キース「割と暇な訓練教官の日常」の続きです
──0600 自室~起床
キース「ふぁ……ぁ~……もう朝か……」
キース「今日の訓練は……対人格闘と馬術か」
キース「見てるだけでいいから楽なんだよなこれ」
キース「……飯食いに行こ」
──0610 教官室
座学のメガネ教官「やぁキース、おはよう」
キース「うむ、おはよう」
同僚A「うーっす」
同僚B「おはようです」
キース「なんだ、もう全員居るのか」
同僚A「俺はお前と違って勤勉だからな!」
キース「……教え子に手を出しかけといて何を言う」
──0630 訓練兵食堂
サシャ「パァアアアアアンッ!!」
コニー「おいてめぇ!!なに人のパン盗ってんだ!!返せ!!」
サシャ「もう食べちゃいましたから返せませ~ん!!」
コニー「この野郎!!」
エレン「朝からうるせぇな~」モグモグ
ミカサ「エレンにもああいう時期があった……ほっぺについてる」ヒョイパク
エレン「んだー!!お前は俺の母ちゃんか!俺はお前の弟でも子供でもねぇぞ!!」
ミカサ「……じゃ、じゃあエレンは……私の事どう見てるの?///」
エレン「う、うるせぇ!!」
ミカサ「答えて」
アルミン「君たちも十分騒がしいよ……?」
ジャン「おいエレン!なに朝からイチャついてんだ羨ましい!!」
──0630 教官室
<おいてめぇ!!なに人のパン盗ってんだ!!
<もう食べちゃいましたから返せませ~ん!!
メガネ「……朝から騒がしいな」
同僚B「この声は芋っ子ちゃんですか?」
同僚A「また芋女ちゃんが騒いでるぜ?キース行って来いよ」
キース「はぁ……いつになったら慎みを覚えてくれるのだ」
メガネ「まぁ、まだ思春期真っ只中の子供だ。これくらい普通だろう」
同僚A「そうだぞキース。芋女ちゃんはこれくらい元気なほうがいいんだよ」
キース「はぁ……行ってくる」
──0632 訓練兵食堂
コニー「おいサシャ!てめえの昼飯のパンは俺が食うからな!!」
サシャ「なっ!?ダメですよ!!」
ジャン「ふざけんじゃねぇぞこの死に急ぎ野郎!!」
エレン「離せよ破けちゃうだろうが!!」
ジャン「服なんてどうでもいいだろうがぁあああ!!!」
キース「……先ほどから大きな音が聞こえるのだが誰か説明し──」ガラッ
コニー「サシャが俺のパン盗んだんだ!!」
サシャ「コ、コニーがくれたんです!!」
コニー「てめぇが盗ったんだろうが!!」
ジャン「エレンの野郎が俺に喧嘩売ってくるんだ!!」
エレン「ジャンがミカサからプレゼントしてもらった服を破こうとするんだ!!」
ジャン「何だとっ!?これはミカサのっ!?この野郎!!」
キース(なんだこれは……どういう状況なのだ……???)
キース「コニー・スプリンガー!サシャ・ブラウス!ジャン・キルシュタイン!エレン・イェーガー!以上4名!」
「「「「はっ!!!」」」」
キース「今から0750まで死ぬ気で走ってこい!!」
「「「「は、はいいいい!!!!」」」」
ミカサ「待ってください!私も行きます!!」
キース「……なぜ貴様がここに出てくる?」
ミカサ「私も走りたいからであります!!」
キース「貴様は無関係だろう」
ミカサ「私がエレンに贈った服のせいで争いが起きました。私にも責任があります!」キリッ
キース(ねーよ)
ミカサ「お願いします!!!!」
キース「……走ってこい」
ミカサ「ありがとうございます!!」
キース(なぜこんなのばかりなのだ……)
──0640 教官室
キース「はぁ……」
同僚A「ようお疲れ!どうだった?」
キース「サシャとコニーがパン争い、ジャンとエレンがいつもの感じだ」
メガネ「今年は元気な者が多いな」
キース「この元気さを訓練に活かして欲しいものだが」
同僚B「でも成績は優秀なんですよね?そいつら」
キース「ま、まぁそうなのだが……」
メガネ「座学でも非常に騒がしいがな」
キース「どうにかして落ち着きというものを覚えてはくれんのか……」
同僚A「そりゃ芋女ちゃんの目の前にご飯置いて食うなって言うようなもんですぜ?」
メガネ「それはコニーに座学で70点/100点取れと言っているようなものだぞ?」
キース「……不可能だ」
──0730 教官室
同僚B「三萬」
メガネ「チー、二筒」
キース「む……北」
同僚A「リーチ!五筒!」
メガネ「ロン、タンヤオ3色ドラドラ」
同僚A「ふざっけんじゃねぇ!!」
同僚B「少しは警戒しましょうよ」
キース「少しくらい頭を使え」
メガネ「君は分かりやす過ぎる……おっと、私は授業の準備をしなければ」
同僚A「おい勝ち逃げかよ!?」
キース「そろそろ私も走らせている5人を見に行かなくてはな」
同僚A「お、おい!!」
同僚B「もう諦めなって……俺が俺の分の書類だから。負けたんだからやってよ?」
──0800 座学
メガネ「では始めよう……君達、大丈夫かね?」
コニー「ダメっす……」ハァハァ
サシャ「お肉食べなきゃ死んじゃいます……」ゼーハー
ジャン「問題ありません……」ハァハァ
エレン「はいっ!大丈夫です!早くやりましょう!!」キリッ
ミカサ「問題ありません」キリッ
メガネ(……なぜ最後の2人は平然としているのだろうか)
メガネ「……問題ないようなので始めさせてもらおう。巨人の生態についてだ」
エレン「っ!」キラキラ
ミカサ「可愛い……」ジー
メガネ(私にはこの者達の生態のほうが気になるな……)
メガネ「巨人は他の生物とは全く異なる」
エレン「」キラキラ
メガネ(なんだこの熱い視線は……)
メガネ「先日説明した弱点……どこだったかな?」
アルミン「後頭部からうなじにかけて縦1,000mm、横100mmです」
メガネ(なぜmm単位で答えるのだお前は工業系男子か)
メガネ「そうだ。そこ以外を損傷させても瞬く間に再生する。頭部を吹き飛ばしても1~2分で再生してしまう」
エレン「なんだって……!?」
メガネ「彼らにとって各種内臓は生命維持にとって必要ではないのだろう。そもそも機能しているのかすら疑問である」
エレン「そ、そんなっ……!?」
メガネ(いちいち反応が面白いな)
トーマス「それではっ!巨人は不死身ですか!?」
メガネ(だからうなじが弱点だって言ってるだろ)
メガネ「しかし弱点を斬るだけでは不十分だ。そこで、2つの刃を使い抉り取る」
サシャ「ん?弱点以外を斬っても治るんですよね?」
メガネ「そうだ。意外に話を聞いているな」
サシャ「ってことは、足とか腕を斬りまくればお肉食べ放題ですかっ!?」
メガネ(巨人を食うつもりかっ!?)
コニー「すげぇなお前!!天才だ!!」
メガネ(お前まで!?)
エレン「死体は蒸発するって言っただろ」
メガネ(エレンは実に真面目だ。成績が楽しみだな)
コニー「え?そうだったか?」
サシャ「残念です」
ミカサ「エレンはちゃんと話を聞いている。偉い。後で褒めてあげる」
ジャン「お、俺もちゃんと聞いてたぞ!?」
ミカサ「……そう」
メガネ(他に真面目な者は居らんのか……)
──0950 休憩時間~教官室
メガネ「はぁ……」
同僚B「最近溜息多いっすね」
同僚A「また芋っちゃんがなんかしたのか!?」
メガネ「そんなところだ……」
キース「何があったのだ?」
メガネ「巨人は弱点以外を斬っても再生すると説明したら……」
同僚A「したら?」
メガネ「なら手足を斬りまくれば肉食い放題かって」
同僚A「すげぇな!さすがサシャちゃんだ!」
キース「奴にとっては巨人も捕食対象なのか……?」
同僚B「ぜひ食い尽くしてもらいたいもんですね……」
同僚A「俺もサシャちゃんに捕食されたいぜ!!」
キース「貴様はなにを言っている……?」
同僚A「じょ、冗談だよ……」
──1000 座学
メガネ「続きといこう。それでは、その巨人から我々を守っている壁についてだ」
メガネ「この壁は約100年前に巨人から逃れた人類が築き上げたものだ」
アルミン「いったいどうやって巨人が居る中、これ程の壁を建造できたのですか?」
メガネ「残念ながら、詳しい建造方法や当時の状況は一切不明なのだ」
アルミン「わずか100年で、ですか?」
メガネ「そうだ、そもそもそこが不思議なのだが……一切、文献や当時を知る者が居ないのだ」
コニー「そりゃ100年も経てば忘れるだろ」
サシャ「コニーは10秒で忘れちゃいますからね!!」
コニー「んだと!?俺はお前に盗られたパンの事は覚えてるぞ!!」
サシャ「えぇ~っと、何の事ですか?」
コニー「おいてめぇ!!」
メガネ(ここに壁を立てたい)
メガネ「この壁は現在もなお強化が進められている。この任務を行うのが駐屯兵団だ」
サシャ「そもそも何で壁なんでしょう」
エレン「巨人から逃れる為だろ」
サシャ「そうじゃくて」
メガネ「と、言うと?」
サシャ「壁じゃなくて50mの高台作っちゃえば壊されずに済むのになーって」
メガネ「?」
サシャ「ローゼ内地■シーナ内地■ローゼ内地■マリア内地■壁外←こうじゃくて、
人人
■■■■←こうすれば門が壊されなくて済むのになぁ~って思いまして」
コニー「すげぇな!確かにそうだ!!」
ジャン「んなもん作るのが大変だからだろ。それに川が流れねぇから水もねぇしどうやって暮らすんだよ」
エレン「壁の上に暮らすってか?食べ物とかどうすんだよ」
メガネ(どうしよう、ちょっとアリかもって思ってしまった)
──1205 昼休み~教官室
メガネ「……彼女は天才かもしれんな」
同僚A「お?今度は何があったんだ?」
メガネ「実はな……カクカクシカジカ」
同僚A「すげぇ!さすがサシャたんだ!!」
同僚B「……ん?」
キース「同僚Aは置いとくとして……メガネ」
メガネ「な、なんだ?」
キース「お前、バカが移ったんじゃないのか?」
メガネ「し、失礼な!それに、常識に囚われない考え方が大切なのだ!!」
同僚B「ま、まぁ……そういうことにしておきましょう」
メガネ「どういう意味だ!?」
キース「あんまり騒がないでくれ、バカに見えるぞ。それに」
同僚A「へぇ~サシャたんが~へへぇ~ふぅ~ん可愛いな~」
キース「……バカは一人で十分だ」
──1220 教官室
サシャ「サシャ・ブラウス!コニー・スプリンガー!以上2名、教官殿にご相談がありやって参りました!」コンコン
キース「む、なんだ?」
メガネ「ほれ、問題児が揃ってご登場だぞ」
同僚B「悩みですかね?」
キース「あの2人にか?」
同僚A「お、俺がサシャたんの相談に乗るぜ!?」
キース「お前は黙ってろ……」
キース「いったいどの様な話だ?」ガラッ
サシャ「な、悩み事がありまして……」
キース「貴様もか?」
コニー「はい……」
キース「分かった。別室で伺おう」
同僚A「ここでいいじゃん!?」
キース「……別室だ」
──1230 準備室
キース「では悩み事とやらを伺おうか」
サシャ「皆が私の事を コニー「俺の事を
キース「いっぺんに喋るな……ブラウスから言ってみろ」
サシャ「皆が私の事を芋女芋女呼ぶんです!」
キース(当たり前だ)
サシャ「しかも私にパンを渡せば何でもするみたいに思われてて……都合のいい便利屋さんじゃないです……」
キース(ほ、本人は真剣に悩んでいるのだ……親身になって答えてやるのが俺の使命だ!!)
キース「なるほど。では貴様はどうしたいのだ?都合のいい便利屋止まりでいいのか?」
サシャ「それは嫌です」
キース「ならパンを断ってみろ。食い物に釣られる安い人間ではないと思い知らせてやれ」
サシャ「それは無理ですっ!!食欲を抑えるなんてできません!!」
キース「……」
キース(本気で言ってるのだろうか……?)
初春「どうやら、最終的に佐天さんが満足するSSが、現行で張り付いていた場合3割ということみたいです」
佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」
初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」
初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」
初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」
初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」
初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」
佐天「初春?」
キース「そもそも貴様は他人のパンをよく盗むそうだな?」
サシャ「……はい」
キース「何故だ?」
サシャ「お腹いっぱい食べたいからです……」
キース(ちょっと可愛いな)
キース「では貴様は自分の飯を奪われてもいいのか?」
サシャ「それだけは許せません!!」
キース「貴様は同じことを仲間にやっているのだ」
サシャ「……」
キース「我々は飯を奪い合う敵ではない。同じ飯を分け合う仲間なのだ。分かるな?」
サシャ「……はい」
キース(やべぇ、超いいこと言ってる)
キース「貴様が誰かの飯を食べるという事は、その分誰かが飯を奪われているということなのだ」
キース「それが許せないのは貴様が一番よくわかっているだろう」
キース「貴様にできることはまず、自分に与えられた飯だけを食え。それ以上は食うな」
キース「そうやって仲間と飯を分け与える事を覚えていけば、きっと他人の誘惑にも勝てるはずだ」
サシャ「や、やってみます!ありがとうございます!!」
キース(凄まじく論点がズレているような気がするが……本人が納得しているならいいか)
サシャ「この事を皆に相談したらバカにされて……」
キース(そりゃそうだろう)
サシャ「本当にありがとうございます!親身になって聞いてくれて……」
キース「そうする事が私の仕事だからだ……ではスプリンガー。貴様の話を聞こう」
コニー「皆が俺の事をバカにするんだ!バカ呼ばわりするんだ!!」
キース(それはお前がバカだからだ)
コニー「確かに俺はバカかも知れないけど……笑いものにしなくてもいいじゃないか……」
キース(気にしてたのか……気にするような頭があったのか……)
キース「バカ扱いされる……?それがどうしたのだ?」
コニー「どうしたって……!」
キース「人は誰しも最初はバカだ、生まれた時からの天才など居ない」
キース「確かに飲み込みの速さや、才能といった違いはあるかも知れん。だがそれがどうした?」
キース「自分には才能がないから諦めるのか?そんなもの、努力で埋めようとは思わないのか?」
キース「エレン・イェーガーという者が居るな?彼には目立った特技はない。最初は平凡な少年だった」
キース「だが彼は人並み以上の努力にとって非常に成績を伸ばしている。10位圏内は確実視されている」
キース「貴様も奴同様、努力でどうにかなる。貴様はバカかも知れん。だがそれは、逆に言えば伸びしろしかないのだ」
コニー「でも俺が質問しようとすると周りがバカにしてくるんだ……」
キース「貴様はまだ子供だ。知らない事のほうが多くて当然だ」
キース「知らない事は恥ではない、知らないままにすることが恥なのだ」
キース「授業中に質問しづらければ終わってからでもいい。座学教官に聞きづらければ私でもいい。友達でも構わない」
キース「貴様は実技では優秀な成績を修めているだ。今は分からなくとも実技の内容から自然に分かってくる事もあろう」
キース「とにかく努力し続けてみろ。それでダメだったら初めて悩め。その時はまた相談に乗ってやる」
コニー「は、はい!ありがとうございます!!」
キース「ではもう行け。午後からは対人格闘術だ。遅れたら飯はない」
サシャ「コ、コニー!急ぎましょう!!ご飯が無くなりますよ!!」
コニー「お、おう!!」バタン
キース「行ったか……」
キース「……」
キース(なぜ2人で来たんだあいつら)
──1300 対人格闘術
キース「本日は対人格闘術だ!今更説明は要らんな!?さっさと始めろ!!」
「「「はっ!!」」」
キース(ふむふむ……初期と比べ、ペアに困る者も居なくなったな)
キース(人間関係は良好なようだ……ん?)
ミカサ「エレン!今日は私と組もう!」
エレン「悪い、今日はアニとやるって約束してんだ」
ミカサ「な、何を考えているのエレン!?私意外と組むなんてどうかしてる!!」
アニ「ほら、さっさと始めるよ」
エレン「おう!じゃあなミカサ!お、ライナー!」
ライナー「こ、このタイミングで俺に話しかけるな」
エレン「何言ってんだ?ミカサと組んでやってくれないか?相手に困ってんだ」
ライナー「や……俺は……」
キース(良好……なのだろうか……?)
キース(アニの格闘術は非常に優秀だな……誰からか教わったのだろうか?)
キース(エレンもアニの格闘術を習得しつつあるようだ。実にハイレベルだ)
キース(ミカサは今さら言うまでもあるまい。しかし、彼女の強さはいったいなんなのだろうか?)
ライナー「ミ、ミカサっ!もうやめ……やめてくれっ!!うわぁあああああ!!!」
キース(……いったい何なのだろうか?ライナーは……実に打たれ強いな)
キース(ジャンも昔に比べ、真面目に取り組んでいるな。いったい何が彼を変えたのだろうか?)
キース(あの問題児……コニーとサシャはどうなっただろうか)
キース(まぁ、先ほどあんな話をしたばかりだ。大丈夫だろう……)
サシャ「荒ぶる狩人のポーズです!イェエエエガァアアアア!!」
コニー「ほわっっちゃあああああ!!」
キース「……」
サシャ「コ、コニー……後ろ……」
コニー「ん?なん──」
キース「コニー・スプリンガー……!」ガシッ
コニー「ぐぉぉぉぉ……!?」
サシャ「コ、コニー!!」
キース「先ほど言ったハズだ……必死に努力し続けろと……!!」
コニー「は……はいぃい……!!」
キース「貴様はそんなに罰を受けたいのか……?」
サシャ「……」モグモグ
キース「……おい貴様」
サシャ「は、はぅ!」
キース「何をしている……?」
サシャ「向こうの木に美味しそうな果物があったので……半分、食べます?」
キース「要らん」
──1450 休憩時間~教官室
キース「もう嫌だ……」
同僚B「最近そればっかっすね」
メガネ「また芋女とバカか?」
キース「ああそうだ……」
同僚A「贅沢な悩みしやがって!なんなら俺がサシャたんの教官になってやるぜ?」
キース「お前だけにはやらん」
同僚B「お父さんみたいな事言わないでください」
メガネ「だが楽しそうじゃないかキース?」
キース「退屈はしないし楽しいっちゃ楽しいが……それ以上に疲れるのだ」
同僚A「でもサシャたんの笑顔で吹き飛んじゃう!とか言うんだろ」
キース「一理あるな……」
同僚B「否定してくださいよ」
──1500 馬術
キース「これより馬術訓練を行う!先ほどの説明通り始めろ!」
「「「はっ!」」」
ライナー「なぁクリスタ。俺に教えてくれないか」
クリスタ「うん!いいよ!」
アルミン「ぼ、僕もいいかな!?」
クリスタ「もちろん!」
ユミル「あたしのクリスタに手出すんじゃねぇ!!!」
エレン「俺もクリスタ──」
ミカサ「エレンには私が教える!なんなら私に乗馬しても構わない!!」
エレン「お前よりクリスタのほうが丁寧で分かりやすいんだよ」
ミカサ「そんなっ!?バカな!!」
キース(さっさと始めろ)
ジャン「ミカサ!俺に教えてくれねぇか!?」
ミカサ「あなたは馬みたいな顔をしているのだから、馬に直接聞いてみたらどう?」
エレン「馬面だってよ!確かに似てるな!お前馬の親戚かよ!!」
ジャン「う、うるせぇ!!」
キース(仲がいいのか悪いのか……)
キース(そういえばコニーとサシャは……な、なんだあれは!?)
コニー「へっ!どうしたサシャ!おせぇ!!」ダダダダダ
サシャ「くっ……!このままでは晩ご飯が!!」ダダダダダ
コニー「先に5週したほうが勝ちだったな!?1周遅れで勝ったら飯が増えんのか!?」ダダダダダ
サシャ「そんなっ!?」ダダダダダ
キース(なっ……なんという技術!!っていうか何故競馬状態なのだ!?)
コニー「このままじゃ俺の勝ちは決まりだな!!」ダダダダダ
サシャ「このままでは……!お馬さん!面舵20度です!」ダダダダダ
馬「ヒヒーンwww」
キース(それは馬に対する号令ではない)
コニー「はんっ!甘い!俺が進路を塞げば!!」ダダダダダ
サシャ「かかりましたね!?お馬さん!取舵10度!最大戦速で突っ込みます!!」ダダダダダ
馬「ヒヒーンwww」
キース(そもそも言葉で指示してどうする)
コニー「うわっ!あぶねぇ!!」ダダダダダ
サシャ「晩ご飯は……私の物です!!」ダダダダダ
コニー「負けたぁあああ!!」
キース「」ポカーン
訓練兵一同「「「」」」ポカーン
クリスタ(あれ……私の立場……)
キース「お、おい貴様等!?ど、どこでそんな技術を覚えた!?」
サシャ「え?あぁ、狩りに行くときに馬に乗っていくんです。それで覚えました」
コニー「俺の村でもそうだった」
キース「そ、そうか……ひ、非常に優れた技術だ……他の者にも教えてやってくれ」
サシャ「これくらい他の人でもできるんじゃないんですか?」
キース(できたら訓練せんでいいだろうが)
コニー「これくらい簡単っすよ?馬に乗って進めー!ってやるだけで」
キース「いやいい……貴様等はそのまま馬と自由に戯れていろ」
サシャ「それだけでいいんですか!?行きますよお馬さん!」
コニー「待てサシャ!リベンジだ!もう一回勝負しろ!!」
クリスタ「」
キース(クリスタが見せ場を失って泣きそうになっている……)
──1700 課業終了~教官室
キース「……」
メガネ「どうしたキース?凄く疲れているようだが」
キース「なんでもない」
同僚A「どうせサシャたんだろ?言ってみろよ」
キース「コニーもそうなのだが……乗馬うめぇ」
同僚A「騎乗が……上手い……だと……?」
キース「お前は何を考えた」
同僚B「それが問題なんですか?」
メガネ「特技があるというのは良い事じゃないか」
キース「別に悪いとは言っていないが……なぜ今までやる気を出さなかった」
同僚B「今日はなんで本気出したんでしょう?」
キース「晩飯を賭けて戦っていたそうだ」
メガネ「そりゃあいい。本来ならまだまだ遊びたい年頃だからな」
キース「そういう問題か?」
<どうして私を頼ってくれないの!?
<お前に頼ってばっかじゃお前に勝てないだろ!!
メガネ「また食堂が騒がしいぞキース。止めてこい」
キース「毎日毎日……!!行ってくる……」
同僚B「てらー」
──1720 訓練兵食堂
ジャン「さっきから見せつけてくれんじゃねぇか!!」
エレン「はぁ!?お前には関係ないだろ!!」
ミカサ「部外者は黙って」
ジャン「ぶ、部外者……お、おいエレン!!て──」
キース「いったい何の騒ぎだ」ガラッ
ジャン「──めぇ!ぶっ殺されてぇか!!」
エレン「……」
ミカサ「……」
キース「……キルシュタイン、貴様か」
ジャン「ち、違います!俺は──」
ミカサ「ジャンが私のエレンを虐めるんです」
エレン「よく分かんねえけどいきなり怒鳴りつけてくるんです」
キース「事実か、アルレルト」
アルミン「……事実です」
ジャン「お、おい!?」
キース「ジャン・キルシュタイン訓練兵、私が言いというまで走ってこい!!」
ジャン「こ、これには事情が──」
キース「これは命令だ!聞こえなかったのか!?」
ジャン「イ、イエッサー!!」
キース「まったく毎日毎日……」バタン
──1730 教官室
キース「はぁ……」
同僚A「溜め息ばっかついてると老けるっすよ」
キース「老けるだけで済むならそうしたいところだな」
メガネ「今度は何の騒ぎだ?」
同僚A「サシャたんの声はしなかったな」
キース「エレンとミカサの夫婦漫才だろう……が、めんどくさいからジャンだけ走らせてきた」
同僚B「完全なとばっちりじゃないっすか」
キース「いや、俺が行った時にはジャンが叫んでいた。問題ない」
同僚A「ジャン君に恨みでもあんのか?」
キース「……そんなにない」
同僚A「多少はあんのか」
──1920 教官室
キース「ハートの4」
同僚B「ハートの7。同僚Aに1枚渡すよ」
同僚A「ふざけんじゃねぇ!しかも縛りやがって」
メガネ「ハートの10。1枚捨てよう」
同僚A「J!」
キース「ハートの3」
同僚A「何っ!?」
同僚B「いや、それくらい読めますから……パス」
メガネ「パス」
同僚A「パス……」
キース「いったん流れて……ダイヤの10。1枚捨てるぞ」
同僚B「パス」
メガネ「スペードのQ」
同僚A「ジョーカー!!後1枚だぜ!」
メガネ「スペードの3」
同僚A[なっ……!?」
同僚B「お前バカだろ?」
キース「単体で出すバカはいねぇだろ……」
メガネ「今日からコニー君と呼んであげようか?」
同僚A「お、おい!どうせならブラウスって呼べよ!!」
同僚B「そういう問題じゃないでしょう」
メガネ「お芋ちゃんが可哀相だろう」
キース「貴様にサシャはやらん……もうこんな時間か」
同僚A「に、逃げんのかキース!」
キース「明日の準備がある、では」
同僚B「お疲れさんです」
メガネ「お疲れ様」
キース「うむ」
──2000 自室
キース(遊びたい年頃か……確かに、こんなご時世じゃなければそうなのだろうな)
キース(訓練に遊びの要素を入れてみてはどうだろうか?)
キース(まだ遊び盛りな子供達だ、たまにはそういうのもいいかもしれんな)
キース(明日は……立体機動術か)
キース(……あ、ジャンを走らせたままだ)
キース(まぁ、いいか……)
──0600 起床~自室
キース(とりあえず考えてはみたが……上から何か言われないだろうか?)
キース(まぁ、バレなきゃ犯罪じゃないって誰かが言ってたしな)
キース(午前の内に肉を買ってきてやろう)
──0620 教官室
キース「おはようさん……」
同僚A「うーっす。ってすげぇ眠そうっすね」
同僚B「おはようさん。何があったんだ?」
メガネ「おはよう。なんだ?問題児絡みか?」
キース「いや、ちょっと考え事をな」
メガネ「考え事?」
同僚A「まさかサシャたんか!?お前にはやらんぞ!!」
キース「当たらずとも遠からずだが……お前にサシャはやらん」
同僚B「だからお父さんみたいな事を言わないで」
──0730 教官室
キース「黄色の4」
同僚A「ドロー2!」
同僚B「ドロー2を3枚」
メガネ「2枚」
キース「ドロー2」
同僚A「なんでだよ!お前グルか!?グルなんだな!?」
キース「いや、お前が不用心過ぎるだけだろう」
同僚B「帰ってきたときの為になんかしておくべきでしょう」
メガネ「君は勝負を仕掛けてくるわりには弱いな」
同僚A「くっそぉ……引けばいいんだろ引けば……」
同僚B「青の7」
メガネ「7を2枚。青から赤」
キース「赤の5」
同僚A「5の4枚出し!あがり!!」
同僚B「ウノって言ってないっすよ」
キース「2枚引けよ」
メガネ「あくしろよ」
同僚A「残り1枚になったときだけ言うんだろ?俺4枚持ってたぞ?」
同僚B「1手であがれる状態になったら言うんすよ」
同僚A「……4枚でも?」
メガネ「君はルールも分かってないのにやってたのか」
キース「バカだろお前」
同僚A「……サシャたんだけが俺の癒しだ」
キース「誰かこいつを左遷させろ」
同僚B「そういや今日は訓練兵のみんな静かっすね」
同僚A「そういやサシャたんの声聞いてねぇな……」
メガネ「やっと慎みとやらを覚えたんじゃないのか?」
キース「そうか……!」
メガネ「凄まじく嬉しそうだな……」
キース「当たり前だ」
ジャン「きょ……教官……」ガラッ
キース「あ」
ジャン「も、もう一晩走ったのですが……まだでしょうか……?」ハァハァ
キース(忘れった……)
キース「もういいぞ。さっさと飯食ってこい」
ジャン「は……はい……」バタン
同僚B「静かな原因はこれっすか?」
──0800 座学
メガネ「ぜ、全員居るようだ……始めよう……」
ジャン「……」シュン
コニー「」キリッ
サシャ「うぅ~……」シュン
ミカサ「~♪」ナデナデ
エレン「……///」
アルミン「……」
メガネ(なんだこれは……)
メガネ「アルミン君、一体何があったんだい?」
アルミン「そ、それはですね──」
アルミン「今日はなぜか、サシャが珍しく他人の食べ物に手を出さなかったのですが……そのせいで食べたりないみたいで」
アルミン「コニーは珍しく奪われなかった上、ジャンの朝食を勝手に食べたことに大変ご満悦なご様子で」
アルミン「ジャンは一晩中走らされた上にコニーに朝食を奪われ」
アルミン「エレンとミカサについては……触れないで上げてください」
メガネ「そ、そうか……」
メガネ(よく分からん……特に最後)
メガネ「で、では問題ないようなので授業を始めよう……今日はワイヤーについてだ」
メガネ「立体機動装置に用いられるこのワイヤー。原材料は知っているかな?」
アルミン「黒金竹の葉の繊維をもとに作られています」
メガネ「そうだ。このワイヤーは非常に軽量かつ強靭で、従来のものとは全く異なる」
メガネ「ワイヤー径5mmという細さで、基本安全荷重は5tにも及ぶ」
メガネ「今日はこの強靭なワイヤーの構造、基本安全荷重や張力係数といった基本知識、関係法令について学んでいこう」
コニー「ふむふむ」キリッ
サシャ「うぅ~……」シューン
ジャン「……」グッタリ
ミカサ「♪」ナデナデ
エレン「…///」
アルミン「……はい」
メガネ(すっげぇやりづれぇ……)
メガネ「えぇ~……基本安全荷重というのは先ほど説明した安全係数、立体機動装置のワイヤーはいつくだったかな?」
コニー「8です!」キリッ
アルミン「!?」
メガネ(あのコニーが!?)
メガネ「そ、そうだ……この安全係数を考慮し、1本のワイヤーで垂直に吊り上げられる重量のことだ……」
コニー「ほうほう……」
メガネ「うっ……で、では、次に安全荷重に移ろうと思う……」
コニー「安全荷重と基本安全荷重はどのように違うのですか!?」
メガネ「い、いい質問だな……あ、安全荷重というのは……掛け数や吊り角度に応じて……」
コニー「ほほぉ……」キラキラ
メガネ(なんだろう……真面目なコニーがすげぇ気持ち悪い)
──0950 休憩時間~教官室
メガネ「……」
同僚A「どうした?なんかすげぇ疲れてるぞ?」
同僚B「またお芋ちゃんかおバカちゃんですか?」
メガネ「まぁそうだな……コニー君絡みだ……」
キース「あのバカが今度は何をやらかした?」
メガネ「真面目なんだ……」
同僚B「真面目?」
同僚A「いい事じゃねぇか」
キース「……あのコニーが、か?」
メガネ「そうだ……あのコニーが、だ。もの凄く真面目で授業についてきている……」
メガネ「おいキース、一体何をやらかした?」
キース「やっ……俺は、真面目にやれと言っただけだぞ……?」
メガネ「……それだけ?」
──1000 座学
メガネ「では続きといこう……」
サシャ「すぅ……すぅ……」Zzz
コニー「」キリッ
ジャン「……」
ミカサ「」キリッ
エレン「……///」
アルミン「……」
メガネ(ジャ、ジャンとミカサは復活したな……)
コニー「」キリリッ
メガネ(……コニーがうぜぇ)
メガネ「──この張力係数というのは、吊り角度に応じて生じるワイヤー1本当りの張力を算出する為の係数だ」
コニー「張力とはなんですか!?」
メガネ「そうだな……早い話がどれだけ余計な力がかかっているかということだ」
メガネ「例えば片手で水の入ったバケツを持つとする。腕を下に向けるより横に向けると重く感じるだろう?」
コニー「な、なるほど!」
メガネ「これと同様、角度が増すほどワイヤーにかかる重量というのが増すのだ」
メガネ「なお、先ほどの時間に説明した基本安全荷重と張力係数の関係は──」
コニー「」キリッ
アルミン「……」
メガネ(ア、アルミンが居場所を奪われたような目でこちらを見ている……)
──1205 昼休み~教官室
メガネ「お前はコニーに何をした!?何をしたんだぁああ!?」
キース「や……だから真面目に努力しろと……」
メガネ「一言言ったくらいで治るか!?治らねぇよ!!」
同僚A「すげぇあらぶってるな……」
同僚B「教え子が真面目になって取り乱す奴初めて見ましたよ」
メガネ「君たちはコニー君の今までを知らないからそんな事が言えるのだ!!」
キース「……コニーがこんなに変わったのか。サシャはどうだった?」
メガネ「寝てた」
キース「……」
同僚A「寝る子は可愛いって言うからな!」
同僚B「言わねーよ」
メガネ「なんでも、他人の飯を盗らなかったから足らないんだとさ」
キース「そうか……!!」
同僚B「なんか嬉しそうっすね」
──1300 立体機動訓練
キース「本日は立体機動の訓練を行う!……が、少し趣向を変える」
エレン「と、言いますと?」
キース「簡単だ。立体機動で鬼ごっこをしてもらう」
コニー「鬼ごっこだって!?よっしゃー!」
キース「鬼はミカサ・アッカーマン。ジャン・キルシュタインにやってもらいたい。君たちは立体機動でトップクラスだ」
ミカサ「分かりました」
ジャン「ミカサと……!了解です!」
ライナー「生き残りは絶望的じゃないか……」
キース「なお、最後まで生き残った者には!今では貴重になってしまった牛肉をやる!」
サシャ「お……お肉っ!?」
キース「……私のポケットマネーだ。ありがたく思え!!」」
キース「鬼の2人には撃墜数に応じて肉をやる。安心しろ」
キース「時間は今日いっぱい!1700までだ!ガスの補給は1500の休憩時のみ!」
キース「質問は……ないようだな。では、鬼以外は行けっ!!」
サシャ「お肉ぅうううううううううううう!!!!!」バシュウウウウ
コニー「はっ!肉は俺のもんだ!!」
アルミン「ミカサは恐らく直ぐにエレンの所に行くだろうから──」
エレン「よし、その作戦で行こう!」
ライナー「頼りにしてるぞアルミン!」
アルミン「すまないライナー……君をメイン盾にするような……」
ライナー「大丈夫だ!そんなの慣れっこだ!行くぞ!」バシュウウ
ミカサ「教官、なぜこのような訓練を?」
キース「……たまには遊んだっていいだろう?」
──1400 戦闘開始から1時間
キース(すでに結構な脱落者が……ミカサを鬼にしたのはゲームバランスが悪かったか?)
キース(しかしこの経験が有事の際に生存率をあげてくれる……かもしれん。おそらく。多分。)
キース(しかし、あの者達はさすがだな。上位10名が有力視されているだけはある)
キース(お、ライナーが体を張って囮になっているな……鬼のガスを浪費させているのか?)
キース(だがジャンの低燃費術は中々のものだ、ライナーほうが早く切れそうなもんだが……)
キース(ほら切れた。すかさずジャンが……ってミカサ!?どこから現れた!?)
ミカサ「ジャンがライナーと遊んでいる間にエレン達に逃げられた。これは陽動」
ライナー「な、何っ!?俺は騙されたのか!?」
ジャン「バカな男だ!」
ミカサ「あっちからエレンの気を感じる!急いで!」
ジャン「気……?お、おう!……あれ?」
ミカサ「なに」
ジャン「すまないがガス切れだ……」
ミカサ「この役立たず……」
キース(メイン盾とはそういう意味だったのか……)
ライナー「はぁ……」
キース「そう落ち込むな。良い動きだったぞ、しっかりと採点してやる」
ライナー「ジャンの野郎はいったいどうやってガスの消費を抑えているんだ?」
キース「せっかく脱落したのだ。じっくり観察してみてはどうだ」
ライナー「なるほど。することがない分、できる奴から学べる時間が取れるのか」
キース「そういうことだ。時間は有効に使え」
ライナー「おいベルトルト!お前もこっち来い!」
キース「……?」
ライナー「どうかしましたか?」
キース「いや……」
キース(ベルトルトって誰だ?)
──1450 休憩時間
エレン「なんとか生き残れたな……アルミンの作戦のおかげだ」
アルミン「でも味方を犠牲にする、あまりとりたくない作戦だよ」
ライナー「別に恨んではいないさ。ただ、俺にも肉をわけてくれよ?」
エレン「それは約束するさ!」
サシャ「私にもくれるんですか!?」
エレン「やらねえよ。ってサシャも生き残り組か」
サシャ「当たり前です!」
コニー「お前についていくのが大変だったぜ……お前食い物がかかるとつえぇな……」
──1500 立体機動訓練
キース「では再開するぞ。ガスは補給したな?」
コニー「やべえ!忘れてた!」
キース「バカか貴様は!さっさと補給しろ!」
コニー「は、はい!」
キース(真面目になったとは聞いたが……このほうが落ち着くな)
キース「ルール変更の類はない!先ほどと同じだ!」
コニー「終わりました!」
キース「では、行けっ!!」
「「「はっ!」」」
キース「行ったか……、脱落組!生き残っているあいつらを引きずり落としたくはないか!?」
ライナー「……面白そうだな」
ダズ「ああ落としてやりたいさ!自分たちだけで肉を食おうとしてるんだ!!」
キース「では話を聞け──」
アルミン「基本的には見つからずに隠れていれば大丈夫だ」
エレン「そうだな、立体機動の音にさえ気を付けていれば……」
パヒューン
エレン「なっ!?」
アルミン「信号弾!?まさか……ミカサが来る!逃げるぞエレン!!」バシュウウウウウ
エレン「くっそ!ルール変更はなかったんじゃないのか?」バシュウウウウウウ
ミカサ「エレンエレンエレンエレンエレン……」
ジャン「お前こえぇな……」
ミーナ「お肉は残念だったけど……」
トーマス「僕らは僕らで精一杯邪魔してやるぜ!!」
ダズ「お前らばっかりいい気になりやがってぇええ!!!」
ライナー「いや、脱落したのは自分の責任だろう……」
クリスタ「なんか悪い事してるような……」
ユミル「いいんだ気にすんな気にすんな!」
アニ「……ふん」
ベ
マルコ「これ、僕たちに点数は入るのかな」
サシャ「コニー!ジャンがそっち行きました!方位3-3-4!距離20!相対速度10km/h!」
コニー「サシャ!お前は左へ行け!俺はこいつらを引き付ける!!」
サシャ「コニー!!」
エレン「お前ばっかカッコいい事やってんじゃねぇ!ミカサは俺が引き付ける!!」
アルミン「よし!エレンはそのままミカサを引き連れて座標34b99Aまで行ってくれ!そこはミカサが苦手とする地形だ!」
エレン「あいよ!」
アルミン「サシャ!コニー!ジャンはさっきまで単騎で動き回ってた!このまま動き回ってガス切れを起こさせるぞ!」
サシャ「さっすが!アルミンは頼りになります!」
コニー「悪かったな!俺は頼りにならなくてよ!」
サシャ「そんなことはありませんよ!頼りにしてます!!」
キース(なんだあいつら……食べ物がかかるとここまで本気になるのか……?)
──1650 終了間際
アルミン「生き残りは……」
コニー「どうやら俺らだけみたいだな」
サシャ「ってことは私たちだけでお肉とり放題ですか……?」
エレン「おー!居た居た!」シュタッ
アルミン「エレン!無事だったんだね!」
エレン「ああ、ミカサの動きがなんか悪かったんだ」
アルミン「地形を上手く利用できたみたいだね……賭けだったんだけど」
エレン「お前はいつも正しい答えを当ててきただろ!……ジャンはどうなった?」
コニー「なんとかガス切れまで追い込んだ」
サシャ「私たちも危ないですけどね」
エレン「ってことはミカサだけか……」
アルミン「生き残りは僕たちだけ、鬼はミカサだけ。もう信号弾の妨害なんて意味をなさない!最後まで生き残るぞ!!」
「「「おおぉーーー!!」」」
キース(実戦さながらの士気だな……)
──1700 課業終了時刻
キース「終了!!!」
エレン「やった……!やったぞ!!」
アルミン「終わった……!」
コニー「よしゃー!肉だ!久しぶりの肉だ!!」
サシャ「お肉……お肉……はぁ……はぁ……」
ミカサ「どうしてエレンは私を受け入れてくれないの……?」
ジャン「俺がガス切れを起こすとは……」
キース「ふむ、生き残りは貴様等だけか」
エレン「はい!」
キース「立体機動の点数はそれなりにつけさせて貰おう……それと、晩飯を楽しみにしておけ」
──1730 訓練兵食堂
サシャ「お肉……お肉……」
コニー「はは……はっはっはっはっは!!!」
エレン「落ち着けよお前ら……」
アルミン「仕方ないよ、土地が減ってもの凄く貴重に……あれ?」
エレン「……貴重になったんだよな?」
アルミン「う、うん」
エレン「なんで全員分あるんだ?」
キース「特定の者だけを贔屓するわけにもいくまい」
エレン「きょ、教官!?」
キース「貴様等のやる気を出させただけだ。元々、全員分用意してある」
アルミン「でも、ポケットマネーだと……?」
キース「そうだ……だから味わって食え!もう二度とないからな!?」
「「「うぉおおおおおおおおお!!!!!」」」
アルミン「結構な金額じゃ……?」
キース「……結構どころじゃない。分かったらさっさと食え!盗られるぞ!!」
アルミン「は、はい!」
エレン「頂戴します!!」
コニー「おいサシャ!俺の分まで盗るな!!
サシャ「別に盗りはしませんよ!はい、あーん?」
コニー「……どういうつもりだ?」
サシャ「今日のコニーはカッコよかったので私の分をわけてあげます!」
コニー「だからそれ俺じゃねぇか!?」
ミカサ「!!エレン!私達もあれやろう!」
ジャン「なんだと!?おいエレンてめぇえ!!!」
──1800 教官室
キース「ふぅ」
メガネ「いくらかかった?」
キース「……きくな」
同僚A「すげぇなお前!お前の人気上昇中じゃねぇのか?」
キース「人気なんぞ要らん」
同僚B「中々できることじゃないっすよ?人数分肉を用意するなんて……」
メガネ「いくらかかった?」
キース「だからきくな」
<おいエレン!何イチャついてんだ!!
<違う!これはミカサが勝手に!!
<エレン!遠慮は要らない!
メガネ「おいキース、食堂がうるさいぞ?」
同僚A「止めてこいよ」
同僚B「いや~騒ぎたい気持ちはわかるっすけどね」
キース「止めるのも無粋だが……行ってくるか」
──1805 訓練兵食堂
ミカサ「ほらエレン!私の分もあげる!なんなら、私も食べて構わない!!」
エレン「はぁ!?何言って──」
キース「騒がしいぞ貴様等!!」ガラッ
コニー「うわっ!?教官だ!!」
サシャ「こ、これはですね!!」
キース「それ以上騒ぐと……俺もその肉食うぞ!!」
サシャ「ダメですよ!?これは私のです!!」
コニー「やめてくれ!!」
エレン「な、何やってんすか教官!!」
ジャン「おいお前ら!教官に食い尽くされる前に食っちまうぞ!!」
「「「おおぉーーーーーー!!」」」
──教官室
メガネ「楽しそうじゃないか」
同僚A「俺も混ざりに行こうかな……」
同僚B「ダメっすよ?邪魔しちゃ悪いっす」
メガネ「問題児ばかりだと嘆いてはいたが……問題児を担当するほど面白いからな」
同僚A「俺もサシャたんの担当になりてぇなぁ……」
同僚B「今さらっすけど欲望ダダ漏れっすよね」
メガネ「……卒業が楽しみだな」
おわり
くぅ疲
続きは未定
他のSSもよろしく
エレン「俺は憲兵団に入って内地で暮らす!」
エレン「ミカサのおっぱい揉ませてやる」ジャン「!!」
ジャン「ミカサのパンツくれ」 エレン「本人に言えよ」
キース「君はブラジャーか?」 ジャン「意味がわからん」
エレン「俺駐屯兵団にするわ」
キース「割と暇な訓練教官の日常」
このへん
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