男「クックック…さぁて、今日はどの娘にするかな」 (106)

メイド「旦那様、馬車の用意が出来ました」

男「それじゃあ行くか」

メイド「はい」

~奴隷市会場~

青年「待ってろよ、絶対俺が助けてやるからな」

司会「さあさあ次の商品は――」

男「おぅ、やってるなぁ邪魔するぜ」

ざわ…ざわ…

青年「な、なんだ?あの男が来た途端…?」キョロキョロ

客「ん?兄ちゃんあの男の事知らねぇのか」

青年「え?」

客「いつもフラッとやってきては上玉を掻っ攫っていきやがる」

客「今まで何人もの娘を競り落としたにもかかわらず屋敷にはメイドと二人だけ」

客「巷じゃ一晩で潰しちまうからだってもっぱらの噂…おっと」

男「随分な言い草じゃねぇか」

客「へへへ…あ、あぁ急に用事を思い出したわ」スタコラ

青年「……」

男「ま、よろしくな」

司会「えー、次の商品はコチラ!」

少女「…」オドオド

青年「!!」

男「ほぅ…あれが目当ての娘か」

青年「だったら何ですか」ジロッ

男「んな怖い顔すんなって」ヘラヘラ

司会「それでは2千から、どうぞ!」

下衆男「グヘヘヘ…みすぼらしい身なりだが、なかなかワシ好みの娘ではないか」

青年「に、2千5百!」

下衆男「3千」

青年「3千5百!」

下衆男「5千」

青年「6千!」

男「頑張るねぇ」

青年「あなたは黙っててください」

男「へいへい」

下衆男「8千」

青年「1万!」

下衆男「小僧が生意気な…2万!」

青年「2万5千!!」

下衆男「おのれ、3万!」

青年「3万…6百」

男(頃合い、だな)

下衆男「フヒヒヒヒ…3万5千だ」

青年「クッ…」ガク

司会「3万5千出ました、他の方は?」

下衆男「ふん、手こずらせおって」

司会「えー、それでは3万5千で――」

男「…20万」

会場「!?」

ざわ…ざわ…

男「聞こえなかったのか?20万だ」

司会「え、あぁ、す、すみません…じゅ、20万、他の方は?」

会場「…………」

司会「で、では20万でそちらの男性に決定です!!」

書くの遅くてすまんね
初SSで色々手間取ってるのとさっきから腹が痛くてちょくちょくトイレ行ってる

~奴隷市裏口~

メイド「さぁ、旦那様に挨拶なさい」

少女「その、は、はじめまして」モジモジ

男「まぁそういうのは後でもいいだろう、馬車を出してくれ」

メイド「かしこまりました」

青年「ま、待ってくれ!!」

少女「ぁ…青年」

男「何の用だ?」

青年「無理を承知で頼む、その子を俺に譲ってくれ!!」

青年「もちろんタダでとは言わない、今すぐには無理でも20万、いや40万」

青年「一生掛けてでも払うと約束する、だから頼む!!」

男「そういうのいいから」

青年「え?」

男「この俺がたかが20万や40万ぽっちで首を縦に振る訳ないだろ」

青年「だったらどうすれば…」

男「どうにもならんさ、話はこれまでだ……今夜は忙しくなるんでな」ニヤリ

青年「き、貴様ぁぁああ!!」ダッ

男「メイド」

メイド「はい」ドスッ

青年「ぐっ…う……少…女…」ドサッ

少女「青年!?やだ、青年!?」

メイド「…」スッ

少女「だ、旦那様!わたし何でも言う事聞きます、だから青年を殺さないでッ」

男「…だそうだ、どうする?」

青年「ふぜけるな、誰が…!?」

少女「……」フルフル

青年「少女…」

男「決まりだな、メイド、馬車を出せ」

メイド「はい」

青年「ク、ソォ…チクショオォオオ!!」

~屋敷~

少女(広い…けどあんまり物がない?)キョロキョロ

男「さて、まずは風呂だな」

少女「!!」ビクッ

男「メイド、少女を風呂に入れてやれ」

少女「…」ホッ

メイド「旦那様はいかがいたしますか?」

男「今夜は長丁場になりそうだからな、少し仮眠をとる」

メイド「では食事の準備が出来たら起こしに伺いますね」

男「ああ、頼む」

~食堂~

少女(お風呂場もそうだったけど台所も思ったより普通…かな)キョロキョロ

メイド「さっきからどうされました?」

少女「え、えっと、その…」

メイド「あぁ、外から見たお屋敷が立派なのに中身が質素で驚きましたか?」

少女「は、はい…あ、いえ、あのッ」アタフタ

メイド「お気になさらず、旦那様はああ見えて節約家なんですよ」

メイド「まぁ、そのかわり趣味には出費を惜しまないのですが」

少女「趣味?」

メイド「えぇ、常人にはあまり理解されないようなものですが」

~食後


男「飯も食ったしそろそろ始めるか」

少女「!」ピク

男「メイド、後で俺の部屋にハサミとボトルとクリップ、それと汚れるからシーツも持ってきてくれ」

男「あぁ、それからついでに…」ゴニョゴニョ

メイド「かしこまりました」

少女「旦那様?一体何を」

男「すぐにわかるさ」ニヤリ

少女「ヒッ」ガクブル

~男の部屋~

男「よし、準備は万端だな」ジャキン

少女「だ、旦那様、そのハサミ何に使うんですか?」

男「決まってるだろう、その邪魔なものを切るんだよ」

少女「やだ、怖いですッ」

男「下手に暴れると怪我をするのはお前の方だぞ」

少女「ぁぅ…」

男「そうそう、大人しくしていれば手荒な真似はしない」

少女「わかり、ました…優しくしてください」

シュッ シュッ

男「もう少しアゴを上げろ」

少女「は、はい」

シュッ シュッ

男「目に入るかもしれないから目は閉じてろ」

少女「ん…」ギュ

シュッ シュッ

男「よし、もういいぞ」

チョキ チョキ

男「もう少し切った方がよく見えるか」

チョキ

男「ふぅ…前はこんなもんかな」

チョキ チョキ



……

………

~酒場~

青年「うぅ…少女…チクショ~」ヒック

青年「やってられっかぁ酒だ酒!もっと酒持ってこ~い!!」

店主「お兄さん飲み過ぎだよ、その辺にしとかないと」

青年「うるさいッ、アンタにゃ関係ないだろうがッ!!」

店主「やれやれ…」

???「お隣よろしいかしら?」

青年「んぁ?んなの好きにすれば…ってお前は!?」

メイド「お久し振り…って程でもないかしらね?」

青年「何しに来たんだよ、俺の事笑いにでも来たのか!?」

メイド「旦那様から手紙を預かってまいりました」スッ

青年「今更あの男が俺に何の用だってんだよ!?」グシャ

メイド「その手紙にすべて書いてありますよ」

メイド「とりあえず私の用事は済みましたので失礼いたします、では」

青年「フン」ポイッ

メイド「…どうか悔いのないように」

青年「……」

店主「事情はよくわからんがその手紙、読んどいた方がいいんじゃないかね?」

青年「……」チラ

店主「あのお嬢さんも言っとったが後悔せんようにな」

青年「…チッ」パラ

『二人の新たな門出を祝福するために屋敷に来てほしい    

 追記:早く来れば後ろの最初くらいはやらせてやってもいいぞ』

青年「…ぁんのクソがぁぁぁあああああ!!!!」ダッ

店主「あ、おいッお代は!?…ったく、しゃあねぇツケとくか」

~屋敷~

青年「ぜぇ……はぁ…」

青年「男!どこだ出てきやがれ!!」

男「よぉ青年、遅かったじゃないか」

青年「少女は、少女はどこだ!?」

男「疲れて奥の部屋で寝てるよ」

青年「貴様…少女に何をした!?」

男「手紙に書いてあっただろう?お前が遅いから全部俺がやったよ」

メイド「先ほどまでお楽しみでしたね」

青年「許さねぇ…」プルプル

男「来いよ青年、漢なら欲しいもんは自分の手で掴んでみろ!!」

青年「野郎ぶっ殺してやらぁ!!」ブンッ

男「ぐぁーーーーッ」ドンガラガッシャン

メイド「まったく、見てられませんね」スッ

少女「ん……ぅ…?」ヨロヨロ

メイド「あら?起こしちゃいましたか」

男「ナイスなタイミングだぜェ」ボロボロ

青年「少女!!」

少女「あ、青年…来てくれたんだ」フラフラ

青年「少女、怪我はないか!?酷い事されなかったか!?」

少女「え?別に何もされてないよ?」

青年「…へ?」

男「そろそろ頃合いだな、メイド」

メイド「少女、アレをやりますよ」

少女「あ、は~い」

男「せーのっ」

男・メイド・少女「「「だ~いせ~いこ~~!!」」」

青年「なんだこれ」

少女「えっと、実はね…」

峠は越えたからここから加速する

数刻前~


~男の部屋~

男「うむ、我ながら上出来だ!」

少女「わぁ…」パァア

男「どうだ、見違えただろう」

少女「はい、旦那様!」

男「女の子なんだから身だしなみはキチンと整えとかないと」

男「やっぱりボサボサ頭よりも断然可愛いな」

少女「えへへ、ありがとうございます」

メイド「ただいま戻りました」

男「どうだった?」

メイド「かなり荒れていましたが、あの様子なら心配ないでしょう」

少女「?」

男「これから青年が迎えに来るはずだ」

少女「えぇ!?」

男「まぁ来なければこのままお楽しみタイムに…」

少女「!」ガタッ

メイド「旦那様?」ギロリ

男「じょ、冗談だよ冗談」ハハハ

メイド「まったく…」ハァ

男「で、青年が来るまでどのくらい掛かりそうだ?」

メイド「私は馬を使いましたが恐らく彼はそのまま走ってくるでしょう」

男「だとすると二時間程度か」

少女「ん…」ウツラウツラ

メイド「あら、色々あって疲れてしまったようですね」

男「まだ時間あるし少し寝かせといてやるか」

メイド「ですね」

~現在


少女「という事なの」

男「フハハハハハハハ!!まんまと引っ掛かったな青年!!」

男「少女は家で風呂入って飯食って散髪しただけだったのさァ!!」

青年「なん…だと…?じゃあこの手紙は!?」

メイド「どれどれ?」

メイド「あー嘘は書いてないですけど、これは勘違いしても仕方ないですねー旦那様ー(棒)」

男「えー、俺は早く来れば後ろ髪の最初のひと裁ちくらいならやらせてやってもいいって書いたつもりだったんだけどー?(棒)」

青年「なんじゃそりゃあああああ!!」

青年「結局何がしたかったんだアンタは」

男「お前がこの少女に相応しいか試したのさ」キリッ

男「あの下衆男は論外だが、ちょっとやそっとで諦めるような奴にも渡す気はないってだけだ」

メイド「あれ、人をおちょくるのが心底楽しいからって前に言ってませんでしたっけ?」

男「き、気のせいじゃないかな」

男「と、とにかくだ、屋敷の裏の雑木林を抜けた所に船が用意してある」

青年「?」

男「海を渡った先に俺の知り合いが経営してる小料理屋があるからそこで面倒見てもらえ」

少女「ここにいちゃいけないの?」

男「この町で暮らす限り、奴隷制度からは逃れられないからな」

男「海の向こうなら奴隷制度はないし不自由なく暮らせるはずだ」

青年「なるほどな、これが娘が一晩で消えるカラクリの正体か」

男「さぁわかったら早く出発しろ、メイド、船まで案内してやれ」

少女「旦那様は?」

男「俺はさっき暴れた片付けがあるからな」

青年「それなら俺も…」

男「いいから行けって、俺には俺のやり方があんの」

少女「また会いに来てもいい?」

男「…たまにならな」

少女「うんっ」

メイド「それじゃあ行きましょうか」

青年「ああ、案内よろしく」

少女「絶対また来るからねー!」ブンブン

男「おう、元気でな」

~雑木林~


青年「それにしてもアンタも大変だな」

メイド「はい?」

青年「結構な美人だし、あんな男の下で働かなくても貰い手はいくらでもあるだろうに」

メイド「いえ、私は…私には迎えに来てくれる殿方はいませんので」

青年「っと、そりゃその…悪かったな」

メイド「お気になさらず、それにああ見えて良い所もあるんですよ?」

青年「へぇ~あれでねぇ?」

メイド「はい」ニコッ

少女「あっ海が見えてきたよ!」タタッ

青年「なんか色々ありがとな、ってそういえばあの男に直接礼を言ってなかったな」

少女「お礼言いに戻ろっか」

メイド「大丈夫ですよ、旦那様はそういうの苦手ですからワザと私だけ案内に出させたんです」

青年「まぁそういう事なら」

メイド「そのかわり、あなたへの手紙を預かっています」

青年「また手紙かよ」パラ

『二人の新たな門出に祝福のあらんことを

 追記:言い出したのはそっちだから一生掛けて20万キッチリ払え』

青年「ハ、ハハ…何だよあの男、ハハ、ハハハハハ…」

少女「何が書いてあったの?」

青年「いや、何でもないよ」ククッ

少女「えー、気になる気になるー!!」

青年「何でもないってば」

メイド「少女、男の人にだって知られたくない秘密はあるんですよ」

少女「そうなの?」

メイド「そうなんです、ね?」フフッ

青年「ま、まあそれなりに…」ハハハ

メイド「それではお気をつけて」

青年「ああ、世話になったな」

少女「メイドさんも元気でね」

メイド「ええ」

少女「しゅっぱーつ!」

青年「おう!」

男「…行ったか」

メイド「来ていたのなら一緒に見送ればよかったのでは?」

男「そんなの恥ずかしいじゃねえか」

メイド「相変わらずですね」

男「まあな」

メイド「ところで旦那様?」

男「なんだ?」

メイド「旦那様がここにいらっしゃるという事は当然屋敷は…」

男「ほったらかしだな」

メイド「片付けは?」

男「してる訳がないな」

メイド「旦那様ァーーー!!」

男「ごめんなさーーーい!!」



完 ...?

エロを期待した人には申し訳ないがそんなものを書く器量はない

あともうちっとだけ続くんじゃ

~その後~


メイド「まったく、毎度の事ながら旦那様には呆れますね」

男「いいだろ趣味なんだから、俺は趣味には全力で金を使う主義なんだよ」

メイド「その事なのですが…」

男「ん?」

メイド「諸々の出費で今月は赤字です」

男「はぁ!?なんで!?」

メイド「なんでも何も、ご自分がなさった事をお忘れですか?」

男「お、俺が何したってんだよ…」

メイド「心当たりがない、と?…ならば申しあげましょう」

メイド「最初の競り合い、あの程度の相手なら5万で片が付いたはずです」

メイド「それなのに旦那様は何ですか、家財道具も最低限のものを残して売り払って毎月切り詰めて」

メイド「アルバイトを掛け持ちして何とか生活しているのに20万だなんて頭湧いてるんですか」

男「いや、それはその、いきなりポンって大金出したらカッコイイじゃん?」

メイド「はぁああ!?そんなくだらない事の為に5万も無駄遣いしたって言うんですか貴方は!?」

男「面目ない…」シュン

メイド(本当はあの青年が踏み倒した酒場の代金も含まれているのですが…それは黙っておきましょうか)

メイド「はぁ…まあ過ぎた事をアレコレ言っても仕方ありません」

男「いや言ってたじゃん」ボソ

メイド「はい?」ギロッ

男「何でもないです」

メイド「で、今日はどうするんです」

男「どう、って?」

メイド「奴隷市行くんですか、行かないんですか?」

男「行ってもいいの!?」

メイド「まあ結果的に悪い事をしている訳ではないですし…」

男「お金の方は?」

メイド「バイトを増やします」

男「ど、どのくらい?」

メイド「週3シフトから週6に増やして新たに内職も追加します」

男「そんなに!?」

メイド「私も闘技場で稼いできますので我慢してください」

男「えぇーギャンブル?俺そっちのがいいなー」

メイド「賭ける方ではなく賭けられる方ですがよろしいですか?」

男「わーい週6シフト楽しみだなー内職は何がいいかなー」

メイド「まったく旦那様ったら…それでは馬車の用意をしてきますね」

男「ああ、頼む」

男「クックック…さぁて、今日はどの娘にするかな」



ベッタベタだけどとりあえずはこれで終わり

場合によっては下衆男が陵辱の限りを尽くしたり
メイドが手下とバトルを繰り広げる可能性もあったけど
キャラクターが勝手に動くっていうか正直振り回されっぱなしで
やっぱり自分で書いてみると難しいもんやね

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