玄「恋人を作る!」(113)

<阿知賀女子学院 2-○教室>

玄「ふー……」

玄(さぁて……授業も終わったし、部室に行こうかな)

クラスメイトA「ねえ、Bちゃんこのあと暇?よかったら帰り遊んでかない?」

クラスメイトB「ごめーん!私ちょっと彼氏と約束してるんだよね」

玄「ん?」

クラスメイトA「えっ!マジ?いつの間に付き合ったの!?」

クラスメイトB「実は……昨日の夜に告白されて……」

クラスメイトA「うわぁー、いいなー!」

クラスメイトB「えへへ……」

クラスメイトA「そっかー……だから今日機嫌よかったんだね」クス

クラスメイトB「うん……もうすごく嬉しくて……」

クラスメイトA「はぁ……私も彼氏欲しいなぁ……」

玄「…………」

玄(Bちゃん……彼氏さんが出来たんだ……)

玄(すごく嬉しそうな顔……)

玄「…………」

玄(彼氏かぁ……)

玄(今まで考えた事なかったけど、高校生なら誰かと付き合うとかって普通……なんだよね)

玄「…………」

玄(でも男の人と付き合うって想像出来ないや……友達も女の子しかいないし……)

玄(だったら……男の人じゃなくて、女の子の恋人……とか?)

玄(って!だめだめ!女の子同士だもん!それは………だめ………なはず………だけど……)

灼「玄」

玄「?……灼ちゃん」

灼「部室行かないの?」

玄「あ、行くよ!」

灼「一緒に行く?」

玄「うん!」

<廊下>

灼「…………」テクテク

玄「…………」チラ

玄(灼ちゃん……恋愛の噂とかは聞かないけど、灼ちゃんも彼氏さん欲しいのかな?ちょっと聞いてみよう)

玄「ね、ねえ灼ちゃん」

灼「何?」

玄「灼ちゃんはさ……その……彼氏さんって欲しい?」

灼「…………」

玄「……ど、どうなの?」

灼「私は……そっちじゃないから」

玄「え?そっち?」

灼「うん………あれ?」

玄「?」

灼「……その反応……え?玄もこっちだと思ってたけど……違うの?」

玄「こっち?」

灼「えーと……だから……お、女の子が好き……じゃないの?」

玄「あ………」ドキッ

灼「なんとなくそんな気がしてたんだけど……」

玄(灼ちゃんは女の子が好き?………うわわ……なんだろう……ドキドキしてきた)ドキドキ..

灼「あれ?嘘……違った?あ、そのっ!今のは……」カァァ..

玄(あ……灼ちゃん、顔が真っ赤……)

灼「ご、ごめん!忘れて!」

玄「忘れてって?」

灼「わ、私が……百合っ子だって事!」

玄「百合っ子……?」

灼「勘違いしてごめん……玄もそうだと思っちゃってつい……///」

玄(女の子が好きだって私に言うって事は、私も百合っ子だと思ったからでもあるだろうけど……)

灼「……//」

玄(顔を真っ赤にしてチラチラこっちを見てる灼ちゃんの態度からすると……もしかして私を好きなのかも…)ドキドキドキ

玄(私の反応を探ってて、ポロッと女の子好きだとアピールして……とか?)ドキドキドキ

玄「あ、あの……」

灼「ぅ……やっぱり先に行くね!」タタタタッ..

玄「あ……」

玄「…………」ドキドキドキ

玄(まだドキドキしてる……)

玄(もし灼ちゃんが私の事を好きだったらどうしよう…)

玄(……つ、付き合う?)

玄「わわ……///」

玄(なんか嬉しいかも!これって、私も百合っ子だったって事かな?)

玄「……よ、よし」

玄(部活が終わったら……話してみよう)グッ

部活終了後―――

<廊下>

玄(こっちの廊下なら誰も来ないかな)

灼「えっと……話って?」

玄「…………」

灼「玄?」

玄(部活中、灼ちゃんと付き合う事を真剣に考えた)

玄(すると、女の子同士なのに不思議となんの違和感もなかった……)

玄(灼ちゃんの言う通り、私も百合っ子だったみたい)

玄(それを踏まえて、付き合う対象として灼ちゃんを見てると、なんか……すごく可愛く思えた)

玄(小っちゃいけど頼もしくて、クールなんだけど芯は熱い……そんな灼ちゃんの事をもっと知りたくなった)

玄(だから私は……)

灼「……??」

玄「………あのね?私も百合っ子だったみたい」

灼「え?」

玄「今まで自分でも気付いてなかったんだけどね、さっきの灼ちゃんの言葉を聞いて、やっと気付いたんだ」

玄「それで灼ちゃんを恋愛対象として見たら、すごく素敵だなって」

灼「玄……」

玄「だから私……灼ちゃんと付き合いたい!」

灼「っ!」

玄「………だめ……かな?」

灼「…………」

玄「…………」

灼「………その……驚かないで聞いてほしいんだけど」

玄「う、うん……」

灼「私……宥さんと付き合ってるんだ」

玄「そっか……ゆうさんと灼ちゃん……付き合ってたんだ……」

灼「う、うん」

玄「じゃあしょうがないよね……ゆうさんと灼ちゃんが付き合ってるんだもん……」

灼「うん……」

玄「はぁ……ゆうさんと灼ちゃ…………あれ?ゆうさんって……宥さん?……ゆ、宥さんって………おねーちゃん!!?」

灼「そう」

玄「おねーちゃんとつきあ゛っ……!ごほっ!ごほっ!げほげほ!」

灼「だ、大丈夫?」

玄「ごほっ!げほげほ!」

灼「落ち着いて……ね?」サスサス

玄「げーほっ!ごほごほ!げほっ!」

灼「玄……」サスサス

玄「ごほ!げほっ!ごほっ!」

灼「………」サスサス

玄「げぇほっ!ごほごほ!」

灼(長いな……)

玄「げほっ…………ふう………ありがとう。少し落ち着いた」

灼「よかった」

玄「…………はぁ……そっかー……灼ちゃんはおねーちゃんと……」

灼「うん……」

玄「……じゃあさっき顔を真っ赤にしてたのは……」

灼「え?ああ……玄は百合っ子だって思ってたから普通に話しちゃったけど、もしかしたら私の勘違いかもしれないという事に気付いて…」

玄「…………」

灼「もし間違ってたら、私にどう接したらいいか玄は戸惑うだろうし、宥さんにも迷惑がかかる。そう考えたら焦っちゃったんだ」

玄「そうだったんだ……」

灼「………うん」

玄「…………」

灼「…………」

玄「ねえ……灼ちゃんはおねーちゃんと付き合ってどう?楽しい?」

灼「うん。楽しいし、すごく幸せ」ニコリ

玄「!そっか……」

玄(灼ちゃんがこんなに嬉しそうな顔するなんて……恋愛ってすごい)

玄「……わかった。おねーちゃんとお幸せに」ニコリ

灼「玄……ありがとう」

玄「うん!」

玄(灼ちゃんと付き合いたかったけど……こんな幸せな顔を見せられたら諦めるしかない……でも)

玄(灼ちゃんやBちゃんが夢中になるほど恋愛は楽しい事なんだと知った今……1人はやだ!恋人が欲しい!)

玄(だから灼ちゃんは諦めるけど、恋人を作るのは諦めない!)

玄(明日は他の子にアタックしてみるよっ!)フムン

翌日 部活終了後―――

<阿知賀女子学院 麻雀部部室>

穏乃「あの……2人きりじゃないと出来ない話ってなんですか?」

玄(穏乃ちゃん……和ちゃんと会うために麻雀部を復活させた……それは和ちゃんが好きだからかもしれない)

玄(でも再会した後の穏乃ちゃんの様子を見る限り、和ちゃんに恋愛感情を抱いてない様な気がする……というか穏乃ちゃん自身が気付いてないだけかもだけど)

玄(だったら今のうちに私と付き合ってしまえば…………少しずるい気もするけど……よし)

玄「……ねえ穏乃ちゃんは………好きな人いる?」

穏乃「え?」

玄「いる?」

穏乃「部員のみんな好きですけど。あと桜子たちも」

玄「そういう意味の好きじゃないよ。恋愛的な意味」

穏乃「はぁ……恋愛的ですか?うーん……それは特にいないですね」

玄「ほうほう……じゃあさ、好きまでいかないけど気になる男の人とかっている?」

穏乃「え?ああ……男の人の事を言ってたんですか?それは全然ですね」

玄(この感じ……穏乃ちゃんも百合っ子の可能性大!!よ、よおし……確かめてみよう…)

玄「そ、そうなんだ……じゃあ穏乃ちゃんは……その……お、おお、女の子と男の人、どっちが好き?」

穏乃「んー……考えた事もなかったですねー」

玄(という事は……両方あり?だったら私にもチャンスがあるよぉ)ヨシ!

穏乃「それがどうかしたんですか?」

玄「あ、えとね?これは提案なんだけど」

穏乃「?はい」

玄「……私と付き合ってみる……とか……どうかな!?」

穏乃「え?玄さんと……?」

玄「っ!」コクコク!

穏乃「…………」

玄「…………」ドキドキドキ..

玄(嫌がっては……いないみたい。これなら……)

穏乃「ごめんなさい」

玄「!!」

穏乃「あの……私、憧と付き合ってるんですよね……」

玄「えっ!」

穏乃「ついこないだ憧から同じ様な事を聞かれたんですよ。それで今みたいに答えたら『じゃあ試しにあたしと付き合おう』って言われまして」

玄(うぅ……先を越されたよぉ……)

穏乃「それでオーケーして……だからごめんなさい」ペコリ

玄「う、ううん……謝る事じゃないから……」

穏乃「私は玄さんも憧も同じくらい好きなんですけど……憧が先だったから…」

玄「そう……ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ」

玄(……憧ちゃんは前から穏乃ちゃんが好きっぽかったし、こうなるのは当然………か)シュン

穏乃「あ、あの……」

玄「あ……ご、ごめんね。話はおしまいだから、帰ろうか?」

穏乃「はい……」

玄(そうだよね。目の前で暗い顔されたら気にするよ。穏乃ちゃんに心配かけないようにしないと)フムン!

翌日 部活終了後―――

<校舎裏>

晴絵「それで……悩みって何?私に出来る事なら協力するからさ、なんでも言ってよ」

玄「うん……ありがとう」

玄(もう……麻雀部に付き合える女の子はいない………赤土さんがダメなら……私は……)シュン

晴絵「………言いづらい?」

玄「……いえ、言います」

晴絵「そっか」

玄「はい」

晴絵「…………」

玄「……赤土さん!」

晴絵「ん」

玄「私と付き合ってください!」ペコリ!

晴絵「…………え?」

玄「…………」

晴絵「つ、付き合うって…………ええと………こ、恋人……ってやつ?」

玄「はい」

晴絵「あー……それは……」

玄「だめ……ですか?」

晴絵「………玄はすごくいい子だし魅力的だと思う。だから好意を寄せてもらえるのは嬉しい……でも」

玄「…………」

晴絵「……私、望と付き合ってるから…」

玄「っ!」

晴絵「玄とは付き合えない。ごめん」

玄「…………わかりました……悩みがあるなんて言って呼び出してごめんなさい」

晴絵「ううん、それも悩みだし」

玄「ありがとうございます……」

晴絵「……えと……そろそろいい時間だね………あの、家まで送ろうか?」

玄「いえ、大丈夫です……失礼します」トボトボ

晴絵「あ……気を付けて帰るんだよ?」

玄「はい……」

玄「……………」トボトボ..

玄「う………」

玄「うぅぅぅ………」

玄「うぅぅううぅ…………」

翌日(土曜)―――

<麻雀部部室>

玄「……………」パタパタ(ホコリ払い)

玄「……………」キュッキュッ(窓ふき)

玄「……………」サッサッサッ(掃き掃除)

玄「……………」サッサッサッ(掃き掃除)

玄「♪頂点まであと一息」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「♪アガリーち All Right 咲きほ~こ~れ~……」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「……………」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「………ふう」

玄「……………」チリトリトリトリ

玄「……………」ゴミバコ ポイ

玄「……………」カタヅケ カタヅケ

玄「……………」

玄「はぁ………」

翌日(日曜)―――

<松実館 玄関前>

宥「いってらっしゃ~い」

玄「いってきまーす!」

玄「…………」テクテクテク..

玄(……うん。みんなにフラれたダメージは大きかったけど……昨日、無心でお掃除したおかげで少し元気が出たよ)

玄(それに加えていいアイデアも浮かんだし、やっぱりお掃除ってすごいね)フムン!

灼「あれ?玄、お出かけ?」

玄「灼ちゃん……うん、ちょっとね。長野まで」

灼「長野?」

玄「うん。会いたい人がたくさんいるんだ……灼ちゃんは……おねーちゃん?」

灼「ま、まぁ……ね//」

玄(わぁ……おねーちゃんとしか言ってないのに顔が真っ赤……いいなぁ、恋人がいる人は……)

玄「ふふ……」

玄(私も恋人を作って幸せになるぞー!)フンム!

<長野 鶴賀学園高等部 麻雀部部室>

玄「今日はすみません。お休みなのに私のために集まってもらっちゃったみたいで……」

ゆみ「謝る事じゃないさ。蒲原の様子も見たかったし、むしろいいタイミングで声を掛けてもらったよ」

智美「ワハハ。ゆみちんは相変わらず世話焼きだなー」

桃子「ところで、用件ってなんなんすか?」

睦月「それは私も気になっていた」

佳織「あ、私もです!教えて欲しいです」

玄「あー……ええと……」

玄(……あとで1人1人に聞くのも大変かな………よし、ここで聞いちゃおう!)

玄「実は皆さんに聞きたい事があって……」

ゆみ「聞きたい事?」

玄「はい…………あのっ!皆さんは………恋人はいますか!?」

ゆみ・桃子・智美・睦月・佳織「……………………」

玄「……………」

ゆみ「そ、それは……ぷ、プライバシーというか…」カァァ

桃子「私は先輩と恋人っす!!」

玄「!!」

ゆみ「お、おいモモ……//」

桃子「事実っすもん!」

玄(この2人は付き合ってたかぁ……でもそれは予想がついてたよ。私の狙いは……)チラ

玄「あの……蒲原さんは?」

智美「ワハハ?」

佳織「!!」

玄(いつも笑顔の蒲原さん……一緒にいたら楽しそうだし……もし恋人がいないなら…)

智美「えーと……だな……その……」ワハハ..

玄「…………」

佳織「と、智美ちゃんは私と付き合ってるからダメですっ!!」

玄「!!!」

佳織「///」カァァ..

智美「…………」

玄「ほ、本当……なんですか?」

智美「…………ラヴァヴァ//」カアア..

玄「!!!」

玄(あの蒲原さんが照れてる!この表情を見るともっと付き合いたくなっちゃうけど……邪魔はいけないよね。素直に他の人を当たろう)ハァ..

玄「えと……津山さんは誰かと付き合ってますか?」

睦月「私は風越の文堂さんっていう人と付き合ってるんだ」

玄「……そうですか……」シュン..

睦月「?あの……私、何かいけない事……?」

玄「い、いえ……全然してません……」ハアァ..

睦月「そ、そうか……」

玄(鶴賀は全滅かぁ……みんな付き合ってるなんて………もしかしたらインハイの時の練習の時点で恋人同士だった?全く気付かなかったけど……)

玄(……そう考えると、私が今まで恋愛に無関心すぎたのかもしれない……今からでも間に合うのかな?恋人が作れるのかな?)

ゆみ「……この質問は一体どんな…………松実さん?」

玄「…………」

玄(でも……鶴賀は全員が百合っ子だった……という事は私が思ってる以上に百合っ子はいっぱいいるのかも……それなら私にもまだチャンスがある!)

玄(うん!次行こう!次!)

<清澄高校 麻雀部部室>

久「ようこそ、清澄高校麻雀部へ」

まこ「まぁ、狭いところじゃがゆっくりしていくとええ」

咲「和ちゃんの昔のお友達かぁ……和ちゃんの小学生時代の話とか興味あるなー」

和「咲さん……嬉しいです//」

優希「お近づきのタコスだじぇ!食べるじょ!」

玄「ありがとうございます。あ、美味しい」

優希「当然だじょ!私のお墨付きだからな!」ジョ!

玄「…………」チラ

咲「ランドセル背負ってた和ちゃん……見たかったなぁ」

和「それは……アルバムで見たじゃないですか~//」

玄(あの2人は……ずっと手を繋いだままだし、間違いなく恋人だよね……となると)チラ

まこ「…………」

優希「もぐもぐ……おいひいじぇ~」

久「?」

玄(残るはあの3人……よぉし……)

玄「あの……ちょっと聞いてもいいですか?」

久「ええ、いいわよ♪」

玄「和ちゃんと宮永さんって……恋人同士……ですよね?」

和「くっ、玄さん!?」カァァ..

咲「あはは……バレちゃったね」

久「……見たらすぐわかっちゃうわよね」クスッ

玄「はい………で、それはそれとして……竹井さんたちはどうなんですか?」

久「どうって?」

玄「恋人……いますか?」

久「!」

まこ「!」

優希「じょ!?」

玄「…………」ジー

久「……あ、そうそう!前から気になってたんだけど、実家は旅館を経営してるんですってね?今度行ってもいいかしら?」

玄「はい。是非!」

久「よかった」ニコ

玄「………それで、恋人は?」

久「う……」

まこ「誤魔化す必要ないじゃろ?」

玄「む……誤魔化すという事は……」

久「ちょ、ちょっとまこ……」

まこ「部長は恋人おるよ。ラブラブじゃ」

玄「!!」

久「ちがっ……そんな事…」

優希「……これ見るといいじょ」サッ

玄「え?携帯ですか?………あ、この写メ……竹井さんだ」

玄(誰かと電話してるところかな?すごくニコニコしてる……)

久「なにこれ……ちょっと、勝手に撮ったでしょ!」

優希「風越のおねーさんと電話してる時、いつもデレデレだじぇ」

久「ゆ、優希!」

玄「風越のおねーさんって…福路さんですか?」

優希「そうだじょ!」

玄「!!!」

玄(風越の大本命が……すでに竹井さんに………うぅ……)

久「松実さん?勘違いしないでね?デレデレなんてしてないから!優希、嘘はダメよ?」

優希「咲ちゃんが現場を見たんだじぇ!なぁ、咲ちゃん?」

久「え?」

咲「うん……この前、電話で甘えてた」

久「咲?ち、ちょっと……」

咲「多分部長は自分しかいないと思ってたんでしょうけど……実は私ベッドで寝てて……部長の声で起きたんです。その時の内容がもう……」

久「や、やめて……」

玄「内容が?」

咲「………赤ちゃん言葉で……//」

玄「えっ!!?」

久「っ///」ボンッ!

咲「『美穂子のお胸でねんねしたいでちゅ』とか『あんよにしゅりしゅりしたい~』とか……//」

玄「…………」

玄(私に甘えながら言うなら可愛いなーって感じるだろうけど、他の人に言ってると思うとドン引きする不思議……)

久「やめて……私の威厳が………///」

まこ「たまにわしら相手でもポロっと出とるぞ?」

久「えっ!」

まこ「そこのベッドで仮眠する時に『おねむだから寝るわ。おやちゅみ』って言うとった」

久「うぅ……もうやだ……今すぐ美穂子に会いたい……慰めて欲しい…」

和「ま、まぁまぁ……誰しも恋人には甘えるものですし」

久「……そう……よね……うん……私は悪くない……」

優希「私なら考えられないけどな!」ジョ!

久「う……///」

和「ゆーき!」

まこ「よう言うわ……優希かて甘えんぼじゃろが」

玄「え?」

優希「ま、まこさん!……じゃなかった……染谷先輩!」カァァ

まこ「もうええじゃろ。まこって呼びんさい」

咲「え?もしかして……2人は……」

優希「あうあう……///」

まこ「……実は少し前から付き合うてるんじゃ」

玄「!!!」

久「……知らなかった……」

和「言ってくれればいいのに……」

咲「優希ちゃんは、染谷先輩のどんなところが好きなの?教えてよ」ニコリ

優希「うぅ……その……まこさんは私のカタキをいっぱいとってくれるんだじょ」

和「カタキ?」

優希「うん……少し前に、私がラーメン屋さんの行列に並んで待ってた時、私の前の人でスープが切れて食べられなかった事があったんだじょ」

優希「楽しみにしてたラーメンが食べられなかった悔しさで、私は夜も眠れなかった……」

優希「それをまこさんに話したら……私のカタキをとってくれたんだじょ」

玄「?」

優希「次の日、まこさんは私の無念を晴らすべく、誰よりも早く行列に並んでくれたんだじょ!」

優希「それで私のために……私が食べたかったラーメンを代わりに食べてくれたんだじぇ……嬉しくてたまらなかったじょ……」

玄「??」

優希「他にもあるじょ!私が3段アイスを落とした時も、まこさんが落とさずに完食するところを見せてくれた……」

玄(カタキ……なのかな?うーん……)

優希「インハイでもそうだった……まこさんは頼れるヒーローだじぇ!……だから大好きなんだじょ……///」

玄(……本人が幸せなら関係ないか)

和「ゆーき……よかったですね」ニコリ

優希「う、うん……//」

まこ「わしも、優希じゃからカタキをとってやりたいと思うんじゃ」スッ(肩を抱き寄せる)

優希「ぁ……」

まこ「優希……」

優希「まこさん……//」

咲「染谷先輩と優希ちゃん……幸せそう」

和「私たちも負けていられませんね」キュッ(咲と腕をからめて恋人繋ぎ)

咲・和「////」

玄「…………うぅ…」

玄(幸せなのはおめでたい事だけど……カップルだらけの空間にいるのが辛い……寂しい……早く次に行って恋人を作ろう)

<龍門渕高校 麻雀部部室>

透華「わたくしは……その………一と……こ、恋人同士ですわ」

一「うん……主従で恋人なのは少し問題かもだけど」

透華「も、問題などありません!わたくしは一が好き、それが全て!立場など!立場など~っ!!」

一「透華……」

透華「一……」

玄「あの……」チラ

純「俺か?俺は別に恋人とかそんなんは……」

智紀「…………」

玄「そんなんは?いないんですか!?」ズズイ

純「んーと……いや、なんつーか……」

智紀「松実さん」

玄「?はい」

智紀「松実さんはいるんですか?」

玄「え?いえ、私はいないです……」

智紀「だったら私とかどうですか?」

玄「え?」

純「!!?」

智紀「私、恋人がいないみたいなので……」

玄「わわ!」

玄(沢村さんがフリー!?こんなに美人さんでいいおもちの人が……やったぁ!)

玄「よ、喜ん…」

純「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

玄「?」

純「お、おい……どういう事だよ」ヒソヒソ

智紀「……別に」

純「俺たち付き合ってるだろ?なんで……」

智紀「……純、恋人いるって言わなかったから」

純「う……それは……恥ずいしよ……別に言って回らなくてもいいじゃんか」

智紀「……そうやって浮気は始まる」

純「し、しねえよ浮気なんか!」

智紀「……付き合ってると公言しないという事は、今までと同様に何人もの人が純に言い寄ってくる…」

智紀「その中に私より魅力的な人がいたら……その人と付き合う可能性だって……」

純「……バカ。お前より魅力的なやつなんていねえよ」

智紀「…………」

純「……その……俺はマジでお前を愛してっからさ……//」

智紀「純……//」

玄「……………………」

玄(うぅ……希望を見せておいてそれはないよぉ……)

衣「なんだなんだ?衣だけ仲間外れかー?」

玄「あ!」

玄(衣ちゃんがいた!衣ちゃんにも聞いてみよう!)

玄「衣ちゃ……天江さんは恋人いる?」

衣「恋人?おらぬ」

玄「っ!!」

玄(よし……第一関門突破!あとは……)

衣「衣にはトーカたちがいるからな!懸想人などいなくても構わぬ!」

玄「え……?」

透華「衣……」

衣「いつか私にも懸想人が出来るかもしれない……だが、今はトーカたちといるだけで幸せだ!!」

一「衣っ……」ギュッ!

衣「わわっ……い、痛いぞ……もう…//」

玄「………そうですかー……」

玄(………ダメだ……なんか………くじけそう……)

玄「っ!」フルフルッ!

玄(まだまだ!諦めるのは早い!まだ恋人探しは始まったばかり!次だよ次!!)

<風越女子高校 麻雀部部室>

華菜「恋人……?」

玄「はい」

玄(大本命の福路さんは竹井さんと付き合ってる。文堂さんは鶴賀の津山さんと……とはいえ、まだ他の子がいる!)

華菜「私はみはるんと付き合ってるし!」

玄「っ!」

未春「ちょ、ちょっと華菜ちゃん!そんな堂々と……//」

華菜「コソコソする必要ないし!華菜ちゃんはみはるんが大好きだニャー!!」

未春「もう……ふふふ///」

玄「…………」

玄(……残るは……)チラ

純代「…………」

玄(深堀さんだけ…………お願い!付き合ってませんように!!)

玄「あの……深堀さんは……?」

純代「…………」コイビト ハ イナイ..

玄(やった!)

玄「じゃ、じゃあ……私と……」

緋菜「すみよお姉ちゃ~ん!!」ガバッ(純代に抱きつく)

菜沙「あ、ひな!ずるい!」

城菜「待ってよー」

玄「へ?」

純代「…………」ミンナ オハヨウ

緋菜「おはよー!」

菜沙「もう!すみよお姉ちゃんにくっつかないの!」

緋菜「なんでー?」

菜沙「すみよお姉ちゃんは私のお嫁さんになるんだから!」

緋菜「む!それは私だよ!」

菜沙「ちがうよ!私のお嫁さん!」

城菜「私だってすみよお姉ちゃんと結婚するよー」

華菜「こらー、ケンカはダメだぞー?」

玄「……ええと……」

未春「あの子たちは華菜ちゃんの妹さん。純ちゃんが大好きなんだよ」クスッ

玄「へー……」

純代「…………」ワタシダッテ ダイスキ..

玄「う………」

玄「うぅぅぅ………」

玄「うぅぅううぅ…………」

<奈良 阿知賀女子学院 麻雀部部室>

玄「……………」パタパタ(ホコリ払い)

玄「……………」キュッキュッ(窓ふき)

玄「……………」サッサッサッ(掃き掃除)

玄「……………」サッサッサッ(掃き掃除)

玄「♪あきらめたらおーわーりー……」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「♪気持ちをリセットしてー……」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「……………」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「……………」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「はぁあ…………」

玄「……………」チリトリトリトリ

玄「……………」ゴミバコ ポイ

玄「……………」カタヅケ カタヅケ

玄「……………」

玄「はぁ………」

翌週(土曜日)―――

<松実館 玄関前>

宥「いってらっしゃ~い」

玄「いってきます」テクテク..

玄「ふう……」

玄(この1週間、ずっと掃除に専念する事で先週の傷がようやく癒えたよ……)

玄(4校回れば誰か見つかると思ったのに……はぁ……)

玄(……でも諦めない!私だって幸せになるんだ!!)

玄「……あれ?灼ちゃん」

灼「あ、玄……」

玄「…その格好、おねーちゃんと同じ……マフラーまで巻いて……どうしたの?」

灼「その……宥さんとペアルックにしたくて……私の服装に合わせてもらうと宥さん寒がるだろうから……」

玄「そうなんだ……でも大丈夫?汗だらだらだけど……」

灼「うん……インナーも宥さんと同じだけ着こんでるからすごく暑いけど、スポーツドリンク持参してるし脱水症状にはならない」

玄「そっか……」

玄(汗で前髪がおでこにピッチリくっついてるけど……そんな事も気にならないくらいおねーちゃんが好きなんだ……いいなぁ……)フフッ

灼「……玄、元気になったね」

玄「え?」

灼「先週、長野から帰ってきたと思ったら掃除用具持ってすぐまた出てっちゃったでしょ?心配してたんだ」

玄「灼ちゃん……ありがとう!私は大丈夫だから」

灼「そう?」

玄「うん!」

玄(今日こそ、恋人をゲットして戻ってくるからねっ!)フムン!

<大阪 千里山女子高校 麻雀部部室>

竜華「怜~♪」

怜「りゅーか♪」

怜・竜華「」イチャラララ!

玄「…………」チラ

浩子「ほら、次はこの服着てください!大学かプロか、どちらに進むにせよ、もういい加減学ランは卒業やから」

セーラ「うぅ……恥ずかしいわ……//」

玄(ここ最近……恋人作りのために色んなカップルを見てきたからか、付き合ってるかそうでないかがなんとなく分かるようになってきた……)

玄(その私の直感からすると、園城寺さんたちはもちろん、江口さんと船久保さんも恋人同士……)ハァ

玄(残るは二条さんだけど……さて……)チラリ

泉「……ん?な、なんですか?」

玄「え?えっと……二条さんって……好きな人……いるのかな?」

泉「っ!?そ、それは……」

玄「…………」

泉「私は……」チラ

玄「?」チラ

浩子「ぅわ……思ったより似合てますねぇ……ほな、次これ」

セーラ「……もうヤケや。全部着たる!」

玄「?」

玄(二条さん……江口さんか船久保さんのどっちかが好きなのかな?)

泉「………松実さんが考えてる事と大体同じですわ」

玄「……そうなんだ」

泉「はい。私……恋多き女性ってやつなんすかね?」

玄「え?」

泉「多分私が高1で最強の恋多き女やと思いますわ」

玄「はぁ」

泉「江口先輩も……船久保先輩も……なんなら清水谷先輩も園城寺先輩も好きなんです……」

玄「ええ!?」

泉「それだけちゃいます……原村 和も気になりますし……」

泉「もっと言えばインハイで当たった弘世 菫、安河内 美子、松実さんのお姉さんも……」

玄(うわぁ…………あれ?だったら私も)

泉「すぐ色んな人を意識してまうんですよね……って、これ内緒ですよ?」

玄「う、うん。あのね?もしよかったら私、二条さんの恋び…」

泉「恋愛対象外の松実さんだから出来る話ですから…」

玄「………………………………」

泉「はぁ……今まで誰にも言わんといたのに……なんで喋ってしもたんやろ?」

玄「………………………………」

泉「松実さんが優しそうでなんでも話せそうな雰囲気やからですかね?」

玄「………………………………」

泉「付き合うとかは全くないですけど、親友になりたい感じと言うか……あ、すんません。年下なのにこんな言い方……」

玄「ううんぜんぜんきにしないでいいよお」

泉「ありがとうございます」

玄「いえいえじゃあわたしはそろそろかえろうかなあ」

泉「はぁ……あの……私、なんか嫌な事言うてまいました?」

玄「あははそんなわけあははないよ」

泉「せやけど……なんか松実さん……悲しみを必死で抑えてる様な……劇画みたいな表情してはるから……」

玄「だいじょうぶだいじょうぶそれじゃあまたね」

泉「は、はい……また」

玄「……………」テクテク..

玄「う………」

玄「うぅぅぅ………」

玄「うぅぅううぅ…………」

玄「……………………………ふうぅ……」

玄(だいじょうぶ……まだ頑張れる……ここで落ち込んで帰るわけにはいかないよ)

玄(それじゃまた掃除だけする日々が続いちゃうもんね……うん………)

玄「……よし」フンム!

玄(次は……荒川さんに会いに三箇牧高校に行こう)テクテク

玄「ゎ!………ふぎゅっ!」ビターン!(つまずいて転ぶ)

玄「……………痛い……」

玄「………………………」

<奈良 阿知賀女子学院 麻雀部部室>

玄「……………」パタパタ(ホコリ払い)

玄「……………」キュッキュッ(窓ふき)

玄「……………」サッサッサッ(掃き掃除)

玄「……………」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「……………」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「…………………」

玄「♪あれから 僕たちは 何かを信じてこれたかなぁ……」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「………ぐす……」

玄「……………」チリトリトリトリ

玄「……………」ゴミバコ ポイ

玄「……………」カタヅケ カタヅケ

玄「……………」

玄「はぁ………」

2週間後(日曜)―――

<松実館 玄関前>

宥「行ってワッシャーい」

玄「?行ってきまーす」テクテク

玄(今回は結構長引いちゃったなぁ……2週間もかかるなんてね……)

玄(でも……恋人が欲しい気持ちは変わらなかったし、可能性が無いわけじゃない……私の頑張り次第だよねっ)

灼「あれ?玄ちゃん」

玄「灼ちゃん……え?玄ちゃんって……」

灼「あ!ごめん……宥さんが好きすぎて宥さんの事ばかり考えてたからつい……」

玄「……これからうちで遊ぶの?」

灼「うん。少しお邪魔して、その後はうちでボーリングしようかなって」

玄「え?おねーちゃんとボーリングするの?」

玄(基本運動苦手だし、手袋外さないといけないからあんまり好きじゃないはず……)

灼「最近はよく一緒にやるよ。私が好きな事を好きになりたいって言ってくれて……ボーリングのDVDを貸したら喜んでくれたし……///」

玄「…………」

玄(そういえば……昨日の夜、一緒にドラマ観ようって誘ったら、DVD観るからって断られた……)

玄(昔は、私が好きな番組を観てるといつもおねーちゃんが隣に来て一緒に観てたっけ……だからおねーちゃんの好きな番組は私と同じだった……)

玄「………………うぅ」

玄「♪なんでもないような事が~……幸せだったと思~う……」

灼「……く、玄?」

玄「はっ!べ、別になんでもない夜の~……じゃなくて……全然関係ないから大丈夫」

灼「……それならいいんだけど」

玄(私だって……おねーちゃんたちに負けないくらいラブラブになれる恋人を作るもん!今日がその記念日だよっ!)

<福岡 新道寺女子高校 麻雀部部室前>

玄(よぉし……頑張るぞー!)フムン!

玄「……失礼します」ガチャッ!

哩「んむ……ちゅ……はぁ……」チュウゥゥ..

姫子「ぶちょ……すき……じゅる……ぷぁ……」ジュル..チュ

玄「……………………………」

哩「ひめこ……つば……飲んで……」タラー..

姫子「んっ…ん……っはぁ………おいしいです……ぶちょぉ…//」

玄「……………………………」

姫子「私のも……ちゅ……れろ……」ジュルウ..

哩「あああっ………ひめこぉ……じゅるる……///」

玄「……………………………」

<奈良 阿知賀女子学院 麻雀部部室>

玄「……………」パタパタ(ホコリ払い)

玄「……………」キュッキュッ(窓ふき)

玄「……………」サッサッサッ(掃き掃除)

玄「……………」キュッキュッ(拭き掃除)

玄「……………」チリトリー..ポイ

玄「……………」カタヅケ

玄「…………………」

玄(ダメだ……もう終わっちゃった……掃除するところが無いよ……)ハァァ..

玄(あれだけ意気込んで福岡まで行ったのになぁ……)

玄(でもしょうがないよね……あんなに濃厚なキスを見せつけられたんだもん…………なんか心が折れちゃったよ)

俺「俺がいるじゃん」

玄「俺くん好き好き」チュッチュ

HAPPY END

玄(………もう……他に恋人候補の人はいないし……)ハァ..

玄(私って……誰からも必要とされてないのかな……)

玄(今まで告白された事もない……私を好きだっていう噂すら……)グス..

玄(………それも仕方がないのかな……?そもそも、私自身が恋をする気持ちがわかってないもん……)

玄(恋人がいる人が幸せそうだったから、私も幸せになりたいって思って色々動いたけど……)

玄(誰かに恋をするまで恋人を作ろうとしたらいけなかったのかな……?)

玄(穏乃ちゃんたち、長野の人たち、インハイで会った人たち……みんな好きだけど恋とは違うし……どうしたらいいかわからないよ……)

玄(そんなダメダメな私は……いらない子なのかな……?)グシュ..

?「松実さん」

玄「え?」クルッ

?「話がある」

玄「あなたは……」

翌朝―――

<阿知賀女子学院 体育館(全体集会)>

教師A「以上、生徒会からのお知らせでした。続きまして……」

教師A「校長先生から表彰があります。2-○、松実 玄さん」

玄「はい」テクテク..

穏乃「え?玄さんが表彰?憧、何か知ってる?」

憧「うん。あのね…」

校長「2-○、松実 玄殿 あなたの卓越した清掃技術は目を見張るものがあり…」

玄「…………」セスジ ピーン..

憧「最近部室がすっごくキレイじゃん?あれ、玄が前以上に掃除してたかららしいのね」

憧「で、昨日も掃除してたところに校長が通りかかって、玄の掃除の見事さに驚いて『これは表彰ものだ!』ってなったみたい」

穏乃「へえー」

校長「本日より、松実 玄殿を阿知賀女子学院のクリーンクイーンとする!〇年○月〇日 阿知賀女子学院 校長 ○○ ○○」

玄「ありがとうございます」ニコリ

パチパチパチパチ..

穏乃「……玄さん嬉しそう」パチパチパチ..

憧「そうだね……玄の掃除はすごいもん。それが認められて………なんかあたしも嬉しい」パチパチパチ..

穏乃「だよね!?私も嬉しいよ!」パチパチパチ..

玄「……………」

玄(私は……恋がどんな気持ちなのか、まだわからない……だから誰からも好きになってもらえなくて……いらない子なんじゃないかって思った……でも)チラ

校長「……」ニコリ

玄(私の事を……こうして認めてくれる人がいる……私は……阿知賀に……ここにいてもいいのかもしれない!)

玄(そうだよ……私は私でしかない……)

玄(私は私だよ………私でいたい!)

玄(私はここにいたい!私はここにいてもいいんだ!!)クルッ!

宥「おめでとう」パチパチパチパチ..

灼「おめでとう」パチパチパチパチ..

憧「おめでとう」パチパチパチパチ..

穏乃「おめでとう」パチパチパチパチ..

桜子「クヮックワックワ!」

玄「………ありがとう」

校長に、ありがとう

汚れに、さようなら

そして、全ての掃除用具たちに

おめでとう

【完】

以上です
支援ありがとうございました
新劇場版&第二部…やるとしたらかなり待ってもらうかもですw

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom