雪ノ下「無様ね、あなたにはお似合いだわ」 (8)

八幡「ん、あ、なんでお前がここにいる?」

雪ノ下「小町さんが案内してくれたのよ」

八幡「いや俺が聞きたいのは、なんで俺の家にってことだ」

雪ノ下「あなた今日学校を休んだでしょう。平塚先生に頼まれて配布物を持ってきたの」

八幡「お前が?」

雪ノ下「ええ、あなたの干からびた干物のような姿を見たかったしね」

八幡「そりゃいい趣味をお持ちで」

八幡「でも、いいのか?この密室空間に二人きりなんて」

雪ノ下「流石の比企谷君でも、その状態では動けないでしょう」

雪ノ下「それともあなた、風邪を引いてまで、己の欲望を満たさないといけないくらい欲求不満なのかしら」

八幡「違うっつーの、風邪がうつるって言ってんだ」

雪ノ下「そういこと」

雪ノ下「大丈夫、そんな長居はしないわ」

雪ノ下「小町さんが戻ってきたら、帰らせてもらうから」

八幡「小町の奴どこか行ったのか」

雪ノ下「買い物に行くと言っていたわ」

雪ノ下「あと『こういうときが意外とチャンス、頑張れお兄ちゃん』とも言ってたわね」

八幡「あいつ...ホント馬鹿だ」

雪ノ下「具合はどうなのかしら、もうお花畑は見えてる?」

八幡「人を死人扱いするな」

八幡「まだ熱は下がってない、頭が熱暴走起こしてるみたいだ」

雪ノ下「ちょっといいかしら」ピト

八幡「(雪ノ下の手冷たいな)」

雪ノ下「驚いた、本当に熱があるのね」

八幡「どうみても病人だろうが」

雪ノ下「いえ、大袈裟に言っていると思ったのよ」

八幡「38度もあるっつーの、頭痛い」

雪ノ下「そう、あなたの平熱はそんなに高いのね。安心したわ」

八幡「違う、そこ違うよー!」

八幡「(早く帰ってくれませんかねぇ)」

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