照「咲のためにイタリアンレストランを予約した」和「楽しみですね」(79)

清澄の宿舎


チュンチュン

咲「……」パチッ

咲「……」ムクリ

咲「目覚ましの時間より1時間も早く起きちゃた」ゴソゴソ

咲「ふ~わ~」

優希「ぐーぐー」。。ooO

咲「あれ?和ちゃんは?」キョロキョロ

咲「そっか。阿知賀の人達と遊びに行くって言ってたっけ」

優希「ぐーごー」。。ooO

咲「いつもは和ちゃんに頼むけど…、優希ちゃんしか居ないし。優希ちゃん起きて」ユサユサ

優希「あとごふん…むにゃむにゃ」

咲「朝だよー、もう起きる時間だよ」

優希「目覚まし鳴った記憶ないじぇ」ゴシゴシ

咲「私が止めたよ。どうしても優希ちゃんに頼みたい事があって」

優希「zzZZZ…」クーカー

咲「起きて!」パチン

優希「ぎゃあ!なにするんだじぇ」

咲「和ちゃんが居ないからね。ここには優希ちゃんしか居ないの」

優希「犬か部長にでも頼んでくれよー」

咲「今、優希ちゃんの助けが必要なの。私、顔を洗いたい」

優希「勝手に洗えばいいじぇ」

咲「洗面台に届かないよ」

優希「……」

咲「あとそれとおトイレしたい」

優希「……」

咲「朝のお風呂も入りたいなー」

優希「わかったわかったじぇ。私がおんぶしたらいいんだろ?」

咲「うん、いつもごめんね。助かるよー」ニコニコ

優希「よっこいしょっと、ぐぬぬ…お、お重っっ」

咲「平均体重くらいだと思うよ?京ちゃんは軽いって言ってたし」

優希「私は本来咲ちゃんより小さいんだじぇ」ゼェゼェ

浴場

カポーン

久「ホァー、安い宿舎の割にはお風呂は広いわねぇ~」

美穂子「そうですね~」



脱衣所

優希「咲ちゃん、足広げてくれないとパジャマ脱がせにくいじぇ」

咲「私の足が動かない事知っててそんな事言うの!!!!!!!」バシッ

優希「あいたー!……あっ部長の服があるじぇ」

優希(部長に手伝って貰うじぇ。だいたいこんなの部長の仕事だと思うじぇ)



優希「ぶちょーーーー!!!!ぶーーーちょーーーー!大至急こっち来るじぇ」

久「!?」ビクッ

久「あ、あら…優希に咲。奇遇ね」

優希(携帯にかけたら無視したくせによく言うじぇ)

久「和は居ないのかしら?いつも咲にぴったりくっ付いてるはずだけど」

咲「私より阿知賀の人達の方が大事なんですって」

優希「昼には戻るって言ってたじょ」

久「……お昼ね」



咲「部長。私、お風呂に入りたいんですが良かったら……」

久「わかってるわよ。手伝うわね」

美穂子「あのぉ…、私は…」

久「悪いけど咲の着替え持って来てくれないかしら?優希達の部屋にあるから」

美穂子「わかりました」フキフキ

30分以上に及ぶ入浴が終わり


久(お風呂上りなのに汗かいちゃった)

優希(部屋まで当然部長が咲ちゃんをおんぶするよな?)

美穂子「宮永さん、お股失礼するわね」フキフキ

咲「あぅ///恥ずかしいですよ///」

美穂子「でも拭いとかないと」フキフキ

久「じゃあ須賀君呼ぶわね」

咲「お風呂上りを見られるのはちょっと恥ずかしいので///」

久「……」

久「あのー美穂子さ…。出来れば咲をおんぶして部屋まで連れてって欲しいんだけど」

美穂子「わかりました」

優希「けっ」

お昼が過ぎて

和「すいません、みなさん!少し長引いてしまって」タッタッタ

久「のどか!」

優希「ほっ……」

まこ(良かったー、これで和に任せられるわい)

咲「京ちゃん、ご苦労様」

京太郎「しっかし車椅子っい重いな。何キロあるんだ?」キュルキュル

咲「140キロだったかな?確かそんなくらい」

京太郎「車椅子が100キロだとして咲が40キ……」



メリッ

車椅子で京太郎の足を踏む咲

京太郎「ほぎゃああああああああ!!!!!!!!」

咲「デレカシーないよ京ちゃん!」プンプン

お昼が過ぎて

和「すいません、みなさん!少し長引いてしまって」タッタッタ

久「のどか!」

優希「ほっ……」

まこ(良かったー、これで和に任せられるわい)

咲「京ちゃん、ご苦労様」

京太郎「しっかし車椅子って重いな。何キロあるんだ?」キュルキュル

咲「140キロだったかな?確かそんなくらい」

京太郎「車椅子が100キロだとして咲が40キ……」



メリッ

車椅子で京太郎の足を踏む咲

京太郎「ほぎゃああああああああ!!!!!!!!」ピョンピョン

咲「デレカシーないよ京ちゃん!」プンプン

和「咲さんすいません。帰る途中にお義姉さんに呼び出されまして」

咲「ふん、そんな嘘とか。私みたいな障がい者と一緒に居るのが嫌なんでしょ?阿知賀の人達と遊んでる方が楽しかった?」

和「そんな事ありませんよ。阿知賀の友人も大切な友人ですが咲さんとは比べられません」

咲「ふーん」ジロッ

咲「どうせ和ちゃんも私の事嫌々……」

和「そんな事思った事ないですよ?」ニコッ

咲「……」

和「私が咲さんのお手伝いしたいからしてるだけです。迷惑なら言って下さい」

咲「…いつもありがとう」ボソッ

和「ところで咲さん。お義姉さんと私と咲さんで食事に行きませんか?」

久(あっ助かる。咲が居ると食べ歩きとか出来ないのよね)

咲「私が入れるお店とかあるの?」

和「大丈夫ですよ、ここは東京です。日本の最先端の都市です。バリアフリーなんてしてて当たり前ですよ」

咲「へぇー」

和「宮永照の名前で予約しておきましたからね。当然咲さんの事は周知のはず」

久(まぁ咲もそれなりに有名人になったしね)

まこ(車椅子で闘う女子高生雀士ってドキュメンタリーも放送されたのぉ)

和「だから絶対大丈夫です!すごく美味しいって評判らしいですよ」

咲「何料理?」

和「イタリアンです」

咲「……食べてみたいかも」

咲「でも東京の電車って乗れるの?人が多くて車椅子の人は電車乗れないような」

和「ふっふふ…ご心配なく。車で移動します」

豊音「宮永さん、こんにちわー」

咲「姉帯さん!?」

和「お義姉さんのツイッターと、私のアメブロでお手伝いしてくれる人を募集しました」

豊音「田舎でばっちゃ達の介護してたからどーんと来いだよー」

咲「助かります」ペコリ

蒲原「ワハハー私が運転するぞー」

衣「衣は銀座にある最高級エビフライを食べるのだー」

そして照と合流し銀座近辺へ


蒲原「うひゃーーー!?このパーキング料金笑えないなぁ」

豊音「どれどれ…、ちょーボッタクリだよ!?」

衣「カードしか持ってないが使えるか?」



和「私が咲さんの車椅子を押します」

照「いやいや、そこは姉である私が」

咲(どっちでもいいよ)

咲(もし足が動いたら一人で知らない街を歩いてみたい)

衣「智美に豊音よ。エビフライのお店はこっちだ」

蒲原「ワハハ、そうか」

豊音「もう大丈夫?何か手伝う事とか」

和「いえ、ここまでありがとうございました」

照「また帰りにでも宜しくお願いします」ペコリ

豊音「お安い御用だよー。じゃあまたご飯食べ終わった後にでも」

咲「はい」



照「そーいえば原村。この店は何で知ったんだ?」キュルキュル

和「食べログですよ。評判が良かったので……」

照「車椅子は大丈夫なのか?」キュルキュル

和「何も書いてないから大丈夫だと思います。長野でも一度も断られた事ありませんし」

照「そうか。イタリア料理楽しみだな」キュルキュル

和「このビルです」

咲「今から緊張して来た……。高そうなお店だけどいいの?」

照「いいよ。たまには贅沢しよう」

和「エレベーターは…、なんと!?2階に止まりませんよ!」

照「ホントに?なんて不便なエレベーターだ!クソっ!」ダンダン

咲「どうしよぉ…、車椅子だとお店にも入れないよ」

照「確かお店は二階だったな?」

和「はい、そこに階段があるみたいですが」

照「原村、ちょっと店員さん呼んで来いよ」

和「車椅子はここに置いときますか?」

照「それしかないな。鍵もつけれるし大丈夫」

和「ですね。店員さんに言って咲さんを抱えて貰いましょう」

咲「知らない男の人に触られるの怖いな」

和「もちろん変な所触らないようにしっかり忠告しておきますから安心して下さい」ニコッ

照「咲は可愛いからな。男性が変な気を起こすのも無理はない」

和「すいません、予約してた宮永です」

シェフ「はい、少々お待ちください。9番テーブルの前菜もう上がってるよ」

バイト「はい」

和(二人だけですかね?なんか予想してたお店とは違ってこじんまりしてるお店ですね)

和「あの……恋び…ではなく…友人が車椅子なのでここまで抱えて運んで貰えないでしょうか?」


バタバタ

シェフ「はい、いまは手が離せないので難しいけれど手が空き次第迎えに行きます」

※土曜日の午後19時


和「わかりました。下で待ってます」ペコリ

和「すぐ来てくれるそうです」

咲「良かった」

照「お腹すいた」グーグー

咲「お菓子我慢してたの?」

照「うん///今日くらいはね」コクコク



しばらくして

和「遅いですね」イライラ

照「全くだ」イライラ

咲「シズニーランドなら待たずに色んな乗り物に乗れたのにね」

シェフ「お待たせしましたー、車椅子のお客様は、事前にご連絡いただかないと対応できません」

シェフ「それでは失礼します」

和「は?」

照「おい、私達が何分待ったと思ってるんですか?」

シェフ「土曜日の夜ですから忙しかったので……」

照「そんな事見ればわかりますよ。だからわざわざ予約したんですよ」

和「そうですよ。食べログ見て混みそうだから予約しました。三名の宮永です」

シェフ「車椅子のお客様が居るとは聞いておりませんでしたので」

和「言う必要ありません」

照「今までそんなの言った事ないよ」

照「もちろん車椅子がこのお店に入らないのはわかります。車椅子は置きっぱなしで、妹の体を抱えていただくだけでいいんですけど」

シェフ「ほかのお客様の迷惑になりますので」

和「???なりませんよ。咲さんは上半身は健常者と同じように使えますし」

照「その通り。椅子に座れば問題ないです」

咲「……」コクン

シェフ「ほかのお客様の迷惑になりますので!お引き取り下さい!!」

和「んんっ?私と咲さんは長野からわざわざ来たのですが?」

咲「……。もしかして車椅子の人が来たら、迷惑ってことを言いたいのですか?」

和「……」ピクッ

シェフ「そ、そ…そういうわけじゃ……とにかく、うちは店も狭いですし、対応できません」

咲「……イタリア料理楽しみにしてたのに」グスン



照(私の可愛い妹が泣いている!)

和(ここでも障がい者差別ですか!!!!!この国はどうなってるんです!)

照「…」ゴゴゴ

和「…」ゴゴゴ

シェフ「と言うか…。エレベーターが2階には止まらないって、ホームページにも書いてあるんですけどね……」

和「ああ、そうですか。私は、今回『食べログ』を見てお電話したので……」

シェフ「何を見たかは知りませんけど、予約の時点で車椅子って言っとくのが常識じゃないですか?」

照「……」ピクピク

和「聞き捨てなりませんね」

照「原村さー、私達ってケンカ売られてるの?」

和「はい、お義姉さん。咲さんを含め私達は舐められているようです」

シェフ「いや、お客さん達が常識ないから……」

照「常識って何だよ!」

和「咲さんが好きでこんな体になったと思ってるんですか!咲さんがこれまでにどんな辛い目にあって来たか……」

シェフ「お客さんの事情なんて知りませんよ。私は一般常識を言ってるだけで」


シェフ「予約の時点で車椅子の人が居るなら伝えて貰えばこちらとしても断りますし」

照「宮永照で予約しました!!!!宮永照です!高校生麻雀大会で何度か優勝してる」

和「その妹の宮永咲さんと言えば、足が不自由な雀士として有名ですよね!?知らない方がおかしいくらいの有名人です」

シェフ(麻雀打たねーよ)

シェフ「小耳にはさんだ事ある程度です。お嬢さん達は高校生?常識がないのは無理もないね」フフン



和「……」カチーン

照「……」ギュルギュル

咲「もういいよ。私はハニレスとかで……」



和「それが常識なのか、私達にはわからないです。そもそも、私達はこれまで一度も事前連絡をせずとも外食を楽しんできましたし」

照「せっかく長野から来たお客さんにイタリア料理を楽しんで貰おうとか思わないのか?この店は義理も人情もないんだな」

シェフ「だから知らねぇよ!そっちの事情なんて。これがうちのスタイルなんでね。早く帰って下さい。今日は忙しいんで」



和「「じゃあどちらが悪いのか、広く世に問うてみましょうよ」

シェフ「はいはい、どうぞどうぞ」

和「聞きました?」

照「ばっちりだ。いいって言ったよな」

和「食べログの評判だか何だか知りませんが、私達で懲らしめてやりましょう。障がい者差別だなんてそんなオカルト許せません」

照「真実を伝えるだけだ」

和「ですね、みんなわかってくれます。お義姉さんってフォロワーが日本一多い雀士ですよね?」

照「高校生ではな。原村もアメブロのランキングとか上位なんだろ?」

和「10位程度ですよ。ニコ生もやります。憧あたりに協力して貰って」

照「私も菫のブログも使わせて貰おう」

こうして照のツイッターと和のブログ効果により瞬く間に宮永咲入店拒否される噂が広まり、この店の食べログとHPは炎上した



車の中

照「ふふっ、見ろよ。原村」ポチポチ

和「炎上してますね。当然ですね、それだけの事をしでかしたのはあちらですから」ポチポチ

咲「くーくー」zzZZZ…

豊音「なになに?なんの話してるのー」

衣「ガラゲーで見れない…」ポチポチ




蒲原「ワハハ、エビフライマシマシで流石にお腹いっぱいだ」ウトウト

豊音「蒲原さあああああぁぁぁぁぁあんんんんんん!!!!!!!」

衣「ままままま、前だ!前!前を見ろ!!!!」

蒲原「ワハハー前田は今回の総選挙に出な……んんっっ!??!?!??!?!?!!?」



キキッーーーーー!


ガシャーン!

グチャ!バキッッッ!ゴキッ!!



ゴオオォォォォォォオオオオオ


大型タンクローリーへ突っ込んだ


終わり

今回のはワハ衣でティンと来たけど、咲さんがリリカルなのはで車椅子乗ってたから無理矢理咲さんでやってみた

支援ありがとうございました

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