真奥「眠れない…」(84)
魔王城、深夜……
真奥(ちくしょう、仕事で疲れてるはずなのに全然眠れない……)
漆原「むにゃむにゃ……からあげぇ……」
芦屋「うぅ……赤字……今月も赤字が……」
真奥(こいつらは熟睡出来てて良いな……芦屋は何かうなされてるけど)
真奥(駄目だ、完全に目が冴えてきた)パチクリ
真奥(仕方ない。気分転換にちょっと外の空気でも吸いに行くか。こいつらを起こさないようにっと)ソローリソローリ
ガチャ
鈴乃「ん?」
真奥「お?」
真奥「鈴乃、お前こんなとこで何してんだよ?」
鈴乃「それはこちらの台詞だ、魔王。こんな夜更けに何処に行こうとしている?」
鈴乃「まさか何か良からぬ事を考えているのではないだろうな?」ギロリ
真奥「いや、別に。なんか眠れないから外の空気吸いに来ただけだよ。それ以上の理由もそれ以下の理由もねーよ」
鈴乃「本当だろうな?」ジー
真奥「うたぐり深い奴だな」ヤレヤレ
真奥「安心しろ。今の俺には何の力もない。お前の言う『良からぬ事』なんて何もできねーよ」
鈴乃「むぅ……」ウタグリー
真奥「で、お前はどうしたんだ? もしかして鈴乃も眠れないのか」
鈴乃「……まあ、そうだが」
真奥「そっか……よし、なら一緒に近くのコンビニにでも行くか」
鈴乃「へ?」
鈴乃「なぜ私がお前と『こんびに』に行かなければならないんだ?」
真奥「気分転換。それにちょっと歩けば眠くなるかもしれないだろ?」
鈴乃「それはそうかもしれんが……」
真奥「まあ無理にとは言わねーよ。お前が行かないなら俺一人で行くし」
鈴乃「待て。誰も行かないとは言ってないだろ」
真奥「じゃあ来るんだな?」
鈴乃「……私はお前を完全に信頼している訳ではない」
鈴乃「もしかしたら『こんびに』なぞ行かず、何処かでやはり良からぬ事をする可能性も無きにしもあらずだ。
だからお前を監視する為に私も同行するとしよう」
真奥「何かどこと無く恵美が言いそうな台詞だな。まあいいや、行くならさっさと行こうぜ」
真奥「あ、でも出掛けるなら何か羽織って来いよ。そんな薄着の寝間着じゃ、いくら夏の夜だからって風邪ひくぜ?」
鈴乃「あっ///」
…………
真奥「何も普段着に着替えなくても良いのに。たかだか近所のコンビニだぞ?」
鈴乃「別に私の勝手だろ」
真奥「まあそうだけどさ……じゃあ行くぞ」
鈴乃「…………」
真奥「…………」
鈴乃「…………」
真奥「…………」
鈴乃「…………」
真奥「……おい、何か喋ろうぜ。これじゃあ手抜きだって思われる」
鈴乃「誰にだ?」
真奥「もしかしてお前、俺の事警戒してね? 一歩下がって俺の動きをしっかり見てる気がするんだが?」
鈴乃「仮にも魔王と一緒に歩いているんだ。当然の事だと思うが?」
真奥「もっと肩の力抜けよ、面倒臭いからさ。星でも見ながら世間話でもしようぜ?」
鈴乃「星なんて全然見えないんだが?」
真奥「あ、本当だ。街灯のせいかな?」
鈴乃「元々この世界は星が見にくいと思うがな」
真奥「空は漆黒の闇。聞こえるのは俺達の声と足音だけ……おお、歩きなれた道なのに何だか不気味だぜ」ブルブル
鈴乃「お前ら魔族にとっては落ち着く景色じゃないのか?」
真奥「そうでもねーよ。悪魔だって明るく華やかな場所が好きな奴だっているんだ」
真奥「しかしなんか通り魔とか出そうな雰囲気だな……おい、もし襲われたら頼むぜ。俺今普通の人間だからな?」
鈴乃「私なら問題なく迎撃出来るが、それ男の台詞じゃないだろ?」
鈴乃(まあ実際襲われたらこいつは立ち向かうだろうな、例え力がなくても)
…………
鈴乃「特に問題なくついたな」
真奥「そうそう何時も問題が起きてたまるか。しかしコンビニの明かりって何で落ち着くんだろ?」
<シャセー
幼女「キャキャ」
鈴乃「む……おい、魔王見ろ」
真奥「あんまり人前で魔王言うな。何だよ?」
真奥「あの女の子がどうかしたのか?」
鈴乃「今はもうこんな時間なんだぞ? 何であんな小さな娘がここにいるんだ?」
真奥「そりゃ親に連れて来て貰ったんだろ。ほら、そこにそれっぽい人いるし」
鈴乃「何を考えているんだ、あの親は。こんな時間に子供を連れ回すなんて……子供は成長の為にもしっかり睡眠は取るべきなのに」
真奥「でもこの時間でも外に子供連れ回す親は結構いるぜ。まあ余所さまには余所さまの事情があるのさ」
鈴乃「むぅ、そういうものなのか?」
真奥「それに今の俺も下手したらこんな時間に子供連れ回してる奴に見られるかもだしな」
鈴乃「……ちょっと待て。今のはどういう意味だ?」
真奥「(スルー)じゃあしばらく解散。俺立ち読みしてくるから」
鈴乃「答えろ、魔王。言っておくが私はすでに成人してだな……」
…………
鈴乃「何を読んでいるんだ?」
真奥「ん……少年ステップ」ペラ…ペラ
鈴乃「棚に立ち読み禁止って書いてあるぞ?」
真奥「店員が何も言って来ないし別に良いだろ?」
鈴乃「何だ、そのバレなければ良いみたいな物言いは。やはりお前は魔王だな」
真奥(うるせぇな……)
鈴乃「しかし漫画か……私は読んだ事ないがそんなに面白いのか?」
真奥「まあ物によるけど大抵はな。お前も読んでみれば?」
鈴乃「そうだな」サッ
真奥(立ち読み禁止云々言ってたわりにはすぐ雑誌に手を伸ばしたな。もしかして前から興味あったのか? まあどうでもいいけど)
真奥「…………」ペラ…ペラ…
鈴乃「…………」ペラ…ペラ…
鈴乃「………ん?」ペラ…
鈴乃「~~~!?///」
鈴乃「な、な、な、な、な!?///」バン!
真奥「おい、売りもんなんだからもっと丁寧に扱えよ」
鈴乃「黙れ、この色魔王め!」ギロリ
真奥「酷い事言われた。いきなり何だよ?」
鈴乃「魔王、貴様漫画が破廉恥なものと知ってて私に隠していただろ?」
鈴乃「まさか頁を開いたら……女体が、あんなに……///」
真奥「……お前何の漫画読んだんだ?」
鈴乃「お前が読んでるのと同じステップという漫画雑誌だ!」
真奥「え、嘘? 今週そんなサービス満載の漫画あったか!?」パラパラパラ
鈴乃「違う。こっちの分厚い方のステップだ」
真奥「ああ、それか。多分トラブってる奴読んだんだな……あれは特別な漫画だ。全部があんな訳じゃない」
鈴乃「こんな破廉恥なものが平積みで置かれているとは……子供が読んだらどうするというんだ?」
真奥「その雑誌、一応子供向けだぞ」
鈴乃「なっ、ますます問題だろ? 主人公らしき女顔の少年が全裸の女子を押し倒してその乳房に顔を埋めてたぞ?」
真奥「結構しっかり見てたんだな」
鈴乃「くっ!///」
真奥「それでもまだ温い方なんだぞ。成人向けの漫画はもっとドギツイのあるからな」
鈴乃「今の漫画も十分にドギツイ。あれは成人向けの漫画に行くべきだ」
真奥「それは駄目だ」
鈴乃「なぜだ?」
真奥「その漫画はな……その雑誌に連載しているからこそ価値があるんだよ!」ドン!
鈴乃(な、何だ……今の魔王、何処か有無を言わさぬ迫力がある!)
鈴乃(…………)
鈴乃(……ただやはり褒められた事は言ってない気もする)
…………
真奥「さて、漫画も読んだしそろそろ帰るか……ん、鈴乃の奴は何処だ?」
鈴乃「むぅ……いや……うーん……」
真奥「何難しい顔してんだ?」
鈴乃「いや、どっちのカップうどんを買うべきか迷ってな……」
真奥「またうどんか。好きだなお前も……って、どっちも同じ天ぷらうどんじゃねーか」
鈴乃「同じてはない! こっちは後乗せサクサクタイプ! こっちは最初から入れてふんわり感を楽しむタイプだ!」
鈴乃「麺の太さも違う……こっちの少し団子の様な食感も良いし……どちらにしたものか……」
真奥「……もう全部買えば?」
鈴乃「それだ!」
真奥(今日一番テンション高いな)
…………
<アジュジュシター
鈴乃「~♪」ホクホク
真奥「ご機嫌だな」
鈴乃「まあ悪くない気分だ」ゴマンエツー
真奥「しかし少し意外だったな」
鈴乃「何がだ?」
真奥「お前、インスタントとか好きじゃなさそうなイメージあったから……特にカップうどんとかうどん好きだからこそ邪道だとか言いそうだし」
鈴乃「勿論普通のうどんも好きだがカップにはカップの良さがあるのだ」
真奥「そうか……」
真奥(しかしそれでも両手の袋いっぱいにカップうどんは買い過ぎだろ……)
鈴乃「そういえば魔王。お前も何か買ってなかったか?」
真奥「ああ、これ買った」フクロミセルー
鈴乃「これは……酒か?」
真奥「ああ、ちょっと歩いて体力使ったけどまだ寝れるかどうか微妙だからな」
真奥「最悪これ飲んで無理矢理でも寝ようかと思って」
鈴乃「なるほど」
真奥「そういえばお前って酒飲めるのか?」
鈴乃「えっと、飲めない事もないが……」ゴニョゴニョ
真奥「ああ、あんまり得意じゃないと。まあなんとなくそんな気はした」
真奥「お前はお茶かジュースの方が似合ってそうだしな」クスクス
鈴乃「……それは私が子供っぽいと言いたいのか?」ムカ
真奥「別にそんな事言ってないだろ? むしろたまに何処のお母さんだってみたいな発言するし……」
鈴乃「私は立派な大人の女だ! ふん、何だ酒くらい、ちょっとそっちの袋をよこせ」
真奥「まさかここで飲む気か? 二本買ったから一本は別に良いけど……」
鈴乃「ふん、カップうどんを買って逆にテンションが上がってしまったからな」
鈴乃「これくらいの酒、むしろクールダウンにちょうど良い」フンス
…………
鈴乃「あはは、お空が回ってる~♪」
真奥「大人の女、弱っ!?」
真奥「ていうか缶の中まだ半分以上残ってるよな? お前こんなに弱かったのか?」
鈴乃「ひくっ……そんな事ないぞぉ~。ベルちゃんは大人だから~全然大丈夫なのだぁ!」
真奥「うん、絶対大丈夫じゃないな。キャラ変わってるもん」
鈴乃「あれれ~なんか地面が揺れてるぞぉ? 地震かなぁ~?」
真奥「お前の足が揺れてんだよ。ほら、肩に捕まれ。うどんの袋も持つから」
鈴乃「それは盲点だったぁ~。よっと」ガシッ
真奥「いや、それは俺の肩じゃなくて電柱だから」
真奥「おい、しっかり歩けよ」
鈴乃「う~ん、らめだぁ。くらくらするからちょっと休むぅ」
真奥「休むって言われてもな。あ、そこに公園あるから少しベンチにでも座るか」
鈴乃「こーえん? こーえんだと? おお、こーえんですかー!」アヒャヒャ
真奥(こいつには二度と酒を飲ませない事にしよう)
鈴乃「よっこいしょういちー」ベンチスワルー
真奥「何だ、それ?」
鈴乃「エヘヘ♪」
真奥「いや、エヘヘじゃねーし……とりあえず自販機で水買ってくるからそこで座って待ってろ」
鈴乃「魔王よ、そんな所に行く必要はないぞぉ~。それより隣に座れ」チョイチョイ
真奥「何だよ?」
鈴乃「もっと、もっと近くぅ~」
真奥「?」
鈴乃「隙ありぃ~」ムギュ
真奥「むぐぅ!?」←無理矢理鈴乃の胸に顔を埋めさせられた
鈴乃「さっき私の発言がお母さんみたいと言っていたなぁ~。なら私の母性をお前に味わらせてやろぉ」ウリウリ
真奥「ちょ、鈴乃のやめ……うぷっ!?」
鈴乃「どうだぁ、魔王のお前にも感じるかぁ、私の母性が~。ウフフ」
真奥(くっ、柔らかいけど……ちょっと固い)
真奥(つか、苦しい……)ブルブル
鈴乃「あはは、飽きた~」パッ
真奥「ぷはぁ! はぁはぁ……(汗」
真奥(し、死ぬかと思った……こいつ、押さえ込む時、聖法気使ってやがったな)
「ああん……」
真奥「くっ、今度はなんか色っぽい声出しやがって……何する気だ?」
鈴乃「ふぇ? なんの事だぁ~?」
真奥「とぼけるな。今のは……」
「やん……あ……」
真奥「ん?」
「あん……そこ……」
「ちゅば……んっ……」
「ハァ、ハァ……だめ……」
「すごく……大きいです……」
真奥(なんか茂みや遊具の陰から色んな声が聞こえる様な……)
真奥(話には聞いた事はあったが……もしかしてここはそういう場所なのか?)
真奥「お、おい、鈴乃」
鈴乃「何、まーくん?」
真奥「お前がまーくん言うな。ここは衛生上あまり宜しくない。さっさと出て魔王城に帰ろう」
鈴乃「んー……やだ」
真奥「はい?」
鈴乃「私はこのベンチで余生を過ごす事にするぅ。だからここはてこでも動かないぞぉー」
鈴乃「食料もたんまりあるしな!」カップウドンー
真奥「何を馬鹿な事言ってんだ。良いから帰るぞ」
鈴乃「いやー」ジタバタ
真奥「くっ、いい加減にしろ! 酔ってるからって調子に乗るな!」
真奥(俺は早くこの場所から出たいんだよ!)セツジツー
鈴乃「むぅ、どうしても出ないとだめかぁ?」
真奥「駄目だ」
鈴乃「そうかぁ……なら」
鈴乃「私に接吻しろ」
真奥「え?」
真奥「……いきなり何言ってんだ、お前?」
鈴乃「だから接吻しろ。そしたらここから出てってやる」
真奥「……何で?」
鈴乃「私がして欲しいからだ」
真奥「いや、して欲しいと言われても……」
鈴乃「しろよー。接吻してくんないならここを動かないからなぁー」
真奥「えー……」
真奥「えっと、それはほっぺでも……?」
鈴乃「接吻といえば唇。これ常識」
真奥「お前、もっと自分を大切にしろ。こういうのは酒の勢いとか駄目だから、な?」
鈴乃「勢いじゃないぞぉ。前々から興味はあったんだぁ」
鈴乃「それに最初はお前とが良いとも思ってた」
真奥「いや、その……///」
真奥(落ち着け、俺。鈴乃は完全に酔っている。それは間違いない)
真奥(でなければ俺なんかとキスがしたいなんて言う訳がない)
真奥(だから正直こんな頼み受けたくないが……鈴乃は俺とキスをするまでここから動かないだろう)
真奥(鈴乃はかなり酔っている……仮にここでキスしても俺が黙っていれば記憶に残らないかもしれない……)
鈴乃「魔王……?」クビカシゲ
真奥「…………」
真奥「……本当に」
鈴乃「ん?」
真奥「本当にここから出るんだな……その、キスをすれば」
鈴乃「うん♪」ニパァ
真奥(くっ、いくら酔っているからってなんでそんな良い顔で笑うんだよ!?)
真奥(焦るな……たかだかキスじゃないか。欧米じゃ挨拶みたいなもんじゃないか!)
真奥「なら……目を閉じろ」
鈴乃「ほい、きた」
真奥(俺は早くここを出て、魔王城に帰りたいんだ)
鈴乃「…………」
真奥(さっさと終わらせる。こんなの特別な事でもなんでも……)
???「ま……おう……」
真奥「!?」
真奥(気のせいか? 今、なんか声が聞こえた様な……?)
真奥(でもあの声、何処かで……)
鈴乃「……るい……」
真奥「え?」
鈴乃「ぎぼぢわるい」マッサオー
真奥「」
真奥「おい、鈴乃、大丈夫か? もしかしなくても限界? いっぱいいっぱいなのか? リバースしちゃうのか? リバースファイターなのか?
ちょっと待て、まじで待て、今袋を用意するから。この状態だと非常にまず……ちょ、やめ……ああああああああ!?」
…………
芦屋「これは完璧に夏風邪ですね」
真奥「ケホ、ケホ……最悪だ」カオマッサオー
漆原「今日はバイト休みだったのは不幸中の幸いだったね」
真奥「だが明日はある……意地でも今日中に治さないと……ケホ、ケホ」
真奥(くそ、家に風呂場がないからって公園の蛇口で身体を洗ったのがまずかった……)
鈴乃「おい、お前達いるか……?」ゲンキナイー
漆原「あ、ベル」
芦屋「何だ、顔色が悪いな。お前も夏風邪か?」
鈴乃「いや、少し頭痛がするだけだ」
鈴乃(なんでこんなに頭が痛いんだ……昨日も魔王とコンビニを出た後の記憶がない。気づいたら布団の上だったし)
真奥(鈴乃は昨日の事は覚えてないみたいだな……まあその方が良い)
真奥(しかし俺、後少しで鈴乃とキスするところだったんだよな)
真奥(あの時聞こえた声はなんだったんだ? まあ今となっては確かめ様がないが……)
漆原「それでベルは何しにきたの? ていうか手に持ってるお盆は何?」
鈴乃「ああ、魔王が風邪を引いたと聞いたからな。消化のいいものを作ってきた」
芦屋「何だ、またうどんか」
鈴乃「おかゆだ。私イコールうどんという考えはやめろ」
漆原「あながちその方程式、間違ってないと思うけどな~」
真奥「…………」
真奥(おかゆ、か……)
真奥(いやいや、おかゆは立派な食べ物だぞ?)
真奥(しかしつい数時間前にぶっかけられたせいか変なものを連想して……)
鈴乃「風邪の時くらいは協力してやる。さあ、これを食べて元気に……あ」ズリッ
芦屋&漆原「「あ」」
真奥(あれ、なんかおかゆが宙を待って俺の顔面に迫ってくるぞ?)
真奥(温ったかそうだ~。でもこの光景なんか似てるな~。そう、数時間前の鈴乃のリバースし)
ベチャ
おわり
こんな時間まで付き合ってくれた方、ありがとうございました。
今度は恵美かちーちゃんの話が書きたいです。
声に関しては「このままキスしていいのか?」と悩んでいた真奥の心の中から聞こえた声という事で。
その声の相手は恵美なのかちーちゃんなのか鈴乃なのか芦屋なのかは読み手のお好きなキャラをお選び下さい。
だから忘れてた訳じゃない。うん。
やっぱりちょっとおまけ書きます。
~おまけ~
梨香「おはよう、恵美」
恵美「あ、おはよう、梨香」
梨香「あれ、なんか元気ないね。夏バテ?」
恵美「ううん、別に。ただ昨晩変な夢見ちゃて……」
梨香「変な夢って? どんな内容なの?」
恵美「それは……とにかく変な夢は変な夢なのよ」
梨香「なんか怪しいわね……もしかして真奥さんの夢とか?」
恵美「なっ、違うわよ! なんであんな奴と夢の中まで会わないといけないのよ!?」
梨香「おやおや、その慌てようはまさか図星だったかな?」
恵美「梨香!!」
恵美(でも本当に変な夢だったな……)
恵美(魔王とベルがいて私は動けなくて……それで二人が……)
恵美「(ボソ)……別に嫌だったから声上げた訳じゃないんだから」
梨香「ん、何か言った?」
恵美「何でもないわ。それより早く仕事場に行きましょう」
恵美(そういえばここ二三日、魔王城に顔見せてないわね)
恵美(仕事が終わったらちょっと寄ってみようかな)
今度こそおわり
今度こそおわりです。お休みなさい
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