チョコレートフォーユー当日
P「さあ、森久保。行って来い。ファンにチョコレート渡してくるんだ」
乃々「も、もりくぼだけで行けだなんて無理ですよ……」
P「警備員のお兄さんが居るから大丈夫。行って来い」
乃々「警備員のお兄さんはむしろ怖いんですけど……プロデューサーさんと一緒がいいんですけど……」
P「危なくなったら逃げてくればいいから、な?さあ行った行った」
乃々「も、もうどうなってももりくぼは知りませんからね……」
乃々(うう……プロデューサーさんなしだなんて……LIVEの時だってプロデューサーさんが心配だからと隣に居たからなんとかなったんですけど……)
乃々(で、でも森久保のファンなんて数人しかいないに違いません……LIVEの時だってきっと会場に来てた9割以上の人が他の人のファンです)
乃々(心配事の9割は起こらないって本もありますし、ここは気楽にやりましょう……)
警備員「こっちです」
ファン達「」ズラズラ
乃々「」
乃々(か、数えきれないほど来たんですけど……)
警備員「これより、チョコレートフォーユーメインイベント、アイドルによる手作りチョコ手渡し会を始めます」
警備員「最初の方、どうぞ」
乃々「あの……はい、どうぞ。これからもよろしくお願いします」
ファンA「よっしゃぼののから一番目にチョコもらったー!ねえ、本当にぼののが作ったんだよね!?」
乃々「ひぃ!?も、もりくぼが作りました……それは間違いないです……」
ファンB「お前ぼのの怖がらせてどうするんだよ」
ファンA「あ、ぼののごめん……」
乃々「だからぼののってなんですか…なんなんですか…ぼのの……」
乃々「そうか、宇宙の心はぼののだったんですね……あはは……」
ファンC「……なんだかさっそく小刻みに震えてるんだけどぼのの大丈夫かね?」
警備員「次の方どうぞ」
ファンK「うっひょー!ぼのの、ぼののがこんな近くに!?」
乃々「!?」ビクッ!
乃々「も、も、もう……」
乃々「もう、むーりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
ファンC「あ、逃げた」
ファンD「まさか開始二人でもう逃げるだなんて……さすがぼのの」
P(森久保に一人で仕事出来る勇気を身に着けようと思ったがまだ早かったか……)
乃々「うううう……また逃げてしまったんですけど……一人には渡せたんですけど帰っていいですか……」
P「まだ始まったばかりだろ?今度は二人で行こう。な?」
乃々「二人でも無理です……あんなに怖い敵地に送り出そうとするなんてプロデューサーはきちくなんですけど……」
P(一人で行かせたのがアダとなったか……この心情のまま無理矢理連れて行っても泣きだすだけだぞ……)
P「敵って……お前のファンなんだぞ?お前がここに居るのはファンが応援してくれてるおかげなんだぞ」
P「それに『無理』というのはだな、嘘吐きの言葉なんだ。途中で止めてしまうから無理になってしまう」
乃々「あぅ……すごく……ブラックなんですけど……」
乃々「でも、もりくぼだってその……どうにかしたいとは思ってるんです……」
P「なら俺には背中を押してやることしか出来ることはないな」
乃々「あの…1個渡すたびにホメてくれれば…がんばれるかもですけど」
P「それは……それはファン的に……いやいける。そもそもの目的は満たせないしそれで行こう」
乃々「え?」
P「なら俺にはファンの前で森久保を膝に乗せてなでなでしてやることしか出来ることはないなぁ!」ガシッ
乃々「い、いきなり前言撤回されたんですけど……今のはジョークなんですけど……!」
P「冗談を言う余裕があるならばいけるな森久保ぉ!行くぞぉ!」
乃々「ぅぅ……こうなったプロデューサーさんを止めるのはむぅーりー……今までずっとこうやって引っ張ってこられたんですから……」
ファンB「あ、連れ戻されてきた」
P「乗っただけ、それ即ち融合!」
ファンD「ぼののとスーツのおっさんが乗っただけ融合した……!?」
ファンB「ばっか、あれはLIVEでも居たぼのののプロデューサーだよ」
ファンY「プロデューサーに乗ったままチョコレートイベントだと!?ふざけやがって!」
ファンC「そうだ!俺たちはぼののを見に来たんだ!おっさんに乗ったぼののを見に来たんじゃねえ!」
P「お前たちがその反応をすることは読んでいた……だがなぜ我があえてこの行動に出たのか、やがて知るであろう」
ファンK「なるほど、予測済みってわけか、だったら俺を満足させてくれるんだよな……」
警備員(どうでもいいけどこいつらノリノリだな)
乃々(プロデューサーさんの上、意外なまでに落ち着きます……)
乃々「あの、ハッピーバレンタインです……これからもよろしくお願いします……!」
ファンK「ありがとう、ぼのの」
ファンC「なにがやがて知るであろうだ、何もねえじゃねえか!」
P「それはどうかな。……森久保、よくバレンタインチョコを渡せたな。ご褒美のなでなでだ」
ファンC「火に油を注ぐようなマネしやがって!」
乃々「え、あれは冗談だったんですけど、別に褒めなくてもいいんですけど……!もうこれだけ十分です……!」
乃々「わっ……こ、こんな大勢の前で頭撫でられるなんて……は、恥ずかしいですよ……」
乃々「か、顔がニヤけて……も、もう勘弁してください……も、むぅーりー……」
ファン達「」ズキューン
ファンS「う、うまい!確かに恥ずかしがっているぼののは今までいくらでも見てきた!」
ファンS「だがこんなに嬉しそうに恥ずかしがっている姿、ましては彼女の性格から写真でもここまで口が緩んでるのすら未だ見たことがなかった!」
ファンS「しかも、こんな気の抜けたぼののボイスも初めて聴く!しかもそれは恥ずかしさのあまりに出た物!セリフと表情、二つの要素の相乗作用!攻撃力に換算してみれば10万!これにやられないぼののファンはいねえ!」
ファンS「俺たちゃいいもん見せてもらった~~!天国のあいつにもぼのの史上最高の笑顔を見せてやりたかったぜぇ~~~!」
ファンK「俺は、満足したぜ……!」バタッ
ファンY「鬼柳ぅぅぅぅぅぅぅ!」
ファンC「おい、目を覚ませよ!」
ファンE「チョコレート、チョコレート貰えばあの笑顔がもう一度見られるんだよな……」
ファンD「森久保ぉー!俺だー!チョコくれええええええ!」
くれー!くれー!
警備員「ちょ、順番を守ってください!」
乃々「あの、なんですか、これは……」
P「正直予想以上の反響で俺も驚いてる」
のちにプロデューサーの上に森久保が乗った姿は究極森久保騎士<<マスターオブモリクボナイト>>だとか機皇帝森久保とかモリクボニアス・モリクボアと呼ばれ
攻撃力10万の森久保を生み出したプロデューサーはドン・ハンドレッドサウザンドと言われたという
おわり
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