事の発端は孫♂の高校入学を祝して、新宿の風呂屋に行った日の夜だった。
爺「良かったか、孫?」
孫「まあまあだったな、爺」
爺「生意気な奴だ。腹減ったな、晩飯、何食いたい?」
孫「寿司だ」
爺「遠慮ない孫だ。だが祝いだから食わせてやる。行くぞ」
そんなやり取りをしてる内に寿司屋に到着し、何やかんやで暖簾を潜り抜ける…
その瞬間、2人は光に包まれた
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孫「おい爺、起きろ」
爺「うぅ‥ここは?」
気づいたらそこは広い平原だった
孫「ここは‥羽田だな」
爺「羽田?いや成田じゃないか」
飛行機童貞の爺と孫が有り得ない意見を交わしていると別の声が聞こえてきた
「羽田でも成田でも有りません」
爺・孫「あん?」
2人の目前に漫画でも居そうな人型の500mlペットボトルサイズの人形が居た
孫「なんだコイツ?」
女神「わたしは女神です」
爺「それより成田にしろ、羽田にしろスッチーは何処に居るんだ?」
孫「飛行機ん中だろ」
2人は女神を無視して話を続ける
女神「あの、私の話しを聞いてますか?」
爺「その飛行機が何処にも無いじゃないか」
孫「俺が知るかよ。整備中なんだろ?」
爺「整備中にしても、人を1人も居かんとは職務怠慢だ!」
女神「整備でも職務怠慢でも有りませんっ!話しを聞いて下さい!」
爺「何なんだコイツは五月蝿いの…」
孫「あ…わかった!わかった!」
女神「やっと、理解してくれましたか」
胸を撫で下ろす女神
孫「コイツ最近流行りの緩キャラとか言う奴だよ。」
女神「…」
爺「言われてみりゃ見たこと有るわな」
孫「だろ?」
女神(有るわけないでしょ)
孫「おい、緩キャラ」
女神「はい」
今すぐ理解をしてもらう事を諦めて返事をする女神
孫「空港の出口がわかんないんだけど方向どっちよ?」
「あっちです」女神が指を指す
爺「あっちか、さっさと帰るか。」
孫「じゃあな緩キャラ」
女神(自分で召喚しといて何ですが、本当に勇者なんでしょうか……不安です)
女神「私が出口まで案内します。」
孫「随分親切だな」
女神「私の使命ですから」
爺「空港案内の仕事を押し付けられるとはな」
孫「緩キャラも楽じゃねぇな」
女神(出口には案内します。但し、【空港】の出口ではないですけどね。フフフッ)
出口に向かって歩き始めてから数時間後
孫「結構かかるな」
爺「出発場所から建物なんも見えんかったからな」
孫「流石は空港ってところか」
女神(何時まで空港だと思ってんのよ!いい加減に気付きなさいよ!)
キャー タスケテー
孫「ん?」
エルフ女騎士「や、やめて…だれか‥誰か助けて!」
オーク「バカメ!コンナバショニタスケナドクルモノカ!」
爺「何だぁ?ありゃ」
孫「特撮ショーだろ。しかし近頃の特撮は随分と女優にエロい格好させるのな」
女神「違いますっ!特撮でもなければ女優でも有りませんっ!」
孫「は?じゃあ、何なんだよ?」
女神「エルフの女騎士がオークに襲われてるんです!」
爺「??」
エルフ女騎士「あれは…女神様!」
オーク「ナニッ!メガミダトッ!?」
女神「邪悪なる者よ!悪行はそれまでです!!」
女神「この選ばれし勇者2人が、あなたに神罰を与えるでしょう。」
オーク「ウグググ」
爺(おいおい、こりゃ何だ。)ヒソヒソ
孫(…こりゃ飛び入り参加型のショーだな)ヒソヒソ
爺(何だ、それは?)
孫(ショーを閲覧してる客をアドリブ形式でショーに参加させるんだよ)ヒソヒソ
爺(成る程、ワシ等がヒーローやれば良いんだな?)ヒソヒソ
孫(違う、俺らはあの痴女優を助けようとした結果、化物にやられる噛ませの通行人A・Bだ)ヒソヒソ
爺「な、何だって!?」
女神「あの…まだ時間かかりますか」
孫「おい、緩キャラよ。参加しても良いが賃金は出るんだろうな?」
女神(え?参加?賃金?)
孫「おい!どうなんだよ」
女神「は、はい?」
爺「賃金貰えるんか…多少は風呂代の足しになるな」
孫「だな」
女神「え?え?」
孫「おい!緩キャラ。俺ら、参加するから宜しくな」
女神「あ、ありがとうございます」
孫「おいそこのばけもの(棒)」
爺「そのじょせいからはなれるんじゃ(棒)」
女神「何ふざけてるんですか!?」
孫(何って、このカンヌクラスの演技がわかんないのか?嫌だね~ポンコツは)ボソボソ
女神 (ポンコツじゃ有りませんっ!…ハッ!そうか、これは、敵を油断させる為の行為、傷付いた、エルフの女騎士が敵の間近に居る。それなのに、私は…)
爺(何だ?急に頭を抱え始めたぞ)ボソボソ
孫(故障したんだろ、やっぱポンコツだな)ボソボソ
オーク「スキアリ!」
突如オークが巨大な棍棒で、爺の頭を強打した。
孫「おい、あんた、力加減を…」
今度は、特撮ショーと思い込み、オークにクレームを言いに行った、孫が隙を付かれ、頭を強打された。
二人を倒し、舌なめずりをしながら、女神とエルフの女騎士の下へ、オークは、近づいていく。
エルフ「いや…こないで…いやらしい事しないで!」
女神「エルフよ、諦めてはなりません」(このエルフは、そればっかかよ…それより、人選は間違って無いはず…起きろ!起きろ!起きろ!)
オーク「グヒヒ」
その時、二人に近よる、オークの後ろから、声が聞こえた。
「おい」
オーク「?」
オークは、その声に反応して、後ろを振り向いた。
孫「この三流役者が、覚悟出来てんだろうな」
その瞬間、オークの顔面を、孫の鉄拳が貫いた
女神(あ~ん!逆転演出きましたわ)
孫は、凄まじい鉄拳で、オークを吹き飛ばした。倒れ込む、オークへと近寄り、頭を鷲掴みにして、言葉を投げかける。
孫「覚悟は出来てんだろうな?こんなもんじゃすまねぇぞ」
「おい!爺、さっさと起きろ」
爺「ああ、いたた…クソッタレが、年寄りに何て事をしくさるんじゃ…ナメたガキめ」
エルフ「!」
オークに強打された老人が、普通に起き上がる光景に、エルフは絶句していた。
孫「舐めた、三流役者に礼儀を教えてやろうぜ」ヘヘヘ
爺「そうじゃな、人生の先輩として、教育指導してやるとしようかの」フヒヒ
オークへの壮絶なリンチが始まった
サッカーボールキック、金的、顔面踏みつけ…孫と爺による『指導』は続く
エルフ「おぇ」
女神(うわぁ…)
オーク「ヤメ…」ゴフッ
孫「特撮ショーだか知らねーが、あんなん固いもんで殴りやがって!」オラッ
爺「旧日本軍人ナメんじゃねぇぞ」オラ
そして、凄惨な『指導』が終わりを迎えた
オーク「ウゥゥ…」ヒンシ
息も絶え絶えな、オークに向かって、孫が恐ろしい言葉を放った。
孫「そろそろスーツ剥ごうぜ」
エルフの女騎士「?」
女神「!!!!」
爺「そうだな、バカたれの素顔を拝まんとな」
女神「ななな、何を考えてるんですか!」
孫「何って、この糞役者の素顔を拝むんだろ」
そう、孫と爺は、オークを役者と思っているのだ
孫「何だ?ファスナーがねぇな?仕方ねぇ」
メリメリ!グチャ!!
孫は、力任せに、オークの背中を引き裂いた
オーク「ンアッ!!!!……」チーン
その瞬間、オークは声にならない声を上げて、絶命した。
エルフの女騎士「おぇぇぇぇ!!」
「汚ねっ!なんだ~こりゃ」
飛び散る紫色の大量の血液と、エルフの女騎士の吐捨物
女神(私も吐きそ)
孫「コイツ…人間じゃねぇ」
オークの死骸を見つめ、孫が言い放った
女神「やっと気付きましたか、そうです、これは…」
孫「こいつ、コレ(女神を指差しながら)と同じ、ロボットだったのかよ!」
女神「………」
爺「本当に最近の技術は進んどるわ」
爺が興味津々に、オークの死骸を観察してる最中に、孫は、あるものを見つめた。
孫(『あれ』と共演してたって事は、アイツも)ジーッ
エルフの女騎士「ひっ……」
孫は、エルフの女騎士に黙々と近寄った
エルフの女騎士「やめて!それ以上、近寄らないで!」
孫「あ?何で近寄っちゃいけないんだよ?」
女神(また、始まったよ…)
孫は、お構い無しに近寄り、エルフの女騎士の前まで行くと、そう答えた。すると、エルフの女騎士は…
エルフの女騎士「汚らわしい人間め!私にいやらしい事をするつもりでしょ!?いいわ!やりなさい、でも、私は屈しないわよ!」
女神(もう病気だな)
パチーーン
その瞬間、乾いた破裂音が辺りに響いた
女神(!)
エルフの女騎士(!?)
爺「うん?」
孫「この野郎!てめえ何様だ!!」
孫がエルフの女騎士をビンタしたのだ
エルフの女騎士「な、なに…」
エルフの女騎士の言葉を遮って、孫が怒鳴る
孫「てめぇ!ロボットの癖に、ふざけんた事ぬかすなよ!」
女神(こっちも、イッテんだった)
爺「どうした?」
孫「ああ、この糞ロボがな、よりによって俺の事を性犯罪者に仕立て上げようとしやがったんだよ!」
エルフの女騎士「えっ?え?」
孫「いいか!よく聞けポンコツ二号!人間様はな、てめぇみたいなポンコツに欲情なんかしねぇんだよ」
女神(一号は私か)
女神(はぁ、この二人、強さだけは、申し分ないけど、頭が…自分で選んで言うのもなんだけど、大丈夫かしら)
何故、現代日本人の二人が選ばれたのか?
何故、尋常な戦闘力を持っているのか?
何故、馬鹿なのか?についての謎が、今、明かされる
孫が幼い頃の出来事であった。
あるテレビの討論番組での事である。
番組中で、1人の論者が近い将来、某国の陰謀が切欠で、世界で核戦争が起こり、宇宙人・果てはミュータントが群がる世界が来ると『断言』したのである。
番組を視聴していた幼い孫は、その発言に激しい衝撃を受けた。
これは不味い。武器の少ない日本では生き残れない、どうすれば生き残れる?
幼い孫は考えた…そして、閃いた。
『己の肉体を武器にするしかない』
家族に相談したが、誰も相手にしなかった。只一人を除いて…
爺である。
戦争で某国に良い感情を持っていない爺だけは食い付いた。
爺「某国の陰謀…間違いないな」
その日から、二人の常軌を逸脱した、地獄の特訓が始まった
そして…時は流れ、孫と爺は、特訓の成果で化物並みの身体能力を得る事になった。
ミュータントと戦う為に鍛えていた筈が、自身がミュータントに変貌してしまったのだ。
そして、現在、孫は、予想する未来の日本ではなく、拉致された異世界で戦う羽目になった。
まさに悲しきミュータント
エルフの女騎士「うぅ、女神様ぁ…わたし、汚されて…」
女神「汚されてません。あの二人は、あなたに興味を持ってません。安心しなさい」サメタメー
エルフの女騎士「そんなっ」
女神「それに、あの二人は、私が選んだ勇者です。無礼な態度は控えなさい」サメタメー
エルフの女騎士「えっ!あの人間たちがですか!?」
女神「ええ、そうです。」
孫「おい!ポンコツ!そろそろ行くぞ」
女神「はいはい、わかりました。いきましょうね」
女神は気だるそうに返事をした
女神の自分をポンコツと呼ぶ事、孫たちが何時までも状況を理解しない事に、そんな現状に、彼女は疲れきっていた。
エルフの女騎士「め、女神様。わ、私は、どうしたら」オロオロ
女神「はい?」
女神(あーそう言えば、いたんだ。幾ら役立たずの牝豚でも、女神的に置いてく訳にはいかないわね…ったく、どいつもこいつも)
女神「はぁ……あのぉ、ちょっと、いいですか?」
女神は、とりあえず融通の利きそうな、爺に声をかけた。
爺「うん?なんか用か」
女神「はい。こちらの、エルフの女性騎士を、我々の旅に同行させたいんですが」
爺「旅って大袈裟じゃな。しかし、棋士か…将棋指せる機能搭載とは凄いのぉ、ええじゃないか!気に入った!機械の一体や二体位、構わん構わん」
エルフの女騎士「??」
女神「ありがとうございます」(こういう時は阿呆で助かるわね)
孫「待てよ、何勝手に決めてやがる」
女神(うっせーのがきたな)チッ
爺「実はな」カクカクシカジカ
孫「えるふ?女流棋士機能?……道具ねぇから意味ねぇだろ」
爺「…そういやそうだな」
女神に絶望走る
エルフの女騎士「あの~女神様」
女神様「少し黙ってなさい!」
エルフの女騎士「ひっ」
女神様(この牝豚を連れて行きたくなる理由を考えるのよ!1つ位は必ずある…わよね)
女神(……!)ハッ
その時、女神に電流走る
(そうだ。こいつらは、私たちを『ロボット』と思い込んでいる。その思い込みを利用すれば…)
女神「孫さん、この牝豚型ロボットを出口に連れ出せば、このロボットを、孫さんに差し上げますよ?」
エルフ「牝豚型??ロボット??」
孫「こんなポンコツいらねーよ」
女神の申し出をアッサリと断る。然し、女神は、孫の反応に全く動じなかった。
女神「ふふっ、良いんですか?この牝豚、中身は兎も角、外見や人間味など、実は超高額ロボットなんですよ!」
孫「超…高額…だと」
女神(食い付いた!)
女神「そうです。売れば、軽く十億は超えるでしょう」
爺「マジか!」
女神(こっちもきましたわね)
孫「十億…」ゴクリ
女神「そうです。連れて行くだけ、たった、それだけで億万長者です」
爺「おお!」
孫「わかった!連れて行く!」
爺「億万長者じゃ」
エルフの女騎士「あの、私は、結局どうなるのですか?」
女神「安心なさい。私たちの旅に同行する事が許されました」メガミスマイル
エルフの女騎士「め、女神様ぁ!」アガメェ
女神(ふふふ、全てが終わった後、彼らは日本に帰る。そして、約束は有耶無耶…牝豚も無事で、円満解決よ!)
「おめー将棋打つ以外の機能なんかねーの?」
孫は、エルフに問いかけるが、聞いた事の無い単語に、エルフは、首を傾げる。
エルフの牝豚「しょうぎ?きのう?何の事だ?」
爺「将棋専門みたいじゃの」
孫「痴女みてぇなナリして、地味な野郎だな」
エルフの牝豚「ちっ、痴女だと!無礼な!」
顔を真っ赤に染め、孫に、そう言い放つ
孫「なんだよ」ギロッ
エルフの牝豚「ひっ」
女神(余り口答えしてはなりません。ややこしくなります)ボソボソ
エルフの牝豚(は、はい)
女神「とりあえず、自己紹介をしたらどうですか?」
エルフの牝豚「わかりました…よく聞け!私は、偉大なるエルフの王国の姫であり、王国の騎士団長も務める、光り輝く姫騎士である!断じて痴女などではない!!」
女神(やっぱり、イッテるわね)
孫「コーラだろ」
爺「いやいや日本人ならカルピスじゃろ」
二人は牝豚の自己紹介など聞かず、先を歩き雑談していた。
エルフの牝豚「………」
女神「気にしてはなりませんよ。一応、私は聞いてましたからね」
エルフの牝豚「…はい」
異世界に飛ばされて二日目
孫「腹減ったな。。それにしても……空港広すぎだろ、出口まだかよ」
女神「孫さんは、飛行機童貞だから知らないでしょうけど、空港って、そういう場所ですから」ナゲヤリ
エルフの牝豚(※童貞!?ゆ、勇者は童貞なの)///
※孫は風呂屋で…
爺「流石は空の玄関口と言う事かのぉ」
力無く会話をする一同の前に、一匹のモンスターが立ちふさがった
女神「こ、このモンスターは!!」
エルフの牝豚「グ…グレイトドラゴン!!」
グレイトドラゴン
金色の鱗を持ち、龍の中の王と呼ばれる存在
大きさは、小さいもので象サイズ、最大で高層ビル程まで成長する
孫「おぉ…象並みか?でけぇ」
爺「うーん……」
孫は、物珍しい生き物に魅入って、爺は、その生き物を見つめて、何かを考えている。
女神「落ち着いてる場合ですか!早く逃げましょう!」
爺「なぁ」
女神「なんですか!!」
爺「こいつくえんじゃねーか」
女神「」
エルフの牝豚「」
孫「爺、冴えてんな!良いじゃねぇか!ナイスアイデア!!」
孫と爺は、食材の確保に取りかかった
女神「な、何を言ってるんですか!相手は…」
孫「はいはい、デカくても、所詮トカゲだろ?余裕余裕」
女神「トカゲって…」
爺「うひひ、久しぶりのメシメシ」
孫「ニクーニクーニクー」
トカゲ「ギャオ」ビクッ
二匹の餓えた鬼畜が、一匹のトカゲに襲いかかった
二人は目にも止まらぬ素早い動きで、巨大なトカゲを翻弄し、徐々に弱らせ、瀕死に追い詰めた。
トカゲ「アウン…ガアッン…」ピクンピクン
エルフの牝豚「凄いわ!勇者」
女神(マジかよ…)
「爺、俺がこっちの羽根を持つから、そっちの羽根持ってくれ」
孫が、そう指示をだすと、爺は、任せろ!声高に返事をすると、トカゲの逆の羽根を掴んだ。
『せーの』
ビリィィィィ!
二人は同時にトカゲの羽根を引き裂いた
トカゲ「グァァァン」ドピュッ ビクンビクン
トカゲは、両翼を強引にもがれ、見るも無惨な状態になり、絶命した
エルフの牝豚「おぇぇぇぇぇ」
女神(コイツは、またかよ!今度は、ちかいし…くっさ!うぷっ)
一行はトカゲ(ドラゴン)を女神の魔法で焼き、食した。
食事中、エルフが食事をとる姿を孫と爺は興味深く見つめていた。本来、驚く事ではないのだが、機械と思いこんでる孫と爺は食事が燃料補給方法なのかと感心していた。
ドラゴンを食して数日、一行はエルフの国へ向かう事になった
孫「しっかし飯を狩りで飯確保するとは、空港は変わってるな」
爺「経費削減策なんじゃろ。食材がクラゲ(スライム)ばかりなのが証拠じゃ」
エルフの牝豚「何だか知らないけど、多分そうよ」
慣れてきたエルフも適当に合わせた
孫「お前の工場にはまだ着かないのか?」
エルフの牝豚「もう直ぐよ」
そんな会話をしてから数時間後…
一行は、エルフの王国へたどり着いた。
エルフの牝豚「こ…これは!」
一行が見たものは…
破壊され、蹂躙された王国だった
エルフの牝豚「ひ…酷い」
爺「想像してた工場と違うの」
孫「どいつもこいつもマッパだな…生産途中?それに…お前と一緒にいたポンコツもいるぞ、アイツが管理してんのか?」
一般エルフ♀「壊れちゃう……らめぇぇ」
そう、王国はオークの軍団に侵略されていたのだ。
女神「違います!オー…故障した無価値なポンコツの群れに、大変貴重な工場と機械が襲われてるんです!」
真実の説明は無駄と即座に判断した女神は、無価値、貴重などのキーワードを使い煽った
爺「なんじゃと!」
孫「あの腐れポンコツ!」
エルフの「城へ急いで勇者!彼処には父と母が!」
爺「あそこじゃな」
孫「急ぐぞ」
城へ急ぐ彼等の前にオークの群れが立ちふさがった
然し、立ちふさがるオークの群れは、急ぐ二人のアイアンクローで頭を潰され呆気なく死んだ
そして、一行は王のいる広間に到着した彼等が見たものは…
エルフの牝豚「お父様…お母様…」
お母様と呼ばれた女王と思わしき見目麗しい女性は椅子に縛られていた。
エルフの姫「大丈夫ですか!お母様!直ぐに縄を解きます」
エルフの女王「私は大丈夫です。それよりも、王が…」
エルフの姫「くっ!…酷い!お父様から離れろ!醜いオークめ!」
眼前で、上島似の王と思われる、小太りの中年男が、普通のオークよりも一回り大きな巨躯のオークに体中を弄ばれていた。
王「ああぁん、溶けちゃう、溶けちゃうぅ!わしの大事なry」///
オークの王ゲドー「溶けろ、溶けろ…ry」
女神「…おぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」ビチャビチャビチャ
予想外の地獄絵図にに、流石の女神も吐いた
爺「キモい機械じゃのぉ」
孫「かなりヤバい故障なんだろ、とっと壊そうぜ」
二人はゲドーと変態に近づいた
ゲドー「なんだぁ?貴様等は」
ゲドー「人間如きが何の用だ?まさか俺様と戦うつもりかぁ?」ニタニタ
孫と爺は淡々とリンチを開始した
ゲドー「や、やめ…」
王「あっ…」
そして、リンチ開始から暫く、孫と爺は倒れ込んだゲドーの『あるもの』を見つける
孫「おい!こいつロボットの癖に、ち○ぽ付いてやがるwwwwww」
爺「本当じゃ!しかもデケェ!!」
ゲドーの巨大な一物に爆笑する二人
孫「…コレ引っこ抜いてみようぜ」
女神・女王・姫・ゲドー「!!!」
孫「面白そうじゃな」
ゲドー「やめて…こないで」
オラァッ!!
孫が力一杯にゲドーの一物を引きちぎった
ゲドー「ヒグゥ!!」ドピュピュピュピュ
オークの王は絶頂と同時に絶命し、それと同時に女神・エルフの女王・姫が吐いていた。
広間が王の愛液とオーク独特の獣の匂い、それと大量のゲボの匂いで包まれた…
エルフの姫「……はっ!そういえば、お父様は!」
王「死」シーン
エルフの姫「かん……お父様ぁぁぁぁぁぁぁぁ」
孫(イカれポンコツ一体壊した位でピーピーうるせぇな)
エルフの姫「お父様を何故殺した!勇者の癖に…」ウッウッ
エルフの女王(勇者?)
爺「あのキモいロボットは廃棄して正解もじゃろ。百害あって一利なしじゃ」
孫「なんか文句あんのか」
エルフの姫「うっ……」
エルフの女王「姫よ、勇者様を責めてはなりません」
エルフの姫「お母様…」
エルフの女王「あの変た…王の死は運命だったのですから」
エルフの姫「運命?」
エルフの女王「そう、王は国を救うため…あえてその身を恥辱に晒し、ゲドーの動きを封じ、命を賭して勇者様を勝利に導いたのです」
エルフの姫「!!」
女神(こえー女。本当に色々、危ない国だな。でも、話に乗っかっとくか)
女神「そうです、エルフの姫よ。王は勇者に殺されたのではありません。共に戦った英雄なのです。ですから勇者を恨むのは筋違いですよ」
エルフの姫「はい…」
腹黒い女神と女王に上手く丸め込まれ、エルフの姫は恨みの感情を捨て去った
エルフの姫「勇者、先程はすまなかった。どうやら私の逆恨みだったようだ。許してくれ」
孫「わかりゃいいんだよ」(あん時は完全にぶっ壊れたと思ったが平気みたいだな)
女王から魔王城(空港の出口)への近道を聞いて一行は魔王城へと旅立った
魔王城内
魔王「女神め、来るなら来てみろ!妾が呼んだ魔人が相手じゃ!」
?「魔王!ご飯まだー?早くしてよ」
魔王「直ぐ用意するから、ちょっと待って欲しいのじゃ」
一行は遂に魔王城へ到着した
孫「空港の癖に辛気くせぇ出口だな」
爺「利用したくない空港じゃな」
女神(結局、最後まで理解されなかったわね)
エルフの姫「ここが敵の本拠地なんですね。気を引き締め……勇者?女神様?」
勇者たちは先を歩いていた
孫「何ブツブツ言ってんだ!早く来い!馬鹿やろう」
エルフの姫「……はい」
一行は城内へ足を踏み入れた
声が響いてきた
魔王「わははは!良く来たのぉ!女神に勇者よ。」
女神「その声は!魔王」
魔王「久しぶりじゃの女神よ」
爺「なんじゃ?場内アナウンスか」
孫「みてぇだな…どうでもよさそうだ先行くぞ」
魔王「妾も貴様同様に異世界から……あれ?……誰も居ない」
孫と爺は城内に流れる魔王の声を、ポンコツアナウンスと判断し、無視して先に進んでいた。
魔王「無視しおって……グスッ」
孫と爺は、出て来る凶悪な魔物を凄惨に蹴散らしていった。その内に魔物は怯えだし、隠れ一匹も現れず、一行は簡単に魔王が待つ広間へたどり着く事ができた。
魔王「待っていたぞ!勇者に女神!」(は、早くないか?)
孫「なんだぁ?このガキゃあ」
魔王「ひっ」ビクッ
女神(私たちが悪人みたいね)
孫に睨まれ、萎縮する魔王が勇気を振り絞って言葉を発した
魔王「か、勘違いするでない、相手をするのは妾ではなく、妾が異世界から呼んだ魔人じゃ」
女神「異世界からの魔人?まさか!」
魔王「そうじゃ!…頼みます先生」
?「はいはい、こいつら倒せば良いんでしょ?」
孫「ん?この声は」
爺「まさか…」
?「えっ?えっー」
孫「てめー、こんな所で何やってやがる…妹」
孫♀「お兄ちゃん」
爺「おぉ孫♀!」
女神・魔王・エルフの姫「ええっ!!」
運命の悪戯か、異世界で敵味方に分かれ家族が出会ってしまった。
爺「オヤジやお袋はどうした?まさか孫♀1人なのか?」
爺が矢継ぎ早に質問する
孫♀「そうだけど」
孫「なにぃ?てめぇ、まさか家の金使って1人で飛行機旅行洒落こもうとしたのか?」ブチギレ
孫♀「え?え?なんの事」ビクビク
女神(あ~、あの子は普通みたいね。現状把握してるわ)
孫「とぼけんなよ。旅行以外で空港にいる理由なんかねぇだろ」
孫♀「空港ぉ?何の事よ!?」
爺「なぁ孫♀、怒らんから正直に言ってくれ。何で空港に居るんじゃ?」
孫♀「お祖父ちゃんまで訳わからない事…」
魔王「何をさっきから訳わからん事を言っとるんじゃ!!」
意味不明の流れに魔王が吠えた
孫「すっこんでろ!ポンコツ!!」
魔王「は、はひ…怒鳴らないで欲しいのじゃ」
女神(学習しない馬鹿ね)
孫♀「空港空港って、お祖父ちゃんもお兄ちゃんも何言ってるの!」
孫「あ!何もかにも、ここは成田だろうが!!」
爺「羽田の可能性もあるんじゃないか?」
孫♀「!!何言ってるのよ……お兄ちゃん、お祖父ちゃん、よく聞いて…ここは成田でも羽田でもないのよ」
女神(妹さんの言葉なら理解してくれるかしら…)
孫♀「ここはね………アクアラインなのよっっ!!!」
孫・爺「なっ……何だってぇぇ!!」
女神(ですよねー)
孫♀から告げられた唐突な真実(間違った)は、空港と信じてた孫と爺の心に深く突き刺さった
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