メイド「……最近お嬢様の挙動が妙に怪しい」お嬢様「ふふふ~ん♪」 (13)

メイド「これはアレか……? いやしかし……」

お嬢様「らったららら~♪」

メイド「……観察する必要がありますね……」


お嬢様「あら庭師、今日も頑張ってね~♪」

庭師「うーん……お嬢様? えっ、あっ、うん頑張るよ」

庭師(なんかいつもと違うような――あっ)

メイド「そそくさそそくさ」さささっ

庭師(いやこれはいつも通りか……)

庭師「なにやってんの」

メイド「あら庭師、最近お嬢様の様子がおかしいので……」

庭師「ふぅん……」

メイド「庭師は気にならないのかしら?」

庭師「えっ、ボク? あー……気になる」

メイド「でしょう」

お嬢様「ふ~ん♪」

メイド「そそくさっ」

庭師「のたのた」

お嬢様「……うふふ、あなた達っていつもお昼寝してばかりねぇ」

乳牛「も~……」

お嬢様「あなた達は今日はいっぱい卵産めた? 元気だしてね」

鶏「こけ……」

お嬢様「貴方が私のお家を守ってくれるの期待してるわぁ」なでなで

犬「わん……」

庭師「あー……うん、ああ言うキャラじゃないよねお嬢様は」

メイド「でしょう? 普通のお嬢様なら家畜は食料、犬は玩具みたいに扱うはず。お嬢様はあんな乙女チックなわけがありません!」

庭師「それはどうかと……」

メイド「絶対何かがお嬢様の身にあったのです! でなければあんな風になりません」

庭師「なにかって何さ」

メイド「えっ……うーん、頭を打ったとか」

庭師「はぁ……こう言う乙女の心を変える出来事ってのは大抵は、恋、とかじゃないの?」

メイド「恋……?」

庭師「恋」

メイド「お嬢様が?」

庭師「うん」

メイド「誰と」

庭師「知らないよ」

メイド「私とでなくて?」

庭師「ボクでもないでしょ」

メイド「ははぁ……」

庭師「どうしたのさ、そんな呆けた顔して」

メイド「お嬢様が、恋」

メイド「うわあああああああああああああああああああ」

庭師「ていっ!」どすっ

メイド「ぐえっ、なんですかいきなり」

庭師「まだ決まったわけじゃないんだから……ほらほら観察と事情聴取事情聴取」

お嬢様「あら二人共、どうしたの?」

メイド「えー、あー、あの、お嬢様、熱はありませんか?」

お嬢様「熱? えっ、あるかしら……うーん、自分じゃわからないわ」

メイド「私が測ってあげます!!」ぺたり

メイド「……ぬるい」

お嬢様「うふふ、どうしたのよ。突然」

庭師「お嬢様、最近何かありました?」

お嬢様「何か?」

庭師「ほら、なんか何かが気になってしかたないとか欲しい物ができたとか」

お嬢様「えー、そうねぇ」

お嬢様「そうだわ、この前雑誌で見たブルーベリーケーキがとっても美味しそうだったの!」

お嬢様「なぁに? 作ってくれるの? うふふ」

メイド「わ、わたくしめにお任せください!」

お嬢様「えへへ、わーい」

庭師(違う……! お嬢様はこんな甘ったるい人じゃない!)

お嬢様「らんらん♪」

メイド「はーいそがしいそがし」しゃかしゃか

庭師「本当に作ってるよ……」

メイド「これを食べてもお嬢様が戻らなかったら……」

庭師「まぁ別の原因があるってことだよね」

メイド「うぅ……! 忌々しい恋敵め! 討滅してくれる!」がしゃん

庭師「ちょっとほら、ボウルがひび割れてるって!」

メイド「うぅ……わたくしとの淫らな思い出の数々がぁ」

お嬢様『ほらメイド、おなか減ったわ』 メイド『はいお嬢様クッキーでございます!』
お嬢様『なんか暇よね』 メイド『さぁお嬢様チェスでもしましょう!』
お嬢様『ねぇ、背中凝ったんだけど』 メイド『マッサージしますねお嬢様!』
メイド『お嬢様キスの練習しましょう』 お嬢様『ちょっ、いや、んぅっー!』
メイド『お嬢様お風呂はいりましょう』 お嬢様『一人で入……うぅん……』
メイド『一緒に寝ましょうねお嬢様』 お嬢様『うん……メイド好き……』

メイド「お嬢様ぁ……」

庭師(ろくな思い出じゃねーな……)

メイド「はぁ……すいません庭師、ケーキ代わりに作っといてください」ぺたぺた

庭師「えっ、うん……どうしたんだろ」しゃかしゃか

庭師「できましたよお嬢様」

お嬢様「あれ、メイドは?」

庭師「どこかへ行ってしまいましたよ」

お嬢様「そう、じゃあちょうどいいわ! 庭師! これ見て!」

庭師「これ……ってカチューシャとリボンですか? 手作りの」

お嬢様「そうそう! 今度メイドの誕生日でしょう? こっそりばれないように作ってたのよ」

庭師「あっ……」

お嬢様「秘密よ秘密! これ隠し通すために頑張って演技してるんだから!」

庭師(意味あるのかなそれ)

お嬢様「うふふー、メイドの驚く顔が見たいわねー」

庭師(……仲いいな、二人共)

庭師「……あっ」

お嬢様「どうしたの?」

庭師「ちょっとメイド見てきます!」どたどた

お嬢様「えっ、えっ」

『メイドのへや(はあと) お嬢様はいつでも入っていいのよ』

庭師「メイドー! あけろー!」

メイド「どうせ私なんて……ぐすん」

庭師「はやまるなー!」

メイド「お嬢様……お嬢様……んぁっ……」びくんっ

庭師「くっそ自分の世界に閉じこもりやがった」

お嬢様「どうしたのよいきなり部屋を飛び出すなんて」

庭師「お嬢様、自分の部屋に行って衣服を確認してきてください」

お嬢様「えっ、いいけど……」


お嬢様「クローゼットも何もかも空! 今朝来てたネグリジェもないわ!」

メイド「う……お嬢様の匂い……んぅっ……」すんすん

庭師「あちゃー……」

お嬢様「あの変態メイド……!」

庭師「このままだとメイドは痴女……廃人だしお嬢様は着替えがなくてヤヴァイですよ」

お嬢様「ど、どうしましょう」

庭師「……そりゃもう、お嬢様が腹をくくるしかありません……」

お嬢様「どうするのよ」

庭師「答えはこうです、」脱がせっ

お嬢様「な、なにするの! きゃぁっ!」全裸

お嬢様「うぅ……寒いし恥ずかしいわ……」

庭師「さっきのカチューシャを両手に持ってリボンを身体に巻き付けて……」

お嬢様「こんなんで治るのかしら」

庭師「単純なメイドのことだからあるいは……」

お嬢様「メイドー! 聞いてるー?」

メイド「……お嬢様……?」

お嬢様「部屋、入るわよ……」ぎいっ

メイド「えっ……わぁっ……!? お嬢様! なんて格好を!」うきうき

お嬢様「……これ、ちょっと早いけど、誕生日プレゼント……」

メイド「お、お嬢様ぁあああ!」ぎゅうっ

庭師(治った)

お嬢様「ごめんね、変な勘違いさせたみたいで」

メイド「いえ、私の早とちりですから……」

お嬢様「それと、安心してメイド」ぎゅうっ

メイド「お、お嬢様?」ふるふる

お嬢様「私、メイドのことが、家族って意味でも、恋人って意味でも、一番好きよ……」

メイド「……んっ――」ちゅぷっ

庭師(うぅん……なんかムラムラしてきた)

メイド「ちょっと、庭師が見てますよ……」

お嬢様「いいわよそれくらい、それよりもっとキスしてたい……んっ――」ちゅぷぷっ

メイド(お嬢様……)「んんっ――……んっ……」じゅぷれる

お嬢様「んくっ……んっ……ごくん」じゅぷっじゅぷる

庭師(これは永久保存版だな……)つぷぷっ

お嬢様「ほら、もっとエッチな子作りしたい……」

メイド「そうですね……お嬢様、愛しています……」ぎゅうっ

お嬢様「私もよ、メイド……」ぎゅー

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