか」

某プロ「こ、今回はまあひとつ穏便に……お願いできませんか」

P「穏便に、ね。まあいいですが。ではゴールデンヒットのお話は持って帰らせていただきますね」

某プロ「ど、どうぞ……」

ナレーション「P氏の滞在時間は、結局15分にも満たなかった」

フリー「貫録勝ち、という所ですか?」

P「はは。まあ同じ手をなんども仕掛けられても困るので、ちょっと強気に出ました。千早と張り合うぐらいのやる気があるなら、それはそれで私も相手を尊敬しますし」

フリー「でもなぜわざわざ出向かれたのですか?」

P「強気に出るためですね」

フリー「は?」

P「非があるなら礼を尽くす、という姿勢をこちらは見せました。逆もまた然りです」

フリー「つまり、相手に非がある場合はそれ相応の礼をこちらも要求する……と?」

P「そこまで言葉にすると、ちょっと口幅ったいですね。ははは。まあ黙って座っていても良かったかも知れません」

フリー「それだけで向こうに伝わる?」

P「真美をしょげさせたままにはさせておけませんでしたからね。こちらが良く思っていない事は、直に伝える必要があった。まあ、これで真美もまた元気を出すでしょう」

ナレーション「敏腕と噂される業界の有名人、その豪腕ぶりの一端を我々は確かに見た……特集密着765プロダクションのP氏。第2部はご覧のチャンネルでまた1時間後に」

放送と同時刻、P宅
P「なんかこれ、俺ちょっと感じ悪いな。反省しよう」

放送と同時刻、萩原組
雪歩父「この男、見所がある……」

放送と同時刻、双海家
真美「ちょいワル兄ちゃんカッコE→!」

放送直後、某プロダクション
黒井「……」

某プロ「……あの、本日はどういったご用で……?」

黒井「………………」

某プロ「?」

15分後

黒井「では失礼」

某プロ「は? はあ……なにしに来たんだ? あの961プロの社長がわさわざ……」

こんばんわ。書き手でございます。

本日は、一旦ここまでで停止します。
本日も読んでいただいたり、レスをありがとうございます。
励みになります。

>>26 さん、ご指摘ありがとうございます。
高月家ではなく、高槻家です。

>>41 さん、ご指摘の通り竜宮小町は真美ではなく、亜美です。
わかってるはずなのに、あるまじき間違いを……ありがとうございました。

それではまた……
失礼いたします。

おつ!

黒井は何も言わずに何したかったんだwwwwwwwwww

まえのスレタイおしえてくれ

再びPの密着放送
『密着取材一日目PM6:00 765プロ事務所』

千早「プロデューサー、少しいいですか?」

P「ん? どうした?」

千早「新譜の事なんですが……」チラチラ

P「んん? ああ、カメラは気にするな。どれ、譜面見せてくれ」

千早「ここですけれど、個人的にはサビが単調に過ぎないかと思うんですが」

P「なるほど」

千早「いえ、あの、なるほどじゃなくて……」

P「千早はどうしたい?」

千早「え?」

P「千早はこの曲、どう変えたい?」

千早「私は……私ならもっと、サビの音を厚くして……したいです」

P「……サビは良くなるだろうな」

千早「サビだけ、ですか?」

P「千早、もっと全体を見よう。サビばかりが厚くなったら、他が薄っぺらくなる。そんな不自然な曲がいい曲になるとは俺は思えない」

千早「それは……」

P「このサビは単調なんじゃない。シンプルなんだ。それに情感や、情景を込めるのは千早、お前の仕事だぞ」

千早「……はい」

P「曲はサビが花だが、そこだけで出来ているわけじゃない。もう一回曲全体を読んでくれ。その上でなら、いくらでも相談にのる」

千早「いくらでも、ですね?」

ナレーション「歌姫、如月千早は笑顔で去っていった。その存在感はもはや圧倒的ともいえる」

フリー「……なかなかの音楽論でしたね」

P「いや、今のは感情論ですね。あの曲がいい曲なのは間違いない、それを歌い手が迷ったらダメです」

フリー「あの如月千早ちゃんにしても、ですか?」

P「千早は生真面目で完璧主義者な所がある。完璧主義者が疑い始めると、キリが無い。今のも不安から出たもので、本心じゃないでしょう」

フリー「それでさっきのアドバイスですか」

P「事実、いい顔で戻っていったでしょう? 細部を疑わせず、歌に集中させる、これができれば千早の歌は無敵です」

フリー「信用されているんですね」

P「あの娘は寝食を含めた私生活をなげうち、人生を歌に捧げている。その歌が人の心をうたないはずがない。なら、その歌を1人でも多くの人に届けられるようにするのが俺……いや、私の責務です」

フリー「そこまで……」

P「千早がSランクにもしなれなかったら、悪いのは……責任の所在は私でしょうね」

ナレーション「歌い手とプロデューサー、その2人のわずかなやりとりに、我々はお互いの強い信頼と絆を感じ取った」

放送と同時刻、P宅
P「この後の、千早の私生活に対する苦言、丸々カットされてる……千早には特に聞いて欲しかったんだが……」

放送と同時刻、千早の家
千早「プロデューサー……私、今のままがんばります!」グッ

放送と同時刻、961プロレッスン場
翔太「? なんでケーキ、食べる前に持ってかれちゃうの?」

冬馬「いやそれがな、社長からの命令だってよ。ワケわからねえ」

北斗「チャオ。その社長からのメッセージもきてる。ええと……寝食をなげうて! ……どういう意味?」

冬馬「いったいどうしちまったんだよ、おっさん……」

再びPの密着放送
『密着取材一日目PM7:00 765プロ事務所』

春香「あれー? 美希、トリートメント変えた?」

美希「わかるのー? この間のスタイリストさんのオススメなの」

あずさ「香りが美希ちゃんにあってるわよ~」

美希「ありがとうなの。春香は今もパンテなの?」

春香「そうなんだけど、新製品出るじゃない? 今度試そうかと思ってるんだ」

やよい「……」

真「あれってムスク?」

美希「フローラルなの」

雪歩「真ちゃんには合わないかもね」

真「うーん。でも女の子っぽく感じてもらえるなら……」

雪歩「だめですぅ。真ちゃんはノンスメですぅ」

響「だけどダンスレッスンでけっこう、汗かくからなー」

真「デオドラすぐなくなっちゃうよ」

美希「真クンは使いすぎって、ミキ思うな」

やよい「……」

美希「でこちゃん、トリートメントなに使ってるのー?」

伊織「でこちゃんゆーな! 私はサヴォイ」

春香「フランス?」

雪歩「イギリスですぅ。王室御用達なんだよね」

伊織「そうよ。ハロッズで買ってもらうんだけど、正直手間と輸送費が馬鹿にならないわよね」

やよい「……」

響「じゃあ他のにしたた方がいいぞ」

伊織「嫌よ。これが私に合ってるの!」

真「海外モノってちょっと敷居高くない?」

雪歩「でも今は、都内でも結構あつかってるよ?」

春香「そうそう。私、地元の友達に頼まれたりもするよ」

真「そっかー。なんかオススメある?」

雪歩「今度、一緒に行こうよ。真ちゃん。選んであげるから」

美希「ミキも真クンとデートしたいのー」

雪歩「で、デートじゃないですぅ」カアァ

春香「じゃあみんなで行こうよ!」

響「自分も行きたいぞー!!」

真「じゃあみんなのオフを確認して……」

やよい「あ、あの……私……ご、ゴミを捨ててきますねー」

ナレーション「アイドルといえども、やはり年頃の女の子達。仕事を離れればそこは普通の女の子達と変わらない素顔が垣間見える」

P「どうした、やよい?」

やよい「あ、プロデューサー……あの。私、ゴミ捨てを……」

P「そうか。いつもありがとうな」

やよい「いいえー。私、こういう事大好きですから」

P「所でやよい、CMの仕事がきてるんだけどな」

やよい「あ、はい」

P「新製品のシャンプーとトリートメントのCMだ」

やよい「!」

P「これが試供品だ。とりあえず使ってみてくれないか」

やよい「……はい!」

フリー「やよいちゃん、随分嬉しそうに抱えて行きましたね」

P「やよいも今や、トップアイドルです。お金も十分持っている。でもやよいを含め、高槻家はかわらない。質素で、慎ましくて、でも暖かです」

フリー「家庭の事情もよくご存じなんですか?」

P「仲間ですからね。やよいの家の素晴らしさもよく知っています。急にお金を持ったために身を持ち崩していく人も多い中、やよいも家族も変わらない……すごいことです」

フリー「ほんとうですね」

P「それは本当に素晴らしいが、やよいもお洒落に興味が出たり、周囲もそういう環境になっていく。大人の階段をちゃんと昇らせてやる事も、我々の責任です。幸いここにはお姉さん代わりがたくさんいる。きっかけさえあれば、やよいも大丈夫」

フリー「それであのCMですか」

P「いえ、あれは偶然です」

放送と同時刻、高槻家
やよい「プロデューサー、私がかすみとおなじ子供シャンプーを、いっしょに使ってるって知ってたんですねー……」ウルッ

放送と同時刻、律子の車
伊織「なによアイツ、格好つけちゃって……」ウルッ

放送と同時刻、小鳥小屋
小鳥「プロデューサーさん、随分気合いを入れてCMの仕事を取りに行ってたものね」ウルッ

放送と同時刻、961プロレッスン場
翔太「? 今度はこのシャンプーの山?」

北斗「チャオ? 社長はいったい何を考えているんだろう……」

冬馬「まさか、本当におかしくなっちまったんじゃないだろうな……」

書き手です。本日はここで、一旦止まります。

読んで下さる方、そしてレスを下さる方、いつもありがとうございます。

今日はまた誤爆してしまった……反省します。

>>72 の千早さん。前にここで書いていたのは『P「風俗嬢にをした……」』です。
よろしければ、読んでみてください。

それではまた……

ごめんなさい! >>72 さんじゃなくて、 >>74 さんでした。
お二方とも、本当にごめんなさい!!!

今、風俗を読んできました。

久しぶりの良作に感動し、黒井の「あふぅん」に爆笑ww

免罪のスレタイ誰か教えていただけないでしょうか?

>>100
春香「プロデューサーさん、冤罪ですよ! 冤罪!!」
雪歩「うぅ。プロデューサー……え、冤罪。冤罪ですぅ」
真「押忍、プロデューサー! 冤罪、冤罪ですよ!!」
響「プロデューサー! 冤罪だぞ、冤罪。ゆくしじゃねーんぞ……」
以上かな。結局、伊織のは書かれていないと思う。
個人的には雪歩の冤罪が好き。けど、キレイに話がまとまっているのは響のかな。
しかし本当にこれ書いた人は、風俗の人か時々信じられなくなる。

再びPの密着放送
『密着取材一日目PM9:00 ブーブーエス』

P「貴音、今日は遅くからの収録だが大丈夫か?」

貴音「無論です。先ほどいただきました、ろけ弁も三つともなかなかの美味でした」

フリー「え!? みっつ!?」

P「いや、あーははは、た、貴音もほら、成長期でして」

貴音「しかし、あなたさ……ぷろでゅうさぁ、一つ新たな問題が……」

P「な、なんだ? どうした、深刻な顔をして」

貴音「本来ならば今、このような事を話すべきではないのかも知れないのですが……」

P「ど、どうしたっていうんだ! なにがあった!?」

貴音「実はわたくし、お腹が空いてしまって……」

P「……食べたよな!? 今! 弁当を三つも!!」

貴音「ですから、本来は今話すべきではないかも知れないと……」

P「ダメだ! 収録が終わるまで我慢しろ」

貴音「しかし本日の収録は、深夜にまで及ぶと……」

P「ダメといったらダメだ!」

貴音「……いけずです……」

P「代わりに、終わったら朝方まで営業している名店のラーメン屋に連れていってやる」

貴音「まことですか!?」

P「だからがんばれ」

貴音「わかりました。わたくし、本日は気合いを入れて収録に臨みます」

フリー「貴音さんって、随分とその……健啖家なんですね」

P「まあ……あれで貴音は体調管理や、スタイルの維持もできているのでうるさくは言いませんが……」

フリー「でも上手く、やる気にさせてらっしゃいましたね」

P「貴音のためにラーメンの情報収集をして、随分詳しくなりましたよ。ネットや本を随分調べましたし、カップめんも新商品がでたら、真っ先に味見をしますね」

フリー「そこまで……」

P「それで貴音がやる気になるなら、ね。貴音につける注文はもう無いんです。俺はただ、彼女のテンションとモチベーションを上げるだけです」

ナレーション「プロデューサーたるもの、担当するアイドルの嗜好の把握すら職務。だが、それに邁進する男の胃袋は、果たして大丈夫なのだろうか……」

放送と同時刻、P宅
P「いやさすがに調べたりするだけで、そんなに食べたりはしないけどな。カップめんも事務所のみんなで食べるし」

放送と同時刻、貴音宅
貴音「それであのように、らあめんの知識を……わたくし、感無量です」

放送と同時刻、黒井邸
黒井「うーっぷ」ズルズルゴグコク

黒井「うー……家政婦君、次だ! 次のカップめんを!!」

家政婦「もう七つ目ですけど……大丈夫でらっしゃるのかしら?」

再びPの密着放送
『密着取材二日目AM1:00 ブーブーエス』

P「良かったぞ貴音」

貴音「ありがとうございます。では、約束通り参りましょう」

P「早速か。まあ収録も長引いたし、確かに腹も減っただろう」

ナレーション「一日の仕事を終え、プロデューサーとアイドルはささやかな祝杯をあげる」

貴音「九州らぁめんの店『剣道』ですか。食欲をそそるこの芳しきこの香り……まごうとことなき名店ですね」

P「なかなか評判らしいぞ。この時間にやってるのも嬉しいしな。さ、入ろう」

ナレーション「二人は談笑しながら、小一時間をこの店で過ごし、帰途についた。四条貴音を自宅近くまで送ると、我々はP氏に聞いた」

フリー「これで今日の仕事は終わりですか」

P「あ、いやー。今日は現場仕事が多かったもんで、事務が滞っています。ちょっと事務所に戻りますね」

フリー「これからですか!?」

P「今日はもう、泊まり確定ですね。ははは」

放送と同時刻、P宅
P「祝杯っていうより、祝丼だなあれは」

放送と同時刻、貴音宅
貴音「なんと……あの後も仕事を……」ズルズル

放送と同時刻、律子の車(竜宮小町移動中)
律子「……ちょっとワンセグの音量上げて!」

亜美「ラ・じゃ→!」

律子「……なんてこと、私にはいつも現場から直帰させてるくせに……」ブツブツ

あずさ「どうしたの~」

伊織「律子も知らない、アイツの仕事ってわけね。まったく! でもそういえば……アイツいつ休んでいるのよ!! 今度、勤務実態を調べてみないとね」

放送と同時刻、961プロダクション

ピーンポーン☆

守衛「誰だい?」

黒井「私だ!」

守衛「こ、これは社長! ど、どうされたんですか!? こんな時間に。いつも定時退社して、夜に来られる事など……」

黒井「なに、事務仕事をするだけだ」

守衛「はあ……」

守衛(これまでそんなことは一度もされなかったのに……まさか、経営が不振に!? いやしかしそうとでも考えないと……)

黒井「社長室にテレビを置いておいて、正解だったな。続きが視られる」

いつもありがとうございます。書き手です。
本日はここで、一旦止まります。
読んでいただいたり、レスをいただけてとても嬉しいです。
あ、過去のSSを読んでいたたけてもいるようで、感無量です……
ではまた。

再びPの密着放送
『密着取材二日目AM3:00 765プロダクション』

P「報告書も企画書も完成。すみませんでしたね、こんな所を撮っても面白くないでしょう」

フリー「もしかして、こんなことはしょっちゅうですか?」

P「でもないですよ。それに帰っても別になにがあるわけじゃないし。まあ……家族でもできたらこういう事ばかりできないんでしょうが」

フリー「そういえば、Pさんは独身でしたね」

P「ええ。まあいつまでも独り身というわけにもいかないんでしょうが、今はまだあの娘らの事で手一杯ですよ」

フリー「でもいずれは?」

P「どうでしょうね。女性と知り合う機会もないし」

フリー「あんなに可愛い女の子達に囲まれているじゃないですか」

P「それは……」

放送と同時刻、765プロ所属アイドル達が一斉にテレビに注視した!

ある者はテレビの前に駆け寄り、ある者はテレビを更に注視し、またあるものは……

律子「ちょ、亜美! もっとボリューム上げて!!」

亜美「これが限界であります! 律子軍曹殿!!」

律子「もう! こういうのは横浜アリーナとか貸し切って、巨大画面でやりなさいよ!!」

伊織「あの良識派の律子が……」

あずさ「珍しく無茶苦茶を言ってるわね~」

再びPの密着放送

P「アイドルは仕事上のパートナーです。それに、彼女達には夢がある」

フリー「その夢を叶えた後は?」

P「……どうでしょう? それは……わからないとしか……」

放送と同時刻、天海家
春香「つまり可能性はあるということですね! わかります!!!」

放送と同時刻、千早の家
千早「私、一刻も早くランクSになります!」

放送と同時刻、響ハウス
響「自分完璧だからな、トップアイドルなんてすぐだぞ!」

放送と同時刻、萩原組
雪歩「えっと、私の夢はプロデューサーと、その……だから、その夢がかなうと私の夢であるプロデューサーとの、け、け、けっ……あれ? でもその為には夢を叶えなくちゃいけなくて、その夢っていうのは……あれ? あれ?!」

放送と同時刻、双海家
真美「ぬっふっふ→。これは真美の若さがアドバンテージに!」

放送と同時刻、貴音の家
貴音「あなた様……わたくしは、やります! やり遂げてみせます!!!」ズルズルゴクゴク

放送と同時刻、菊地家
真「ボク、がんばりますね!」

放送と同時刻、星井家
美希「ミキががんばれば、ハニーのお嫁さんになれるのー!!!」

放送と同時刻、律子カー内
律子「……」

伊織「ちょっと律子、どうしたのよ」

あずさ「路側帯で停車はあぶないわよ~」

亜美「りっちやん?」

律子「か……」

伊織「か?」

律子「カムバックって……アリかしら?」

伊織・あずさ・亜美「えええぇぇぇーーーっっっ!!!」

再びPの密着放送

P「ともかく今は、彼女達と誓いあった約束を叶える事……みんなまとめてトップアイドルということしか考えていません」

フリー「なるほど。では本日の最後に伺いたいのですが」

P「なんでしょう?」

フリー「貴方にとって、アイドルとはなんですか」

P「……そうですね……憧れ、でしょうか」

フリー「憧れ、ですか」

P「アイドルとは、常にキラキラとしていて、男性も女性も、子供も大人も照らす存在です。俺……私は、彼女達をそういう存在にしたいんです」

ナレーション「熱くアイドルへの想いを語るP氏。この情熱が、765プロ躍進の原動力なのだろう」

放送と同時刻、961プロレッスン場

翔太「……これ、今度の新しい衣装?」

北斗「チャオ↓ 今時、電飾ピカピカの衣装とか……」

冬馬「おっさん……どうしちまったんだよ、本当に……」

翔太「……泣いてるの? 冬馬」

冬馬「ば、バカヤロウ! んなワケあるか!!」

北斗「冬馬、社長に会いに行こう」

冬馬「え?」

北斗「社長に真意を問いただすんだよ」

翔太「賛成! きっと社長にもワケがあるんだよ」

冬馬「……だな。よし、行こうぜ!」

こんばんわ。書き手でございます。
本日はちょっと短いのですが、ここで一旦止まります。
いつも読んでいただいたり、レスをありがとうございます。
がんばりますです。
ではまた……

再びPの密着放送
『密着取材二日目AM8:00 765プロダクション』

フリー「おはようございます」

P「おはようございます」

フリー「今日もスケジュール確認ですか」

P「ええ、毎日変わった事はしません。同じ事の繰り返し、それだけです」

フリー「なるほど。では今日も、よろしくお願いいたします」

P「よろしく。では今日は局へ向かいます」

フリー「え? ずいぶん早いですね」

P「ウチの中学生組の総出演です。賑やかでビックリしますよ」

『密着取材二日目AM9:00 某テレビ局』

美希「最近はこの時期でもコンビニにおでんがあって、嬉しいのー☆」

伊織「美希、おでんをおかずにおにぎり?」

美希「でこちゃんにもあげるのー!」

伊織「でこちゃんゆーな! てゆうか、このおでん……はんぺんしかないじゃない」

美希「ハンペーン実施中だったの」

伊織「それハンペーンじゃなくて、キャンペーンでしょ!」

美希「せっかくだから、やよいと真美にもあげるのー!」

やよい「うっうー! 美希さんありがとうございますー!」

真美「ミキミキありがと→! この恩、真美は絶対に忘れないYO→」

伊織「それほどの事?」

真美「今日いっぱいはね→!」

伊織「有効期限、短っ!」

やよい「うちの近所のスーパーの割引チケットより短いですー!」

フリー「確かに……賑やかですね」

P「あ、ははは、ええまあ……ん? おい真美、亜美はどうした?」

真美「ん→? あれ→?」

亜美「も→ちょっと間違っただけジャン!」

?「ちょ、ちょっとやない! 謝らんかい!!」

P「あの声は……なんかやらかしたな、亜美……どうした!? なにがあった!?」

亜美「も→聞いてよ兄ちゃ→ん! このディレクター、名前をちょ→っと間違えただけなのにぃ……」

?「なにがちょっとや! わしの名前はなあ、島村なんちゅう安っぽい服屋みたいな名前とちゃうわ!!」

P「これはウチの双海が、とんだ失礼を。ええと……最近、大阪支局から来られたディレクターさんでしたよね。お名前は……?」

?「わしの名前はなあ……西松や!!!」

P「…………」

亜美「ね→? たいしてかわんないジャン! 顔だってミミちゃんみたいだし」

P「こ、こら亜美! 失礼な事を言うな!! ちゃんと謝るんだ」

亜美「え→」

P「謝るんだ」

亜美「……ご、ごめんなさい……」

P「すみませんでした。私からもキツく言っておきますので、今回はお許しいただけませんか」

西松(この男、確か765プロの……)

西松「ま、まあ今回は」

P「ありがとうございます。さ、亜美」

亜美「う→! 兄ちゃん、亜美はアイドルなんだよ! なんで亜美が謝ったり……」

P「亜美!」

亜美「う……なに?」

P「亜美がアイドルだとか、相手が誰かなんて関係ない! 人に対して失礼な事をしたら、ちゃんと謝るんだ!」

亜美「……」

P「俺達は、自分だけでなにかをやっているわけじゃない。人とのかかわり、たすけあい、しんじあい、そうやってみんなでなにかをやっていくんだ」

亜美「……うん」

P「亜美はもっと、自分が周りにアイドルにしてもらってる事をわからなきゃいけない」

亜美「……わかったYO……」

P「よし、あっちで美希がおでんをくれるぞ。行ってこい」

亜美「ホント→! WA→い! ミキミキ→!!」

フリー「なかなか厳しいんですね」

P「亜美はウチの最年少ですしね。まだまだ社会というものを、教えてやらないといけない。それは大人の義務です」

フリー「なるほど」

P「ましてあの娘は、あの歳でアイドルとしてちやほやされている。時には俺……私が鬼になってでも、勘違いをする人間にはしちゃいけないんです」

ナレーション「仕事だけではない。人と人が関わり合う仕事、それを通してアイドル達を社会人として成長させていく……その義務を自らに課す、その為には鬼にもなる、それこそがプロデューサーの仕事。彼は我々にそう言いった」

放送と同時刻、P宅
P「ところでミミちゃんってなんだ?」

放送と同時刻、双海家
真美「も→亜美は子供だなぁ」ケラケラ

放送と同時刻、車律子
律子「亜美……あんた……」ギロリ

亜美「だ、だからほら、謝ってたジャ→ン★」シューン

伊織「まったく、亜美は子供ねえ」ニシシッ

あずさ(伊織ちゃんも人の事言えないわよ……)ニコニコ

放送と同時刻、961プロ本社ビル
北斗「チャオ!!! これはいったい何の騒ぎだい!?」

翔太「社員の人達が逃げまどって……」

冬馬「いったいなんだってんだ! どうしたんだよ!!」

女性社員「それが……社長が……」

冬馬「! おっさんがどうした!?」

女性社員「『私は鬼になる!』とか突然仰って、鬼のお面をつけて社内を……」

冬馬「……はあ?」

北斗「チャオ! あそこだ」

黒井「悪いアイドルはいねがー! 悪いアイドルはいねーがー!!」

翔太「……なにあれ?」

北斗「まるはげ、っていうのかな」

翔太「なまはげじゃない?」

冬馬「んなことは、どうでもいい! おい、おっさん!!」

黒井「む? 冬馬か、どうしたのかね?」

冬馬「どうした、はこっちのセリフだ! なにやってんだよ!! いったいどうしたってんだよおっさん!!!」

黒井「……冬馬?」

冬馬「どうしちまったんだよ、おっさん。今日のおっさん、変だぜ……」

黒井「冬馬……」

翔太「ま、まあまあ冬馬。社長もそのお面、取ってくださいよ」

北斗「チャオ♪ ついでにその手の包丁も……」

冬馬「違うだろ! おっさんはそんなんじゃねえだろ!! いつだって、傲慢で、偉そうで、高飛車で……」

翔太「それ、みんな同じ意味だよね」

北斗「チャオ★ しっ」

冬馬「けど、それがおっさんの教えだろ! 孤高であれって、俺に言ったじゃねえか!!」

黒井「……」

冬馬「俺はその教え、忘れてねえぜ……孤高、それで芸能界のトップ、とってやる……」

黒井「冬馬…………」

冬馬「とってやる。とってやるから……」

申し訳ないです。再三の誤爆……今後、しないように気をつけます。

ちょっと一旦ここで、止まります。
夜も更新するかもですか、不透明です。

それではまた……

黒井「勘違いをするな、冬馬」

冬馬「おっさん?」

黒井「と、とにかく私にはかまうな! お前は自分の事だけ考えていればいいのだ」ダッ

冬馬「あ! おい、おっさん!!」

黒井「あと少し……あと少しで見えてくる……あの男の手法が! 冬馬、ここでやめるわけにはいかんのだ!!」

再びPの密着放送
『密着取材二日目PM1:00 某テレビ局』

美希「ハニー! おわったのー!」

P「だからカメラが来てるからな、美希……」

伊織「もう、ちゃんとしなさいよね」

真美「いおりんはカメラの前だと変わりすぎだYO」

亜美「ですなあ」

伊織「なによ!」

やよい「もー、だめだよ真美も亜美も」

美希「それよりハ……プロデューサー、ミキお腹空いたの」

P「そうだな、事務所に戻る前になんか食べていくか」

やよい「うっうー!」

『密着取材二日目PM1:30 都内某所』

やよい「個室を貸し切りって、なんかぜーたくですねー」

P「ああ。だが、やよい達は全員ランクAのアイドルだ。それが一斉に5人もいたらパニックになるからな」

美希「こないだ変装してたのに、ミキまわりにバレちゃったの」

伊織「そろそろ全員、SPでもつけてもらわないとね。にししっ」

亜美「は→い! 亜美は屈強な黒人のSPを所望しま→す!」

真美「海外ア→ティストみたいだよね→」

P「流石にそんな予算は無い。ま、当面は俺がSPがわりだな」

美希「ミキはその方が嬉しいのー!!」

やよい「プロデューサーは1人で色んな仕事ができて、すごいですー」

伊織「……ねえ」

P「なんだ? 今日はなんでも食べていいぞ。経費で落とすからな」

やよい「うっうー!!」

伊織「そうじゃなくて、アンタちゃんと休……」

亜美「真美君、そこのメニューの高い順から読み上げてくれたまえ」

真美「け→ひでGO→You! いや→。げ→の→人みょうりにつきますなあ」

P「おいおいお手柔らかに頼むぞ」

伊織「……もう」

P「俺も食べておくかな。実は朝食食べる暇が無くてな」

やよい「だいじょうぶですかー?」

P「ははは。俺はみんなと違って成長期じゃないからな。よし、今日は俺もしっかり食べるぞ!」

伊織「……」

『密着取材二日目PM6:00 765プロ事務所』

伊織「ちょっと小鳥」

小鳥「ピヨッ!?」

伊織「お願いがあるんだけど」

小鳥「?」

P「さて、今日は珍しく早く終わったな」

春香「プロデューサーさん! みんなで今日の打ち上げ行くんですけど……」

P「悪い。俺は報告書があるから」

春香「あ、やっぱり……」シューン

P「みんなで行ってくれ。あんまり遅くならないようにな」

律子「私がいるから大丈夫ですよ」

P「ああ、なら安心だ。頼むぞ、律子」

ナレーション「誰もいない事務所に、P氏がペンをはしらせる音だけが響く」

フリー「大変ですね」

P「いやあ。でも、今日は日付が変わる前に帰れそうですね」

フリー「毎日ハードですね」

P「楽してトップになれるなら、苦労はありません。しかし、だからこそ苦労して勝ち取ったトップの座に価値がある」

フリー「価値、ですか」

P「彼女達はトップアイドルを目指している。既に全員ランクAだが、まだ上がある。まだまだ大変でしょうが、それでも彼女達ならできる」

フリー「それがあなたのがんばりの原動力ですか?」

P「俺は、彼女達を助ける事しかできません。でもそれで彼女達がトップアイドルになれるなら、いくらでもがんばります」

P「それが彼女達の誓いですから」

ナレーション「固く誓いを交わしたアイドルと、そのプロデューサー。絆……それこそが765プロを密着して感じた、躍進の原動力ではないだろうか」

放送と同時刻、P宅
P「絆、か。見る所は、ちゃんと見てくれてたみたいだな」

そして放送翌日、765プロ事務所

P「えっ!? 黒井プロの黒井社長が入院?」

小鳥「そうなんです……今はもちろん敵対している事務所ですけど、同じ業界でしかも知らない間柄じゃないし。私……」

P「小鳥さん……」

律子「それで? なんで入院されたんですか?」

小鳥「なんでも急な暴飲暴食で、胃と膵臓、それに腎臓に負担がかかったそうで、朝食後に緊急搬入されたとか……」

P「? なんでまた」

小鳥「そんなに、食べる事に執着する人ではなかったと思うんですけど……」

P「? それで社長は?」

律子「社長室でウロウロ。そんなに心配なら、行けばいいのに」

小鳥「そんな……単純な話じゃ、ないんです……」

高木「聞こえたよ、律子君」

律子「あ、社長……」

高木「私は別にウロウロなどはしていないよ? それよりも耳寄りな情報だ」

律子「? なんですか?」

高木「961プロに経営危機の噂がある」

P「え?」

高木「早朝から、業界に不穏な動きがある。861プロが経営危機で、黒井が色々と画策しているらしい、との噂だ」

小鳥「……本当、投資家の間で噂が出始めているようで、本日の株価は下落が予想されてますね」カチカチ

P「だけどそんな様子は無いけどな。噂に過ぎないにしても、どこからそんな噂が……」

高木「黒井は、我々が流したと感じているだろうな」

P「そんな!」

小鳥「そうでしょうね。そういう人ですから……」

P「小鳥さんまで……ともかく、こうしていても始まらない。とりあえず律子は今日の準備を。俺は961プロに連絡してみる」

律子「わかりました」

P「……もしもし。私、765プロの……は? はあ……」

小鳥「どうしました?」

P「なんか俺と話したい人がいるって……あ、はい。冬馬? ジュピターの? ああ。……は? なんだ? なんのこと……うわっ!」

小鳥「ど、どうしたんですか?」

P「……なんか、覚えてろって怒鳴られた」

小鳥「え?」

P「おっさんの敵は絶対に討つ、おっさんもそのつもりだ、って言って一方的に切られた」

小鳥「……やっぱり」

それと同時刻、都内某病院個室
黒井「ぐ、くく……あ、あの高木の犬め、おかしいと思ってはいたんだよ。業界人も見ていると思って、肝心のノウハウを見せなかったな……しかもマネすると身体を壊す情報を混ぜたな。そうだろう!? そうに違いない!! ぐっ! ぐうう……」

北斗「チャオ★ それ以上興奮すると、また身体に障りますよ」

翔太「もう、そんな理由があるなら言ってくれたらよかったのに」

黒井「許さん……許さんぞ765プロ!  偽りの情報をわざと流し、この私をこんな目に……もう許さん!! これまでのような生ぬるいやり方では駄目だ。765プロを完膚無きまでに叩き潰す手段を講じてやる!!!」

同時刻、再び765プロ事務所
高木「まあ仕方ない。あちらは逆恨みをしているようだが、こちらには覚えが無いんだ。堂々としていよう。なに、黒井もこのぐらいではくたばらんだろう」

P「そうですね。よし、気分を改めて仕事だ仕事」

律子「はい! あら伊織、早いわね」

伊織「おはよう律子。ねえ小鳥、この間頼んでいた件だけど」

小鳥「あ、はいこれよ。というか、私も改めて見てびっくりしたんだけど……」

伊織「……ふうん、やっぱりね」

小鳥「プロデューサーさん、全然休みを取ってないのよね。もうずっと」

伊織「今度のライブが終わったら私、言ってやるわ。このままじゃ、このままじゃアイツ……」


おわり

ありがとうございます。書き手です。

というわけで、なんとなくおわかりかも知れませんがこれでこの話は終わり、この直後に前に書いた『P「風俗嬢に恋をした……』へと続きます。

風俗嬢を書いていて、ちょっと黒井社長を悪く書きすぎたかなあ、という思いがあり汚名返上できるようなSSとか書けたらなあ、と考えていて着想しました。
が、汚名返上にはなっていない気が……ま、まあいいか。

今回のSSでは、誤爆が多かったのが最大の反省で……本当に申し訳なく思っています。
ごめんなさい。

それではまた会う事がありましたら……
その時は、よろしくお願いいたします。

色々と感想をありがとうございます。
一応、当初は黒井社長にスポットをあてようと思っていたのですが、確かに汚名返上になってない……
とりあえず、流れがこの後で風俗嬢に続くということで、ご理解いただければと思います。
確かに各キャラが微妙に違いますね。これは反省。
本当に読んでいただいたり、レスをありがとうございます。
またしばらくしたら、投下するつもりです。
もしまたお会いしましたら、その時はよろしくおねがいいたします。

色々な意見をありがとう。
読んでくださった方の意見として、拝聴させていただきます。
また今後にも、いかしていきたいと思います。

ところでご意見としてうかがいたいんたけど、冤罪ってまだ見たい?

案があるなら出すだけ出せばいいんじゃないか
一定のファンはいるだろうし

>>188
うん、そうなんだけど途中で迷いがあって。
そうだね、書ききろうかな。
ありがとう。

皆さん、ありがとうございます。

冤罪、また楽しく書いてみますね。
実はこの間気がついたのですが、忍法帳のレベルが下がってました……のでVIPは無理かなあ、と。
代行を頼む手もあるんでしょうが、まあなにはともあれ完成させます。

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