銀時「ひぐらしのなく……ってオイ、これ前も見たんだけど?」(1000)

新八「あれ?そうでしたっけ?二次元にハマった親衛隊から没収してきたんですけど…」

銀時「んなこったろうと思ったぜ……で、何?どうすんのこのゲーム」

新八「しばらく僕が預かって反省したようだったら返すつもりですけど…まずいですか?」

銀時「………」

銀時(まあ…前回できれいに事件解決したし…今回は大丈夫だろ)

銀時「邪魔んなるところに置いとくんじゃねーぞ」

神楽「私は空気アルか」

銀時が以前に一度ひぐらし世界を訪れていて鬼隠しを解決している設定です


---


銀時「やべーな、いちご牛乳飲み過ぎたか?便所便所っと…」

銀時「……こんな感じだったな、前にアイツらん所に行ったのも」

銀時「何だっけ?確か…便所行こうとしたら…アレだ、ゲームが話し掛けて……」

???『こんな風にですか?』

銀時「そうそう、そんな……」

銀時「………」

???『…久しぶりですね、坂田銀時』

銀時「すいません、人違いです」

???『人違いであるはずがありません……坂田銀時』

銀時「アー……俺…銀時違ウ…アイツ、ドラゴンボール探ス旅…出カケタ……」

???『さて…本題に入ります』

銀時「ねえ聞いてる?人違いだって言ってるんだけど?」

???『以前あなたは別世界…私の中の世界で奮闘しましたが…』

銀時「何なのコイツ、人の話全然聞いてねーよ」

???『あなたには…もう一度あの世界に行ってもらいます』

銀時「……は?」

銀時「いや何で?前できれいさっぱり解決したじゃん、でめたしでめたしだったろ」

???『まだ…あなたの手を借りたいことがあるのです』

銀時「いやてめーで何とかしろよ、何で俺まで巻き込むの?」

???『あなたの仲間…部活メンバーにもう一度会いたくはないのですか?』

銀時「そりゃあオメー……」

???『では行ってください』

銀時「いやまだ何にも答えてねーんだけど!?」

???『物語が…今…再び……』

銀時「無視すんなァァ!回避不可か!?台風かテメーはァァァ!!」

???『始まります』

銀時(げ、ゲームが光り出した!?ねえ待って!?ちょ待っ……)

---
雛見沢、職員室

銀時「………」

銀時「……マジかよオイ、結局こうなっちまうのかよ」

銀時(見た感じ…学校の職員室か…マジで来ちまったってのかよ)

銀時「前に来たのと同じってんなら…アイツらもいるってことだよな」

銀時「つーか、これ以上俺にこの世界で何をしろってんだ?」

梨花「みー、職員室に誰かいるのですか?」

銀時「あ」

梨花「」

梨花「え……ぎ…銀…時……?」

銀時「え……バ…ババア……?」

バキッ

銀時「すいませんっした梨花さん、マジすんません」ダラダラ

梨花「でも…その腹が立つようでイラッと来るこの感じはやっぱり……」

銀時「それ結局腹立ってるよね?どこまで行っても終始イライラし続けてるよね?」

梨花「フフ…そうかもね、でも…またあなたに会えて嬉しいわ」

銀時「…正直来たくて来たわけじゃねーんだけどよ」

羽入『あうあう……こ…これはどうなっているのですか?』

梨花(あら羽入…あなたどこに行ってたの?)

銀時「」

羽入『圭一たちの白熱したババ抜きを見ていたら僕まで夢中になってしまって…』

銀時「」

梨花(まったく…あんたは実際にやってるわけじゃないんだから)

羽入『見ているだけでも白熱するのです!……ところで梨花』

梨花(何?)

羽入『銀時が固まっているのです』

銀時「」

梨花「銀時?どうかしたの?」

銀時「……あー、はいはいなるほどね?分かった、そういうことか」

梨花「?」

銀時「お前…スタンド使いだったのか……」

梨花「スタンド……?」

銀時「いやそうだと言えよお前、言ってもらえなきゃ困るからね?うん、マジで」

梨花「……?」

銀時「いや……え?違うの?お前の後ろの半透明なそれスタンドじゃないの?」

羽入『!』

梨花「後ろって…あ、あなたまさか羽入の姿が……?」

銀時「いや…何か巫女さんみてーな服着てる奴が……」

梨花「そんな…どうして……?」

銀時「ねえ…もしかしてそれ普通の人には見えない…その…アレな感じ?」

梨花「私以外にこの子の姿が見えたのはあなたが初めてよ…」

銀時「」

羽入『ど、どうして…僕の姿が……?』

銀時「俺気絶しろォォ!俺ァ何も見てませェェェん!!」ガンガン

梨花「ちょ…そんな頭ぶつけたら……」

銀時「………」

梨花「あらためて紹介するわ…この子は羽入よ」

羽入『あうあう…あなたと会話するのは初めてですね……』

銀時「……もっかい聞くけどさ、お前マジでスタンドじゃないの?」

羽入『ち、違うのですよ…』

梨花「銀時、この子はね……」

銀時「分かった、じゃー生まれつき半透明になる感じの特性があんだな」

梨花「いやだから……」

銀時「絶対そうだ、間違っても幽霊だなんてお父さん許さんよ?」

梨花「あなたどれだけ認めたくないの!?半透明な感じの特性ってどういうことよ!」

銀時「アレだ、優柔不断でハッキリしない心が半透明な奴の大半は体も半透明なんだよ」

銀時「それになぁ、今時政治だって半透明な時代だよ?いるよ半透明な人くらい」

梨花「いや…あなた何の話をしているの?」

銀時「大体何だアイツら、都合が悪くなりゃ『先行きは不透明で…』とか言いやがって」

銀時「中途半端にごまかさねーで素直に『分かりません』って言えってんだよな」

梨花「………」

羽入(あうあう…銀時は全然変わってないのですよ…)

梨花「もう一度言うけど…この子は誰にでも見える存在じゃないわ」

梨花「何故あなたにこの子が見えるのかしら…前に来たときは見えなかったのに……」

銀時「ったくよ、前はオヤシロ様がどうとか騒いでたと思ったら……」

梨花「あら、そのオヤシロ様よ?」

銀時「そうそう、オヤシロ……オヤシロ?」

羽入『あうあう…』

銀時「………」

羽入『あの…銀時、そんなに怖がる必要はないのですよ?』

銀時(これが怖がらずにいられるかバーロォォォ!やべーよマジ怖ーよ!)

銀時(誰かァァァ!この恐怖を取り除く方法しりませんかァァァ!?……あ、そうだ)

銀時「……お前、ちょっとこっち来い」

羽入『?』

銀時「出来るかどうかは分からねーが……良い機会だ、試してみっか」

梨花「銀時…一体何を……?」

銀時「行くぜ!羽入in洞爺湖!」

羽入『いや…え?』

BGM『よみがーえーれー!あざやーかーにー!』

銀時「これが…俺のオーバーソウ」

梨花「何を意味分からないことやってるの!」バキッ

---

梨花「じゃ…みんなの所へ行きましょう、きっと銀時にまた会えて嬉しがるわ」

銀時「鼻血が出てなきゃもっと嬉しがったんじゃねーか?」ダラダラ

羽入『あうあう…梨花は銀時に対してツッコミが激しいのですよ……』

---
教室

梨花「みんな!大変なのですよ!」

魅音「ん?どったの梨花ちゃん?ずいぶん長いお手洗いだったね」

梨花「銀時が帰ってきたのですよ!」

魅音「……え?」

銀時「よう…変わってねーなテメーら」

魅音「………え?」

圭一「……り、梨花ちゃん、言いにくいんだけど一つ聞いていいかな?」

梨花「……?」

圭一「この人…誰なんだ?」

梨花「えっ……!?」

梨花「な、何を言ってるのですか圭一……分かりにくい冗談は止めてほしいのですよ」

圭一「い…いや…冗談じゃ……」

梨花「み、魅ぃは!魅ぃは覚えて…」

魅音「ご…ごめん梨花ちゃん…おじさんも初めて会ったかな……」

梨花「そ…そんな…沙都子!」

沙都子「わ、私に申されましても…圭一さんたちと同じお答しか……」

梨花「……!」

銀時「梨花、はい集合ー!うん、ちょっといらっしゃい」

梨花『ど、どうなっているのよ!』

銀時『そんなもん俺が聞きたいわ!何この空気!?これ完全に場違いだろ!』

銀時『もうししゃもの雄並に忘れられた存在になってるじゃねーかァァァ!』

梨花『そんなわけないわ!だって昨日もあなたのことを話していたもの!』

梨花「け、圭一!」

圭一「ど、どうしたんだ?」

梨花「木刀!教室の後ろに飾ってある木刀を見て何も思い出さないのですか!?」

圭一「思い出す……?」

魅音「梨花ちゃん落ち着いて…急にどうしちゃったのさ」

沙都子「それに…あの木刀は梨花が自分で家から持ってきた物だったと思いましたが…」

梨花「………!?」

銀時「……テメーら、本当に覚えてねーのか?」

圭一「……す、すいません」

銀時「この教室にいただろ?」

魅音「この教室に…?」

銀時「忘れるわけねェだろ!あんなにキャラの濃い奴のことを!!」

梨花「銀時……」

銀時「忘れちまったのか!?東中出身、涼宮ハル」

梨花「違う!」バキッ!

智恵「大声を出して一体何の騒ぎですか?」

銀時「青い髪…あ、朝倉涼……何でお前がここにいる!?」

智恵「え…あ…朝倉……?」

梨花「気にしないでほしいのですよ」

智恵「あなた…坂田先生じゃありませんか?」

銀時「あれ?アンタは俺のこと覚えてんのか?」

智恵「あなたの出勤は明日からだったはずじゃ…何故今日ここに?」

銀時(…覚えてたわけじゃねーのかよ、つーか俺ァまた新任教師か?なら……)

銀時「すいまっせーん、一日フライングして生徒に挨拶しとこうかと思いましてー」

梨花「!」

智恵「そうですか…まあそれくらいなら構いませんが……」

梨花『銀時、一体どういうつもり…?』

銀時『こう言っておかねーとややこしいだろ…いいから話合わせとけ』

銀時「つーわけで…明日からテメーらん所の教師になる坂田銀八です」

銀時「なんか質問がある奴は手ェ挙げて訊くようにー」

魅音「はい!」

銀時「はい、んじゃ日暮かごめ」

魅音「かごめって…先生は何で目がちょっと死んでるんですか?」

銀時「逆に聞くけどお前はたれぱんだの目が垂れてるのを疑問に思いますか?」

魅音「そりゃあ…全然思わないけど……」

銀時「じゃあそういうことだ、じゃあ次」

圭一「はい、先生は何で髪の毛がパーマなん」

銀時「お前はガンダムに乗って地球から消え去れ」

圭一「いやどんだけ髪の毛のこと気にしてるんですか!?」

魅音「うーん…こりゃなかなか面白そうだねぇ…どう先生、おじさん達とゲームしない?」

銀時「いーよ、どうせテメーら傷付いたトランプでこすい真似すんだろ」

圭一「まあ部活における最初の洗礼みたいな…っていうか何で先生が知ってるんだ?」

魅音「へぇ…じゃあ新品のトランプで勝負しよっか?」

銀時「……負けたら?」

魅音「ヒッヒッヒ……きつーい罰ゲームが待ってるよ」

銀時「面白いじゃねーか…小細工なしなら余裕で一位で抜けてやらァ」

魅音「じゃあみんな…始めるよ!」

---

圭一「…で、結局こうなったのかよ」

銀時「黙れテメー!今集中してんだよ!」

魅音「あたしと先生の一騎打ち…手札はお互いに二枚ずつ…ジョーカーはおじさん持ち」

魅音「さあ先生…右か左か…好きなほうを選ぶといいよ?」

銀時「………」

銀時(どっちだ…右か…左か……)

選択肢


銀時(悩んでも仕方ねェ…ここは『左』だァァァ!)

銀時「………」

魅音「……ん?先生、どうかしたの?」

銀時「スタッフゥー!ちょっとスタッフゥー!なんか変なカード紛れ込んでるよー」

梨花「変なカード?」

銀時「トランプ絵柄ってスペード、ハート、ダイヤのA、ハチミツとクローバーだろ?」

沙都子「後半の2つは若干理解しかねますが…まあそうですわね」

銀時「何かよ…意地の悪い顔したババアがこっちみてあっかんべーしてんだけど?」

圭一「………」

銀時「マジかよオイ、不良品じゃねーの?これタロットカードだろ」

圭一「いや…それって俗にいう……」

銀時「やってらんねーよこういうの、もう嫌になっちまうよなマジで」

魅音「ねえ先生…認めたくない気持ちは分からなくはないけど……」

魅音「それ……ジョーカー」

銀時「嘘だ!!」

レナ(あれ?レナまだ一言も喋ってないのに…台詞とられちゃったのかな?かな?)

銀時「大体なぁ、ババ抜きってゲーム自体がそもそも間違いなんだよ!」

沙都子「へ?」

銀時「例えばだ、クラスで先生が『二人組作ってー』って言ったとするだろ?」

銀時「続々とペアが出来ていく中で一人ぼっちになっちまう子が大抵いるもんだろ?」

銀時「そんな子を見たらお前らはどうしますか?仲間外れのままスルーですか?」

魅音「そりゃ…おじさんと一緒でいいなら組に入れてあげるけど……」

銀時「そうだろ!なのにこのゲームは意図的に一人ぼっちを作り出してるじゃねーか!」

銀時「つまり、このゲームにおける本当の敗北者…それは……」

銀時「仲間外れを生み出すこのゲームに参加した…プレイヤー全員だったんだよ!」

圭一「なっ…何だってェェ!?」

魅音「そうか…そうだね…さすが先生、良いこと言うねぇ」

銀時「じゃ、そういうわけで…」スタスタ

魅音「でも負けた時の罰ゲームからは逃げられないからね?」ガシッ

銀時「ですよねー…」

魅音「どうする?次はおじさんの番だけど…」

銀時「テメーら裏からでも相手のカードがわかんだろ、降参だ降参……」

銀時(……あ?待てよ、一騎打ちになって互いに二枚ずつっておかしかねーか?)

銀時「……オイお前、何かやらかしやがったな」

魅音「…さーて、何のことやらおじさんにはさっぱり」

銀時「やっぱりイカサマじゃねーかァァァ!!」

魅音「負けは負け、降参した先生が悪いんだからね?」

銀時「ふざけんなテメー、こんなモンで負けとか俺ァ認めねーぞ」

魅音「へぇ…そんなこと言っちゃうんだ……じゃあキツい罰ゲームをやらなきゃねぇ」

銀時「え?」

圭一(み、魅音の笑顔が恐ろしく見える…一体何を……)

---
同日、エンジェルモート

魅音「いやー悪いね詩音、こんなこと急に頼んじゃって」

詩音「もう…どうしてお姉はいつもこんなくだらないことを……」

梨花「銀時の晴れ姿なのですよ」

レナ「あ、先生出てきたよ!」

銀時(エンジェルモート制服着用)「……エンジェルモートの新人店員のパー子でーす」

圭一「ぶっ!」

魅音「ふ、フリフリがついた服着てる……こ…これは…くく……」

詩音「くっ…くくく……お、お姉ったら…わ、笑っちゃダメですよ…ぷくくく……」

沙都子「オーッホッホッ!私たちを少々舐めすぎていたようですわね!」

レナ「は、はうぅ!か、かぁいい!イケる!これ全然イケるよ!おっもち帰りぃー」

梨花「レナは少しかぁいいの守備範囲が広すぎるのですよ」

羽入『~~~』バンバンッ

梨花(ほらアンタも…のたうち回って床を叩くんじゃない)

羽入『こ…これは面白すぎるのですよ……我慢出来な…』バンバン

銀時「いっそ殺せェェ!頼むから誰か俺を殺してくれェェ!」

---

魅音「いやー久々に大笑いしたなー!銀時先生は面白いね!」

銀時「テメーらSは打たれ弱いって知らねーのか…あんなモン一生のトラウマになるわ」

詩音「あ、そうだ!記念にこんなの撮っておきましたけど」

銀時「げっ!?」

魅音「ぶっ…せ…制服着た先生のブロマイド……こ、これは……くくくっ……」

沙都子「詩音さん…止めてくださいまし…腹筋が…私たちの腹筋がおかしく…くく…」

銀時「圭一ィィ!テメーは笑うんじゃねーぞ!男の仲間として笑うな!」

圭一「わ…分かりました……」

銀時「………」

圭一「………」

圭一(だ、ダメだ…まだ笑うな…し…しかし……)

圭一「……フッ」

銀時「二回死ねェェェェ!」バキッ

レナ「詩ぃちゃん、一枚いくらかな?かな?」

詩音「は、はい…?」

銀時「テメーもテメーで何やってんだァァァ!?」

三年Z組ー銀八先生!

銀八「はい…じゃあ銀さんに即座に抹消したい黒歴史が出来た辺りで今日は終わります」

銀八「銀さん今回はあんまり急ぎすぎないでゆったり行こうかなとか思ってますが…」

銀八「つってもあんまりダラダラと引き伸ばすのもアレだしな…うん」

銀八「まーそんなこんなで…暇つぶしになってくれりゃ俺ァ満足です」

三年Z組ー銀八先生!

銀八「間違えて掲示板の上にあるエロ広告を踏んだ時の屈辱感って異常だなオイ」

銀八「何かマヨネーズバカに味覚バカって言われるくれー腹立つんだけど」

再開します

魅音「あー面白いなぁ…おじさん、先生のこと気に入っちゃったよ!」

魅音「どう?おじさんたちの部活に顧問として入部しない?」

梨花「歓迎するのですよ、にぱー」

レナ「それいいね!レナも賛成!」

沙都子「私としては罠を掛ける的が増えて願ったり叶ったりですわ!」

詩音「私も賛成です、銀さん面白いし!」

圭一「俺もまあ一応賛成で」ダラダラ

銀時「お前はまず鼻血を止めろ、思春期だからってエロいことばっか考えんな」

圭一「いやアンタが殴って出したんでしょこの鼻血は!」

---


レナ「じゃあ…今日はこれで解散かな?」

魅音「そうだね…じゃあ先生、明日からまたよろしくね!」

銀時「もう二度と余計な罰ゲーム思い付くんじゃねーぞ」

沙都子「あらあら、ゲームに負けなければよろしいんですのよ?」

圭一「ははは、まあ確かにな」

銀時「……テメーらロクな大人にならねーぞ…」

魅音「あはは、じゃー先生!また明日ー」

沙都子「さあ梨花、私たちも帰りましょう」

梨花「僕は少し銀時とお話があるのです、沙都子は先に帰っていてほしいのですよ」

沙都子「構いませんけど…二人とも一日目からずいぶんと仲良しになりましたのね」

銀時「まーコイツも俺みてーにひねくれててぶっちゃけババア…」

バキッ

銀時「すんません、梨花さんピュアでした、真っ白な心したババアでした」ダラダラ

バキッ

銀時「超絶美少女でした」ドクドク

梨花「にぱー☆」

沙都子「……で、では私はこれで…」

---

銀時「で…どうなってんだ、この状況」

梨花「私にも分からないわ…何故みんながあなたのことを忘れているのかも…」

羽入『何故あなたに僕の姿が見えるのかも…』

銀時「どうすんだコレ、鬼隠しってのが解決してんのにこれ以上俺に何をしろってんだよ」

梨花「フフ…でも、結局あなたは部活メンバーになっちゃったわね」

銀時「あれは部活って言うんですか?ただの拷問と言うんじゃないんですか?」

梨花「でも…今回はあなたが部活メンバーに入るのに時間が掛からなかったわね」

銀時「時間が掛かってねーどころか俺ァここに来てまだ一日だぞ?」

梨花「もしかしたら…みんなもあなたのことを潜在的に覚えているのかもしれないわね」

銀時「……だといいけどよ」

梨花「とにかく…今日はもう帰りましょう、夜も遅いわ」

銀時「そうだな…家までついてってやろうか?」

梨花「大丈夫よ…子供じゃないんだから」

銀時「ああ、やっぱババ…」

梨花「何を言い掛けたのかしら?」

銀時「何も」

---

銀時「………」

銀時(面倒くせーことになっちまったなオイ……俺に一体何をしろってんだ…)

銀時「はぁ……あれ?」

銀時(し、しまったァァ!家がねえ!住み慣れた我が家がないィィィィ!)

銀時(こんなことならさっき梨花の奴について行きゃ良かったァァァァ!)

銀時「やべーよこれ、どうし………あ」

---
前原宅

銀時「すいまっせーん!あのーここって前原圭一くんのお宅ですかー?」

圭一「はいはい…って先生じゃないですか、何か用事でもありました?」

銀時「ちわー、三河屋でーす!ビールお持ちいたしましたー」

圭一「…すいません、家間違ってますよ」バタン

銀時「待ってェェェ!?サブちゃんだよ!?あのサブちゃんが来たんだから!」

前原父「圭一、こちらの方は?」

圭一「えー何か三河屋とか…」

銀時「どうも…私、前原君の学校の教師を務めているSir・カターと申します」

圭一「先生、名前がちょっとカッコいいです」

前原父「ああ、学校の先生ですか…立ち話も何ですから中へ入られては?」

銀時(よし……!)

銀時「すいませんねホント…じゃあお邪魔しますよ」

---

銀時「あーお父さん、どうすかね?ちっとばっか二者面談でも……」

前原父「は、はぁ…しかし私は学問や教育にはどうも疎くて……」

銀時「大丈夫です、俺もよく知らねーんで」

前原父「そうですか、なら安心ですね」

圭一「どこが安心!?教師が学問を知らないって大問題なんじゃ?」

銀時「そんな風に思っていた時期が俺にもありました」

圭一「いや今でも思ってください」

銀時「じゃー今から二者面談すっから、お前ちょっと出てけ」

圭一「せ、先生…妙なこと言わないでくれよ」

---
数十分後

圭一「遅いな…一体いつまで話し込んで……」

前原父「……圭一」

圭一「あ、ようやく終わっ…」

前原父「先生に今日は泊まっていただくことになったからな」

圭一「は?」

前原父「いやー良い先生じゃないか…実に分かっていらっしゃる……」

銀時「オヤジさん…あんたこそやるじゃねーか…」

圭一「………」

圭一(この人一体何を吹き込んだんだ……)

---
食事後、とある一室

圭一(あの二人…中で一体何を話して……)

銀時『あれです、最近のジャンプはどうも分かってねーんですよ…』

前原父『ただの人間が音速で動いたり電磁波で他人を洗脳したりしてますからなぁ…』

銀時『あれは色んな意味で超展開ってヤツだな…うんうん』

前原父『あとは…あのバスケ漫画ですかな、どう思われます?』

銀時『アレはしばらく生き残ると俺ァ思ってるけどね、黄瀬も格好良かったし』

銀時『ただ…分身したり妙なオーラ出したりしねーかが心配だな……』

銀時『俺のシュート範囲はコート全てだ、とかは正直やり過ぎだったな…うん』

圭一「いやアンタら何の話をしてんだ!?」

---
同日、梨花宅

梨花「沙都子ー、今帰ったのですよ!」

梨花「沙都子……?」

羽入『ど…どこにもいないのです……』

梨花「おかしいわね…私より先に帰っていたはずなのに……」

羽入『あうあう…でも確かにいないのですよ……』

梨花「……ちょっと待って、嘘でしょ…まさか…ここでアレが……?」

羽入『あっ……!』

梨花「さ、沙都子!!」

---
翌日、学校

銀時「えーみなさん、今日からこの学校の教師になった銀八先生です」

魅音「あはは、銀さんが先生ってやっぱり似合わないねー」

銀時「似合わねーことでもやってるうちに慣れちまうモンなんだよ、ウダウダ言うな」

銀時「じゃあ出席を取るぞー」

魅音「!」

圭一「え……?」

レナ「しゅ…出席…?」

銀時『仕方ねえな…よしテメーらァァ!最後だ、出席を取るぞォォォ!』

魅音(今の…前にも聞いたことある気が……気のせいかな…?)

レナ(私たちは昨日あったばっかりなのに…でも……)

圭一(この感じ…前にも確かに……!)

銀時「ん…沙都子と梨花の奴らはいねーのか?」

魅音「………」

銀時「オイ無視すんなよ、泣くぞ?帰るぞ俺?」

魅音「あ…ご、ごめん先生…ぼーっとしてて…」

銀時「で…アイツらはいねーのか?」

魅音「う、うん…今日はまだ一度も見てないね」

銀時「えー二人はサボリっと……」

圭一「いや何の確認もなしでサボリって…病気とかかもしれないじゃないですか」

銀時「昨日あんだけはしゃいでた奴らがいきなり具合悪くなるってのか?」

銀時「どうせアイツら今頃二人でしっぽり決め込ん……」

ガラッ

梨花「はぁ…はぁ…」

魅音「り、梨花ちゃん!?」

圭一「ぼ…ボロボロじゃないか!一体どうしたんだ!?」

銀時「…でたわけじゃねーらしいな」

きゃつに説教フラグ

>>1はスレタテして書いてんのはここだけ? どっかで同時進行してない?

梨花「慌てて走ってきたら転んでしまったのですよ…」

レナ「だ、大丈夫なの梨花ちゃん…」

梨花「僕は平気なのです…でも沙都子が……!」

銀時「…沙都子に何かあったのか?」

梨花「………」

銀時「……ワリーなお前ら、午前中は自習って事にしといてくれや」

圭一「ぎ…銀さん?」

銀時「俺ァ梨花と少し話があるからな…」

魅音「私たちも一緒に……」

銀時「大勢でバタバタしても仕方ねーだろ…必要なら俺からテメーらに伝えてやる」

魅音「………」

---
同日、職員室

銀時「で……何があった?」

梨花「最悪よ…まさか鬼隠しが解決した後にこんなことになるなんて……」

銀時「だから何があったってんだ…三十字以内で簡潔に言え」

梨花「沙都子が…鉄平に…」

銀時「ノッキングマスター次郎の孫の再生屋か?」

梨花「違う……違うの………」

銀時「………」

銀時(ふざけても殴ってこねーところを見ると…マジでヤバいらしいね、どーも)

---

梨花「……と言う訳よ」

銀時「……その鉄平ってヤローが沙都子を?」

梨花「急いで何とかしないと…沙都子が…あの子の心が……」

梨花「あの子に…私は何度も救われてきたのに……私じゃあの子を…救えない…!」

羽入『梨花……』

銀時「……やべーな、何か急に散歩したくなった」

梨花「え……?」

銀時「沙都子の家まで連れてけ…」

梨花「ぎ、銀時……!」

圭一「梨花ちゃん!俺たちも行くからな!」

梨花「え…け、圭一?」

銀時「テメーら…外で聞いてやがったのか」

魅音「ごめん…でも、これは銀さんと梨花ちゃんだけの問題じゃないからね……」

レナ「沙都子ちゃんは…レナ達の大切な友達だもん……」

梨花「みんな……」

銀時「俺ァテメーらが来ねぇほうがやりやすいんだけどよ…どうせ来るなっつっても…」

魅音「もちろん…ついて行くからね」

銀時「……だろうな」

---
同日、北条宅

ピンポーン

銀時「すいまっせーん、あのぉー教師の坂田なんですけどもー!」

シーン

銀時「………」

ピンポーンピンポーン

銀時「すいまっせーん!お宅の悪ガキの教師やってる坂田ですけどー」

…シーン

銀時「………」イラッ

圭一「留守…なのか?」

魅音「ううん…中に人がいる気配はあるよ、それも一人じゃないね……」

銀時「誰か出てこいってんだコノヤロー!」

ピピピピピピピピピピピピピピピピンポンピンポーン

圭一「一秒間に十七連打……だと……?」

鉄平「やかましいんじゃさっきから!ワシに何の用じゃ!」

銀時「テメーみてーな豚ゴリラにゃ用はねーよ、沙都子出せや沙都子」

鉄平「沙都子?…沙都子なら具合が悪うて寝とるから会わせられんわ!」

魅音「具合が…?じゃあお見舞いってことで…」

鉄平「ダメなモンはダメじゃ!分かったらさっさと帰らんかい!」

銀時「………オイ」

鉄平「ああ?」

銀時「中に何人か仲間がいるみてーじゃねーか…そいつらとジャラジャラ何やってた?」

鉄平「何ね、わしが麻雀しちゃいけんのかい!」

梨花「……!」

いつものファン「でたー!!ク…銀さんの一秒間に十七回連続ピンポンレイプだぁー!!」

圭一「麻雀って…沙都子は具合が悪いんだろ!?それなのにアンタ何やって…」

鉄平「じゃかましいんじゃ!ワシが沙都子をどうしようと他人が口出しすな!」

レナ「ひ…酷い……!」

梨花「う…うあああああぁぁ!!」

圭一「や、止めろ梨花ちゃん!」ガシッ

梨花「離して!沙都子を!沙都子を連れ戻すの!」

鉄平「連れ戻す?言うとくけどなぁ、沙都子の保護者は法的にもワシじゃ!」

鉄平「お前らが沙都子を連れ戻すことなんか出来るかい!」

梨花「!」

銀時「………」

鉄平「何じゃいその目は…わしに喧嘩売っとるんか?」

銀時「上等だテメー、一発ぶちかましてや……」

沙都子「梨…花……?」

梨花「さ、沙都子!」

鉄平「チッ…沙都子!後はお前が説明してとっととそいつらを追い返せ!」

沙都子「はい…分かりました…」

銀時「………」

---

沙都子「ご心配をお掛けしましたわね…私ならこの通り…元気ですのよ?」

圭一「元気なわけあるかよ!一目見ただけで分かるくらいに疲れきってるじゃないか!」

魅音「酷い…子供にここまでさせるなんて…!」

沙都子「へ…平気ですのよ!私はこれくらいへっちゃらですわ…」

レナ「沙都子ちゃん…」

銀時「………」

銀時「そうかい…じゃー明日はサボらねーで学校来いよ」

レナ「なっ…せ、先生……?」

魅音「なに言ってんのさ!このまま帰れるわけないじゃん!」

銀時「本人が問題ねーって言ってんだ、なら心配ねーだろ」

梨花「ぎ、銀時!?あなた何を言って…」

圭一「先生だって分かるだろ!こんなの普通なわけないじゃねえか!」

銀時「じゃー沙都子、明日はサボんじゃねーぞ」

沙都子「ええ…分かりましたわ」

圭一「先生は…先生はそれでいいのかよ!沙都子を見捨てて………」

銀時「少し黙れ」ボソッ

魅音「………?」

銀時『考えろ…どんだけ粘ってここにいようが何か変わるわけじゃねェだろ……』

銀時『コイツァ一筋縄じゃいきそうもねーからな…今は一旦退く』

梨花『……!』

圭一『け、けど…』

魅音『圭ちゃん…冷静に考えれば銀さんの言ってることは正しいよ』

レナ『うん…みんなでもう少し考えなきゃいけないことがあるみたいだね……』

梨花『圭一…沙都子を助けたい気持ちは……みんな同じなのです!』

圭一「………」

圭一「……沙都子!」

沙都子「……?」

圭一「俺は必ず…もう一度お前と部活で真剣勝負をする!約束だ!」

沙都子「ええ…楽しみにしてますわ」

梨花(でも…鉄平から沙都子を救えたことは今までに一度もない……)

梨花(でも…今回は銀時がいる…それに圭一や他のみんなも……)

---
同日、魅音宅

魅音「まさか…沙都子があんなことになってるなんて……」

圭一「銀さん、その…さっきはごめん…少し頭に血が上ってたみたいだ」

銀時「構いやしねーよ…それよか今は沙都子のことだ」

レナ「先生…レナたちはまず何をすればいいのかな…かな……?」

銀時「まー、今の問題点を箇条書きにするとだな……」

・沙都子が頑固に一人で頑張りすぎててヤバい、不思議の森のガンコちゃん?
・何で圭一たちに頼らないで一人でやってるのかが分からなくてヤバい
・鉄平叔父ちゃんがクソ野郎でヤバい、もう出来る限りの笑顔で死ねばいい
・法的に保護者はうんたらかんたらで何かヤバい、つーか豚ゴリラのくせに法律語るな
・髪の毛が天パ過ぎてヤバい、死にたい、いやむしろサラサラヘアーがこの世から消えろ

銀時「…とまあこんな感じか」

圭一「……最後の一つを除いては大問題ですね」

レナ「先生」

銀時「ん?」

バキッゴバキッ!!

レナ「真面目にやらないとレナ…ぶつよ?」

銀時「次からはぶつ前に言ってくれ……」バタッ

三年Z組ー銀八先生!

銀八「はい、とりあえず100まで行ったんで今日は止めさせてください」

銀八「しっかし話が進んでねーな…こんなんで大丈夫なのかこれ?」

銀八「次からはもうちっとテンポよくいかねーとな…」

銀八「あ…それと>>83、俺には二つ同時に進めることなんざ無理だ」

銀八「分かりやすく言えば……最終形態フリーザ様にヤジロベーが勝つくらい無理だな」

すいません、今自分が書いてるのはこれだけです

乙!!!

ひぐらし見てない俺に一体何が起きてるか教えて先生

教えて!銀八先生!

銀八「はい、ペンネーム>>110さんからお便りが来たので簡潔に教えておきます」

銀八「えーまず、登場人物の北条沙都子には何だかんだで両親がいません」

銀八「ですから保護者は法律的には叔父の鉄平になるわけですね」

銀八「ただこの鉄平がもう色々とクソヤローで沙都子に色々としやがるわけだな」

銀八「沙都子も沙都子で仲間に頼らねーで一人で耐えてるから始末が悪いと…」

銀八「で、銀さん達は沙都子を助けるために奮闘してるってわけですね」

銀八「もうちっと詳しく説明したいんですが…やりすぎるとネタバレになっちまうんで…」

銀八「分からなきゃまた補足説明するんで今はこんな感じで勘弁してください」

銀八「つーわけでこっから続きに入ります」

圭一「けど…何で沙都子は一人であんな仕打ちに耐えてるんだ……?」

魅音「心当たりがあるとすれば…多分」

銀時「……兄貴じゃねーのか?」

レナ「!」

魅音「ど、どうして先生が悟史君のこと…って…先生、鼻血出てるけど」

銀時「むしろよく鼻血だけで済んだと思うわ、うん」ダラダラ

レナ「ご…ごめんね先生、つい力が……」

梨花「………」

銀時「鼻血出しながら沙都子が何で仲間を頼らねーか考えてたんだけどよ……」

銀時「仲間に面倒を掛けたくねーのか…鉄平の豚ゴリラに何か弱みでも握られてんのか…」

銀時「それとも…てめー一人で耐えなきゃならねぇ理由でもあんのか…」

魅音「その理由が…悟史君……?」

レナ「沙都子ちゃん…前は悟史君に頼っていたから今度は一人で頑張ろうとしてるのかな…」

銀時「詳しい事は知らねーが…アイツがダチ公より優先させんのはそんぐらいじゃねーか?」

魅音「でも…それじゃどうしたらいいんだろ…」

銀時「あの豚ゴリラぶっ飛ばして沙都子連れ戻すだけなら出来なくはねーが…」

魅音「法的にも保護者は北条鉄平だし…色々と問題がある…か……」

レナ「それに…そんなやり方じゃ沙都子ちゃんも戻りたがらないよね…」

梨花「………」

梨花(不思議ね…銀時は……)

羽入『な…何がですか?』

梨花(動揺して意気消沈してたみんなが今は沙都子を助けようと必死になってる…)

梨花(その中心になったのは…やっぱり彼よ)

羽入『あう…言われてみれば……』

銀時「めんどくせーな…もう俺が適当に行って沙都子連れてくるわ」

圭一「いや先生…それじゃダメって話になってたじゃないですか」

銀時「心配ねーよ、B-2パターンを使えば楽勝だから、つーわけで行ってくるわ」

魅音「あ…ちょ、先生!?」

---

銀時「ワリー、ミスったわ、うん」

魅音「銀さん一体何やってきたのさ…」

銀時「何って……」

---銀時回想
北条家

ドンドンドンッ

鉄平「誰じゃ!扉をそないガンガン叩くな!うるさくてかなわん!」

ドンドンドンッ

鉄平「あー!誰じゃ扉の向こうにおんのは!名前くらい言わんかい!」

銀時『名乗るほど大した名じゃねーがぁー誰かがこう呼ぶラフメイカぁー!』

鉄平「……は?」

銀時『あれ、次の歌詞なんだっけ?テレビでやってんの聞いただけじゃ分かんねーな』

銀時『まあいいや、とにかく…さむぅーいからぁー入れてぇーくれぇー!』

鉄平「帰れ」

---

銀時「……てな感じで失敗した、いやー歌詞を覚えてなかったのが痛かったなー」

圭一「そういう問題じゃねーよォォ!!歌詞以前にアンタ何がやりたかったんですか!?」

銀時「いや上手いことやれば家ん中に入れっかなと思ってよ」

レナ「先生」

銀時「ん?」

ヒュヒュッ!バキッバキッ

銀時「あべしっ!」

レナ「真面目にやらないとぶつって言ったよね?よね?」

銀時「そうでした」バタッ

つまり 銀時「俺の涙の水圧で閉じ込めるぞ」って事だったが、外からだからムリポって事か… こぉのドシっ娘さんめぇ☆

---

魅音「仕切り直しだね……さあ、どうしよっか」

圭一「難しいよな…」

梨花「鉄平が自分から雛見沢を出て行ってくれるのが一番なのですが…」

レナ「でも…そんな事できるわけが…」

銀時「出来んだろそんぐれーなら、何なら俺が行ってきてやろうか?」

魅音「いや…いいよ、先生が一人で行ってもどうせまたろくでもないことになるし」

銀時「心配ねーよ、今回はそこそこ真面目な作戦があっから」

圭一「そこそこって…」

銀時「じゃー行ってくるわ」

圭一「せ、先生!…すまんみんな、心配だから俺もついて行く!」

レナ「…魅ぃちゃん、行かせちゃっていいの?」

魅音「まあ…もしかしたらがあるかもしれないし……」

レナ「先生…やる時はすっごい真面目になるのに……」

梨花(そう…銀時はどこまで真面目にやってるのか分からないのよね……)

羽入『あうあう…スイッチの切り替えがスゴくてついていけないのですよ…』

---
数十分後

魅音「ねえ先生…これどういうこと?」

銀時「いや永沢君が仲間になりたそうな目でこっちを見てたから」

大石「んっふっふっ…どうも皆さん、何か面白いことやってるらしいじゃありませんか」

大石「微力ながら私もお手伝いしますよ」

魅音「え……?」

梨花「銀時…どうやって大石を味方につけたの?」

圭一「味方につけたというか何というか……」

---回想

圭一「銀さん、作戦って一体何なんですか?」

銀時「演技力と度胸が求められる万事屋の最終奥義みてーなもんだな」

圭一「万事屋?」

銀時「ま…テメーはどっかで隠れて見とけ、お前にこの技はまだ早すぎる」

圭一「大丈夫なんですよね…それ……」

---
北条家

圭一(って言われたけど…銀さん、一体何をしでかすつもりなんだ?)

ドンドンドンッ!!

圭一(ドアを叩き始めた…にしても強く叩き過ぎじゃ…?)

鉄平「いい加減にせいよ!」ガチャ!

ガンッ!

鉄平「な、何じゃ…?」

銀時「いってー、急にドア開けられて頭打ったわー、これやべーなー…怪我したなー」

鉄平「おどれがドアの近くに立っとるのが悪いんじゃろ!」

銀時「あん?何だコルァ、それが人に怪我させといて言うセリフか?」

銀時「慰謝料だ、入院費に見舞金に豚ゴリラの顔を見たことによる精神的苦痛」

銀時「休職手当にストレートパーマ費も合わせて1000万払えや」

鉄平「な……?」

圭一「………」

圭一(あ、当たり屋ァァ!?最終奥義ってこれもう完全に当たり屋だァァァ!)

圭一(ていうかドアにぶつかっただけで慰謝料請求ってどんな当たり屋!?)

鉄平「な…何を訳の分からんこと抜かしとるんじゃ!」

銀時「うっせーな、怪我さしてんだから誠意見せろや誠意、金は今日中に用意しろ」

銀時「それが嫌だったらとっととこの村から出ていけやコルァ」

鉄平「………」

圭一(あれ…何だかんだで鉄平が押されてる?これはもしかしたらが……)

大石「おやおや、どうしました?何か揉め事ですかな?」

銀時「………」

銀時「め、目暮警部殿ォォ!」

大石「いや大石です」

圭一(……なさそうだ)

鉄平「け、警察…何で警察がここに!?」

大石「どうなさいました?二人共、嘘をつかずに正直に話してください」

鉄平「………」

大石「黙ってちゃ困りますねぇ…まさか人には言えないようなことを?」

銀時「いやそれが聞いてくれよ警部殿、コイツ俺の頭にドアぶつけて来やがりましてね…」

大石「ふむふむ」

銀時「それをネタに今コイツから金を揺すってたところでして」

大石「いや…それはアンタが悪い」

銀時「ですよねー」

---

大石「ダメじゃないですかー、教師が当たり屋なんか…あれは立派な恐喝ですよ?」

銀時「すんませんね…色々と面倒な事情がありまして」

大石「事情ですか…よろしければお伺いしても?」

圭一「…俺から説明させてください」

---

大石「ふーむ…そりゃまた大変なことになってますなぁ……」

圭一「何とかなりませんか大石さん…このままじゃ沙都子が……!」

大石「…難しいですね、その子が助けを求めているのなら我々も動けますが……」

圭一「沙都子は絶対に助けを求めようとしない…全部一人でやりきるつもりなんです」

銀時「………」

銀時「目暮警部殿よ……ここは一つ協力といかねーか?」

大石「協力……?」

銀時「あんただってあの鉄平が叩きゃ埃が出ることくらいは分かってんだろ?」

大石「ええ…実を言うとね、あなたと鉄平が揉めてた時も近くで見張ってたんです」

大石「最初は鉄平の仲間かと思いましたが…どうもアンタは仲間とは違うらしいと…」

銀時「そんで…止めに入ったってわけか」

鉄平「なっはっはっ…まあそんなところですかな」

>鉄平「なっはっはっ…まあそんなところですかな」

あれ?

三年Z組ー…銀八先生

銀八「こういうさぁ…そこそこ真面目な場面で誤字する奴って何なの?って感じだよな」

銀八「しかも人名だよ人名、もうこれ色々と取り返しつかねーよオイ」

銀八「あ、でも鉄平も目暮警部も体格似てるから変装してたってことに…」

銀八「出来るわけねーな、うん…すんませんね、>>138が指摘した所は単純に誤字です」

銀時「けど…テメーもほとんど確信したんじゃねーか?あの時の豚ゴリラの反応でよ」

大石「ほう…警察である私に対しての北条鉄平の動揺に気付かれましたか……」

銀時「俺ァテメーらがアイツしょっぴいてくれりゃ大助かりだ…」

銀時「逆に俺たちが鉄平に揺さぶりかけて何か出てくりゃ…」

大石「私が北条鉄平を検挙出来る証拠となるかもしれないと…」

銀時「悪い話じゃねーはずだ…警察って立場のアンタじゃ出来ねーこともあるだろ?」

大石「………」

大石「いやはや…警察である私にそんな提案をしてくるとは…面白い方だ」

銀時「………」

大石「これでも人を見る目はあるほうでしてね…なかなかどうして、アンタは大物ですよ」

大石「それに…あなた達の仲間を助けようという心意気は本物のようですね……」

圭一「お、大石さん!」

大石「んっふっふっ…個人的にアンタたちみたいなのは嫌いじゃないんですよ」

---

銀時「つーわけだ」

魅音「ず、ずいぶんとあっさり決まったね…」

銀時「細けェこたァ良いんだよ」

大石「そうですそうです、それに…あなた達には鬼隠しで世話になりましたからね」

圭一「何にしたって…大石さんの力を借りられるのは大きいぞ!」

レナ「うん、さっすが圭一君だね!」

銀時「いや俺は?」

魅音「いやいやー圭ちゃんはやっぱり頼りになるねぇ!」

銀時「ねえ俺は?むしろ頑張ったのって俺じゃねーの?」

魅音「あっはは、冗談冗談!拗ねないでよ先生!」

梨花「でも、正直これは偶然なのですよ」

銀時「いや偶然と言う名の奇跡だ」

圭一「先生、無理やり奇跡って言う綺麗な言葉に置き換えないで下さい」

三年Z組ー銀八先生

銀八「はい…大石が仲間になった!ニックネームをつけますか?的な所で今日は止めます」

銀八「何かもう色々ダメだなオイ、名前間違えるし話進まねーし…」

銀八「次はもう少しマシな感じにしねーとな…」

誤字の件はすいませんでした

銀八「バス停で並んでる時にしれっと横入りするおばちゃんは何だかんだで長生きする」

銀八「……ような気がする」

再開させてください

---

大石「さて、話を戻しますが…まず今回の件は色々と問題点がありましてね……」

大石「まず…北条沙都子さん自身が助けを求めていないことです」

レナ「やっぱり…そこなんですか?」

大石「ええ…」

大石「彼女が一声でも助けを求めてくれれば相談所でも何とかなるんですが……」

銀時「………」

ガラッ

詩音「そんなことやってる場合ですか!」

魅音「し、詩音!?」

圭一「お前、いつから外で聞いてたんだ!?」

銀時(ばっかお前…そこは『話は聞かせてもらった!』って言って入って来いよ)

詩音「何か話をしてると思って聞いてみれば…沙都子がそんな目にあってるなんて…」

詩音「なのにあなた達はグダグダと何の役にも立たないことを話し合ってるだけ!」

魅音「お、落ち着きなって詩音!」

詩音「落ち着いてですって!?こうしている間にも沙都子が苦しんでるのに!」

詩音「話し合いなんかしてたって意味がないことは分かりきってるじゃない!」

魅音「じゃ、じゃあ…詩音には何か考えがあるっていうの?」

詩音「あります…ええありますとも…一番手っ取り早くて簡単に済みます……」

レナ「そ、そんな方法が……?」

詩音「殺してやればいい…沙都子を苦しめるあの鉄平を…殺してやる!」

梨花「!」

銀時「………」

梨花(ダメ…このままじゃ詩音は本当に鉄平を殺しかねない…そんなことになったら…!)

梨花(嫌…せっかく掴んだ明るい未来を…私は手放したくない!)

梨花「詩ぃ…どうか早まった考えは止めてほしいのです!」

詩音「梨花ちゃまは黙っててください、子供のアンタは今じゃただの役立たずです!」

魅音「詩音!」

圭一「お…お前、仲間になんてこと言いやがるんだ!」

詩音「仲間?じゃあ何でその仲間の沙都子を救おうと本気にならないんですか?」

魅音「だ、だからこうしてみんなで相談して……」

詩音「それが本気じゃないって言ってんですよ!沙都子に何かあってからじゃ遅いんです!」

詩音「もういい!もういい!分かりましたよ、私一人でアイツを殺してやる!」

梨花「あっ……!」

大石「詩音さん…仮にも刑事である私の前で冗談でも殺すなんて言っちゃいけませんよ」

詩音「冗談だと思ってるんですか?」

大石「仮に本気の殺意があるというなら…私ゃあなたを拘束せにゃなりません」

詩音「へえ、私は拘束出来るのに鉄平は拘束出来ないんですか…面白いですね」

レナ「ま、待ってよ二人とも!今はこんなことしてる時じゃないよ!」

梨花「………」

梨花(どうして…どうして悪いほうへばかり進んでいくの……!)

銀時「………」

銀時「心配ねーよ目暮警部…コイツに人殺す度胸なんざありゃしねェ…」

詩音「何ですか…アンタも私の邪魔をするんですか?」

銀時「へっ…邪魔なんざする必要もねーよ、テメーの覚悟なんざたかが知れてっからな」

圭一「ああ…詩音、お前が人を殺すことなんか出来るわけがない!」

詩音「じゃあやってやろうじゃない…殺す!今すぐ殺しに行ってやる!」

魅音「ちょ…二人とも!煽ってどうすんのさ!?」

詩音「本気で私がやれないと思ってんですね…でも私はやる…沙都子を必ず助ける…」

圭一「詩音…お前は本当にそれが正解だと思ってるのか?」

詩音「ええ…思ってますよ、差し違えてでもアイツを……」

圭一「嘘だな!」

詩音「嘘じゃない!!」

圭一「仮に鉄平をお前が殺して沙都子を救えても…お前は捕まってここからいなくなる!」

圭一「お前がいなくなっちまった世界で沙都子が笑っていられると思ってんのかよ!」

詩音「じゃあ…何か少しでもマシな案を出してみてくださいよ!出来ないでしょう!」

詩音「自分を犠牲にする覚悟もないくせして偉そうに私に説教するな!」

銀時「………」

銀時「面白いじゃねーか…なら一つ、テメーの覚悟ってヤツを俺に拝ませてくれや」

詩音「……?」

銀時「テメーが鉄平の所に行こうとしようが俺と圭一は全力で止める」

詩音「邪魔しようってんですか、じゃあ敵だ…アイツを庇う奴はみんな敵だ!」

圭一「ああ、俺たちは今の詩音の敵だ…鉄平の所に行くってんなら…」

銀時「テメーの覚悟とやらで…俺たちを殺してみせな」

詩音「!」

レナ「け、圭一君!?」

魅音「や、止めなって先生!詩音は本気だよ!」

銀時「…どうしたよ詩音、なんならこの洞爺湖でも貸してやろうか?」

詩音「あなた…一体何を考えて……!」

銀時「何だよオイ…いざとなったら怖じ気づいたか?」

詩音「ば…馬鹿にするなぁ!!」

梨花「し、詩ぃ!その椅子で何を!」

ブンッ、ガンッ!!

銀時「………」

詩音「はぁ…はぁ……」

銀時「テメーの覚悟なんざ所詮こんなモンだ…」

詩音「……!?」

魅音「な、投げられた椅子が頭に直撃したのに…傷一つ……」

銀時「……ガキのくせして気安く人を殺すなんて口にするんじゃねーよ」

銀時「それがどんなもんか…テメーは一生知る必要はねーんだからな」

梨花「銀時……」

圭一「詩音…確かにお前の言う通り、今の俺たちは沙都子の力になれていない」

圭一「けどそれは今の話だ!俺たちは沙都子を助ける!心が壊れちまう前に必ず救う!」

圭一「俺たちを信じろ!詩音!」

銀時(おーおー、またコイツはおいしい所を持って行きやがって…)

詩音「うっ…う…で、でも……」

魅音「詩音、止めな…こりゃ銀さんと圭ちゃんの勝ちだよ」

レナ「詩ぃちゃん……」

詩音「………」

梨花『詩音の暴走が…止まった……?』

羽入『いや…まだ分からないのですよ、まだ完全に納得したわけじゃ……』

梨花『そう…まだ油断は出来ないわね……』

魅音「にしても銀さんは凄いね、椅子が頭にぶつかったのにケロッとしてるなんて…」

銀時「まー俺に掛かりゃこんぐれーは余裕……」

ブシュッ!ドクドク

圭一「銀さん、今更になって血が吹き出てますけど!?」

銀時「違うからね、これアレだよ…ちょっと中学生とテニスやってきただけだから」

圭一「いや…テニスやって頭から血が出るなんて有り得ないんじゃ……」

銀時「いや…テニスやったら骨の一本や二本折れるだろ、最悪五感とかなくなるし」

圭一「え?」

銀時「え?」

レナ「よくわからないけど…とりあえず早く止血したほうが……」

銀時「やっべ…何かフラッフラして……あ、これダメなパターンだわ」バタッ

圭一「ぎ、銀さんんんん!?」

梨花「ぎ、銀時!?」

魅音「ちょ…しっかりしなよ先生!し、詩音!アンタこれどうすんのさ!」

詩音「わ、私に言わないでくださいよ!銀さんが自信満々だったからついカッとなって…」

魅音「いいから何か薬持ってきなって!わっ!また血が!?」

詩音「あーんもう!何でこうなっちゃうんですか!?」バタバタ

梨花「………」

羽入『詩音の中に残っていた不満が…この騒ぎでうやむやになって消滅を……?』

梨花(これ…本当に全部偶然で起こってるのよね…?)

---
数分後

銀時「まあ……そんなわけだな、うん」

圭一「いや…さっきまでのシリアスな空気がぶち壊しなんですけど」

銀時「いーんだよ、何かこうフワッフワしたよく分かんねー空気のが後腐れねーし」

大石「ええ…私ゃこれ以上詩音さんが何かしようものなら組み伏せていた所ですよ」

詩音「はぁ…何だかもう拍子抜けしちゃいましたよ…」

梨花「詩ぃ…落ち着きましたですか?」

詩音「今はみんなを信じます…でももし何も行動しなかったら…その時は……」

梨花「………」

梨花(やっぱり…完全に納得したわけじゃないみたいね……)

銀時「心配ねーよ、俺にも考えはあっからな」

圭一「ぎ、銀さん!それ本当か!?」

銀時「ただ…その前にちっとばっか聞いておきてーことがある」

レナ「聞きたいこと……?」

銀時「鬼隠しについて…な」

梨花(そう…それは私も気になってた、鬼隠しを止められたのは銀時がいたおかげ……)

梨花(でも…圭一たちは銀時のことを覚えていない…なら……)

梨花(鬼隠しは…一体どういう形で解決したことになっているのかしら……?)

---

銀時「へー…富竹フレッシュとテメーらが協力し合ってね……」

魅音(富竹フレッシュ…?)

大石「前原君が私と園崎の和解に一役買ってくれましてね…その節は本当にどうも」

圭一「い、いえ…とんでもないですよ!」

銀時(ま…俺がいなくなっただけで大体の流れは俺が思ってる通りってわけか…なら)

銀時「園崎家の奴らはテメーらが頭下げりゃ動いてくれんのか?」

魅音「………」

魅音「……分からない、ばっちゃが北条家を嫌っているのは今も変わってないからね」

詩音「園崎の力を使うつもりですか?園崎で鉄平を排除しろと…」

大石「坂田さん…私は一応刑事です、それに目を瞑るわけにはいきませんよ?」

圭一「それに…魅音達だけにそんな汚れ役を押し付けるわけには……」

魅音「銀さん…いくら園崎家に力があっても神様じゃない、そんな無理矢理は……」

銀時「焦るなバカ、誰が丸投げするっつったよ」

魅音「え……?」

このスレ見つけて急いで前作読み直して来たぜ
今回で初めて銀さんが富竹の名前正確に言えたなww

詩音「園崎の力を使う作戦じゃ…ないんですか?」

銀時「使うっちゃ使うけどよ…別に裏で何かするわけじゃねーからな」

魅音「……?」

銀時「あの豚ゴリラは雛見沢に今までいなかった…そこを上手いこと利用する」

梨花「銀時…一体何を……?」

圭一「俺はてっきり役所に沙都子救出を訴えるデモでもするのか思ってたんですけど…」

銀時「何つーか説明したほうが早ーな…お前ら耳貸せ」

---

銀時「…ってのはどうだ?」

圭一「そうか…確かにそれなら実質的に園崎家は動かなくても……」

詩音「私達だけでもやれそうですね……!」

大石「んっふっふっ…なかなか面白いじゃありませんか」

梨花「銀時は悪知恵だけは働くのですよ、にぱー」

銀時「いやここは素直に誉めてもいくね?珍しく真面目に考えたんだけど?」

魅音「………」

レナ「どうしたの魅ぃちゃん?や、やっぱりこれもダメなのかな?かな?」

魅音「ダメじゃない…凄く良いと思う、でも…やっぱりお母さん達には話をしなきゃ…」

詩音「確かに…園崎の名前を使うことに変わりはありませんからね…」

魅音「うん、下手をしたらお母さん達…自分らがダシに使われたって思うかも…」

銀時「なら…あらかじめ話をしときゃ問題ねーだろ?」

魅音「まあそうなんだけど…ね……」

大石「ですが…北条家絡みであの堅物婆さんを説得するのは骨が折れますよ?」

圭一「でも当然…やる気ですよね?先生」

銀時「やるしかねーだろ、黙ってて後から文句付けられんのもめんどくせーし」

大石「園崎お魎に立ち向かうとは…雛見沢のしきたりそのものと戦うことと同義です」

大石「それだけの覚悟があなたにはありますか?」

銀時「雛見沢のしきたりだの風潮なんだに興味はねーよ」

銀時「俺ァ絶対にてめーは曲げねェ…どこだろうとてめーのルールで生きてんだからな」

大石「なるほど…どうも私は野暮なことを聞いてしまったようですな」

銀時「まあ…こちとらババアに何か言われんのは慣れてっからな」

銀時「……あ、今月家賃払ってねーわ、このままだと半年分滞納になっちまうぞオイ」

大石「は…半年分ですか、それはまた……」

銀時「いやそれがな警部殿、俺ァそこそこは真面目に仕事してんだよ、そこそこは」

銀時「なのに…ウチにゃ馬鹿みてーに食うガキとペットがいて食費がやべーんだよ」

銀時「つーか…ぱっつぁんの給料最後に払ったのいつだっけ?」

大石「よく分かりませんが…あなたもなかなかに苦労してるんですなぁ……」

三年Z組ー銀八先生!

銀八「はい、万事屋の財政事情が明らかになった辺りで今日は止めます」

銀八「こっからはそこそこスイスイ話が進むと思うんで、多分」

銀八「とりあえずはここまで読んでくれてお疲れさんでした」

銀八「しかしアレだ…こんだけキャラが多いと回すのって難しいモンだなオイ」

銀八「圭一が目立つと銀さん空気だし銀さんが目立つと圭一空気になっちまうしよ…」

銀八「そのへんは上手く折り合い付けねーとな…」

銀八「それと>>184、お前さんの中じゃ富竹フレッシュはちゃんとした名前なのか?」

銀八「一応冨樫にもちゃんとした名前が……あれ?アイツの本名なんだっけ?」

銀八「えー…前回スイスイ進むとか言ってましたけど今日はほとんど進みません」

銀八「嫌ですねー、昨日言ったことを翌日には即否定ですか」

銀八「生徒のみんなはこういう大人にならないようにしてください」

ちょっとですが進みます

魅音「………」

魅音「ねえ先生…一つ聞いてもいいかな?」

銀時「ん?」

魅音「先生…一体何者なの?」

レナ「それ…どういう意味なのかな?かな?」

魅音「先生はまだこの雛見沢に来てまだ何日も経ってない…なのに……」

魅音「銀さん…すごくここに慣れてるみたいだから不思議に思ってさ…」

銀時「………」

魅音「それだけじゃない、さっきから…何ていうか…違和感があってね」

銀時「まるで…ずっと昔からこうやって銀さんと一緒にやっていたみたいに感じて…」

圭一「………」

圭一(言われてみれば…俺も銀さんに対するツッコミが自然と出てきたな……)

アレか?これもうアレなのか?これもう俺死んだほうがいいんじゃね?
昨日から名前ミスってばっかなんだけど?全部そこそこシリアスシーンなんだけど?

ガチですいません…誰がどのセリフ言ったかは補完しといてください

魅音「……あっはは、何てね!ごめんねみんな、変なこと言っちゃって」

梨花「……魅ぃ」

魅音「ん?どしたの梨花ちゃん」

梨花「どうか…今の感覚を忘れないでほしいのです、決して気のせいで済ませずに……」

魅音「梨花ちゃん…?」

梨花「魅ぃ…お願いなのです、これはすごく大切なことなのですよ…」

魅音「う、うん…梨花ちゃんがそういうなら……」

圭一「…………」

---

圭一「じゃあ…どうする?このまま魅音の家に行って説得するのか?」

魅音「いや…いきなり乗り込むのはマズいよ、前もって私からばっちゃに事情を説明する」

魅音「それできちんとした話し合いの場が設けられたらすぐに連絡するよ」

詩音「お姉、あまりモタモタはしてられませんよ…?」

魅音「分かってる、早くて今日の晩…明日までには必ず準備するから…!」

圭一「じゃあ…魅音から連絡があるまでは一旦解散だな」

---
解散後

銀時「あ、詩音、お前にゃ少し話がある…ちょっと一緒に来い」

詩音「私ですか……?」

---
同日、入江診療所

銀時「すいまっせーん、あのー何か仮面ライダーがここにいるって聞いたんですけどー」

入江「か、仮面ライダー…?ここにいるのは私だけですが……」

銀時「久しぶりじゃねーか、イルカ先生」

入江「いや入江です」

詩音(イルカ先生……?)

入江「……あの、ご用件は?」

銀時「いや、ここの地下に用事があってな」

入江「ち、地下……?」

銀時「詩音の奴に沙都子の兄貴の面でも見せておこうかと思ってよ」

詩音「!」

入江「なっ……?」

入江「何故…あなたが悟史君のことをご存知なのですか?」

銀時「ま…その辺はいちいちほじくり返さねーでくれや」

入江「……悟史君に何かなさるつもりですか?」

銀時「誤解すんなよイルカ先生…何も妙なことはしねーってばよ」

イルカ「し…しかし…悟史君は今も安静にしていなければ……」

詩音「………!」

詩音(何だろ…前にもこうやって銀さんと一緒に監督と交渉したような……)

銀時「いやいやいや本当に何もしないから、ただちょっと見るだけだからね?」

銀時「だからちょっとだけ!地下でちょっと休んでいこう?ちょっと入るだけだから」

入江「………」

詩音「銀さん、その言い方だと何だかすごく卑猥に聞こえるんですけど」

入江「……分かりました、ですが私もあなた達に同行します…よろしいですね?」

銀時「ワリーな、無茶を言っちまって」

入江「詩音さんも一緒ですからね…詩音さんには彼に会う権利がありますから……」

---
入江診療所、地下

入江「着きました…悟史君はこの部屋の中です」

詩音「あの…銀さん、でも何で急に悟史君の所に……?」

銀時「少し…詳しい話を聞かしてもらおうと思ってな……」

銀時「沙都子が何で一人で耐えてんのか…何でテメーは沙都子を守ろうとしてんのか…」

銀時「この際…はっきり聞いておこうと思ってよ」

詩音「………」

詩音「……約束、だからです」

銀時「約束……?」

詩音「悟史君が眠っちゃう前に……私は約束したんです!沙都子を守るって!」

詩音「私は…私はあの時の約束を破りたくないんです!例えどんなことがあっても!」

銀時「………」

詩音「そのためだったら…私は何だってやるつもりです、銀さんには止められたけど…」

詩音「でも…本当に緊急の事態になったら私は…私は……!」

入江「詩音さん……」

詩音「分かってよ銀さん…心のある人間なら…私みたい思うのは当然でしょ?」

銀時「………」

銀時「…馬鹿言ってんじゃねーよ」

詩音「え……?」

銀時「テメーは言ってることとやってること…全部ズレてるじゃねーか」

詩音「わ…私の何が間違ってるって……!」

銀時「………」

銀時「自分を犠牲にして誰かを守るってのは確かにすげーことかもしれねェ…」

銀時「美しいとか褒め称えられる輩もいるかもしれねーよ…けどな」

銀時「自己犠牲と自己満足は常に背中合わせってことは覚えとけ」

詩音「!」

銀時「テメーは自分が犠牲になって沙都子が助かったら…一時的に気が晴れるかもしれねぇ」

銀時「ただ…その後の落とし前はどうすんだ?」

詩音「後……?」

銀時「テメーなら分かんだろ…その方法で助けられた沙都子がどんな気持ちになるか…」

銀時「テメーのダチ公がどう思うか…どんな顔で毎日を過ごすことになんのか…」

詩音「………」

詩音「でも…たとえ笑ってなくても沙都子が救われるなら…」

銀時「体が元気なら心は死んでても構わねーってのか?」

詩音「わ、私はそんなことを言ってるわけじゃ…言ってる…わけじゃ……」

銀時「『守る』ってのは…テメーが思ってるほど簡単じゃねェ」

銀時「テメーが守らなきゃならねーのは何だ?沙都子の『命』なのか?」

銀時「『沙都子を守る』…そいつがどんな意味か…てめーでもう一度考えろ……」

詩音「………」

詩音「ねえ悟史君…私…間違ってたのかな……?」

悟史「………」

詩音「沙都子を助けようとしてた…悟史君との約束を守ろうと必死になってた…」

詩音「でも…本当は全然違ってたのかもしれない…覚悟もないくせに虚勢を張って…」

詩音「……ごめん悟史君、本当にごめん…私…全然分かってなかったんだ」

詩音「悟史君の言った『沙都子を頼む』って言葉の意味を…私は勘違いしてた…」

悟史「………」

入江「……詩音さん、もういいでしょう」

詩音「……?」

入江「何があったのかは知りません…しかし、詩音さんの想いは悟史君に伝わりましたよ」

詩音「………」

入江「私も…彼を目覚めさせるために全力を尽くします…ですからそれまで…」

詩音「…はい、悟史君が目覚めるまで私が沙都子を…本当の意味で守ります!」

銀時「…面倒かけて悪かったな、イルカ先生」

入江「いえ…私に協力出来ることがあれば何時でも言ってください…」

---
帰り道

詩音「………」

銀時「………」

銀時(き、気まずい…何か場を盛り上げるあれはねーのか!?)

詩音「銀さん」

銀時「ぴ…」

銀時・詩音「ピカチュウ!」

銀時(よ、読まれたァァ!?ピカチュウ先読みされたァァァ!?)

詩音「あはは!言うと思いました!本当に前と変わらないですね…」

銀時「は……?」

詩音「…これで二回目だね、銀さん」

銀時「………?」

詩音「悟史君に会った後にこうやって二人で帰るのは…鬼隠し以来だったよね?」

銀時「!」

銀時「お前…まさか……?」

詩音「……思い出したんです、鬼隠しの時も銀さんが悟史君に会わせてくれたこと」

詩音「大石さんと園崎との間を取り持ったこと…みんなで梨花ちゃまを守ったこと…」

詩音「そして…その後で突然銀さんが消えちゃったことも……」

詩音「全部ちゃんと…思い出したんです……!」

銀時「……泣くな馬鹿、何つーか俺が気ぃ使っちまうだろ」

詩音「銀さん…また会えて本当に嬉しいですよ!」

銀時「おーおー、今の今まで忘れてたくせによく言うじゃねーか」

詩音「それが…変なんです、私…銀さんを忘れたことは1日だってありませんでした」

詩音「嘘じゃないですよ?なのに…銀さんが来た日を境に今までの記憶が……」

銀時「なくなっちまってたってのか?」

詩音「ええ…多分、お姉たちも私と同じ状況で銀さんのことを忘れてるんだと思います」

銀時「……やれやれ、まーた面倒なことになってんだなオイ」

詩音「正直…もっと銀さんのことを聞きたいです、でも今はそれどころじゃない……」

詩音「時間が出来た時…ゆっくり話を聞かせてくださいね?」

銀時「俺の話なんざ聞いたってつまんねーだけだぞ、ろくな事してねーし」

銀時「お天気戦争とかスタンド温泉の手伝いとか無人島でかめはめ波の練習したくれー…」

詩音「何ですかそれ、色々な意味でワクワクするんですけど?」

銀時「まーあれだ、今は沙都子を助けることだけを考えとけ」

詩音「……そうですね」

今日はここまでで勘弁してください…50や100どころかほとんど進みませんでした
次からはもうちょいマシなテンポになりますから…

銀八「最近暑いからってクーラーつけっぱなしで寝るんじゃねーぞ、風邪引くから」

銀八「やべーよ、書いたの見直してたらとんでもねー矛盾出てきちゃったよコレ」

再開します

銀時「あ、そういやお前、梨花の奴ってどこに住んでんのか分かるか?」

詩音「梨花ちゃまですか?ええ、分かりますけど……案内しましょうか?」

銀時「いや…場所教えてくれるだけでいいわ、お前はもう家に帰っとけ」

詩音「まあいいですけど…ひょっとしてアレですか?まさか逢い引…」

銀時「ないから、俺ァロリコンじゃねーしババア趣味もねーからダブルで有り得ねーから」

詩音「よ…よく分からないけど分かりました」

---
梨花宅

銀時「よう」

梨花「銀時……?」

銀時「魅音の奴から連絡は来たか?」

梨花「ええ…ついさっき、今日の夜に魅音の家に集まるようにと電話が来たわ」

梨花「まさかこんなに早く手回ししてくれるなんて…魅音には感謝しなきゃね」

銀時「ああ…その前に言っておきてーことがあってな」

梨花「………?」

矛盾?鬼隠し解決してるのに、悟史のこと詩音が知らなかったこと?

---

銀時「……とまあ、そういうわけだ」

梨花「詩音の記憶が…戻った?」

銀時「俺にもよくは分からねーが…どうも妙なことになっちまってるらしいな」

梨花「銀時が再びやって来た途端に前の記憶を失うなんて…どういうわけかしら?」

銀時「んなもん俺が一番聞きてーわ」

梨花「………」

羽入『銀時はこの世界の人間じゃない…それが関係しているのかもしれないのです』

銀時「あ、お前すっかり空気になってほとんど出てなかった…えーっと…オモシロ様?」

羽入『オヤシロ様!』

梨花「でも…確かに空気になって存在価値が薄れてた羽入の言う通りかもしれないわ」

羽入『あうあう…梨花まで…苛めないでほしいのですよ…』

梨花「銀時…あなたはこの世界にとってはイレギュラーな存在だから……」

銀時「なるほど…羽生のくせにやるじゃねーか」

羽入『あう…それでは将棋の名人さんなのですよ』

梨花「とにかく…みんなの失われた記憶があなたにとっての鍵なのかもしれないわね…」

羽入『非道いのですよ!二人して僕をのけ者して…きらい!きらいなのです!』

梨花「拗ねないでよ…フフ、本当にアンタといると飽きないわね」

銀時「………」

銀時(俺が元の世界に戻るにゃ…アイツらに俺のことを思い出させなきゃならねーのか)

梨花「さて…そろそろ行きましょうか」

銀時「は?どこにいくって?」

梨花「あなた…園崎家に決まってるでしょ」

銀時「あー…行ってらっしゃーい」

梨花「叩くわよ?」

銀時「へっ…そう簡単に殴られるほど俺も弱かねーよ」

梨花「そう…じゃあレナに『みー、銀時が苛めるのですよー』って泣きつこうかしら」

銀時「待ってそれ下手したら死ぬから、いや上手くしても死ぬけど」

梨花「じゃあ…行くわよ?」

銀時「へいへい…」

羽入『梨花…恐ろしい子…!』

---
道中

銀時(説得っつってもよー…一体どっから説明すりゃいいんだ?)

子供A「くそー、このままじゃ勝てない!」

子供B「地球は私の物だー!」

子供A「変身!ピカーン!」

銀時「………」

梨花「フフ…子ども達が道端でやるヒーローごっこってのどかで良いわね……」

銀時「いやテメーもガキだろうが……」

銀時(あ、待てよ…これ……)

---
魅音宅、玄関前

レナ「あ、銀さんと梨花ちゃんも来たね!」

圭一「これで全員揃ったな……」

詩音「何だか私…ゾクゾクして来ちゃいましたよ、まさかあの鬼婆を相手にするなんて」

銀時「そんな大袈裟な話じゃねーだろ、ちょっと手ェ貸せって頼むだけなんだしよ」

魅音「あはは…でも、北条家絡みじゃそうもいかないんだよね……」

銀時「まあ問題はねーよ、ナイスな説得方法を用意してあっから」

圭一「本当か銀さん!期待してるぜ!」

---
夜、園崎家

茜「さて…わざわざご苦労様だね、揃って足を運んでもらって……」

茜「魅音から少し話は聞いてるけど…私たちに頼みたいことがあるんだって?」

銀時「テッペイ星人を倒すために、君たちの家の名を貸してほしい」

茜「………」

銀時「私の家の名はこの村での活動には向いていない……」

銀時「だが…君の家の名と同化することで三分間は戦う事が出来る!」

銀時「決して君の家の内情に立ち入るようなことはしない!…時間がないのだ!」

茜「………」

圭一「………」

圭一『いや銀さん!ナイスな説得方法ってこれですか!?』

銀時『いや…何か来る途中でヒーローごっこしてたガキがこんなこと言ってたから』

圭一『いやいやいやァ!こんなんで上手くいくわけないでしょ!?』

銀時『最後までやってみねーと分からねーって…確変来るかもしれねーし』

銀時「さあ…このカプセルを使って変身し」

レナ「北斗…」

銀時「……ってのは冗談ですからその振り上げた拳を下ろし…」

レナ「飛衛拳」

ゴバキッ

圭一「……良かったじゃないですか、確変のレナパンチ来ましたよ」

銀時「これ別な意味での確変だから……」バタッ

茜「……何だったんだい今のは?」

魅音「何でもない、全然気にしないで良いから」

梨花「銀色の巨人ヒーローが地球を守るため人と一体化しようとしただけなのですよ」

茜「……それで、何だったけ?」

圭一「話っていうのは他でもない…俺たちの仲間の北条沙都子のことだ」

圭一「アイツは今、叔父に酷い目に遭わされてる…俺たちはアイツを助けたい!」

圭一「そのために…アンタ達の力を貸してほしいんだ!」

茜「………」

茜「ソイツは何かい、園崎に北条鉄平を抹殺しろと言っているのかい?」

圭一「違う…アンタ達は何もしなくていい」

茜「…話が見えないね、私たちの力を借りたいくせに何もしなくていい?」

銀時「そっからは俺が説明しとくぜ」

圭一「銀さん!もう平気なんですか?」

銀時「毎回あんだけぶっ叩かれりゃさすがに慣れるわ」

茜「アンタ…見ない顔だね、アンタが魅音の言っていた新任教師かい?」

銀時「坂田銀時だ…」

茜「……それで、結局の所…アンタ達は何がやりたいんだい?」

銀時「ちょっとばっか小細工をな……」

茜「………?」

---

銀時「……とまあ、こういうわけだ」

茜「なるほどね…それで名前を使うから園崎に前もって断りを入れておこうと?」

銀時「後から混ぜっかえされんのも面倒だしな…で、どうなんだ?」

茜「…だそうだけど、どうします?お母さん」

お魎「どうするもこうするもあるかい…どんな重要な話しかと思えば……」

銀時(出たよ、この何言ってるか聞き取れねー頑固頭ババア)

お魎「何であの北条のクソガキを助けるんに園崎の名ぁ貸さにゃいけん」

お魎「第一…ちょっとやそっとやられたくらいで死ぬわけじゃなぎゃぁ」

銀時「………」

お魎「最近の若いのは我慢も礼儀も知らんのかい…あんじょうすったらん」

銀時「さっきから聞いてりゃテメー……」

魅音『待って銀さん!ここは耐えて、いきなり喧嘩腰にならないで!』

銀時『……わーったよ、礼儀正しくいきゃいいんだな?』

魅音『そう、冷静にね……』

銀時「すいまっせーん、ちょっと言わせてもらってもいいですかー?」

魅音(銀さん…その調子で丁寧に……!)

お魎「何ね…まったく最近の奴は…ほんましゃったらん」

銀時「あれだ…まず沙都子は何かこう…ああ見えて実は打たれ弱い奴でしてー」

銀時「テメーみたいに無駄に生命力のあるババアとは違ってすげぇ繊細なんですぅー」

銀時「ですからー、沙都子が危ねーんだから手ェ貸しやがれこのクソババア、ってわけだ」

魅音「………」

詩音(どの辺が冷静正しかったのかさっぱり分からなかったんですけど……)

銀八「えー、今日はこの辺で止めなきゃならなくなっちまいました」

銀八「さっきも言ったんですが書きためてる分にどうしようもねーミスがありまして…」

銀八「そこ全部とっ替えなきゃならねー事態に陥りました…いやーミスったなオイ」

銀八「つーわけで毎度すんませんね、こんなグダグダな調子で」

銀八「あと>>240で指摘されてたことは…ちょっとこっちの表現不足ですね、はい」

銀八「詩音は入江診療所の地下に悟史が眠ってることは知ってましたが…」

銀八「絶対安静ってことで立ち入り禁止令を喰らってたみてーな感じでして…」

銀八「それを銀さんが説得して悟史に会わせてもらった…的な流れですね」

情景描写省きすぎました…分からない点や疑問があればまた説明します

銀八「最近のポケモンは明らかに難しすぎるよな、タマゴから個体値厳選?何それ?」

銀八「つか、冷静に考えたらタマゴを生まされてるポケモン…超可哀想じゃね?」

銀八「アホみてえにタマゴ生まされてんのにほとんど使われねーんだろ?」

銀八「もうアレだ、イーブイ保護活動とかを推進したほうがいくね?」

再開します

茜「それだけの啖呵を切れる度胸は認めるけどね…アンタ、礼儀を知らないのかい?」

銀時「人様の命が掛かってる時にうだうだ言うババアに対して尽くす礼なんざねーよ」

銀時「それとも何だ…礼を尽くして頭下げりゃ文句はねーってのか?」

圭一「頭を下げて話がつくなら…俺は下げます!どうか沙都子を見捨てないでくれ!」

レナ「私も圭一君と同じ気持ちです…お願いします!」

詩音「私からもお願いします…沙都子は私にとっては…大切な家族も同然なんです!」

魅音「お母さん…ばっちゃ…私からもお願い、力を貸して……!」

お魎「………」

お魎「……認めるわけにゃいけんね、だぁほま」

圭一「そんな…待ってくれ!」

茜「どうやら今日はここまでだね…お引き取り願おうかい?」

圭一「頼む…もう少し話を……!」

茜「くどいよ!わざわざこっちは話し合いの場まで設けた…話も聞いてやった…」

茜「多少…いや大分だね、礼がなくても目を瞑った……最大限の譲歩だよ」

茜「これでダメなら…無理にでも帰ってもらうよ」

圭一「!」

魅音「け、圭ちゃん…もう今日は諦めよう!」

圭一「け、けど!」

魅音『これ以上は本当にマズいよ…爆発したお母さんがどれだけ怖いか……!』

圭一「くっ……」

銀時「………」

銀時「……じゃ、テメーら先に帰ってろ」

魅音「ぎ、銀さん…?」

茜「……分からない男だね、もう話は終わったって言ってるだろう?」

銀時「ああ…口先でのやりとりはもう終わりだ、こっからはコイツで話をしようや」

茜「木刀?アンタまさか……!」

詩音「ちょ…ぎ、銀さん!?」

茜「アンタ正気かい?本気にそんなこと…極道の屋敷で大立ち回りするつもりなのかい?」

銀時「俺だってんなこたァしたかねーよ…けどな……」

銀時「目の前の護れるモンを護らねーで後悔するような真似は御免こうむらァ」

お魎「………」

お魎「若僧のくせによう言わんね…こんの礼儀知らずのだぁほまが…」ムクッ

銀時「何だよババア…立てんのか、てっきり寝たきりのクララちゃんかと思ったぜ」

お魎「このあんじょうすったらん…後悔しても知らんね…」

圭一「ふ、布団の中に日本刀!?」

銀時「しかも真剣じゃねーか、そんだけ年食って刀振れるとは…見直したぜババア」

魅音「や、止めてよばっちゃ!銀さんも謝って!」

茜「無駄だよ……大婆様はもうポン刀を抜いた…今更止まりやしない」

レナ「ま、待って銀さん!そんな危ないこと…!」

圭一「そ、そうだ先生!下手したら怪我じゃ済みませんよ!?」

銀時「……怪我じゃ済まねーとよ、止めんなら今の内だぜ…ババア」

お魎「若僧に心配されるほど年は食ってなぁね…」

銀時「ったく…どーして俺の周りにいるババアは総じてしぶといのかね」

お魎「ほんによう抜かさんね…若僧がぁぁ!」

銀時「!」

ブンッ!

魅音「………?」

詩音「どっちも…寸止め……?」

お魎「若僧…なんして刀を止めた……」

銀時「よく言うぜ…テメーこそ俺を斬るつもりなんざまるでなかったじゃねーか」

銀時「それに…俺ァババアを痛めつけるような趣味はねーんだよ」

お魎「………」

お魎「気ぃが抜けた…茜、こんガキ共を帰らせ」

銀時「オイ待てよババア、結局のところ返事はどうなんだ?」

お魎「………好きにせんね」

梨花「!」

茜「というわけだそうだから…これでアンタ達も帰れるだろう?」

---
魅音宅、玄関前

銀時「いやー実に平和的に解決したな、うん」

圭一「いや先生、得物振り回しての交渉に平和の要素が見当たらないんですけど」

銀時「世の中にゃ色んな平和の形ってのがあるんだよ、多分」

銀時「さっきのはアレだよ、よくベタなマンガとかであるライバル同士が戦った後の…」

『なかなかやるな!』

『お前こそ!』

銀時「みてーな流れだったんだよ、多分」

圭一「………」

詩音「でも…銀さん大活躍ですよ!」

梨花「みー、それは同感なのです」

詩音「鬼婆さんの許可も出たし…これで銀時先生の作戦も使えます!」

圭一「ああ、銀さんがここまでやってくれたんだ!必ず沙都子を救い出してやる!」

魅音「ここからはおじさんも手加減しない…沙都子を助けるためには何だってやるよ…!」

レナ「うん、ここからはいよいよ本腰を入れていかなきゃね!」

銀時「何だお前、発情期か?」

レナ「……?」

魅音「は、発情…期……?」

銀時「本腰入れるっつーのはあれだ、遊女が男を布団に誘うときの文句…」

レナ「先生」

銀時「……って知り合いのクナイ投げてくる吉原の女が言ってまし」

レナ「謝っても絶対許してあげない」

パパァン!!

一同「ッッッ!?」

居合いにも似た一瞬の間、完全に脱力された状態から放たれた少女の一撃…

それは坂田銀時の顎を確実に捕らえ、瞬間に極小の振動を脳に与え…

典型的な脳震盪を引き起こし…瞬く間に意識を連れ去ることとなる

さらに追撃として放たれた左拳は倒れゆく胴体の中心に命中…

刹那、彼の体は地球の重力に逆らい高く浮かび上がることとなる

それらの攻撃は容易く一人の人間を遠い世界へと誘い……全てを終わらせたッッ!

竜宮レナが拳を放ち、坂田銀時が意識を失い宙を舞うまで…

その間…実に一秒ッッッ!!

その時の様子をその場に居合わせた目撃者の前原圭一氏は後にこう語る

『飛んだ……』と…

圭一「ホント一瞬でした…多分…左ですかね……」

圭一「え?何故その場にいたのに『多分』なんて曖昧な表現を使うのかって?」

圭一「……見えなかったんですよ…目をつぶっていたわけじゃありません」

圭一「ええ、技を掛けたのが俺の友達で…可愛いもの好きの小柄な女の子です……」

圭一「その子の一撃で…たった一撃だけで…宙を舞ったんです、大人の男がね……」

圭一「信じられないでしょ?ええ…分かります、でもね?この目で見ちゃったんですよ…」

圭一「人類の飛行を実現させるために必死で研究したライト兄弟には申し訳ないですが…」

圭一「その時…俺は自然とこんなことを思ったんです……」

圭一「ああ…人ってこんな簡単に『飛べる』んだって……」

銀時「………」チーン

圭一「ぎ、銀さんんんんん!?」

詩音「きゃああ!?ちょ、ちょっと銀さん!しっかりしてください!」

魅音「いや…でも今のは先生が悪い……」

梨花「せっかく上げた株を一瞬で下げる辺りはさすがなのですよ、にぱー」

レナ「は、はうぅ……ま、またやっちゃった…」

茜「おやおや…これは何の騒ぎだい?」

魅音「お、お母さん!」

茜「何だい……アンタらの先生さん、気絶してるじゃないか」

梨花「軽い脳震盪なのですよ、にぱー」

圭一「梨花ちゃん…脳震盪にしてもかなり酷いレベルだと思うぞ」

茜「何があったかは知らないけど…大婆様と大立ち回りをした男が情けないねぇ」

詩音「大立ち回り?…あれはどっちも寸止めだったんじゃ……?」

茜「寸止めも何も…ポン刀抜いた園崎お魎とサシでやり合ったことに変わりはないさね」

茜「なら…寸止めって言うよりも大立ち回りしたって言ったほうが格好がつくだろう?」

茜「園崎の建前を考えて…そういうことになったから」

圭一「ははは、それじゃ何か銀さんが凄い英雄みたいだな」

茜「あら、アンタたちもだよ?」

圭一「へ?」

茜「たった一人が大暴れしてお魎に納得させたってのも如何なものかと思うだろう?」

茜「つまり…教師を先頭にアンタらも大暴れしたってことになったから」

圭一「そ…それじゃ…」

梨花「村の人たちは僕たちを見るたびにがたがたぶるぶるにゃーにゃーなのです」

圭一「……だよな、はは…あんまり笑えないな、それ」

茜「もう一つ…園崎はアンタらに全面的に協力することになったからね」

レナ「そ、それって……?」

茜「名前を貸すだけじゃない…必要とあらばいつでも手を貸すってことさ」

魅音「ば、ばっちゃがそこまで言ってくれたの!?北条家絡みなのに……」

茜「大婆様も口にしてるほど北条家を恨んじゃいないんだよ…ケジメは着いてるからね」

茜「ここらで過去を清算しておかなきゃ…いつまでも引きずっちまうことになりかねない」

詩音「鬼婆さんのくせに…そんなことまで考えてたんですか?」

茜「フフ…内心は北条家を許すきっかけを作ったアンタらに感謝してるはずだよ」

魅音「へ、へぇー…あの婆っちゃがねぇ…」

茜「にしても…ずいぶんとまた良い男が先生になってくれたじゃないか」

茜「教え子一人救うために園崎家に乗り込んでくるなんて…普通は出来ないさね」

魅音「………」

茜「先生が目を覚ましたら…後で一杯やろうおばさんが誘ってたって伝えとくれよ」

魅音「………!」

魅音(まただ…何だろう、この既視感…前にも銀さんが園崎に来て何かしたような…)

---
某所

圭一「これで準備は揃ったな……」

詩音「でも…本当に上手くいきますかね…今更ながら不安ですよ」

梨花「詩ぃ…銀時の策を信じるしかないのですよ」

レナ「あれ…その銀さんは?」

圭一「え?」

魅音「まさか…気絶したまんまほったらかしなんてわけじゃ……」

---
園崎家

銀時「………」チーン

銀八「すいまっせーん、書きためはまだ残ってんですけど今日はここまでで…」

銀八「眠ーし腹痛いしで色々と苦しんでます、マジで」

銀八「こんなゆっくりなペースで大丈夫なのかオイ……いい加減怒られんじゃねーの?」

毎度まいどすいません

銀八「こっから話がややこしくなるかもしれないんで分からない時は聞くようにー」

再開します

---
翌日、学校

銀時「えー…じゃあ出席を取りまーす……」

富田「どうかしたんですか先生、元気ありませんね?」

銀時「いや別に?どっかの誰かさん達が?殴ってそのまま放置しやがった、みてーな?」

銀時「そこそこ頑張った人を殴り倒して放置とかさ、もう何なのって感じだよね」

銀時「いやまあ別に誰とは言わないけど?そういうことする奴がいるって先生残念だなー」

圭一「………」

魅音(あーあ…怒ってる怒ってる…まあ当たり前だけど)

レナ(今回は何にも言えないかな…かな…)

ガラッ

沙都子「………」

梨花「沙都子!」

銀時「……よう、ギリギリ遅刻は回避だな」

沙都子「ご、ご心配をおかけしましたわね…私ならこの通り…大丈夫ですのよ?」

梨花「沙都子……!」

梨花(大丈夫なわけないじゃない…たった1日で…こんなに……!)

梨花(待ってて…あなたは…私たちが必ず助けるから!)

銀時「………」

銀時(よし…沙都子が登校してきたことで第一関門は抜けた……か)

---
同時刻、北条宅前

詩音「………」

詩音(上手くやらなきゃ…ここで失敗は出来ない!)

ピンポーン

鉄平「誰じゃ!沙都子ならおらんね!!」

詩音「初めまして…北条鉄平さん」

鉄平「あん?何じゃいお前……」

詩音「私…北条沙都子の保護者をしている志村妙と言います…こんにちは」

鉄平「志村ぁ?知らんね、第一沙都子の保護者はワシじゃ!」

詩音「あれだけ沙都子を虐めてるあなたが保護者ですって?笑わせないで」

鉄平「な…何を……!」

詩音「都合の良いときだけ保護者面するあなたみたいな人を見ると虫ずが走る!」

鉄平「黙らんかい!女だろうとそれ以上言えば…」

詩音「何ですか…腰抜けのアンタに何か出来るって言うんですか?」

鉄平「!」

バキッ!

詩音「うあっ……」

鉄平「さっさと帰れ!じゃないとこの次は刃物の痛みを知ってもらうことになんね…!」

詩音「………!」ダッ

鉄平「女のくせに生意気な…!」

---
同日、学校-放課後

沙都子「では…私はお先に失礼させていただきますわ」

銀時「ちょーっと待てや沙都子、も少し学校に残ってけ」

沙都子「申し訳ございませんが…もう私は帰らなければ……」

沙都子「それと…叔父がもう先生達は家に来ないようにと……」

銀時「いやいや…そうもいかねーんだわ」

沙都子「………?」

銀時「沙都子…テメーにゃたった今から鬼隠しにあってもらうぜ」

沙都子「え……?」

---
同日-夜、北条宅

鉄平「遅い!沙都子のヤツ何をやっとるんじゃ!」

鉄平「まさか…あのしつこい白髪頭の教師が何かしよったか!?」

prrr prrr

銀時『へいまいど、こちらクソレストラン…ご予約で?』

鉄平「ふざけるな!沙都子がまだ帰らんぞ!沙都子に代わらんかい!」

銀時『何だよオイ…豚ゴリラか、沙都子ならいねーぞ?』

鉄平「そんなわけあるかい!さっさと……」

銀時『いや……オイ、マジでこっちにゃいねーぞ』

鉄平「………」

銀時『アイツならとっくに帰ったぜ…早く帰るように言われてるとか言ってな』

鉄平「なっ…なんじゃと……」

銀時『…オイ、これやべーんじゃねーのか?』

鉄平「………!」

ガチャ!

鉄平(学校におらん…?ならどこに……)

prrr prrr

鉄平「誰じゃ?」

銀時『あ、ついでだからTSUTAYAにタイタニックのDVD返しとい』

ガチャ

鉄平「………」

鉄平(まさか…今日来た保護者とか言うあのガキが……!)

prrr prrr

鉄平「おどれ!いい加減にせいよ!」

『北条鉄平氏ですね…?』

鉄平「ああん?誰じゃお前……」

魅音『初めまして…園崎家次期頭首、園崎魅音と申します』

鉄平「そ、園崎…頭首…?」

魅音『さて、前置きは飛ばし本題に移らせていただきます…』

鉄平「ほ、本題……?」

魅音『聞くところによれば…あなたは私の大切な妹に危害を加えたとのことですが…』

魅音『念のために聞いておきます…それは事実ですか?』

鉄平「し、知らんね!ワシが園崎に手ェ出すはずが……」

魅音『妹は…本日、あなたと口論になった末に殴打されたと言っています』

鉄平「………!」

魅音『心当たりがあるようですね?』

鉄平「あ、あのガキは園崎なんて名じゃ…」

魅音『我々は常日頃から園崎の名を語り散らすわけではありません』

鉄平「ぎ…偽名……?」

魅音『さて…頭首代行である私の妹に危害を加えたことに相違はありませんね?』

鉄平「だ、第一あれはあんガキが……」

魅音『言い訳は結構…園崎はあなたの行為を園崎本家に攻撃をしたものと見なします』

鉄平「!?」

鉄平「ま、待たんかい…!」

魅音『どうされましたか、この期に及んでまだ何か言い足りないのですか?』

鉄平「第一…お前が園崎本家の代行である証拠がないけんね!」

魅音『………』

鉄平「それに…たった一人が少し殴られたくらいで極道の一家そのものが動くかい!」

鉄平「おどれ!よくもそげな嘘を言えんの!」

魅音『……鬼隠し、というものをご存知ですか?』

鉄平「鬼隠し……?」

魅音『毎年…綿流しの晩に一人が死に…一人が行方不明になる騒動を指します』

鉄平「綿流し?綿流しならもうとっくに終わっ…」

魅音『ええ…ですが、今年の綿流しでは誰もいなくならなかったのです……』

魅音『その時点では園崎に敵対する人間が一人もいませんでしたからね…』

鉄平「ま、まさか…その鬼隠しっちゅうのをやっとるんは……!」

魅音『さあ…どうでしょうね……』

鉄平「!」

鉄平(一人が死んで一人が行方不明…ま、まさか…沙都子の奴が消えたんは……!)

魅音『とにかく…毎年起こっていた鬼隠しが今年はまだ起きていない……』

魅音『ゆめゆめお忘れなきよう…今年はまだ…鬼隠しが起きる可能性があることを』

鉄平「………」

魅音『ああ…一つ言い忘れていました、あなたは先ほど私にこう問いましたね』

魅音『一人がやられたくらいで……と』

鉄平「!」

魅音『雛見沢を離れていたあなたにお教えしておきましょう…この雛見沢の精神を』

一人に石を投げられてたら二人で石を投げ返せ、二人で石を投げられたら 四人で石を
八人に棒で追われたら、十六人で追い返せ、そして千人が敵ならば村全てで立ち向かえ
一人が受けた虐めは全員が受けたものと思え、一人の村人のために全員が結束せよ
それこそが盤石な死守同盟の結束なり
同盟の結束は岩よりも硬く、水を通さないダムすら通さない

魅音『そして我々は…この伝統を持つ雛見沢を統べる御三家…園崎』

魅音『問いの解答は…これで納得していただけましたか?』

鉄平「………っ!!」

ガチャ

鉄平「はぁ…はぁ……」

---
魅音宅

圭一「み、魅音…どうだった?」

魅音「あはは!電話越しからでも伝わるくらいビクビクしてたね」

梨花「魅ぃの迫真の演技のおかげなのです」

魅音「そ、そうかな……?」

圭一「ああ、ドスが効いてて演技だって分かっててもすっげぇ怖かったぞ」

詩音「さっすがお姉、黒い演技はお手のもの!ひょっとして素なんじゃないですか?」

魅音「し、詩音!アンタ何てこと言うのさ!」

レナ「アハハ、でもレナも怖かったかな?かな?」

圭一「え?レナ、お前にも怖いものなんてあったんだ?」

レナ「………」

圭一「あ」

レナ「ねえ圭一君…それ、どういう意味なのかな?かな?」

圭一「いや…その…何て言うか……」

レナ「………」

グニャア~

圭一「」

圭一(な、何かレナを中心に空間が歪んで見えだしたァァァ!何あのオーラ!?)

詩音(加えて…あの無言の微笑みが何とも……)ブルブル

魅音(おじさんよりレナのがずっと怖いよ…)

梨花(バカね圭一…自ら地雷を踏みに行くなんて……)

銀時「ようテメーら、上手いこといったか?」

梨花「銀時!」

銀時「こっちはとりあえず上手いこと……」

レナ「………」

圭一「………」

魅音「………」

詩音「………」

銀時「………」

銀時(え?ちょ…え?待って、何なのこの空気?何この修羅場みたいな感じ?)

レナ「先生…来たんだ、早かったね?」

銀時「あ…ああ……」

レナ「ちょうどいいね…先生、ちょっと座って話を聞いてくれないかな?かな?」

銀時「い、いやー…あの、うん、僕ァちょっと外に行ってますわ」

レナ「座って」

銀時「いやいやいや…こういうのはお若い方だけでね……」

レナ「座って」

銀時「いや、ですから……」

レナ「座れ」

銀時「はい」

銀時『オイィィィ!何だこれ!?何がどうしてこんなことになってんだァァァァ!?』

圭一『す、すいません銀さん!俺が余計なこと言ったせいです!』

銀時『お前馬鹿かァァ!コイツが怒ったどうなるか知ってんだろ!!』

圭一『いやマジですいません!だってほんの軽い気持ちだったから!』

銀時『どうすんだコレェェェ!何がきっかけでスイッチが入るか分かんねーぞ!?』

銀時『これアレだよ、地雷原のド真ん中でスキップしてるみてーなモンだよ!?』

レナ「ねえ先生」

銀時「ん……?」

レナ「レナの怖い物って…何だと思う?」

銀時「………」

銀時(ど…どどどどうすりゃいいんだこれ?これ何て答えりゃ正解なんだ!?)

銀時(待て、考えるんだ……コイツが一番怖いもの?んなもん知らねーよ!)

銀時「……ちょっとよく分かんないです、はい」

レナ「ふーん…分からないんだ……」

銀時「いや…うん、これはマジで分かんないっすね、はい」

レナ「どうしてかな?かな?」

銀時「いや…普通の人間が怖いモンでもレナは怖くないだろうと思いまして…」

レナ「それって…レナが人間じゃないっていう意味なのかな?」

銀時「そーそー!………あっ!!」

レナ「………」

レナ「エフッ…エフッ……」

銀時「え…何その笑い方……ちょ、待って!一旦落ち着い」

ゴバキッッッ!!!!

銀時「………」

圭一「銀さんんんんんん!?」

魅音「ちょ…こ、これ…死んだんじゃ……?」

詩音「お姉!ぼやっとしてないで!!」

レナ「………」

レナ(レナ…いないほうがいいのかな、何か最近酷いことしてばっかり……)

羽入『あうあうあうあう!銀時!大丈夫なのですか!?』

梨花(大丈夫よ…生命力は無駄にあるから)

羽入『いや梨花…そういう問題では……』

沙都子「………」

沙都子「あの…みなさん……」

梨花「………?」

沙都子「私…本当にもう帰らないといけませんわ…でないと…お、怒られて……」

梨花「大丈夫…大丈夫なのです!沙都子は心配しなくていいのですよ…」

沙都子「みなさん…私のために何かなさってくれているようですが…心配いりませんわ」

梨花「沙都子……」

沙都子「わ、私は一人でもやれるんですのよ!一人でも……」

詩音「ダメよ、沙都子」

沙都子「し…詩音…さん?」

詩音「あなたはとても強い子…それは分かってる、でもね?」

詩音「仲間に頼るって…そんなにいけないこと?」

沙都子「私は…一人でもやっていけるようにならないと…にーにーに頼らないでも…」

詩音「違うわ沙都子…悟史君はそんなの望んでない!」

沙都子「………?」

詩音「悟史君が願っていたのは…沙都子、あなたがいつも笑顔でいられること」

詩音「今の沙都子の顔を見たら…悟史君、きっと悲しむと思う」

銀時「言うようになったじゃねーか、詩音」

圭一「銀さん!怪我は大丈夫なのか!?」

レナ「あの…先生、ホントにごめんね?」

銀時「心配ねーよ、何つーかいい加減に慣れてきたわ」

詩音「私は…銀さんに気づかされたからね…」

銀時「……沙都子よ、はっきり言ってテメーはまだまだガキだ」

銀時「そのくせ…無理して一人で耐えようとしてんじゃねーよ」

沙都子「でも私は…私は一人で……」

銀時「……沙都子よォ、周りを見てみな」

沙都子「………?」

銀時「圭一にレナ、魅音…詩音…それに梨花……全員、テメーの味方だ」

沙都子「………」

銀時「兄貴のために必死になるお前を否定するつもりなんざねーが…忘れんじゃねーぞ」

銀時「コイツらは全員…テメーを笑わせるために必死になってんだ」

沙都子「!」

沙都子「わ、私を…?」

銀時「バカな野郎共だよ全く…テメー一人のためにヤクザ相手に頭下げたり…」

銀時「わざわざテメーの叔父を挑発に行ったり…よくもまあそこまでやるな、マジで」

銀時「…テメーは幸せモンだぜ沙都子、こんな馬鹿共に囲まれてな」

沙都子「………」

銀時「助けが欲しけりゃ求めりゃいい…鼻水たらしながら泣いてすがりつきゃいい…」

銀時「そうすりゃコイツら…お前一人のために軍隊の一つや二つ、平気で潰そうとするぜ」

沙都子「う…うっ……」

沙都子「………けて」

銀時「ん?」

沙都子「助…けて……」

梨花「さ、沙都子!今……!」

沙都子「助けて…私を…助けて!」

詩音「………」

銀時「聞いたなテメーら…確かに俺たちは助けを求められた……」

圭一「ああ…なら話は早い、こっからは手加減なしだ……!」

魅音「リミッター外していかなきゃね…まあ今までも外してたけど」

レナ「みんな、必ず…必ず成功させようね!」

梨花「必ず…沙都子を救いますのです!」

羽入『あう!僕も協力するのです!』

梨花(あんたはすることないでしょ)

羽入『あうあう……』

銀時「よし…やるぞテメーらァァ!」

三年Z組ー銀八先生!

銀八「はい、そこそこ盛り上がってる所ですが今日はここまでで…」

銀八「あとすんませんね、一部の人間にしか分からないようなネタを何度も使って」

銀八「こっからは自重するんで勘弁してください」

銀八「あと、ややこしくなるとか言って構えさせたわりにゃまだそうでもないな」

銀八「冷静に考えてみりゃ単純なのか……まあいいか」

   レナ→ f⌒ミ`ニキ'"三三ミミヽヽ`il))メナ彡ナシノノフイく,ノ三ノr=ヽ'
           ー=、 ゙ゝ'彡≫三≡ミ゙i`i l l lノ,r'リノッシノ彡ノノシ/F三ノニト
          ´~ゝ-ゝ<リ彡ノノ三ミミミfi l lゝi ノノノノニ彡三彡彡jノヨ'ノ巛ミ>'"二ヽ
          ^`ー三くj〃彡三≡ヾ.ゝt t )l ン"´ ゙ヽ、iミ彡ノシ人ミ三彡ニ=-

            、,:r''7ヘ又彡シ,r/'"~`゙゙゙`'二ニ:;、_,,.,.,  `゙゙ヾミミ三彡ブ>∈ニ
          ,'ニキ王彡彡彡;,fノ -=,=< l /,∠(_,.,.,、  ゙iミ彡彡三ノ∠ニ_
        、_,r=''7ヽ≡彡三彡'" '''"~,r''') `' ゙i  f‐-:,ニィ=、ヽ トミミミ三≫にニニ、ヽ

       =〃ーヽヽfrミ三f'f ,,r;;ニ彡'´ `ヽ,  ノ  ノ.'・'´ ̄  i,ミ三ヽフ<7、,.r--=、
       `ー=''"~`ヾミ》彡/'イ (:ノZニr・ゞ   i f   `"_,,二ニヽ┤ミミY人ノリへ,,.=、 楽しみすぎて
           ,,ノ-r'彡〃:┤ ,,..,.  ̄",:' ,r j t`ヽ,、_,ニニヽ`t三彡彡メ>ノ、_`''"´とても待ちきれねェよ

         ,r''>=‐ナ〃フノノ:゙i'',r'',.=‐,'".ノ(_rゝ_ノ'" ,.,..,.、_´~)  l ) )ミミ彡==、、
       `~ f 、__,>ヲr7ノF彡 i ( r=''" _,.,.,.,.,.,.,.:ィ",.,-、=、,フ   イ ノミヘ三≡,.,、 ゙ヽ
        ゞ、_彡ナ7ノシノfr(ゝ、tヽ /,r‐―一 '"_,.,.,、ノノ^iフ′ l`ヾミr十=、``ヽ、)

           '"~フフr/ノミヽソ l'  ゙i〈〈(ヽノ'ー''"^´   ~`ヲ^i ,ノ :,ヾ''ー--==:、
            ニf‐ナ''チ,r=ゝノ、  ゙い''^',,.ィrー'='ーメ/ ,' ,/′':,  i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
           ( ,r''サ;;;;;;;;;;;,ィ 、.゙ヽ、゙tヾ、ー=''"゙゙~´,ノ ,' /   :  ノ,ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\,,_
           /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/人 ':, `ヽ、 `゙゙゙゙´~´ ̄    /   ,:' /   l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙゙`'''ヽ、,,
         ,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;t ''"゙t  ゙;, `ヽ.        /  ,:'  /` /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    ,.:ィ'''"~´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ゝノ\ ゙ヽ  ヽ、    _ノ  ,'   '^,,.ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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銀八「暑いとかは風鈴の音を聞けば涼しくなるって言うけどぶっちゃけそうでもない」

再開します

沙都子「あの…一つだけ聞きたいことがこざいますの」

銀時「ん?」

沙都子「私のために何かなさってくださっているようですが…一体どんなことを?」

銀時「何だ、お前聞いてなかったのか?」

沙都子「何と言いましょうか…いきなり鬼隠しだの魅音さんのお家に匿えだので…」

圭一「ああ…かなりバタバタしてたからな」

銀時「まあ…分かりやすく説明するとだ……」

---
遡ること…>>185

銀時「鉄平の豚ゴリラを園崎の名前使って脅しを掛ける」

魅音「脅し……?」

銀時「いくら野郎が強がってようとさすがに園崎家を相手にしたらビビんだろ?」

詩音「そりゃあそうですけど…それで一体何を……?」

銀時「まず魅音か詩音…お前らのどっちかが鉄平に接触して因縁つけるきっかけを作れ」

銀時「別に鉄平に痴漢されましたーでも精神的被害を受けましたーでも何でも良い」

銀時「ただ…接触するときは園崎家ってバレねーようにしろよ」

銀時「つか、この人痴漢ですって女だけが使える一撃必殺の技だよな」

銀時「あれ食らったらもう社会的に死ぬよね、回避不可の死の呪文ザキだよね」

魅音「………」

銀時「で、こっから園崎家の名前を借りてだ…」

詩音「…その因縁の件で鉄平に脅しを掛けるってことですね?」

銀時「まーそんな所だな……」

レナ「でも…それだけじゃ沙都子ちゃんは救えないんじゃ……?」

圭一「第一…鉄平もそれくらいで園崎本家が動くなんて信じないと思うんですけど」

銀時「だろうな」

圭一「だろうなって…」

銀時「つーわけで、秘密兵器の鬼隠しを使って沙都子を消しとく」

梨花「鬼隠し……?」

銀時「この村じゃまだ鬼隠しは園崎家がやらかしてるって信じてる輩も多いんだろ?」

魅音「うん…ばっちゃならそれぐらいのことはやりかねないって思ってるよね」

銀時「で…ラッキーなことに今年はまだ鬼隠しなんぞ起こっちゃいねーわけだ」

大石「んっふっふ…前原さん達が黒幕を捕まえて止めちゃいましたからね」

銀時「だから…明日登校してきた沙都子をどっかに匿っておく」

詩音「沙都子が消えたって…鉄平に思わせるんですね?」

銀時「ファイナルアンサー?」

詩音「へ?ファ…ファイナルアンサー」

銀時「…………」

詩音「………あ、あの…やっぱり止め」

銀時「正解!」

詩音「やったぁ!お姉!私やったよ!」

魅音「………」

魅音「……詩音、落ち着いた?」

詩音「私…何であんなはしゃいでたんだろ……」

梨花「………」

レナ「でも…沙都子ちゃん、明日学校に来るのかな?かな?」

銀時「そいつァ不確定だけどよ…まあ多分顔くらいは出すんじゃねーか?」

魅音「ど、どうしてそんな予想を?」

銀時「お前どんだけ俺がしつこく鉄平の豚ゴリラの家に押し掛けたと思ってんだ?」

レナ「あっ……!」

銀時「テメーら連れて行って一回、ドアの外から歌った時で二回、当たり屋で三回…」

銀時「こんだけやっときゃアイツもうんざりしてんだろ」

銀時「で…家に押し掛けられてる理由は沙都子にあるってなりゃ……」

魅音「そうか…銀さんを大人しくさせるために一日くらい登校させようって気になる…!」

銀時「まー、あの豚ゴリラは頭悪そうだったから単純にそんなこと考えんだろ」

梨花「……!」

梨花(あのふざけているように見えた行動の全てが…この時のための……?)

圭一「でもその後…鉄平はどうするんだ?」

銀時「アレだな、多分殺されることにビビって逃げ出すか…もしくは……」

大石「国家権力である警察に連絡して守ってもらおうとするか…ですな」

圭一「そうか…でも警察には北条鉄平をマークしてる大石さんがいるから……」

大石「んっふっふ…まぁ、市民を守るのが我々の仕事ですからね」

大石「通報があれば誰であろうと当然警護はさせていただきますが…」

大石「園崎に狙われる理由を確かめるため…家の中を少ーし調べさせてもらいましょうか」

銀時「そこで危ねー妙な薬物とかポカリとか千奈美ちゃんとか出てくりゃ万々歳だな」

圭一「先生、ポカリはヤバい薬じゃありません、あと千奈美ちゃんって誰ですか」

---

銀時「……と、まあそんな感じか」

沙都子「わ…私一人のためにそこまで……?」

銀時「お前アレだ、めんどくせーことが全部終わったら後でパフェ奢れよ」

詩音「フフ…それくらいだったら私が何とかしますよ」

魅音「何にしても…全部上手くいったら、だね…」

銀時「………」

銀時(さーて…こっから野郎がどう動いてくるかだな…)

---
鉄平宅

鉄平「くそっ…どないなっとるんね!」

鉄平(さ、沙都子が帰ってこん所を見ると…この次はワシが……)

鉄平「くっ……」

prrr prrr

警官『はい、こちら……』

鉄平「園崎!園崎が何や企んどるね!」

警官『は?』

鉄平「ワシが園崎に狙われとるって言うてるんじゃ!」

警官『園崎…少々お待ちください、専門の方に繋ぎます』

鉄平「早よせんね!」

大石『はいはいどーも、お電話変わりました』

鉄平「ワシゃ園崎に狙われとる!アイツら鬼隠しとかゆう……」

大石『鬼隠し…確か今年は起こりませんでしたが……』

鉄平「それにワシが狙われとるんね!」

大石『なんと…あなたが?しかし…何故自分が狙われているとお分かりに?』

鉄平「あ、アイツらの頭首がワシに直接言ったんよ!」

大石『頭首が直接?ははは、そんな馬鹿な……』
鉄平「笑い事じゃなかね!早よワシを守らんかい!!」

大石『ふーむ…あなた、何か園崎に目を付けられるようなことをなさいました?』

鉄平「……し、知らん」

大石『そうですか…では、今からお宅にお邪魔してもよろしいでしょうか?』

鉄平「な、何で家に…」

大石『いやね、あなたが園崎に狙われてる理由が何なのか調べようと思いまして…』

鉄平「よ、余計なことはせんでええ!ワシを守って園崎を捕まえりゃええんじゃ!」

大石『あなた…家の場所も教えないで我々に守れとおっしゃるんですか?』

鉄平「そうじゃ!おどれ警察じゃろ!」

大石『………』

大石(こりゃ相当パニックになってるなぁ…全くやりやすいんだかやりにくいんだが…)

---

銀時「さーて…俺ァそろそろ行くぜ」

魅音「!」

梨花「どこにですか?」

銀時「アレだよ、今日はジャンプの発売日でな…」

圭一「こ、こんな時にジャンプって……」

銀時「ばっかオメー、こんな時だからこそのジャンプだろ」

詩音「いや…さすがにこの状況でその選択肢はないんじゃ……」

レナ「そ、そうだよ先生!今は大人しくしてたほうが……」

銀時「心配ねーよ、すぐに戻ってくっから」

魅音「……先生」

銀時「ん?」

魅音「……気をつけて」

銀時「……じゃ、ちょっと行ってくるぜ」

---
鉄平宅

鉄平「警察ならごちゃごちゃ言わんではよワシを守らんかい!」

大石『いえ…そう言われましてもですね……』

鉄平「何ね!市民を守るのがおどれらの仕事じゃないんか!」

大石『ですから…あなたが私らを家に招いてくださればすべて解決なんです』

大石『そちらの状況も分からないのにどうやって守れとおっしゃるんですか?』

鉄平「そんなん園崎をまとめて捕まえりゃええんじゃ!」

大石『………』

大石(マズいな…まさかここまで取り乱しているとは……)

大石(図体も態度もデカいくせに肝っ玉だけは小さいんだからなぁ…)

鉄平「もうええ!お前らには頼まん!」

大石『お、落ち着いてください!何も家にあげろと言っているわけではないんです!』

鉄平「黙らんかい!もう腰抜けのお前らなんぞに当てにせん!」

ガチャ

---
警察署

大石「お、オイ!もしもし!?くそ…切られた!どっちが腰抜けだ!」

大石(これで私が鉄平を押さえることは出来ない…これじゃ坂田さんの策が…)

---
prrr prrr

詩音「はい、もしもし」

大石『申し訳ない…失敗です…!』

詩音「し、失敗!?」

梨花「!」

圭一「なっ……?」

レナ「そ、そんな……」

魅音「………!」

大石『北条鉄平がまさかあそこまで心が弱いとは…私のミスです!』

大石『いや!今はそれどころじゃない、とにかく坂田さんに代わってください!』

詩音「せ、先生は今ちょうど出掛けてて…」

大石『な、何ですって……!』

魅音「詩音、電話代わって!」

詩音「お、お姉?」

魅音「大石さん!今すぐに北条鉄平の家に向かってください!」

大石『い、今からですか?しかし交渉は失敗して……』

魅音「いいから早く!でないと先生が……」

大石『!…分かりました、すぐに向かいます』

ガチャ

魅音「………」

圭一「お…おい魅音!先生って一体どういうことだ!?」

梨花「銀時に…何かあるのですか?」

詩音「ま…まさか先生が外出したのって……?」

魅音「……沙都子の家、つまりは…」

圭一「て、鉄平がいるところじゃねえか!?」

レナ「ど、どうして…」

魅音「………」

詩音「話してお姉!何か知ってるんでしょ!?」

魅音「……前に、気絶してる銀さんをほったらかしにしてた時があったでしょ?」

魅音「その後でおじさんが家に帰った時に………」

---
>>298から数十分後、魅音宅

銀時「………」

魅音「ありゃー…やっぱりまだ気絶してるか……起きてよ銀さん!」

銀時「……何だよお母さん、今日は日曜日だろ」

魅音「寝ぼけてないで…明日だよ?沙都子を助け出すのは」

銀時「つーかそんなこと言うなら何でテメーら気絶した俺を放置してた?」

魅音「えへへ…つい…」

銀時「えへへ…じゃねーよォォ!何ちょっと可愛い感じで誤魔化そうとしてんだ!!」

魅音「でも…大丈夫なのかな……」

銀時「ん?」

魅音「もし…鉄平が警察に協力を求めなかったり家に上げるのを断ったりしたら……」

銀時「………」

銀時「もし…じゃねーな……あのビビりならやりかねねーよ」

魅音「そんな…それじゃ大石に鉄平を捕まえてもらうことなんか出来ないんじゃ……」

銀時「なら…とっ捕まえるきっかけを作りゃいいだろ」

魅音「え……?」

銀時「俺ァ仕事柄、色んな輩を見てきてな…人を見る目なら少しはある」

銀時「あの豚ゴリラみてーな小者は…追ってくる奴を刺して逃げようとか考えかねねェ」

銀時「人間、追い詰められると何しでかすか分からねーからな……」

魅音「た、確かに……」

銀時「かといってテメーんとこの奴らに怪我させるわけにもいかねェ…」

銀時「なら…俺が行くしかねーだろ」

魅音「せ、先生が…?」

銀時「追っ手と勘違いして襲ってきた野郎を俺が組み伏せりゃ問題ねーよ」

銀時「鉄平のヤツも傷害未遂とかそんなんで捕まるし一石二鳥じゃねーか」

魅音「そ、そんなの危ないよ!間違えたら怪我ですまないかもしれない!」

銀時「………」

銀時「……それでもだ」

魅音「……?」

銀時「体張ってでも…俺ァお前らのこと護りてーんだ」

魅音「ど、どうしてそんなに…私たち、まだ会ってから何日も……」

銀時「テメーらが俺のことを忘れてようが…俺にとっちゃテメーらは仲間だからな」

魅音「仲…間………?」

魅音「…………」

魅音(そうだ…私、何言ってるんだろ…銀さんはずっと前から銀さんで……)

魅音(一緒に…命懸けで鬼隠しを止めた…おじさんの大切な……!)

魅音「そうだよ…銀さんはずっと…おじさんの大切な仲間だったんだ……」

眠くなってしまいました…すみません、明日の昼くらいにまた再開します

最終的に音を置き去りにする

レナ 13歳 冬

己の肉体と妄想に限界を感じ
悩みに悩み抜いた結果
彼女がたどり着いた結果(さき)は

感 謝 で あ っ た

自分自身を育ててくれたかあいい物への大きな恩

自分なりにすこしでも返そうと思い立ったのが

一 日 一 万 回 感 謝 の 鉈 振 り ! !
気を整え (オットセイを)拝み 祈り 構えて 振る

一連の動作を一回こなすのに当初は1~2秒 一万回を振り終えるまでに初日は2時間以上を費やした

振り終えれば倒れる様に寝る

起きてまた振るを繰り返す日々

1年が過ぎた頃 異変に気付く

一万回を振り終えても カップ麺が出来上がっていない

齢14で完全に羽化する

感謝の鉈振り一万回 1分を切る!!

かわりに 妄想に費やす時間が増えた

山を下りた時 レナの鉈は

光 を 置 き 去 り に し た

そして宇宙は消滅した

銀八「苺牛乳のライバルにレモン牛乳ってのがあるらしい」

ペース遅くなりますが再開します

銀時「どうしたよ、何か思い出したのか?」

魅音「思い出した…思い出したよ、銀さん…ずっと会えるのを待ってた……!」

銀時「ま…色々と話してーこともあるけどよ、今はそれどころじゃねーからな」

銀時「思い出話は鉄平の野郎を何とかしてからにしようや」

魅音「うん…分かってる……!」

銀時「それとアレだ、さっきの話は他の奴らには黙っとけよ」

魅音「ど、どうして?」

銀時「アイツらは良くも悪くもお人好しだからな…無駄な心配はかけたかねーんだ」

魅音「………!」

---

魅音「……つまりは…そういうこと」

レナ「そんな……じゃあ先生は一人で北条鉄平を!?」

魅音「うん……」

詩音「お姉は何で止めなかったんですか!追い詰められた鉄平が刃物でも振り回したら!」

梨花「でも…銀時は木刀を持っていますのです、そこまで危険なことには……」

沙都子「梨花…私の家はお世辞にも広いとは言えませんわ」

梨花「み、みぃ……?」

魅音「狭い屋内じゃ木刀は使いにくい…あんまり役には立たないだろうね……」

魅音「つまり…銀さんは素手で武器を持ってる鉄平を組み伏せなきゃいけない…!」

圭一「そんな…いくら先生でも危なすぎるぞ!」

魅音「うん…危ないね……」

詩音「そこまで分かってるならどうして止めなかったの!?危ないって分かってたのに!」

魅音「私だって止めたかった…止めようとした!でも…でも……」

魅音「覚悟を決めた銀さんの目を見たら…どうしても止められなかった……!」

圭一「………」

圭一「……行こう」

魅音「……?」

圭一「俺たちも行くんだ!銀さんを追いかける!」

魅音「ま、待ちなよ圭ちゃん!銀さんは私たちが来ないようにって……」

圭一「それでも!俺たちは行かなきゃダメだ!先生が俺たちを仲間と思うのと同じように…」

詩音「私たちも先生を…仲間だと思っているから……お姉だってそうでしょう!」

魅音「………」

---
鉄平宅、室内

鉄平「くそ…一体どうなっとるじゃ……」

鉄平「まさか…もう園崎の奴らが来とるなんてことは…窓からは見え…」

葛西『………』

鉄平「あ…あれは園崎の…!な…何でワシの家の前を……」

鉄平(まさか…も、もう来おったんか!?)

鉄平「こ…殺される……殺される!」

---
北条家近辺

葛西「………」

銀時「よう…ワリーな面倒かけちまって」

葛西「いえ…茜さんからあなたには力を貸すように言いつけられていますので」

銀時「……で、どんな感じだ?」

葛西「先ほど、窓からこちらの様子を伺っているのを確認しました」

葛西「察すると…相当に動揺していたかと」

銀時「よし……ならぼちぼち行くか、お疲れマダオさん」

葛西「マダオ……?」

銀時「………違うからね、マダオってほめ言葉ですからね、うん」

葛西「いえ…まるで何度もそう呼ばれているかのような……何故か心に響きまして」

銀時(心に響いたってアレだよね、長谷川さんと若干シンクロしてるよね)

葛西「とにかく…お気をつけて……」

銀時「心配ねーよ、マダオさん」

葛西「……そんなに誉めないで下さい」

---

圭一「見えた!沙都子の家だ!」

詩音「あそこにいるのって…か…葛西!何で葛西が……」

沙都子「それより先生は…先生はどちらにいらっしゃいますの?」

圭一「まさか…もう乗り込んじまったのか?」

魅音「とにかく行ってみようよ!」

---
北条宅、玄関前

銀時「………」

銀時(よし…行くか)

ピンポーン

---

北条宅、室内
ピンポーン

鉄平「き、来おった…来おったな……!」

鉄平(こ、殺されるくらいなら…刺し違えてでも……!)

鉄平(部屋に入ってきたところで不意を突けば…やるしかなあね…やるしか!)

---

銀時「………」

銀時(反応はねーが…鍵は開いてんな……いつでも入って来いってか)

銀時「……行くか」

圭一「銀さん!」

銀時「おま…何でここに……!」

ガチャ

鉄平「うおあああぁ!」

銀時「!」

魅音「銀さん危ない!」

グサッ!

銀時「ぐっ……!」

梨花「ぎ…銀時!!」

鉄平「はぁ…はぁ…何ねおどれら、コイツの仲間か……!」

魅音「銀さん…う、嘘だよ…こんなの…!」

鉄平「誰でもええ…ワシを捕まえようとする輩は全員……」

圭一「!」

銀時「…オイ待てよ、どこに行こうってんだ?」

梨花「!」

詩音「な…何で……?」

鉄平「なっ…は、腹ぁ刺したのに…」

銀時「テメーのせいで…せっかく買ったジャンプに穴が空いたじゃねーかァァァ!」バキッ

鉄平「あぐっ!」

CCO「こいつ(オースーパージャンプ)でなぁ!!!」

鉄平「………」

銀時「あーあー…どうすんだよこれ、もう読めねーじゃねーか」

詩音「ぎ、銀さん…寿命が縮まりましたよ……」

魅音「あ、あはは…ジャンプを買いに行ったって言うのは嘘じゃなかったんだね」

銀時「当たりめーよ、銀さん嘘つかないからね?」

銀時「つーかコイツ…ガキのお前らを追っ手と間違えるとかどんだけビビってたんだオイ」

---

大石「坂田さん!アンタ何て危ないことするんですか!!」

銀時「いや違うんすよ警部殿、俺ァ普通に交渉しようとしたら野郎がいきなりですね…」

大石「あのね…アンタ死ぬところだったんですよ?よくもまあそんな呑気に……」

銀時「アレだ、人生は常に誰かを犠牲にしあう…まーある意味で殺し合いだし?」

大石「……もう良いです、あなたには何を言っても無駄でしょうから…バカが」

銀時「お前がバカか」

大石「鉄平を説得しそこなった私のミスが招いたことでもありますから…死ね」

銀時「お前が死ね」

大石「冗談はさておき…あなた、本当に危ないところだったんですよ?」

銀時「アレだ、終わりよけりゃすべて良しってわけにゃ…」

大石「本当ならいきませんが…ま、目をつぶりましょう…んっふっふ」

大石「その代わりと言ったらなんですが…今回の件はすべて私に任せて頂けませんか?」

銀時「警察が一般市民と妙な計画をやらかしてましたとは言えねーよな」

大石「なっはっは…いや、痛いところを突かれましたな」

銀時「心配すんな、俺ァそういうことは軽々しく口にしねーよ、多分」

大石「多分じゃ困るんですけどねぇ…ま、今度一杯奢らせてください」

---

圭一「銀さん、鉄平は結局…」

銀時「家宅捜索したら持ってちゃならねー薬が出てきたらしいな」

銀時「それだけじゃなく奴さん、叩けば叩くほどホコリが出て来るらしくてよ…」

銀時「恐喝、傷害未遂、他にも色々とやらかしてるみてーだな」

梨花「で、では……!」

銀時「当分は外に出られねーな、ま…出て来てもこの村に戻って来ようとは思わねーだろ」

梨花「さ、沙都子!やったのですよ!これからも僕と一緒に暮らせるのです!」

魅音「良かった…本当に良かった……!」

銀時「にしても…魅音、お前黙ってろって言ったじゃねーか」

魅音「ご、ごめん…でも……」

圭一「俺たちだって…先生の仲間だぜ?」

詩音「そうですよ…協力し合うのは当然じゃないですか」

レナ「確かに力にはなれなかったかもしれない…でもね」

沙都子「先生が先ほど私に…一人で何でも抱え込むなとおっしゃられたように……」

梨花「僕たちも…銀時にだけ何かを背負わせたくないのですよ」

魅音「……ってわけ、おじさんもみんなと同じ気持ちだったからね」

銀時「………」

銀時「綺麗にまとめてくれやがって……テメーら打ち合わせでもしてたのか?」

銀時「まさかテメーらに何か物申されるとは思わなかったぜ…」

沙都子「先生…その……私、何と言ったらいいか……」

銀時「いやいいよ何にも言わねーで、コイツァ俺が好きでやったことだ」

沙都子「それでも……ありがとうございました、先生」

詩音「私からも…銀さん、沙都子を守ってくれて…本当にありがとう」

銀時「………」

銀時「参ったなオイ…すげータイミングじゃねーか……」

詩音「………」

銀時「お前ら後ろ見てみろ」

沙都子「……?」

入江「こちらにいましたか……探しましたよ」

詩音「か、監督?」

詩音「どうして監督がこんな所に……」

入江「お二人に…会わせたい方がいましてね……」

沙都子・詩音「……?」

悟史「みんな…ただいま……!」

---
翌日、魅音宅

銀時「ま…めでたしめでたしだったな」

魅音「うん…泣きながら喜ぶ詩音なんて生まれて初めてかな」

銀時「その辺の細けー事情はよく分からねーが…とりあえず魅音」

魅音「ん、何?」

銀時「傷薬くれ、マジで、出来ればすごいキズぐすりがいい」

魅音「あはは、ずいぶん酷くやられたね…まあアレは銀さんが悪いけど」

銀時「………」

圭一「何か…俺たちはお邪魔みたいだな」

魅音「そうだね……私たちは帰ろうか」

銀時「よーし、じゃあテメーら…何か食い行くか、甘いモン限定で」

悟史「……あの、ちょっといいですか?」

銀時「ん?」

悟史「沙都子がお世話になったみたいで…本当にありがとうございました……」

銀時「………」

銀時(待て…この声どっかで……)

銀時脳内
---

あやめ『銀さあああん!!』

---

銀時「正体はテメーかァァァァ!!」バキッ

悟史「ぶっ!?」

沙都子「」

詩音「」

---

銀時「いや勘違いした俺も悪いけどね?ここまでボッコボコにしなくてもいくね?」

魅音「いや…この程度で済んで良かったと思うよ」

詩音「そうですよ、ちゃんと手加減したんですからね」

銀時「いや全身が包帯ぐるぐる巻きになってんだけど?これのどの辺が手加減?」

詩音「生きてるじゃないですか」

銀時「いやそこォォォォォ!?」

魅音「ところで…銀さん、鬼隠しの時に銀さんがいたことを思い出してるのは…」

銀時「テメーら二人に…梨花のヤツも覚えてるな」

詩音「みんな暫くすれば思い出しますよ、きっと」

銀時「ならいいんだけどよ……何かきっかけみてーなのが必要なのかもな」

魅音「きっかけ…か……うーん…難しいね」

銀時「ま…もうしばらくは様子を見て考えるとするわ」

---
翌日、昼食

沙都子「うー、かぼちゃは嫌いですわ……」

詩音「ダメですよ沙都子、ちゃーんと食べないと」

沙都子「詩音さんの料理はかぼちゃが多すぎましてよ?それにセロリやアスパラも…」

詩音「沙都子の嫌いな物をなくすように考えてますからね」

沙都子「レナさんのお弁当のほうが美味しそうですわ……」

詩音「そういうことを言う沙都子には…ほら、アスパラの特別メニュー!」

沙都子「うわああああーん!あんまりですのー!」

銀時「よう沙都子、カボチャ喰う方法を教えてやろうか?」

沙都子「そんな方法がございますの?」

銀時「口ん中にいれて噛んで飲み込みゃいいだろ、要するにど根性だ」

沙都子「………」

圭一「いや…ど根性ですんだら苦労しない気がするんですけど」

魅音「まあ…でも嫌いな物って結局そうやって食べるしかないよね」

銀時「情けねーなお前ら…じゃあ銀さんのとっておきを伝授してやるよ」

沙都子「……嫌な予感しかしませんわね」

そういやレナもDSでいろいろあったな

銀時「はい、嫌いなモンでも何でも食える銀さん特製食べ方講座ー」

銀時「これには協力者が必要ですからそこんとこ注意しろよ」

詩音「二人っていう時点で嫌な予感しかしませんね…」

銀時「えー、まず沙都子…目ェ瞑って口開けろ」

沙都子「ふ、不安ですわね……あーん」

銀時「はい、そんでここで口の中に食べたいモンを協力者が入れてやります」ヒョイヒョイ

沙都子「むぐっ!?むー!むー!」

魅音「ちょ…ちょっと先生、これ大丈夫なの?こんな無理やり…」

銀時「我慢しろ沙都子、すぐに終わっから…口含んだままちょっと耳こっちに向けろ」

沙都子「……?」

銀時「行くぜ…『ど根性ォォォォォ!!!』」

沙都子「!!?」ゴクン

レナ「あ」

羽入『あうあう?耳元で叫ばれた沙都子が…びっくりしてカボチャを……?』

梨花「食べた…わね、一応」

銀時「はい、よく食えました」

圭一「いやこれ明らかに食ったとは言えませんけど!?丸飲みじゃないですか!」

詩音「そ、そうです!こんなの絶対健康に悪いですよ!」

銀時「まままま、結果としてアイツを束縛してたモノは消えたわけだし?」

圭一「いや何を……」

沙都子「や、やりましたわ詩音さん!私、ちゃんと食べられましてよ!」

詩音「え…いや…沙都子?」

沙都子「おーっほっほっほ!もうかぼちゃでもアスパラでもへっちゃらですの!」

沙都子「詩音さん、これからはかぼちゃ料理もどんどん作って頂いて構いませんわ!」

詩音「………」

銀時「まあ自信だけはついたみてーだしいいだろ」

圭一「いや良くないでしょこれェェェ!間違った方向に自信つけてどうすんですか!」

忍たま?

ちょこっと!お疲れさま会

レナ「沙都子ちゃん救出編を読んでくれたみなさん、本当にお疲れさまでした!」

魅音「いやーまさかこんなに長くなっちゃうとはねー…おじさんもびっくりだよ」

梨花「本当はこの半分くらいの短さになるはずだったのですよ、にぱー」

沙都子「色々と苦労もあったようですが…まあ言い訳にすぎませんわね」

圭一「もはやお疲れさま会ってよりむしろ普通の反省会だな…」

詩音「何だか色々と場面が変わったり時間を遡ったりして忙しかったですねー」

魅音「まあ…うん、その辺はね」

レナ「ところで…本当は沙都子ちゃんを助けて悟史君と再会して終わるはずだったんじゃ?」

圭一「あー、そうらしいんだけどな…ここで終わったら中途半端だろ?」

圭一「いや終わっても良かったんだけどさ、何て言うか味気ないし」

梨花「中身のない無駄に長いだけの話に価値はないのですよ?にぱー」

魅音「あっはっは…痛いところを突くね、梨花ちゃん」

レナ「というわけで……もうちょっとだけ続くから暇な人は読んでほしいな!」

今日はここまでですがもうちっとだけ続きます
とりあえずここまで読んでくれてお疲れさまでした

ほんのちょこっと!銀八先生!

銀八「ペンネーム>>476さんからのお便り…『忍たま?』…はい、すばり言いましょう」

銀八「>>476、それだ…いやーおかげさんでやーっと思い出したわ、うん」

銀八「いや、なんか嫌いモンを食うとか気合いとかって言うのが記憶の片隅にあってね」

銀八「何で見たんだっけか…とか思って使ってみたんだけどよ…そうか、それだ」

銀八「つーかアレってまだアニメやってんのか?」

なんかもうgdgdだなぁ

銀八「>>496…ワリーな勘弁してくれや、話がグダグダになんのはいつものことだ」

---
放課後

魅音「あれ、先生何書いてるの?」

銀時「これはアレだ、懸賞だよ懸賞」

圭一「へえ…何のですか?」

銀時「何かポカリ一年分とそれ入れるウォータージャグが二個当たるらしくてな」

沙都子「まあ…確かに当たれば嬉しいのは違いありませんが……」

魅音「でも何でポカリなのさ?」

銀時「いや…何つーか…ポカリにゃ世話んなったし?」

魅音「ああ…なるほどね……」

圭一「………?」

魅音「っと……さーて、じゃあ今日も部活!行ってみようか?」

圭一「へへっ、今日は負けねえからなー!」

詩音「そうは行きませんよ、私がいるんですから」

沙都子「おーっほっほっ!私のトラップに掛かれば圭一さんなどイチコロですわ」

梨花「僕も負けませんですよ、必ず一番になって圭一と銀時を辱めてやるのです」

レナ「はう~、みんな気合いが入ってるね!レナも負けられないな!」

魅音「銀さんはどうする?もちろんやるよね?」

銀時「いーよ、もうそういうの面倒くせーから…どうせ勝ち目はねーんだろ?」

圭一「何だ銀さん、敵前逃亡するのかよ?きったねえなー」

銀時「俺ァそういう安い挑発には乗らねーよ」

詩音「あー残念、優勝商品にデザートの食べ放題券を付けようと思ったんですけどねー」

銀時「テメーらまとめて潰してやらァ、どっからでも掛かってきやがれ」

圭一「………」

魅音「じゃあ今日のゲームは……」

---
十分後

銀時「………」

魅音「いやー…さすがは先生、綺麗に負けたねー」

梨花「お決まりのパターンでかわいそかわいそなのです」

魅音「さーて…じゃあ罰ゲームなんだけど何がいいかな……」

銀時「あ、俺これからちょっと出掛けなきゃいけないんだったわ」

レナ「どこに?」

銀時「その……アレだよ、シロガネヤマで修行してるレッド倒しに行くんだよ」

沙都子「シロガネ…何をおっしゃっているのかさっぱりでしてよ?」

梨花「気にしちゃだめなのですよ、バカが移ってしまうのです」

魅音「あ…じゃあこれにしよっか、知恵先生の前でカレーの悪口を言う!」

圭一「!?」

銀時「………は?」

銀時「何それ、そんだけでいいのか?」

魅音「うん、出来るだけ酷く貶すことが望ましいけどね」

銀時「……簡単すぎて逆におかしかねーか?何企んでやがる?」

魅音「まさかまさか、そんなわけないじゃん!」

圭一『そうか…先生、智恵先生の趣向を知らないのか』

沙都子『しかも…確か今はカレーを我慢している期間だったような…』

梨花『魅ぃはホントに外道なのですよ』

銀時「まあ…前みてえに妙な服着せられるよかマシか……」

---
職員室

銀時「どーも」

智恵「あら先生、どうかなさいました?」

銀時「………」

銀時(何か嫌な予感がすんなオイ…ちょっと探り入れてみるか)

銀時「あの…どうでもいいことを聞いてすんませんけど、カレーってどう思います?」

智恵「……何故、そんなことを?」

銀時「」

銀時(な、何か空気変わったんだけど!俺おかしなこと言った!?)

銀時「いや…別に深い意味は……」

智恵「坂田先生…私がカレー断食を行っている時にその質問は…あてつけですか?」

智恵「答えによっては…そうですね、ちょっと粉々になるかもしれません」

銀時「粉々って何が!?明らかに何か破壊しようとしてるよね!?」

智恵「答えてください…今の質問にはどんな意味が?」

銀時(オイィィィ!何だコレ!?軽い気持ちで此処まで来たのに何この状況!?)

銀時「あの…マジでそういうアレじゃないんで、偶然なんで、はい」

智恵「……………」

智恵「……そうですか、なら結構です」

銀時(ヤベーよこれ、これ以上ここにいたら腕の一本や二本確実に飛ぶよ)

銀時「じゃ、じゃー俺ァお先に失礼しま……」

智恵「待ってください」

銀時「」

銀時「………?」

智恵「先生…あなた、ここに来て最初に何とおっしゃっいましたか?」

銀時「…ど、どーも?」

智恵「その後です」

銀時「……どうでもいいことを聞きますけど、うんたらかんたら?」

智恵「あなた…カレーをどうでもいいことだと?」

銀時「いやいやいやいやいや!違う!違うよ!?別にそういう意味じゃ…」

智恵「多くは語りません…坂田先生」

智恵「歯を食いしばって受け身の用意を」

---
教室

銀時「……人間じゃないから、アレ」

沙都子「あの…心中お察しいたしますわ」

圭一「……先生、アンタすげーよ…よく生きて帰ってきた」

魅音「あっはは、先生もなかなかしぶといねー」

銀時「俺を殺す気かテメー!受け身しそこなったら投げ技で首やられてたからね!?」

魅音「でも…もう一回行くんだよ?」

銀時「………は?」

魅音「だって先生、悪口は言ってないじゃん」

銀時「いや無理だから、ちょっとカレーの話しただけでコレなのに悪口とか無理だから」

魅音「うーん…でも罰ゲームは絶対だからねぇ」

銀時「お前、罰ゲームと俺の命とどっちが大事だと思ってんの?」

魅音「あ、じゃあ校長先生の頭を触ってくるでもいいよ」

銀時「………」

---
廊下

銀時「で、何でテメーも一緒にいるんだ?」

圭一「先生が逃げ出さないように見張れって魅音が言ったんですよ」

銀時「オイ勘弁しろよ…もう逃げようぜ、命がいくつあっても足りねーよ」

圭一「いやいや、これぞ!部活の醍醐味だからな」

銀時「……やりたかなかったけどよ、テメーがそういうなら罰ゲームをやるしかねーな」

圭一「おっ、先生も覚悟を決めたか!」

銀時「ああ…圭一、テメーのこたァ忘れねーよ」

圭一「は……?」

銀時「罰ゲーム!マインド・クラァァァッシュ!」ゴンッ!!

圭一「ぎにゃあァァァ!?」

---
教室

レナ「よく聞こえないけど…何だか廊下で揉めてるみたいだね」

魅音「そりゃあの罰ゲームは命懸けだからねぇ、まあ圭ちゃんが見張って……」

銀時『マインド・クラァァァッシュ!』ゴンッ!!

圭一『ぎにゃあァァァ!?』

魅音「ちょ……叫び声!?」

詩音「一緒にゴンッって音もしてましたね…」

ガラッ

圭一「………」

魅音「け、圭…ちゃん…?」

レナ「先生…罰ゲームは……?」

銀時「やったよ?罰ゲームは」

沙都子「あの…私たちが決めた罰ゲームをやったのでございますか?」

銀時「だからやったって、なあ圭一君?」

圭一「センセイ、罰ゲームヤッタヨ」

銀時「ほら」

魅音「いやこれ明らかに圭ちゃんに何かしたでしょ!?記憶操作してない!?」

圭一「ドビー悪イ子」

魅音「け、圭ちゃん意識大丈夫!?しっかりしなって!」

圭一「………俺は一体何をやってたんだ」

魅音「銀さん…罰ゲームを回避しようって根性は認めるけどさ…さすがにやり過ぎだよ」

銀時「いや、今まで俺が食らってきた攻撃と比べりゃ大したことなくね?」

詩音「た、確かに…否定できないですね」

圭一「今までの攻撃…例えば?」

銀時「そりゃオメー、あの馬鹿力の……」

レナ「それ…誰のことかな?かな?」

銀時「あ………」

銀時「いや…あのですね、違うんすよ、うん」

レナ「分かった…分かったよ…レナのパンチが怖いんだね?」

レナ「なら速いパンチも力を込めたパンチもしない…ゆっくり当ててあげるから」

銀時「いやお前止めろォォォ!どんなんだろうが当たれば確実に…」

レナ「大丈夫、受けてみなよ…」ユルゥ~

圭一(あれ、本当に遅い…てかあんなんじゃ蚊も殺せないんじゃ?)

銀時「ほわあああぁぁぁぁ!?」

レナ「こんな遅いレナのパンチを逃げるんだ…何が怖いのかな?強い銀時先生…」ユルゥ~

銀時「!」

ドゴッッッ!!!

銀時「………」チーン

圭一「消力(シャオリー)だッッ!己の体重をも消し去る程の脱力を生み出す消力…」

圭一「その究極のリラックスから繰り出される打拳…それがどれほどの威力かッッッ!」

詩音「圭ちゃん…さっき銀さんに何かされた後遺症ですか?」

梨花「ツッコミ役に回ったり説明役になったりてんやわんやなのですよ」

沙都子「……梨花が何を言ってるのかさっぱりでしてよ?」

レナ「ホントはね…レナ、こういう小技は嫌いなんだ」

レナ「闘いって力の解放だからね…力みなくして解放のカタルシスはありえないの…」

魅音「レナ、いい加減にしな…もうホントにみんな付いていけなくなるから」

梨花『---楽しい日々が続いた、たわいもないが…本当に楽しい日々
---銀時が来てからと言うものはずっとこんな調子だ
---それは私にとっては凄く新鮮で、何にも代え難い幸せだった
---ずっと…こんな日々が続けばいい、銀時もずっとこっちにいればいい
---でも、それは叶わない願い…私の身勝手な願い
---だから私は…今を全力で楽しみたい、後悔しないように
---でもそんな私の日常に…ある…とても大きな危機が訪れる
---その危機は…私や仲間たち…そして銀時の運命を…大きく揺るがすこととなる』

すみません、今日はここまでで…書きためがなくなってしまいました

銀八「あと…うん、細けーネタこれでもう最後だから、マジで…だから勘弁してくれや」

すみません……書きため尽きてしまったので今日はほとんど進められません
ただ終わりまで構成は出来てるので必ず完結はさせます

---
数日後、魅音宅

銀時「………」

魅音「どったの先生、ぼやーっとしちゃって?」

銀時「いや……どうも俺ァポカリの神に祝福されてるらしいわ」

魅音「え…け、懸賞が当たったの?」

銀時「マジで、ほら」

魅音「こ、こんなに大量に…これ一人で飲みきれるの?」

銀時「デカいジャグが二個ついてきてっから一個は学校に置いときゃいいだろ」

銀時「昼休みの間にそっからポカリを一回百円で飲み放題にすりゃ銀さんボロ儲け…」

魅音「いや…そこはタダにしなよ」

---
学校

銀時「つーわけでポカリ入ってるジャグを後ろに置いとくから飲みてー奴は飲めよ」

富田「いいんですか先生!」

岡村「冷たい飲み物がいつでも飲めるなんてこの暑い時期には最高じゃないですか!」

銀時「ただ飲み過ぎて夜に便所行きたくなっても銀さん知らねーからな」

圭一『気前良いな銀さん…あの人なら一回百円とか言いそうだと思ったけど…』

魅音『いや実際に言ってたけどね…説得には苦労したよ、ホント』

銀時「じゃー出席を取るぞー」

---

銀時「……ん?レナの奴だけいねーな」

魅音「おじさんは何も聞いてないよ?」

圭一「俺も知らないな…梨花ちゃんたちは?」

梨花「みぃ…知らないのです、病気なのかもしれないのですよ」

銀時「んなわけねーだろ…むしろアイツの中に入ったウィルスのが逆に死ぬんじゃね?」

ガラッ

レナ「………」

銀時「……って圭一の馬鹿が言ってました、ダメだろ圭一君、そういうこと言っちゃ」

圭一「いや何で俺が言ったことにしてんですか!」

レナ「……先生」

銀時「ひ、ひゃい!」

レナ「おはよう!遅れてごめんなさい」

銀時「……ん?あ、ああ…まあいいけどよ」

銀時(珍しく何もしてこなかったな…いやそのほうがいいんだけどよ)

梨花(レナ……?)

---
放課後

魅音「じゃー今日も部活を……」

レナ「ごめんね魅ぃちゃん…レナ、今日は用事があって帰らなきゃいけないんだ」

魅音「ふぇ?レナ帰っちゃうの?」

レナ「ごめんね…明日は必ず出るから!」

魅音「そう…分かった!じゃあまた明日ね!」

レナ「うん!バイバイ、みんな!」

圭一「………」

圭一「気のせいかもしれないけど…今日のレナ、何だか妙によそよそしくなかったか?」

沙都子「やはり…圭一さんもお気づきになられましたの?」

圭一「ああ…何だか無理して明るく振る舞っているみたいでさ」

魅音「何か悩みでもあるのかな…おじさん達にも相談できないような……」

圭一「けど…俺たちはついこの前に確認したじゃないか、仲間だから助け合うんだって」

圭一「何かレナに事情があるなら…必ず俺たちに話してくれる、俺はそう信じたい」

魅音「何にしても…今日の部活はやめにしようか…レナがいないと…ね」

梨花「………」

---
解散後、スーパー

銀時「生クリーム生クリーム……あ、バニラエッセンスも買わねーと」

銀時「えーっと………ん?」

レナ「………」

銀時「何だお前、用事って買い物か?」

レナ「せ、先生…何でここに?」

銀時「スーパーっつったら……アレだよ、晩飯の材料買いにな」

レナ「そ…そうなんだ!……じゃ、じゃあレナはもう行くね!」

銀時「せわしねーなオイ、人生慌てて生きても良いことねーぞ?」

レナ「あ、アハハ!じゃあ先生、また……」

リナ「あら…礼奈ちゃん、どこかに行くの?」

レナ「あっ……!」

銀時「………?」

リナ「この人…知り合いかしら?」

レナ「う、うん…学校の先生なんだよ!」

リナ「そう…初めまして、礼奈ちゃんと仲良くさせてもらってる間宮リナです」

銀時「……坂田銀時だ」

リナ「あら、無愛想な人ね…じゃあ礼奈ちゃん、行きましょうか?」

レナ「ご、ごめんなさい…レナ、先生に少しお話があるの」

リナ「そう…じゃあ私は先に帰ってるわね」

銀時「………」

---

レナ「………」

銀時「……リナっつったか、テメーの様子がおかしかったのはあれのせいか?」

レナ「先生、リナさんをそんな風に言わないで……良い人なんだから」

銀時「……意外だな」

レナ「……?」

銀時「俺にゃテメーが一番アイツを嫌ってるように見えたけどな」

レナ「そんなことないよ……」

銀時「ま…テメーがそういうなら深くは聞かねーけどよ」

レナ「………」

---
同日、梨花宅

梨花「………っ」

銀時「……つーことがさっきあったんだけどよ、俺ァどーもあの女が好きになれなくてな」

梨花「……どうしてですか?」

銀時「ああいう狐みてーな雰囲気の女は信用ならねーんだよ」

沙都子「それは……銀時先生の偏見ではございませんの?」

銀時「いやいや、アレは表じゃ良い子良い子してっけど裏で腹黒いこと考えてるタイプだな」

銀時「前に俺の身内…つーか、ダメガネが似たような馬鹿に引っかかりかけてな」

沙都子「だ、ダメガネ…?引っかかった…?」

銀時「アイツがなー、恋人詐欺みてーな女にやられかけてもう危ねーのなんのって」

銀時「ありゃ『てへっ!』とか真顔で言える女にはロクなのがいねーって証だな」

沙都子「は…はぁ……さようでございますか」

梨花「……あながち、銀時の推理は間違ってないかもしれないのですよ」

沙都子「梨花……?」

梨花「………」

梨花(でもおかしい…鉄平は雛見沢に帰ってきていたのに……)

銀時「…何だ、やっぱあの女も叩けばホコリが出んのか?」

梨花「僕の知っている人物と同じなら…レナに元気がない理由も説明がつくのです」

沙都子「れ、レナさんに何か…酷いこと……を……?」

梨花「……沙都子が心配しているようなことではないのです、ただ…」

銀時「ただ……何だ?」

梨花「ある意味でレナには…最も辛いことなのですよ」

銀時「………?」

今日はこれで終わりますが…すみません、勘弁してください

梨花「今はもう少し調べてみる必要があるのですよ、僕のほうでも調べてみますです」

銀時「様子見ってわけか?んなことしてねーでとっとと……」

梨花「もし僕たちの勘違いならレナは…痛くもないお腹を探られてしまうのですよ」

銀時「……ああいう女のケツ追っかけ回すのは好きじゃねーが…そうも言ってられねェか」

沙都子「ぎ、銀時先生は表現が卑猥でしてよ!」

銀時「いや…これで?」

沙都子「当たり前ですわ、教師なのですからもっと言葉を選んでくださいませ!」

銀時「……お前、こっち(俺の世界)に来ないで良かったな」

沙都子「………?」

梨花「ところで銀時はスーパーで何を買っていたのですか?」

銀時「いや…別に大したモンじゃ……」

ガサガサ

沙都子「苺に生クリームにバニラエッセンスに……これ、ケーキの材料ではございません?」

銀時「おうコラ、何勝手に漁ってんだお前」

沙都子「…先生、ケーキなんか作れますの?」

銀時「甘党を舐めんなお前、今度選挙に出ようかと思ってんだぞ」

沙都子「何と言いましょうか…先生もなかなか器用ですのね」

梨花「そのケーキ一体誰のための物なのですか?」

銀時「……そりゃてめーで食うために…」

梨花「みー、てっきり僕はレナに食べさせてあげるつもりだったのかと思いましたです」

銀時「違うからね?甘いモン食えば元気になんだろとか適当に思ったわけじゃないからね?」

沙都子「きっかけはどうであれ…意外に気が利くんですのね、少々見直しましたわ」

梨花「銀時は照れ屋さんなのですよ、にぱー」

銀時「いや止めてくんない?俺ァ何かこういうフワッフワした空気苦手なんだけど」

---
夜、エンジェルモート

銀時「つーわけで、あのリナって奴について何か知らねーか?」モグモグ

詩音「どんなわけですか…せっかく来てくれたからサービスしようと思ったのに」

銀時「お前はサービスにかこつけて仕事サボリてーだけだろ」

詩音「ありゃ、バレました?じゃあ…店長!『R』入りまーす!」

店長「店長じゃない、マスターだ」

銀時「………」

詩音「…さて、もう少し詳しく聞かせてください、さすがに名前だけじゃ分かりませんよ」

銀時「アレだ…いちご100%の西野つかさから良いところを全部取ったみてーな…」

詩音「いや銀さん、分からないから」

銀時「俺も詳しいこたよくわからねーんだが…どうにもきな臭くてよ」

詩音「梨花ちゃまが調べてるなら今は大人しくしてたほうがいいんじゃないですか?」

銀時「あいつはまだガキだからよ…まあ俺の方でも調べておこうかと思ってな」

詩音「うーん…でも私が知らないって事は多分お姉も知りませんよ?」

銀時「参ったなオイ……かといってレナの奴に直接聞くわけにもいかねーしよ」

詩音「私から葛西に聞いてみましょうか?色々とそっち方面には詳しいですからね」

銀時「ああ、出来るほうのマダオさんね…あ、このチョコレートパフェ追加で」

詩音「マダオ……?マスター!追加オーダーでチョコレートパフェ二つ!」

店長「マスターじゃない、店長だ」

銀時「つーか…何で二つ?」

詩音「ご馳走様、銀さん♪」

銀時「ふざけんな馬鹿」

詩音「とにかく…情報が少ない今の状況で私に出来るのはこれくらいです」

銀時「くっそ…梨花にもうちっとヤローの特徴を詳しく聞いときゃ良かったぜ」

詩音「何か分かればすぐに連絡しますから…マスター店長!『R』終わりまーす」

店長「マスター店長じゃない、キャプテン・マスータだ」

銀時「いや何その茶番、つかアンタそんなキャラだっけ?」

---
同日、ゴミ山

レナ「………」

レナ(間違ってない…レナの考えは絶対に…間違ってない……)

レナ「レナはリナさんのことをちゃんと受け入れてる…理解してる……」

銀時『俺にゃテメーが一番アイツを嫌ってるように見えたけどな』

レナ「違う…違う…お父さんが幸せになれるなら…それが一番の……」

レナ「間違ってない…レナは『長い間ずっと』悩んで考えたんだから……」

レナ「ずっと…『一人』で……!」

---
翌日、学校…放課後

レナ「魅ぃちゃん!今日の部活は何なのかな?かな?」

魅音「レナ、その…もう大丈夫なの……?」

レナ「何のこと?おかしな魅ぃちゃん!」

魅音「あ、あっはは…何かごめんね!変な気を回しちゃって」

レナ「うん、ありがと…でも今は部活を楽しもうよ!」

沙都子「そうでございますわね、昨日の分も含めて思いっきり行きますわよ!」

レナ「あはは!レナも負けないからね!必ず沙都子ちゃんをお持ち帰りぃしちゃうよ!」

銀時「………」

寝落ちしてしまいました…すみません、とりあえず鬼隠しにはあってないです

銀時「漫画のひぐらしが想像以上にエグくてちょっと『オイオイ…』ってなった」

---
同日…夜、魅音宅

銀時「レナのヤツ、明らかにおかしかねーか?」

魅音「うん…おじさんも気付いてた、レナ…何か悩んでいることが……?」

銀時「俺たちの予想よか…かなり事態は深刻なのかもしれねーな」

魅音「沙都子が助かって一息したから銀さんのことを色々聞こうと思ってたんだけど…」

魅音「もしかしたら…それがまた先に延びるかもしれないね……」

prrr prrr

魅音「はい、もしもし……え?…うん、いるよ……分かった」

魅音「銀さん、詩音から電話だよ」

銀時「ん……よう、何か分かったか?」

詩音『葛西曰わく…間宮リナと言う女であれば知っていると』

銀時「ああ…確か名前だったな…で、何モンだそいつは?」

詩音『従業員です、ウチの…園崎の……ね』

銀時「…へー、『園崎の』従業員ね、なるほど……で?」

詩音『ウチの従業員って時点でそこまで誉められたら人間じゃないですけど……』

詩音『それを差し引いても妙な部分の多い人間みたいですね』

銀時「……もう少し詳しく聞かせてくれや」

---

詩音「……とまあ、大体こんな所ですね」

銀時「美人局に結婚詐欺か……」

詩音「まあ…あくまで葛西の情報ですけどね」

銀時「……ついでだ、もう一つ確かめちゃくれねーか?」

詩音『え?別に良いですけど…何か?』

銀時「…レナの家と繋がりがねーか、出来るだけ緊急で頼むぜ」

詩音『れ、レナさんと…?ま、まさか……!』

銀時「………」

詩音『分かりました…少し時間をください』

ガチャ

魅音「先生…今の電話……」

銀時「テメーにも教えといた方が良さそうだな…」

---

魅音「レナがそんな奴と一緒に……?」

銀時「聞いた話を考えるとまず間違いねーな」

魅音「じゃあ…レナの家が狙われてるってこと……?」

銀時「………」

魅音「そんな……!」

銀時「……参ったな、思ってたよりずっとめんどくせーことになりやがったな」

銀時「モタモタしてりゃ…最悪の事態になりかねねーな」

魅音「さ、最悪って…一体…」

銀時「弾みで取り返しのつかねーことしちまうかもしれねーってことだ」

魅音「冗談じゃ…ないんだよね?」

銀時「ギャグパートとシリアスパートの違いくれェなら分かるから心配すんな」

---
同時刻、ゴミ置き場

梨花「………」

梨花(もしここにレナが一人でいたら…事態はかなり深刻ということに……)

梨花「レナがいるとすれば多分あの車の中…か」

梨花(お願い…そこまで事態が進行していないで……!)

梨花「確か…この辺に……」

レナ「うっ…うっ…」

梨花「!」

>>594
>>銀時「ああ…確か名前だったな…で、何モンだそいつは?」
確か そんな 名前?

>>599
むしろ普通だ

梨花「……レナ?」

レナ「り、梨花ちゃん!何でこんな所にいるのかな?かな?」

梨花「宝探しなのですよ、にぱー☆」

レナ「宝探し?こんな時間に…?」

梨花「掘り出し物をこっそり探してレナにプレゼントしようとしていたのですよ」

レナ「そうなんだ…ご、ごめんね!その気持ちだけで……」

梨花「……レナ、泣いていますですか?」

レナ「な、泣いてないよ!レナはいつも元気だから心配しないで!」

梨花「…レナは泣いているのです、笑っている今でも心の中じゃ泣いていますです」

レナ「そ、そんなことないよ…心配しないで、梨花ちゃん……」

>>601
そうです…すいません、指摘ありがとうございます

梨花「……何があったかは聞きませんです、でも…困った時は頼ってほしいのですよ」

梨花「沙都子の時と同じように…きっとみんな力を貸してくれますです」

レナ「………」

レナ「沙都子ちゃんと同じ…か……」

梨花「そうです、僕もレナが困っているなら…」

レナ「……ありがと梨花ちゃん、元気が出たよ」

梨花「………」

梨花(嘘だ…私の言葉はレナに届いていない…むしろ困惑させてしまった……?)

梨花「…レナが元気になってくれたなら良かったのです、みんな心配していたのですよ?」

レナ「そうなんだ…でも梨花ちゃん、一つだけ約束して」

梨花「みぃ?」

レナ「レナがここにいたこと……誰にも言わないでね」

梨花「……分かりましたです」

レナ「みんなを信頼してないわけじゃないの…ちょっとだけ時間をくれないかな?」

梨花「無理強いはしませんです…僕はレナを信じるのですよ」

---
魅音宅

魅音「その間宮リナのこと…レナに教えた方がいいのかな…?」

銀時「いずれはそうなっちまうだろうが…何の準備もなしに喋んのもマズいな」

魅音「確かに…ちょっと衝撃が強すぎるよね」

銀時「それに、今のレナはあの女を必死で受け入れようとしてっからな」

銀時「そん時に『実はその女ってクソヤローだから』とか言われたらどうなるよ?」

魅音「……考えたくもないね」

銀時「……ある意味じゃ沙都子ん時よかやりにくい問題だな」

銀時(かといってこのまま黙ってても事態は悪くなるだけか…どうしろってんだオイ)

銀時(こんな時にアイツらがいりゃ……)

---
銀時脳内

神楽『分かったアル!親父がドン引きするくらいに女の顔をボコボコにすれば解決ネ!』

新八『いやいや神楽ちゃん!?それ何の解決にもならないからね!?』

神楽『こういう時はとりあえず悪いヤツをぶっ飛ばせば丸く収まるのがお決まりアル』

新八『何かとんでもないこと言い出したよこの子!ねーよそんな無茶苦茶なお決まり!』

---

銀時「……いねーほうが良かったな、うん」

魅音「?」

---
翌日、昼休み

圭一「さあ、昼飯だ!」

梨花「机をくっつけるのですよ!ぺたー☆」

沙都子「私のお腹の中で空腹の虫が暴れ回ってますわ!」

レナ「あはは!大丈夫だよ沙都子ちゃん!レナ、いっぱいご飯作ってきたから!」

梨花「………」

梨花(レナ…どうしてあんな顔で泣いていたのに…そんな顔をしているの?)

梨花(何故…本当のあなたを私たちには見せてくれないの……?)

圭一「あれ、そういや銀時先生は?」

沙都子「先ほど魅音さんと一緒に家庭科室へ行ってましたわね…あ、来ましたわ!」

銀時「何だテメーら、まだ食ってなかったのか?」モグモグ

圭一「い、いや先生…パフェがお昼ご飯って……」

沙都子「ズルいですわ先生!いつの間にそんな物を買いましたの!?」

銀時「勘違いすんじゃねーよ、こいつァ俺が自分で作ったんだからな」

レナ「は、はうぅ…先生、お菓子作れるんだ……」

魅音「いや…結構本格的でおじさんもびっくりしたよ、ホント」

沙都子「……わ、私たちの分はございませんの?」

銀時「安心しろ、俺一人で全部食えるから」

沙都子「ふ、ふわあああーん!梨花ー!」

梨花「大丈夫ですよ沙都子、ああいう大人はいずれ体中が糖分まみれになりますです」

銀時「人が気にしてる血糖値をネタにして楽しいのかテメーは」

魅音「心配しなくていいよ沙都子、ほら!ちゃんとケーキもあるから!」

銀時「いや、それ俺が作ったやつなんだけど?」

魅音「そんな照れないでよ、どうせみんなに食べさせるつもりだったんでしょ?」

銀時「いや…マジでそれは俺の……もういいよ、但し食った分の材料費は払えよ」

今日は少ないですがここまでで…
その代わりに明日はかなり展開して進める予定でいます

せっかく復活した悟史がたった2レスしか出てない件

銀八「はい、ペンネーム>>643からお便りからお便りがあったんで答えときます」

銀八「えー、悟史は一応意識は取り戻しましたが何やかんやで今も入院してます」

銀八「何かこう…そのアレだ、経過観察的なアレ」

銀八「まあ後々出てくるかもしれないけど出番は期待しないで下さい」

銀八「それよか手違いで書きためのデータが吹き飛んだときのショックはデカいな」

昨日来れなくてすみません、再開します

詩音「はろろ~ん、みなさん」

魅音「げっ!し、詩音!アンタまた学校さぼったの!?」

詩音「嫌ですねぇさぼったなんて…ちゃんと『合法的』な手続きを踏んでますよ」

沙都子「何をしにいらっしゃいましたの?私、かぼちゃならもう克服しましてよ?」

詩音「沙都子、あれは克服したとは言えないから…っと、用があるのは銀さんなんです」

魅音「!」

詩音「ちょっと…いいですか?」

銀時「………」

---
職員室

詩音「葛西曰く……最近の間宮リナは何かと金遣いが荒くなってるらしいです」

詩音「『雛見沢でデカい金づるを捕まえた』と漏らしているとか…」

銀時「……その金づるってのは竜宮って名前か?」

詩音「すみません、さすがに名前までは……」

銀時「いや…名前なんざ聞かなくても十中八九は間違いねーな」

詩音「……レナさんに…伝えるんですか?」

銀時「ま…黙っとくわけにもいかねーからな」

詩音「そうですよね……」

銀時「……その前に、もう一つだけ聞きてーんだが…」

詩音「?」

銀時「間宮リナの金遣いが荒くなった『最近』っつーのは大体いつぐれーからだ?」

詩音「さ、さぁ…多分ここひと月くらいじゃないかと思いますけど」

銀時「ひと月…か……」

詩音「それが…何か……?」

銀時「……やっちゃったなーオイ、これやっちゃったなー」

詩音「………?」

---
同日、放課後

魅音「さーて…じゃあ部活、始めるよ!」

レナ「ごめんね魅ぃちゃん…今日もレナ、早く帰らなきゃいけなくて…」

魅音「……そう、分かった!じゃあレナ!また明日ね!」

圭一「ずいぶん最近は忙しいんだな?何か俺たちに出来ることがあれば手伝うぜ?」

レナ「大丈夫だよ、そんなに大したことじゃないからね」

圭一「そうか…じゃあレナ、また学校でな!」

沙都子「ご機嫌よう、レナさん」

梨花「また明日…会いましょうです」

銀時「………」

---
ゴミ山

レナ(どうして…用があるなんて嘘ついちゃったんだろ……)

レナ「………」

銀時「何だお前、こんなところにいやがったのか」

レナ「せ、先生!?」

銀時「しっかし懐かしいなオイ、この夢の島…最初に冨樫に会ったのもここだったか?」

レナ「……冨樫?」

銀時「本筋にゃ関係ねーから気にすんな」

レナ「……先生、ここに何しにきたのかな?」

銀時「……余計なおせっかいをしにな」

---

レナ「………」

銀時「……で、どうも雛見沢で引っかかってる奴がいるらしくてな」

レナ「………」

銀時「話を聞く限りじゃどうもテメーの」

レナ「もういいよ、先生…分かった…いや、分かっていたから……」

銀時「………」

レナ「リナさんがお父さんと仲良くしてるのはお父さんを好きだからじゃない…」

レナ「自分のためにお金を使ってくれる人なら誰でも良かったんだよ」

レナ「でも…レナはお父さんの気持ちが収まるなら…リナさんと再婚してもいいと思ってた」

レナ「レナが甘かったんだね…それも間違いだったんだ……」

レナ「先生、最後に確認させて…リナさん、お父さんと結婚する気はないんだね?」

レナ「美人局に結婚詐欺…そんなことをやってるのも本当なんだよね?」

銀時「……ああ、まず間違いはねーな」

レナ「……そう、分かった…ありがとう先生、大切なことを教えてくれて」

銀時「……やる気か、テメー」

レナ「…何のこと?」

銀時「テメー一人で…全部のケリを付けるつもりなのかって聞いてんだよ」

レナ「あはは…大丈夫、ちゃんとお父さんとお話するから」

銀時「………」

---
レナ宅

レナ「……ただいま、お父さん」

リナ「あら礼奈ちゃん、お帰り」

レナ「………」

リナ「どうしたの?すっごく怖い顔してるけど…何か嫌なことでもあったのかしら?」

レナ「ううん…気にしないでください」

レナ「………」

レナ「リナさん、もう少し経ってお父さんがこなかったら…二人で散歩でもどうかな?」

リナ「散歩?うーん…散歩ねぇ……」

レナ「レナ、とっても静かで星がよく見える場所知ってるんだよ!」

リナ「そう…じゃあ行きましょうか、私も礼奈ちゃんと二人で話したかったし」

---
一時間後

リナ「来ないわねお父さん…どこに行ってるのかしら」

レナ「じゃあリナさん……」

リナ「ええ…行きましょうか、良いわね…女二人で夜の散歩って」

レナ「あはは、そうですね!」

---
通り道

リナ「綺麗ね…本当に綺麗、ここからでも十分綺麗に見えるのに」

レナ「あっはは!レナのとっておきの場所はもっと凄いんだから!」

リナ「そうなの?楽しみね」

銀時「いやホント楽しみだな、うん」

リナ「」

レナ「」

銀時「……何お前ら、『え?誰これ、何なのこの人?』みてーな面しやがって」

リナ「まさにそう思ってるからね」

レナ「先生…何しにきたのかな?」

銀時「いや、ただ何となくふらっふらしてたら偶然テメーらを見かけてよ」

レナ「へえ…『何となく』……?」

リナ「あなた確か…礼奈ちゃんの先生だったかしら?」

銀時「………」

レナ「ねえリナさん、ちょっと先に行っててくれるかな?」

レナ「この道をまっすぐ歩いて突き当たった所…そこで待っててね?」

リナ「あらあら、先生とお話?ま…いいけどね、じゃあごゆっくり」

---

レナ「それで…本当は何をしにきたのかな?正直に答えないと…レナ、怒るよ?」

銀時「そんだけ殺気立ってるテメーを放置しとくわけにゃいかねーだろ」

レナ「ふーん…レナのことを見張ってたんだ?」

銀時「張り込みだよ張り込み…まさか本当に二人で出てくるたァ思わなかったぜ」

レナ「リナさんに本当のことを確かめようとしただけ…深い意味はないよ」

銀時「それを確かめるだけならわざわざ外に出るから必要はねーだろ、それに…」

銀時「この道の先にあんのは…テメーお気に入りのゴミ置き場じゃねーか」

銀時「誰もいねー夜にそんな所で何やらかすつもりだった?」

レナ「………どいて」

銀時「馬鹿言ってんじゃねーよ」

レナ「どかないと…先生でも怒るよ?」

銀時「オイ…やっぱお前、何かおかしいんじゃねーか?」

レナ「どこもおかしくないよ…レナは普通」

銀時「どうも…今のテメーは突っ走りすぎてるように見えて仕方ねェ」

銀時「テメーは一人じゃねーんだ…周りみりゃ頼れる奴らがたくさんいるじゃねーか」

レナ「仲間…あははははは!そう、確かにみんなは仲間だよね!でもレナは違う!」

レナ「レナはみんなの仲間なんかじゃない…それはみんなも分かってることだよ」

銀時「お前…あんだけのダチ公に恵まれてんのにそいつらを信じられねーってのか?」

レナ「信じてたよ…最初は信じてた、みんなはレナにとって大切な仲間だって」

レナ「でも…みんなはレナのことを助けてくれなかった…手を差し伸べてくれなかった!」

レナ「だからレナは決めたの…どんなことでも最後は自分一人でやり抜くって」

銀時「………」

銀時「なら…テメーからは手を伸ばしたのか?」

レナ「………」

銀時「テメーは助けられるのを待つだけで…自分から助けを求めなかったんだろ?」

銀時「仲間に手ェ伸ばす度胸のねえテメーがアイツら責めんのはお門違いじゃねーか?」

レナ「……沙都子ちゃんは?」

銀時「………?」

レナ「沙都子ちゃんもレナと同じで助けを求めなかった…むしろ拒否してたよね?」

沙都子『わ、私は一人でもやれるんですのよ!一人でも……』

レナ「それでも沙都子ちゃんは助けられた……じゃあレナは?」

レナ「レナは沙都子ちゃんより前から…ずっと一人で悩んでた……」

レナ「なのに…どうして沙都子ちゃんだけ…」

銀時「………」

銀時「………」

銀時(どうなってんだオイ、言ってることがめちゃくちゃじゃねーか……)

銀時「お前…一体……」

レナ「レナは頼らない…頼っちゃいけない…そう言われたんだもの……」ガリガリ

銀時「な、何やってんだテメー…手首から血が出てんぞ……!」

レナ「レナは間違ってないよ…だって…オヤシロ様がそう言ったんだもの」ガリガリガリ

銀時「オヤシロ……?」

レナ「圭一君たちに助けを求めたら…また祟られちゃう…嫌!もう注射は嫌ぁぁぁ!」

銀時「待て待て待て、痛い!見てるだけで痛いから!うん分かった、一旦落ち着こう?」

レナ「オヤシロ様が来るの!言うことを聞かないとまた不幸になっちゃう!!」

銀時「オモシロだか桃城だかダンクスマッシュだか知らねーが落ち着け!」

銀時「何度でも言ってやらァ、テメーにゃ信用出来る野郎たちがいんだろうが!」

銀時「沙都子ん時だけじゃねェ…鬼隠しの時もテメーら全員で戦ったんだろうが!」

レナ「!」

レナ(そうだ…鬼隠しの時は先生も一緒に……先生も一緒?)

レナ(そんなわけないよ…先生が来たのはつい最近…鬼隠しの時にはいなかった…)

レナ(でも…何で?何で…銀さんがいたように感じてるの?)

レナ「う…ああああぁぁぁ!」ダッ

銀時「ま、待てテメー!どこに行きやがる!」

---

銀時「くっそ、見失ったか…土地勘がねーとやっぱダメだなオイ」

銀時(さっきの症状…あれが…前に聞いた雛見沢うんたらとかいうヤツか?)

銀時「……参ったな、まさかここまで大事になっちまうとはよ」

色々あって書きため吹き飛んだので今日はここまでで…
レナ派の人は大変気を悪くしてるかもしれませんが展開上の都合なので勘弁してください

銀八「言っときますけどフレッシュと人造人間18号は出てきません…赤坂?誰それ?」

ペース遅くなりますが再開します

---
梨花宅

梨花「………」

銀時「やっちゃったなーオイ…やっちゃったよ~、あんな暴走するとは思わないものな~」

梨花「………」

銀時「……何か言えよお前、こうなったらもう笑うしかねーだろ」

梨花「笑えるわけないじゃない…でも…まさかそんな……」

銀時「お前には色々と聞きてーことがあんだけどよ、今はそれどころじゃねーしな」

梨花「………」

銀時「……今はアレだな、とりあえずは親父の目ェ覚まさせねーと」

銀時(良い機会だ、魅音とかも呼んで現状を教えといたほうが良さそうだな……)

---
レナ宅
ピンポーン

レナ父「はい…あの、どちら様ですか?」

銀時「どーもどーもお父さん、もう帰ってきてたんすね」

魅音「私たち、レナの友達なんです」

レナ父「ああ、うちの子がお世話になってます…ただあいにく今は家に居ないんですよ」

レナ父「もう夜も遅いのに…どこに行ってるんだろうなぁ……」

銀時「いやいや、俺たちが用があんのはお父さんのほうでして」

レナ父「私…ですか?」

---

レナ父「リナさんが詐欺?まさか…何かの冗談でしょう!」

圭一「冗談でこんなこと言うほど…俺たちは根性腐っていないです」

詩音「信じられないかもしれませんが確かな情報です…間宮リナは……」

レナ父「き、きっと何かの間違いですよ!リナさんはそんな人じゃない!」

詩音「………」

沙都子『レナさんのお父様…相当に間宮リナという女性を信頼してますわね』

魅音『うん…それだけに説得も大変だね』

銀時『……ここは俺が行くしかねーな』

魅音『先生、なるべくオブラートな感じでね……』

銀時『はいはい、オブラートね…』

銀時「あのねーお父さん、気持ちは分かるんですけどねー現実見ましょうよ現実」

銀時「想像していたよりもずっと未来は現実的だし、車も暫く空を走る予定はないんすよ」

圭一「すいません銀さん、例えがよく分からないです」

レナ父「しかし…彼女はとても良く私に接してくれて…」

銀時「いやそんな主観的なこと言われてもねー、実際に色々とネタが上がってんですよ」

レナ父「し、しかし………」

銀時「お父さん…仮にあの女があんたの言うように最高の女だったとしますよ、でもね?」

銀時「面もスタイルも良くって性格も良いなんて女にゃ既に彼氏がいんのが普通でしょ」

銀時「カワイイ娘は大体、中学高校でバカみたいな男にやられちゃってるのと同じ理屈です」

圭一「いやそれ何の話!?聞きたくないですよそんな生々しい現実!」

魅音(そしてどの辺がオブラートだったのか全然分からないんだけど)

詩音(そのものズバリでしたよね……)

レナ父「そんな…リナさんが……」

魅音「…………」

魅音(考えてみたら…レナのお父さんも凄く苦労してるんだよね)

圭一(銀さん…さすがに言い過ぎだったんじゃ)

詩音(大丈夫ですよ、銀さんはこの後でフォローしますから…多分)

レナ父「私は…一体これから何を信じれば……」

銀時「ホワッタアアアアァァァァァ!!」バキッ

レナ父「ぶべら!?」

圭一「」

魅音「」

詩音「」

沙都子・梨花「………」

レナ父「い、いきなり何を…!」

銀時「女に引っ掛かったくれーでんなこと言うとか真面目すぎんぞお父さんんん!」

圭一「………は?」

銀時「こういう惚れた晴れたの紆余曲折を経て男っつーのは磨かれていくんだよ!」

銀時「そりゃアレだよ、一回や二回くれーは悪い女にちょろまかされるもんよ」

銀時「実際俺の身内もそういうヤツにコロッとやられかけたしね?」

魅音「あのー…先生?」

詩音(だんだん話が迷走してるような……)

銀時「ただ…今のテメーにとって一番大切なのは誰だ?」

レナ父「そ…それは………」

銀時「………」

レナ父「もちろん礼奈…礼奈です」

銀時「……ここでその名前が出なかったらローキックかましてるところだったわ」

圭一「いや…先生、何でローキックなんですか?」

銀時「ローキック舐めんなお前、ももパーンの恐ろしさ見くびるなよ」

沙都子『梨花…銀時先生、真面目なのかふざけてるのかわけわかめでしてよ?』

梨花『みぃ…見ちゃだめなのですよ沙都子、馬鹿が移ってしまうのです』

すみません…ちょっとだけ空けますがしばらくしたら再開します

銀時「で…その大事な娘っ子がテメーのことをどんなに思ってたか気付いてたか?」

レナ父「………」

銀時「親のために気にいらねェ奴にも愛想振りまいて言いてーことも呑み込んで…」

銀時「何よりもテメーのことだけを心配してやってきたんじゃねーか」

銀時「それはテメーにそんな不抜けたことを言わせたくてやって来たんじゃねェ」

銀時「テメーが真っ直ぐお天道さん見て歩けるようになって欲しかったんじゃねーのか?」

レナ父「………」

レナ父「……ダメな父親です、私は本当に」

レナ父「妻が他の男の所へ去っていき…私はこの上なく打ちのめされていました」

レナ父「それからと言うもの…何かとレナが今まで以上に私の世話を焼いてくれましてね」

レナ父「恥ずかしい話…私はレナに頼りすぎていたのかもしれません」

レナ父「自分の弱さを正そうともせず…たった一人の娘にさえ心配をかけてしまうとは…」

銀時「……他の女に掴まれて周りが見えなくなっちまう気持ちは分からなくはねェ」

銀時「ただ…テメーが一番守りてーものは何なのか、そいつは絶対見失うんじゃねーぞ」

レナ父「………」

レナ父「彼女…いえ、間宮リナとは縁を切ります」

銀時「……ワリーな、人ん家のことにあれこれ首を突っ込んで」

レナ父「いえ…あなたには感謝してます」

銀時「………」

銀時「ホント言うとな…あんたのことが少しばっか羨ましかったぜ」

レナ父「………?」

銀時「この状況でこんなことを思うのはよろしくねーが…ついな」

銀時「俺ァ欲しかったよ…てめーのことをそこまで心配してくれる家族ってのが」

---

銀時「じゃ…レナの奴が帰ってきたらその辺のとこ、よろしく頼むぜ」

レナ父「レナとは二人で話をします、後で間宮リナが何か言ってくるかもしれませんが…」

魅音「それは私も協力します、弁護士をつけますから安心してください」

レナ父「……あの、ところでレナは今どこに?」

銀時「心配ねーよお父さん、こっからは俺たちで何とかする」

レナ父「何か…レナが迷惑を……?」

梨花「迷惑なんかではないのです、あなたが自分と向き合ったように…」

圭一「俺たちも…今までの自分と向き合わなきゃならないんです」

魅音「レナと…本気で分かり合うために」

レナ父「………?」

---
魅音宅

圭一「先生、教えてくれるよな?レナが今…どんな状況になっているのか」

沙都子「レナさん…そんなに大変なことになっているのでございますか?」

銀時「ま、とりあえずは聞け……」

---

圭一「そんな…手首から血が出るまで掻き毟るような状態……?」

魅音「レナ…そんなに悩んでたなんて……」

沙都子「レナさん……」

詩音「………」

銀時「レナの奴ァずっと悩んでたってわけだ…鉄平の野郎が来る前からな」

銀時「そんな悩みを一人で抱えてる時、沙都子一人のために結束したお前らを見たら…」

銀時「てめーと沙都子の差に…何か思うところがあったってわけだな…」

梨花「………!」

魅音「確かに…鉄平が帰ってきてから沙都子を助けるまで一週間も掛からなかったからね」

魅音「一ヶ月近くも一人で悩んでたレナはそれをどう思ったか…想像に難くないね」

沙都子「……私の」

圭一「それ以上言うな沙都子…お前が気負うことじゃない」

詩音「……でも、何だかおかしくありませんか?」

魅音「おかしいって……?」

詩音「確かにレナさんはずっと長い間…間宮リナのことで悩んでいたんでしょう」

詩音「みんなが沙都子を救ったのを見て何か感じることがあったとしても自然です」

詩音「でも…それなら何でレナさんは私たちに頼ろうとしなかったんですか?」

圭一「す…すまん詩音、言ってる意味がよく……」

詩音「みんなで力を合わせれば大きな問題でも解決出来る…それは鉄平の件で証明された」

詩音「自分の問題もみんなの力を借りれば解決出来る…そうは思わなかったんでしょうか?」

銀時「奇遇じゃねーか、俺もお前とほとんど同じことが頭に浮かんでな…」

銀時「レナの奴…どうも言ってることとやってることが食い違ってる気がしてならねェ」

魅音「………」

沙都子「レナさん…一体何をお考えになっていらっしゃるのでしょう」

魅音「分かる…私…分かるよ……」

銀時「………?」

圭一「み、魅音…説明してくれないか?」

魅音「きっとレナ…最初は私たちに助けを求めたかったんだと思う、自分も助けて…って」

魅音「でも…レナはすっごく優しい、それは私が一番…誰よりも分かってる……」

魅音「そんな優しいレナの心で声がしたんだよ…みんなの幸せを壊していいのか、って」

銀時「!」

魅音「鉄平が消えて沙都子は自由になった…梨花ちゃんも沙都子が帰ってきて喜んでる」

魅音「園崎も北条家との諍いがなくなって…悟史も意識を取り戻して帰ってきた…」

魅音「圭ちゃんと銀さんも沙都子を救えて本当に安心してる…」

魅音「今の最高の状態…それを自分が壊していいのか、そう思ったんじゃないかな……」

詩音「そんな……!」

銀時「………」

魅音「優しいレナだからこそ、すごく葛藤があったと思う…想像もできないくらいのね」

梨花「………」

魅音「板挟みになってたレナの心が間宮リナの真意を知ったことで…多分……」

圭一「粉々に壊れちまったってのかよ…何てこった…何でこんなことに!」

銀時「………」

銀時「……やっちまったなオイ、どうすんだこれ」

梨花「………?」

銀時「俺も正直鉄平をクソヤローをどうやって飛ばすか…それしか考えてなかった」

銀時「まさかアイツの抱えてるモンに気付けねェとはよ……」

梨花「でも…レナの悩みに気がつけなかったのは僕たちも同じなのです!」

銀時「それに…今の魅音の話が正しいってんなら…何のことはねェ……」

銀時「アイツの心をぶっ壊しちまったのは…紛れもねェ俺じゃねーか」

圭一「な、何で先生のせいになるんだよ!?」

銀時「不用意に間宮リナの正体を喋っちまったのは俺だ」

魅音「でも…それは仕方ないよ、いずれ誰かが必ず言わなきゃならないことだったんだから」

銀時「今考えりゃ…あいつが妙に暴力的だったのも何かのサインだったのかもしれねぇ…」

沙都子「まさか!そんな…ことは……」

銀時「何にしても…俺ァあいつを止めなきゃならねー…今ならまだ間に合うはずだ」

銀時「大切なモンが目の前で壊れんのを見るのは…もうごめんだ」

沙都子「………!」

沙都子(何でございましょう…この既視感は……確か前にも…)

沙都子(そう…梨花が鷹野さんに狙われていた時も…こうして先頭に立たれて…)

沙都子(策を使って私のトラップが張り巡らされている裏山に誘い込み…)

沙都子(私たちを結束させ…誰一人も犠牲になさらずに鷹野さんを止めた……)

沙都子(鬼隠しを止めたのは私たちだけの力でなく…紛れもない…先生が……)

沙都子「銀時先生が…私たちを守ってくださって……!」

梨花「さ、沙都子…あなた…思い出して……?」

沙都子「銀時…先生……一体これは…それよりなぜ私はこんなに大切なことを忘れて…?」

圭一「さ、沙都子…どうかしたのか?」

詩音「沙都子…思い出したの?銀さんのこと…」

沙都子「当然ですわ…恥ずかしいお話、今まで頭から消え去っておりましたが……」

沙都子「あの時のことを…忘れるはずがございませんもの!」

圭一「あの時…?沙都子、お前一体何を言って……?」

魅音「圭ちゃんはまだ…思い出さない?」

圭一「な…何をだ?」

魅音「………そう、分かった」

圭一「………?」

梨花「沙都子…色々気になることもあるでしょうが、今は我慢してほしいのです」

沙都子「ええ…今はレナさんのことが先決ですもの……」

魅音「大石さんにも協力してもらおう…あの人ならきっと動いてくれる」

詩音「むしろ…それがあの人の仕事でしょうしね」

圭一「俺たちで何としても…絶対にレナを護るんだ!」

銀時「ああ、こっから誰のためでもねェ…てめーの護りてーモンを護る戦いだ…」

すいません、今日はここまでになります

銀八「今回おまけやるだけの余裕あっかなー…この分じゃ多分無理くせーな」

銀八「コナンの住んでる町の人口ヤバくね?毎年何十人って殺されてるよね?」

再開します

---
解散後、某所

梨花「銀時…レナは見つかると思いますですか?」

銀時「目暮警部たちが見つけてくれりゃ一番なんだけどよ…そうもいきそうにねーな」

梨花「どういう意味ですか?」

銀時「最後は俺たちがアイツを止めることになる、何つーかそんな気がしてならねェ」

梨花「………」

銀時「…ようオモシロ」

羽入『オヤシロ!』

銀時「どっちでも良いだろめんどくせーから…テメーには少し聞きてーことがある」

羽入『……?』

銀時「レナの奴が言ってたオヤシロ様…その意味を聞かせてもらうぜ」

羽入『………』

銀時「オヤシロ様の言うことを聞かないと不幸になるとかってのはどういう意味だ?」

銀時「まさかお前アレか、あんまりにも出番が少ねーからその憂さ晴らしに…」

羽入『ち、違うのです!僕はそんなことはしないのですよ!』

梨花「銀時…この子のことをもう少し詳しく教えておくわ」

---

銀時「へー…ふーん…あっ、そうなんだー…」

梨花「あなた…ちゃんと聞いていたの?」

銀時「よく分かんねーし話なげーから途中から寝てた」

バキッ

銀時「すんません梨花さん、せっかく説明してくれたのにマジすんません」

梨花「……それと、私には一つ気になっていることがあるの」

銀時「分かる、何なのコイツの角?マジかっけーんだけど」

羽入『か、カッコいい?僕の…この角がですか?』

銀時「いやー良い仕事してるねホント、どこぞのえいりやんもこれくらい頑張れよ」

羽入『誉められましたのです!この角を怖がらずに誉めてくれる人がいたのですよ!』

梨花「………」

梨花「話を戻すわ…何故、鬼隠しが解決してるのにこんな事態になっているのかしら」

銀時「?」

梨花「私が今まで何度も世界をやり直してきたのは知ってるわね?」

銀時「ああ…ババ」

梨花「それ以上言ったら死刑よ」

銀時「……すいまっせーん」

羽入『梨花…本気で怖いのですよ……』

梨花「今までの世界でもこういうことはあった…鉄平が帰ってきたりレナが暴走したり…」

梨花「でも、それは全て鬼隠しが起こる前の出来事だった…」

梨花「どうして…今になってこんなに問題が連続して……」

銀時「いや知らねーよそんなの…むしろ俺が聞きてーわ」

羽入『それは…銀時がこの世界に来てしまったからなのです……』

銀時「……は?」

銀時「……え?何それ、俺のせいなの?」

梨花「羽入…どういうこと?」

羽入『銀時…あなたは凄い人です、たった一度で運命を打ち破り鬼隠しを止めた』

銀時「いや…まーそれほどでもあるけどよ……」

羽入『ですが…それ故にたくさんのカケラを落としてしまったのです』

銀時「いや…意味分かんねーんだけど」

羽入『例えば…少し前、沙都子が叔父の鉄平に捕まったこと…』

羽入『梨花の言うとおり、あれは本来…鬼隠しの前に起こるべきことだったのです』

梨花「なのに…イレギュラー要素の銀時が前回鬼隠しを解決してしまったから……?」

羽入『そう…それが今の時期に現れてしまったのですよ』

梨花「………!」

銀時「ま、起こっちまったモンは仕方ねェ…とりあえずはレナを何とかしねーと」

梨花「あなたは前向きね…一寸の恐れも見られない…羨ましいわ……」

銀時「何だお前、今さらになって腰が抜けたか?」

梨花「そうかもしれないわね…鬼隠しを乗り越えた今、もはや私にやり直しは効かない」

梨花「この世界で失敗はできない…そう考えると余計に慎重になってしまうの…」

梨花「幾何の死の山脈を乗り越えてきたこの私が怖じ気づくなんて…とんだ笑い話ね…」

銀時「………」

銀時「一期なすことなくして明け暮れば、のちに必ず悔やむべし……」

梨花「………?」

銀時「こいつァ昔のどこぞのオッサンだか婆だかガキだかの言葉でな…」

梨花「知らないなら知らないって言いなさいよ」

銀時「最初に聞いた時は何あたりめーのことを偉そうに、と思ったけどよ……」

銀時「コイツを実行すんのは…なかなかどうして難しいモンだな」

銀時「人生の折々に訪れることから逃げねーで立ち向かうってのは簡単じゃねぇ」

銀時「不思議なモンだな…逃げりゃ後で後悔するって分かってんのによ」

梨花「………」

銀時「今の状況はやべぇ、そいつは間違いねーが…まだ諦めるにゃ早すぎんだろ」

梨花「……そうね、銀時の言うとおりだわ…まだ何とかなる、希望は残されてるもの」

銀時「幸いっつーか何つーか……レナの奴はまだ誰も傷つけちゃいねェからな」

梨花「そう言えば…間宮リナはどうなったの?」

銀時「ゴミ置き場で待ちぼうけ食らってた所を目暮警部殿に回収されてんじゃねーか?」

梨花「い、いつのまにそんな……」

銀時「レナを探すよう警部殿に電話した時、詩音の奴が上手いこと頼んだみてーでな」

銀時「鉄平と繋がりがあるって言ったら喜んで乗ってくれたらしいぜ」

梨花「そう……」

梨花「それと…みんなの記憶についてだけど…銀時、気がついてる?」

銀時「……あー、はいはい!気付いてるよ、うん」

梨花「何に?」

銀時「昔のケンタロスは強かっ」

バキッ

銀時「気付いてねーんで教えといてください」

梨花「今、圭一とレナ以外は完全にあなたのことを思い出してるわね?」

銀時「何をきっかけに思い出してるのかは今ひとつ分からねーが…まあそうだな、うん」

梨花「最初は詩音、次に魅音、そして沙都子…最初から記憶のあった私を除けば……」

梨花「みんなは最後にあなたから名前を呼ばれた順に記憶を取り戻してる」

銀時「最後ってアレか…出席取ったときか?」

梨花「そう…その流れでいくなら次に記憶が戻るのは……」

銀時「圭八」

羽入『圭一なのです』

銀時「圭一だったのか」

羽入『また間違えたな』

銀時「全く気付かなかった」

銀時・羽入「暇を持て余した…神々の遊…」

梨花「えーっと…懲罰用のキムチは………」

羽入『…………』ピクッピクッ

銀時「大丈夫なのかオイ、痙攣してんだけど」

梨花「いいのよ…あれくらいしたほうが懲りるはずだから」

銀時「懲りるっつーかもう意識飛んでるよね、神のくせに三途の川を渡りかけてるよね」

梨花「……本当はこんなことしてる場合じゃないのに…私、何やってるのかしら」

羽入『み…水を……』

書きため残ってますが明日は少し早いので申し訳ないですがここで止めます
明日は結構進むと思います

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翌日、学校

魅音「レナ…やっぱり来ないか……」

圭一「警察も捜査してるのに呑気に学校なんか来るわけないよな…」

沙都子「レナさん…お体は大丈夫なのでございましょうか……」

圭一「ああ…ただでさえ手首を掻き毟る状態なのに…もしもそれが悪化してたら…」

銀時「………」

銀時「……問題はそれだけじゃねーよ」

詩音「え?」

銀時「間宮リナは目暮警部殿が回収しちまったから手出しは出来ねぇ、つーことはだ…」

銀時「…レナの中にあった殺意はどうなるよ?」

魅音「!」

沙都子「それは…恨みを晴らす相手がいなくなったのなら自然と収まるのでは……」

梨花「沙都子、そうはならないのが…今のレナなのですよ…」

沙都子「………!」

銀時「膨れちまった殺意が仮にドッカーンと行っちまえば…洒落にならねーぞ」

圭一「ダメだ…そうなる前に!必ずレナを止めるんだ!」

---
放課後、某所

圭一「くそっ…レナの奴、一体どこに行っちまったんだよ……」

魅音「これだけ手分けしても見つからないなんて…どうなってんのさ…」

沙都子「村の方々に事情を説明して一緒に探していただいては……」

銀時「そいつァダメだ、今のアイツに下手に近付いたら怪我人が出るかもしれねぇ」

詩音「誰かに怪我を負わせたなんてことになれば…レナさんはもう戻れなくなります…」

沙都子「…………」

---
同日…某時刻、下校後の学校

レナ「…………」

---


魅音「もう遅い…今日はここまでだね」

圭一「まだ探せる…あと一時間だけ探そうぜ!」

魅音「圭ちゃん、もう完全に日が落ちてる…これ以上はさすがに無理だよ」

詩音「警察も引き続き捜査してくれてます、大石さん達を信じましょう…」

圭一「……そうだな、どことなく沙都子も眠そうにしてるし」

沙都子「そ、そんなことありませんわ!圭一さん、失礼なことを言わないでくださいな!」

梨花「………」

---
夜、魅音宅

銀時「………」

銀時(考えてみりゃ…この村は何日も隠れられるような土地柄じゃねぇ…)

銀時(つーことは…そろそろシビレ切らして動きがあってもおかしかねーな)

銀時「ポカリでも飲んで考え………ん?」

銀時「あれ……オイ、ジャグからポカリ出ねーんだけど?何なのこれ、故障?」

銀時「まだほとんど使ってねーのに壊れたとか認めん!お父さん認めないよ!」

銀時「これだから懸賞はダメなんだよチクショーめ…冷たいポカリ飲めないじゃねーか」

銀時「………」

---
一時間後、魅音宅

銀時「よし…これでもうジャグの心配はいらねーなっと……」

prrr prrr

銀時「おーい、電話鳴ってんぞー」

魅音「ごめん銀さん!今ちょっと手が放せないから代わりに出て!」

銀時「仕方ねーな……もしもーし、万事屋ですけど?」

レナ『その声…先生だよね?だよね?』

銀時「!」

銀時「いや、あの……え?」

レナ『あはは!びっくりした?』

銀時「びっくりした?じゃねーよォォォォ!?何でふっつーに電話してきてんの!?」

銀時「いや、つーかお前今どこにいんだ!?」

レナ『そんな慌てて色々聞かなくても…速すぎて何から答えていいか……』

銀時「いや焦るわ、今の冨樫が一年間で連載に穴を空けないのを見た時くらい焦るわ」

レナ『それ……焦るようなことなのかな?かな?』

銀時「で……お前、今どこにいんだ?」

レナ『えへへ、レナの秘密の場所だよ』

銀時「お前、数学の問題の答えを聞いて相手が『数字』って返したらどう思うよ」

レナ『冗談だってば…でもちょうどいいね、先生は時間大丈夫?』

銀時「まあ…特に予定はねーな」

レナ『レナも先生に会いたかったところだから…待ち合わせしようよ』

レナ『レナが言うところに…先生一人で来てくれる?』

銀時「………」

---

魅音「ずいぶん騒いでたけど…誰から?圭ちゃんとか詩音?」

銀時「いや…レナのヤローから直々に指名食らっちまったぜ」

魅音「れ、レナから連絡があったの!?」

銀時「まー分かりやすく言えば…指定した場所に俺一人で来やがれコノヤロー、だとよ」

魅音「先生…一人で?」

銀時「誰かと一緒に来てたり、知ってる奴を見かけたらもう二度と姿を見せねーとよ」

魅音「そんな……!」

銀時「今からアイツら全員に連絡して絶対に外に出ねーように伝えとけ」

銀時「万が一、待ち合わせ場所をうろちょろしてたら誤解させちまうだろうからな」

魅音「銀さん…やっぱり一人で行くの……?」

銀時「行くしかねーだろ、せっかく向こうから来るってんだからな…」

銀時「話が通じるかは分からねーが…ま、見苦しく足掻いて説得してみようじゃねーか」

魅音「………!」

---
某所

銀時「………」

レナ「……ありがと先生、来てくれたんだね」

銀時「ご指名どーもお嬢さん、ジャストドゥーイット」

レナ「あはは…やっぱり銀さんは銀さんなんだね……」

銀時「つーかテメー…人様に気を使わせんじゃねーよ、心配掛けやがって……」

レナ「ごめんね…レナ、あの時は何が何だか分からなくなっちゃってたの……」

レナ「あれからいっぱい考えたし泣いたりもした…本当に…怖かった…」

銀時「……お前、今も泣いてんじゃねーか」

レナ「怖くて…震えが止まらなくなって…それで…そうしてると頭の中で声がして…」

銀時「あんま引っ付くなお前…女はそう簡単に男に寄り添うもんじゃねーぞ?」

レナ「それを聞いたらレナは…やっと気づいたの…みんなと一緒にいられる方法に…」

レナ「みんながレナを助けてくれる方法に……」

銀時「……馬鹿言ってねーでとっとと帰るぞ、アイツらも心配してんだからな」

レナ「だから……先生………」

銀時「お前………」

グサッ

銀時「………っ!」

レナ「……しばらく大人しくしてて」

銀時「う……ぐっ………!」

レナ「これで先生は動けない…だからレナを止めることも出来ない……」

銀時「へ……テメー、なかなか泣き真似が上手いじゃねーか…銀さんも気づかなかったぜ」

銀時「やっぱ…腹にジャンプ仕込んどきゃ良かったか……?」

レナ「レナも銀さんならきっと何かしてると思ってた…でも何もなかったね……」

銀時「少年の夢と希望に満ち溢れたジャンプに傷つけるなんざ出来ねーよ……」

レナ「そう…ごめんね、でもこれで大丈夫…銀さんは私の計画に巻き込まれないよ…」

レナ「ごめんね…ごめんね先生…レナ、こんなやり方しか思いつけなかったの」

銀時「待…て……」バタッ

銀時「………」

銀時(オイオイ…マジで洒落になんねーぞ……あの馬鹿…モロに……)

『いた!ぎ、銀さんいたよ!』

『血を流してるじゃないですか!お姉、早くどこかに運ばないと!』

『俺だけじゃ無理かもしれない!誰か手を貸してくれ!』

銀時(アイツら来ちまったのか…?)

圭一「銀さん!しっかりしろよ!ちゃんと意識あるよな!?」

銀時「……ワリーな、どうにもヘマ踏んじまったらしい」

---
魅音宅

銀時「………」

圭一「魅音!銀さんの怪我はどうなんだ!?」

魅音「とりあえず命に関わるほどの…致命傷ってわけじゃないね」

詩音「それってつまり…重傷ではあるってことですよね?」

魅音「うん…暫くは安静にしてなきゃダメだね、走り回ったりなんかも御法度…」

圭一「そんな…じゃあ銀さんは……!」

魅音「ここからは銀さんの力は借りられない……」

梨花「………!」

梨花(馬鹿だ…私は馬鹿だ!何でもっと早くレナに手をさしのべなかった!!)

梨花(何故銀時がリナを目撃した時にすぐ行動を起こさなかった!)

梨花(確かにチャンスはあった…なのに私が選んだ選択肢は…様子見と情報収集?)

梨花(…たかを括っていた、立て続けにこんな事態になるわけがないと思っていた!)

梨花(私のそんなくだらぬ思い込みのせいでレナは暴走し…銀時はこんな怪我を!)

梨花「……僕のせいなのです、ごめんなさい…ごめんなさい銀時……!」

沙都子「梨花……」

銀時「……謝ってんじゃねーよ」

梨花「ぎ、銀時!」

圭一「だ、大丈夫なのか銀さん!?」

銀時「あんま大丈夫じゃねーが…斬られんのは何度も経験があっからよ」

詩音「経験があるって銀さん…どんな生活を送ってるんですか…」

銀時「それよか…テメーら、揃いも揃ってよく来たなオイ、もう夜も遅いんじゃねーか?」

圭一「魅音から電話があって…すげえ慌てた様子だったからさ」

魅音「私、銀さんの帰りが遅いからいても立ってもいられなくなっちゃって……」

銀時「……今回ばっかはテメーに感謝だな」

あんまり進みませんでしたが今日はここまでにさせて下さい
引っ張りすぎたせいで残りもわずかになってしまったので一気に終わらせます
必ず完結はさせるので……

   \                            /
     \     ズサー!     。・゚・ 彡    /
       \     ─=∧,,∧   ミ。・゚・。・゚・)/
         \三c(,_⊃`・ω・)⊃━ヽニニ/
 チャーハン   \             /
     作るよ!! \         /    よしバレてない
  ∧,,∧          \∧∧∧∧/   クルッ ∧,,∧

 (;`・ω・)  。・゚・⌒)  <    チ  >     ミ(・ω・´ )つ サッサ
 /   o━ヽニニフ))  < 予 ャ  >     c( U・ ゚U。彡・ 。・゚・
 しー-J          <    |  > ━ヽニニフ
──────────< 感 ハ >───────────

      ヽ        <    ン  > 野菜だけでもおいしいね
    。・゚.||       < !!!! の >          ∧,,∧
   。・゚・。||ミ      /∨∨∨∨\         (・ω・  )
  。・゚・  〆      /時は動き出す \ ̄ ̄ヽ・゚・ 。・゚/(_,   )
  ∧,,∧ ┃ラヴィ!!/。・゚・ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄  \   ̄ ̄ ̄ \、_)
 (∩゚∀゚)∩   /。・゚・。・゚・  ∧,,∧     \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

 /    ノノ  /        ( ・ω・´ )っ    \ ̄| ̄| ̄
 しー-J  /  ヽニニフ━oイ    |       \

銀時「もうこれ多分オマケまでは書けねーな…つか本編ちゃんと終わるのか?」

今日と明日くらいで多分本編は完結出来る…と思います、多分

圭一「けど……銀さん、今回は鉄平の時みたいに何も準備してなかったんだな」

魅音「確かに…前みたいにお腹に漫画を仕込んだりはしなかったよね」

銀時「そりゃお前、ジャンプは傷つけちゃならねーだろうよ」

圭一「いや…本当にそれだけの理由で?」

銀時「……おかしいじゃねーか、仲間と会う前に身を守るモンを身に付けるなんざ」

梨花「銀時…あなた……!」

圭一「………!」

圭一「……そうだ、俺は何を馬鹿なことを言ってたんだ」

魅音「け…圭ちゃん?」

圭一「仲間を怖がることなんてない…そんなの当たり前じゃないかよ!」

圭一「なのに俺は…心のどこかでレナを怖がってた!必死に助けを求めてるレナのことを!」

詩音「助けを……?」

圭一「レナが隠れた理由がやっと分かった…レナは…俺達を守ろうと必死だったんだ…」

梨花「ど、どういうことなのですか…?」

銀時「………」

圭一「今までレナが姿を隠してたのは…誰も傷つけたくなかったからだ」

圭一「自分の中で暴れる殺意で誰かが犠牲にならないように……」

圭一「そのために…誰からも見られないよう…誰も見ないように一人で隠れてた…」

圭一「けど…そんなレナの意志に逆らうかのようにアイツの心は擦り切れて…」

魅音「それで…ただでさえ壊れちゃってる心が…もっとボロボロになって……」

梨花「そんな…それじゃ……」

銀時「…………」

銀時「……なら、まだ間に合うじゃねーか」

梨花「え……?」

銀時「どんだけ粉々に壊れちまってようと心が無くなったわけじゃねーんだろ?」

圭一「そうだ…俺たち全員で心のカケラを紡いでいけば…レナならきっと戻ってこれる!」

魅音「圭ちゃん……」

銀時「……そんだけ言えんなら…後は任せちまっても良さそうだな」

圭一「銀さん……」

銀時「ワリーが俺ァもう使い物にならねぇ…こっからはテメーら次第ってわけだ」

梨花「………」

梨花(私たち次第で…レナが……!)

銀時「それと…コイツを今のうちに渡しとくわ」

詩音「これ…銀さんの木刀じゃないですか!」

銀時「今はちょうど二本あっからな…一本はテメーらが持っとけ」

魅音「に、二本?銀さんって二本も刀さしてたっけ?」

銀時「一本は俺が持ってたモンだが…もう一本は俺が前に来たときの忘れモンよ」

圭一「わ…忘れ物?」

沙都子(つまり…教室の後ろに飾ってあった木刀でございますわね…)

魅音(いつの間に持ってきてたんだろ…)

銀時「……圭一、コイツはテメーに預ける」

圭一「お、俺…ですか…?」

銀時「アレだよ…木刀振り回すなら女よか男のテメーのが様になんだろ、多分」

銀時「振り回すようなことにならねーのが一番だけどよ……とりあえず持っとけや」ポイッ

圭一「本当に…使うことがなければいいな……でも前みたく俺を守ってくれるかも…」

圭一「…………前みたいに?」

圭一(待てよ…前っていつだ?)

圭一(鬼隠しで敵と戦ってたとき…そうだ、俺は梨花ちゃんと一緒にいたんだ…)

圭一(それを鷹野さんに見つかって…梨花ちゃんを渡すように銃で脅された……)

圭一(けど俺は梨花ちゃんを渡すことを拒否して…そして…鷹野さんは俺を撃った)

圭一(そうだ、その時…この木刀が飛んできて弾を弾いて…声がしたんだ)

銀時『すいませーん!この辺に木刀投げちゃったんですけど見ませんでしたァー?』

圭一「そうだ…そうだったんじゃねえかよ!銀さんはずっと…俺たちの先生だった!」

梨花「け…圭一!あなた…まさか!」

魅音「圭ちゃん…思い出した……?」

圭一「ああ、全部…全部思い出した!」

詩音「これで…レナさん以外は全員、銀さんのことを思い出しましたね!」

沙都子「全く…圭一さんったら思い出すのが遅すぎですわよ!」

圭一「し、仕方ないだろ!っていうより…俺はなんでこんな大事なことを忘れてたんだ?」

沙都子「さ…さぁ…実は私にもさっぱりでございまして……」

梨花「圭一…それより今はレナのことを……」

圭一「…………」

圭一「……ああ、分かってるさ」

圭一「聞いてくれみんな…ここからは銀さん抜きの……俺たちだけの戦いだ!」

圭一「鬼隠しの時も沙都子の時も…俺たちはずっと銀さんに頼りきりだった!」

圭一「仲間に頼るのは悪いことじゃない、それだけ相手を信頼してるってことだからな」

圭一「けど頼るだけじゃなく…相手に頼られた時も全力で力になれなきゃ仲間じゃない!」

圭一「銀さんが俺たちに託してくれたのは…俺たちならレナを救えるって信じてるからだ!」

圭一「今まで俺たちを護ってくれた銀さんの信頼…俺たちは絶対に裏切らない!!」

梨花「圭一……!」

銀時「…………」

銀時「やっぱ…新八と同じでテメーはやれば出来る子だったな……」

梨花「ぎ、銀時?」

銀時「やべ…何か眠くなってきちまったぜ……」

魅音「だ、ダメ!ダメだよ銀さん!」

圭一「う…嘘だろ!オイ銀さん!しっかりしてくれよ!」

銀時「ワリーな…先に眠らせて…もらうぜ……」

詩音「ぎ…銀さん………?」

銀時「……………」

圭一「ぎ、銀さァァァァん!!」

銀時「いやうるさいんだけど?寝るって言ったよね?」

圭一「」

梨花「…………」

---
翌日、学校

圭一「レナの奴…今頃何やってるんだろうな」

魅音「致命傷じゃないにしても銀さんを刺しちゃったくらいだからね…」

梨花「きっと…すごく追いつめられていると思うのですよ」

沙都子「心だけでなくお体も心配ですわね…」

詩音「……そろそろ知恵先生が来る頃ですね」

ガラッ

圭一「おっ…来たみたいだ………っ!?」

レナ「みんなー!おはよー!」

梨花「っ!」

魅音「れ、レナ!?あんた何やって……」

レナ「朝の会を始めるから教室の真ん中に集まってー、机は周りにどけちゃってー」

生徒「………」

詩音(な、鉈を女の子に突きつけて…人質ってことですか……)

レナ「圭一君…今日は木刀を持ってるんだね?アハハハハ!似合うよ」

圭一「レナ…お、お前………!」

レナ「でも…そんな危ない物持ってちゃいけないよね、それ…置いて?」

圭一「わ…分かった…」

圭一(くそっ!ハンターカリンガみたいな鉈を持ってるお前に言われたくねえぞ!)

レナ「じゃあ…ついでに圭一君、教室のみんなを縄跳びで縛っちゃって?」

レナ「緩く縛っちゃった子は殺しちゃうから…しっかりね」

圭一「……く………」

---

レナ「うん、ちゃんときつく縛れてるね!」

圭一「……俺のことは縛らないのか?」

レナ「縛らないよ」

圭一「よければ理由を聞かせてくれ…何で俺だけ…そして何でみんなを巻き込んだ!」

レナ「巻き込んだんじゃない…これは部活だよ?」

魅音「!」

圭一「ぶ、部活!?」

レナ「驚く事じゃないよ…いつも部活は命懸け…だけど今は実際に命を懸けてる」

レナ「本当に命を懸けてるかどうかの違いだけで…あとはいつもと同じだよ?」

圭一「………」

梨花(ま、まさか…レナがここまでしてしまうなんて……!)

詩音(私たちだけじゃなく…学校に乗り込んできて生徒全員を人質にするなんて…)

圭一「………それで?」

レナ「?」

圭一「それで…ルールは何なんだ、部活なんだろ?これはどんなゲームなんだ?」

レナ「簡単だよ…このクラスにいる人間を全員救えれば圭一君の勝ち…それ以外は負け」

生徒「う…うぅ……」

レナ「アハハハハハ!大丈夫だよみんな!圭一君たちが必ず助けてくれるから!」

レナ「沙都子ちゃんを助けたみたいにね!!アーッハッハッハッハ!」

---
同時刻、園崎家

銀時「………」

茜「何があったかは知らないけど…アンタくらいの腕でも刺されるモンなんだね」

銀時「俺なんざ大したことねーよ」

茜「馬鹿を言うんじゃないよ、あたしだって素人じゃないさね…個の力量くらい分かるさ」

茜「大婆様とやり合った時だけで十分すぎるほど伝わったよ…」

茜「それでいて誇るでもなく飄々としている…そりゃあの子達が懐くわけだね…」

銀時「……アイツらか」

茜「不思議な男だよ、あんたは……」

銀時「………」

銀時「……ワリー、ちょっくら散歩してくるぜ」

茜「……どこ行くつもりだい」

銀時「引きこもってばっかじゃ息苦しくてかなわねーからな…外の空気を吸いによ」

茜「見え透いた嘘を吐くんじゃないよ」

銀時「…………」

茜「アンタ…腹に穴が空いてんだよ?そんな体で何をしようってんだい?」

茜「下手を打ちゃ…本当に死ぬよ?」

銀時「……体に空いた穴なんざ問題じゃねーよ」

茜「………?」

銀時「俺ァどうにも器用な生き方ってのが出来ねーらしくてな……」

銀時「斬られようが腹に穴が空けられようが生きてられりゃ構いやしねー…ただな……」

銀時「てめーの魂に穴を空けるような真似だけは絶対にしたかねーんだよ」

茜「………!」

---
学校

圭一「…………」

圭一(くそ…俺以外は全員身動きが取れない…そしてレナには鉈……)

圭一(人質の子を放す気配もない…その子も恐怖で抵抗しようとさえしない…)

圭一「くっ………」

レナ「どうしたのかな圭一君…流石の圭一君でもお手上げなのかな?」

圭一「いーや…ちょっとクールに考えてただけだ」

レナ「じゃあヒントを上げるよ…レナの武器はこの鉈だけじゃない…」

レナ「もっと危ない物があるかもしれないから…気をつけてね?」

圭一「な…何だって……!」

梨花(圭一でも分が悪すぎるわね…こっちに武器は何一つない……)

梨花(銀時の木刀も今は拾うことさえ許されない…妙な動きをすれば必ず犠牲が出る)

梨花「八方塞がりね…羽入」ボソッ

羽入『……信じるしかないのです』

梨花「………?」

羽入『僕に出来るのは…圭一たちを本気で信じることだけなのです…だから…梨花!』

梨花「……分かってる、私は最後まで希望を捨てないわ」

---
校庭

大石「遅くなりました!熊ちゃん、状況は!」

熊谷「通報によれば…女子生徒がクラスメートを人質に教室に立てこもっているとか」

大石「女子生徒…竜宮レナか…!見つからないと思ったらまたフラッと出てきて……」

熊谷「それと…妙なことに立てこもっている竜宮レナから特に何の要求もないんです」

熊谷「部活をしているだけだから近づくな…としか……」

大石「部活ってのはあれかな…仲良し組でワイワイやってたヤツかな……」

大石「しかしそれにしちゃやりすぎてますねぇ…どうしたもんかな……」

銀時「一人か二人、こっそり中に入れたらどっすかね」

大石「いや…それはちょっと危険すぎますねぇ」

銀時「いやいや、このままじゃジリ貧だしさ?ここは一発行っとくべきだって」

大石「いやそれは……」

熊谷「あの…あんた誰っすか?」

銀時「ん?」

大石「」

大石「さ、坂田さん!?アンタここで何やってんですか!」

銀時「何って…あんたと一緒だよ警部殿」

大石「それより…あれは一体どうなってるんですか!遊びじゃ済みませんよ!?」

銀時「そのことなんだけどよ…ちょっくらテメーらに頼みがあってな」

大石「参ったなぁ…どうせ無茶な頼みでしょうに」

銀時「まままま、これが最後だから大目に見てくれや」

大石「……聞くだけは聞きましょう」

---

銀時「……じゃーそういうわけでよろしく頼むわ」

大石「…………」

熊谷「い、いいんすか!?あんなとんでもないお願い聞いちゃって!」

大石「いい訳ないだろっ!いい訳ないってのに…あの人、ホンットに話聞かないから」

大石「ま…ある意味、どんな時でも自分を殺さないでいる…羨ましい生き方ですがね」

熊谷「……心配っす、これ下手したら首じゃすまないっすよ?」

大石「私なんか今年で定年だってのになぁ…はぁ……」

---
教室

レナ「どうしたのかな圭一君…こうやって時間が経つのをただ待ってるだけ?」

圭一(いや…本当に手の出しようがないだけなんだけどな……)

レナ「それでレナの集中力が落ちた所を攻撃するつもりなのかな?」

圭一「………」

圭一(待てよ…俺はこの木刀を持って……)

圭一「レナ…この木刀、元の場所に戻してくれないか?」

レナ「………?」

圭一「これ…俺にとっては大切な木刀なんだ、それを床に置くのは気が引ける」

圭一「だから…元々飾ってあった所にお前が戻してくれないか?」

レナ「………うん、それならいいよ」

圭一(これでレナが何か思い出せば……)

レナ「これ、思ったより重いんだね…びっくりしたよ…」

圭一(ダメか…俺と同じってわけじゃないんだな……)

レナ「教室の後ろまで来たついでに教えてあげる…レナのもう一つの武器……」

圭一「それ…ウォータージャグじゃないか……」

レナ「そうだね…じゃあ問題、今…この中には何が入ってると思う?」

圭一「………?」

レナ「とっても良く燃えて…スッゴく危ないものかな?」

圭一「ま、まさか…灯油とかガソリンじゃないだろうな……!」

レナ「アハハハハハハ!正解だよ圭一君!大正解!!」

圭一「………!」

圭一「それだけは止めろレナ!!」

レナ「来ないで…それ以上近付いたら人質の子が怪我しちゃうよ?」

圭一「殴りたければ好きなだけ殴れ!俺は守らないし退きもしない!」

レナ「え……?」

圭一「お前のことを理解してやれなかった代償がそれで払えるなら…俺は抵抗しない!」

圭一「俺を殴ってお前の痛みが少しでも和らぐなら…俺は抵抗しない!!」

圭一「竜宮レナ!俺は前原圭一はどんな時でもお前の仲間だァァ!!」

レナ「………」

レナ「どうして…圭一君はレナを助けようとしてるのかな?」

圭一「?」

レナ「レナは今、ものすごく酷いことをしてる…自分のワガママにみんなを巻き込んで」

レナ「なのに…何で圭一君はレナのこともそこまで考えてるのかな?レナのことなんか…」

圭一「……お前、気づいてないのか?」

レナ「……何に?」

圭一「『このクラスにいる人間全員を救えれば俺の勝ち』…確かにそう言ったよな」

圭一「それはつまり人質だけじゃなく…レナのことも救うって意味だ!」

レナ「ち…違う!レナはそんなつもりで……」

圭一「違わない!お前は苦しみながらも手を伸ばしてるんだ!助けを求める手を!」

圭一「だから俺もお前を全力で手を伸ばすんだ!仲間として!今度こそ救えるように!!」

圭一「お前に伝わるまで何度でも言うぜ…前原圭一は!最後まで竜宮レナの仲間だ!!」

銀時「あのーすいませーん、カレー届けに参りましたー」

圭一「…………」

レナ「…………」

その他「…………」

銀時「……すいまっせーん、出直してきまー」

圭一「ぎ、銀さんんんんん!?」

魅音「な、何で来ちゃったのさ!まだ全然怪我が治ってないのに!」

銀時「いや違うんだよ、俺の足が勝手にこの場所へ吸い寄せられるようにだな……」

詩音「いやそれ…結局は自分で来たってことじゃないですか」

レナ「……先生も来ちゃったんだ、せっかく先生は巻き込まないようにしたのに…」

銀時「それで刺されるってんなら巻き込まれた方がマシだ馬鹿」

圭一「あの銀さん…状況分かってますか、かなりヤバいんですよ」

銀時「そうだな…見た感じアレだ、ひのきのぼうで魔王に挑んでるみてーなアレだな」

魅音(ちょ、先生!本当にいい加減にしてよ!おじさん達、命懸けなんだから!)

沙都子(でも…不思議ですわね…こんなに大変な状況なのに銀時先生が来ると…)

詩音(怖いとか…そういう気持ちがなくなっちゃうんですよね……)

銀時「つーかさっきチラッと聞いたんだけどよ…そのー何?ガソリンがどうとか?」

圭一「あのジャグの中…ガソリンが入ってるんです……」

銀時「いや何でわざわざあんなモンの中にいれた?普通にポリタンクでいくね?」

レナ「圭一君たちは鋭いからね…何か少しでも気取られたらすぐにやられちゃう」

レナ「でも…これならいつも教室にあって不自然じゃないでしょ?」

銀時「つーか中に入ってたポカリはどうしたコルァ、あれ俺のだぞ」

圭一「銀さん黙ってください、下手したら本当に死にますよ」

レナ「それじゃあ銀時先生も来たことだし…もう一つだけ教えてあげる」

沙都子(ま、まだ何かございますの!?)

レナ「本当に危ないのはこの教室だけなのかな?かな?」

魅音「それって…どういう……」

レナ「それはね…ある時刻が来ると自動的に作動する仕組みなの…」

レナ「それが作動すれば…多分、火事じゃすまなくなっちゃうよ……」

圭一「く……」

銀時「………ここは任せたわ、俺ァそっちを止めに行くからよ」

圭一「………分かりました」

眠くなってしまったので今日はここまでですみません、明日には完結しそうです
前回みたいなオマケに今回はかなり力入れてたんですが…多分無理でしょうね

銀八「出来れば先の展開が読めてもあんま口にしねーでください…いや別にいいけどね」

禁書より、制作でほとんど挙がってないやつでクロスってほしいなぁ

ブラックラグーンとかレベルEとかエアマスターとか

長戸「金ちゃんに近づこうとする女共を払っている内に長拳が出来た」

銀さん「謝れ!!!ルフィさんに謝れ!!!」

レナ「圭一君にしろ先生にしろ…このままじゃ私に勝つのは無理だよ?」

銀時「人間ってのは死ぬ気になりゃキン肉バスターだって何だって出来んだよ」

銀時「ついでにマイケル並のムーンウォークでもやってやろーか、あん?コノヤロー!」

圭一「マイケル並のムーンウォークは無理です、さすがにあれは無理」

銀時「マイケルのムーンウォークは無理だそうだコノヤロー!」

魅音「…………」

詩音(あの余裕は一体どこから出て来てるのか本当に不思議なんですけど……)

レナ「……言っておくけど先生、レナの仕掛けた細工は時限式だからね?」

銀時「…………」

銀時「……待って待って、え?時限式?」

レナ「教室のガソリンを誘爆させる簡単な仕掛けだけどね…場所は教えないよ…」

銀時「あの…タイムリミットだけ教えてくれないっすか」

レナ「ちょうど午前10時だね」

圭一「い…いい今何時だ!?」

銀時「そうね大体ね……うん、9時40分くらい」

圭一「あ…あと二十分しかないじゃねえかよ!!」

銀時「マジで洒落にならねーぞオイ!ツーストライクで出てきた代打くらいやべーよ!」

レナ「だから言ったよね…レナには勝てないって…先生と圭一君が揃ったって…」

レナ「やっぱりそうだ…仲間がみんな集まっても…レナには勝てない!」

レナ「仲間なんてレナには必要ない…余計な物なんだよ!!」

銀時「………」

銀時(今…レナの奴に上手く仕掛けりゃ捕まってる奴を助けられっかもしれねーが…)

銀時(そんな方法じゃめでたしめでたしにはならねーか……)

銀時「……力で抑え込むなんざ何の解決にもなりゃしねーからな…」

レナ「?」

圭一「俺たちはここにいる全員を救う!レナも含めて全員な!」

銀時「もうここまで来たら…何が何でもテメーの魂を立ち上がらせてやらァ……」

銀時・圭一「「お前が言う余計なモンがどれだけの力を持ってるか…」」

銀時・圭一「「しかと…その目ん玉に焼きつけな!!」」

レナ「………っ!」ガリガリガリ

レナ(うるさいうるさいうるさい…何が仲間…何が…助けてくれなかったくせに!)

『……本当は気付いているではないですか?気付きながらも目を背けていませんか?』

レナ(だ…誰!?)

『答えてください…あなたにとっての仲間…それがどのような存在なのか…』

レナ(……気付いてるよ、仲間なんて何の力にもなってくれない…ただの……)

『それは違うのです…仲間はあなたが思っているより遥かに大きな力を持っています』

『それは神など遠く及ばぬ程に…気高く尊い…そして強き力……!』

レナ(嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!お前の言っていることは嘘だ!!)

『優しき故に迷い…そして傷つける人の子よ、ならば試してみるがいい……』

『物語の全てが終わった時…私は再びお前に問おう、仲間とは何なのか……』

レナ(!!)

レナ「う、うあああああぁぁぁぁ!!」

圭一「なっ!?」

銀時「下がれっ!」

キィン!!

圭一「ま…待ってくれよ銀さん!レナの相手は俺が!」

銀時「言ってる場合じゃねえ!テメーはとっとと時限なんちゃらを止めろ!!」

圭一「け、けど!」

銀時「考えてみりゃ俺よりテメーのがここの作りに詳しい…テメーのが適任だ!」

圭一「………!」

レナ「うう…ああああぁぁ!」

キィン!

銀時「ごちゃごちゃ考えてねーでさっさと行きやがれェェェェ!!」

沙都子「圭一さん!」

詩音「行ってください圭ちゃん!今は銀さんを信じて!」

圭一「………!」ダッ

レナ「……………」

銀時「どうしたよ、急に暴れるなんざ…ビビっちまうような幻覚でも見えたか?」

銀時「それとも…神様からのお告げでも聞こえちまったのか…」

レナ「……アハハハハハ!アーッハッハッハッハッ!……もういい、分かったよ」

銀時「………?」

レナ「今すぐに…この教室全部を燃やしちゃえばいいんだからね」

銀時「ばっ……ま、待て!」

レナ「動かないで!動いたら……」

梨花「うっ………」

レナ「梨花ちゃんが…動かないお人形さんになっちゃうよ……?」

銀時「……っ!」

レナ「本当はみんなをバーベキューにしたくなんかなかったけど仕方ないよね…」

レナ「この大きさのジャグなら何リットルも入るから…ちゃんと全員にかけられるよ」

レナ「ありがとね先生…こんなに良いものを持ってきてくれて……」

銀時「待て待て待てェェェ!タイムストォォップ!カオス・コントロォォォル!!」

レナ「アーッハッハッハッハッ!!」

バシャ!

魅音「うっ!」

レナ「後はガソリンにライターに火をつければ…完全にレナの勝ちだね」

沙都子「うぅ………」

レナ「大丈夫だよみんな…レナも一緒に死ぬ…そうすればみんな…一緒だから」

銀時「!」

カチッ!シュボッ!

レナ「……………?」

銀時「……………?」

魅音「ふ、不発……?で、でもどうして……」

詩音「お、お姉…ガソリンって…こんな甘ったるい匂いしましたっけ?」

魅音「ふぇ?」

銀時「…………あ」

---
遡ること>>799、ジャグが壊れた日の夜

銀時「………」

銀時「……あるじゃねーか、学校に」

銀時「夜なら誰もいねーしジャグの形も同じだから…か、完璧じゃねーか」

---

銀時「で…うん、そん時バレねーように取り替えたんだわ」

魅音「じゃあ…おじさん達に掛けられたこれは…」

銀時「……アレだ、フレッシュポカリ」

魅音「じゃあ…ガソリン入りのほうは?」

銀時「……多分お前んちにあるアレだな、うん」

レナ「…………」

魅音「…………」

詩音「…………」

沙都子「…………」

梨花「…………」

銀時「あの……何て言うか、その…とりあえず謝っとくわ……スマン」

魅音「……こんな時に言うのもアレだけどさ、先生…空気読もうよ」

詩音「それ、お姉だけは言っちゃいけないだと思います」

レナ「………分かってたんだね、分かってたからあんなに余裕があったんだね」

銀時「いや…これはマジで偶然でだな……」

レナ「最後までレナの邪魔をするんだね…先生はァァ!!」

銀時「!」

キィン!

銀時「ぐっ………!」

沙都子「き、きちんと受けられましたのにどうしてあんなに苦しそうな…」

魅音「先生…服が血ですごく滲んでる……き、傷口がまた!」

銀時「………」

銀時(腹に穴が空いてるだけでデカすぎるハンデだってのによ…)

レナ「レナをバカにして…許せない!絶対に許せない!!」

銀時(本気の殺意…いやどっちかっつーと狂気か…まるで加減がねーぞオイ)

銀時(こいつァいくら俺でも守るだけじゃ保たねーな……)

レナ「どうしたのかなぁ先生!守ってばっかりじゃレナは止められないよ!!」

銀時(俺だってやり返してーが…そうするわけにもいかねーんだよコノヤロー!)

レナ「分かってる…動けないんだよね!狭い屋内じゃ木刀は使いにくいんだったよね!」

銀時「そうじゃねーよ……!」

キィン!

レナ「………?」

銀時「教師が教え子をぶん殴るわけにはいかねーだろ…!」

レナ「まだそんなこと言ってるんだ…アハハハハハハ!」

レナ「言っておくけど…レナの時限装置はまだ生きてるんだからね」

レナ「爆発はしなくても…この学校を燃やすくらいは出来る……!」

銀時「…………」

銀時(責任重大だぞけいぱっつぁん…テメーが止めなきゃ元も子もねぇ……!)

レナ「ほらほらどうしたの先生!押されてるんじゃないかなぁ!」

銀時「はあっ…はあっ……!」

銀時(どうなってやがる…腹刺されたにしろここまで動けなくなるなんざ……)

ガッ!

銀時「ぐあっ!」

魅音「ぎ、銀さん!」

レナ「終わりだね先生…これで…終わりだね!」

銀時「!」

梨花「うあああああ!」ドンッ!

レナ「うあっ!?」

詩音「り、梨花ちゃま!?」

梨花「銀時!大丈夫なのですか!?」

銀時「見りゃわかんだろ…一ミリも大丈夫じゃねーよ……それよか、お前何で…」

梨花「手が細かったおかげで縛られても何とか抜けられたのですよ」

銀時「そうか…なら、他の奴ら連れてとっとと逃げやがれ……」

梨花「……いいえ、ここからは…僕がレナの相手をするのです!」

銀時「馬鹿言ってんじゃねーよ…流石にテメーじゃ……」

梨花「銀時…これはあなただけの戦いじゃない、私たち全員の戦いよ」

梨花「それをあなた一人だけでやろうだなんて…冷たいことを言わないで」

銀時「………!」

レナ「今度は梨花ちゃんが…レナと戦うつもりなのかな……?」

梨花「レナがこれ以上銀時を傷つけるなら……ね」

レナ「スゴいね梨花ちゃん…レナが怖くないんだ?死んじゃうかもしれないよ?」

梨花「フフ…おかしなことを言うのね……仲間を怖がる必要なんて全然ないでしょう?」

レナ「何を言ってるのかな…圭一君や先生の真似をしてるつもり?」

梨花「私は気付いた…仲間に頼りきりだった自分の弱さに……」

梨花「あなたは気付いていない…仲間を信じて頼ることの出来ない自分の弱さに…」

レナ「…………」

梨花「おいで…レナ、あなたの傷も弱さも…今は私が受け止めるわ」

梨花「たとえあなたに負けて殺されることになろうと…ね……」

レナ「何が仲間…何が…何が!!」

梨花「………」

レナ「歯の浮くようなきれい事ばっかり並べても…レナの考えは変わらない!!」

梨花「銀時…あなたの刀、借りるわよ……」

銀時「……縛られてる奴らの縄を俺が解くまで時間を稼げりゃ上出来だ」

梨花「そう…それなら、二分も稼げれば足りるわね……」

レナ「うああああぁぁぁ!!」

キィン!

---

銀時「……よしテメーら、縄が解けた奴からすぐに表へ行け!」

富田「せ、先生はどうするんですか!?」

銀時「俺だってこんなあぶねーとこにいたかねーよ…すぐに逃げっから心配すんな」

岡村「じ、じゃあ…僕たちは先に行きます!」

銀時「アレだ…『押さない、駆けない、喋らない』の『おかし』は守れよ」

岡村「あれ?『押さない、駆けない、喋らない、戻らない』の『おかしも』じゃ…」

銀時「え?戻らない?そんなのあったっけ?」

沙都子「そんな悠長なことを場合ではございませんわ!早くお逃げなさいませ!」

銀時「そーそー、もうその辺はいいからガンガン逃げとけ」

魅音「先生、私たちは……」

銀時「テメーらは逃げろっつってもどうせ聞かねーだろうからな…圭一と合流しろ」

詩音「圭ちゃんと…ですか?」

銀時「あいつと一緒に時限装置を探せ、多分…もう残り五分もねーぞ」

銀時「俺は梨花の奴と一緒にレナをここで止める……」

魅音「でも…それじゃもし私たちが失敗したら……!」

銀時「教室が真っ先に燃えんだろうな…そうならねーようにテメーらで何とかしてくれや」

銀時「俺たちの命…テメーらに預けたからよ……」

魅音「………行こう、みんな!」ダッ

梨花「くっ!」

レナ「レナの勝ちだね…アーッハッハッハッハ!」

梨花「くそー…なのです……」

レナ「終わりだよ梨花ちゃん…一撃で叩き割ってあげるよ」

梨花「!」

キィン!

銀時「こっからは俺のターンだコノヤロー」

レナ「……そんな体でまだ動けるんだ?もう眠ってればいいのに…」ガリガリガリ

銀時「………」

銀時(ここにきてまた掻き毟るようになりやがったな…しかも…今度は首か……!)

銀時(時限装置もやべーがこっちもこっちでやべーぞオイ……)

---
校内、某所

魅音「圭ちゃん!」

圭一「み、魅音!それにみんなも!?どうやって教室から抜け出して……」

詩音「銀さんと梨花ちゃまがレナさんを止めてくれてます、他の子もみんな逃げました」

沙都子「あとは私たちでレナさんの時限装置を見つけるだけですわ!」

魅音「一応…教室に撒かれる予定だったガソリンは何とかなったんだけどね……」

圭一「え?な、なら別にもう時限装置も探す必要はないんじゃないか?」

沙都子「圭一さん、ガソリンを甘く見てはいけませんわ!」

魅音「たとえ木っ端微塵にならなくても…少量でもあれば簡単に辺りは火の海になる!」

魅音「レナの言葉から考えてもまず間違いなく時限装置にガソリンは使われてる!」

圭一「!」

詩音「急がないとマズいですね…沙都子、何か考えが思い付かない?」

沙都子「教室…時限……ガソリン……圭一さん、本当に全ての部屋は探したんですのね?」

圭一「ああ…すみずみまで探した!」

沙都子「教室に着火させる気で仕掛けを作ったのなら…教室の近くにあるはずですが…」

圭一「そんな馬鹿な!教室の近くの部屋なんて真っ先に探したぞ!?」

沙都子「大きな声を出さないでくださいまし!もし室内でないのなら…」

詩音「まさか…外に……?」

沙都子「屋内の線が潰れているならそれしかありませんわ!」

魅音「でも…外って言ったってどこに……」

詩音「…雨どい!雨どいですよお姉!」

魅音「そうか…ここの雨どいは二階の屋根に沿って伸びててその端から真下に降りてる…」

沙都子「その雨どいの出口が詰まっていて中にガソリンが満たされていたら……」

圭一「しかも雨どいって…確か教室の窓のすぐ外を降りてたよな……!」

魅音「つまり教室にガソリンが撒かれてる時にそこが爆発したら…教室も連鎖爆発する!」

圭一「つまり…時限装置は!」

魅音「正確に10時ちょうどにセット出来るなら恐らく時計とかタイマーの類だね」

詩音「コードを剥き出しにしてそこに電気が流れれば…簡単に火花くらいは出せます!」

沙都子「そしてそれがあるのは…屋根の上!」

圭一「じ、時間がない!走るぞみんな!」

---

レナ「そんな血だらけでよく立ってられるね、見てて痛々しいよ」

銀時「だったら…ちったぁ加減するくれーの心遣いはねーのかよ……」

レナ「おあいにく様だったね…そんな気は全然ないよ!」

梨花「ぎ…銀時!」

レナ「そろそろ終わりにしようよ先生…もう疲れちゃったでしょ?」

銀時「……まだ余裕だっつの、タップダンスだろうがバリバリ出来るっつーの」

梨花(嘘よ…あれだけ血を流して大丈夫なはずがない……圭一…急いで…!)

圭一「銀さん!見つけた!見つけたぞ!!時限装置は屋根の上だ!」

レナ「!」

梨花「け、圭一!!」

レナ「よく気付いたねよく気付いたね!でもさせるもんかあぁあぁあぁぁ!!」ダッ

銀時「ま、待てテメー……!」

梨花「銀時!」

銀時「くそ…もうロクに足も動かねーとはよ……」

梨花「こ、こんなに血が…あなた…こんな体で今までレナと戦ってたの……?」

銀時「……やるしかねーだろ、俺ァ一応…テメーらの教師ってことになってんだからな」

梨花「馬鹿なのです…銀時は本当に…馬鹿なのですよ……」

銀時「……とっととアイツら追いかけるぞ」

---
屋上

圭一「どこだ!時限装置はどこにある!?」

沙都子「一息に屋上と言っても少し広いですわね…!」

詩音「急がないと!もうあと何十秒ですよ!?」

魅音「………あ、あれだよ圭ちゃん!コードが伸びてるあれ!」

圭一「と、遠いなちくしょう!あと何秒だよ!間に合え…間に合えェェェェ!!」

詩音「急いで圭ちゃん!!」

沙都子「圭一さん!もっと早く走って!」

魅音「圭ちゃん!!」

圭一「うをああああああああああ!!」

パシッ!ブンッ!

圭一(はぁ…はぁ…や、やったか!?)

魅音「い、今何時!?」

詩音「午前10時ちょうど!爆発は…なし!!」

圭一「いよっしゃああああっ!!」

魅音「やった!圭ちゃん…やったあぁぁ……!」

沙都子「本当に間一髪でしたわね…寿命が縮まりましたわ!」

詩音「でも…これでやっと終わったんですね!」

レナ「終わってないよ、詩ぃちゃん」

詩音「!」

詩音「れ、レナさん……!」

レナ「すごいよ…すごい、みんながここまでやるとは思わなかったよ」

圭一「何だよレナ…負けを認めるのか?」

レナ「認める訳ないじゃない、レナは勝つつもりだよ」

圭一「諦めが悪いな、もうお前に手はないだろ?みんな助かったから俺たちの勝ちだ」

レナ「確かに他のみんなは助かったよね…でも、レナが言った条件…覚えてる?」

圭一「……『教室内の人間全員を助ければ勝ち』…だったよな」

レナ「そう…でもまだ全員助かったわけじゃない、そうだよね?」

圭一「つまり…何が言いたいんだ?」

レナ「つまり…圭一君が死ねば私の勝ちって事だよ!!」

圭一「へへ…なるほど、そういうわけか……」

圭一「『圭一君』ってことは…標的は俺一人ってわけか?」

レナ「ううん…でも、どうせなら圭一君を一番最初に殺してあげたいからね……」

圭一「そりゃ…ずい分ありがたいことだな…」

魅音「………」

魅音(マズい…こっちほうがずっと人数は多いけど…誰も武器は持ってない……)

魅音(一斉に取り囲んだとしても必ず誰かが怪我をする…どうすれば……)

銀時「……丸腰の相手に得物使ってんじゃねーよ」

レナ「!」

圭一「ぎ、銀さん!」

銀時「前もってテメーに洞爺湖を渡しといたろうが…なんで肝心な時にねーんだ馬鹿」

圭一「いや…やむにやまれず教室に置いて来なきゃいけなかったんで……」

銀時「……使え」ポイッ

圭一「け…けどこれを俺に渡したら銀さんが丸腰に……」

銀時「お前、こんだけ血が出てる人間にチャンバラやらす気か?」

銀時「いくらドSの銀さんでもさすがにそこまではやらせないけどね」

圭一「い、いや…そういうつもりで言ったんじゃ……」

銀時「…めんどくせーが、ここまで来りゃ俺もとことん付き合ってやらァ」

圭一「………」

銀時「俺の魂…テメーに預けたぜ」

圭一「……ありがとな銀さん、一番最後を俺に任せてくれて」

レナ「………っ!」ガリガリガリ

レナ「……任せてくれてありがとう?何それ…何言ってるのかぜんぜん分からないよ」

圭一「………?」

レナ「レナは頼らなかった…みんなが幸せそうだったから邪魔をしないようにした!」

レナ「だからレナは…沙都子ちゃんのことが終わってからもずっと一人で耐えてた…」

レナ「なのに…どうして…どうして任せてくれてありがとうなんて圭一君は言うの!?」

圭一「うおっと!」

キィン

レナ「そんなこと言ったら…レナが一人きりで耐えてた時間は何だったの!?」

レナ「みんなのことを考えて…頼りたい気持ちを必死に抑えてたあの時間が…」

レナ「全部…全部無駄にやなっちゃうじゃない!」

圭一「…………」

圭一「レナ…お前は強い奴だよ、自分を省みずに仲間を思いやれる…本当に強い奴だ」

圭一「けどな…お前が思っているより…仲間ってのは遠い存在じゃない」

レナ「………?」

圭一「頼りたければいつでも頼る事が出来る…俺たちはそういう仲だろ?」

圭一「俺たちは…ずっとそうやってきたじゃないかよ!梨花ちゃんを助けたときから!」

圭一「命を狙われているっていう梨花ちゃんの話を信じて…戦ったじゃないかよ!」

圭一「銀さんと一緒に…何年も続いてた鬼隠しも止めたじゃないかよ!!」

レナ「な…何を言ってるのか分からないよ…沙都子ちゃんじゃなくて…梨花ちゃんを…?」

圭一「そうだレナ!俺たちは!仲間を守るために全力で戦ったんだ!」

圭一「それも並の戦いじゃない!下手をしたら命を落とす…危険な戦いだった!」

圭一「みんながみんな銃を持っているような奴らを相手に…俺たちは喧嘩を売ったんだ!」

圭一「そして俺たちは勝った!誰一人傷つかず…誰一人も死なせないで勝ったんだ!」

圭一「そうだろレナ!!お前は確かに!確かにその時から……」

圭一「俺たちの大切な…最高の仲間だったはずだ!!」

レナ「………!」

レナ「でも…あの時はレナの力じゃない……銀さんとみんなが…………?」

レナ(銀さんが…鬼隠しの時に?ううん…そんなわけ……)

銀時『…やるぞ、テメーらァ!』

レナ(でも…覚えてる……あの時…確かに銀さんはいた……!)

銀時『テメーらも…俺の仲間になってくれたじゃねーか』

レナ(そうだ…そうだよ…圭一君も魅ぃちゃんも詩ぃちゃんも……)

レナ(梨花ちゃんや沙都子ちゃん…それに…銀さんも……)

レナ(あの時…みんなで一緒に戦った…レナの何よりも大切な思い出が…)

レナ「レナを…今まで支えていてくれていたんだよ……!」

圭一「……何か、思い出したか?」

レナ「……………」

レナ「……どうして…こんなことになっちゃったんだろ……どうして…」

レナ「どうしてこんなに大好きなみんなのことを…信じられなかったんだろう……」

レナ「どうしてみんなに酷いことを言ったり…傷つけたりしようとしてたんだろう…」

レナ「どうしてレナは…圭一君や銀さんたちに鉈なんか向けてるんだろう……」

レナ「どうしてレナは…レナは……!」

魅音「……………」

魅音「もう一度…あの頃に戻ろう……今度は…きっと大丈夫だから……!」

レナ「魅ぃちゃん……」

魅音「私たちはいつもそばにいる…いつもそばで笑っているから…」

魅音「レナも…一緒に笑っていてよ……!」

レナ「魅ぃちゃん…魅ぃちゃん!」

沙都子「レナさん…魅音さん…」グスッ

詩音「お姉も…たまには良いこと言うんですね………」

梨花「………」

銀時「……ようやく、なげー冗談が終わったみてーだな」

圭一「ああ…本当に…長かったですね……」

銀時「アレだな、15000回くれー繰り返した夏休みくらい長かった」

圭一「いやその例えはよく分からないです」

---

銀時「つーわけでだ警部殿、これ別に事件とかじゃなかったんで……」

大石「いやだからね…、ガソリン撒いて立てこもりは流石に見逃せないですよ」

銀時「いやあれガソリンじゃなかったんで、ただのポカリだったんで」

大石「……雨どいのガソリンは?」

銀時「あれは…うん、多分何やかんやで溜まってたんじゃね?事故っすね、事故」

大石「…あんた刺されてるじゃないですか」

銀時「これはそのー…何?鷹の目のミホークとやり合って出来た名誉の傷みてーな?」

大石「……………」

大石「いやー…ハッハッハ、そこまで堂々と言われちゃね…」

大石「何とか…私の方でも手を回してみます、上手くすれば注意だけですむでしょう」

銀時「……ワリーな、面倒かけて」

大石「いえいえ…んっふっふ、もっと早くあなたのような教師に出会いたかったですねぇ」

---

銀時「……つーわけで、ガソリン撒いちまったことはどうにもならねーらしい」

銀時「だからアレ…ガソリンって分かんねーでいたずらしたってことになったから」

銀時「多分偉そうな営林署の小西っておっさんから雷喰らうだろうから覚悟しとけ」

圭一「……そ、それだけ?」

魅音「もうちょっと…あの…重い何かがあるかと思ってたんだけど」

銀時「いや…実際アレだろ、コイツがしたのってそれくらいじゃね?」

レナ「で…でもレナ…銀さんのこと……」

銀時「だからこれはちげーっての、ちょっとイトーヨーカドーのドアに挟まった」

レナ「いや…でも……」

銀時「いーんだよ、怪我した奴がそう言ってんだからそういうことで」

圭一「……本当にありがとうな、銀さん!」

魅音「うん…銀さんがいてくれて…本当に良かった!」

詩音「また…助けられちゃいましたね…銀さん!」

沙都子「もう一度お礼を言わせてくださいな…助けてくださって…ありがとうございました」

レナ「何度謝っても足りない…何度感謝しても足りないけど…一つだけ…」

レナ「銀さんに会えて…本当に良かった!」

梨花「…ありがとう銀時、また…あなたに救われたわ」

銀時「…………」

銀時「……最後の最後に泣かせる言葉をありがとよ」

魅音「最後って…ま、まさか……!」

圭一「ま、前と同じみたいに…き、消えて……!」

銀時「どうやら…また俺ァここでお役御免らしいな……嫌になるなオイ」

詩音「待って!待ってくださいよ銀さん!もう少し何とか……」

銀時「無茶言うな馬鹿、俺にもどうしようもねーんだからよ…」

沙都子「そ…そんな……!」

レナ「嫌だ…嫌だよ!やっと思い出したのに!銀さんのことを思い出せたのに!」

レナ「こんなすぐに…別れちゃうなんて……」

梨花『は、羽入!何とかならないの!?前みたいにこのまま別れるなんて…』

羽入『……僕にも、どうにもならないことなのですよ』

銀時「仕方ねーな…よーしテメーらァ!出席を取る…っていきてーが……」

銀時「今回…出席はもう取る必要もねーな……」

圭一「そ、そんなこと言うなよ銀さん!」

銀時「………おめっとさん」

魅音「え……?」

銀時「卒業…おめっとさんよ」

詩音「そ、卒業!?」

銀時「テメーらはもう十分一人前よ…本当に大切なモンにも気付けたみてーだしな」

銀時「だから…今回は主席じゃねぇ…卒業祝いってわけだ」

レナ「卒…業……」

銀時「俺もテメーらみてーな奴らと過ごせて…そこそこ良い夢見れたしな」

銀時「ま、もう少しこっちにいんのも悪かねーが…そうもいかねェ」

銀時「テメーらは…テメーらの『国』で生きろ」

梨花「銀時……!」

沙都子「でも…私はまだ銀時先生にお話してないこともたくさんございますのよ?」

沙都子「それなのに…また…こんな……」

銀時「……心配すんな、もう会えないわけじゃねーよ」

梨花「えっ……?」

銀時「二回来てんだからな…三回目だってあってもおかしかねーだろ?」

銀時「だから…次はテメーら、忘れて面倒くせーことにするんじゃねーぞ」

圭一「………」

銀時「俺もテメーらといた時間は…きっちり魂に刻み込んでおくからよ」

一同「………!」ダッ

銀時「…一斉に飛びついてくんな馬鹿、どんな反応すりゃいいのか分からねーだろ」

魅音「忘れない…絶対銀さんのこと…忘れないから!」

詩音「今度は…みんなでもっと楽しいことして過ごしましょう!」

沙都子「せ、先生……」グスッ

圭一「先生…約束だ!必ずまた…来てくれよ!」

レナ「約束だからね…先生」

梨花「……私は信じるわ、あなたがもう一度この世界に訪れることを」

梨花「だから別れの言葉は言わないわ……また…会いましょう」

銀時「……ああ、また…いつか必ずな」

---

---

銀時「………」

新八「……またですか銀さん、まさかトイレの前で寝るのがマイブームなんですか?」

銀時「……んなわけあるか馬鹿、つーかむしろお前のせいだからね?」

新八「いや何で僕!?」

銀時「そうだろ、物価の上昇もマンガ業界の衰退も基本的に全部お前のせいじゃね?」

新八「いやあんたどこまで僕を悪者にすりゃ気がすむんですかァァァ!?」

---

レナ「…………」

『今一度…あなたに問います、竜宮レナ』

レナ「!」

『あなたにとって…仲間とは何ですか?』

レナ「…………」

レナ「……何にも替えられない…レナの大切な居場所かな!」

圭一「ん?どうしたレナ、独り言か?」

レナ「ううん…何でもない!」

圭一「あ…見てみろよ…あの空……」

レナ「雲が太陽に照らされて…銀色に見えるね…」

魅音「あはは!まるで…誰かさんの髪の色みたいだね……」

詩音「……あっという間に行っちゃいましたよね…この前も…今回も」

沙都子「…………」グスッ

梨花「泣いちゃだめなのですよ、沙都子……」

沙都子「り、梨花こそ泣いていましてよ!鏡をご覧になってはいかがですの!」

梨花「みぃー!な、泣いてなんかいないのです!雨に濡れただけなのですよ!」

羽入『…………』

一同「あははははは!」

羽入(侍…坂田銀時、あなたは『護』り抜いた…この子達を…この村の未来を)

羽入(生きる世界は違えど…あなたの魂は永久にこの子達の中に……)

羽入(この地の神として…この子達の友として…礼を言います)

羽入(…ありがとう)


---銀色の空、果てない
---降り続く熱のように
---短い季節、駆けてく
---僕らを濡らして

ED…『銀色の空』
fin

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