マホ「101匹のころたん!」(79)
ID:yUzxOtSL0
代行ありがとうございます
頑張ります
田舎道を仲良く歩く久、マホ、優希
久「あら、こんなところにダンボールに入れられた捨て猫が」
ねこ「にゃーん」
マホ「わぁかわいい!マホ、この猫拾って飼いたいです!」
久「だめよマホ。猫を飼うっていっても簡単じゃないんだから」
マホ「そうなんですか?」
久「そうよ。エサ代はかかるし、家具は爪とぎでぼろぼろにされるし」
久「それに、病院に行って予防接種もしてもらわないといけないわね」
マホ「そ、そうですよね…ごめんね、猫ちゃん」
優希「ほれ、タコスを恵んでやるじぇ」
ねこ「にゃーん…」
数分後
久「あら、こんなところにダンボールに入れられた捨て宥が」
宥「さむ~い」
マホ「わぁかわいい!マホ、この宥拾って飼いたいです!」
久「だめよマホ。宥を飼うっていっても簡単じゃないんだから」
マホ「そうなんですか?」
久「そうよ。宥は、専用の温室で飼わないと凍えて死んじゃうのよ」
久「マホの家にそんな設備は無いでしょう?」
マホ「そ、そうですよね…ごめんね、宥ちゃん」
優希「ほれ、タコスを恵んでやるじぇ」
宥「さむ~い…」
数分後
久「あら、こんなところにダンボールに入れられた捨て照が」
照「ギュルルルル」(コークスクリュー
マホ「わぁかわいい!マホ、この照拾って飼いたいです!」
久「だめよマホ。照を飼うっていっても簡単じゃないんだから」
マホ「そうなんですか?」
久「そうよ。高いお菓子ばっかり食べるからお金がかかるし」
久「頭を撫でると、ツノが刺さって手をケガしちゃうんだから」
マホ「そ、そうなんですか…ごめんね、照ちゃん」
優希「ほれ、タコスを恵んでやるじぇ」
照「ありがとうございます!」(営業スマイル
営業ワロタ
数分後
久「あら、こんなところにダンボールに入れられた捨てアラフォーが」
健夜「アラサーだよ!」
優希「マホ、これも拾って飼いたいなんて言ったらだめだじぇ?」
マホ「…いえ、これはいらないです」
健夜「そんな!?」
漫才やる余裕はあるのな
数分後
久「あら、こんなところにダンボールに入れられた捨てちゃちゃのんが」
いちご「ちゃちゃのんじゃー」
マホ「わぁかわいい!マホ、このちゃちゃのん拾って飼いたいです!」
久「だめよマホ。売れないローカルアイドルを飼うっていっても簡単じゃないんだから」
マホ「そうなんですか?」
久「そうよ。頑張ってマネージメントやプロモーションをこなしていかないと」
久「最近のアイドル業界じゃ、すぐに置いて行かれちゃうんだから」
マホ「そ、そうですよね…ごめんね、ちゃちゃのん」
優希「ほれ、タコスを恵んでやるじぇ」
いちご「ちゃちゃのんじゃー…」
何この可愛い生き物
数分後
久「あら、こんなところにダンボールに入れられた捨て衣が」
ころたん「かいぜんばんり!」
マホ「わぁかわいい!マホ、この衣拾って飼いたいです!」
久「だめよマホ。衣を飼うっていっても簡単じゃないんだから」
マホ「そうなんですか?」
久「そうよ。衣は増えるスピードが早いらしいから」
久「どこか広い部屋が無いと飼えないのよ」
マホ「そ、そうなんですか…ごめんね、ころたん」
久「…そうだ!だったらウチの部室で飼ってあげましょうか?」
マホ「ほ、本当ですか!?やったー!」
お、進展した
久「というわけでころたん、今日からあなたはウチの子よ!」ヒョイ
ころたん「すてきめっぽー!」
マホ「わーい!マホ、毎日この子に会いに来ますね!」
マホ「ころたーん」ナデナデ
ころたん「なでるなー!」
優希「…でも、誰が毎日の衣の世話をするんだじぇ?」
久「めんどくさいから、全部犬君に任せましょうか」
優希「鬼だじぇ」
ていうか犬って
翌日 麻雀部部室
咲「わぁ、衣ちゃんだ!」
ころたん「ちゃんではなく!」
和「可愛いですね。どうしたんですか?」
久「マホが飼いたいっていうのを拾ってきたのよ」
久「みんな、優しくしてあげてね。犬君、お世話お願いね」
犬「ハイ」
咲「ころたーん」ナデナデ
ころたん「なでるなー!」
須賀……
後日
ころA「かいぜんばんり!」
ころB「はいてーらおゆえ!」
和「…」(目ゴシゴシ
久「和、どうかしたの?」
和「いえ、あの…私疲れてるんでしょうか…」
和「衣さんが、二匹いるように見えるんです…」
久「ええ、二匹いるわよ」
和「えっ!?」
単独で増えるってどういうことなの……
咲「和ちゃん、知らなかったの?」
咲「衣ちゃんは『Dr.スランプ』のガッちゃんみたいに」
咲「分裂することで繁殖していく動物なんだよ?」
和「そそそ、そんなオカルト…」
ころA「かいぜんばんり!」
ころB「ねのかたすくに!」
まこ「今日からは、エサ代も二倍になってしまうのう」
売ろう
後日
ころA「かいぜんばんり!」
ころB「はいてーらおゆえ!」
ころC「すてきめっぽー!」
ころD「こじみのねー!」
まこ「…増えるスピードが早すぎやせんかのう」
咲「そのうち、100匹くらいになっちゃったりしてw」
久「まっさかーwそんなに増えるわけないじゃないのw」
和「…」
一週間ちょいで100超えるよね?
後日
ころE「こじみのねー!」
ころF「たるたるー!」
ころG「ののかー!」
ころH「ねのかたすくにー!」
ウジャウジャウジャウジャ
咲「…あの~、部長?」
久「な、何かしら?」
咲「…衣ちゃん、100匹くらいいませんか?」
久「…100匹くらいいるわね」
犬「部長!衣さんのエサ代で部費が底を尽きました!」
まこ「どーするんじゃ!?もうウチでは面倒見切れんわい!」
久「浅はかだったわ…まさか、こんなに増えるなんて」
和「また捨ててくるしかありませんね」
咲「そ、そんな!?そんなの酷いよ和ちゃん!」
和「でもこのままでは、部室がパンクして麻雀も打てませんよ?」
久「そうね…誰かに引き取ってもらうしかないわね」
里親は誰だ
龍門渕高校
久「え、えーっと…本日はお日柄もよく…」
透華「挨拶は結構ですわ」
透華「それで?急用があると聞きましたが、一体何ですの?」
久「実は、この子のことなんだけど…」ヒョイ
ころA「はいてーらおゆえ!」
透華「この衣がどうかしまして?」
久「かくかくしかじか」
透華「ふんふむ」
透華「…つまり、無責任に捨て衣を拾ったはいいものの、」
透華「最後は勝手な理由でその衣を捨てよう、ということですわね?」
久「そ、そんな言い方しなくてもいいじゃない…」
衣「そうだよとーか!清澄は悪くないよ!」
透華「…衣?」
衣「清澄は、路傍に打ち捨てられた我が同胞を匿ってくれて、」
衣「此の時までちゃんと大切に育ててくれたのだ」
衣「我が同胞の恩人ではないか!清澄の、謝意を表すぞ」
透華「そ、それはそうでしょうけど…」
え? 本物いるの?
久「…それで、どうにかこの子を引き取ってもらえないかしら?」
透華「はぁ…仕方ありませんわね」
透華「承知しましたわ。その子は我々が責任を持って引き取りましょう」
久「ホント!?ありがとう龍門渕さん!」
ころA「すてきめっぽー!」
衣「良かったな、同胞よ!」
久「よし!それじゃーみんな、入ってきていいわよー」
透華「えっ」
ころB「かいぜんばんり!」
ころC「こじみのねー!」
ころD「はいてーらおゆえ!」
ころE「かたはらだいげきつー!」
ウジャウジャウジャウジャ
透華「ちょちょちょちょ、ちょっとお待ちなさい!」
久「引き取ってくれるんでしょ?言質は取ったからねー」
透華「いや、あの、この子一匹だけではなくって!?」
久「100匹くらいいるけどよろしくねっ!失敬!」ドヒューン
透華「に、逃げんなー!」
なん……だと……
衣「おおおっ!我が同胞が大挙として!」
ころF「たるたるー!」
ころG「うぞーむぞー!」
ころH「こじみのねー!」
ころI「ちょーきてきじこじつげん!」
ウジャウジャウジャウジャ
衣「うむ!今日からみんな、衣の家族で友達だー!」
ころJ「ともだちだー!」
透華「め、目眩が…」
次の日
純「うおっ!何じゃこりゃ!?」
ウジャウジャウジャウジャ
智紀「部屋が衣だらけ」
透華「じ、実はかくかくしかじかでして…」
ころA「はいてーらおゆえ!」(挨拶)
一「はいてーらおゆえー」
一「…一体これ、全部で何匹いるのかな?」
透華「数えてみましたら、ちょうど100匹いましたわ…」
純「てことは、オリジナルの衣も合わせると101匹か」
それ以上は増えないのな
一「で、そのオリジナルの衣はどこにいるの?」
透華「えっ」ドキッ
純「…透華、お前まさか…」
透華「な、何ですの?」
純「衣とその他の衣と、見分けがつかないなんて言わないよな?」
透華「ななな、何を言ってますの!」
透華「衣は私たちの家族ですわよ!?見分けぐらいつくに決まってますわ!」
透華「…えーっと」キョロキョロ
透華「…これかしら?」ヒョイ
ころB「はいてーらおゆえ!」
透華「…間違えた」ポイッ
透華「そ、そうだ!ハギヨシならきっとわかりますわ!ハギヨシ!」
ハギヨシ「はっ、お任せください!」
ハギヨシ「オリジナルの衣様は…」キョロキョロ
ころC「こくてんきょーり!」
ころD「ねのかたすくに!」
ハギヨシ「…えーっと」
ハギヨシ「…こちらでございます」ヒョイ
ころE「はいてーらおゆえ!」
ハギヨシ「…間違えました」ポイッ
透華「…」
ポイッって軽いなあ
透華「ああもう!こうなったら皆で探しますわよ!」
純「おーい、衣ー?」キョロキョロ
一「衣ー、どこにいるのー?」キョロキョロ
ハギヨシ「衣様ー?」キョロキョロ
ころF「はいてーらおゆえ!」
ころG「はいてーらおゆえ!」
ころH「はいてーらおゆえ!」
衣「海底撈月」
ころI「はいてーらおゆえ!」
純「あっ、いた!今そこにいた!」
透華「えっ!?どこどこどこどこ!?」キョロキョロキョロキョロ
透華「…見失ってしまいましたわ」
ころJ「たるたる~…」
ころK「たるたる~…」
一「あれ?透華、この子たちお腹すいてるみたいだよ?」
透華「そのようですわね…歩!」
歩「はい!人数分のタルタルソースは用意できています!」
歩「衣様、どうぞお召し上がりください!」
ころL「たるたるー!」ガツガツ
ころM「たるたるー!」ガツガツ
ころN「たるたるー!」ガツガツ
透華「ああもう、慌てなくてもちゃんと皆の分ありますわよ」
透華「ほら、急いで食べるからソースをこぼしちゃってますわ」ゴシゴシ
一「ふふっ。透華、まるで皆のお母さんみたい」
智紀「大家族」
透華「こんなにいっぱい子供は要りませんわ…」
全ころ「「「こどもじゃない!ころもだー!」」」
純「だーっ!うるせーっ!一斉にしゃべんな!」
数日後
純「…衣のやつ、日に日に増えていくなぁ」
ころA-11「かいぜんばんり!」
ころC-56「こじみのねー!」
透華「…我が龍門渕グループの財力をもってしても、」
透華「これ以上全ての衣たちを養うのは、難しくなってきましたわ…」
歩「透華お嬢様!タルタルソースの在庫が底を尽きました!」
透華「あぁ、私は飼い主失格ですわ…一体どうすれば…」
一「もういっそ、全部風呂敷に包んで宇宙に送ろうか?」
純「…国広君、栗まんじゅうじゃないんだからさ…」
ハギヨシ「透華お嬢様、只今藤田様から電話にて言伝を預かりました」
ハギヨシ「藤田様が、増え過ぎた衣様を全て買い取っていただけるとのことです」
一「あっ、それいいね。ぜひ買い取ってもらおうよ」
純「さっすがプロ雀士は金持ってんのなー」
透華「…いやですわ!」
一「…透華?」
透華「忘れまして!?衣は、私たちの大切な家族ですわよ!?」
透華「それを、金で売り飛ばすなんて…私にはとても…!」ウルウル
ころB-79「とーか…」
ころC-02「とーか…」
一「透華、気持ちはわかるよ。ボクだって同じ気持ちだから」
純(…ホントかよ)
一「でも、このまま衣たちがここにいても、」
一「きっと衣たちを不幸にさせちゃうだけだと思うんだ」
透華「で、でも、衣は、私たちの…」グスン
一「…大丈夫。藤田プロなら、きっと私たちより衣を大切にしてくれるよ」
一「だからさ、もう泣かないでよ透華」
一「衣たちとは、笑顔でお別れしよう?」
ころC-29「とーか!」
ころA-51「とーか!」
透華「…ええ、そうですわね…」
透華「A-04、元気でね」ナデナデ
ころA-04「とーか!」
一「♪あ~る~晴れた~昼下がり~♪」
一「♪市場~へ続~く道~♪」
透華「A-37、風邪ひかないようにね」ナデナデ
ころA-37「とーか!」
一「♪荷馬車が~ゴト~ゴト~♪」
一「♪衣~を乗せ~てゆく~♪」
一「♪可愛い~衣~売られてゆ~く~よ~♪」
透華「B-91、みんなと仲良くね」ナデナデ
ころB-91「とーか!」
一「♪悲~しそう~な瞳~で~♪」
一「♪見~て~い~る~よ~♪」
一「♪ドナドナド~ナ~ド~ナ~♪」
一「♪衣を乗~せ~て~♪」
透華「C-48、今までありがとう」ナデナデ
ころC-48「とーか!」
一「♪ドナドナド~ナ~ド~ナ~♪」
一「♪荷馬車がゆ~れ~る~♪」
透華「ごめんね、ごめんねみんな…」
ハギヨシ「…お別れはお済みですか?」
透華「ええ…もう結構ですわ」
ハギヨシ「…わかりました。それでは衣様、参りましょうか」
ころA-04「とーかー!」
ころA-37「とーかー!」
ころB-29「とーかー!」
衣「とーかー!」
ころC-48「とーかー!」
透華「だめですわみんな!こっちを振り返ってはだめ!」
透華「…みんな…さようなら…ううっ…」グスン
次の日
純「なんだか…部屋が広く感じちまうな」
一「昨日まで、ここに衣が300匹はいたからね…」
智紀「静か」
純「あぁ、もうあいつらの騒がしい声も聞けないんだな…」
一「…でもさ、元々ウチには衣は一人しかいなかったんだからさ」
純「そうだよな…元に戻っただけだよな」
透華「そうですわね…我々5人、元の麻雀部に戻っただけですわ」
純「そうだよな!俺たちには、元の衣がいてくれるだけで…あれ?衣は?」
透華「あら、衣ならここに」ヒョイ
ころA-00「はいてーらおゆえ!」
純「…」
一「…」
透華「…間違えてた」
めでたしめでたし
終わりです
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