銀時「とある科学の…やべ、読み方忘れたわ」(1000)
新八「『レールガン』らしいですよ、巷で大人気のアニメですね」
銀時「オイお前、銀魂のアニメがもう終わってんのに他のアニメの話とかすんじゃねーよ」
銀時「今更だけどサンライズはよくやってくれたよな、色々フリーダムで」
神楽「金はないくせに苦情だけは一杯でアイツらいつも泣いてたアル」
銀時「まー俺ァ二期に期待してるけどね、やれるはずだサンライズ、テメーらならやれる」
新八「あの…話し続けても良いですか?」
銀時が以前、学園都市に行ってる設定です
銀時「で、そのアニメがなんだって?」
新八「いや…実は親衛隊じゃそのアニメを見てる奴が急増中で困ってるんです」
新八「アニメの拡散を止める何か手はありませんかね?」
銀時「別にいいだろめんどくせーな、アイドルかアニメかの違いでオタクには変わりねーだろ」
新八「いや全然違いますから!二次元と三次元には大きな壁がありますからね!」
銀時「ルパン三世の次元が一人多いか少ないかだろ、別に大した違いじゃ……」
銀時「……あれ、次元がいるかいないかってかなりデカい違いじゃね?」
神楽「心配ないネ新八、ぶっちゃけ一般ピープルから見ればどっちも等しくキモいアル」
銀時「心配ねーよ、どうせアニメなんざすぐに飽きが来んだろうし」
銀時「つーか、アニメキャラを嫁とか言ってる奴はアレか?一夫多妻制なの?」
新八「いや僕に言われても知りませんよ」
銀時「ま…そういうわけだから気にしなくていいんじゃね?」
新八「そうですかね…うーん、じゃあもう少し様子を見てみます」
神楽「新八は知らなかった、アニメの中毒性の恐ろしさを……」
神楽「この時『様子を見る』と言う選択をしたことを後の新八は大きく後悔することになる」
新八「神楽ちゃん、勝手に不吉なナレーション流すの止めてくれる?」
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某日、学園都市
ジャッジメント第177支部
美琴「妙な電磁波の流れてる場所がある?」
黒子「ええ、それで歪みとでも申しましょうか…空間座標に捻れが生じておりまして」
佐天「空間に捻れって何かSFっぽくてカッコいいですね!」
黒子「笑い事ではないんですの、その辺りでは行方不明者も出てるとか…」
初春「ゆ、行方不明者…誰ですか?」
黒子「さあ…私もそこまでは……」
さっそくだが銀八先生、この銀時はどっちの銀時だ?
禁書の銀時と電磁砲の銀時は別人設定だよな?
美琴「で、それを調査するのに私も協力しろってことね」
初春「電気に関することなら御坂さんに並ぶ人はいませんからね」
黒子「そういうわけで…お姉さま、ご協力をお願いしたいのですが……」
美琴「良いわよ、協力する!」
黒子「……お姉さま、『何かこれ、ちょっと面白そう!』とか思っておりません?」
美琴「え…そ、そんなわけないじゃない!」ワクワク
佐天「御坂さん、顔が笑ってますよ」
黒子「……正直、真面目にやってくださるか甚だ疑問ですの」
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某所
美琴「えーっと…この辺り?」
黒子「の…はずなのですが……」
佐天「んー、なんて言うか普通な場所ですね」
初春「でも、間違いなくここには何かの力が働いてるんですよ」
美琴「そう言われてもねー…妙な電磁波なんか全然感知出来ないわよ?」
黒子「……ど、どういうことなんでしょう?」
美琴「それは私が聞きたいっての」
初春「うあっ…?」バタッ
黒子「ど、どうしたの初春?」
初春「すいません…急に目眩がしちゃって……」
佐天「大丈夫?疲れでも溜まって……あ、あれ?」バタッ
美琴「さ、佐天さん?」
佐天「あ、足に力が入らなくなって…い、意識が…………」
黒子「まさか…観測された電磁波の影響では……」バタッ
美琴「黒子!どうなっ……う…あ……!」バタッ
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黒子「お姉さま!起きてください!お姉さま!」
美琴「ん…黒子?」
佐天「良かったぁ…御坂さんも気が付いて」
美琴「私まで気を失ってたのね…みんなは無事?」
初春「無事は無事なんですけど……」
美琴「けど?」
黒子「お姉さま…周りをよくご覧になってくださいな」
美琴「こ…ここって……?」
佐天「明らかに…学園都市じゃありませんよね」
初春「つまりは…そういうことです」
三年Z組ー銀八先生!
銀八「えー、ペンネーム>>9さんからお便りあったんでそれ読みまーす」
『この銀時ってどっちの銀時?』
銀八「はい、じゃあお答えします……ぶっちゃけあんまり深く気にしないで大丈夫です」
銀八「いや、何つーか色々あってね?その辺は一周回ってどうでもいいやみたいな…」
銀八「とりあえず超電磁砲での銀時と思ってくれてて構わないです、はい」
銀八「すいませんねホント適当で、機会があったらもうちっと詳しく説明するんで」
銀八「あと、言い忘れてましたが今回は話の内容の90%が銀魂を主軸にしてます」
銀八「銀魂以外のキャラクターが空気になることも多々あるんで勘弁してください」
銀八「つーか、ぶっちゃけ他のキャラいらなくね?みたいな感じになると思います」
銀八「ただ…今までのやつ全部読んでねーと話が分からなくなるかもしれません」
銀八「ま…その辺のところは勘弁してくださいってことですね」
美琴「何で私たち…こんな所にいるのよ」
黒子「分かりませんの…私が目を覚ました時には既にここに居ましたので……」
美琴「……ここがどこなのか全然分からないわね」
佐天「き、着物を来た人が一杯いますけど…もしかして何かの撮影?」
初春「むしろ私たちの格好のほうがここじゃ浮いてるような…」
黒子「それに加えて…何やらいかがわしい店がやたらと目立ちますわね」
美琴「た、確かに……」
黒子「とりあえずお姉さま、私と一緒にあちらのホテルへ……」
ゴンッ!!
黒子「か、軽い冗談ですのに……」
美琴「冗談言ってる場合じゃないでしょ!」
悪役A「オイ、アレ見ろよ」
悪役B「女が四人…まだガキっぽいが全員上玉だな……」
悪役A「あのオドオドした感じからみるに、ありゃお上りさんだな」
悪役B「じゃあ俺たちが教えてやろうじゃないかい…ここがどんな所なのかを」
悪役A「オイオイひでーヤツだねお前ま、何も知らないガキに手を付けるのかい?」
悪役B「なに、世間知らずの娘に社会の厳しさを教えてやるだけよ」
悪役A「ところで俺たちの名前、もう少しなんとかならなかったのか」
悪役B「俺は知らん」
悪役A「お嬢ちゃんたち、何やってるの?」
佐天「は、はい?」
美琴(……いきなり嫌な感じの奴らに話しかけられちゃったわね)
佐天「な、何って言われても…ねぇ初春?」
初春「え、えぇ……」
悪役A「アンタらお上りさんだろ?だったら俺たちがこの辺りのこと教えてやるよ」
悪役B「立ち話がなんなら休憩所とかに行ってもいいぜ」
美琴『何よコイツら…下心丸出しじゃない』
黒子『お姉さま、どうか冷静に…上手くすれば何か情報を得られるかもしれませんの』
美琴『分かってるわよ……』
美琴「あのー、ちょっと質問したいことがあるんだけど……」
悪役B「聞きたいことがあるなら俺たちについて来い、話しやすい場所に移るから」
美琴「は……はい?」
悪役A「ホテルとか休憩所の場所なら色々知ってるからな」
悪役B「そうそう、人に物を頼むときはそれなりの頼み方があるからな」
美琴「…………」イラッ
美琴(こ、コイツら…こっちが下手に出てたら調子に乗って……!)
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同時刻
銀時「まーた負けたよチクショーめ…今日入ったばっかの新台のくせ腹立つな」
銀時「どっかに上手い儲け話でも転がってねーもんかね……」
美琴「しつこいわね!そういうのは嫌だって言ってるでしょ!」
悪役A「いいから大人しく来いって、お嬢ちゃんたち…怪我はしたくないだろ?」
佐天「うっ……」
銀時「……何でめんどくせー厄介事が転がってんだオイ」
初春「や、止めてください!大声出しますよ!」
悪役B「そんなことすればお前さん、一生残る傷が顔に出来るかもしれねーぞ」
初春「………!」
美琴「………」イラッ
佐天「大の大人が年下の子をそんな風に脅すなんて最低ですよ!」
悪役A「い…田舎娘の野良犬のくせに生意気な!」
ブンッ!
佐天「!」
ガシッ!
佐天「………え?」
銀時「オイにーちゃん、女子供相手に手ェ振り上げるたァどんなブラザーソウルしてやがる」
悪役A「だ、誰だおま……」
バキッ!
悪役A「うぐっ!」
悪役B「て、テメエ!」
銀時「テメーらはブラザーソウルの塊であるワンピースのサンジを見習えェェェ!」
バキッ!
悪役B「あぐっ!」
銀時「あと、俺はぶっちゃけサンジの髭は前のが好きだコノヤロー!」バキッ
悪役B「それ…関係ない……」バタッ
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銀時「ま…パチンコ負けた憂さ晴らしにゃなったし良しとするか」
一同「…………」
銀時「安心しな、『救い料一億万円、ローンも可』とか言って金せびったりはしねーよ」
佐天「ぎ、銀さん…?」
銀時「ん、何で俺の名前知ってんだ?つかお前ら、何かどっかで………」
銀時「…………あ」
初春「せ、先生…ですよね…?」
黒子「な…何故あなたが……」
銀時「…じゃー俺ァこの辺で……」
美琴「いやアンタ待ちなさいよ」ガシッ
銀時「ですよねー」
銀時「待って待って……え?何コレ、何か俺の前に珍百景が広がってんだけど」
美琴「珍百景って何よ失礼ね…むしろ驚いたのはこっちだって」
銀時「……何でテメーらがここにいやがるんだ?」
佐天「あの…何か気絶しちゃって気が付いたら…」
銀時「いや待てよオイ、それってどんな理屈?」
黒子「私から説明いたしますわ、実は………」
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黒子「……というわけでして…」
銀時「へー、何か変な所に行ったら気絶して気が付いたらこっちにいたって?」
黒子「まあ…簡単に言えばそんなところですわね」
銀時「ドラクエのワープマスでも踏んだんじゃねーの?あの渦巻きみてーなやつ」
初春「あの…信じられないかもしれないですけど本当で……」
銀時「いや信じなくはねーけどよ…実際こっちに来ちまってるんだし」
銀時(俺も前、寝て起きたら何かアイツらの世界に行っちまってたことあったしな)
銀時「それよかテメーら、これからどうすんだ?」
美琴「いや…どうするって言われても…とりあえずは帰る方法を探さないと…」
銀時「帰る方法って…何か分かってんのか?具体的にどうすりゃいいのか」
黒子「それが…お恥ずかしい話、何の手掛かりも……」
佐天「……どうしよう、銀さん」
銀時「……あー、詰んだなコレは」
美琴「諦めるの早いわよバカ!」
銀時「いや無理だって、何の情報もないとか明らかに詰んでるからね?」
銀時「アーウィンなしでアンドルフと戦えって言ってるようなモンだよこれは」
初春(例えがよく分からないのは私が非常識だからなのかな…)
佐天「そういえば銀さん、さっきはありがとね」
銀時「いやいいよ、礼なんか言われたって負けた分は戻ってこねーし」
佐天「負けたって…素人目から見ても圧勝だったと思うけど……」
銀時「俺もな、今日は勝ったと思ってたんだけどよ?なのに全然当たりが来なくてな」
銀時「リーチ掛かって負ける度にエヴァが使徒にやられてくんだよ、見てらんねーよアレ」
銀時「シンジ君にアスカにレイ…もう数え切れねーぐらい死んでるからね」
銀時「あんだけ死んだらレイも……」
レイ『ちょ…ねえ、死にすぎてもう代わりいないんだけど?いい加減にして?』
銀時「……みてーなこと言うよな、きっと」
佐天「は…はぁ、よく分かんないけどそうなんだ……」
銀時「もうボチボチ日も落ちて来やがったな、俺ァそろそろ帰りてーんだけど」
美琴「ま、待ちなさいよ!アンタ、私たちを置いてくつもり!?」
銀時「……あれ?何このパターン、俺が面倒見なきゃならねー感じ?」
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スナックお登勢
銀時「………つーわけだババア、後は任せた」
お登勢「馬鹿言ってんじゃないよ能無し天然パーマ、全部こっちに丸投げする気かい」
お登勢「全くどこで仕込んできたか知らないけど四人も子供を作るだなんて…」
銀時「何勘違いしてんだクソババアァァァ!俺ァ発情期の犬じゃねーんだよ!」
佐天「……ねえ初春、このノリに付いていける?」
初春「……答える必要ないですよね、その質問」
銀時「そういや新八と神楽の奴らはどこにいってんだ?」
お登勢「ちょいと使いを頼んでね、もう帰る所さ……っと、噂をすれば」
新八「お登勢さん、ただいま戻りました」
神楽「ついでに定春の散歩もしてきたアル」
定春「ワン!」
新八「って…どなたですか、この方たち」
銀時「何つーか成り行きでだな……」
美琴「ど、どうもー…」
美琴(ちょ、ちょっと待ってよこの犬!どんだけサイズ大きいの!?)
佐天「は、初めまして」
佐天(ち、ちょっと可愛いけど…やっぱり怖いかも)
初春「よーしよしよしよし、可愛いなー♪」
定春「ワンワン♪」
佐天「う、初春が既に手懐けてる!?」
神楽「定春ゥゥゥ!定春が知らない女に寝取られてしまったアル!」
キャサリン「キャラガ薄ソウナ小娘ドモハ母チャンノ乳デモ飲ンデナ!」
神楽「オマエはキャラ濃すぎんだヨ、カピバラのミルクでも飲んでればいいネ」
新八「喧嘩しないで二人とも!お客さんがいるのに……」
神楽「お前は世界一有名な配管工の地味な弟と傷の舐めあいでもしてろヨ」
新八「んだとコラァァァ!健気に兄を支え続ける頼れるルイージを舐めてんのかァァァ!」
黒子(何なんですの、この状況)
三年Z組ー銀八先生!
銀八「えー、とりあえずプロローグ的なのがここまでなんで一旦切ります」
銀八「展開がダラダラしてますが最初の部分なんで大目に見てやってください」
銀八「あんま長くはならないと思うんでそこら辺は問題ないですね、うん」
・銀時→ひぐらし
銀時「ひぐらしのなく頃に?」
続編
銀時「ひぐらしのなく……ってオイ、これ前も見たんだけど ?」
さらに続編ってかオマケ
坂田銀時の異世界探訪
・銀時→ハルヒ
銀時「涼宮ハルヒの憂鬱?」
・銀時→禁書
銀時「とある魔術の……オイ、これなんて読むんだ?」
・銀時→超電磁砲
銀時「とある科学の……ネオアームス(ry」新八「違います」
書きすぎだぜ、オイ
銀八「おばあちゃんってミカンを食うとき何か半分に割る」
ちょっとだけ再開します
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新八「……で、結局どうなってるんですか?」
銀時「迷子になって犬のお巡りさん探してた所を俺が見つけちまってこうなった」
神楽「よく見たら全員若い女の子ネ、私とキャラ被るアル、まあ私のが可愛いけどな」
新八「神楽ちゃん、被ってないしそこはどうでもいいから」
お登勢「ところであんた達、この辺りじゃ見ない顔だけどここには来たばかりかい?」
初春「はい…どこに行けばいいのかも分からなくて……」
お登勢「どうも何かの訳ありらしいね…まあ、その辺は深く聞きやしないさ」
美琴「ねえ…図々しいのは百も承知でお願いするけど、ここにしばらく泊めてくれないかしら?」
銀時「だってさ、頑張れよ新八」
新八「いや無理ですよ!?女の子四人も連れて行ったら姉上がなんて言うか…」
お登勢「アンタが泊めておやりよ、酒も飲めないような女子供をほっぽりだす気かい?」
銀時「ただでさえ家計が厳しいのに四人も面倒見れると思ってんのか」
お登勢「安心おしよ、今月の家賃なら待っててやるから」
銀時「残念だったなババア、俺ァもう三ヶ月分は踏み倒してるからね」
黒子「それのどこに勝ち誇る要素があるのやら……」
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夜
銀時「神楽は押し入れで寝るからいいとして…布団が足らねーな」
黒子「では私とお姉さまが同じ布団で寝れば全て解決……」
美琴「黒子とだけは別の布団でお願い」
銀時「俺ァ別の部屋の椅子で寝るからよ、その辺はテメーらで勝手にやってくれ」
美琴「あ、じゃあ二手に分かれない?」
佐天「二手?」
美琴「椅子を使って寝るのグループと布団で寝るグループで分かれるってこと」
美琴「それで1日おきに椅子と布団をローテーションしましょ」
初春「は、はい…べつにいいですけど」
銀時「つーかお前ら、そんな何日も泊まる気なの?」
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銀時「で…こうなったわけか」
佐天「銀さんと同じ部屋で…椅子、かぁ……」
銀時「お前、こちとら寝床も飯も世話してやってんのにこの上何か文句付けんの?」
佐天「ち、違う違う!そういうんじゃないけど…何か落ち着かなくて」
銀時「………?」
佐天「なんて言うか…銀さんも男なわけだし…なんて言うか……ねえ?」
初春「はい…ちょっと色々気になるといいますか……」
銀時「馬鹿かテメーら、ろくでもねーこと考えてないでとっとと寝ろ」
銀時「第一な、俺ァ危ない橋は渡らねーんだよ、病気とか移されたら笑えねーし」
佐天「び、病気なんかあるわけないじゃん!」
銀時「そりゃアレだ、病気持ってまーすって大っぴらに言う女なんざいやしねーわな」
佐天「ないったらない!大体私はそういう経験が……」
佐天「………っ!」
銀時「………」
初春「さ…佐天さん…そんな大声で言う必要はなかったんじゃ……」
そういう経験になりかけたがな…
本編で、だけど
銀時「あの……え?、待って待って…え?何この空気、俺が悪いの?」
初春「………」
銀時「…ねえ、何でクラスで女子泣かせた男子に向けられる視線を俺に浴びせてんの?」
銀時「それアレだよ、いつも調子に乗ってるガキ大将ですら一撃で黙らせる死の目線だよ」
佐天「ぎ、ぎ……」
銀時「あ、これ何かやべ……」
佐天「銀さんのど変態!」バシッ
銀時「ぶっ!?」
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翌朝、朝食
銀時「………」モグモグ
佐天「ねえ、ごめんってば銀さん…ちょっとやりすぎたって……」
銀時「いや別に?怒っちゃいないけど?銀さんそんな短気じゃないからね」モグモグ
新八「昨日の夜に何かあったんですか?」
銀時「何もねーよ、大気汚染もオゾンホールも温暖化も酸性雨も全部新八がワリーんだよ」
新八「何アンタ僕に八つ当たりしてんですか!?」
初春(……怒ってる、もう完全にイライラしてる)
佐天(流石にひっぱたいちゃったのはマズかったなぁ…)
銀時「とりあえずは情報収集だ、何も分からねーんじゃ動きようがねーからよ」
銀時「俺と新八と神楽を頭にして三つに分かれてやんのがいいだろ」
美琴「そうね、私たちじゃこの辺のことはよく分からないし」
銀時「じゃ…テメーら、めんどくせーがとっととやるぞ」
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銀時、黒子チーム
銀時「つーわけなんだがじーさん、何か知らねーか?」
源外「電磁波でワープなんざ聞いたこともねぇぞ、オメー騙されてんじゃねーか」
銀時「いやな、こちとらこれがマジの話だから困ってんだよ」
黒子「簡単には信じていただけないでしょうが、嘘ではありませんの」
源外「……そいつがホントだとしてだ、俺に何をしろって?」
銀時「コイツらを元の世界に戻せる感じのからくり作ってくれよ」
源外「無茶言うなバカタレ、そんなもんホイホイ作れるわけあるか」
銀時「大丈夫だろ、何せ『江戸一の腕前』の『天才からくり技師』のあんたならイケる」
源外「それはアレか、無駄に俺を持ち上げて逃げ道を塞ごうとしてんのかオメーは」
銀時「いや、まさかね?あの天才の平賀源外が出来ないなんて言うわけねーよな?」
源外「出来ねーもんは出来ねーから諦めな」
銀時「いざって時に使えねージジイだな」
そういや黒子は銀さんに惚れてたんだっけか
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某所
新八「……というわけなんです、長谷川さんは何か知りませんか?」
長谷川「うーん…何かって言われてもなー、全く心当たりがねーや」
佐天「あの…本当にどんなことでもいいので……」
長谷川「力にはなってやりたいけど…そう言われてもなぁ……」
初春「あ、あの…おじさん、ちょっとだけ聞きたいことが」
長谷川「ん、何?」
初春「どうして……ダンボールに住んでるんですか?」
佐天(初春ゥゥゥゥ!?)
新八(触れちゃダメェェェェ!そんな純真な瞳でその質問ぶつけちゃダメェェェェ!!)
長谷川「……お嬢ちゃん、人という線香花火が美しく火を散らすのは一瞬だけなんだよ」
初春「?」
長谷川「今は分からなくていい…社会に出ればね、色々と理不尽なことがたくさんある…」
長谷川「お嬢ちゃんはまだ…そんな汚い世界を知らなくていいからね……」グスッ
長谷川「グスッ…ごめんね…こんないい歳したおじさんがボロボロ泣いちゃって……」
佐天(何でこの人の言葉は重く心に響くんだろう…しかも凄く悲しいし……)グスッ
新八(すいません長谷川さん、今度何か奢りますから)グスッ
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某所
神楽「……とまあ、そういうわけアル」
あやめ「つまり…この子達が銀さんの家で寝泊まりしてるってこと?」
神楽「まーそうアルな」
あやめ「銀さんが使った布団で眠れるってどんだけご褒美なのよ」
美琴「………」
あやめ「ぽっと出てきた新キャラのくせに生意気よ、アナタ今すぐ私と代わりなさい」
美琴「……あの、そんなことより何か情報があれば教えてほしいんですけど」
あやめ「あなたそんなことって言った?銀さんと添い寝出来るのをそんなことって言った?」
美琴「ねえ、誰か代わってよこのポジション」
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夕方
新八「すみません、1日かけたのに手がかりなしでした」
佐天「銀さんたちは?」
銀時「俺たちもあちこち情報屋を回ってみたがアタリなしだ」
神楽「こっちもネ、骨折り損のくたびれもうけだったアル」
黒子「言われてみれば…少々疲れましたわね」
美琴「……正直一番くたびれたのは私だと思うけどね、精神的に」
黒子「お姉さま?」
銀時「仕方ねーな…一旦けーるぞテメーら、そんで仕切り直しだ」
新八「そうですね、もう日も落ちる時間ですし」
初春「…………」
佐天「初春、どうかした?」
初春「今までドタバタしてて気づかなかったんですけど……」
佐天「?」
初春「私たち、このままずっと帰れないかもしれないんですよね…?」
佐天「えっ……?」
佐天「な…何言ってるのさ初春ったら、そんなわけないって!」
初春「どうやってこっちに来たのかも、これから何をすればいいのかも分からないんですよ?」
初春「今日…一日使っても手掛かりなしで……このままじゃホントに……」
黒子「初春……」
初春「すいません…すいません…弱音なんか口にしても仕方ないのに……」グスッ
新八「…………」
新八『ぎ、銀さん…どうするんですかこの空気?』
銀時『ま…ガキ四人がいきなりこんな街にほっぽり出されたら不安にもなるわな』
新八『…こういう時って僕らはどうしたらいいんですか?』
銀時『ぱっつぁん、モテる男はこういう場面で気の利いたセリフを言うんだよ』
銀時『モテ男になるにゃ今がチャンスだぞ、新八、お前ならやれる』
新八『き、気の利いたセリフですか…分かりました』
新八「みんな、大丈…」
美琴「大丈夫よ!」
佐天「御坂さん……?」
新八「……あれ?」
美琴「まだ時間はあるんだから落ち込むには早過ぎるって!」
初春「み、御坂さん……!」
美琴「泣くくらいだったらみんなで笑おうよ…ね、初春さんも」
初春「は…はい……」
美琴「うん、やっぱり初春さんは笑ってたほうが可愛いよ!」
初春「え、えへへ…ありがとうございます、御坂さん」
新八「すいません銀さん、言いたいこと先に全部言われました」
銀時「やっぱりお前は期待を裏切らないな新八君、俺ァお前ならやってくれると思ったよ」
神楽「気にするなヨ新八、お前の人生なんて所詮はその程度アル」
新八「泣いていい?泣いていいのこれ?」
---
夜、万事屋
美琴「………」ムクッ
黒子「……お姉さま、どちらに?」
美琴「ん、ちょっとお手洗いにね……」
黒子「……お手洗い、ですの?」
美琴「どうかした?」
黒子「いえ、何でもありませんの……」
---
万事屋、屋上
美琴「…………」グスッ
銀時「……夜更けにこんな所で何やってるんですかィ、お嬢さん」
美琴「あ、アンタ…何で……」
銀時「あーあー、何も言うなめんどくせーから」
美琴「………」
銀時「………」
銀時「いや何か喋れよ、気まずいだろ」
美琴「どっちなのよアンタ」
銀時「何つーかアレだな、テメーも分かりやすい性格してんなオイ」
銀時「アイツらが落ち込んでて、お前だけ元気百倍アンパンマンだからおかしいと思ったぜ」
美琴「………私がしっかりしなきゃダメじゃない」
銀時「あん?」
美琴「私がみんなの中じゃ一番上なんだから…私が落ち込んでちゃダメなのよ」
美琴「だから…無理にでも笑ってみんなを引っ張っていかないと……」
銀時「……んなこたねーよ」
美琴「………?」
銀時「誰も無理にお前に笑ってほしかねーよ、泣きたい時は泣いとけ泣いとけ」
美琴「……出来るわけないじゃない、そんなの」
銀時「何?お前、愛と勇気だけが友達の暗い青春を送ってんの?」
美琴「そうじゃなくて……レベル5のこんな頼りない姿、みんなには見せられないわよ」
銀時「………」
銀時「……ワリーがもう見ちまったよ、少なくとも俺以外にもう一人」
美琴「え……?」
銀時「よう、コソコソ隠れてねーで出て来たらどうだ?」
黒子「…………」
美琴「く、黒子!?」
黒子「……いつから気付いていたんですの?」
銀時「いや最初から」
美琴「黒子…アンタ…どうして……?」
黒子「やれやれ…お姉さま、私たちが今までどれくらい一緒にいたとお思いで?」
美琴「あ……!」
黒子「今日のお姉さまがいつもと違っていたことくらいは分かりますの」
黒子「いえ……初春や佐天さんも口にはしないだけで気付いているはずですわ」
美琴「…………」
美琴「参ったな…こんなの誰にも…黒子にだって見られたくなかったのに」
黒子「お姉さま……」
銀時「アレだ、テメーは嘘を付くときに鼻の穴がデカくなるんだよ」
黒子(そ、そうなんですの!?)
美琴「う、嘘!?」
銀時「ああ、嘘だ」
美琴「…………」
バチバチッ!!
銀時「…………」チーン
美琴「はぁ…はぁ…ま、真面目に話してたかと思えばやっぱりアンタは!」
銀時「……それでいいんじゃねーか?」
美琴「な…何がよ?」
銀時「さっきみてーに塞ぎ込んでるよか、こんな感じでやってんのがよっぽとテメーらしいわ」
美琴「私…らしさ?」
銀時「ダチ公を思いやるのも悪かねーが…てめーを殺しちまったら元も子もねーぞ」
黒子「お姉さま、私たちでよろしいなら…いつでも力になりますわ」
美琴「………」
美琴「……ありがと、二人とも」
美琴「そういえば、今だから言えるけど…この前のこともありがとうね」
銀時「ん?」
美琴「学園都市でのこと…アンタ、ちゃんとお礼言う前に帰っちゃったじゃない」
黒子「そうですわね…私からもお礼を言っておきますの」
銀時「いやいいよ、礼を言うならパフェでも奢ってくれや」
美琴「それ、絶対いうと思ったわよ……ホントにアンタは全然変わらないのね」
黒子「ええ…私も安心しましたわ」
美琴「アンタがこっちに居たのはあんまり長くなかったけど…いないと結構寂しかったかも」
美琴「特に黒子なんか一週間くらいは元気がなかっ……」
ヒュン
銀時「……オイ、何か御坂のヤツがいきなり消えたんだけど」
黒子「お姉さまに触れたときに私が『たまたま』能力を使用してしまいましたの」
銀時「いや嘘付けよ、今のは明らかに故意的だったろ」
黒子「偶然ですの」
銀八「ブリーチとデスノートじゃ単行本一冊を読み切る時間が十倍くらい違う」
寝落ちしちまいました、遅いですが再開します
---
翌朝
美琴「気が付いたら布団に戻されてたんだけど」
銀時「良かったじゃねーか布団で、石の中とかだったらその瞬間ゲームオーバーだぞ」
美琴「何よそれ」
初春「あれ…昨日何かあったんですか?」
佐天「も、もしかして私みたいにビンタしちゃったとか…?」
美琴「違う違う、そんな大したことじゃないから」
銀時「ビンタっつーかもうビリビリだったけどね、若干黒こげになったけどね」
佐天「?」
---
銀時「つーわけで、とりあえず今日もやってくぞ」
美琴「そうね、じゃあまた昨日みたいに三手に分かれて…」
銀時「あ、お前は留守番しとけ」
美琴「な、何でよ!」
銀時「客が来るかもしれねーのに誰もいなかったらアレだろ、テメーは留守番だ」
美琴「でも…何で私なのよ?」
銀時「俺とかぱっつぁんが残っちまったらこの町の土地柄を知ってる奴が少なくなんだろ」
銀時「で、テメーならもし何か厄介ごとが起こっても対処出来んだろ」
美琴「でも……」
銀時「いいからテメーは一回休みだ、ごちゃごちゃ言うんじゃねーよ」
美琴「………分かったわよ」
---
銀時、佐天チーム
佐天「それで銀さん、今日はどうするの?」
銀時「まともにやっても当たりがねーから今日はちっと視点を変えてみようと思ってな」
佐天「ふーん……ところで銀さん、御坂さんを留守番させたのって……」
銀時「アイツはちょっとばっか休みが必要だからな、いざって時に困るかもしれねーし」
佐天「やっぱり…御坂さん、無理してたんだ……」
銀時「ま、ホントはそれだけが理由じゃねーんだけどよ」
佐天「?」
沖田「あれ、旦那じゃねーですか」
銀時「お前らか…また頼りになんのか微妙な連中が来やがったな」
沖田「いやーまさか旦那がこんな若ェ女を侍らせてるたァ驚きましたぜ」
銀時「いや、ちげーんだよ…まあ何つーか一応仕事でな」
沖田「仕事ってのは女とふらふら歩き回る仕事ですかィ?」
銀時「ま…それで別に間違っちゃいねーけどよ」
土方「仕事にかこつけて女を引っ掛けてたんじゃねーのか?」
銀時「いや、だから違うって言ってんだろ」
近藤「万事屋ァァ!貴様一体どんな悪い餌を使ってその娘達を落としたァァァ!」
銀時「だから違うって言ってんのが分かんねーのかこの糞ゴリラァァァァ!!」
近藤「いーや俺は騙されんぞ!その娘を捕まえた方法を吐け!いやむしろ教えてください!」
土方「局長のくせに何つーお願いしてんだアンタは!?」
佐天「……ねえ銀さん、これが警察?」
銀時「いや違うからね、コレは警察っぽいゴリラだから」
---
沖田「なんだ、つまるところは迷子ですかィ?」
銀時「まあな」
佐天「そんな軽い感じで済むことじゃないと思うんだけど」
土方「ワープしてきたなんざ信じられるか、付き合ってられねーよ」
沖田「土方さん、俺もアンタが真撰組副長だなんて信じられねーよ」
土方「オメーはいちいち噛み付いてくんな!」
近藤「コラお前たち!すいませんね、何かこんなムサい馬鹿共で」
佐天「は、はは……」
銀時「オメーが一番ムサいから、オメーが一番馬鹿だからな」
銀時「まあ何だ、ワープしてきたとか猫バス見ました的な情報が入ったら知らせてくれよ」
近藤「分かった、そちらのお嬢さんもお困りのようだしな!」
近藤「何か分かったらすぐに!この近藤勲が!知らせてやろう!」
土方(近藤さん、必死になりすぎると引かれるって今までの経験で何で分からねーんだ)
佐天「ありがとう近藤さん!私、佐天涙子っていうんです!仲良くしてくださいね!」
近藤「」
土方(これが奇跡か)
---
近藤「……なあ、トシ」
土方「……どうしたよ近藤さん」
近藤「さっき、あんな娘が俺を頼りにしたよな……?」
土方「ああ、したな」
近藤「俺をゴリラと呼ばずに…笑いながら親しみを込めて名前で呼んだよな?」
土方「ああ…『よろしくね』って言ってたな」
近藤「これが…これが奇跡か」グスッ
土方「近藤さん、俺はその思考に走るアンタの頭も奇跡だと思う」
---
佐天「乱暴な人達かと思ったけどみんな良い人だったね!」
銀時「いやー良くやったわお前、多分アイツら死ぬ気でテメーらに協力するぞ」
佐天「な、何で?」
銀時「あのゴリラはそういうヤツだ、局中法度ねじ曲げてでも助けようとするぞきっと」
佐天「??」
銀時「と……着いた着いた」
佐天「お団子屋……?」
銀時「ここで待ち合わせをしててな、おうオヤジ!団子と茶ァ頼むわ」
オヤジ「ヘヘッ、旦那はデートかい?こんな若い子を引っ掛けるたァやるねぇ」
銀時「いやそれがな…」
グサッ
銀時「…………」バタッ
佐天「ぎ、銀さん!?」
月詠「…………」
---
月詠「……すまん、てっきりぬしが年端もいかぬ娘を誑かしているかと思ってな」
銀時「お前さ、ホントさ、頼むからいい加減にしてくれよマジで」ドクドク
佐天「いや銀さん、全然血が止まってないけど」
月詠「それで…わっちに何をしろと?」
銀時「テメーら百華なら色々と情報が入ってくると思ってよ、何か知らねーか?」
月詠「……すまん、少なくともわっちは知らぬな」
銀時「……ここでも当たりナシか」
銀時「ま…何か分かったら知らせてくれや、テメーの部下にも言っといてくれよ」
月詠「ああ、そのように取りはからっておく……ところで、ぬし」
佐天「は、はい!」
月詠「ぬしは…その…そこの天然パーマとは本当に何もないんじゃな?」
銀時「しつけーなお前も、ないって言ってんだろうが」
佐天「あはは、全然そういうのはないですから」
月詠「そうか……ならいい」モグモグ
銀時「オイ待てや、何お前人の団子勝手に食ってんだ」
月詠「何じゃ、てっきりわっちのために用意しといたのかと思ったわ」モグモグ
---
新八「……そういうわけなんですけど何か知りませんか?」
九兵衛「すまない…僕はそういったことには疎いんだ」
新八「ですよね…あれ、東城さんはいないんですか?」
九兵衛「東城はカーテンの上のシャーってなるアレが外れたからロフトに行ったらしい」
新八「どんだけ外れてんですか、前もそんなこと言ってましたよね?」
黒子「…………」
九兵衛「……僕の顔に何か付いてるかい?」
黒子「いえ…少し気になりまして…お気を悪くされたら謝りますが、あなた……」
九兵衛「………何を言いたいかは分かった、だが僕のことは男として接してくれ」
九兵衛「色々とあって僕は…女としては生きにくくなってしまってね」
黒子「分かりますの…私もお姉さまと一緒になるために以前は何度それを考えたことか…」
新八「いや言っとくけど悩みのベクトルが同じでもその器の大きさが全然違うからね」
---
初春「えーっと…今日はどこに行くんですか?」
神楽「ぶっちゃけあんまり行くあてがないネ、どこ行きゃいいアルか?」
初春「わ、私に聞かれても……」
神楽「よし、じゃーとりあえず酢昆布買いに行くアル」
初春「どこからその選択肢が生まれてきたんですか……」
神楽「無限大の宇宙が詰まってる私の頭からに決まってるネ」
初春「無限大の宇宙ってつまり頭の中がしっちゃかめっちゃかってことですよね」
神楽「とっとと行く……イテッ」
初春「だ、大丈夫ですか?急に走り出すから人とぶつかるんですよ!」
神楽「誰だか知らないけど私の前の道を塞ぐとは良い度胸アルな」
初春「か、神楽さん!……大丈夫ですか?すみません、友達がぶつかってしまって」
屁怒絽「いえいえ、こちらこそすみません」クワッ
初春「」
神楽「と、ととととなりのヘドロ閣下様ァァァ!」
屁怒絽「いやヘドロでいいですよ」
屁怒絽「そんなに慌ててどうしたんですか?」
神楽「い、いいいいや何でもないネ!ただちょっと迷子の保護をしてただけアル!」
屁怒絽「迷子ですって!あの!僕も一緒に付いていきましょうか!?」
初春「」
神楽(連れ去られる)
屁怒絽「ところで…そちらの子供……」
神楽「お、オイお前!ターミネータ屁怒絽様が呼んでるアル」
屁怒絽「いやヘドロでいいですよ」
初春「は、はい…なななな何か……」
屁怒絽「いえ、綺麗な花飾りを付けてるなと…ちょっと見せてもらっていいですか」クワッ
初春(むしり取られる)
---
美琴「はあ…暇ね……でも、さすがに人の家を探索するわけにはいかないし……」
美琴「うーん…かといって一人で呑気にゴロゴロしてるのもなぁ……」
ピンポーン
美琴「っと、誰か来た…はーい!今出まーす」
ガララッ
桂「こんにちは、私メリーさん」(桂裏声)
美琴「すいません、お引き取りください」
桂「待たれよお嬢さん、つかぬことを伺うが銀時はいるだろうか?」
美琴「あーすいません…今はいないんです」
桂「あ、そうですか、すいません、じゃあまた来ますから」
美琴「それじゃあ……」
ピンポーン
美琴「……まだ何か?」
桂「あ、すいません、ちょっと気になることがあったので」
美琴「気になること?」
桂「誰だ貴様」
美琴「………あ」
桂「貴様…もしや……」
美琴「違う違う!私は別に泥棒とかそういうんじゃ……」
桂「フッ…残念だが俺にまやかしは通じんぞ、一緒にお巡りさんの所へ…」
桂「あ…ダメだ、お巡りさんはダメだった、俺もマズい、今のはナシだ」
美琴「な、何かよく分からないけど…私はここの留守番を頼まれて……」
桂「いや待て…そうか分かったらぞ…貴様の正体」
美琴「……?」
桂「その声…間違いなく…超能力者の……」
美琴「!?」
美琴(な、何で私が能力者だなんて……)
桂「絶対可憐チル○レン!」
美琴「……はい?」
桂「……の、ダブルフェイスの中の人だな?」
美琴「いや…え?何を言っているのかよく……」
桂「マガジンだけではなくサンデーの魔の手までがここまで伸びていたとは……くっ!」
美琴「『くっ!』って何に悔しがってるの!?全然意味が分からないんだけど!」
桂「だがしかァし!今は三社が潰し合いをしている場合ではない!」
桂「出版部数の低下、PTA、そして表現規制!我らの敵は数多い!!」
桂「今こそ同じ志の下で一致団結してアグ○スと戦う時が来たのではないだろうか!」
美琴「ねえ、誰か代わってよこのポジション」
---
昼、万事屋
銀時「よう、留守番ご苦労さんよ」
美琴「アンタ…知ってたんでしょ、変なのが来るって」
銀時「最近はアイツも大人しかったからそろそろ出番増やしに絡んでくると思ってな」
銀時「あ、でも家政婦になって主役になったか」
美琴「訳分からないこと言わないで…ほら、さっきの人が置いていったおみやげ」
銀時「カップ麺にカップ焼きそば、どん兵衛…麺類ばっかだなオイ」
佐天「あれ、何か臭いませんか?カップラーメンの臭いが……」
美琴「え、する?臭いなんか全然しないけど?気のせいじゃない?うん」
銀時「オイ、何でお前そんなに焦ってんだ」
美琴「あ、ああ焦ってなんかないわよ!」
佐天「何か寝室から臭ってるような…」
美琴「」ギクッ
銀時「何だってんだ…」
ガララッ
銀時「……オイ、俺がいつも使ってた布団に何かラーメンが寝てんだけど」
銀時「え?何これ、錯覚?コレって目の錯覚?」
佐天「ラーメンが布団で寝てるってどういう意味…って…わ、ラーメンで布団が……」
銀時「これ明らかに零したってレベルじゃねーぞ、明らかに全部ぶちまけた感があんぞオイ」
美琴「……ごめん、洗って干そうと思った時に二人が帰ってきちゃって」
銀時「つーか何をどうやったらこんな事態になんだ?コレ、珍百景に投稿してやろうか」
銀時「二十年以上生きてきたけどよ、ラーメンが布団で寝てるところなんて初めてみんぞ」
美琴「……ちょっとだけ言い訳させてもらえる?」
銀時「あん?」
美琴「私、さっきはすっごいお腹が減ってたわけ」
美琴「で、変な人が置いていったお土産にカップ麺があったから一つ拝借したの」
銀時「勝手に食ったことにはこの際目ェつぶってやる、続けろ」
美琴「で、お湯入れて出来た後に『あ、枕元に携帯置きっぱなしだ』ってなって……」
美琴「右手に出来たてのカップ麺を持ちながら寝室に部屋に入ったの」
銀時「それで?」
美琴「で…私っていつも学校から帰ったらまず右手に持ってる鞄をベッドに放り投げるのよね」
銀時「………」
美琴「何か…うん、まあそんな感じで……ねえ?」
銀時「ねえ?じゃねェェェ!それ完全にお前の不注意だろォォォォォ!?」
美琴「ごめん!これはホントにごめん!」
銀時「聞いたことねーよ、鞄とラーメン間違えて布団にぶん投げる奴なんざ!」
銀時「お前アレか!ヅラの持ってる見えねー何かに感染したんじゃねーだろうな!」
美琴「そ、それはない!それはないから大丈夫…多分……」
佐天(ヅラって誰のことだろう……)
新八「ただいま帰りましたー…って、あれ?ラーメンの臭い?」
黒子「な、何やらドタバタとしているようですわね…」
神楽「い…今、帰ったネ!」
新八「神楽ちゃん?どうしたのさそんなに慌てて……」
神楽「この花瓶が何かヤバいアル!死にかけてるアル!」
初春「屁怒絽さんが一人…屁怒絽さんが二人…」
神楽「起きろォォ!そんなの数えながら眠ったら永久に起きられなくなるアルゥゥゥ!」
黒子「何なんですの、この状況」
佐天「……さあ」
三年Z組ー銀八先生!
銀八「今日はとりあえずここまでで勘弁してください」
銀八「まだ本筋自体には入ってねーんですが…まあその辺も何とかしますんで」
銀八「じゃあテメーら、最近寒いから風邪ひかねーように注意してください」
銀八「最近のこち亀って部長が理不尽で両さん可哀想じゃね?」
すいません、今日はほとんど進められませんが少しだけ進みます
銀時「あーあー、どうすんだよこの布団、ラーメンの臭いに包まれて寝るとかどんな拷問だよ」
美琴「だからごめんってば……」
銀時「どこに向けりゃいいんだこの何とも言えねー感じ、何つーか虚無感がやべーよ」
銀時「お母さんが買ってきたサッカーボールがゴムで出来てた時の絶望感くらいヤバい」
美琴「いや意味分からないから、買ってくれたならいいじゃない」
銀時「ばっかオメー、あのゴムのボールって弾む時『テイン、テイン』って音がすんだぞ」
佐天(あ、何となく分かるかもしれない)
美琴「……ねえ、謝ったんだからもうそろそろ許してよ」
銀時「何もわかってないのねあなた、クリーニング代も馬鹿にならないのよ」(銀時裏声)
美琴「どこの姑だアンタはァァァァ!」
銀時「逆切れかテメー!カルシウム取れカルシウム!いちご牛乳飲めェェェ!」
銀時「つーか、それ何その短パン!私って運動大好きな活発少女ですってアピール!?」
美琴「あれ何その天パー?何それ、心がひねくれてるんだから髪の毛くらい真っ直ぐにすれば?」
銀時「表出ろやお前、テメーは言っちゃならねーことを言ったぞコルァ」
新八「いやアンタら何やってんですか!?」
佐天「でも、何だかんだで良いコンビですよね」
黒子「………そうですわね」
佐天「……白井さん、どうかしたんですか?」
黒子「いえ、別に……」
佐天「ところで…銀さんって人脈広いんだね」
黒子「ですわね、少々驚きましたの」
銀時「まあ…何つーか、ほとんど腐れ縁だけどな」
初春「…………」
神楽「銀ちゃん!初春が気絶したまま目を覚まさないアル!」
銀時「まー慌てるな、とりあえず頭の花に水でもやったらいいんじゃね?」
新八「いや何でですか」
銀時「アレだよ、西遊記の沙悟浄も皿を濡らしたら元気になるし?」
お登勢「何をばたばたとやってんだい?」
銀時「何だババア、家賃なら待つって言ってたろうが」
お登勢「分かってるさ…ほら、今日は夜に近くでちょいとした祭りがあっただろう?」
新八「あ、言われてみればそうですね」
お登勢「あんまり気を張ってても疲れちまうだろうから…行ってきたらどうだい?」
佐天「お祭りかー…学園都市のとは全然違うんだろうなぁ」
美琴「せっかくだし…ちょっと行ってみたいかも……」
黒子「そうですわね…少しなら……」
初春「……はっ!」
新八「あ、良かった…気が付いた?」
初春「さっき私、バンドのギターボーカルやってる夢を見ました」
美琴「ざ、斬新な夢ね……」
---
某所
高杉「ほォ…あのバカ(銀時)がねェ……万斉、そいつは確かか?」
河上「確かでござる、何やら人に頼まれて何かを探し回っていると」
高杉「それで…その依頼主ってのは誰だ」
河上「見たものの話では若い娘だったらしいでござるが…」
高杉「………フン」
神威「困るなぁ…女に振り回されて強さを求めなくなると男は弱くなる」
高杉「…………」
---
夜、祭り会場
佐天「わー、何かホントのお祭りって感じですごく良いですね!」
銀時「いや一応ホントの祭りだからな」
美琴「こういう屋台が並んだりするのって学園都市じゃあんまりないわよね…」
黒子「和、とでも言いましょうか…人が多いのに何故か居心地がいいですわね」
神楽「銀ちゃん!私も遊んできていいアルか!?」
銀時「怪我しねーようにしろよ、あと他人様に迷惑掛けんなよ」
神楽「キャッホオォォォイ!久々に暴れられるアル!」
銀時「暴れていいとは言ってねーよ馬鹿」
佐天「私たちも行きましょうよ!」
銀時「あ、テメーら先に行っとけや、俺ァちょっと野暮用を済ませてくるからよ」
美琴「野暮用?」
銀時「大したことじゃねーよ、気にすんな」
美琴「そう…じゃあ私たち、先に行ってるわね」
銀時「頼むぜぱっつぁん、多分神楽は使いもんにならねーからよ」
新八「あ、分かりました」
---
銀時「どうだよ、何か分かったか?」
沖田「すいやせん、まだ何も……」
銀時「ま、そんな簡単に手掛かりが掴めりゃ苦労はしねーか……」
沖田「近藤さんも色々と手回しして探らせてるんですがねィ、当たりなしでさァ」
銀時「そーかい…悪かったな、急に呼びつけちまって」
沖田「いえ、俺もかったりー祭りの警護をしなきゃならねーんで…じゃ、旦那」
---
黒子「あの野暮用とは一体何だったのやら……」
新八「さあね、まあ銀さんがフラフラしてるのはいつものことだから」
黒子「いつもあのような感じなので?」
新八「うん、普段はダメな大人だけど…やる時は本当に凄いよ」
黒子「そうなんですの……」
初春「あ、私なにか飲み物買ってきます」
佐天「あ、ごめん初春、私のもお願いしていい?」
初春「いいですよ、御坂さんと白井さんは?」
美琴「あ、私は大丈夫」
黒子「私は初春にお任せしますわ」
初春「分かりました!じゃあちょっと行って来ますね」
佐天「気をつけなよー!」
---
銀時「………」
銀時(アイツらが来てまだ何日も経ってねーが…これ以上何も掴めなきゃジリ貧だな……)
銀時(真撰組に百華、名門の柳生家…次は結野アナの実家辺りを当たってみるか…)
銀時「つーか…アイツらどこまで行ったんだ?人が多くて分かりゃしねー……」
高杉「全くだな、世界の苦しみなんぞ露ほども知らねー連中で溢れかえってらァ」
銀時「!」
高杉「久しぶりじゃねーか、銀時よ」
銀時「高杉……!」
高杉「おっと動くな、やり合いに来たわけじゃねーよ…『今』はな」
銀時「……何でテメーがここにいやがる?」
高杉「なに、祭りの前に顔合わせでもしておこうと思ってな……」
銀時「何言ってやがる…祭りならもう始まってるじゃねーか」
高杉「こんな小さなモンじゃねェ…世界が沸き立つような祭りよ」
銀時「……テメー、何か仕掛ける気か…?」
高杉「期待を裏切って悪いが…もう仕掛けさせてもらってるぜ、銀時よ」
銀時「………?」
高杉「銀時…お前、最近はどうも妙なガキの世話をしてるらしいじゃねーか?」
銀時「……テメー、まさか…!」
高杉「祭りの時は気をつけなきゃならねーよなァ…どんな人攫いがいるやも知れねー……」
銀時「………!」
高杉「若ェ女なら妙な連中が狙ってても不思議じゃねーってわけだ」
銀時「高杉ィィ!!」
キィン!
高杉「やり合うのは一向に構わねーが…良いのか?お連れさんはよ」
銀時「……くそっ!」
三年Z組ー銀八先生!
銀八「すいまっせん、ほとんど進まなかったですがここで一旦止めさせてください」
銀八「今回は多分そんな長くならねーんでその意味じゃ心配ねーんで」
銀八「じゃあテメーら、風邪ひいたらポカリ飲んであったかい格好してよく寝ろよ」
銀八「冬に自転車に乗るのは正直どんな罰ゲームよりも辛い」
ちょっと再開します
---
銀時「テメーらァァ!」
新八「そ、そんなに慌ててどうしたんですか?」
銀時「説明してる時間はねェ!テメーら全員揃ってるか!?」
佐天「う、初春が今飲み物を買いに行ってるけど……」
銀時「探せ!テメーら絶対散り散りになるな!」
新八「銀さん!神楽ちゃんもいません!」
銀時「しまった…アイツも探さなきゃなら」
「あんだコルァァァ!!何でお前がこんな所にいるアルかァァァァ!」
「テメーみたいな馬鹿をとっちめるためでィ、ゴチャゴチャ言うんじゃねーや」
銀時「探さなくていいわ、もう見つかったから」
---
美琴「ダメ…初春さん、どこにもいないわ!」
銀時「………!」
黒子「こちらでは…携帯は繋がりませんの」
佐天「ぎ、銀さん…一体何があったのさ?」
銀時「…………」
新八「もしかして…ヤバい感じですか?」
銀時「……高杉の馬鹿が動いて来やがった」
沖田「!」
新八「なっ……!」
神楽「…………」
神楽(アレ、誰だっけそれ?)
美琴「高杉って……?」
銀時「詳しく話すのもアレだ、掻い摘んで説明するぞ…」
---
美琴「め、めちゃくちゃヤバい奴らじゃない!そんなのに初春さんは捕まったの!?」
佐天「そんな…そんなのって!」
沖田「旦那、そいつァ確かですかィ?高杉が絡んでるなら大事ですぜ」
銀時「ついさっき…その本人と一悶着あったところだ」
黒子「ですが…そのような危険人物が何故初春を……?」
銀時「………」
新八「一旦万事屋に戻りましょう!ここじゃ危険です!」
美琴「ダメよ!初春さんがいなくなっちゃったのに逃げるわけには行かないわ!」
銀時「仮に…ここで斬り合いになったらどんだけ怪我人が出るか分からねーぞ」
美琴「!」
銀時「まあ…白井がここにいる一般人を全員瞬間移動させられんなら別だけどよ」
黒子「……残念ながら、これだけの人数はとても無理ですの」
銀時「初春の奴が狙われたならテメーらも危ねーんだ…御坂」
美琴「……ごめん」
---
万事屋
銀時「ひょっとしたらとは思ったけどよ…こっちにも帰ってきてねーか」
佐天「う、初春……!」
新八「沖田さんの呼びかけであの場にいた真撰組の人が総出で探してくれてますけど…」
銀時「見つかりゃ儲けモンだけどよ…あの人混みじゃ厳しいだろうな」
佐天「何で…何でこんなことに……!」
銀時「……ワリーな、今回ばっかは俺の責任だ」
美琴「馬鹿…アンタのせいじゃないわよ」
---
祭り場
沖田「まだ見つからねーか!」
真撰組A「すみません、まだ見つかりません!」
沖田「攘夷浪士が紛れ込んでる可能性もある!臭ェ奴は全員拘束しろ!」
真撰組A「了解しました!」
山崎「伝令です沖田さん!」
沖田「今忙しいからあとにしな、攘夷浪士が…」
山崎「こっちも大変な状況なんですよ!」
沖田「……?」
---
prrrr
佐天「電話……!」
黒子「まさか…初春が見つかったのでは……」
銀時「…はい、万事」
沖田『緊急事態ですぜ旦那ァ!』
銀時「緊急事態……?」
沖田『江戸のターミナルが天人に占拠されたらしいでさァ!』
銀時「なっ…テメーら!テレビつけろ!」
新八「は、はい!」
テレビ『繰り返し速報です、江戸の中核であるターミナルが天人に占拠されました!』
新八「た、ターミナルが占拠!?」
テレビ『占拠した天人は宇宙海賊春雨であるとの情報が………』
銀時「……オイオイ沖田くん、コイツァどんなドッキリだ?」
沖田『残念ながらマジですぜ…旦那ァ、こりゃ一体どうなってんですかィ?』
銀時「……そいつァ俺が聞きてーよ」
沖田『とにかく…聞きてーこともあるんで俺ァ一旦そっちに向かいますぜ』
銀時「お前、召集命令とか出てねーのか?」
沖田『大丈夫でさァ、ばっちり副長責任に副長責任になるよう手配してるんで』
銀八「小学生は登下校の時に武器になりそうな良い感じの木の棒を見つけたらテンション上がる」
寝落ちしました、再開します
---
銀時「…出来過ぎだな」
沖田「高杉のヤローが動きを見せた途端に春雨の強襲ですからねィ…」
沖田「手を組んだと噂にゃ聞いてましたが…とんでもねーことになりましたぜ」
銀時「テメーらの上は今どうなってやがんだ?」
沖田「そりゃもうやべーなんてモンじゃねーですよ、幕府も対応に困ってまさァ」
沖田「幸いなのは…敵はターミナルを占拠しただけで動いてねェってことですかね」
銀時「………」
美琴「アンタたちは…警察は何をしてるの?」
沖田「とりあえず一般人がターミナルに入らねーよう周りを固めてるだろうよ」
美琴「どういうこと?敵が攻めてきたんでしょ?何で戦わないのよ!?」
沖田「お上に奴らと戦う度胸なんざありゃしねーんだよ…そんで俺たちは上に逆らえねェ」
佐天「つまり…敵と戦う気はほとんどないってことですか?」
美琴「そんなの…そんなのって絶対おかしいじゃない!」
銀時「…………」
沖田「っと…いけねェ、長居し過ぎちまった…じゃあ旦那、俺ァもう行きますぜ」
銀時「ああ…わざわざ悪かったな……」
沖田「あと…近藤さんからの伝言で『万事屋、お前らは動くな』だそうでさァ」
銀時「……何でわざわざ釘刺すんだオイ」
沖田「旦那なら単騎でも奴らに仕掛けかねねーと近藤さんは思ってますからね」
銀時「へー、ゴリラでも知恵が付くんだなオイ」
新八「やっぱり…行く気だったんですね?」
銀時「初春のやつも多分ターミナルに捕まってんだろ…どっちみち行かなきゃならねーよ」
銀時「真撰組が動かなかろうと構いやしねーよ、俺ァ一人でも行くつもりだからな」
神楽「しっかり仕事はこなすのが万事屋アル!初春を助けるのも仕事のうちネ!」
沖田「……旦那、ワリーが今回は俺も止めさせてもらいますぜ」
新八「沖田さん…?」
沖田「旦那がつえーことは分かってまさァ、ただ今回が相手が悪ィ」
沖田「こんなこと言いたかねーが…死にますぜ、間違いなく」
黒子「!」
佐天「そ…そんな……」
銀時「………」
銀時「……そーだな、じゃあ止めとくとするか」
沖田「……?」
神楽「な、何言ってるアルか!いつもの銀ちゃんらしくないネ!」
銀時「よくよく考えりゃ確かに死にに行くようなモンだ…俺ァ危ない橋は渡らねー」
沖田「………」
沖田「……まぁ分かってくれたならそれでいいんですがね、じゃあ旦那…」
すいません、どうも端末の調子がおかしいんで一旦切ります
しばらくしたら再開します
銀八「最近の仮面ライダーはどの辺が仮面なのか分からなくね?」
再開します
---
美琴「……本当に行かないの?初春さんが捕まってるのに…」
銀時「行かないわけねーだろ、俺ァ人に言われたことを守らねーことにゃ自信があんだよ」
新八「いや、ものすっごいダメな自信ですよそれ」
黒子「では…戦うつもりですのね……」
美琴「アンタが行くなら、当然私たちも行くわよ」
銀時「………」
銀時「ダメだ、テメーらは来るな」
美琴「な……?」
新八「銀さん…まさか一人で行くなんて言いませんよね?」
銀時「コイツァ俺の問題だ、テメーらが関わることじゃねェ」
美琴「何言ってんのよアンタ!今更そんなこと…」
銀時「死にてーのか?」
美琴「………?」
銀時「春雨の連中を敵に回すなんざ喧嘩のレベルじゃねェ…コイツはもう戦争だ」
銀時「奴らがマジで暴れりゃこの国は簡単に潰される…そんな奴らを敵に回してんだ」
銀時「テメーらはワケも分からねーまま吹っ飛ばされてきたこの世界で死ぬ覚悟があんのか?」
美琴「!」
新八「だから来るなってことですか…僕らを傷付けたくないから来るなって言ってんですか?」
新八「お登勢さんが斬られた時に言ったじゃないですか!僕らは……」
銀時「ちげーよ、勘違いすんな馬鹿」
神楽「銀ちゃん……?」
銀時「戦争ってのは言いかえりゃ殺し合いだ…何人斬ることになるか分からねェ」
銀時「テメーらは手ェ汚すな…この汚れは一度ついちまったら落ちるモンじゃねェ…」
美琴「あ、アンタ……」
黒子「…………」
黒子「……それでも、私は行きますの」
銀時「?」
黒子「初春は私の大切な友達です…見捨てるわけにはいきませんの」
銀時「心配すんな…アイツなら俺が助けといて…」
黒子「残念ながら…あなたもですのよ?」
銀時「………?」
黒子「あなたも私にとっては…大切な人に変わりありませんの」
銀時「………」
黒子「私は…もしもあなたに二度と会えなくなれば…きっと泣きますわ」
佐天「私も…白井さんと同じ気持ちです、だから銀さん…一人で行くなんて言わないでよ」
銀時「………」
美琴「つまり…アンタが戦いに行くのに黙ってられるほど大人じゃないってこと」
美琴「知ってるでしょ?アンタが私を『ガキだ』って言ってたんだから」
銀時「……テメーもよく覚えてんな」
美琴「散々馬鹿にされてたんだからそりゃ覚えてるわよ」
新八「銀さんとみんなの間にどんな繋がりがあったのかは知りませんけど……」
新八「……銀さんは一人じゃないです、僕も含めてこんなに仲間がいるじゃないですか」
神楽「私を外すなヨ新八ィ!私だって銀ちゃんの仲間アル!」
定春「ワン!ワン!」
銀時「テメーら……」
新八「……行きましょう、みんなで…初春ちゃんを助けに!」
銀時「……馬鹿につける薬がねーとはよく言ったモンだな」
銀時「ま…俺も人のこたァ言えねーけどよ」
神楽「春雨だろうが何だろうが関係ないネ!今すぐ乗り込むアル!」
銀時「いや…仕掛けるなら明日の明け方だ、夜明けと同時に行く」
佐天「え、それなら暗い内に忍び込んだほうがいいんじゃ……」
銀時「いや…日の出と同時に突入って何かかっこいくね?」
バチバチッ!!
銀時「…………」チーン
美琴「こんな時くらいその適当な性格を何とかしなさいよ!」
銀時「まままま…あの、アレだ…今すぐじゃ色々あれだし?一旦体力回復的な?」
新八「ああァァァ銀さん!今の電撃で家電がやられました!」
神楽「何するアルかこのビリビリ娘がァァァ!冷蔵庫の食料が痛むぞコルァ!」
佐天「心配するのそっちなんですか!?」
神楽「銀ちゃんなら天パーがもっとヒドくなるくらいネ、問題ないアル」
黒子「あの…大丈夫ですの?」
銀時「いい加減慣れたわこれ、慣れって怖いなマジで」
---
某所、廊下
沖田「すいやせーん、遅れやした」
土方「遅ェぞ総悟、何やってやがった」
沖田「どこぞの副長の出した指示に不手際がありやして、全く使えねー上司だな土方は」
土方「攘夷浪士の前にお前から斬ってやろうか」
沖田「あれ、近藤さんはいねーんですかィ?」
土方「中の部屋で長官と話してるが…どうにも良い方向には進んでねーようだ」
土方「人質にされたガキをどうするかで意見が割れてるらしい」
沖田「……なるほど」
某所、室内
松平「繰り返すがよ、ターミナルを占拠してから奴らの動きがねェ」
松平「上が戦うにしろ逃げるにしろ今が態勢を立て直すチャンスだ」
近藤「だがとっつぁん!子供が人質に取られてるとの情報も入ってる!早く動かねーと…」
松平「お前、まだその甘ったれた考えが抜けてねェのか」
松平「江戸とガキの命…どっちが重いかなんざ明白だ」
松平「江戸より重いのは俺の娘の命だけよ、栗子が人質ならオッサンも突撃したけどな」
今日はここで切りますが多分あと数日で終わります
何かアレ、散々言っといてこっちが風邪ひいたくせーんで
銀八「風邪の時って辛い時期を乗り越えると一周回って何かハイな気分になる」
再開します
---
土方「どうやらダメだったらしいな」
沖田「今回はずいぶんと言われちまったようですね、近藤さん」
近藤「……子供一人のために下手な動きは出来ない、最後までそう押し切られた」
近藤「今ならまだ平和的に和解が出来るかもしれん…上はそう考えているらしい」
沖田「和解?不法にターミナル乗っ取った奴らが和解する気なんざあるわけねーでしょう」
近藤「それでも…今すぐに春雨と全面対決になることは避けたいらしい」
近藤「情けない話だ、人質の娘一人助けることが出来ないとは……」
土方「…………」
近藤「俺たち真撰組は…刀狩りのご時世に唯一真剣を持つことを許されている集団だ」
近藤「この刀に己の魂を預け、江戸を守るべく命がけで戦い抜く…それが俺たちだ」
近藤「それが…その俺たちが…何も罪もない若い娘を見殺しにしろと?」
近藤「高杉や春雨たちから時間を稼ぐ…それだけのために切って捨てろと…?」
近藤「なあトシよ…これが正義か?お前は本当にこれが正義だと思うか?」
土方「……さあな」
沖田「……近藤さん、俺たちがこうしてチンタラしてる間にも旦那は動いてますぜ」
沖田「下手すりゃもう敵地に乗り込んでるかもしれやせん」
近藤「よ、万事屋が!?総悟、俺の忠告は伝えなかったのか!?」
沖田「あの旦那が大人しく言うこと聞いて引き下がるわけねーでしょう、今までの経験的に」
沖田「それに、旦那からは『俺ァ一人でも戦うつもりだ』と言われましてねィ」
沖田「まあ…間違いなく『戦る』気でしょうね」
近藤「くそっ、万事屋の馬鹿め!死ぬ気つもりか!?」
土方「総悟…テメー、そこまで分かってて何で奴らを止めなかった?」
沖田「……俺は土方さんみてーに面の皮がマガジンみてーに厚くはねーんでさァ」
土方「あァ?」
沖田「腹くくって動こうとしてる旦那を止める権利が俺たちにあると思ってんですかィ?」
沖田「少なくとも『今の』俺たちにはそんなモンありませんぜ…」
土方「………」
土方「フン…違ェねェ……」
近藤「…戦う気があるなら二人とも刀を取れ、万事屋と共に奴らの元へ乗り込むぞ」
沖田「……近藤さん、上に逆らって勝手なことをすればどうなるか…」
近藤「……不思議だな、俺ァ万事屋なんて最初はほとんど気にも掛けちゃいなかった」
近藤「なのに…もう今となっちゃ……」
近藤「万事屋みたいなああいう馬鹿がいてくれなきゃ、俺は寂しくてしかたねーのさ」
沖田「近藤さん……」
土方「…………」
土方「アンタがいくなら俺も行かないわけにはいかねーな、近藤さん」
近藤「トシ…!」
土方「俺はこうやってぐだぐだしてんのはどうも性に合わねェ…」
土方「それに万事屋の馬鹿に借り作るのも気が引けるしな」
沖田「ベジータ気取りでさり気なく仲間になる気ですかィ、全く土方さんのやり方は汚ねーや」
土方「ホントに斬っていいかお前、ほんのちょっとだけでいいから」
沖田「嫌でィ」
---
銀時「………」
桂「……持って行くのか、その刀を」
銀時「ヅラ、お前どっから湧いた?」
桂「ヅラじゃない桂だ……その刀、昔からお前は常に肌身離さず持っていたな」
銀時「二度とコイツは使わねーと決めてたけどよ、そうもいかなくなっちまってた」
桂「行く気か…銀時」
銀時「馬鹿を止めんのは馬鹿の仕事よ、助けなきゃならねー奴もいるしな」
桂「いずれは奴らとぶつかる日が来るとは思っていたが…まさかこれほど早いとはな」
桂「銀時、お前に高杉を止める責任があるというなら俺にもある…」
桂「馬鹿な友を一人で行かせるわけにはいかんからな」
銀時「…テメーにだけは馬鹿って言われたくねーよ」
美琴「みんな、準備は出来た?」
黒子「私はいつでも…」
神楽「こっちも酢昆布で充電完了したアル!」
新八「安上がりでスゴいエコだよね、それ」
銀時「テメーら便所は行ったか?これからしばらく行けないから今のうちしとけ」
佐天「いや銀さん、ピクニックじゃないんだから」
銀時「そういうこと言ってる奴が途中でしたくなってバスを止めることになんだよ」
美琴「………」
銀時「ああ…一つ言い忘れてたわ」
黒子「?」
銀時「ありがとよテメーら、こんな馬鹿に手ェ貸してくれてよ」
新八「何言ってんですか今更…これくらいいつものことですよ」
銀時「いいかテメーら、コイツだけは守れよ…テメーらは絶対に死ぬな」
美琴「……アンタもね」
銀時「ああ……」
---
ターミナル近辺
山崎「…………」
山崎(あー…ヤバいヤバい!帰りたい、スゴい帰りたい!)
山崎(何で宇宙海賊が攻めてきたのに警護なんかしなきゃならないんだよ!)
山崎(誰もこんな所にわざわざ来るわけないって!もう逃げていい?逃げていい?)
花野アナ「こちら、ターミナル近辺では依然として緊迫した状況が続いて……」
山崎(逃げたいのに…テレビがあるんじゃ悪いカッコは出来ないよなァ……)
ブロロロロ
山崎「何かが近づいてくる?占拠されたターミナルに来るなんてどこの野次馬……」
桂「乗せてよねえ!戦う前に体力無くなるから!バイクに合わせて走んの大変だから!」
銀時「ダメだって、無理やり四人乗ってんだからこれ以上は乗れねーよ」
佐天「な、何かすみません……」
桂「あ、どうも初めまして桂です」
銀時「つーわけでお前はもっと走れ、な?」
桂「じゃあ定春くんの方でもいいから!背中に乗っけてくれればいいから!」
銀八「ワンピースのロビンって初登場の時より明らかに若くなってね?」
すいません…昨日寝落ちしました、再開します
山崎「だ、旦那!?」
美琴「ちょ、ちょっと!人がいるんだからもう少しスピード落とさないとぶつかるわよ!」
銀時「どけェェェ!ぶつかったら俺が免停になっちまうぞコルァァァ!」
山崎「いや気にするのそっちィィィ!?」
神楽「このまま行くネ定春!最悪踏み潰しても何の問題もないアル」
山崎「いやあるからね!どこから見ても問題しかないからね!?」
桂「お互いに大変だな!」ダダダダッ
山崎「何で桂までェェェェ!?」
花野アナ「あ、待ってください!真撰組の警護を突破して何かがターミナルに…」
花野アナ「カメラさん見えますか!アレは…犬?…眼鏡を掛けた少年?」
花野アナ「いえ…何人かの少女の姿も見えます!あのうざったいロン毛もどこかで…」
花野アナ「それに加えて…ぎ、銀髪の侍!?彼らは一体何者なんでしょうか!」
銀時「いやー入れたはいれた、やってみるモンだなオイ」
美琴「アンタ馬鹿じゃないの!?もし本当に人を轢いたらどうするのよ!」
銀時「大丈夫だって、山崎ぐらいのヤツならちょっとはねても翌週には治ってるから」
美琴「いや翌週には治ってるってなに?魔法でも使えるの?」
佐天「白井さんのテレポートを使えばもっと上手く入れたんじゃ……」
銀時「まままま、最初はこのくらい景気が良いほうがやりやすいから、なぁヅラ」
桂「ヅラじゃ…ぜぇぜぇ……ない、かつ…げほっえほっ……」
美琴「ねえ、この人戦う前から疲れて死にそうだけど大丈夫なの?」
黒子「……馬鹿をやってる場合ではございませんわよお姉さま」
美琴「?」
春雨兵士A「へっへっへ、まさか本当に乗り込んで来る奴がいるとは驚きだァ」
春雨兵士B「桂に銀髪の侍…欲しい首が二つとも並んでるな」
美琴「……私たちが来るってことは最初から読まれてたみたいね」
銀時「おーおー、派手な歓迎パーチーじゃねーか」
佐天「こ、これが天人…ホントに人じゃないんだ……!」
黒子「怖がっている場合ではありませんわ…ここからは本当の戦いですの」
人じゃないって酷くね?
地球人じゃないだけなのにorz
ってか天人は街中に…
美琴「一度に出てきてくれるならかえって都合がいいわ…コイツらは私がやる」
佐天「み、御坂さん!?」
美琴「先に行ってて、すぐに追いつくから」
銀時「……一人でやれんのか?」
美琴「これでも学園都市の第三位よ、心配要らないわ」
美琴「数が多いなら話は簡単よ…全員、まとめて吹き飛ばす!」
銀時「……さすがネギ先生、長年マガジンを支えてるだけのことはあるなオイ」
桂「馬鹿か貴様は、彼女はサンデーを支える絶対可憐チル○レンのダブルフェイスだろう!」
美琴「どっちも違うから」
神楽「オイ待てヨ、これじゃお前だけが格好良くて何かずっけーアル」
美琴「え?」
神楽「私も残るネ、銀ちゃん達は先に行くヨロシ」
美琴「あの…ホントに私一人で大丈夫だから」
神楽「何だコルァ、私にも良いカッコさせろヨォォ!ヒロインは私アル!」
神楽「お前たちは基本、ヒロインにはなれないという枷が有ることを忘れるなヨ」
新八「神楽ちゃん、そこまで露骨に他人を蹴落とすヒロインなんて聞いたことないんだけど」
美琴「…………」
銀時「ま、そういうわけだな」
美琴「どういうわけよ…はぁ、何だか気が抜けちゃったじゃない」
佐天「気をつけてくださいね…御坂さん」
美琴「……うん、初春さんをよろしくね」
新八「神楽ちゃんも…」
神楽「お前もメガネだけは守り抜けヨ新八、でなきゃダメガネがただのダメになるネ」
銀時「……必ず追い付いて来いよテメーら」
---
新八「神楽ちゃん…あんな言い方してたけど……」
佐天「きっと…御坂さんのことが心配だったんですよね…」
銀時「いーやどうだかな、アイツなら本気でヒロインの座とか気にしててもおかしかねーぞ」
桂「…………」
銀時「どうしたよヅラ、ヅラがずれたか?」
桂「ヅラじゃない桂だ、いや…少し気になることがあってな」
佐天「気になること?」
桂「出て来るときにコタツを消し忘れたかもしれん」
銀時「もうお前の頭の電源を切ってやろうか」
ドドンッ!
銀時「!」
キキィン!
新八「い、今の銃撃は……!」
また子「今の早撃ちを防ぐとは…さすがは白夜叉っスね」
黒子「また新手が…!」
佐天「待ってください、一人じゃありませんよ!」
武市「私はこんな戦いより本当はアグネスと戦わなきゃいけないんですけどねェ」
また子「何時までフェミニストやってんスか!」
武市「フェミニストじゃありません、ロリコンで…あ、間違った、フェミニストでいいんだ」
桂「………」
桂(小手先の戦いではなく遥か先に目を向けているとは…敵ながらあっぱれだ)
新八「この二人は僕が止めます…銀さんたちは先に行ってください」
銀時「馬鹿言うなぱっつぁん、お前一人でこの二人相手にすんのは流石に無理だ」
新八「時間がありません…僕なら大丈夫です、必ず勝ちますから」
銀時「………」
銀時(剣なら勝負になるかもしれねーが…飛び道具使うアイツにゃ分が悪いか)
銀時(ただ…この後のことも考えりゃここで足止めを喰らっちまうのも……)
また子「ゴチャゴチャ考えてる暇はないっスよ!」
ドンッ!
銀時「くっ!」キィン
また子「まだまだ…あたしの早撃ちは簡単に防ぎきれるモンじゃ…」
ヒュン!
また子「うあっ!?」
また子(な、何かが飛んで……!)
また子「これは…クナイ??」
月詠「……ここはわっちが引き受けた」
新八「つ、月詠さん!」
佐天(お団子屋さんで会った人だ……!)
銀時「……何でテメーがこんな所にいやがるんですか?」
月詠「何のことはない、テレビに見慣れた焼け野原が映っていたのでな」
銀時「焼け野原って俺の頭のこと言ってんじゃねーだろうな」
月詠「ああすまん、ひじきの間違いじゃったか」
銀時「焼け野原からほとんど変わってねーじゃねーかァァ!どっちかと言えばワカメが良い!」
また子「………」
また子(何なんスかこの夫婦漫才)
銀八「すいません一旦切らせてください、多分あと二、三日で完結しますんで」
銀八「あと>>345で言われてたことなんだけど…まあ細かいことは勘弁してください」
銀八「天人って地球にゃ沢山いるけど街中をふらついてるイメージはあんまなかったんで…」
銀八「歯医者の『痛かったら一旦止めますから手を挙げてくださいね』は信用ならない」
風邪薬をルルとベンザブロックのどっちで行くか考えながら再開します
月詠「ほれ、馬鹿をやってないでさっさと行きなんし」
月詠「事情はよく分からぬがぬしらのことじゃ…何か護りたいものがあるのじゃろう?」
銀時「お前……」
月詠「心配はいらん、わっちとて百華の頭じゃ、足を引っ張りはせん」
新八「……行ってください銀さん、この二人は僕たちで止めます」
佐天「ぎ、銀さん…!」
銀時「……行くぞ、テメーら」
月詠「銀時…ちょっとだけ待ちなんし」
銀時「?」
月詠「最近、なかなかに上等な酒が手に入ってな…後でぬしに酌でもしてやるわ」
銀時「ふざけんな馬鹿、テメーに酒なんざ持たせたらどうなるか分かったもんじゃねーよ」
月詠「わっちは主が来るのを待つ、必ず戻って飲みに来なんし…約束じゃ、銀時」
銀時「……テメーにゃオロナミンCしか飲ませねェからな」
桂「銀時、良かったのか?」
銀時「あん?」
桂「リーダーや新八くんが気掛かりで剣に迷いが出るのではないか?」
銀時「心配なんざしちゃいねーよ、神楽はもとより新八も一人前だ、ツッコミは」
桂「なるほど…ならば問題ないな」
佐天「御坂さん……」
黒子「お姉さまでしたら心配無用ですの…心配には及びませんわ」
銀時「何にしても…今の俺たちはアイツら信じて前に進むことだけよ」
---
ターミナル近辺
花野アナ「先ほど、謎の集団がターミナルに突入してましたが未だに変化がありません!」
花野アナ「ターミナル内部では一体何が起こっているのか気になるところです!」
山崎「………」
山崎(どうしようこれどうしよう!俺の責任かなコレ?許してもらえんのかなコレ!?)
山崎(夜逃げしちゃおっかなもう!良いよね、これもう逃げちゃって……)
花野アナ「あっ!たった今現地に真撰組の局長が到着しました!」
山崎(何でこのタイミングでェェェ!?)
土方「状況はどうなってやがる、報告しろ山崎」
山崎(ヤバいヤバいヤバい!旦那をターミナル内に入れたなんてバレたら切腹ものだ!)
山崎(かといって嘘付いてもバレたらあとで切腹だし……あれ、これ逃げ道なくない?)
土方「何だ山崎、早く状況を……」
山崎「逃げ道が塞がれてもう死んじゃおっかなとか思ってます」
土方「何言ってんだお前?」
---
近藤「万事屋たちが突入した!?」
山崎「すいませェェェん!あれはやむなかったと言うかもう本当色々とすいません!」
近藤「こうしちゃおれん…トシ、総悟!俺たちも行くぞ!」
山崎「すいません本当すいません、だから切腹だけは勘弁……え?」
近藤「山崎、お前はまだここで警護を続けろ、これ以上は一人も通すな」
山崎「い、行くつもりなんですか!?」
土方「ターミナル内に入り込んだ馬鹿な市民を連れ戻すだけだ、何の問題もねェ」
沖田「素直に旦那たちを助けてェって言えねーんですか土方さんは」
沖田「全く男のツンデレなんざ興味もわかねーや」
土方「誰がツンデレだァァ!お前ホントに斬り殺すぞ!」
銀八「女子って一人が誰かを『可愛い』っていうと他の連中もお互いを褒め合う」
再開します
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佐天「ねえ銀さん!ずっと気になってたんだけど初春がどこに捕まってるか分かってるの?」
銀時「人質が捕まってんのは最深部って大抵相場は決まってんだろ」
桂「だが銀時、ターミナルは広い上に春雨が至る所で待ち構えている」
桂「そいつらを片っ端から相手にしては俺たちの数では確実に持たんぞ!」
銀時「居場所はテメーらの方で何とか出来ねーのか?」
佐天「ご、ごめん…私には何も……」
黒子「私たちの携帯はこの世界では正常に機能しませんの!」
銀時「チッ…時間もあんまりねーってのに……!」
阿伏兎「クックック…お前さんたち、ずいぶんと困っているようだな」
銀時「!」
阿伏兎「侍が乗り込んできたって聞いてウチのバカ提督は大喜びよ…全くはた迷惑な話だ」
銀時「テメー……」
桂「あの白い肌…そして日光から肌を守るための物であろう傘…銀時、まさか奴は……」
銀時「ああ…テメーの予想通りだ」
桂「まさか…何故こんな所にマイケル・ジャクソ」
銀時「白井、この馬鹿どっかに飛ばせ、出来ればナメック星くらいまでで頼む」
黒子「さすがにその距離は無理ですの」
阿伏兎「やれやれ…まったく侍ってのはどうにも掴めない奴が多いらしい」
銀時「いやコイツの頭の中は四次元ポケットだからな、俺とコイツを一緒にすんじゃねーよ」
阿伏兎「いやいや…お前さんたちはあの高杉って侍と似た匂いがする」
阿伏兎「今でこそ敵対してるが根っこの部分は似たもの同士なのかもしれねーよ」
銀時「!」
桂「やはり貴様らを江戸にけしかけたのは高杉か……!」
阿伏兎「いや、以前から春雨も地球には目を付けてた…単に時期が早くなっただけよ」
阿伏兎「さて…ここで一つ問題といこうか」
佐天「も、問題…?」
阿伏兎「まず、この先にゃお前さんたちの探してる尋ね人が鎖に繋がれている」
銀時「!」
佐天「う、初春!?」
阿伏兎「と、同時に…鎖の解かれた獣も一匹、お前さんたちを待ち構えている」
阿伏兎「選択肢は三つ……このまま逃げだすか…はたまたは獣に骨まで喰い殺されるか…」
佐天「も、もう一つは…?」
阿伏兎「ここで俺に仲良く挽き肉にされるのを選ぶか……」
佐天「………」ゾクッ!
銀時「過分な心遣い痛み入るがどれもゴメンだな」
阿伏兎「人生は重要な選択の連続だ、どれか一つは選ばなきゃならねーよ」
銀時「他人様がくれる選択肢なんざ当てにしちゃいねェ、てめーのことはてめーで決める」
阿伏兎「それじゃ…お前さんの決めた答えを聞かせてもらおうか?」
銀時「テメーら全員ぶっ潰してダチ公を助ける…コイツが俺の答えよ」
佐天「銀さん……」
阿伏兎「…………」
阿伏兎「クックックッ…なるほど、お前さんのその度胸には感服するぜ」
阿伏兎「だが…どれほどの覚悟があろうが所詮はただの地球人に変わりはない」
阿伏兎「はっきり言ってお前さん如きじゃ誰一人守ることなんざ出来やしねーよ」
銀時「なら、その如きとやらがどれほどのモンか…試してみるとしようや」
黒子「…………」
黒子「……行ってくださいな、ここは私が」
佐天「し、白井さん!?」
黒子「先ほどの話が真実であるなら初春はこの先に捕らわれているはず…」
黒子「私はこの建物の構造はからっきしですの…初春の救出はお任せしますわ」
銀時「馬鹿言うな…ヤローはただの雑魚じゃねェ、いくらお前でも……」
黒子「ご心配には及びませんの、これでも色々と修羅場は経験してますのよ?」
黒子「ここは私を信じてくださいな…先生」
銀時「…………」
佐天「行こう…銀さん、ここまで言ってるのに迷ってたら白井さんに失礼だよ」
銀時「……そういや、まだテメーらにゃ教えてねーことがあったな」
黒子「……?」
銀時「あとで補習授業があっからな…必ず受けに来い」
黒子「ええ…必ず」
佐天「白井さん…気をつけて」
黒子「佐天さんも……」
---
阿伏兎「クク…良かったな、結果的にはお前さんが一番の当たりだ」
阿伏兎「先に進んだあちらさん…次は手練れの春雨兵たちに囲まれることだろうよ」
阿伏兎「それを抜けた先には獣が放し飼いだ…どう転んでも尋ね人までは辿り着けまい」
黒子「………」
阿伏兎「心配するな、お前さんは出来るだけ苦しまないであの世に行かせてやるさ」
黒子「あらあら、まだお気付きでないんですのね」
阿伏兎「?」
黒子「一番の外れは…あなたですのよ?」
阿伏兎「……クックックッ」
阿伏兎「勘弁してくれよお嬢さん…こんなオジサンを虐めちゃ…いけねーな!」ダッ
黒子「!」ヒュン!
ブンッ!
阿伏兎「……オイオイ、何だ今の移動術は?いい歳こいて綺麗に空振りしちまったよ」
黒子「答える義務はありませんの…戦いで敵に情報を与えるなど愚の骨頂ですわよ?」
阿伏兎「クク…違いない、見かけによらず…お嬢ちゃんも戦士ってわけだ」
阿伏兎「じゃあ…ここからは本当の『殺し合い』といこうか…?」
黒子(まさか…あれほどのスピードで動いてくるとは……)
---
同時刻、ターミナル裏手
沖田「ターミナルに潜入までは意外にあっさりといけやしたね」
土方「簡単すぎて逆に気味がワリーな、見張りの一人もいねーなんざ明らかにおかしいだろ」
近藤「え、そうなのか?俺は裏口のほうだからてっきり見張りを置き忘れたのかと…」
土方「んなわけねーだろ…こりゃ間違いなく待ち伏せが……」
河上「御名答」
沖田「!」
河上「裏手を張っていて誰が掛かるかと思えば…よもや真撰組とは予想外でござった」
攘夷浪士A「真撰組には日頃の恨みがある…ちょうどいい機会だ」
攘夷浪士B「万斉さん、コイツらの首…取っちまって良いんですよね?」
河上「ああ」
沖田「おもしれー寝言を言うじゃねーかィこの馬鹿共は…誰の首を取るって?」
攘夷浪士B「お前たちのく……」
ズバッ!
攘夷浪士B「ぐああっ!?」
沖田「聞こえねーなァ、もう一回言ってみろよコノヤロー」
河上「…さすがは真撰組一番隊隊長沖田総悟、敵を斬ることに一切の迷いはなし」
近藤「オオオオォォォ!!」
河上「加えて…真撰組局長、近藤勲か……」
土方「呑気に分析してんじゃねーぞ……河上ィィィ!」
キィン
河上「鬼の副長…土方十四郎……!」
土方「ワリーが、テメーだけはこの手でたたっ斬らなきゃならねーんだよ……!」
河上「ぬしの曲は…激しい怒りに哀が聞いてとれる……なるほど、伊藤の復讐か」
土方「そんな大それたモンじゃねーよ…ただ、テメーには一足先に地獄へ行ってもらうぜ」
すみませんが、ちょっとここで一旦切ります
とりあえずは明日と明後日で何とか終わるのでそんな感じで
銀八「オニドリルより二回進化するピジョットのほうが強く感じるけど実はそうでもない」
再開します
銀八「あ、再開の前に…場面が切り替わりが多くてアレなんで一旦まとめときます」
現在の状況
銀時・桂・佐天…初春救出のため前進中
神楽・美琴…宇宙海賊春雨の兵士多数と交戦中
新八・月詠…過激攘夷派、鬼兵隊の武市・また子とそれぞれ交戦中
黒子…夜兎族の阿伏兎と交戦中
近藤・土方・沖田…鬼兵隊幹部の河上とその部下ら多数とターミナル内の裏手で交戦中
銀八「大体こんな感じです、なんか分からなきゃ言ってください」
アイロンかけないんですか?
近藤「総悟ォォ!お前は先に行け!万事屋と合流しろ!」
沖田「そのためにゃコイツらを片付けねーと…」
近藤「こんな奴らをいちいち相手にしていたら間に合わん!お前だけでも行け!」
沖田「………!」
土方「心配ねーよ…この馬鹿どもは俺たちで何とかしてやる」
沖田「…勘違いしちゃいけねーや土方さん、俺は心配なんざしてませんぜ」
土方「………」
沖田「早くおっつかねーと手柄は全部俺が頂いちまいますからねィ」
土方「……そうかい、せいぜい死なねーよう気をつけな」
---
銀時「……先に進めたと思ったところでまた沸いてくんのかテメーらは」
春雨兵E「件の侍に桂…まだ二人とも残っているな?」
春雨兵F「あの二人を最優先に狙え、ガキはどうにでもなる」
佐天「………!」
銀時「下がってろ佐天、コイツらの狙いは俺たちだ」
桂「……いや、下がるのはお前もだ、銀時」
銀時「あん?」
桂「ここは俺が引き受けた、お前は先へ進め」
銀時「馬鹿かテメーは…一人で何とかなる数だと思ってんのか?」
桂「……見たところコイツらは春雨の精鋭部隊だ、知ってる天人の顔もいくつかある」
桂「これが出て来たということは…俺たちは敵の懐の深くまで進んでいるんだろう」
桂「捕まっているお前の仲間も近くにいるはずだ…早く行け」
桂「それに…お前のその刀を使うべき相手はコイツらではなかろう」
銀時「………」
桂「心配はいらん、俺は最後まで美しく生きる…お前のようにな」
銀時「…………」
銀時「上等じゃねーか…死ぬなよ、ヅラ…!」ダッ
桂「ヅラじゃない……」
春雨兵F「逃げたぞ!白髪の侍を捕らえろ!」
桂「桂だァァァ!!」
ズバッ
春雨兵E「ぐあっ!」
---
佐天「ついに…二人だけになっちゃったね……」
銀時「…………」
佐天「あはは…情けないなぁ、みんなが死ぬ気で戦ってるのに私は何の役にも立ててない……」
佐天「私がもっと強かったら…みんなの力になれるのに…!」
銀時「前に言ったろうが…テメーは弱かねーよ、心が折れねー奴ァつえーんだ」
銀時「中学生のお前がここに来てるってだけでも大したモンじゃねーか」
佐天「…………」
銀時「と…ここで二手に別れてんのか」
佐天「ど、どっちに行けば……!」
銀時「片方は覚えてねーが…もう片方はターミナルの屋上へ通じてる通路だったな…」
佐天「初春がいるのはこのうちのどっちかだよね…?あの傘を持った人の言うことを信じるなら」
銀時「ああ…で、ヤローの言ってた獣がいんのは十中八九屋上だな」
佐天「ど、どうして?」
銀時「あの馬鹿のことだ…サシで俺と決着付けようってハラだろうよ…」
銀時「佐天…お前は屋上へ向かわねーでこのまま行け、で…ヤバいと思ったらすぐに逃げろ」
佐天「う…うん、分かった」
銀時「心配すんな…お前はぱっつぁんと同じでやれば出来るタイプだ」
銀時「初春のやつは任せたぜ、獣の相手は俺に任せとけや」
---
春雨兵A「ぐっ……」
美琴「やっと終わったわね…」
神楽「お前なかなかやるアルな、新八のメガネ千個分は働いたネ!」
美琴「それ、全然褒められてる気が全然しないんだけど…」
神楽「さっき電気出してたけど、まさか体の中にピカチュウでも飼ってるアルか?」
美琴「ピカチュウって…何で電気って聞くとみんなそっちを連想するのかしら」
神威「さあ、何でだろうね?」
神楽・美琴「!?」
ドゴガッ!!
神楽「がっ…あ……!」
ドガッ!
神威「あれ?ぶつかった衝撃で壁を突き抜けると思ったのに…まあいいか」
美琴「あ、新手…!」
神威「待ちきれなくてわざわざこっちから出向いてみれば…ここにいるのは君たちだけか」
神威「本当はあの侍と殺り合いたかったけど…こっちはこっちで面白そうだね」
神威「とりあえず今はこっちでいいや、あの侍は一番後まで残しておきたいしね」
美琴「…………」
美琴(雰囲気だけで分かる…コイツ…絶対にヤバい……!)
神威「少し見てたけど君は電気を使えるんだ…地球人の女にも面白い奴がいるんだね」
美琴「よく分かんないけど…アンタに構ってる暇はないのよ!」バチバチ
神威「構ってくれなきゃ俺は困るんだよ、つまらないじゃないか」
美琴「あんまり…私を舐めない方がいいわよ!」
バチバチッ!
美琴「………!」
美琴(い、いない?まさか…電撃を避けられた……?あの一瞬で!?)
美琴「ど、どこに…!」
神威「先に言っておくよ、俺は相手が女や子供でも手加減はしない」
美琴「!」
美琴(後ろ!?しまっ……)」
神威「遅いね」
ドゴガッ!!
美琴「あっ…ぐ……!」
美琴「うっ…げほっげほっ……!」
神威「何だ、脆弱なのは他の地球人と変わらないんだ…つまらない」
美琴「くっ……」
美琴(嘘でしょ…一発喰らっただけで…足が……!)
神威「弱い奴に興味はないけど…君は殺さないでおくよ、強い子供を産むかもしれないしね」
神威「ただ…当分動けない体にはなってもらうよ」
美琴「!」
神楽「ホォタァァァァァァ!!」
バキッ
神威「!」
神楽「おうバカ兄貴、妹ほったらかして勝手にフィーバーしてんなヨ」
神威「……こいつは驚いた、意外と丈夫になったらしいね?」
美琴「あ、兄貴……?」
神楽「……アイツと私は血のつながった兄妹アル」
美琴「か、家族同士で戦わなきゃならないなんて……」
神楽「あんな奴は家族でも何でもないアル、昔に親と妹を殺そうとした薄情者ネ」
申し訳ないです、眠くなっちまったんで切らせてください
明日で多分一気に進むと思います、多分
>>466-467
銀八「それって今は関係なくね?いや関係なくはねーけどやっぱ関係なくね?」
一旦再開します
神楽「コイツは私がやるアル、お前は先に行って銀ちゃんと合流するネ」
美琴「……そういうわけにはいかないわね、一人で何とかなる相手じゃないわ」
神楽「いいから行けヨ、馬鹿やらかしてる兄貴を止めるのは妹の役目アル」
美琴「無茶する友達を止めるのも…友達の役目でしょ?」
神楽「!」
美琴「コイツを倒すことに全力を尽くす、それが私たちのすべきことじゃない?」
神楽「…………」
神楽「……兄妹喧嘩に首突っ込むとかお節介アルな、お前」
神楽「でも…お前みたいな奴はお節介は嫌いじゃないネ」クスッ
神威「よっ、見事な友情物語!感動して涙が出るね、ただ……」
神威「そんな妹だの友達だのと言ってる君たちじゃ…俺に勝てやしないよ」
神威「妹はもとより…先の一撃で君も脆弱な精神の持ち主だって分かったからね」
美琴「へえ…なら試してみようじゃない」バチバチ
神楽「神威!そのねじ曲がった根性、私たちが叩き直してやるアル!」
神威「面白いね…じゃあ、さっそく開戦といこうか?」
美琴(でも…アイツは本当に強い、力もスピードも人間離れしてる…)
美琴(油断したとはいえ…電撃を避けて即座に背後を取ってくるなんて……)
---油断?
美琴(……違う、油断なんかじゃない…私は心の奥底でコイツを『恐れ』たんだ)
美琴(笑いながら平気で相手を殺そうとするコイツに…怖じ気づいたんだ…!)
神威『先の一撃で君も脆弱な精神の持ち主だって分かったからね』
美琴「そこまで言われるなんてね…まったく、レベル5が聞いて呆れるわ……!」
神威「来ないのかい?ならこっちから行くよ」
美琴(来る……!)バチバチッ
美琴が火花を散らしながら身構えるのと同時、神威の姿が彼女の視界から消え失せた
速い---!
空間移動によるテレポートかと錯覚しかねないほどの速度、簡単には目で追えない
十メートルはあっただろう間合いは一瞬でゼロに等しくなる……だが
近距離から繰り出された神威の拳も美琴の体を捉えることなく空をきった
神威「すごいすごい、さっきと同じ速さでも二度目じゃちゃんと避けられるんだね?」
美琴「逃げ腰になってなきゃ一発目だって避けられたわよ……!」バチバチッ
反撃の雷撃が輝く軌跡を残して宙を飛ぶ
が、やはりそれも神威には命中しない
美琴「くっ……!」
神楽「ホォタアアァァァ!」
雷撃の追撃に飛び出した神楽が神威と傘で激しく打ち合っていた
互いの攻撃が巻き起こす風はそれだけで身を切り裂くかのように鋭く音を立てている
美琴「…………」
言葉が出ない、兄妹であることなど関係なく相手を打ちのめそうとしているこの光景に
美琴(これが…正しい選択なの?)
---ふと、そんな考えが美琴の頭をかすめるのだった
神威「ホントに昔とは別人だね、これもあの侍と一緒にいたおかげかな?」
神威「それとも…眠っていた夜兎の血が戦いによって呼び覚まされつつあるのか…」
神楽「お前と一緒にするなヨ、私は夜兎の血に飲まれたりしないアル」
神威「…………」
神楽「お前はいつまで続けるアルか、こんな馬鹿げた戦いしかない日々を」
神楽「どうしてお前は…みんなと仲良くできないアルか!」
美琴「あ…アンタ………」
神威「やれやれ…出来の悪い妹だとは思ってたけど、まさかここまでとはね…」
神楽「………?」
ドガッ
神楽「うぐっ!」
神威「友情や家族の愛なんか俺には必要ない…そんな物じゃ俺の渇きは癒えないんだよ」
神威「いや…俺だけじゃない、夜兎っていうのはそういう種族だ」
神楽「………」
神威「俺たちの中に流れる血は戦いを常に求め続ける…戦場へと駆り立てる…」
神威「そして…戦いと殺戮の中で快楽を得るのが夜兎族だ」
神威「その血に逆らうような馬鹿な妹じゃ…いくら才能があっても俺には及ばないよ」
美琴「アンタ…本気でそんなこと言ってんの?」
神威「本気も何も俺は事実を言っているだけだよ」
美琴「強い敵と戦えるなら…家族にだって手を挙げるっていうの?」
神威「戦いで俺の渇きを癒やしてくれるならね」
美琴「いかれてるのかアンタはァァァ!」
神楽「止めるアル…私が馬鹿だった、今さらコイツが話し合いなんかで退くわけないネ」
神楽「話で分からないならぶん殴ってでも言うこと聞かせる…そっちのが手っ取り早いアル」
美琴「………」
美琴(嘘だ…この子は…まだアイツと分かり合おうとしてる……)
美琴(家族として…アイツのことを止めようとしてるんだ……)
神威「もういいや、こんなふうに喋ってても面白くないし…そろそろ終わらせようか」
神楽『お前…何かかっけー必殺技みたいな技、ないアルか?』
美琴『カッコいいかは別にして……一応あるわね』
神楽『それ使ったらあの馬鹿…止められるアルか?』
美琴『……当たれば多分ね』
神楽『なら…フォーメーションKでいくアル』
美琴『いや全然分からないから』
神楽「ふんぬおおぁぁぁぁ!!」
バキッ
神威「それでいい…少しはまともになってきたじゃないか…!」
神楽「ホォタアァァァァ!!」
神威「ただ…戦闘経験が少なすぎるね、動きが単調で読みやすいことこの上ない」
ブンッ
神楽(しまった、外し……!)
神威「お前の攻撃は避けてくれって言ってるようなものなんだよ」
バキッ
神楽「うあっ!」
美琴「!」
美琴(今だ…攻撃で二人の間合いが離れた瞬間に…レールガンでアイツを撃ち抜く!)
キィーン!バシュッ!
,. ::'"´ ̄::::::::::::: ̄`゛'ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.
,':::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ, ほほう、それでそれで?
./::::/:::::/::::::/___/:::::::/::i::::::::::i:::::::',
/:::/:::::::/::::::://:::__/:::::::/::/i:::L__::i:::::::::| ┌─┬─────
/:::イ::::::/:::::::::/rィて`'!ヽ!::/ |::::i__::::i:::::::::| | |\
. /:::::::i::::::i:::::::::/ ハ リ L,イ''ト,/|::::i::|.. | | \
,':::::::::::L_::!::ハ::::」 ゝー゛ トソハ/::::!:」 . . | | \__
::::::::::::::::/::::::/|:::| "" 、 ` ,,|::|::|. | | |
::::::::::::::::::::::/::|::::| 、_____ !::::| | | |
:::::::::::::::::::/::::|:::::ト、 || ||「´ ,.イ::::| | | |
::::::::/::::::/::;__|::,!へヽ.、 || ll|,.イ:|::|:::::| ズゾー | | |
:::::;':::::::::,. '" く \\ r| ||ト、:|:::|::|::::| | | |
:::/:::::/ ⌒ヽ/⌒ヽ.\_T.|| l| !:::|::|::::| ( ) . | | |
/:::::/ __,,./ 、 \`ヽ,\ ||| |イヽ|/:: | | |
:::;:イ // / ヽ、\ノ、ノ\\ | i:::( ) | | |
:/ !/ ト、 ヽ、ソ!「L___\|\> ( ) .| | |__
ハ ト、`'´ ,l | く__,/ ||| |〉 (^ヽ、ヽ, | | /
:::ゝ、 ヽ  ̄7 / 「二二二二二i ヽ, |. | | /
::::/::::::::>、___二_レ' i赤いきつね/ i .| └┴┴┬───
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(:::::::) ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ト 、 / ̄〉
|ト、>_-┬ ┬- ,. 、 ___ / /
__lレ'_ 弋_>r‐ァr‐ァⅥソ/ /=-/
─/── 、_ 人_ ̄ __Y_ /=-/
≠´ ̄ ̄ /∨:.:.:.:.:レY´ミjト、 /=-/
〉'"´ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 、ヽr'´ /
ゞ"´ |──- 、:.:| 、Y、` Y
_ `ヾ〈 |∧ 7 、__」 `' |
rァく ヽ、 ト、 ヽ」__,.イ/ / |
l} ヽ | ヽ 、 ̄  ̄´ |
リ } ト、 ├'´ `ト _f{ -=r{_」 -≦l
l | | |、 |= _|_|l___」-‐┴‐ ミj
ヽ、 ヾ、}」__ l=/´r‐ 、 `ヽ、
ト、 `ー┴{ }__ノ 、
| \ `ー─‐ ´ ̄ ̄ \
ヽ、__`ー─- 、 __ゝヘ、
ヽ二二≧、 ,..:::::´:::::::::::::
ー- ────- 、 /:::::::::::::::::::::::::
`Y::::::::::::::::::::::::::::::::
神威「やっぱりね、そうだと思ってたよ」
美琴「!?」
美琴(あれだけのスピードの攻撃を…レールガンまで避けられた!?)
神威「君の攻撃は電撃だ…つまり、俺と妹が打撃戦をしているときには使えない」
神威「君の仲間の妹まで巻き添えにする危険があるからね……」
美琴「!」
神威「君が何かしてくるなら俺が神楽から距離を取った時…最初からそう踏んでたよ」
神威「来ると分かってれば避けるは難しくないよ…予想以上に速い攻撃だったけどね」
美琴「くっ……!」
___
/ \
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ノ 0 |
| O ノ
丶 /
`ンー―-<
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| | | ||
ー'ー^ーー'ー'
刀、 , ヘ
/´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
/: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/
/: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : : :\: : : : :: : : :ヽ \ /: : : :/
 ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i / /: : : : :/
/: : ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/ /: : : : :/ 、
. /: : / . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : | /: : : : :/ |\
/: : ィ: : : : :.i: : | \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:! ,': : : : / |: : \
/ / !: : : : :.ト‐|- ヽ \: : : : : l::::__:' :/ i: : : : :{ |: : : :.ヽ
l/ |: : :!: : .l: :| \: : : l´r. Y {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
l: : :l: : :ト、| 、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
|: : :ト、: |: :ヽ ___,彡 ´ ̄´ ヽl-‐' \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
!: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
V ヽ| }/// r‐'⌒ヽ イ〉、
ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、 こ、これは>>1乙じゃなくて
ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ ポニーテールなんだから
/: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\
神楽「カッコつけてんなヨよ馬鹿兄貴……」
美琴「……?」
神楽「今ので確信したアル、さっきのをまともに食らえばお前もヤバいんだろ」
神威「…………」
神楽「おいピカチュウ、私がアイツのことを押さえ込むネ…その隙に撃つアル」
美琴「だめよ…そんなことをしたらアイツだけじゃなく……」
神楽「……別に何の問題もないアル」
美琴「え……?」
神楽「いざって時は私ごとアイツをぶち抜けヨ」
美琴「出来るわけないじゃない…そんなこと!」
神楽「……打ち合って分かったネ、今の私じゃどうひっくり返ってもアイツには勝てないアル」
神楽「あの馬鹿兄貴を止めるにはお前の魔貫光殺砲しかないネ」
美琴「…………」
神楽「私も悟空に憧れてたしちょうどいい機会アル……だから」
美琴「ダメよ」
神楽「?」
美琴「そんなやり方…私は絶対認めないわ!」
美琴「約束したじゃない…あの天然パーマと…『誰も死なない』って」
神楽「!」
美琴「アイツは私たちを信じたからここに付いて来ることを許した…私にその信頼は裏切れない」
神楽「…………」
銀時『……必ず追いついて来いよテメーら』
神楽「銀ちゃん……!」
美琴「私は絶対諦めない、必ずアイツを倒す…だから…力を貸して……!」
神楽「…………」
神威「あれ、何もしないんだ?作戦があると思って待っててあげたのに…」
美琴「心配しないで…作戦ならもう決まったわ」
神威「?」
美琴「覚悟は出来た……『戦う』覚悟じゃない、『死なない』覚悟が!」
神楽「お前を『打ち倒す』覚悟じゃない…仲間の所へ『帰る』覚悟が!」
神楽・美琴「覚悟を決めた私たちの力…その目に焼き付けて永久保存しろォォ!」
あれっ、よく考えたら速度的に超電磁砲より電撃のほうが遥かに速くね?
まぁ燃える展開だし問題ない
神楽「ホォタアァァァァ!!」
神威(……さっきより動きが良くなってる、仲間に頼る脆弱な心でこんな…)
神楽「ウオアアアァァァァ!!」
バキッ
神威「ぐっ……」
神楽「オウ馬鹿兄貴…一個だけ教えてやるから耳かっぽじってよく聞けヨ」
神威「……?」
神楽「傘ってのは閉じたまま相手を殴るモンじゃない…」
神威「写真撮影の時カメラ屋さんみたいに開いて使うんだヨォォォォ!」
バッ
神威「!」
神威(視界が…傘で……!)
神威「くっ…こんな目くらましが……」バッ
美琴「カメラに向かってにっこり笑って…はい、チーズ!」
神威「しまっ……!」
キィーン!バシュッ!
神威「ぐっ……!」
神威(左肩をやられた…けど…左肩ならまだ戦える)
美琴「呆れた…ま、まだ動いてくるの?」
神威「悪いけど…俺はこれくらいじゃ止まりやしない……!」
美琴「けど、勘違いしないほうが良いわ……まだこっちの攻撃は終わってないわよ!」
神威「!」
神楽「最初に言ったネ、トリを決めるヒロインは…私アルゥゥゥゥ!」
バキッ
神威「ぐあっ!」
神威「ぐっ……」
神楽「動くな馬鹿兄貴、一ミリでも動いたらこの銃ぶっ放すアル」
神威「……本当に甘い妹だな、そんなことを言っている暇があればさっさと撃てばいい」
神威「さすがに俺も喉元でソイツを撃たれちゃ生きていられる自信がない」
神楽「……ちょっと、お前と話がしたいアル」
神威「……この際だ、聞きたいことがあれば答えてあげるよ」
神楽「お前…何でそんなに夜兎の血を愛でるアルか?」
神威「…………」
神楽「私はこの血が嫌いアル、誰かを傷付ける血なんか大嫌いアル」
神楽「なのに…何でお前はそんな……」
神威「生き物の本質は変わらないんだよ、神楽」
神楽「……?」
神威「どれだけ逆らっても…どれだけ抑え込もうと…俺たちは最後には本能に負ける」
神威「傷付けることしか出来ない血…そいつを俺は一族で一番色濃く受け継いだんだ」
神威「この血を抑え込めずに幼い頃…俺はあの男に手を出して返り討ちにあった」
神楽「……パピー」
神威「当時から最強と呼ばれていた星海坊主…子供の俺が勝てるはずもなかった」
神威「でも俺はあえてその自分の親に戦いを挑んだ…何故か分かるかい?」
神楽「…………」
神威「……アイツと戦えば死ねると思ったからだよ」
神威「あの時…お前が止めに入ったことで結局俺は死ねなかった…」
神威「俺はまた生きてこの血が引き起こす闘争本能と戦わなきゃならなくなった」
神威「けど…自分で抑えられるもう限界なんかとっくに越えていたらしい……」
神威「だから俺は家族から離れ…この血と争うことを止めて全てを受け入れた」
神威「この血を受け入れて身を任せてからは…全てが楽になった……」
神楽「………」
神威「お前は俺が心を入れ替えて善人になることを望んでいるようだけど…それはもう無理だ」
神威「そうなるには…俺は多くの者を殺しすぎたし…大切な物を全て置き去りにしてきた」
神楽「何で……」
神威「?」
神楽「何で何も言わなかったアルかこの馬鹿兄貴は!そんなに苦しんでたのに!」
神楽「私だって…力に…なれたかもしれないのに……!」グスッ
神威「…………」
美琴「ホントに不器用で馬鹿な兄貴よ…アンタは」
美琴「大切な物を失って…一人で耐えて…遠回りしてやっと最初に戻るなんて…」
美琴「こんなに…アンタのことを思ってる妹がすぐ近くにいてくれたのに……」
神威「……フフ、そうかもしれないね」
神威「喋りすぎちゃったな……ついでにもう一つだけ喋っておくよ」
神楽「?」
神威「春雨は本気で地球を侵略に来てる…この後、更に援軍が送られてくるよ」
美琴「こ、これ以上敵が増えるって言うの!?」
神威「安心しなよ、夜兎族は俺と阿伏兎しかいないから」
美琴「か、数はどれぐらいなの!?」
神威「さあ…そういうのはあんまり興味がないから分からないけど、とにかくたくさんだね」
神楽「ど、どうすればそいつらは止まるアルか!?」
神威「例えば…提督を含む先鋒隊が全滅したって伝われば怖じ気づいて攻めてこないかもね」
美琴「……私、みんなを援護しに行ってくるわ」
神楽「待つアル!それなら私も……」
美琴「アンタは兄貴を見てて、また暴れられちゃかなわないから」
神楽「………!」
美琴「信じて…必ず何とかして見せるから!」
神楽「…………」
神楽「絶対戻ってくるアル、万事屋への依頼料もちゃんと払えヨ」
神楽「……銀ちゃんや新八のことはお前に任せたアル」
美琴「……うん、分かった」
---
同時刻
桂「はぁ……はぁ……」
春雨兵F「もう虫の息だな…第一俺たち春雨を一人で相手にするって考えが普通じゃない」
桂「既存の常識を打ち壊すのが仕事である革命家の考えがまともであるはずがなかろう…」
春雨兵F「いや…まともとかそういう次元じゃない、お前は死にたがりか…ただのバカだ」
桂「死にたがりでも馬鹿でもない、桂だ…あいにく俺は死ぬつもりなどまったくない」
桂「江戸の夜明けを見ずして死ぬわけにはいかん…やり残したことも多いのでな」
春雨兵F「……死にたくないなら逃げればいい、なのに何故逃げない」
桂「俺たち侍の信念など…貴様ら春雨には分かるまい……」
男は刀に手をかける、今の桂はそれだけの動作で全身の傷口から血が滲み出る状態だった
春雨兵E(あれだけ血を流しながら立ち上がって…武器を構えた?)
解せない、何がこの男をここまで駆り立てるのだろうか?
勝ち目などまるでない、倒れていれば楽になれるはずなのに…それでも男は刀を握る
そんな天人に答えるかの如く、桂は鋭く声を放つ
桂「何故逃げないか…何故戦うか…分からぬのなら教えてやる……!」
桂「己の『誇り』がため…そして友との『誓い』がために戦う…それが侍だからだ!」
桂「俺の名は桂…『侍』、桂小太郎だ!」
---『狂乱の貴公子』桂小太郎、その魂からの叫びが春雨兵に恐れを抱かせた
侍の持つ別次元の強さ…その根本を目の当たりにした衝撃はどれほどのものだったろう
春雨兵F「怯むな!敵は死にかかった侍だ、俺たちが負ける道理はない!」
桂「ウオオオォォォォォォ!!」
春雨兵F「囲んで動きを止めろ!奴はたった一人……」
沖田「じゃあこれで二人じゃねーか」
ズバッ
春雨兵F「!?」
桂「貴様…真選組の……!」
沖田「あーあ、攘夷浪士がいるって言うんで来てみりゃもう死にかけじゃねーかィ」
沖田「どうしろってんでェこの状況、攘夷浪士をとっ捕まえりゃいいのか……」
沖田「江戸の住民を傷付ける馬鹿を叩き斬りゃいーのか…」
春雨兵F「一人が二人になったところで優位は変わらん!数で押し切れ!」
沖田「……どうもこりゃ、後者を選ばなきゃならねーらしいや」
沖田「オウ桂、今だけはテメーを護ってやらァ…全部終わったらテメーはしょっぴくぜィ」
桂「案ずるな…手負いと言えど俺は真選組に護られるほど弱くはない……!」
桂「貴様こそ…俺を捕まえられるならやってみるがいい」
沖田「言うじゃねーか…なら俺より先に倒れるんじゃねーぞ、桂」
銀八「ちきしょー全然進まねーぞコノヤロー、地の文とか調子こいていれたからだなコレ」
銀八「地の文書いていいのは文章力がある奴だけだね、うん、俺には千年早かった」
銀八「あと>>520、お前何言ってんだ…光の速さの電撃と音速の三番の超電磁砲じゃ……」
銀八「あれ?段違いで電撃のが速くね?」
進むとか言ってこの様です、申し訳ないですホント
構想は出来てるんで展開は何とかなると思います
どうでもいいけど鼻水が喉と鼻の間の辺りに引っかかってる感じが気持ち悪くてヤバい
右膝「おいおい俺を忘れんなよ?」
両目「じゃあ俺達はすわっとくわ」
---
月詠「はっ!」ヒュン
また子「くっ!」ドンッ!
キィン!
また子「こっちの弾を避けながらもクナイで正確に反撃してくる…」
また子「……なるほど、かなりやり手っスね」
月詠「…その投げたクナイを正確に銃撃で撃ち落としているのは誰じゃ?」
また子「……アンタとまともに戦ったんじゃ面倒なことになる…か」
また子「なら…打つ手は一つっスね」
月詠「………?」
新八「ふんがああ!!」
キィン!
武市「ふむふむ、以前に手合わせしたときよりも腕が上がっているようですねェ」
新八「そっちこそ…前より強くなってるじゃないですか……」
武市「修行する時間があったのはあなただけじゃないってことです」
武市「実はかなり無茶してて…ぜぇ…息切れと動悸がヤバいなんてワケが…げほっごほっ」
新八「疲れてんかいィィィィ!」
武市「もう大変なんですよ、表現規制と戦うの…アグネスとかアグネスとかアグネスとか」
武市「それに比べたら修行とか江戸を落とすとかはもうどうでもいいでしょうコレ」
新八「この人、テロリストのブレインのくせにとんでもないこと言い出したよ」
月詠「伏せろ!!」
新八「えっ……?」
ドンッ
新八「ぐあっ!?」
また子「これで二対一っスね」
月詠「き、貴様…恥を知らぬのか……!」
また子「対峙している相手以外からは攻撃をされないなんてルールがあるとでも…?」
また子「こういう戦いじゃ弱いほうに照準を合わせて先に潰しとくのが鉄則っス」
月詠「くっ……大丈夫か、パチ恵」
新八「いや新八です」
月詠「弾は足を貫通しているか……これでは立つことさえままならんはずじゃ」
新八「ぐっ……」
また子「動けないソイツを庇いながらあたしら二人を相手にして勝てるかどうか…」
また子「実力のあるアンタなら分かるっスよね?」
月詠「…………」
武市「さすがです、全ては私の作戦通りに事は進みました」
また子「いや作戦なんか聞いた覚えはないっス」
武市「ついでにこの青少年健全育成条例改正に反対の署名を…」
また子「しないっス」
武市「奴らは何も分かってないィィィ!表現を規制することで一体何の益があるというのか!」
武市「己の心を律することを教えぬまま全てを規制するなど愚の骨頂である!」
武市「第一可愛い少女の愛でて何が悪い!ちなみに私はロリコンじゃなくフェミニストです」
また子「オメーはただの馬鹿か」
新八「……僕なら大丈夫です、月詠さんは気にせずに戦ってください」
月詠「馬鹿なことを言いなんし…その片足はロクに動かぬはずじゃ」
新八「……悔しいじゃないですか、こんな所で止まってたら」
月詠「?」
新八「神楽ちゃんたちはきっと春雨たちに勝って先に行った銀さんたちを追いかけてる…」
新八「銀さんだって…攘夷浪士にだろうが天人にだろうが絶対に負けやしません」
新八「それを…僕だけがこんな所で脱落したら…みんなに申し訳が立たない!」
新八「僕だって…僕だって銀さんと同じ侍なんだ!!」
月詠「……やれやれ、どうやらぬしもあの天然パーマに影響されたようじゃな」
月詠「そんな足で戦うなど自殺行為と分かっているだろうに……」
新八「た、大したことねーしゅこんな傷!紙で指と指の間を切った傷のが痛いし!」
月詠「…わっちにぬしの決意を止める権利などありんせん、好きにするがよい」
新八「月詠さん……」
月詠「じゃが…何があっても命だけは手放さぬようにな」
新八「くっ……」ズキッ
武市「傷が痛みますか、まあ当然ですね…叫びもせずによく耐えてると言うべきでしょうか」
新八「痛いに決まってるじゃないですか…僕ァあんまりこういう怪我に慣れてないんですよ」
武市「今のうちに勧めておきますが…降参するべきですよ、あなた」
武市「剣士にとって足は踏み込み時に使う…腕に次ぐ命とも言うべきものです」
武市「それを失って…まだ戦うおつもりですか?」
新八「足がなくても腕は振れます…剣が振れる限り僕は戦いますよ」
武市「では…最後に条例改正に反対する署名欄に名前だけでも……」
新八「あんたどんだけ条例改正に反対してんですか!?いや僕も確かに反対だけれども!」
武市「冗談はこのくらいにして…そろそろ真面目にいきましょうか」
新八「!」
キィン
新八「うっ!」
新八(攻撃を受け止めただけでもここまで出血するなんて!)
武市「ふむ…やはり撃たれた足は動かないようですねェ」
新八「……」
また子「あんたもいい加減諦めるっス、あんたの手勢じゃ勝ち目はないっスよ」
月詠「………」
新八「確かにこの足じゃ勝ち目は薄いかもしれない…でも、もうそんなことは関係ない」
新八「侍として…銀さんの仲間として……僕は絶対に諦めちゃいけないんだ!」
月詠「わっちもあの馬鹿との約束がある…決して違えてはならぬ約束がな」
新八「僕は最後の瞬間まで剣を振ります…これからもみんなで笑い続けるために!」
月詠「わっちらの背負うものの強さがどれほどのものか…試してみるがいいわ!」
ちきしょう…寝ます
引っ張りたくないから明後日までには終わらせたいのに…情けない
武市「虚勢を張ってもダメですよ、あなたの足はあのイノシシ女に撃ち抜かれてるんです」
また子「誰がイノシシ女っスかァァ!」
新八「………」
新八(確かに今の僕じゃ小回りが効かない、どうすれば……)
新八(考えるんだ、銀さんだったら…あの人だったらどうするか…)
銀時『斬り合いの最中に足が動かなかったら?んなモン一つっきゃねーだろ』
新八「!」
新八「そうか…考えてみたらそれしかない…!」
武市「……何のつもりです?」
新八「こんな足で無理に動こうとするから刀に乱れが出る…だったら」
新八「一歩も動かずに…あなたが踏み込んで来たところを反撃して斬り倒します」
武市「……なるほど、ですがそれだけでは根本の解決にはなっていませんよ?」
武市「あなたの策を実践するのは言うほど易くない…よほどの集中力が必要でしょう」
武市「この距離ならあなたの攻撃は届かず…私からは二、三歩踏み込めば攻撃が届く」
武市「私はあなたの集中力が切れたところを狙い打ちとしましょうか」
新八「残念ですけどね…そう簡単にはいかないですよ」
新八「ずる賢いやり取りと読み合いは万事屋でいつも鍛えてますからね」
武市「………?」
ヒュン!
武市「うっ!?」
武市(く、クナイ!私たちがやったのと同じことを…怯まされましたか…)
武市(ですが動けない彼では私に斬りかかることは…)
新八「ウオアアアァァァァ!」
武市「ちょ……なっ!?」
ズガッ!!
新八「はぁ…はぁ…や、やった…!」
武市「ず、ズルいですね…その足、動かそうと思えば動かせたんじゃないですか」
新八「……もう動かせないですよ」
武市「……?」
新八「さっきのでホントに全力です…もう全然力も入らないんですから」
新八「さっきの一撃を防がれてたら…僕の負けでした」
武市「……しかし、何故峰打ちなんですか?」
新八「…あの天然パーマが、僕らには人斬りになってほしくないって言ってましたから」
武市「……見事な覚悟です、どうです?私と一緒に青少年健全育成条例改正の反対活動を…」
新八「アンタまだそれ言ってんですか」
また子「せ、先輩!?」
月詠「おっと…ぬしの相手はこっちじゃ!」
また子「!」
また子(しまった…先輩に気を取られて……)
月詠「手荒くなるが許せ…ぬしにはしばらく眠っていてもらう…!」
ドガッ!
また子「ぐっ……晋助…様……」
月詠「…………」
新八「月詠さん……」
月詠「大した奴じゃ…気を失う寸前まで自らが慕う男の名を呼んでおったわ…」
月詠「鬼兵隊の高杉によほどの恩でもあるのか…あの男の志に惹かれたか……」
月詠「いずれにせよ…こやつはこやつなりに真っ直ぐな生き方をしておったのかもしれん」
新八「………」
月詠「それより…傷は大丈夫か、パチ恵」
新八「いやだから新八です、ちょっと歩くのはしんどいですね」
月詠「すまん……で、これからどうするつもりじゃ?あの天然パーマの所へ向かうか?」
新八「……はい、役には立てないかもしれませんけど…それでも行きます!」
月詠「行くのならわっちが肩を貸そう、魔法少女パッチーナ」
新八「だから新八だって言ってんでしょォォォ!何その魔法少女って!?」
---
阿伏兎「フンッ!」
黒子「くっ……!」ヒュン
阿伏兎「やれやれ…そろそろ一発くらい当たってくれねーとオジさん傷ついちまうな」
阿伏兎「テレポートってのは噂にゃ聞いてたが本当に使える奴は初めて見たよ」
黒子「あなたこそ一体どんな体の構造をしてますの…両腕と両足を貫かれていながら……」
阿伏兎「こんな小さい金属矢を何本か刺しただけでこの俺が止まると思ってたのか?」
阿伏兎「だとすればそいつは見当違いよ…夜兎を甘く見られちゃ困るぜ」
阿伏兎「それに…ここまででのやり取りで分かった、お前さんは戦いにゃ向いてねーよ」
黒子「…………?」
阿伏兎「お前さんの攻撃からは相手を殺そうって気持ちがまるで感じられねェ」
阿伏兎「この金属矢で攻撃したのは手足だけ…致命傷になる臓器は攻撃してねェだろう?」
黒子「!」
阿伏兎「戦場は迷った奴から死んでいく、生き残るのは敵を躊躇なく殺せる奴のみよ」
阿伏兎「人を殺したくないなんて思うお前さんじゃ一生掛かっても俺には勝てやしねェな」
黒子「…………」
黒子「……昔々、とある所に一人の殿方がおりました」
阿伏兎「………?」
黒子「その殿方は御世辞にも品があるとは言えず、常日頃から馬鹿をやっておりました」
黒子「ただ…その殿方は馬鹿なほどお節介焼きで…馬鹿なほど優しく…そして」
黒子「目の前のものを護るために駆け回り、力を尽くして戦う…本当に馬鹿な方でした」
阿伏兎「……オイオイ勘弁してくれよ、そりゃ何のおとぎ話だ?」
黒子「殿方は自分の護る物のために戦い…その敵にも護りたい物があったと知り…」
黒子「そして…今度はかつて敵だった者の大切な物のため、更に強大な組織と戦いましたの」
黒子「傷だらけになりながら…血を流しながら…誰も『死なせぬ』ように命懸けで……」
阿伏兎「…………」
黒子「本当に馬鹿ですわよね?自分のことなど省みず、他人の大切な物を護り続けるなど…」
黒子「傷付くばかりで何の益にもならないと分かっていながら…それでも戦うんですのよ?」
黒子「何の能力もないのに…ただ自分の身体と木刀だけで…本当に馬鹿な殿方ですの」
黒子「でも…そんな馬鹿な方だからこそ私たちは……私はあの殿方を護りたい」
黒子「あの殿方やお姉さま…初春、佐天さんを見て私は気付いたんですの」
黒子「人の強さは『壊す』時ではない…何かを『護る』時に姿を表すと」
黒子「人を殺すのが正義などと口にするあなたでは…一生掛かっても勝てはしませんの!」
阿伏兎「…………」
阿伏兎「クックックッ…なるほど、お互いの正義が違うってわけかい」
阿伏兎「これじゃハナから和解しようなんざ無理な話ってわけだ」
黒子「あらあら、最初から和解するつもりなどおありでなかったくせに」
阿伏兎「異なる正義がぶつかり合った時は…勝った方が正義になるのが世の常よ」
阿伏兎「俺の抱く戦場の正義か…お前さんの抱く信念の正義か…」
阿伏兎「どちらの正義が上をいくか…この場で決めるとしようかい」
黒子「ええ…そうですわね…!」
一旦ここまでで…後は夜にもっかい来ます
武市「異なる正義がぶつかり合った時は…勝った方が正義になるのが世の常」
武市「私の抱くロリ…フェミニストの正義か…あなたの抱く公共の正義か…」
武市「どちらの正義が上をいくか…この場で決めるとしましょうか」
アグネス「ええ…そうですね…!」
>>1
乙
支援
来るとか言っといて申し訳ないです…
ほんの少し展開で悩み所があってちょっとだけ考えさせてください
明日には必ず来ますので…
黒子(残る金属矢は三本…これで闇雲に攻撃してもほとんど効果はありませんわね…)
阿伏兎「フンッ!」
黒子「甘いですわよ!」
ヒュン
阿伏兎「甘いのはお前さんもだ…飛んだのは俺の後ろだろう」
黒子「なっ…!?」
ガッ
黒子「くっ……!」
阿伏兎「……かすめただけか、まあ…次は確実に仕留められるな」
黒子(何故…私の移動先を……!)
阿伏兎「不思議かお嬢ちゃん、何故俺がお前さんの移動先を読めたのか」
黒子「………」
阿伏兎「じゃあここでまた問題といこう…何故俺はお前さんの動きを読めたのかな?」
黒子「……まさか、勘ではありませんわよね?」
阿伏兎「勘とは少し違う…経験だ」
黒子「経験…?」
阿伏兎「俺の攻撃に対してお前さんならどう回避するか…それを予測してるだけよ」
黒子「わ、私の思考を…先詠みしているとおっしゃるんですの…?」
阿伏兎「平たく言えば…そういうことだな」
黒子「そんな…そんなことが出来るわけ…!」
阿伏兎「そいつが出来るのが…戦場を生き場とするの夜兎って種族よ」
阿伏兎「と言っても…俺が不利なことに変わりはねェ」
黒子「………?」
阿伏兎「お前さんの金属矢…そいつで急所を貫かれたらひとたまりもねーからな」
黒子「!」
阿伏兎「さあどうする…そいつを使って俺の頭をぶち抜くか?」
黒子「………」
阿伏兎「クク…遠慮はいらねーよ、俺は戦場で死ぬなら本望だ」
阿伏兎「お前さんの選択肢は2つ…そいつを使って俺を[ピーーー]のか…」
阿伏兎「それとも…このままジリ貧になりつつ俺になぶり殺されるか…」
黒子「………」
黒子「私の選択肢は決まってますの」
阿伏兎「クク…なら、その答えとやらを見せてもらうとしようか?」
黒子「ええ…これが…私の答えですの!」ヒュン
阿伏兎(金属矢を手に…なるほど、俺をぶち抜くほうが答えってかい)
黒子「行きますわよ…」ヒュン!
グサッ
阿伏兎「なっ……!」
阿伏兎(攻撃したのは急所じゃなく…足だと…?)
ヒュン
黒子「足に気を今度こそ後ろを…取らせていただきましたの」
阿伏兎「!」
黒子「あなたには…地に伏せてもらいますわよ!」
ヒュン
阿伏兎「ぐっ!?」
ドガッ
阿伏兎(これは…俺の体を移動させて地面に叩き付けたのか…?)
黒子「動かないでくださいな…筋一本でも動かせばこの最後の金属矢を撃ち込みますわよ」
阿伏兎「金属矢を飛ばすだけが能じゃなく…テレポートを使った体術も使えたってわけかい」
阿伏兎「だが……俺を押さえ込んだところでお前さんはまだ勝っちゃいねーよ」
阿伏兎「俺の息の根を止めて戦闘不能にしなきゃ…お前さんの勝ちとは言えねーな」
黒子「……ずるい方ですのね」
阿伏兎「何?」
黒子「先ほどあなたが用意した選択肢…どちらを選んでも私の負けになるではありませんの」
阿伏兎「!」
黒子「あなたに殺されてしまっては言うまでもなく私の負けですし…」
黒子「金属矢を急所に撃ち込んであなたを死なせても…己の正義を曲げた私の負けになる」
黒子「あなたは初めにおっしゃってましたわよね?どちらの正義が上か決める…と」
黒子「私があなたを死なせては…あなたの言う戦場の正義が上になってしまいますの」
黒子「仲間が教えてくれた信念が戦場の正義に劣るなど…認めるわけにはいきませんわ」
阿伏兎「……自分が殺されることになっても己の信念は曲げねーと?」
黒子「……ええ」
阿伏兎「フン…こりゃ俺の負けだな」
黒子「降参…なさるんですの?」
阿伏兎「押さえ込まれて喉元に矢を突きつけられた時点で俺の負け…」
阿伏兎「いや…お前さんが俺の選択肢のどちらにも靡かなかった時点で俺の負けだ」
黒子「…………」
阿伏兎「それに正直…お前さんとの殺し合いはやりにくくてかなわねェからよ」
黒子「どういう…意味ですの…?」
阿伏兎「お前さんと俺は正義こそ真逆だがそれでも似てる部分があるように思えるね…」
阿伏兎「悪いが……俺は共食いは嫌いなんだよ」
阿伏兎「俺はお前さんやあの侍が春雨にどれだけ戦えるのか……」
阿伏兎「お前さんのその正義で何が護れるのか…遠くで見させてもらうとしよう」
黒子「あなたは……」
阿伏兎「心配せずとも俺はもう戦わんよ…少なくとも、この場じゃお前さんの正義が上だ」
阿伏兎「この戦いに限っては俺はもう誰も殺らねェと約束するぜ」
黒子「信頼して…よろしいんですのね?
阿伏兎「しつこいぞお嬢さん、俺の気が変わらんうちにさっさと行け」
黒子「………」ダッ
阿伏兎「…あーあ、こりゃ馬鹿提督に殺されるかもしれんね」
---
ターミナル屋上
銀時「…………」
高杉「よォ銀時……思ったよりも早かったじゃねーか」
銀時「屋上で待ちかまえてるたァ…一昔前のラスボス気取りかコノヤロー」
高杉「ここなら江戸の街が見渡せるからな…ぶっ壊れる前に見納めておこうと思ってよ」
銀時「勘違いしちゃいけねーよ、テメーが壊せるほどこの国は安かねーぞ……」
高杉「テメーも知ってるはずだ、俺ァ出来ねー法螺は吹かねーってな」
高杉「俺はただ壊すだけだ…この腐った世界を」
銀時「なら…俺もぶっ壊させてもらうぜ、テメーが吹くその法螺ってヤツをな」
高杉「懐かしいじゃねーか…その刀、テメーはいつも持ってやがったな」
銀時「………」
高杉「そいつを見りゃ何かと昔を思い出す…馬鹿をやったもんだな、俺もテメーも」
銀時「なんだオイ…思い出話の一つでもしてーのか?」
高杉「フン…話なんざいくらでもしてやらァ…この刀でな」
銀時「!」
キィン!
高杉「ほお、剣の腕は鈍ってるかと思いきや…存外、まともじゃねーか」
銀時「今までに色々とあったせいでな…侍としての血潮は錆び付いちゃいねーんだよ」
銀時「化物みてーな刀とやり合った、名門剣道場当主のジジイともやり合った」
銀時「夜兎のジジイとは死にかけながら戦った…百華の蜘蛛ジジイには殺されかけた」
銀時「四天王のガングロクソジジイにゃヤケになったまま戦って負けもした…」
銀時「……あれ、ジジイばっかじゃね?俺がやり合ってきた相手って総じてジジイじゃね?」
高杉「クク…攘夷戦争じゃ白夜叉と恐れられたテメーがジジイに負けるとはな」
銀時「じーさんをバカにしてたら…俺たちがジジイになった時に後ろ指を指されるぜ」
高杉「…心配ねーさ、俺たちはジジイになる前にくたばるだろうよ」
高杉「たとえこの喧嘩で…俺とテメーのどっちが勝とうとな」
銀時「………」
銀時「ワリーが俺ァテメーと違って夭逝願望なんざ…一ミリもありゃしねーよ!」
キィン!
長い鍔迫り合いの後、二人の侍による刀を用いた対話が始まった
一閃、二閃…常人なら目で追い切れぬほどの速さの斬撃の応酬が展開される
端から見れば両者譲らずの互角と思える攻防だったが…
銀時「くっ……!」
高杉「どうしたよ銀時、ずいぶんと余裕がねェみてーだが?」
銀時「……そいつァテメーの勘違いだ、余裕ありすぎて逆に困ってんだよコノヤロー」
高杉「オイオイ…俺ァこれでもテメーの強さは認めてるつもりだぜ」
銀時「……?」
高杉「純粋な剣の腕だけじゃなく…その馬鹿みてーな身体能力に動きの読めねー太刀筋…」
高杉「そして実戦に裏打ちされた判断力と勘も持ってやがる…なるほど、一見して隙がねェ」
銀時「…………」
高杉「だが…悲しいかな、どれだけ我流の剣だろうと本人のクセってのは出ちまうモンよ」
高杉「昔と変わらねーな銀時…お前さんの太刀筋のクセは」
銀時「!」
高杉「何を驚いてやがる…俺ァ攘夷時代にテメーの立ち回りを隣で散々見てきたんだぜ?」
銀時「へっ…野郎に注目されてようが嬉しくも何ともねーよ」
高杉「フン、違いねェ…だが忘れるなよ、俺ァテメーの刀は全て読めるってことをなァ」
銀時「ありがた迷惑な情報をわざわざありがとうよ!」
キィン!
銀時「ウルオアアァァァァ!」
キィン!キィン!
高杉「ヅラの奴ァ俺を獣だとのたまってだが…」
高杉「クク、雄叫び上げるテメーと比べちゃどっちが獣なのか分からねーな」
銀時(くそ…こっちからいくら斬り込んでも受け流して来やがる…!)
高杉「ただ、受けるだけじゃつまらねーよなァ…こっちもそろそろやらせてもらうぜ」
銀時「!」
ズバッ!
銀時「ぐっ……!」
高杉「ほォ、今の斬撃でもとっさに急所を逸らすか……クク、やるじゃねーか」
銀時「…………」
銀時「どうなってやがる…」
高杉「?」
銀時「立ち回りを見てきたのはテメーだけじゃなく俺も同じだ…なのに」
高杉「俺の剣が読めねーのが不思議でならねェ、そう言いてーのか?」
銀時「………」
高杉「『士別れて三日なれば刮目して相待すべし』…あの人はそう俺たちに教えたな」
銀時「!」
高杉「……つまりはそういうことだ、馬鹿のお前でも分かる単純な理屈よ」
銀時「高杉……!」
高杉「時間もねーんだ…もうカタ付けさせてもらうぜ」
銀時「何だ…もう勝った気でいやがるのかテメーは……!」
キィン!
高杉「そういやお前さん…万斉とやり合った時に護るもんは変わらねーとか言ったらしいな」
銀時「!」
高杉「テメーが何を考えて何のために戦おうが興味はねーが…」
高杉「牙を失くし、ぬるま湯に浸かった日々で腕が鈍ったテメーじゃ…」
高杉「いや…あの人の言葉も忘れてるようなテメーじゃ俺は殺れねーよ」
グサッ
銀時「がっ……!」
高杉「ジジイになってガキに後ろ指を指される前に逝けて良かったじゃねーか、銀時」
ザシュッ!
---
春雨兵G「待てェェェェ!」ダダダッ
佐天「うわわわわ!また追って来た!!」ダダダッ
佐天(もう!何でこうなるのかな私ってば!)
回想-ターミナル内で銀時と別れた後
佐天「こっちの通路は下へ向かってるんだ…初春が捕まってるのはこっち…だよね?」
佐天(今は銀さんも誰もいない…敵に見つからないようにしな…)
春雨兵G「オイお前、何やってる?」
佐天「」
---
佐天「予想はしてたけど敵が多すぎるよ!初春助けるどころか私まで捕まっちゃうって!!」
春雨兵G「に、逃げるな怪しい女め!大人しく捕まれ!」
佐天「こ、怖いんだから逃げるに決まってるでしょ!」
春雨兵G「………」ピタッ
佐天「………あれ?」
春雨兵G「そりゃさぁ…顔は怖いかもしれないけどさぁ…そんな直球で言わなくてもぁ…」
佐天「…………」
佐天(……意外にナイーブなんだ)
佐天「あ、あの…何かごめんなさい…そういうつもりで言ったわけじゃ…」
春雨兵G「……いや、気遣わなくていいよ、もうホント」
佐天「す、すいません…何て謝ったらいいか……」
春雨兵G「……いや、だからいいって」
佐天「…………」
春雨兵G「…………」
佐天(あれ、おかしいよね?何でこんな状況になってるんだろ?)
佐天「あ、そういえば……私みたいな格好をしてる女の子、見ませんでした?」
春雨兵G「あー…牢屋に入ってるあの子かな」
佐天「ど、どこにいるか教えてくれませんか!?」
春雨兵G「この先にターミナル内で船が発着する所があって、その船の中にある牢屋に…」
佐天「無事だったんだ…良かったぁ……」
春雨兵G「……あ、これ教えちゃマズかった、だから捕まって」
佐天「いやそういうわけにはいかないってば!」ダダダダッ
春雨兵G「ま、待て!これだから女は嫌いなんだ!」
---
牢屋
初春「今…何時だろ…何とかしてここから出なきゃ……」
春雨兵G『待てェェェェ!』
佐天『うわああぁぁぁ!?』
初春「あ、あの声…さ、佐天さん!?」
初春(どうしよう…きっと私を助けに来ようとして敵に見つかっちゃったんだ…)
初春(御坂さんや先生は一緒じゃないみたいだし…私のせいで佐天さんまで捕まっちゃう!)
佐天『待って待って!少し休憩しようって!もう走りすぎて限界なんだってばぁ!!』
春雨兵G『休憩!?ふざけるな、是非しよう!!』
初春(……あんまり心配しなくてもいいのかもしれない)
佐天「休憩しようって言ってるのに何で追い掛けてくるのさ!」
春雨兵G「お前を捕まえてからゆっくり休憩するんだよ!だから早く捕ま……」
バチバチッ!
春雨兵G「……」バタッ
佐天「……え?」
美琴「大丈夫だった佐天さん?」
黒子「何とか間に合いましたわね……」
佐天「御坂さんに白井さん…よ、良かった…もうダメかと…よくここが分かりましたね」
美琴「あれだけ大声だして走り回ってたら嫌でも気が付くって」
佐天「い…言われてみれば……」
---
牢屋
佐天「初春!」
初春「さ、佐天さん!無事だったんですね!」
佐天「御坂さんたちと合流してね、正直危なかったけど」
初春「でも…よくこんな入り組んでる建物の中で合流出来ましたね」
佐天「あはは…私が大声だして走り回ってたから……」
初春「あ、大声出しながらのは自分の場所を御坂さんたちに知らせるためだったんですね!」
佐天「え?」
美琴「そうか…流石ね佐天さん!」
佐天「え?え?別にそういうわけじゃ……」
初春「何で敵がいっぱいいるところであんな馬鹿な会話してるのかなって思っちゃいました!」
佐天「ば…馬鹿な会話…結構必死だったのに……」ズーン
美琴「さ、佐天さん?何で落ち込んでるの?」
黒子「あの殿方は…一緒ではないんですの?」
佐天「そ…そうだ…銀さんも今きっと戦ってる!」
初春「先生もやっぱり来てるんですか!」
美琴「まあ…アイツならめったなことがない限り大丈夫だと思うけど……」
黒子「……行きましょう、お姉さま」
美琴「黒子?」
黒子「何やら…黒子は嫌な予感がしてなりませんの」
美琴「………?」
---
沖田「桂…テメーはさっき何か感じたか?」
桂「……分からん、だが一瞬奴に…銀時に呼ばれたような気がした」
沖田「正直良い予感はしねーが…こっちも手が離せねーな」
沖田「敵の数が多すぎていくら斬っても一向に減る気配がねェ…」
桂「銀時……!」
沖田「…………」
沖田「……行きな、桂」
桂「そうはいかん…コイツらを最初に相手にしていたのは俺だ、俺だけ先には行けん」
沖田「くたばりかけのテメーがいても邪魔になるだけでィ、ゴチャゴチャ言うんじゃねーや」
沖田「後始末は俺に任せな…代わりに旦那のこたァテメーに任せるぜ」
桂「……すまぬっ」ダッ
沖田「……あーあ、目の前で桂を取り逃がしちまった…土方の責任にする方法を考えねーと」
春雨兵E「掛かれェェ!いくら奴が強かろうが数では俺たちが優位だ!」
沖田「静かにしねーかィ…俺ァ今考え事をしてるんでェ!」
---
美琴「佐天さん、屋上ってこっちでいいのよね!」
佐天「はい、多分合ってると思います!」
黒子「急ぎましょう!どんな強大な相手と戦ってるか分かりませんの!」
初春「……後ろから…誰か来てませんか!?」
佐天「え…?」
美琴「また敵が……?」
桂「……敵じゃない、桂だ」
佐天「か…桂さん、あちこち怪我してるじゃないですか!」
桂「心配はいらん、この程度の傷なら肉球に包まれれば容易く完治する」
佐天「に…肉球……?」
桂「それより…銀時はどこにいる?」
佐天「屋上に行きました!獣の相手は任せろって……」
桂「獣……奴が相手にしているのは高杉か…!」
美琴「高杉って……確かこの事件の首謀者じゃない!」
桂「そして、かつては俺たちの仲間だった男だ……!」
美琴「……急いだほうが良さそうね」
---
ターミナル屋上
桂「銀時!」
佐天「先生!いるんでしょ!?」
高杉「今度はまた…ずい分と賑やかな客が来たもんだな」
桂「高杉!」
高杉「よォヅラ……お前さんも相変わらずで何よりだ」
佐天(この人が高杉…同じ侍でも銀さんとは空気が全然違う……)
初春(向かい合ってるだけなのに…ただそれだけなのに怖いと感じるなんて…!)
高杉「ヅラ、馬鹿を助けに来たってんならご苦労なことだが…少し遅かったな」
美琴「遅かったって…どういう意……!」
銀時「…………」
黒子「せ…先生!!」
桂「ぎ、銀時!!」
佐天「やだ…こんなに血が……これ、酷いなんて傷じゃない……!」
高杉「急所を貫いてそのまま深く斬りつけた…まず助かるめーよ」
桂「貴様……高杉ィ!」
高杉「オイオイ怒るなよ、コイツァサシでやった殺り合いの結果だ」
高杉「銀時の奴もお喜びだろうよ、戦いの中で[ピーーー]たんだからなァ」
美琴「許さない…アンタは…アンタだけはァァァァ!!」バチバチッ!
桂「ぎ、銀時!!」
佐天「やだ…こんなに血が……これ、酷いなんて傷じゃない……!」
高杉「急所を貫いてそのまま深く斬りつけた…まず助かるめーよ」
桂「貴様……高杉ィ!」
高杉「オイオイ怒るなよ、コイツァサシでやった殺り合いの結果だ」
高杉「銀時の奴もお喜びだろうよ、戦いの中で[ピーーー]たんだからなァ」
美琴「許さない…アンタは…アンタだけはァァァァ!!」バチバチッ!
今日は一旦ここまでで…明日で多分完結します、多分
桂「ぎ、銀時!!」
佐天「やだ…こんなに血が……これ、酷いなんて傷じゃない……!」
高杉「急所を貫いてそのまま深く斬りつけた…まず助かるめーよ」
桂「貴様……高杉ィ!」
高杉「オイオイ怒るなよ、コイツァサシでやった殺り合いの結果だ」
高杉「銀時の奴もお喜びだろうよ、戦いの中で[ピーーー]たんだからなァ」
美琴「………許さない」
高杉「?」
美琴「アンタは謝っても絶対に許さない…アンタだけはァァァァ!!」バチバチッ!
>>676でミスと一部台詞抜けがあったんで修正したほうでお願いします
sagaが認識されない……だと?
すいません、脳内保管しといてください
桂「ぎ、銀時!!」
佐天「やだ…こんなに血が……これ、酷いなんて傷じゃない……!」
高杉「急所を貫いてそのまま深く斬りつけた…まず助かるめーよ」
桂「貴様……高杉ィ!」
高杉「オイオイ怒るなよ、コイツァサシでやった殺り合いの結果だ」
高杉「銀時の奴もお喜びだろうよ、戦いの中で死ねたんだからなァ」
美琴「………許さない」
高杉「?」
美琴「アンタは謝っても絶対に許さない…アンタだけはァァァァ!!」バチバチッ!
おんなじの三回も書き込んでホントすいません
わりかしシリアスな場面だったのに何このグダグダ感?蓑虫になりたいんだけど
もっかい言っとくとマジですいません
桂「よせ……!」
美琴「何で止めるのよ!アイツは…アイツは!!」
桂「奴は俺の仲間だった、そして銀時は奴に斬られた…ならば俺が奴を斬るしかあるまい」
美琴「私たちがこの天然パーマに…先生にどれだけ世話になったと思ってるのよ!」
美琴「それなのに…黙ってられるわけないじゃない!」
桂「それでも…お前たちに手を汚させては俺は……俺は銀時に合わす顔がない!」
美琴「!」
銀時『テメーらは手ェ汚すな』
美琴「だけど……だけど!」
佐天「銀さん…ねえ、しっかりしてって!銀さんってば!」
黒子「嘘…ですの…こんな…こんなことが………」
初春「し、白井さんも気を確かに持ってください!先生なら…大丈夫ですから!」
高杉「…………」
高杉「フン…揃いも揃って甘っちょろい連中だな」
美琴「何ですって…!」バチバチッ!
高杉「お前さん、さっき銀時のことを『先生』…そう呼んだな?」
美琴「それが…何だって言うのよ!」
高杉「銀時の馬鹿がテメーらに何を言ったかは知らねーが…どんな誓いや契りがあろうと」
高杉「てめーが師と呼ぶ人間を傷つけられて黙って引き下がるような奴ァただの腑抜けよ…」
高杉「なぁヅラ、テメーもそう思うだろ?……いや、思うわけねーよな」
高杉「銀時に絆されて牙を抜かれた今のテメーじゃ…俺の言葉は分かるめーよ!」
桂「高杉……!」
高杉「俺ァテメーらみてェに退くつもりはねーよ…この世界を壊すまではなァ!」ダッ!
桂「下がれ!!」
美琴「っ!」
キィン!
桂「うっ…ぐ……!」ブシュッ!
投下おせぇ‥‥‥はやく書け
高杉「えらく怪我をしてるじゃねーか…ここに来るまでにずいぶんと派手にやられたなぁ」
桂「黙れ…ただの掠り傷に過ぎん…!」
高杉「クク…そうだよなぁ、この程度の傷…大したこたァねーよな」ガッ
桂「!?」
鍔迫り合いの最中、高杉の左手が桂の腹部を抉りつけた
掠り傷などとは到底言えない深い傷…それを更に押し広げるかの如く
桂「ぐっ…あああぁぁ!!」
高杉「オイオイ情けねーな…ただの掠り傷だろ?」
>>696
携帯から催促とか気持ち悪すぎて吐き気が出る
桂「ぐっ……う……!」
美琴「………やっぱり私も…!」
桂「来るなァァァ!!」
美琴「っ!」
桂「お前たちは早くここから離れろ……誰も死なぬと銀時と約束したはずだ!」
佐天「………!」
美琴「で、でも…!」
桂「早く行け!ここは俺が……」
高杉「斬り合いの最中に余所見か…ヅラぁ!」
桂「しまっ……!」
キィン!
一瞬の隙、傷だらけの桂の体に向かって振り下ろされる凶刃
その速さたるや防ぐことは愚か、回避することさえ不可能だった
その一閃は一人の命を奪うに容易く…桂の体は糸の切れた人形のように崩れ落ちる
初めて目の当たりにする命の灯が消える瞬間に誰もが言葉を失い、立ち尽くしていた
---はずだったのだ
>>698
ケータイじゃねーし
【審議中】
| ̄ ̄|
|∧∧| (( ) ) (( ) ) ((⌒ )
__(;゚Д゚)___ (( ) ) (( ⌒ ) (( ) )
| ⊂l>>704l⊃ | ノ火.,、 ノ人., 、 ノ人.,、
 ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄ γノ)::) γノ)::) γノ)::)
|.|=.=.|| ゝ人ノ ゝ火ノ ゝ人ノ
| | ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
| | ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) 死んだら無罪って事で・・・
~~~~~~~~ | U ( ´・) (・` ). .と ノ
u-u ( ) ( ノ u-u
`u-u'. `u-u'
あ、もしもしじゃあ……ごめんね><
桂「………?」
高杉「なっ……!」
防ぐことも避けることも出来ぬはずの一閃
それを受け止めたのは桂の身体でもなく…まして桂の刀でもない
美琴「……え?」
彼女が見た光景は桂と高杉の間に割って入る一人の侍の姿
己の血に髪を濡らしつつ…それでも刀を握り締め仲間を護る
---銀髪の侍だった
銀時「ウオオァァァァ!!」
スバッ!
高杉「ぐっ…て、テメー……!」
銀時「はぁ…はぁ…!」
美琴「あ、アンタ………!」
銀時「よぉ…テメーら、ワリーな…ちっとばっか昼寝しすぎちまったらしい……」
佐天「ぎ…銀さん……」
初春「せ……せ………」
黒子「先生!!」
桂「銀時!」
高杉「テメー…どういうわけだ……!」
銀時「思い出は…大切にするモンだなオイ」
桂「その本は……!」
銀時「この刀引っ張り出してきた時…一緒に持ち出しといてな」
佐天「古い…教科書……?」
初春「それで…刀から護られてたってことですか……?」
高杉「いや…そいつがあったにしてもテメーは死んでなきゃならねェはずだ…!」
高杉「あれだけ深く斬り込んで…何故テメーは生きていられる……!」
銀時「………」
高杉「そうか…消しても消えねー生命力……そいつもテメーの強さだったな……」
銀時「……何も分かっちゃいねーな、テメーは」
高杉「何……?」
銀時「さっきテメーは俺の強さは身体能力だの何だのとぬかしてやがったが……」
銀時「そんなもんじゃねーんだよ…俺がこうして足ってられんのは…こうして刀を握れんのは…」
高杉「…………」
銀時「コイツらが俺との約束を護って…『生きて』ここまできたってのに……」
銀時「ここで俺だけがくたばれば…てめーの魂も、こいつらとの約束も…」
銀時「どっちもへし折れちまうんだよ…だから、俺ァ立たなきゃならねェ……」
銀時「死んじまうような傷だろうが…俺ァ刀振るって戦わなきゃならねーんだよ!!」
高杉「フン……どうにも、テメーは底抜けの馬鹿らしいな」
銀時「テメーも人のこたァ言えねーだろうが……」
高杉「俺ァただ壊すだけだ…この腐った世界を…テメーのくだらねェ約束とやらも…」
銀時「下がれテメーら…コイツだけは……俺がサシでやらなきゃならねェ」
美琴「そ…そんな身体でまだアンタそんなことを……」
銀時「馬鹿と思ってくれて構わねェ、だが…アイツだけは俺が止めなきゃならねーんだ」
黒子「………!」
月詠「無駄じゃ…わっちらがいくら止めたところで聞く耳など持つはずもない」
佐天「つ、月詠さん!」
神楽「銀ちゃんが話して分かるような人間なら普段私たちは苦労はしてないアル」
初春「神楽さん!」
新八「何てったって…宇宙一馬鹿な侍で…宇宙一馬鹿な僕たちの家族ですからね!」
銀時「テメーら……!」
神楽「あんなのちゃっちゃとぶっ飛ばして来いヨ、そんでさっさと帰ってる来るアル」
新八「僕たち…三人いないと万事屋にならないんですからね!」
銀時「………」
銀時「……ったく、近頃のガキは人使いが荒くてしょうがねーな…!」
高杉「辞世の句はもういいのか?銀時よ」
銀時「辞世の句?馬鹿っちゃいけねーよ…帰ってくるって約束をしちまったんでなァ」ダッ!
高杉「!」
キィン!
高杉「ちっ……!」
銀時「どうした高杉…剣が遅くなってるじゃねーか…!」
高杉「そいつァテメーの勘違いだ…死にかけて幻覚でも見えてんじゃねーのか?」
キィン!
高杉(どうやってやがる…あの馬鹿は死にかけのはずだ…なのに)
銀時「ルオアアアァァァ!!」
キィン!
高杉(ヤロー剣が明らかに重く…そして鋭くなってやがる……!)
ズバッ!
高杉「ぐっ…図に乗るんじゃねェェェ!」
ズバッ!
銀時「っ……ウオオォォォォォ!」
高杉「クク…なるほど、テメーは人間じゃねーらしいな」
銀時「あぁ?」
高杉「今のテメーは昔と同じ速さに戻ってやがる…いや、あの時より上かもしれねェ」
高杉「血塗れになって真の力に目覚めるたァ…テメーはまさしく『白夜叉』よ」
銀時「はっ…ワリーが褒められてる気がしねーな」
高杉「……これ以上ちまちま斬り合いしてても仕方ねェ…次で決めるとしようじゃねーか」
銀時「……上等だ」
美琴「す、凄い…これが…これが侍の戦い……!」
黒子「そして…どこまでも優しいんですのね、あの殿方は」
佐天「優しい……?」
黒子「あれだけの斬り合い…命を懸けた闘いをしているにも関わらず……」
黒子「あの殿方は…先生は身を挺してまで自分の友を救おうとしてますの」
初春「す、救おうとしてるって…ど、どういう意味ですか?」
黒子「あの殿方は闘いの直前…倒すとも…殺すとも言いませんでしたわね」
黒子「『アイツだけは俺が止める』…そう言ってましたの」
黒子「目の前の物を護り続けたあの殿方は…道を違った友ですら護るつもりですのね」
桂「銀時……!」
高杉「銀時…俺はお前が気に食わねえ、お前は何故この腐った世界を生きられる?」
高杉「俺たちからあの人を奪った世界を…何故のうのうと享受して生きられる?」
銀時「…………」
高杉「本来なら…テメーが誰よりもこの世界を憎まなきゃならねーはずだ」
高杉「それを…何もなかったみてーに平然としてるテメーが…俺ァ何より気に食わねぇ!」
銀時「高杉…俺ァテメーが思ってるほど大人しい人間じゃねーよ」
高杉「何……?」
銀時「この世界がどうなろうが知ったこっちゃねェと思ってた時も確かにあった…」
銀時「てめーが生きてる世界が嫌で嫌で仕方なくなっちまった時もなくはねェ」
銀時「だがな高杉よ…」
銀時「俺たちが生きるこの世界…こいつを与えてくれたのは他でもねェ…松陽先生だ」
高杉「………」
銀時「あの人が残してくれた世界を壊すなんざ…俺には出来ねーよ」
高杉「フン…なるほどな、あの人を奪ったこの腐った世界を壊そうとする俺……」
高杉「あの人が与えてくれたこの世界を護ろうとするテメーか……」
高杉「おかしな話だな銀時よ、どうやら俺とテメーは同じモンを背負ってる…なのに」
銀時「同じ道を行くどころか…刃を向けあって命のやり取りをしてるってんだからな」
高杉「クク…どっちが正しいかなんざ今さら問答をする気はねーぞ」
銀時「てめーと逆の姿を映す鏡と問答したって正解が帰ってくるわけがねーからな」
高杉「……喋るのはここまでだ、銀時」
銀時「……ああ、終いにするとしようや」
同じ師を仰ぎ、失う悲しみを知り、そして同じ決意の元で天人と戦った二人の男たち
その後、一人は師を奪った憎き世界を『壊す』ために修羅が道を進み
一人は己の大切な物を『護る』ために己の信念が示す道を進んだ
一人は悲しくも攻撃的な光を放つ才で、攘夷を志す多くの者を魅了し
一人は刀の如き鈍い銀色の光を放つ魂で、多くの者と絆を紡ぎ上げた
そして今…相反する道を歩み続けた二人の侍の戦いに終止符が撃たれることとなる
銀時「高杉ィィィィィ!!」
高杉「銀時ィィィィィ!!」
ガキィンッ!!
銀時「………」
高杉「………」
高杉「………フン」
ブシュッ!
高杉「チッ………」バタッ
銀時「はぁ…はぁ…!」
高杉「最後の最後まで急所を狙わねーのかテメーは…甘過ぎて反吐が出るぜ…」
銀時「こちとら糖尿ギリギリなんだよ…甘いのは当然だろうが」
銀時「それに…先生が与えてくれた世界ん中にゃ…テメーも含まれてんだよ、高杉」
高杉「……単純だなテメーは、目の前にある一本道しか見えねーのか」
高杉「だが…そういう馬鹿は嫌いじゃねーよ……俺も同じ穴のムジナだからな」
美琴「か、勝った…アイツが…先生が勝った!」
神楽「ぎ、銀ちゃん…銀ちゃん!!」
新八「良かった…本当に…良がっだ……」グスッ
月詠「大した男じゃ…わっちなど遠く及ばぬほどに…気高く強い魂を持った男じゃ……」
佐天「ち、力が抜けちゃって…あはは、立ってられないや」
黒子「…………」グスッ
初春「白井さん、泣いてるんですか?」
黒子「泣いてませんの」
初春「いや絶対泣いてますって」
黒子「……泣いてませんの」
桂「肩を貸すぞ、銀時」
銀時「ああ、ワリーな……」
桂「高杉…お前もだ…」
高杉「……ヅラ、俺に肩を貸すなんざどういう風の吹き回しだ?」
桂「ヅラじゃない桂だ…刀の折れた今の貴様は過激思想の攘夷浪士でも何でもない」
桂「ただ、共に同じ師から教えを受けた無二の仲間だ…仲間に肩を貸して何が悪い」
高杉「…………」
銀時「あれこれ余計なことは考えるんじゃねーよ…今だけはな」
高杉「…………」
高杉「銀時…桂…俺ァ……」
ドンッ
高杉「っ!」
高杉「ぐっ………!」ドクドク
銀時「……は?」
桂「高……杉……?」
美琴「な、何よ…今の銃声……!」
春雨兵「一部始終を見ていたが…高杉晋助、牙が折れたのならお前はもう用済みだ」
桂「天人…貴様、春雨か!」
春雨兵「地球に侵入する手引きさえ済めば後は俺たちだけで充分だ」
高杉「……俺も落ちたもんだな」
高杉「俺がテメーら春雨を利用したのと同じように…テメーらも俺を利用してるとは気付いてた」
高杉「いつ狙われてもいいよう警戒はしてたが…フン、最後の最後で気を抜いちまったか」
桂「闘いはまだ終わっていない…ターミナル内にはコイツらがまだ残っていたか!」
終わるはずだったのに…今日で終わらせるはずだったのに……
すいません、もうちっとだけ続きますが今日は終わりです
あと、投下が遅いのはいつもながらホント申し訳ないです
春雨兵「全員、大人しく降伏し……」
バチバチッ!
春雨兵「あぐっ!?」
美琴「せっかく誰も傷つかないで終わるところだったのに…水を差してんじゃないわよ!」
黒子「お姉さま!」
美琴「こっからは私たちがやるわよ…黒子!」
黒子「了解ですの!」
神楽「ツッキーに新八ィ!私たちは何が何でも銀ちゃんたちを護るアル!」
新八「大丈夫!どんなことがあっても指一本触れさせない!」
月詠「ここからが本当の決戦じゃな…」
神楽「あ…今さら思い出したネ!何かコイツらまとめてる元老って奴らが来てるらしいアル!」
新八「元老?元老ってことはつまり……」
美琴「敵の頭…じゃあそいつらを倒せば……!」
黒子「敵は統率を失った烏合の衆になる……そういうことですのね!」
神楽「ウン、多分」
新八「いや何で自信なさげなの!?そこは自信を持って言い切ろうよ!」
神楽「馬鹿兄貴から聞いた話アル、アイツ適当すぎてぶっちゃけ信用ならないネ」
初春「それ本当だと思います!私、牢屋に入れられてる時にそれらしい人を見ました!」
佐天「牢屋ってことは…地下の方にいるってこと!?」
初春「地下にあった宇宙船…多分そこにいるんじゃないかと……」
初春「…すいません、やっぱり私も自信ないです」
佐天「うー…せっかく屋上まで来たのにまた戻らなきゃいけないなんて…」
銀時「何にしてもここまで来たら行くしかねェ、やるぜ…テメーらァ!」
高杉「無理だな」
桂「高杉……?」
高杉「春雨とテメーらじゃまず兵力が違いすぎる、どうやっても勝ちの目はねェ」
桂「…………!」
高杉「……銀時、テメーは春雨の十一艦隊とやり合ったらしいな?」
高杉「何やら、かぶき町全体を巻き込んだ総力戦になったらしいじゃねーか」
銀時「それが何だってんだ…?」
高杉「今ターミナルに侵入してる先鋒の春雨は……艦隊で数えて五部隊はいる」
銀時「!」
高杉「つまり…お前さんたちが必死になってようやく退けた時の五倍の兵力だ」
高杉「気合いや精神論で何とかなる状態じゃねェ…馬鹿のテメーでも分かるはずだ」
高杉「あの電気使いのガキ共を戦力に加味しても…ひっくり返すことなんざ出来やしねェ」
銀時「…………」
高杉「クク…まさか最後を俺たちが攘夷で戦った天人に全部持ってかれちまうとはな」
高杉「こんな形で世界をぶっ壊されるたァ…笑えねェな」
桂「高杉……!」
銀時「馬鹿言ってんじゃねーよ……刀を取りな、高杉…ヅラ!」
桂「銀時……?」
銀時「与えられた賽に勝ちの目がねーんなら…賽を割ってでも作り出すまでよ」
高杉「勝ちの目を作り出す?そんな体で何が出来るよ」
銀時「さあな、とりあえず俺ァ死ぬつもりはねーが……仲間死なせるつもりもねーよ」
桂「……フン、貴様らしいな」
高杉「…………」
春雨兵G「確かに…元老を殺れば俺たちは統制が効かなくなり分裂するかもしれねェ」
春雨兵G「だが…お前らは元老の所へ行くことさえ出来ねェさ」
桂「……どういう意味だ?」
春雨兵G「もう元老からはターミナルの外へ侵攻するように指令も出てる」
桂「なっ……!」
春雨兵G「ターミナルの外へ俺たち春雨が流れ出たらどうなるか…」
月詠「江戸が落ちるまでそう時間は掛からんじゃろうな……」
桂「ターミナル内から春雨を一人たりとて外へ出すわけにはいかん…!」
春雨兵G「ターミナル内の春雨兵を倒し…外へ侵攻しようとする春雨兵を全員止め…」
春雨兵G「その上で元老を倒す…やれるんならやってみるがいいぜ」
桂「マズいぞ銀時…このままでは春雨が江戸に放たれる!」
高杉「クク…仮にそうなりゃ確実に街は火に包まれ…数え切れねェ死人が出るだろうな」
高杉「銀時、これでもテメーは本気で何とかなると思ってんのか?」
銀時「…………」
銀時「……この街はそこまでヤワじゃねーよ」
高杉「何……?」
銀時「どうも…馬鹿なのは俺たちだけじゃなかったらしいぜ」
桂「………?」
---
ターミナル周辺
花野アナ「依然として宇宙海賊春雨によるターミナルの占拠は続いています!」
花野アナ「先ほど真選組の局長らが一般人を救出すべく中に突入しましたが……」
山崎(局長たちが中に入ってしばらく経ったけど何の動きもない…)
山崎(万事屋の旦那も相変わらず出てこないし…まさか…春雨にやられて…!)
山崎(あれ、やっぱこれ俺のせいなのかな?止められなかった俺が悪いのかな?)
山崎(せ…せめてもうこれ以上は誰一人ターミナル内にいれないように……)
花野アナ「あ、ちょ…また何かがこちらへ向かって来ています!」
山崎「え?」
花野アナ「いや待ってください…な、何だか多くないですか!?」
山崎「え?え?」
花野アナ「格好を見るからに一般市民のようですが…ぜ、全員が武器を持っています!」
花野アナ「凄い数の武装した市民がターミナル周辺に集まってきました!」
山崎「何でェェェ!?さっきからおかしいってェェェ!」
九兵衛「どうやら…一足遅かったらしいな」
あやめ「銀さんはどこなのよ、まさかもう中で戦ってるんじゃ…あなたそこ退きなさいよ!」
山崎「いやダメですよここは通っちゃ!市民の方たちは下がって!」
九兵衛「やはり…簡単には入れてもらえぬらしいな」
お妙「関係ないわ、さっさとターミナルへ入りましょう」
山崎「いやダメですってば!俺の話聞いてないですよね!?」
九兵衛「……随分気合いが入ってるな、お妙ちゃん」
お妙「気合い?入るに決まっているじゃないの、だって…」
お妙「ここまで私のセリフ…『一言』もなかったんだぞコルァァァ!!」
あやめ「あ、今まで一言もなかったんだセリフ、私より順位上だったくせになかったんだ」
あやめ「まあ仕方ないわよ、登場キャラも多いんだし…私は出番もセリフもあったけど」
お妙「喧嘩売ってんのかこの雌豚、あんコラ?」
あやめ「何よヒロイン気取り?ろくに銀さんにデレたこともないくせにヒロイン気取り?」
あやめ「こっちはあなたみたいなえせヒロインはお呼びじゃないのよ」
イラッ
お妙「……へえ、あなたみたいなモブキャラがずいぶん偉くなったわね」
イラッ
あやめ「も、モブキャラですって……!」
九兵衛「二人ともそこまでだ…どうやら敵がお出ましらしい」
お妙・あやめ「?」
春雨兵「何だ…外に出てみりゃ武装した連中がうじゃうじゃと…」
春雨兵「地球には死にたい願望の奴らが多いらしいな」
九兵衛(相手は名に聞く宇宙海賊…戦うにしても初手は慎重に行くべきか……)
ドゴガッ!
春雨兵「ぐふっ……?」
あやめ「あなた、ちょっとうるさいんだけど」
お妙「女の争いに男が首突っ込むなコルァ」
春雨兵H「や、やりやがったぞあの地球人ども!」
九兵衛「………」
春雨兵H「下等な雌猿が我らを傷付けるなど…この場にいる人間を全員やれ!」
お妙「誰が雌ゴリラだゴラアァァァ!!」
あやめ「いや、アイツらゴリラとは言ってないからね」
九兵衛「……やれやれ、手を出してしまったなら仕方ないな…!」
花野アナ「た、大変な事態になりました!市民が宇宙海賊春雨とぶつかりあっています!」
九兵衛「柳生の名にかけて奴らを止めろ!」
柳生家「オオオオオ!」
東城「ご安心を!この東城歩が若には指一本触れさせません!」
九兵衛「出来ればお前も僕に振れるな」
長谷川「な、何で俺はこんなヤバい場所に来ちまったんだ…」
長谷川「とりあえず高い所へ避難して……」
春雨兵I「屋根の上でコソコソしてるお前も奴らの仲間かァ!」
長谷川「何で最初に俺狙いィィィ!?」
春雨兵I「死ねェェェ!」
長谷川「待って待ってェェェ!ちょ、待ってェェェ!」ガシッ!
春雨兵I「ふ、服を掴むな!屋根の上だからあぶな……お、落ちっ!?」
落下中の刹那、無意識に長谷川は敵の両股を手で掴み頭上へと逆さに持ち上げた
敵の首を自らの肩で支えつつ、決して逃れられぬように体勢を固める
加速しながら落下する彼の体が地に着くと同時に…その天人は再起不能となった
着地の衝撃で首、背骨、股を含めた五体すべてにダメージを与える彼の究極奥義…
『長谷川バスター』が炸裂したのだッッッ!!
その場にいたジミー山崎はその時のことを後にこう語る
山崎「天人とサングラスを掛けた男がね?もつれ合いながら屋根から落ちるんですよ」
山崎「その時だったんです、『奇跡』を目にしたのは」
山崎「はい、サングラスの彼が宇宙海賊春雨を撃破したんです…落下による攻撃でね」
山崎「え?偶然技が掛かっただけなんじゃないのかって?」
山崎「あなたは分かってない…あのバスターの複雑さをそして難易度の高さを」
山崎「そしてやっぱりあなたは分かってない…みんなからマダオと呼ばれる彼の弱さを」
山崎「その弱い彼が…たった一人で春雨を打ちのめすことがどれほどの奇跡か……」
山崎「何て言うか…憧れますよね、弱い人間なら誰もが」
長谷川「い…いてて…一体何が起こったんだ?」
春雨兵I「………」
長谷川「え?ちょ……え?こ、これ…もしかして俺が倒したとか?」
春雨兵J「あ、あの技は…伝説の超人だけが使えるという幻の……!」
長谷川「…………」
長谷川「か、勝ったァァァァ!マダオの俺があの春雨に勝ったァァァァ!」
たま(今日この日、マダオに花が咲きました…とデータに書き加えておきます)
九兵衛「くっ…!」
キィン!
九兵衛「流石は宇宙に名を轟かせる春雨…一筋縄では行かぬらしい」
九兵衛「一対一ならともかく…多人数を相手にするのも骨が折れる」
春雨兵「地球人にしてはやるほうだが…その程度じゃ俺たちは止められねェよ」
九兵衛「ならば…ここからは僕も本気だ、柳生に伝わりし奥義を使わせてもらう」
天人「本気だと…?」
九兵衛「舞え…袖白雪」
天人「何……だと………?」
外道丸「晴明様、銀時様はどこにいるでござんすか?」
晴明「遥か上空に奴の存在が感じ取れる、おそらくはターミナルの屋上じゃな…」
外道丸「相変わらずでござんすな、銀時様は」
晴明「それより…まずは目前の敵を殲滅することを考えよ」
春雨兵「殲滅する?ハハハ、俺たちをか?」
晴明「千住の涯…届かざる闇の御手……」ブツブツ
春雨兵「ん?お前、小声で何を言って……」
晴明「光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔、弓引く彼方、咬咬として消ゆ」
春雨兵「は……?」
晴明「破道の九十一…千手咬天汰砲」
春雨兵「何でェェェ!?何でお前らそんなオサレな技使えんのォォォォォ!?」
東城「若が真の力を出されたか…ならば私も本気を出しましょう」
春雨兵「何……?」
東城「ここからロフトまでの距離が何kmあるか分かりますか?」
春雨兵「…………?」
東城「13kmです」
春雨兵「いやだから?」
---
新八「あ、姉上にさっちゃんさん!?九兵衛さんも!長谷川さんまで!」
神楽「知ってる顔がいっぱいアル!どうなってるアルか!?」
桂「エリザベス…あれほど来るなと言っておきながら……!」
銀時「仕方ねーだろ、馬鹿が集まってるところにゃ自然と馬鹿が寄ってくるモンだ」
銀時「俺ァもう退けねェ…どこもかしこも戦ってるってのに…俺だけ退くなんざ出来ねーよ」
高杉「…………」
高杉「馬鹿の周りには馬鹿が集まるか…クク、なるほど面白ェことを言いやがる」
高杉「なら…俺も踊らせてもらうとしようじゃねーか」
桂「!」
銀時「オイオイ幻聴か?この馬鹿じゃ口が裂けても言わねー言葉が聞こえたんだけど?」
銀時「どんな心境の変わり方だ?てめーの頭の中で革命でも起こったか?」
高杉「祭りが好きでな…とびっきりの馬鹿共がこれだけ集まって踊らねェのは損だろうよ」
銀時「口が減らねーなテメーは…パーチーに入りたいって素直に言えねーのか」
高杉「銀時…ヅラ…今、俺ァこの場でてめー自身を斬る」
桂「た…高杉…貴様一体何を!」
高杉「勘違いすんな、てめーを斬るってのは自決の意じゃねェ…」
銀時「てめーの弱い心を斬る…か?」
桂「その言葉……!」
高杉「……ああ、この刀の本当の使い方を教えてくれた先生の残してくれた教えよ」
銀時「…………」
松陽『敵を斬るためではない、弱き己を斬るために』
松陽『己を護るのではない、己の魂を護るために』
銀時「行くぜ、ヅラ…高杉…!」
桂「ヅラじゃない、桂だ…!」
高杉「クク…またテメーらと肩並べて闘う日が来るとはよ」
春雨兵「何だ…深手を負った侍風情と女子供だけで戦うつもりか?」
高杉「フン…ワリーが、今の俺たちは侍でも武士でもねェ」
桂「貴様ら春雨が吹かせている春風に磨かれ、高く舞い上がり…」
銀時「お天道さんの昇る青空に憧れる…ただの薄ら紅よ!!」
銀時「ウオオオォォォォ!!」
ズバッ!
春雨兵K「ぐがっ…!
春雨兵M「止まるな!数で一気に押し込め!」
美琴「悪いけど……私たちもただの子供じゃないから注意しなさいよ!」バチバチッ!
神楽「お前らが私を殺ろうなんざ百年早いネ雑魚共ォォォ!」バキッ!
新八「くそっ…まだ足がロクに……!」
銀時「新八!動けねーなら無理に立ち回るな!代わりに佐天と初春についてろ!」
新八「わ…分かりました!」
桂「銀時後ろだ!」
春雨兵M「仲間に気を配り隙を見せたな!」
銀時「っ!」
ズバッ!
春雨兵M「あがっ…!」
高杉「何だ銀時…ずいぶんと余裕がねーな?」
銀時「高杉!」
高杉「クク…手でも貸してやろうか?銀時よ」
銀時「黙れコノヤロー!誰がテメーの手なんざ借りるかァ!」
春雨兵M「め、めちゃくちゃだぞコイツら…誰一人止まらねェ……!」
---
春雨兵M「ぐっ……」
美琴「……とりあえず、屋上の敵は片付いたわね」
銀時「時間もねェ……このまま一気に大将討ちに行くぞ」
月詠「じゃが…わっちらがいるのは屋上、このまま地下へ向かえば……」
黒子「途中での交戦は避けられませんわね…それもかなりの数の」
銀時「どこぞの馬鹿が屋上で待ち伏せなんぞしてやがったから面倒なことになりやがったな」
高杉「敵の前にまずはテメーから斬られてェか」
佐天「ま、まあまあ二人共……」
初春「……佐天さん」
佐天「ん?どうかしたの?」
初春「さっきの戦いで私たち…何か役に立ちました?」
佐天「た、立ったよ?あの…ホラ、走り回って敵を撹乱したり……」
初春「それ逃げてたとも言いますよね、途中から新八さんに護ってもらってましたし」
佐天「せ、先生や御坂さんを応援して士気を上げたり……」
初春「応援するだけで私たち、自分じゃ戦ってませんけどね…」
佐天「…………」
初春「…………」
佐天「……やめよっか、何か…悲しくなるから」
初春「……ですね」
---
ターミナル内
銀時「……やってらんねーなオイ、少し下りたかと思えばこれかよ」
春雨兵N「屋上に向かった連中を片付けてここまで来たらしいが…ほとんど死に体だな」
銀時「死に体?ワリーが松岡修造の半分くらいは元気だからな」
春雨兵N「そんな傷だらけの状態でよくそんな口が叩けるな…」
銀時「黙っとけや、今の地球じゃこういう一見ボロボロな服がブームなんだよ」
新八「いや銀さん、聞いたことないですけどそんなブーム」
桂「貴様らのような宇宙海賊には今風のナウいファッションの良さは分からんだろう」
新八「いやナウいって言葉自体が古すぎるんですけど!?久々に聞いたからねその単語!」
桂「馬鹿な…最近は『ナウい』、『イマい』と言う単語を付けるのが流行っていると…」
新八「それ『なう』だから!いや確かに似てるけども!由来も同じだろうけども!」
美琴「ね、ねえ…ナウいはギリッギリ分かるけど…イマいって何?」
銀時「あれだろ、リダイヤルしまくって悪徳業者とバトルする伝説の特捜記者だろ」
また子「晋助様!」
高杉「!」
美琴「ただでさえ敵が多くて参ってるのに新手が…ってアイツら…さっきの!」
銀時「野郎の…高杉の率いてた連中だな……」
新八「つ…月詠さん!」
月詠「……気絶させるだけでなく、拘束しておくべきじゃったか」
高杉「…………」
高杉「クク…どうしたテメーら、派手な祭りに気付いて踊りにでも来たか」
高杉「いや…俺の首を取りに来たの間違いか」
新八「え……?」
佐天「どういう意味ですか……!」
銀時「事情がどうあれ…今の高杉は俺たちと一緒に春雨からこの国を護ろうってんだ」
銀時「攘夷浪士として野郎についてきた連中にゃ…裏切られたと思われても無理はねェ」
初春「そ、そんなのって……!」
月詠「…………」
高杉「いいぜ…俺の首くらいならくれてやらァ」
桂「高杉!」
高杉「奴らが道を違った俺を討とう思うのも当然だろうよ、抵抗はしねェ」
高杉「銀時…ヅラ…ワリーが俺ァここで退場だ」
桂「………!」
また子「……晋助様、一つだけ聞きたいっス」
高杉「何だ?」
また子「今の晋助様の敵は白夜叉っスか…それとも…春雨の連中っスか?」
高杉「……フン、少なくとも…今のコイツらは敵じゃねーな」
高杉「今の俺の敵はてめー自身と…鬱陶しい春風を吹かせる天人どもだ」
また子「…………」
高杉「クク…まさか俺がこんな甘いことを言うとはよ」
また子「……晋助様がそのつもりなら…私たちがやることは決まってるっスね」
高杉「………?」
また子「全員で…晋助様を援護するっス!」
攘夷浪士「ウオオオオ!!」
高杉「!」
高杉「何のつもりだテメーら…もう俺に従う義理なんざ……」
河上「義理などもとより関係ないでござる、拙者たちが勝手に動いてるにすぎん」
河上「それにぬしの曲…このままここで終わらせるにはちと早すぎる」
また子「それに…私たちは晋助様の光に魅かれて集まった虫ですから…だから……」
また子「晋助様の進む道が私たちの進む道っス!」
高杉「………」
高杉「フン…とんでもねェ阿呆どもだな……だが嫌いじゃねーよ」
高杉「……行け、銀時」
銀時「!」
高杉「俺とコイツらでここの春雨は止める…テメーらはとっとと大将を討ちに行け」
銀時「やれんのか…テメーらだけで」
高杉「…………」
銀時「………死ぬんじゃねーぞ、高杉」
高杉「…いらねェ世話焼くんじゃねーよ」
銀時「行くぞ…テメーら!」ダッ
高杉「鬼兵隊!俺に続けェェェ!!」
攘夷浪士「ウオオオオオォォォ!」
---
銀時「……どうなってんだオイ」
春雨兵「…………」
美琴「ここのフロアの敵が…全滅してる?」
新八「僕たちと合流する前に鬼兵隊の人たちが倒してたんでしょうか…?」
銀時「どうだかな…なんにせよ、敵が少なくなってくれんなら願ったり叶ったりだ」
春雨兵O「ウオアアアァァァァ!」
銀時「!」
美琴「ま、まだやられてない奴が!」
ガシッ
銀時「………?」
???「いいぜ、テメェら……!」
春雨兵O「なっ…!」
???「テメェらがこれ以上この人たちを傷つけようってんなら…まずは」
???「その『幻想』をぶち殺す!!」バキッ!!
春雨兵O「ぐあっ!」
銀時「………」
美琴「え………え?」
春雨兵P「貴様ァァァァ!」
???「ま、まだ動けるのがもう一人いたのかよ!?」
春雨兵P「くたばりやがれェェェ!」
???「!」
キィン
春雨兵P「ぐあっ!」
????「寝てるフリしてりゃ良かったのによォ、なーンで勝てねェ相手に向かって来ンだ?」
一同「…………」
上条「良かった…ようやく合流出来たみたいだな」
銀時「待って待って…ちょ……え?なにこの状況?ぱっつぁん、三十字以内で簡潔に説明頼む」
新八「い、いやいや知りませんよ!僕に聞かないでくださいって!」
美琴「何で……何でアンタたちがここにいるのよ!?」
上条「俺にもよく分からないんだけどな…多分御坂たちと同じ理由だと思うぞ」
黒子「電磁波の影響で…まさか学園都市での最初の行方不明者とは……!」
上条「多分…俺たちだろうな」
三年Z組ー銀八先生!
銀八「例の如く一旦切りますが、今度こそ…今度こそ明日で完結します」
銀八「いやー風邪だなんだで遅れちまったせいで残りも結構やべーんで…」
銀八「そんなこんなで寝落ちの報告とか再開の前フリも全部削ってました」
銀八「まあ何が言いたいかっつーと全部俺が悪いんですいませんってことですね」
銀八「あ、前の読んでくれてる人は禁書と超電磁砲を一緒にしてんのが違和感あると思いますが…」
銀八「その辺はあの…アレ…大人の事情です、すいません」
銀時「細けェことは聞かねーが…何でお前ら俺たちの場所が分かった?」
上条「いや、テレビ中継にバイクに乗った銀さんたちと大きな犬が映ってたからさ」
銀時「にしてもターミナルの場所なんざ知らねーだろ…何でここまで……」
上条「まあそれは…あの犬のおかげかな」
定春「ワン!」
神楽「定春ゥゥ!ターミナルに着いたらすぐ家に帰れって言ったのに何で来たアルか!」
銀時「……そんで、定春を見つけてここまで来たってか…なるほどね」
上条「定春って言うのかお前、ここまで連れてきてくれて助かったよ、ありがとな」
定春「ワン!」
ガブッ
上条「んぎゃああぁぁぁぁぁっ!?」
一方通行「オマエは馬鹿か」
桂「馬鹿をやっている場合ではないぞ銀時、時間もないのだからな」
銀時「話は後だテメーら、今は色々とやべェ!」
一方通行「それだ」
銀時「どれだ」
上条「事情はよく把握出来ねえけど…俺たちが倒した敵が妙なことを言っててさ」
一方通行「ほとンど俺だけだけどな、倒したの」
銀時「……で、その妙なことってのは?」
上条「この建物の地下深くにあるエネルギーの中枢システムを押さえた、とか何とか…」
銀時「!」
新八「それって…前にたまさんが捨て身で暴発を止めたアレじゃ……!」
銀時「……七面倒なことになりやがったな」
美琴「エネルギー中枢って……?」
銀時「このターミナルってのは江戸のエネルギーが集約してる場所でな…」
銀時「つまるところ…そいつの根元を掴まれちまったってことだ」
佐天「それ…非常事態じゃないですか!」
桂「だが…ターミナル地下深くまで行くようでは、その間に確実に元老を取り逃がすぞ」
佐天「じゃ、じゃあ敵の大将を先に捕まえてから中枢を取り戻せば……!」
黒子「……追い詰められた敵は何をするか分かりませんの」
美琴「死なばもろとも…ってことでエネルギーを暴発させるかもしれないわ……!」
佐天「………!」
一方通行「クッソだりィ、何をゴチャゴチャ面倒なことをのたまってンだ」
一方通行「中枢奪還と標的をブッ飛ばす二手に別れりゃいいだろォが」
銀時「!」
美琴「……そうね、私たちが勝つにはそれしかないわ!」
初春「それなら私は中枢の方に行きます!単純な戦闘以外なら何か役に立てるかもしれません!」
一方通行「俺も能力的にはソッチのが良いかもしンねェな」
桂「ならば俺が貴様らを導こう、このターミナルの構造には詳しいからな」
銀時「そういやお前も最初はテロでこのターミナルを攻撃しようとしてたんだよな」
桂「ターミナルを攻撃する……そんな風に思っていた時期が俺にもありました」
銀時「何そのドヤ顔?何かすげー腹立つんだけど、殴っていい?」
美琴「じゃあ…あんたはどうすんの?」
銀時「ワリーが俺ァお山の大将をブッ飛ばしに行かせてもらうぜ」
新八「ぼ、僕も戦います!このまま敵の好きには……」
銀時「無茶言うなぱっつぁん、もうロクに歩けもしねーだろお前」
新八「……!」
銀時「よくやったな新八、ただ…お前は一旦ここで離脱しとけ」
新八「銀さん……!」
銀時「……新八のことは任せたぜ」
月詠「分かった…わっちがぬしに代わって責任を持って護る」
神楽「私は銀ちゃんについてくアル!敵の大将を一発ぶん殴ってやらないと気が済まないネ!」
黒子「私は……」
美琴「黒子、アンタは先生と一緒に行きなさい」
黒子「お姉さま…?」
美琴「黒子の能力は色々応用が広いけど…エネルギー処理みたいな作業は向いてないでしょ」
美琴『それに…口には出さないけど、アイツ本当にボロボロよ』ボソッ
黒子『!』
美琴『護ってやってよ…アンタが、私たちの大切な先生をさ』
黒子『……心得ましたの!』
上条「今回は俺も銀さんたちと一緒に行くぜ」
美琴「アンタも……?」
上条「俺はロクに能力も使えねえし異能の力じゃなけりゃこの右手は何の意味もない」
上条「今の俺に出来るのは…殴り合いの戦闘で銀さんを助けるくらいだ」
佐天「私は…私は初春たちと一緒に行きます!」
美琴「私も…今回は裏方に回らせてもらうわ」
美琴「……ちゃっちゃとやっちゃいなさいよ、中枢はこっちで必ず何とかするから」
銀時「………ああ、任せた」
銀時「いいかテメーら、必ず戻ってこい…次に俺たち会うのは…大団円の時だ」
桂「フッ…何を今さら……」
黒子「……心配には及びませんのよ、先生」
美琴「アンタに言われなくても…それくらいはちゃんと分かってるから……!」
新八「待ってます…みんなが帰ってくるのを!」
一方通行「ハッ…上等じゃねェか」
銀時「あ、一方通行……テメーに一つだけ言っとくぜ」
一方通行「………?」
銀時「服が…ウルトラマンに見えて仕方ねェんだけど」
一方通行「張り倒されたいンですかオマエは」
---
ターミナル地下最深部
春雨兵「うっ……」
美琴「とりあえず敵兵は何とかしたけど…どうなってるのよ、これ?」
桂「この光の束が江戸中から集束されているエネルギーだ」
初春「凄い…こんな純粋なエネルギー…しかも目で識別出来るくらいに高密度な…!」
佐天「何か制御システムに機械が取り付けられてるけど…もしかしてこれが……!」
桂「おそらくは…春雨の仕掛けたものだろうな」
美琴「…………」
美琴(これ…集束されたエネルギーを遠隔操作で暴発させる仕掛けが……!)
佐天「…この機械を取り外しちゃえばそれでいいんですか?」
美琴「ううん、これ…制御システムと密接に繋がってる」
美琴「無理に取り外したり壊したりすれば制御システムも一緒に壊れかねない!」
初春「そうなったら…制御されてるエネルギーも一緒に……!」
一方通行「仮にこンだけのエネルギーが一気に炸裂すりゃ…辺りは塵一つ残ンねェな」
佐天「っ!?」
佐天「そんな…ど、どうすれば……!」
一方通行「それを何とかすンのが俺たちの仕事だろォが、当たり前のこと言わせンな」
佐天「あ…ご、ごめんなさい…」
一方通行「いつもの俺ならこンなクッソめンどくせェことに首突っ込まねェが……」
一方通行「アイツには返しきれねェ借りがあるからそうも言ってらンねェ」
美琴「アンタ……!」
一方通行「……護ってやろォじゃねェか、クッソ馬鹿なアイツの大切なこの世界をよォ」
一方通行「つっても……難儀な話だな、想像以上のエネルギーが流れてやがる」
一方通行「単純な『反射』ならまだしもコイツをまともに『操作』すンのはちぃっと骨だな」
一方通行「超電磁砲は把握からいいとして…そっちの生け花と黒髪ストレート」
佐天「く、黒髪ストレートって…他に特徴ないのかな、私……」
初春「生け花って…生け花って何のことですか?」
一方通行「いいからとっととオマエらの能力と現状況で使えそうなスキルがあれば教えろ」
---
一方通行「空力使いと…そっちの生け花は定温保存に高い情報処理のスキルか」
佐天「空力使いって言っても…私、ほとんど能力は使えないんですけどね……」
一方通行「……………」
一方通行(今しなきゃなンねぇのはエネルギーの暴発阻止と妙な機械の破壊……)
一方通行(こっちはベクトル操作、超電磁砲、空力使い、定温保存と情報処理……)
一方通行(考えろ…駒はこンだけある、出来ねェことはねェはずだ)
美琴(無理に取り外さなくても…こっちの機械だけを破壊できれば……)
一方通行「……俺が制御システムの代理でエネルギーをコントロールする」
初春「ま、まさか一人でそんなことが出来るんですか!?」
一方通行「俺を誰だと思ってンだ、この程度のことが出来ねェでどォする」
一方通行「生け花は情報処理のサポートだ、幸いシステムはコンピューターで管理されてる」
一方通行「ご自慢の情報処理で演算補助と機械と制御システムの分離をやってもらうぜェ」
初春「でも…そんなにCPの使用率を上げたら電力が持たなくなる可能性も……」
一方通行「超電磁砲!オマエは発電機代わりだ、足ンねェ分の電力は何とかしろ!」
美琴「それぐらい…何でもないわよ!」バチッ!
佐天「もしかして私にも何かすることが……?」
一方通行「心配すンな空力使い、オマエだけサボらせやしねェよ」
一方通行「制御システムと機械を分離する際には少なからず歪みが出るはずだからなァ」
佐天「ひ、歪み……?」
一方通行「早い話がエネルギーの流れに乱れが出るってわけだ…」
一方通行「こンだけのエネルギーの流れが乱れりゃ周りの大気も相当に震動すンだろ」
一方通行「で、大気が揺れりゃ俺のエネルギー処理にも影響が出る…」
美琴「制御システム代わりのアンタの処理に影響が出れば…またエネルギーの流れが乱れる…」
美琴「まさに負の連鎖ね……」
一方通行「そうなンねェよう…オマエはこの空間の大気を一定に保て」
初春「ちょっと待ってください…無茶苦茶すぎます!」
一方通行「あァ?」
初春「それじゃ…生じる気流の強さや方向も完全に制御しないと不可能です!」
初春「そんな精密なコントロール…レベル4並の能力者じゃないと……!」
一方通行「出来ねェ云々は問題じゃねェ、やるしかねェンだからな」
佐天「………!」
美琴「…………」
美琴(確かに佐天さんは先生と会って能力が開花してから毎日必死に努力してきた…)
美琴(でも…そんな一足飛びにレベルは上がるものじゃない)
美琴(まして…いきなりレベル4並の情報処理をするなんて出来るわけが……!)
佐天「……分かりました、やってみます!」
美琴「!」
初春「さ、佐天さん何を言って……!」
佐天「……銀さんたち、今頃必死になって戦ってるかもしれない」
美琴「……?」
佐天「あはは、戦ってるのはみんなもだよね!この街を護るために協力してる……」
佐天「それなのに…私だけみんなの足を引っ張るなんて…そんなの絶対やだよ……!」
佐天「出来るよ…私にしか出来ないことがあるんなら…必ずやってみせるから!!」
……書きためてる分に展開上どうしても見過ごせない誤りを発見してしまいました
ちょっと話の内容ごと修正する必要がありそうなので…一旦切ります、本当すいません
何とかこのスレだけで終わらせるようにはしますので…
誰だ、今日終わらせますとか大ボラ吹いた馬鹿は……
一方通行「ロン毛、オマエは制御システムと機械が分離したら速攻で機械を叩き壊せ」
桂「ロン毛じゃない、ヅラ…あ、間違えた、桂だ」
美琴「…………」
一方通行「……聞けオマエら、一人でも手ェ抜きやがったら全員仲良くあの世行きだ」
一方通行「間違っても足だけは引っ張るンじゃねェ…分かってンだろォなァ!」
美琴「私は問題ないけど……」
初春「…………」
美琴(佐天さんも大変だけど…考えてみれば初春さんの負荷だって半端じゃない)
美琴(第一位のサポートに機械とシステムの分離…膨大な情報処理量が必要な作業……)
美琴(いくら初春さんがそっち方面が得意でも…さすがにこれじゃ…)
一方通行「出来ねェと想像すンな、頭ン中に成功のイメージを作れ」
初春「…………」
初春(成功のイメージ…成功のイメージ……五人が協力して……!)
初春「あっ……!」
初春(五人で協力して何かをやり遂げる…これって…夢に見たバンドと同じなんだ……!)
初春(メインで演算してる第一位さんがリードギターで…補助の私がリズムギター…)
初春(電力を供給する御坂さんがベース…最後の締めに入る桂さんがドラム…)
初春(そして…空気の流れを安定させてくれる佐天さんがキーボード……)
初春(全員がちゃんと自分の役割を持ってる…互いに助け合ってる……!)
初春(こんな最高のメンバーで…出来ないことがあるわけがないじゃないですか!)
初春「出来る…私だったら!」
一方通行「……空力使い、お前はどォなンだ?」
佐天「大丈夫です…必ず…やり遂げますから」
美琴「むしろ…アンタこそ失敗するんじゃないわよ!」
一方通行「ハッ、誰に口聞いてんだ…俺は最強の一方通行だ」
桂「……まったく、さすがは銀時の連れだけはあるな…全員が全員、頼もしい限りだ」
一方通行「………始めンぞ!」
---
同時刻、ターミナル宇宙船離陸場
春雨兵警備A「さっきからどうも慌ただしいな」
春雨兵警備B「一部の地球人が反抗して暴れ回ってるらしいぞ」
春雨兵警備A「春雨を相手に?どんな馬鹿だそいつらは……」
銀時「こんな馬鹿だコノヤロー」
春雨兵警備A「なっ……!」
バキッ!
春雨兵警備A「ぐっ!」
春雨兵警備B「だっ、誰だおま……」
上条「ファルコン……」
春雨兵警備B「は?」
上条「パァァンチ!!」
バキッ
春雨兵警備B「ぐあっ!?」
銀時「よし…とりあえず見回りは片付いたな」
黒子「……その掛け声は何とかなりませんの?」
銀時「ばっかお前、男だったらいざって時は誰でもファルコンになるもんなんだよ」
黒子「残念ながら私は女ですの」
上条「何だかいつもより強くなった気がしないでもないんだよな」
黒子「……それで力を十分に発揮出来るんでしたら遠慮なさらずに」
神楽「……かっけーアルな」
上条「へ?お…俺が?」
神楽「お前じゃなくて掛け声が」
上条「ですよねー、掛け声の方ですよね」
神楽「異能の力だかを打ち消すとかいう中学生みたいな能力が今の状況で何の役に立つアルか」
神楽「いいか、今のお前は何の取り柄もない酢昆布以下の存在ということ忘れるな」
上条「あれ、これ泣くところなのか?何か上条さん、目頭が熱くなってきたんですが」
銀時「頑張れよ、イソジン」
上条「いやイマジン」
春雨兵警備C「や、奴らを捕らえろ!元老の乗った船に近づかせるな!」
神楽「銀ちゃん!また敵がいっぱい集まってきたアル!」
銀時「お前がイソジンとか騒いでっから敵が八時だよ!全員集合!状態だろうが!」バシッ
上条「痛っ!お、俺だけのせいなんですか!?」
神楽「やってる場合じゃないアル!ここまで来たら雑魚もまとめてぶっ倒すネ!」
銀時「どけやコルァァァァ!テメーらみてーな下っ端に構ってる暇はねーんだよ!!」
沖田「旦那ァァ!」
銀時「お、お前ら何で……!」
沖田「言ってる場合じゃねーでさァ!早くしねーと敵の頭に逃げられちまいますぜ!!」
銀時「!」
近藤「俺たちが道を斬り開く!行け万事屋ァァ!」
銀時「テメーら……!」
土方「死にかけのテメーなんぞに江戸を託したかねーが…ここまで来りゃもう関係ねェ」
土方「さっさと行け…テメーの魂はまだ折れてねェだろ」
銀時「…………」
銀時「……死ぬなよベジータ」ダッ
土方「大きなお世話だ…つーか誰がベジータ!?」
ここから後は今日の午後にもう一回来るのでその時書き込みます
何とか終わりそうです
---
宇宙船内
元老「地球人め…ずいぶんと暴れているらしいな」
春雨兵「多くの人間が武器を持って抗戦しているようです」
元老「野蛮な猿どもが調子に乗ったか……こっちにまで噛みつかれても迷惑だ」
元老「船を出せ、一旦地球を離れて増援を……」
ドゴガッ!
元老「!」
春雨兵「か、壁が壊れ…何があった!?」
銀時「ようやく辿り着いたぜ魔王さんよ…」
元老「なるほど…貴様らが我らに楯突く地球人か……」
春雨兵「こ…これから船を出すというところで……!」
銀時「ほォ、喧嘩ふっかけてテメーだけ逃げようってのか…ずいぶんとセコい宇宙海賊だ」
元老「…………」
元老「……貴様らに儂が倒せると?」
神楽「そ、その傘…お前……!」
黒子(私が戦った敵と同じ…夜兎という種族…!)
銀時「分かりやすいラスボスで有り難いこったな……」
銀時「こっちもちょうど四人のパーティーだ…ゾーマ退治といこうじゃねーか」
神楽「ほぁぁたァァ!」
上条「ウオオオオォォォ!」
ガキッ!
神楽「っ!」
上条(ふ…二人掛かりの攻撃を簡単に受け止めやがった……!)
元老「鈍い…所詮は地球人か」
銀時「余裕かましてるんじゃねーよ!」ダッ
元老「フンッ!」
上条「しまっ!?」
ブンッ!
銀時「!」
ドゴッ!
銀時「ぐあっ!」
黒子「か、片手で人を軽々と投げ飛ばして…向かってくる相手に叩きつけるとは…!」
神楽「銀ちゃん!ウニ頭!」
元老「夜兎でありながら仲間の心配か…!」
神楽「!」
ドゴガッ!
神楽「あ…がっ……!」
元老「…ほう、頭から地に叩きつけられてまだ息があるか…だが次で……」
黒子「そうはいきませんの!」
ヒュン
元老「!」
黒子「レディーの扱いがまるでなっていませんのね、あなた…!」
元老「何だ…今の移動術は?」
黒子「あなたに教える義理はありませんの…!」
ヒュン
元老「夜兎の娘が…消えた?」
神楽「うっ……!」
銀時「オイ!しっかりしろ神楽!」
元老「どういうことだ…儂の手元にいたはずの娘が何故あそこまで離れた場に移動している」
黒子「…………」
元老「人間のテレポートなど絵空事と思っていたが…そんな能力が実在するとはな」
黒子「あなたに褒められようと嬉しくありませんわね」
元老「自分だけでなく触れた物も瞬間的に移動させる力か…何とも便利なことだ」
元老「春雨に加われば一つの軍団を預けてもいいが…?」
黒子「その質問、わざわざお答えする必要があるとは思えませんわね」
元老「……フン、無駄に命を散らすか…何と愚かしいことよ」
銀時「上条…テメーは神楽についてろ」
上条「銀さん……!」
銀時「あれ相手にすんのは白井の奴でもさすがに荷が重い…神楽のことは任せたぜ」
上条「けど銀さん!アンタもう怪我で体が……!」
銀時「心配ねーよ、すぐに片つける…それに…コイツは俺の国の戦いだ」
銀時「それを他人に…生徒に丸投げするわけにはいかねーよ」
上条「………分かった、けど一つだけ言わせてくれ…」
銀時「!」
上条「『俺』の戦いじゃない…『俺たち』の戦いだろ、銀さん」
銀時「…………」
上条「俺も御坂も…みんながアンタの仲間だ!」
銀時「……ああ、そうだな」
元老「フンッ!」
黒子「くっ……!」ヒュン
黒子(速い…そして…徐々に私の空間移動に攻撃を合わせて来ている…!)
元老「臆病者め…逃げの一手しか打てぬか!」
銀時「逃げる女を追っかけ回してんじゃねーよ!ストーカーかテメーは!」
元老「!」
キィン!
銀時「くっ……!」
元老「解せんな…鍔迫り合いでさえまともに出来ぬ体で何が出来る?」
銀時「……テメーをぶった斬れる、わざわざ言わせんな」
元老「……やはり、野蛮な猿の考えは理解できんな」
ドガッ!
銀時「ぐはっ!」
銀時(一発蹴りもらっただけで…ここまで来るとはよ……!)
黒子「先生!」
銀時「……ちっ、案外ポンコツだな俺の体もよ…刀握るのもしんどくて仕方ねェ」
黒子「………!」
黒子(いや…むしろここまで戦ってこれたこと自体が奇跡ですの……)
黒子(命を落としかねない怪我にも関わらず…この殿方は……!)
銀時「……まぁ愚痴っても仕方ねーな、やるしかねェ……白井」
黒子「……?」
銀時「フォーメーションBで行くぞ」
元老「何か小細工をする気か……」
銀時「喧嘩ってのはな…ただ刀だけでするもんじゃねーんだよ」
銀時「行くぜ…月牙……!」
元老「!」
黒子(今ですの…敵の死角に空間移動を…!)
ヒュン
銀時「天しょ……」
元老「やはり…その程度の浅知恵か」
銀時「なっ……!」
バキッ!
銀時「がっ……!」
黒子「せ、先生!」
銀時「どうなってんだオイ…何でテメー……」
元老「その小娘の能力を戦闘で活用することを考えればその程度の使い道は容易に思いつく」
元老「死角と言えど来ると分かっていればそれに合わせて反撃することなど容易い」
銀時「……おかしいねオイ、どうやってもこのゾーマ…ダメージが通らねーんだけど」
銀時「耐性がたけーなら…もう真正面から戦るしかねーな」
元老「まだ諦めぬか…貴様らの相手をしてる時間も正直惜しい」
元老「いい加減に負けを認めろ…貴様らでは我ら春雨には勝てん」
元老「いや…勝てぬことは既に分かっているはずだ、なのに…何故剣を握り闘おうとする?」
銀時「…………」
銀時「元老なんて猿山の大将気取って対等な仲間のいねェテメーにゃ分かるめーよ」
元老「仲間……?」
銀時「正直言えばな、俺だってアホみてェに強いテメーなんかと戦いたかねーんだよ」
銀時「このまま気ィ抜いて地面に倒れ込めたらどれだけ楽か知れねぇ…だがよ」
銀時「それでも…今の俺にまだ護れるモンがあるなら…俺ァ倒れちゃならねーんだ」
銀時「テメーに…命賭けてまで護りてェもんがあるかァァァァ!!」
元老「………」
神楽「ほぉ…たァァァァ!」
上条「おおおおおっ!」
元老「き、貴様らっ!」
バキッ
元老「ぐっ…気を抜いたか……」
グサッ
元老「っ!?」
黒子「私を忘れられては困りますわね…最後の金属矢ですの」
黒子「もちろんこれであなたを倒せるはずはありませんが…気を逸らせるだけで十分ですの」
銀時「ウオオオオォォォォ!!」
元老「!」
神楽…上条…白井…全員がもう満身創痍だ……
そんなアイツらが死ぬ気で作ったこの好機…無駄にはしねェ
今しかねーんだ…何がなんでもここで仕留めなきゃならねェ
護り抜け
てめーの国を…仲間を…魂を……!
銀時「これで……シメーだァァァァ!!」
ズバッ!!
元老「ぐうっ…!」
銀時「はあっ……はあっ……」
元老「…………」
上条「……か、勝ったんだよな?」
黒子「ええ…とりあえずは、ですが」
神楽「ぎ、銀ちゃんが……勝ったアル……!」バタッ
上条「お、オイ大丈夫か!」
黒子「この怪我ではすぐに治療を受けさせなければ命に関わりますの、急いで医者に…」
春雨兵「う、動くな貴様ら!」
黒子「!」
上条「何だ…あの手に持ってる機械……」
春雨兵「降伏しなければ…ここの地下深くにあるエネルギー源を暴発させるぞ!」
上条「!」
すいません…ちょっと一旦止めてまた後で再開します
ぶつ切りで本当に申し訳ないです
上条(この状況でコイツ…死なばもろともで俺たちを道連れにする気かよ……!)
黒子(追い詰められた挙げ句の最後の抵抗…といったところですわね)
銀時「…………」
銀時(この距離で…しかもこの体じゃ…さすがに野郎が動く前に仕留めんのは無理だな)
黒子(私のテレポートでも…やはり万が一の可能性が捨て切れませんの……)
神楽「……っ」
銀時「無理に動くな神楽…お前はしばらく大人しくしてろ」
春雨兵「やはり…切り札を最後まで取っておいて正解だったらしい」
銀時「…………」
銀時「……へっ、とんだ笑い話じゃねーか」
春雨兵「何だ…何が可笑しい……」
銀時「てめーの頭がやられて…最後に頼るのがそんな機械だとはよ」
春雨兵「こ、これは脅しじゃなく本当に遠隔操作が……」
神楽「………馬鹿アルな、お前」
春雨兵「何……?」
上条「……まだ分かんねぇのかテメェは、テメェのが馬鹿な幻想がもう殺されてることに」
黒子「あなたと私たちでは護りたいと思うものも…信じるものも違ってますのね」
春雨兵「な、なら貴様らは一体何を……」
銀時「そんなに知りてーなら教えてやるぜ…ただし、ちと痛ェだろうがな」
春雨兵「!」
春雨兵(後ろに…誰かが……!)
美琴「つまりは…そういうことよ!」
バチバチッ!
---
美琴「待たせちゃったわね…大丈夫だった?」
銀時「正直大丈夫とは言えねーな……このまま一週間は眠れそうな勢いだよマジで」
美琴「みたいね……」
一方通行「っつーかよォ、なンで俺がコイツを背負わなきゃなンねェんだ」
佐天「…………」
銀時「佐天の奴…何かあったのか……?」
美琴「ううん、ちょっと頑張りすぎちゃっただけだから…いや…ちょっとじゃないか…」
初春「奇跡だったんです…本当に……」
銀時「……事情はよく分からねーが…無事だってんなら何よりだ」
桂「やったようだな…銀時」
銀時「今回ばっかは死ぬかと思ったぜ……」
桂「敵大将が討たれた事実は徐々に拡散しつつある…残りの敵はもはや烏合の衆だ」
銀時「そうかい…なら、もう俺ァお役御免だな」
桂「………かなわんな銀時、お前には」
銀時「………?」
桂「数多の春雨兵と戦い…高杉を止め…そしてさらに夜兎の元老まで討ってのけた…」
桂「これだけの壁を打ち破り仲間を護るなど…俺には到底出来ん芸当だ」
銀時「……テメーが何を感心してるかは知らねーが、勘違いしてんなら言っとくぜ」
桂「?」
銀時「運命だか現実の壁だか知らねーが…そんなもんにてめーの道を塞がれんのは勘弁でな」
銀時「だから俺ァ…てめーの進みてー道を行くために刀取っただけだ」
銀時「ただ…そんだけだ……」
桂「…………」
桂「……どこまでも『侍』らしいな、銀時」
一方通行「よォ、もうこの空力使い…下ろしていいンだろ、重くって仕方ねェ」
美琴「女の子相手に失礼ね…第一アンタ、能力があるじゃない」
一方通行「あンだけのエネルギーを処理した直後にまた能力使わせる気かオマエ」
美琴「あ……言われてみればそうよね」
一方通行「しっかし…簡単じゃねぇンだな、護るってのは」
美琴「……」
一方通行「ブッ壊すンなら一瞬だってのによ…おかしな話だな」
美琴「……だからじゃない?」
一方通行「あァ?」
美琴「護るのが大変だから…大切なものを壊されないように人って強くなるんじゃない?」
一方通行「………くっだらねェな」
沖田「命がみてーで何よりでさァ、旦那」
土方「悪運だけは強いらしいなテメーは」
銀時「テメーら……!」
近藤「真選組と武器を取った市民の働きで春雨兵はほぼ壊滅だ…」
近藤「万事屋…俺はお前たちに感謝する、ありがとうよ」
銀時「……どうしたお前、泉に落ちてキレイなゴリラにでもなったか?」
近藤「何で俺だけそんな感じ!?さっきまでのしみじみとした感じでいいだろ!」
「」
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「」
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「」
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「」
「」
沖田「まあとりあえず…命があるみてーで何よりでさァ、旦那」
土方「悪運だけは強いらしいなテメーは」
銀時「テメーら…生きてやがったか……」
近藤「真選組と武器を取った市民の働きで春雨兵はほぼ壊滅だ…」
近藤「万事屋…俺はお前たちに感謝する、ありがとうよ」
銀時「……どうしたお前、泉に落ちてキレイなゴリラにでもなったか?」
近藤「何で俺だけそんな感じ?さっきまでのしみじみとした感じでいいだろォォ!?」
佐天「………ん?」
初春「あっ、佐天さん!気がつきましたか?」
佐天「あれ…私……何で?」
美琴「無理しちゃって負担が掛かっただけだから…大丈夫、心配ないわ」
佐天「じゃ…じゃあ……!」
美琴「……お疲れ様、佐天さん」
佐天「私…ちゃんと…役に立てたんだ……!」
初春「凄かったですよ佐天さん…本当に…!」グスッ
佐天「ちょ、ちょっとちょっと!何で初春が泣くのさ?」
初春「すいません…すいません…何か…我慢できなくて……」
銀時「お疲れさんだったらしいな…佐天」
佐天「ぎ、銀さん………!」
銀時「やっぱりお前はやれば出来る子だったな、あれだ、教師冥利?みてーな気分だわホント」
佐天「…ううん、ホントはさ、私一人じゃ出来なかったんだよね」
銀時「?」
佐天「空間の空気の流れを制御するなんて…普段の私じゃ絶対出来っこないのに…」
佐天「本気で友達を護りたいって思ったら……何だか凄くやる気になっちゃってさ」
佐天「……今なら銀さんが何であんなに強いのか…ちょっとだけ分かるよ」
近藤「…………」
土方「近藤さん、泣いてんのかアンタ」
近藤「泣いてねーし、つーか分かってたからね、奇跡なんかないって」
土方「いや…あれは師弟的なアレだし…まだ望みはあるんじゃねーのか?」
近藤「どこにィィィ!?もうアレ割り込めねーよ絶対!」
近藤「そこまで空気読めなくないからね!ここで割り込んだらゴリラ以下だからね!」
沖田「何とかしろよフォロ方、お前なら何とか出来るはずだフォロ方」
土方「うるせェ!今色々と考えてんだよ!つーかお前も何か言ってやれ!」
沖田「勘弁してくだせェ、俺はそっちに疎いんでさァ」
佐天「あっ、近藤さん!助けに来てくれてたんですね!」
近藤「あ…何か俺みたいなムサいゴリラに気を遣わせちゃって……」
土方(完全に卑屈になってるよこの人、どうすんだよこれオイ)
佐天「命を懸けて戦った人にそんなこと言うわけないじゃないですか…」
近藤「いや…俺はもう蛤以下の存在なんで…つか蛤ってこういう字なんだ知らなかった」
沖田「いや何を言ってんですか近藤さん」
佐天「それに私、近藤さんみたいに芯がちゃんと通ってる人は嫌いじゃないですよ!」
近藤「」
土方(今、近藤さんの脳内じゃマッキーが流れてんだろうな)
神楽「何か…やっといつものかぶき町っぽくなってきたアルな」
銀時「……ああ」
美琴「ずっと気になってたけど……本当にいつもこんな調子で暮らしてるの?」
銀時「普段はこれよか大分ぶっ飛んでるけどな」
美琴「………楽しそうね、すっごく」
黒子「ええ…本当に……!」
銀時「……けーるぞ、俺たちの家に」
---
ターミナル屋外
新八「ぎ、銀さん!神楽ちゃん!」
銀時「ようぱっつぁん、相変わらず眼鏡成分が高くて何よりだ」
神楽「新八は体の95%が眼鏡で構成されてるアル、用法用量を守って正しくお使いください」
新八「オメーら感動の再会における第一声がそれかァァ!もっと何かあるだろォォォォ!?」
銀時「まままま、いつもの俺らならこんなもんだろ?」
新八「い…言われてみれば、確かにそうですね」
銀時「つーか…外へ侵攻しようとした春雨兵は全滅か」
新八「姉上たちが…必死になって止めてくれたんです」
銀時「……何だかんだでアイツらすげーな」
高杉「クク…なるほど、こいつらがテメーの力の源ってわけかい」
桂「高杉!」
高杉「ずいぶんと派手に暴れ回ったらしいじゃねーか…春雨の艦隊を潰しちまうとはよ」
銀時「…………」
高杉「まだ天人と戦おうとする連中がこれだけいるたァな……」
銀時「………この国はまだ死んでェ、そう思わねーか?」
高杉「…………」
高杉「……フン、かもしれねェな」
松平「そこまでだ」
近藤「と、とっつぁん…!」
松平「何してるテメーら…攘夷浪士をしょっぴけ」
近藤「だ、だがとっつぁん!コイツらは……」
松平「江戸を守るために戦った…か?」
近藤「!」
松平「それとこれは話が別だ、この場は見逃そうなんて甘ったるいことを考えるな」
近藤「…………!」
松平「ほら、おじさんの気は短ェんだから早くしねーと……」
将軍「片栗虎……もうよい」
銀時「…………」
銀時(こ、ここで将軍かよォォォォ!)
松平「いや将ちゃん…そういうわけにはいかねーのよ、攘夷浪士は将ちゃんの命を狙う…」
将軍「その余がよいと言っているのだ…ならば問題はなかろう」
松平「いや…まあ……」
将軍「今は攘夷浪士も市民も真選組も関係ない…皆が国を護るために戦った高潔な志士だ」
高杉「…………」
将軍「戦うことすら出来ぬ余が言えることではないが…皆よく戦ってくれた…」
将軍「礼を言おう…この国を護ってくれたことを……」
高杉「……酔狂な話だ」
桂「………」
高杉「攘夷時代はテメーらと刀を取って天人とやり合い…今は倒幕の機会を狙ってたのによ」
高杉「その幕府の頭に礼を言われるとは…全く酔狂な話だな」
高杉「俺ァ一体…何のために生まれたんだろうな、銀時よ」
銀時「…………」
銀時「当たり前のこと聞くんじゃねーよ」
桂「銀時……?」
銀時「何のために生まれてきた?そんなモン、答えは一つしかねーだろ」
高杉「…………」
銀時「両足で地面踏みしめて…真っ直ぐお陽さん見て生きてくために生まれたんだろうが」
高杉「生きるために生まれた…クク、馬鹿なテメーらしい馬鹿な答えだな」
高杉「だが…言われてみりゃそれが正解なのかもしれねェ……」
銀時「…………」
高杉「認めざるを得ねーな……今回は完全に俺の負けだ」
銀時「勝ちも負けもねーよ…ただ、てめーの護りたいもんのために戦っただけだ」
銀時「俺も…テメーもな……」
新八「ようやく…大団円になりましたね!」
美琴「そうね…よかっ……!」
神楽「ど、どうしたアルかお前ら!体が……」
美琴「……前のアンタと同じね」
銀時「……ああ、どうもそうらしいな」
新八「ぎ、銀さん!これ一体どうなってるんですか!?」
銀時「コイツらは本当はここにいちゃならねーんだ…つまり、元に戻らなきゃならねェ」
銀時「前の俺もそうだったけどよ…まさかこんなタイミングで別れとはな
黒子「………!」
上条「こっちが一段落したせいかは分からねえけど…俺たちも帰れることになったみたいだな」
初春「そんな…またこんな急に……!」
佐天「……意地悪過ぎるよね、せっかくみんなと仲良しになれたのに…」
美琴「……一旦はお別れね」
銀時「ああ…どうもそうらしいな」
黒子「…………」
銀時「何、お互いに死ぬわけじゃねーんだ…生きてりゃまた会えるだろうよ……」
銀時「必ず…もう一度な」
一方通行「こンな疲れるだけの旅行は初めてだな…まあ旅行自体あンま行かねェが」
一方通行「……次は何も面倒ごとがねェ時にしろ」
黒子「……忘れないでくださいな、先生」
銀時「……?」
黒子「たとえ住む世界が異なろうが…先生と繋がっている者がいることを」
銀時「ああ……」
美琴「……じゃあ、またね」
黒子「……」
ヒュン
---
学園都市
美琴「……戻ってきたわね」
佐天「何か…夢を見てたような気分ですよね」
初春「でも…夢じゃありませんよね」
黒子「……ええ」
美琴「……あれ?黒子、アンタ髪が解けてるわよ?」
黒子「……イメチェンですの」
美琴「?」
黒子「何て冗談ですの、さてお姉さま…帰郷記念に今宵は二人きり、ベッドで熱く…」
バチバチバチッ
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数日後、万事屋
銀時「オイぱっつぁん!茶ァ!」
神楽「私、酢昆布と卵かけご飯がいいアル」
新八「今忙しいんですよ!後にしてください」
銀時「痛たたたたっ!き、傷がァァァ!傷が痛む!!」
神楽「酢昆布ゥゥ!酢昆布を食べれば治る気がするネ!」
新八「アンタら怪我を口実に僕をパシってるだけじゃねーかァァァ!」
銀時「ほら…あるべき新八のポジションってこんな感じじゃね?」
新八「いや嬉しくないです……ところで銀さん、そのヘアゴム…何なんですか?」
銀時「いや…気がついたら懐ん中に入ってた……」
新八「え、何か怖くないですか?」
銀時「……んなことねーよ、コイツは贈りもんだ…生徒からのな」
新八「?」
---
ピリリリリ、ピリリリリ
一方通行「電話か…誰だ?」ピッ
イマイ「もしもし、イマイと申しますが」
一方通行「まァたオマエかこのクッソ野郎!もう掛けてくンなって言ったろうが!」
イマイ「いや僕のほうに高額な手術代金を踏み倒される被害にあったと連絡があってですね」
イマイ「一方通行さん、これ詐欺なんじゃないですか?」
一方通行「だァから俺は関係ねぇンだ!もう電話して来るな!」
ガチャ……ピリリリリッ、ピリリリリッ
一方通行「オマエ何なンですかァ!?リダイヤルしてくンなうざってぇ!」
イマイ「本当のことを教えてください、僕はただ真実が知りたいだけなんです」
一方通行(あンの天パーァァ!もォいっぺんこっちに来て説明しやがれェェェェ!)
fin
三年Z組ー銀八先生!
銀八「はい、まず最初に謝っときます、急ぎ足で終わらせてすいませんでした」
銀八「本当はマヨラーとヘッドホンの決闘だとか佐天さんの大活躍だったりとか…」
銀八「神威と阿伏兎のその後とか宇宙で戦ってた坂本とハゲのお父さんだとか…」
銀八「その辺まで書くつもりだったんですが…その結果がこんな出来です、はい」
銀八「あと…キャラが多すぎちまったんで何がなんだか分からなくなることもありました」
銀八「誤字脱字も激しかったんでもう良いとこなしです、マジで」
銀八「最後まで読んでくれた人にゃ心から礼を言っときます、ありがとうさんでした」
せっかくなんで…おまけっつーほどアレじゃないけど小ネタ的な何か
銀魂キャラが教師だったらこんな感じじゃね?
現代文…銀八先生
銀八「どーも、現代文を受け持つことになった銀八でーす」
佐天(何か…やる気のなさがもう全身から染み出てるけど大丈夫なのかな?)
銀時「えー現代文っつーのはアレです、何か良い感じにやって普通にやれば満点取れます」
佐天(それ説明が抽象的すぎるって!良い感じってどんなのが良い感じなの!?)
初春「『良い感じにやって普通にやれば満点を取れる』…と」
佐天「初春、それはメモしなくていいと思う」
佐天(もういいや…この時間は寝ていよう)
---
佐天「ん…結構寝ちゃったな、今何時…?」
銀八「ニューヨークへ行きたいかァァァァ!」
一同「オー!」
銀八「ニューヨークの少女が微笑みながら寝返りをうつときィィィィ!」
一同「ローマの少年は柱頭を染める朝陽にウインクするー!」
佐天「…………」
佐天(わ…私が寝てる間に何が起こったんだろ?)
佐天「ね、ねぇ白井さん…一体何が…」
銀八「ぼくらは朝をリレーするのだァァァァ!」
一同・黒子「経度から経度へとー!」
佐天「真面目な白井さんにまで感染してる!?」
英語…桂
桂「幕府打倒を志す攘夷志士の諸君、この俺が桂小太郎だ」
佐天「ば、幕府打倒?」
初春「攘夷志士…?」
美琴「また変なのが来たわね」ボソッ
桂「変なのじゃない、桂だ」
美琴(き、聞こえてた!?)
佐天「ねえ初春、そもそも『じょういしし』って何?」
初春「攘夷を志す士のことです」
佐天「なるほど、分からない」
桂「では今から授業に入る、攘夷志士たる者、ある程度の教養は必要だ」
桂「まずは単語テストから始める、まあ軽い準備運動だ」
美琴(単語テスト…簡単な英語だったら自信あるけど)
桂「はい、それでは第一問」
次の英単語を和訳しなさい
『Butter-Fly』
美琴(何だ、本当に簡単な問題じゃない…『蝶』と)
桂「えー、正解は『デジモン』です」
美琴「いや何で!?」
桂「まあ我々攘夷志士の間では常識だな」
桂「他に『和田光司』、『無限大』、『やっぱ初期が好き』なども別解として認めよう」
美琴「それどこの常識!?」
ステイル「すまない先生、『エンジェウーモンは可愛かった』は別解にならないのかい?
桂「ほう、なかなかの着眼点だな、それも正解と認めよう」
ステイル「よし……!」
黒子「いや『よし……』じゃなくて何であなたはここにいるんですの?」
第二問
『makeup』
佐天(英単語そのままの意味なら化粧だけど……)
美琴(引っ掛けがあるわよね…化粧から連想されるものって何かあった……?)
桂「えー、正解は『詐欺』だ」
美琴「だから何で!?」
桂「まあ、我々攘夷志士…むしろ男であれば常識だな」
上条・土御門・青ピ「うんうん」
桂「他には『あれ?誰これ?』『劇的ビフォーアフター』なども別解として認めよう」
美琴「とんでもないこと言い出したんだけど、全世界の化粧してる女性を敵にしてない?」
ステイル「度々すまないが『倖田來未』は別解としてどうだろうか」
桂「惜しいがそれでは限定されすぎている…もう一歩普遍性がほしいな」
ステイル「なるほど…何て奥が深いんだ!」
黒子「だからあなたはさっきから何なんですの?」
保健体育
近藤(よし…こういうのは最初が肝心だ、紳士で真面目な先生キャラで行こう)
近藤「さっそくだが今から授業に入る…今日は何ページからだっただろうか?」
黒子「35ページまでは終わってますの」
近藤「そうか、では36ページからやっていこう」
近藤(えー…36ページからの単元は……)
『性と身体』
近藤「………」
近藤(え…ちょ…エエエェェェェ!?よりによってこんなところォォォォ!?)
近藤(いやいやいやいや!ダメだろこれ!ココ女の子一杯だもの!空気が違うもの!)
近藤(確かにこういうのを女子生徒に教えるってある意味じゃ興奮するけども!)
>>984
先生、『37話で泣いた』はダメですか?
近藤「………」
黒子「あの…先生、授業はなさらないので?」
近藤「い、いけませんんん!!女子生徒がこんなもの勉強しちゃいけませんんんん!」
黒子「は……はい?」
近藤「第一こういうムラムラするのは二十歳になってから……」
銀八「ムラムラしてんのはテメーだけだろうがァァァ!」バキッ
近藤「ぐはっ!万事屋…どこから入って……」バタッ
一方通行(眠ィのに馬鹿騒ぎすンじゃねェよ……)
保健体育
代理、銀八先生
銀八「つーわけで、何やかんやで保健の先生が代わったからその辺よろしく頼むわ」
佐天(やな予感しかしない…)
銀八「この辺の分野はアレだ、もう自習でいくね?教える必要なくね?」
初春「さすがに丸投げはしないでくださいよ…」
銀八「だって表現規制になんぞこれ、アグネス見てっかもしんねーし」
銀八「仕方ねーからその辺を踏まえて表現をちょっとばっかオブラートに包んでいくからな」
佐天(オブラートか…それなら大丈夫なのかな?)
銀時「えーまず、海の幸アワビがあってだな、そんでこの辺りで栗ご飯を……」
佐天「アウトォォォォ!!」
美琴「ねえ黒子、アワビって?」
黒子「お姉さまはまだ知らなくてもよろしいことですの」
銀八「大体なー、こんなモン授業でやんのが間違いなんだよ」
銀時「この範囲を期末テストで高得点取ったら確実に変態と思われるからねコレ」
青ピ「あー、めっちゃ分かるわその気持ち」
上条「いや、お前は元から若干変態だぞ」
銀時「保健で教えんならアレだよ…バチスタ手術の仕方とかのがかっこよくね?」
黒子「そんな高等なもの…いくら先生と言えど教えるのは無理なのでは?」
銀時「誰に向かって言ってんだ…俺は……坂田銀時だ」
黒子「………!」
美琴(もしかしてアンタらその流れがやりたかっただけなんじゃないの…?)
---
放課後
禁書「出番なしだったんだよ…短髪はともかくゲストの当麻もそこそこ活躍したのに……」
禁書「私がいても魔術的な敵がいなかったから活躍は出来なかったかもだけど…」
禁書「あれだけ勢揃いしてたんだから顔を出すことくらいはしたかったんだよ」
神裂「私なんか刀キャラで…それに戦闘だって出来るのに……」
姫神「今回こそは出られる。そんな風に思っていた時期が私にもあった。」
ステイル「全くだ、配役をもう少し考えてほしいものだよ」
御坂妹「お前はおいしいポジションだったろ、とミサカは怒りを露わにしながら意見します」
お妙「納得いかないわよね…こんなの」
銀八「は?」
お妙「結局私の台詞…あの雌豚との絡みしかなかったじゃない」
お妙「それなのにぽっと出の小娘キャラ共が活躍して私たち原作側が放置だなんてぇ…?」
あやめ「ツッキーは私たちと比べれば大活躍よね、かーっ!やっぱ一桁は違うわー!」
月詠「いや…わっちに言われても困るんじゃが…」
お妙「そっちに当たるのはお門違いよ…私は本元を叩くわ……」
お妙「風邪引いて期間引き延ばした挙げ句に私たちの出番カットした馬鹿を潰してくる」
銀八「…………」
第?訓……色々小細工しても男は最終的に女には勝てない
おまけ的な何か-完
桂「すまぬ、言い忘れたが>>988よ…確かにウィザーモンの件は最高だった」
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