ハンター「モンスターと会話ができるようになる薬?」 (327)

ハンター「なんだそれ」

行商人「その名のとおりさ、効果は俺っちが保証するぜ」

ハンター(うさんくさ……)

行商人「王立研究所が開発した試作品が、闇ルートで流れてきたんだ」

ハンター「あー、遠慮しておくわ」

行商人「半額! 半額にしておくから!」

ハンター「それでいくら?」

行商人「15000Z」

ハンター「じゃあな」

行商人「仕入れ値なんだよ! お願いだから買ってくれよ!」

ハンター「買うやつがいると思ってたのか?」

行商人「いや、ワンチャンあるかなと……」

ハンター「次はもっとマシなの仕入れてこいよ」

行商人「じゃ、じゃあ効果があった時の後払いでいいから! な!?」

ハンター「しつけぇ……」

行商人「頼む! このとおりだ!」ドゲザ

ハンター「……仕方ない、俺も最近潤ってるし、武士の情けだ」

行商人「ありがてぇ! 本当に助かった!」

ハンター「効果がなかったら払わんぞ」

行商人「そのへんは大丈夫! 俺が保証するから!」

ハンター「はぁ……」

行商人「じゃあこれがその薬だ」

ハンター「透明なんだな、もっと毒々しい色してるかと思った」

行商人「絶対効くから! じゃあ、次に来た時には支払い頼むぜ!」

ハンター(体に毒じゃないのか? これ……)

##########

ハンター「うーん……」ゴロ

アイルー「ご主人様、朝食ができましたニャ」ユサユサ

ハンター「!?」

アイルー「ニャ!?」

ハンター「アイルーが喋った!?」

ハンター「…………って、元からか」

アイルー「はぁ……?」

ハンター「やっぱり朝はハリマグロのタタキに限るな」モグモグ

アイルー「それで、今日はどうするんですかニャ?」

ハンター「そうだな……肉が少なくなってきたし、良い依頼がなければアプトノスでも狩ってくるか」

アイルー「では、村長のところへ行ってクエストの確認をしてきますニャ」

ハンター「頼んだ」

##########

ハンター「特産キノコ10本か、楽勝だな」

アイルー「そうですニャ」

ハンター「お前はキノコとってきてくれ、俺は肉狩ってくるから」

アイルー「わかりましたニャ」

ハンター「さて、行くか」

ハンター(お、いるいる……なかなかの群れだな)

ハンター(あの辺に切り込んで……2、3頭は狩れるな)

ハンター(もう少し近づくか……)コソコソ

「ママー、僕昨日ドボルベルクさん見たんだよー」

「あら、彼この辺に来てたのね」

ハンター「…………?」

ハンター(なんだ今の会話……どこから聞こえてきた?)

ハンター(っていうかこんなところに母子? まさかそんな……)

アプトノス「でも、あのひとの尻尾には巻き込まれないようにしなさい」

子プトノス「はーい」

ハンター「…………」

ハンター(おかしい……なんかアプトノスの方から会話が聞こえてきたような気が……)

ハンター(この間のグラビモスのタックルで脳がやられたのかもしれない……)

ハンター「………………いや、まさか……」

ハンター(あの薬……本物だったのか!?)

ハンター「まじか……これ15000払わないとだよな……」

アプトノス「あら……草むらから声が……誰かいるのかしら」

ハンター(うぉ、バレた!? い、いやバレてもいいのか)

ハンター(いやいや、ちょっとその前に今の状況を……どうしたらいいんだ俺)

アプトノス「誰かそっちにいるんですか?」

ハンター(そういえば会話ができるってことは、俺の言葉も向こうに通じるのか? どうなんだこの場合)

ハンター(試しに……話しかけてみるか?)

ハンター「あ、あn 「チィーッス」

ジャギィA「奥さん、よく気づいたねぇ」

ジャギィB「俺ら気配隠すのには自信あったんだけどなwwwwww」

アプトノス「!?」

アプトノス群「「う、うわー!? ジャギィが出たぞー!」」

ジャギィC「俺らメッチャ腹減ってるんすよ~」

ジャギィA「っつーことで……いただきマース!」

子プトノス「ママー!」

アプトノス「逃げなさい! ここは私が!」

ジャギィB「奥さん……肉付きのイイ体してんね……」ジュルリ

ジャギィC「マジ超タイプだわ……たまんねぇ」ダラダラ

子プトノス「ママー!」

アプトノス「早く逃げなさい! 早く!」

子プトノス「うわーん!」ダダダダ

ジャギィA「あれは俺が殺ってくるぜ、こっちは任せた」

ジャギィB「うーっす」

アプトノス「!? 行かせない!」

ジャギィC「奥さんwwwこっちこっちwww」バシーン

アプトノス「きゃあ!?」ドスーン

ジャギィC「んじゃ、いただきまー ズシャ

ジャ ギィC「」

ジャギィB「あ?」

ハンター「でやあああ!」ブン

ジャギィB「ひぎぃ!?」ブシャ

アプトノス「ハ、ハンター!?」

ハンター(何やってんだ……俺)

ハンター(ついさっきアプトノスのこんがり肉食ったばっかりなのに……こんなこと……)

ハンター「っ……くそ、知るかあああ!」ダッダッダッダ

ジャギィA「なっ、ハンターだと!?」

ジャギィA「くそっ、いきなりなんだテメー!」

ハンター「だから知らねぇっつってんだろ!」

ジャギィA「!? ハンターが喋った!?」

ハンター「ぜぁ!」ビュ

ジャギィA「が……はっ…………」ゴポ

ハンター「ふんっ」ズバッ

ドシャ

ハンター「はぁ……はぁ……」

アプトノス「あ、あぁ……」ガタガタ

ハンター「……ん?」

アプトノス「お、お願いします……私は狩ってもいいですから……あの子だけは……」ガタガタ

ハンター「…………」カシャ

アプトノス「え?」

ハンター「帰るわ……」

アプトノス「……は、え?」

##########

アイルー「御主人様ー、たくさん取ってきましたニャー」テコテコ

ハンター「…………」ズーン

アイルー「ニャ?」

ハンター「なぁ……」

アイルー「ニャんですか?」

ハンター「俺もう肉食えないかも……」

アイルー「?」

##########

行商人「おっ、旦那! 旦那じゃねぇか!」

ハンター「…………」

行商人「で、どうだった? この間の薬は!」

ハンター「どうしてくれんだ……肉が食えなくなったぞ……」

行商人「ってことは……効いたんだな、ちゃんと」

行商人「わーっはっは! だから言っただろ! さぁ15000ちゃんと払ってくれよ!」

ハンター「それはいいんだが……この薬の効果はいつ切れるんだ?」

行商人「さぁ?」

ハンター「…………じゃあ解毒薬とかはないのか?」

行商人「知らんね」

ハンター「……そんな」ガクッ

行商人「まぁ、気にすんなって! それよりほら、早く金金!」

ハンター(ハンターをやってるんだが、俺はもうだめかもしれない……)

##########

ハンター(あれからしばらく経つが、魚の声は聞こえないみたいで、なんとかタンパク質は確保できている)

ハンター(しかし、俺のハンター生活は一変してしまった)


ケース1:魚釣り

ハンター「おーい」

ガノトトス「…………」ザバァ

ハンター「お、出てきた」

ガノトトス「あ、あんたが噂の……」

ハンター「あー、そうそう、狩ったりしないから心配しないでくれ」

ガノトトス「な、なんの用だ……」

ハンター「このへんで黄金魚の溜まり場みたいになってるところ知らね?」

ガノトトス「そ、それなら……」

ハンター(こんなふうにモンスターから情報を得られるようになった)

ケース2:狩猟依頼

ハンター「なぁ……この魚やるからさ、リオレイア殺るまで邪魔しないでくれないか?」

ランポス「……ちっ、しゃーねぇな」

ハンター(このように交渉もできるようになった)

ハンター(が……)

リオレイア「うぅ……あなたぁ……」ボロッ

ハンター「…………」

リオレイア「来ないで……くるなぁ……」ジタ バタ

ハンター「だから言っただろ……出ていかなければこうなるって……」

ハンター「それにお前も人を食ったんだ……諦めろ」

ハンター「許せ」ブンッ

リオレイア「」ドスーン

ハンター「……っ」キリキリ

ハンター(胃薬が、手放せなくなってしまった)

##########

村長「あら、おかえりなさい」

ハンター「ども……」

村長「最近、モンスターの討伐数が減っているようですわね……なぜかモンスター被害は増えていないのに」

ハンター「はは、最近調子悪くて……」

ハンター(まぁ、話せば分かるやつも結構いますから)

ハンター(わからないやつの方が多い気はするけど……)

ケース3:交渉決裂

イビルジョー「……」ズーン ズーン

ハンター「あのー、すいません」

イビルジョー「え?」

ハンター「このへんでガーグァ食い荒らすのやめてもらえませんかね……生態系が乱れて困ってるんですよ」

イビルジョー「生態系?」

ハンター「だから、こう……もっと移動する頻度を増やしてもらえないかと……」

イビルジョー「…………」

ハンター(これは……どうなんだ?)

イビルジョー「お腹が減ったんだよ」

ハンター「は?」

イビルジョー「ハンターを食べるのは久しぶりかも」

ハンター「えっと……あの……」

イビルジョー「私は脂身が多い女ハンターの方が好きだけど……この際贅沢は言ってられないんだよ」

イビルジョー「いただきまーす」

ハンター(交渉決裂……!)ジャキ

ハンター(こんなこともしょっちゅうだ……)

ケース4:和解

ハンター「おっ」

アオアシラ「あっ、ハンターさん」

ハンター「久しぶりだな」

アオアシラ「一緒にハチミツ食べよ?」

ハンター「あー、ハチミツ単品はちょっと……」

アオアシラ「そう……」

ハンター「また今度な」

ハンター(こんなふうに顔なじみも出来たりする)

ケース4:和解

ハンター(だが一方で……)

ハンター「おっ」

アオアシラ「あっ、ハンターさん」

ハンター「久しぶりだな」

アオアシラ「一緒にハチミツ食べよ?」

ハンター「あー、ハチミツ単品はちょっと……」

アオアシラ「そう……」

ハンター「また今度な」

ハンター(こんなふうに顔なじみも出来たりする)

##########

村長「あら、ハンターさん、ちょっといいでしょうか」

ハンター「なんですか?」

村長「最近、以前追い払っていただいたジンオウガが、また姿を表すようになったようなのです」

ハンター「そうなんですか……知らなかった」

村長「ですから、今回もあなたにお願いしてよろしいかしら」

ハンター「わかりました、じゃあ装備を整えてから発ちますね」

村長「お願いします」

ハンター(以前は薬を飲んでいない時の邂逅だったからなぁ……もしかしたら話が通じるかもしれない)

ハンター(いや、よく考えたら結構切っちゃったし……無理だな)

ハンター(まぁとりあえず準備をしないと)

##########

ジンオウガ「……zzZ」

ハンター(寝てる……)

アイルー「どうしますかニャ?」ヒソヒソ

ハンター「とりあえず話し合いに持って行ってみる、それで無理だったら、さっきの場所に落とし穴設置しといてくれ」ヒソヒソ

アイルー「わかりましたニャ」ヒソヒソ

ハンター(よし、まずは印象が悪くならないように挨拶からだな)

ハンター「こんばんはー」

ジンオウガ「!?」ビクン

ハンター「お休み中のところすみません」

ジンオウガ「あ、あんた……あの時の……」ブルブル

ハンター「あ、その節は大変失礼なことを……」

ハンター(覚えてたか……とりあえずは下手に出ておかないとな)

ハンター「それでですね……今回は」

ジンオウガ「うわああああああああああああん!!」ビリビリ

ハンター(うるせえええええええええええええええええええ!!)

ジンオウガ「なんなんや、なんで皆してウチをいじめるんや!」

ハンター「は?」

ジンオウガ「ウチかて好きでこんなところに来たわけとちゃうもん! あのクソジジィに追い出されて逃げてきただけやもん!」

ハンター「は、はぁ……」

ジンオウガ「ウチだって、別に荒らすつもりなんてないんや……でも皆が勝手に怖がって……」メソメソ

ハンター(なんだコイツ)

ジンオウガ「でも……ウチのこといじめるんやったら……」バチバチッ

ハンター(あ、やば……)サッ

ジンオウガ「こっちだってええええええ!!!」バリバリバリバリ

ハンター「うおぅ!?」ゴロゴロ

ジンオウガ「うわああああああん!」ブンブン

ハンター「おち、落ち着け! 俺は別にお前を狩りにきたわけじゃねぇ!」

ジンオウガ「……えっ?」ピタ

ハンター「話し合いで解決するなら、そうしたいと思ってるし、そのために協力もする」

ジンオウガ「ほんまに?」

ハンター「あぁ」

ジンオウガ「ウチのこと、いじめたりせぇへんの?」

ハンター「お前が暴れないならな」

ジンオウガ「…………ひっく」

ハンター「あ?」

ジンオウガ「うわあああああああああああああああああああん!!」バリバリ

ハンター「うるせえええええええええ!! 黙らねぇとその角へし折るぞおおおおお!!」

ジンオウガ「ひっ……やっぱりいじめるんやぁ!」

ハンター「もうお前黙ってろよおおぉ!」

##########


アイルー「ニャるほど……そういうことだったんですニャ」

ジンオウガ「うん……あのジジィのせいで、ウチらの家族はみんな離散してもうて……」

ハンター「……」

ジンオウガ「ハンターさん、さっき協力してくれるって言うたやろ?」

ハンター「……あぁ」

ジンオウガ「お願いします……あのジジィを倒すの手伝ってくださいっ!」

ハンター「……アマツマガツチ、か」

アイルー「よりにもよって古龍ですニャ……」

ハンター「俺パス」

ジンオウガ「…………」

ジンオウガ「え」

飯だってさ……

ハンター「古龍ってアレだろ? なんかよくわからない超常現象みたいな生き物」

ジンオウガ「え、うん……」

ハンター「無理無理、そもそもあいつらに俺たちの武器通用するのか?」

ジンオウガ「多分……通用するんやないかな」

ハンター「だってお前みたいなモンスターが太刀打ちできないで逃げてくるんだろ? 人間が相手できるわけないだろ」

ジンオウガ「だってさっき、協力してくれるって……」

ハンター「よく考えたらこのへんで暮らしてればいいだけだろ、人にさえ迷惑かけなきゃいいんだし」

シンオウガ「そんな……話がちゃうやん!」

ハンター「知らん、別に暮らしにくいわけでもないだろ、この辺」

ジンオウガ「それは……そうやけど……」

ハンター「じゃあ問題ないな。あ、アオアシラは俺の友達だからいじめんなよ」

ジンオウガ「そ、そんな……」ポロッ

アイルー「あ、ナミダゲットニャ」パシッ

ハンター「達者でな」スッ

ジンオウガ「待ってえええ! 見捨てんといてえええええ!!」ブァ

ハンター「うおおおおお!?」ゴロゴロ

ドシーン

ハンター「こここ、殺す気か!?」

ジンオウガ「なんでウチに冷たくするん!?」

ハンター「普通の人間の対応だ!」

ジンオウガ「ええやん! アンタ強いんやろ!?」

ハンター「限度ってもんがあるんだよ!」

ジンオウガ「人間の男は女の子には優しくせんとあかんって聞いたで!?」

ハンター「は?」

ジンオウガ「なんや」

ハンター「雌? お前?」

ジンオウガ「せや」

ハンター「…………ないわー」

ジンオウガ「」

ジンオウガ「…………」バチバチ

ハンター「やっべ」

ドーン

##########

村長「ハンターさん……それは一体」

ハンター「あー、暴れたりはしないらしいから……その、大丈夫かと」

ジンオウガ「どうもー」

アイルー「ご主人様……どうするんですかニャ、この子」

ハンター「門のとこに繋いどくか、あの門番もどっか行って働くようになるんじゃないか?」

アイルー「はぁ……」

ジンオウガ「なぁなぁ、ウチはどこで寝ればいいん?」

ハンター「うん、とりあえず森へ帰れ」

ジンオウガ「アンタがジジィ倒してくれたらどっか行ってもええで」

ハンター(どうしよう……コイツすごく狩りたい)

##########

ハンター(結局農場に住み着きやがった……)

ジンオウガ「あー……もうこのままここに住んでもいいかもしれへん……」ゴロゴロ

畑アイルー「ニャー!? 薬草畑がー!」

ハンター「…………」

ジンオウガ「あ、役立たずのハンターさんやないですか」

ハンター「死にたいようだな」

ジンオウガ「やーん」

ハンター「…………おい、アマツマガツチの正確な場所を教えろ」

ジンオウガ「え?」

ハンター「いつまでもここにいられちゃかなわん、狩るまではできなくても、追っ払うくらいなら手伝ってやる」

ジンオウガ「ほ、ほんまに!?」

ハンター「あぁ」

ジンオウガ「ああ、ありがとうございますぅ!」

ハンター「追っ払ったらちゃんと出て行けよ? そして二度と戻ってくるな」

ジンオウガ「うぅ……まさか人間にこんなに優しくしてもらえるなんて……」ポロポロ

ジンオウガ「離れ離れになってたお兄ぃや姉ちゃんにも、やっと……」

ハンター「ちなみに聞くが、家族はどれくらいいるんだ?」

ジンオウガ「お兄が2人、お姉が2人やったんやけど……一番上のお兄ぃはあのジジィに……」

ハンター「そうか……」

ジンオウガ「お母さんとお父さんは、昔人間に狩られたって聞いたけど……」

ハンター「…………」

ジンオウガ「あ、でもウチ顔知らへんし、そのへんは気にしとらんよ?」

ハンター「ならいいんだが……」

ハンター「その兄弟たちと連絡は取れるのか?」

ジンオウガ「それが……逃げるのに必死で……」

ハンター「……仕方がない、そこからか」

ハンター「お前の頼みを聞いてやる、が、条件が2つある」

ジンオウガ「なぁに?」

ハンター「俺がなんとか兄弟を見つけ出してやる。そしたらお前からそいつらに協力を要請しろ」

ジンオウガ「探してくれるん!?」

ハンター「国に報告が上がってれば分かる」

ジンオウガ「まかせてや! 絶対に説得してみせる!」

ハンター「それともう一つ……俺に対する見返り、報酬に関してだが」

ジンオウガ「ウチにできることだったらなんでもするで!」

ハンター「そうか、なら……」

ハンター「体で払ってもらおうか」

ジンオウガ「…………」

ジンオウガ「え?」

アイルー「ご、ご主人様……そんニャ趣味があったニャんて……」

ハンター「出発前の腹ごしらえはアイルー鍋だな」

##########

ジンオウガ「ウチの毛が欲しいんやったらそう言ってくれればええのに……」

ハンター「ちゃんと他のとこももらうぞ? どうせ代謝で剥がれたりするんだろ」

ジンオウガ「まぁ、たまにな」

ハンター「あと、ちょっとくらいなら剥がしてもいいだろ?」

ジンオウガ「痛いのは嫌や!」

ハンター「大丈夫大丈夫、ちゃんと麻酔するから」

ジンオウガ「そういう問題やない!」

アイルー「ご主人様ー! ハンター協会からお手紙が届きましたニャ!」

ハンター「来たか」バリッ

ハンター「…………なるほど」

ジンオウガ「みんなは無事なん!?」

ハンター「あぁ、雌1匹と雄1匹は、今もそれぞれ生活しているようだ」

ジンオウガ「……ちょっとまって、お姉ちゃんは二人やで?」

ハンター「もう一匹は……」

##########

―王立大闘技場―


姉ジンオウガ「…………」

姉ジンオウガ(人間に捕獲されて、こんな場所で見世物にされる日々)

姉ジンオウガ(たまに広いところに連れ出されて、雑魚と戦わせられることがあるくらい)

姉ジンオウガ(私は、なんのために生きているんだろう……)

飼育員「ほら、今日はポポノタンだぞ。直送品だ」

姉ジンオウガ「……」プイッ

飼育員「まいったな……水しか飲まないからどんどん痩せて行ってやがる……」

飼育員「このままじゃこいつ……」

姉ジンオウガ(人間に手懐けられてたまるか……私は誇り高い一族の一員だ)

姉(……他の兄弟たちは、何をしているんだろうか……)

姉(会いたい……な)ウトウト

ガタン ゴトン
ガラガラガラガラ

姉「…………ん」

姉(あれ……ここは……?)

姉(狭い……それに、変な匂いがする……)

姉(どこなの……ここは……)

ガラガラガラガラ

ガラガラ…
ガタン

姉(止まった……?)

村長「あらあら、ご苦労さまです」

御者「いやぁ、それにしてもまさかコイツをお買いになるとは……」

村長「友人の頼みでして……色々と助けていただいたものですから」

御者「そうだったんですか……いや、竜人族の方がこういう買い物をするなんて珍しいもんだなぁと思っていたんですよ」

村長「そうですね……今回は特別ですから」

姉(臭い……硫黄の臭い?)

村長「あなたがあの子のお姉さんなのですね」

姉(この竜人族、私に何か言ってる?)

御者「では、この檻はこのままでよろしいんですね?」

村長「はい、ご苦労様でした」

御者「またよろしくお願いします」

姉(あれ……この匂い……わずかに混ざってる……)

姉「も、もしかして……」ガタン

村長「あらあら、もしかしたら気づいたのかしら」

村長「もうちょっと待ってくださいね」

姉「これ……これは……」ソワソワ

「お姉ちゃん!」

姉「この、声は……!」

ジンオウガ「おねえちゃああああああん!」

姉「妹ちゃん!」

バキバキバキバキ
ガッシャアアアアン

村長「あらあら」

ハンター「村長! 一旦こっちに避難してください!」

ウオオオオオオオオオン
ウオオオオオオオオオン

ハンター(うるせええええええええ!!)

##########

兄「お前たち……よく無事で……」ポロポロ

姉2「本当に……えがっだだぁ……」ポロポロ

姉「みんな……会えてよかった……」ポロポロ

ジンオウガ「うん……うん……」ポロポロ

アイルー(竜のナミダがあんニャに……)ゴクリ

ハンター「ちゃんと拾っとけよ」

アイルー「ラジャ!」

ハンター「えー、感動再会中に悪いんですが、そろそろ本題に入りたいんですよ」

姉「……本当に、私たちと会話ができるんだね」

ジンオウガ「せやで! ウチも初めてあったときびっくりしたわ」

ハンター「とりあえず霊峰からアマツマガツチを追い出すのが目的なんですけど、皆さんにはそのために力を貸してほしいんです」

兄「…………人間、ヤツと、戦うつもりか」

ハンター「まぁそういうことになりますね」

姉2「オラは、やめといたほうがいいと思うだ」

ハンター「いや、それでも皆で力を合わせれば…………」

姉「……」

ハンター「……そんなにヤバイですか」

兄「俺の弟は……ヤツの風に一瞬で引き裂かれた」

ジンオウガ「…………」

ハンター「まじか」

ハンター「オイコラ、話と全然違うじゃねぇかどうなってんだ」

ジンオウガ「お、お兄ちゃんは頑張ったんや!」

ハンター「ちょっと待ってください、あの、相手も結構ダメージを食らったって聞いたんですけど」

姉「私たちの電撃は、ヤツには一切届かなかった……悔しいけどね」

姉2「オラぁ……あんなおっかねぇ思いは初めてだっただ……」

ハンター「」

ジンオウガ「な、なぁ……どうしたん?」

ハンター「黙れ」

ジンオウガ「なっ」

ハンター「ガセネタ掴ませやがったなこのアマ……何がもう少しで勝てただ」

ジンオウガ「ほ、本当やもん!」

ハンター「俺は手を引くぞ、お前らが束になっても全く歯が立たない相手に人間が立ち向かえるか」

ジンオウガ「や、約束と違うやん!」

ハンター「お前の話を信じて勝算アリと見込んだんだ。それがガセだってんなら話は別だ」

ジンオウガ「逃げるんか、臆病者!」

ハンター「臆病者大いに結構。俺は自分の命が大事なんでな」

姉「もうやめておきな……人間に頼るべきじゃない……これは私たちの問題だよ」

ジンオウガ「せやかて!」

兄「もういいんだ……どこか別の場所を見つければいい、そこで暮らそう」

姉2「んだ」

ジンオウガ「そんな……」

兄「人間よ、礼を言わせてくれ」

ハンター「礼はいいから、移り住んだ先であんまりはしゃぐなよ? ハンターが差し向けられちまうからな」

姉「助かったよ……本当にありがとう」

ジンオウガ「…………」

ハンター「……達者でな」

##########


ハンター「なんかさぁ」

アイルー「ニャんですかニャ?」

ハンター「あいつらが群れて動いたらヤバイことになるような気がするんだよな」

アイルー「……たしかにそうですニャ」

ハンター「嫌な予感がs 「おいおいえらいことになったぜ!」

ハンター「…………勝手に入ってくるなよ」

行商人「それどころじゃねぇ! ロックラックギルド本部が、ジンオウガの群れを捕獲するためにハンター団を結成したっつー話だぞ!」

ハンター「……あいつらに目立つなってほうが無理だったか」

アイルー「ご主人様……どうしますかニャ」

ハンター「…………」

##########


ジンオウガ「…………」

姉「大丈夫よ……きっといい場所が見つかるから」

姉2「心配すんなって、オラたちみんなで居ればでぇじょうぶだぁ」

ジンオウガ「うん……」

兄「…………いかん」

姉「どうしたの?」

兄「他の龍の縄張りを避けながら進んできたが……どうやら縄張りの入り組んだところに来てしまったらしい」

姉「っ!」

兄「それにこの感じは……」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

ジンオウガ「!?」

姉「この品のない歩行音……間違いないわ」

ズザアアアアアア

ティガレックス「おうおうおうおう、なんやなんや、この辺じゃあ見いひん顔やなぁ」

姉2「あぁ……」

ジンオウガ「うわぁ……」

兄「すまない、縄張りを荒らすつもりはなかったんだ」

ティガレックス「ごめんで済んだらハンターはいらないんじゃあこのダボがぁ!」

兄「すぐに出ていくよ、本当に申し訳ないことをした」

ティガレックス「だぁかぁらぁ、侘びのいれかたっちゅうもんがあるやろがァ、アァン?」

ジンオウガ(うざ……)

ティガレックス「よぉネェちゃん……可愛い顔しとるやないけ……」ベロリ

ジンオウガ「」ゾゾゾ

姉「ダメよ!」

ティガレックス「ちょっとうちの寝床に来てくれたら、今回のことはみz

ジンオウガ「死ねえええええええええええ!!」バリバリバリ

ティガレックス「あんぎゃああああああああああああああああああああ!!」

ティガレックス「」ジョウズニヤケマシタ!

姉「な、なんてことを……」

ジンオウガ「だって……このオッサン臭いしキモイし……」

姉2「大変なことになっただ……」

兄「逃げるぞ! 走るんだ!」

ジンオウガ「え、え?」

兄「言っただろう! ここは縄張りが入り組んでいると!」

姉「周りのモンスターが押し寄せてきて、大混乱になるわよ!」

ジンオウガ「そ、そんな……」

ズルズル ズルズル

兄「早速来たか」

フルフル「ぱしへろんだすー」

兄「マズイな……話し合いはできそうにない」

姉「どうする?」

兄「逃げられればいいんだが……こう縄張りが入り組んでいると……」

バッサバッサ

姉2「また何か来ただ……」

ギギネブラ「ぬあー」ドシーン

ジンオウガ「なんでこんなにキモイのしかいないのぉ!?」

「おやおや……本当にジンオウガの群れがいらっしゃるとは……」

ジンオウガ「!?」

兄「どこだ……どこにいる……」

姉「…………」

姉2「あわわ……」

「ここですよ」ヌゥ

兄「!」

オオナズチ「はじめまして」

ジンオウガ「うげぇ……」

姉(このあたりは気持ち悪いのしかいないのか……)

ちょっとユクモ温泉入ってくる

兄「何者だ……?」

オオナズチ「そう構えないでください、あなたがたと争う気は毛頭ありませんから」

姉「じゃあなんのためにここへ?」

オオナヅチ「伝言を頼まれましてね……ちょっとした知り合いから」

兄「伝言?」

オオナズチ「『霊峰へ向かえ』と……我々の言葉を解する、奇異なハンターから」

ジンオウガ「!」

オオナズチ「では私はこれで……お気を付けて」スゥ

兄「消えた……」

ジンオウガ「アイツが……どういうことなんや……」

フルフル「あばばばばばばばば」ブルンブルン

兄「こいつはまぁ……大して驚異じゃないが……」

ギギネブラ「うーん、うーん……」プルプル

ギギネブラ「ぁはぁ」ズルリ

姉「な、なんだあれは……」

ボコボコボコ

ギィギ「キーキー」

ジンオウガ「いややあああああ! 来るんやない!」ビリビリ

兄「落ち着け……また何か厄介なのがくる危険性がある……」

姉「どうするの……今のギョロ目の言葉……」

兄「…………どの道、ここにいては危ない」

姉2「んだ」

姉「はぁ…………じゃあ古巣に向かおうか」

ギィギ「キーキー」

ジンオウガ「こんといてええええええええええ!!」バシーンバシーン

兄「皆……全力疾走だ!」

##########

ハンターA「いた……滅茶苦茶走ってるぞ、オイ……何がしたいんだ」

ハンターB「うーん……まぁあの混沌状態から抜け出してくれたのはよかった……のか?」

ハンターA「まぁいい、とりあえず動きを報告するのが俺たちの仕事だ」

ハンターB「だな」

ハンターA「じゃあこの信号弾を向こうへ……と」ジャキン

バシュ

ハンターA「よし、連中の尻を追いかけるぞ」

ハンターB「おう!」

##########

ジンオウガ「はっ……はっ……」ザンザンザンザン

姉「ふっ……ぐっ……」ヨロッ

ズシャアアアアアア

ジンオウガ「お姉ちゃん!?」

兄「どうした!」

姉「だ……じょ……」

ジンオウガ「せや……お姉ちゃんずっと人間に閉じ込められてたんやった……」

兄「しまった……忘れていた……」

姉「行って……」

ジンオウガ「え!?」

姉「私のことはいいから……早く皆は……」

ヒュウウウウウウウ

兄「! いかん、逃げろ!」

ドパパパパパパパ

兄「ぐあああああああああああ!」

ジンオウガ「お兄!」

姉2「なんだべ!?」

ハンターC「曲射命中確認、いったん引くぞ」

ハンターD「ウッス」

ジンオウガ「あいつら……」バチバチ

兄「ま、待て!」

姉「はっ……はっ……」

ジンオウガ「殺してやる!」ガアアアアアアアア

ハンターD「食いついたっすね」

ハンターC「これで向こうは多少楽になるだろう、走るぞ!」

ハンターD「ウッス」

ジンオウガ「よくも……お前たち、許さない!」

アイルーC「来たニャ」

アイルーD「点火するニャ」シュ

大タルG「シュウウウウウウウウ」

ジンオウガ「逃がさへんで!」

大タルG「どーん!」

ボガァァァアアアアン

ジンオウガ「きゃあああああああああああああ!!」

##########


ハンターA「よし……行くぞ」

ハンターB「背中、預けるぜ」

ハンターA「まかせろ」

ハンターB「OK……3、2、1、GO!!」ダッ

姉2「なっ!?」

兄「いかん!」

ハンターB「ぜあああああああああああああ!!」ブン

ズシャァ

姉2「あああああああ!」

兄「くそおおおおお!」ブン

バシュ

ドガン

兄「うぐっ」

今度こそ風呂

ハンターA「俺が全部止めてやる、脇目ふらずにたたみかけろ!」

ハンターB「やっぱお前は最高だぜ!」グググッ

兄「ぐっ……逃げろ……」

ピキュイン

姉2「あ、足が……腱を切られただ……」

姉「そんな……いや……」

ハンターB「尻尾はもらったああああああ!!」ブン

ビュオオオオオオオオオ

ハンターB「ぐぉ!?」ブワッ

ドサァァ

ハンターA「なっ!?」

グォオォオオオオオ ビュオオオオオオオオオ

ハンターA「なんだ……空が……雲が、低い?」

兄「こ、この風……まさか……」

姉「あ、あぁぁあ……」

ゴロゴロゴロゴロ
ピシャアアアアアン

キュオオオアアアアアアアアアアアアアアアア

##########

ハンターD「なんか……空気がおかしいっスよ」

ハンターC「あぁ……一体何が……」

ジンオウガ「ぐ……これ、は……」




アマツマガツチ「キュオオオアアアアアアアアアア!!」ゴォゴォ

ハンターA「なっ……」

ハンターB「くっ……なんだ今の風は……」

ハンターA「おい、マズイやつが乱入してきた!」

ハンターB「あ……あれは」

ハンターA「撤退だ! 逃げるぞ!」

ハンターB「あ、あぁ!」

兄「なぜ……こんなところに……」

姉「もう……終わりね……」

アマツマガツチ「キュオオオアアアアアアアアアア!!」ブオオオオ

ハンターD「行きましょうよ! マジヤバイっすよ!」

ハンターC「言われなくても逃げるわ、あんなん!」

ジンオウガ「あかん……ほんまにもう終わりや……」

アマツマガツチ「…………」ゴウゴウ

フワー

アマツマガツチ「…………」ビュウウウウ

兄「え?」

姉2「行った……?」

姉「どういう……ことなの」

##########

ジンオウガ「なんだったんや……」

シュタシュタシュタ ズザアアアアア

ナルガクルガ「着きました!」

ハンター「おいおい……生きてるか、お前」

ジンオウガ「え!? アンタ……なんで……」

ハンター「いや、途中でギルドの連中が罠張ってるらしいって聞いてな、一番手っ取り早い方法で解決した」

ジンオウガ「手っ取り早い方法?」

ハンター「取引したんだよ……あれと」

ジンオウガ「あれって……あのジジィのこと!?」

ハンター「まぁな」

##########

~数日前~

アイルー「ご主人様……どうしますかニャ」

ハンター「…………」

村長「失礼します、ハンターさんはいらっしゃるかしら」

ハンター「あ、はい」

村長「王立武器工匠と、それから古龍観測隊、ギルドからの荷物やお手紙が届きましたの」

ハンター「きたか!」ガタッ

アイルー「ニャ?」

ビリビリ

ハンター「…………」

行商人「おいおい、なんか仰々しい名前のところばっかじゃねぇか」

ハンター「まさかとは思ったが……あの悪食野郎……」

アイルー「一体ニャにが起こっているんですかにゃ?」

行商人

ハンター「よし、霊峰に向かうぞ」

アイルー「ニャ!?」

ハンター「そうだ……伝言も頼まないといけないな……でもそうするとこっちの足が……」

ハンター「仕方ねぇ、アイツを使うか」

ハンター「アイルー、万が一のことを考えて、甲一種装備セットだ!」

アイルー「ニャ!?」

ハンター「急げ!」

##########

―霊峰―

アマツマガツチ「…………」ゴゥゴゥ

ハンター「いたか」

アマツマガツチ「なんや、ぬし」

ハンター「あんた、これ探してるんじゃないのか」

アマツマガツチ「うちん言葉のわかる人間はひさs……ぬあ!」

ハンター「……」キラキラ

アマツマガツチ「う、う、う……」

アマツマガツチ「うちん玉ば返せぇ!」

~アマツ回想~

アマツマガツチ『節々が痛くてかなわん……年のせいやろか……』

アマツマガツチ『久しぶりに地べたで寝ろう……』

アマツマガツチ『ふぁああああ』

アマツマガツチ『……ZZZ』

イビルジョー『……』ヒョコ

イビルジョー『…………』

イビルジョー『年季が入って熟成した肉は、とっても美味しそうなんだよ……』ジュル

イビルジョー『もう30分も何も食べてないし、お腹が減って死にそうかも』

イビルジョー『ちょっとくらいなら大丈夫! なんだよ』

イビルジョー『いただきまーす!』ガブッ

アマツマガツチ『!!!???』

アマツマガツチ『あんぎゃあああああああああ!?!?!?』

イビルジョー『うーん……これは……』

イビルジョー『しなやかでなめらかな食感……噛むとシャッキリポンと舌の上で踊る肉質……』

イビルジョー『まさに絶品なんだよ! いきててよかったかも!』

アマツマガツチ『くぁwせdrftgyふじこlp』

イビルジョー『あわわ……流石にこれはマズイんだよ……』

イビルジョー『ごちそうさまでしたー!』

アマツマガツチ『s4えrf6tj0lpcd5りjk5えrついおp!!!!!』

##########

ハンター「やっぱりな……この間狩ったイビルジョーを捌いてたら、おかしなもんが出てきてな」

ハンター「王立武器工匠に調べてもらったら『確証は持てないが、おそらく天空の龍玉と呼ばれる伝説の素材である』だっていうからさ」

ハンター「で、古龍観測隊とギルドに、アンタとイビルジョーの移動経路を調べてもらったら、ドンピシャだったってわけだ」

アマツマガツチ「かあああああああええええええええせえええええええええええ!!!」

ハンター「ほれ」ポーイ

アマツマガツチ「うおおおおお!」パシ

シュルシュル

ハンター「おぉ……吸い込まれていった……」

アマツマガツチ「……ふぅ」

ハンター「どうだい、回復したか?」

アマツマガツチ「…………ぬし、なしてうちん言葉わかる?」

ハンター「いろいろあってね」

アマツマガツチ「……一応礼ば言うておこう」

ハンター「礼はいいんだけどさ、二つほど頼みがあるんだ」

アマツマガツチ「なんぞ?」

##########

ハンター「で、ここから立ち去ることと、途中で人間の注目を集めるように、ちょっとばかしお前らのあたりで風を吹かせるように頼んだんだ」

ジンオウガ「そんなことが……」

ハンター「ってことで、あそこは今空だから、早く行かないと縄張り取られちまうぞ」

ジンオウガ「…………」

ハンター「じゃあな」

ジンオウガ「あ、あの……」

ハンター「ん?」

ジンオウガ「あり……がとな」

ハンター「そう思うなら二度とこっちに降りてくるなよ」

ジンオウガ「なっ!」

ハンター「当たり前だろ……そのために危険な橋を渡ったんだからな」

ジンオウガ「…………」

ハンター「分かったらとっとと兄妹揃って行け」

ジンオウガ「ふんっ……」ドシーン ドシーン

ハンター(揺れる……嫌がらせか?)

ハンター「さて、帰るか」ガシッ

ナルガクルガ「ふんっ」ブン

ハンター「いってぇ!?」

ナルガクルガ「私は足がわりに使うだけなのに……なんであのビリビリしたのには手をかけるんですか?」

ハンター「別に手をかけたわけじゃないからな?」

ナルガクルガ「絶対嘘です!」

ハンター(めんどくせぇ……やっぱりコイツを頼るべきじゃなかったな)

ハンター「わかったよ……もうお前も呼ばないから、それでいいだろ」

ナルガクルガ「そういうことじゃ無いんです!」

ハンター(あー……早く帰って寝たい)

##########

行商人「おい聞いてくれ! 今度はすんげぇ目玉商品が入荷しt「結構です」

行商人「そう言うなって! 今度はすんげぇぞ!? なんたって竜人族の秘宝だからな!」

ハンター「帰ってくれませんかねぇ……うち押し売りお断りなんですよ」

行商人「いやいや、これ聞いたら絶対欲しくなるって! 賭けてもいいぜ!?」

ハンター「話だけなら聞いてやらんこともないがな……俺朝風呂行きたいから手短に頼むわ」

行商人「ふふふ……驚くなよ? 今回は旦那が飲むもんじゃねぇのよ」

ハンター「は?」

行商人「これを食べたモンスターが人間になる、人化肉だ!! お値段なんと破格の100000Z!」

ハンター「出て行け」ゲシッ



おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月28日 (木) 16:20:55   ID: I95ksg_U

今度はその肉をジンオウガやナルガに食べさせてきゃっきゃうふふ組んず解れつするんですね分かります。

2 :  SS好きの774さん   2015年05月10日 (日) 17:04:10   ID: RQ8hKmZ8

暴食シスターイビルデックスさんですね。分かります

3 :  SS好きの774さん   2015年05月10日 (日) 22:51:02   ID: 1U4zVA9G

そして今度は擬人化ハーレムをつくって主にジンオウガ娘ちゃんとイチャイチャするんですね分かります。

4 :  SS好きの774さん   2016年02月01日 (月) 19:15:39   ID: _J-mJk9f

アマツの姐さんと夜の格闘するんじゃないの⁇

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