結衣「正しい彼女の壊し方」(376)
~結衣宅~
ピンポンピンポンピンポーンッ
京子「おーい、ゆいぃ~♪京子ちゃんがお泊りに来たよ~♪」
カチャッ
結衣「……京子、何しにきたの」
京子「え、だからお泊りに……」
結衣「……土日は綾乃が泊りに来るって言ったよね」
京子「あ……」
結衣「……」ハァ
京子「あ、けどさ、わたし、綾乃が居ても気にしないよ?」
京子「寧ろ、久しぶりに皆で、お泊りしようよ!」
結衣「……」
京子「ね?ね?はい、けってーい!」
「船見さん、どうかしたの?」
結衣「……何でも無いよ、綾乃、もう帰すからさ」
京子「……!」
京子「ゆ、結衣?」
結衣「……あのさ、私達、今からちょうどえっちな事するつもりだったの」
京子「え……」
結衣「何驚いてるの、当然だろ、私と綾乃は恋人同士なんだし」
京子「あ……う、うん、そっか……そうだよね……」
結衣「だからさ、邪魔しないでほしいんだ」
京子「じゃ……ま……」
結衣「ああ、京子が邪魔って言う訳じゃないよ」
結衣「京子は大切な友達だしさ」
京子「……うん」
結衣「ただ、お泊りに来たいなら平日とかにしてほしいんだよ」
京子「け、けど……」
結衣「ん?」
京子「……平日だと、夜遅くまで遊べないし……」
結衣「うん、そうだね」
京子「……」
「船見さん?」
結衣「……判った、その話はまた明日するからさ」
京子「……うん」
結衣「取りあえず、帰ってくれないかな」
京子「……」コクン
結衣「じゃ、また月曜日、学校でね」
京子「……うん」
結衣「ばいばい、京子」
京子「……ばいばい」
ガチャン
「誰か来てたの?」
「うん、京子がね」
「歳納京子が?どうして?」
「何か、お泊りしたいんだって」
「え、けど今日の事は前に歳納京子に話したって……」
「うん、まあ、話したんだけど……京子だからさ」
「ああ……歳納京子だしね」
京子「……」
京子「……」
京子「……」ハァ
京子「かえろう……」
京子「……」トボトボ
~翌日~
~ごらく部~
京子「はぁ……」グデン
ちなつ「……何か元気ないですね、京子先輩」グデン
京子「は、ははは……ちょっと寝不足でね……ちなつちゃんだって元気ないみたいじゃん」
ちなつ「……私も寝不足でして」
京子「……そっか」
ちなつ「……はい」
ちなつ「……結衣先輩、来ないですね」
京子「んー、まあ、しばらくは仕方ないんじゃないかな……恋人できたんだし、二人っきりで過ごしたいんじゃない」
ちなつ「……そうですね」
京子「……ちなつちゃん、怒ってる?」
ちなつ「……別に」
京子「……うっそー、今の『ソウデスネ』はかなり拗ねた口調だったじゃん」
ちなつ「……そんな事、ないですよーだ」
京子「そっかぁ」
京子「ちなつちゃん、ちょっとこっち来ない?」
ちなつ「……なんでですか」
京子「いやあ、久しぶりにスキンシップしたいなぁって」
ちなつ「はあ?なんですかそれ……」
京子「えー、いいじゃん~」
ちなつ「……何で私から行かなきゃなんないんですか」
京子「ん?じゃあ、私から迫ったら受け入れてくれるのかなぁ~?」
ちなつ「そ、そんな訳ありませんからっ!」
京子「ちぇーっ」
ちなつ「……」
京子「……」
ちなつ「……ぷっ」
京子「ん?なにか面白い事あった?」
ちなつ「いや、京子先輩は、相変わらずだなーって」クスクス
京子「そう?」
ちなつ「はい……ちょっと安心しました」
京子「ほえ?」
ちなつ「……結衣先輩が、杉浦先輩とくっついちゃって」
ちなつ「私ショックだったのと同時に、凄く怖くなったんです……」
京子「……」
ちなつ「ごらく部が、変わっちゃうんじゃないかって……」
京子「ちなつちゃん……」
ちなつ「無くなっちゃうんじゃないかって……」
ちなつ「だから……だから、前と同じように接してくれる京子先輩を見て、ちょっと安心しちゃいました」
京子「……えへへ」
ちなつ「まあ、そういう脳天気さが京子先輩の良い所ですしね」
京子「えー、もっと他にも良い所あるでしょ?」
ちなつ「え、他に何か有りました?」
京子「ちなつちゃん酷いっ!」
ちなつ「ふふふふ……」クスクス
京子「……ちなつちゃんこそ、変わらず居てくれてありがとうね」
ちなつ「え?京子先輩何か言いました?」
京子「うん、お茶もう1杯欲しいな~って」
ちなつ「はいはい……」
~帰路~
京子「……」トボトボ
京子「……あ、今日はミラクるん新刊の発売日だった」
京子「……正直、早く帰りたいけど」
「凄く怖くなったんです、ごらく部が変わっちゃうじゃないかって……」
京子「……」
京子「……そう、だよね」
京子「何時もの私なら、迷わず本屋さんに行ってるよね……」
京子「……」
京子「……うん、行こう」
~本屋~
京子「えっと、新刊は……と」
ドンッ
京子「あ、すみませんっ……!」
千鶴「……」
京子「あれ?千鶴?」
千鶴「……ああ、歳納か」
京子「ごめんね、ぶつかっちゃって……大丈夫?」
千鶴「……こちらこそ、すまないな、ぶつかって」
京子「……!」
京子「ち、千鶴さん?ほんとに大丈夫?」
千鶴「……何がだ」
京子「だって、何時もの千鶴なら舌打ち&げんこつのコンボくらいしてくるから……」
千鶴「……」
京子「……」
千鶴「……もう、歳納にキツく当たる意味も意義も無くなったからな」
京子「ほへ?」
千鶴「……なんでもない」
京子「変な千鶴~」クスクス
千鶴「……お前は、元気だな」
京子「え?」
千鶴「……もう少し、辛そうな顔するかと思ったんだが」
京子「……どうして私が辛そうな顔しなくちゃならないの?」
千鶴「……」
京子「……」
千鶴「……船見さんと、杉浦さんの事だよ」
京子「……!」
京子「ゆ、結衣と綾乃がどうかしたの?」
千鶴「……歳納は、二人と随分親密だっただろ」
京子「……」
千鶴「……だから、その……この言い方が正しいのかどうかはわからんが」
千鶴「……取り残された気持ちになってるんじゃないかって」
千鶴「
京子「……」
千鶴「……」
京子「……そ、そんな、事」
千鶴「……す、すまん」
京子「いや、謝らなくってもいいよ、ほんとは……ほんとはちょーっとだけ、そう思ってるから」
千鶴「歳納……」
京子「ほんの、ちょっとだけだけどね?ほんとにちょっとだよ?」
千鶴「……ああ」
京子「まあ、ほんとにちょっとだから、京子ちゃんは何時も通りいられるんだけどね!」
千鶴「……そうか」
京子「あはは、そうそう」
千鶴「……」
京子「所で、さ、千鶴は、な、何の本を買いに……」
.
ナデナデ
京子「あ……え?」
千鶴「歳納は、強いな」
京子「……ちづる?」
千鶴「……すまん、こんな時、どうしたらいいのか判らないから」
京子「……うん」
千鶴「だから……泣きやむまでは一緒に居てやるよ」
京子「……あり、がと」
千鶴「……まさか、歳納が泣くとはなあ」
京子「うん、私も泣くとは思ってなかった……なんでだろね」
千鶴「……理由、判らないのか?」
京子「……千鶴が言った通り、取り残された気持ちになってるからなの、かも」
千鶴「……そうか」
京子「あはは、不思議だね、結衣とかちなつちゃんの前では全然涙なんて出なかったのに」
京子「泣きそうになっても、ちゃんと我慢できたのに……」
京子「なんでだろ、千鶴の前では泣いちゃった」
千鶴「……私は、船見さんたちほどお前と親しい訳じゃなかったからな」
千鶴「だから、私に強がる必要性が薄かったからなんだと思う」
京子「そ、それは逆にちょっと寂しいなあ……」
千鶴「ん?」
京子「私は千鶴とも親しいと思ってたし……」
千鶴「……毎日殴られてたのにか」
京子「あれは照れ隠しでしょ?判ってるんだから~」
千鶴「いや、わりと本気でウザいと思ってたぞ」
京子「え……」
千鶴「気づいてなかったのか?」
京子「……う、うん」グスッ
千鶴「うわ、お、お前泣くなって……ごめん、その……すまなかったから」
京子「うぅっ……け、けど、これからは仲良くしてくれるんだよね?」
千鶴「は?」
京子「だってさっき……」
「私は、船見さんたちほどお前と親しい訳じゃなかったからな」
京子「じゃなかったから……って過去系だったから」
千鶴「……」
京子「だから、これからは親しくしてくれるんだよね?」
千鶴「……」
京子「……」
千鶴「……ふふふ……あはははははっ」
京子「う、うわ、千鶴が笑ったっ!?」
千鶴「だ、だってお前、さっきまで泣いてた癖に、もう新しい友達作ろうとしてるって……」クスクス
京子「ううー、だって、取り残された気分がしてるんだから、仕方ないじゃん」プー
千鶴「……ふふふ、そうだな」
京子「千鶴?」
千鶴「……これまでは、杉浦さんの事があったからお前の事は色眼鏡で見てたけど」
京子「綾乃の事?何の事?」
千鶴「その理由が無くなったのなら……」
千鶴「……お前と、友達になる選択肢も……悪くないかもな」
京子「ほ、ほんと!?」ズイッ
千鶴「か、顔を近づけるなっ」
京子「ほんとにほんと!?」
千鶴「騒がしくてちょっと後悔し始めてるけど……本当だ」
京子「……やっ」
千鶴「歳納?」
京子「たぁぁぁー!」ピョン
京子「千鶴、げっとだぜぇ!」
千鶴「げっとはされてない」
京子「またまたぁ、照れちゃってぇ♪」プニプニ
千鶴「頬を突くな」
京子「意外に柔らかいよね、千鶴の頬って」
千鶴「……」
京子「ちゅっちゅしていいですかっ♪」
ガコンッ
京子「いっ……ち、千鶴がぶったぁっ……」
千鶴「……あー、もー、やっぱりさっきのは無しだ」
京子「え、えぇ~」
千鶴「無効だ、無効っ」
京子「そ、そんな事言わないでっ!」
千鶴「もう私は帰るからな、帰って姉さんのご飯作ってあげないと」
京子「ちぇーっ、千鶴ってば友達になっても相変わらず千歳の事ばっかりなんだから」
千鶴「……姉さんには、今私の支えが必要なんだよ……」
京子「え?千歳、何かあったの?」
千鶴「……何でも無い」
京子「千鶴?」
千鶴「……いや、本当に何でも無いから」
京子「ほんと?もし何かあったら言ってよ?千歳も千鶴も、私の大切な友達なんだし」
千鶴「……ああ」
京子「千鶴、帰っちゃった……」
京子「よし、私もさっさと新刊買おうっと……」
京子「……」
京子「新しいお友達が出来て、古いお友達とは疎遠になる……」
京子「そういうの良く聞くけど……私とは無縁だと思ってた」
京子「だって……結衣とあかりとは、ずっと……」
京子「ずっと、一番の友達でいられると、思ってたから……」
京子「……ね、あかり」ポン
あかり「……」ビクッ
あかり「え、えええっ、きょ、京子ちゃん何時からそこにっ!」
京子「いやあ、千鶴が帰る直前に見つけたんだけど……何か必死で本立ち読みしてたから話しかけるの躊躇しちゃって」
あかり「えっ、ええっ、きょ、京子ちゃん見てたの……?」
京子「うん、何の本?漫画?」
あかり「ち、違うのっ、きょ、京子ちゃんにはまだ早いのっ///」
京子「え?私にはまだ早いって……何が?」ヒョイ
あかり「あっ、だ、だめっ、見ちゃ駄目っ///」
京子「ええ~いいじゃん、見せてよ~」ヒョイ
あかり「だ、だめぇっ///」
京子「あかりのケチっ!」
あかり「う、ううっ、あ、あかり、これ買って来るからっ///」
京子「あかりはドジだなあ、本棚を見てみればどんな本を持って行ったのかだいたい……」
京子「だいたい……って」
京子「ここアダルト雑誌の棚じゃん!?」
京子「あ、あかり……ま、まさか……」
コラァーー
あかり「うぅぅ……店員さんに怒られたよぉ……」トボトボ
京子「そ、そっか、残念だったね、あかり……」
あかり「本も没収されちゃった……」
京子「……あ、あかり、あの」
あかり「ふえ?」
京子「あかりはさ……アダルてぃーな雑誌とか、読むの?」
あかり「……」
京子「……」
あかり「ち、ち、ちがっ///」ワタワタワタッ
京子「そ、そうだよね、きっとあかねさんとかに頼まれたとかなんだよねっ///」
あかり「そ、それもちがうよぉっ///」
京子「判ってるっ、判ってるからっ///」
あかり「あ、あのねっ、京子ちゃんあのねっ///」
京子「う、うん、なに?」
あかり「えっと……あの、あかりは結衣ちゃんから///」
京子「……」
あかり「あっ……」
京子「……結衣が、何か言ってたの?」
あかり「……うん」
京子「……なんて?」
あかり「えっと……京子ちゃんを励まして上げてほしいって……」
京子「……そ、そっか」
あかり「……」
京子「あはは、私は別に励まされなくても平気なのにねえ?変な結衣っ!」
あかり「……京子ちゃん」
京子「ん?」
あかり「あかり……頑張るから!」
京子「え?」
あかり「あかりね、結衣ちゃんの代りになれるくらい、頑張るから!」
京子あかり……」
あかり「今は、まだ全然駄目だけど……いっぱい頑張るからっ!」
京子「……いいよ、頑張んなくても」
あかり「け、けどっ」
京子「……あかりはさ、結衣になんなくてもいいから」
京子「あかりのままで居てくれた方が、嬉しいからさ……」
あかり「京子ちゃん……」
京子「存在感が薄くて、ドジでおっちょこちょいで」
あかり「え……」
京子「むしさんがさわれなくて、ぴーぴー泣いちゃって」
あかり「うぅっ、京子ちゃん酷いよぉっ……」
京子「……けど」
ナデナデ
あかり「あ……」
京子「そんなあかりと一緒に居ると、すごく安心するからさ」
京子「だから、あかりはあかりのままでよろしい!」
あかり「……う、うんっ」
京子「ナイス返事だ、飴ちゃんをやろうっ!」ヒョイ
あかり「む、むぐっ}
京子「良く噛んで食べるんだぞ~?」
あかり「か、噛んじゃったら飴さんすぐなくなっちゃうよぉ……」
京子「それもそっか!」
あかり「……あ、ありがとっ京子ちゃんっ」
京子「……私の方こそ、ありがと」
あかり「えへへっ///」
あかり「あのね、京子ちゃん」
京子「ん~?」
あかり「あかり……あかりのままで居てくれていいって言われて、凄く嬉しかったよ」
京子「そっか……」
あかり「……だから、だからあかり、頑張る」
京子「え?」
あかり「あかりのままで、京子ちゃんをちゃんと支えられるよう、頑張るっ!」
京子「……」
あかり「ちょ、ちょっと時間がかかると思うけど……待っててね!」
京子「……その為に、あだるてぃーな雑誌を買おうとしたの?」
あかり「あ、そ、それは、あのっ///」
京子(私、色んな子達に迷惑かけてるな)
京子(みんな優しいから私を支えてくれて……)
京子(だから、私も頑張らないとね)
京子(結衣や綾乃も幸せで……)
京子(これで私達も幸せになれば、ハッピーエンドになれるんだから……)
あかり「京子ちゃん?」
京子「うん?」
あかり「……また、明日ねっ!」
京子「……おう、また明日っ!」
あかり「……あかり、頑張らないと」
あかり「ご本はどうしよう……」
あかり「……お姉ちゃんに、頼もうかな」
あかり「お姉ちゃんなら大人だし、買えるよね」
あかり「……よおしっ」トテトテトテ
~結衣の家~
結衣「あかり、例の本買って来た?」
あかり「う、うんっ!あかりじゃ買えなかったから、お姉ちゃんに頼んで……」
結衣「あかねさんに?どう説明したの?」
あかり「ちょっと興味あるって言ったら、すぐに買ってきてくれたよ?」
結衣「そうか……まあ、あかりが直接買うと誰かに目撃される可能性あったか」
あかり「……えっと、あかりが買おうとしてた時、京子ちゃんと会ったんだけど……」
結衣「……見られたの?もしかして、話した?」
あかり「うん……あ、けどっ、けど、あの事は話してないよっ!」
結衣「……」
あかり「ほ、ほんとだよっ!」
結衣「……うん、あかりを信じるよ」
あかり「……あの、結衣ちゃん」
結衣「なに、あかり」
あかり「……あの話、本当なんだよね?」
結衣「うん、ほんとだよ」
あかり「……」
結衣「……嫌なら別に構わないよ、あかりがそこまで背負う事、ないんだし」
あかり「……やる」
結衣「あかり?」
あかり「あ、あかり、頑張るっ!京子ちゃんと、京子ちゃんとそう約束したし……!」
結衣「……そうか、あかりは偉いな」
結衣「じゃあ、頑張れあかり」
あかり「……うん」
結衣「まず……」
あかり「……ん」
結衣「……それで」
あかり「うん……」
結衣「そうするとね、これがね……」
あかり「……あっ」
結衣「ふふ、そうそう、飲み込みが早いね、あかり」
……………
…………
………
……
…
~翌日~
~ごらく部~
京子「やー、みんな揃っとるかね!」
ちなつ「……こんにちは、京子先輩」
京子「あれ、あかりは今日もいないの?」
ちなつ「はい……今日も家で用事あるって言って帰っちゃいました」
京子「そっか……という事は、今日もちなつちゃんと二人っきりな訳だねっ///」
ちなつ「……」ピクン
京子「うふふ、ちなつちゃ~ん♪」ダキッ
ちなつ「……」
京子「ちなつちゃん、ちゅっちゅ~♪」
ちなつ「……」
京子「おーい、ちなつちゃん?」
ちなつ「……」
京子「ちゅーしちゃうよ?」
ちなつ「……えっと」
京子「あ、やっと反応してくれた」
.
ちなつ「もう、止めてくれませんか、そういうの」
.
京子「……え」
ちなつ「……」
京子「……あ、ご、ごめん……ちょっと力入れ過ぎたよね」
ちなつ「……いや、そうじゃなくて」
京子「は、はは、ちょっと私の力加減間違えちゃって……」
ちなつ「……」
京子「ちなつちゃん、痛かったんだよね?だから……」
ちなつ「……別に痛くはなかったです」
京子「え……?」
ちなつ「ただ……ああいう事をされるのが、嫌なだけです」
京子「……」
ちなつ「……」
京子「え、けど……昨日……」
ちなつ「……」
京子「昨日、普段通りの私で安心したって……言ってくれたじゃん……」
ちなつ「……」
京子「……言ってくれたよね、ちなつちちゃん」
ちなつ「……やっぱり、間違いだったんですよ」
京子「な、何が?」
ちなつ「人間関係は、1か所が変わっちゃうと他の所も変わっちゃうものなんです……」
京子「ちなつ、ちゃん?」
ちなつ「結衣先輩が杉浦先輩とくっついて……ごらく部を離れちゃったなら……」
ちなつ「それなら、私達の関係も、変わるべきなんです……」
京子「け、けどっ!」
ちなつ「……私は!」
京子「……!」
ちなつ「……私は、京子先輩と傷の舐め合いとか……したくないんです……」
京子「な、なに言ってるのちなつちゃん……」
ちなつ「……そういうの、現実逃避してるだけですよ」
京子「ち、違うじゃん、前からそうだったじゃん……別に逃げてるわけじゃ……」
ちなつ「……じゃあ、結衣先輩がもし、今日、杉浦先輩を連れて部室に来ても」
京子「……!」
ちなつ「何時もみたいに、振舞えますか?」
京子「そ、それは……」
ちなつ「何時もみたいに、私に抱きついてきたり、できますか?」
京子「……」
ちなつ「……できませんよね」
京子「……できるよ」
ちなつ「……嘘です」
京子「で、出来るって……」
ちなつ「……」
京子「ほ、ほんとだよ?別に二人が来たって何時も通り……」
ちなつ「……私には、出来ません」
京子「ちなつちゃんだって出来るよきっと!」
ちなつ「出来なかったんです……」
京子「……え?」
ちなつ「……だから、だからね、京子先輩」
京子「ち、ちなつちゃん、今なんて……」
ちなつ「もう、終わった方がいいんです……」
京子「ちなつちゃん?」
ちなつ「私、もう……」
京子「な、何かあったの?」
ちなつ「……」スッ
.
≪退部届≫
.
京子「なに……これ」
ちなつ「……ごめんなさい」
京子「ちなつ……ちゃん?冗談だよね?」
ちなつ「……ごめんなさい、京子先輩」
京子「あ、あはは、驚いちゃった私……だからもう……」
ちなつ「結衣先輩との事は残念でしたけど……それを差し置いても」
京子「は……ははは……」
ちなつ「……ごらく部……楽しかったです……」
京子「……」
ちなつ「……ばいばい、京子先輩」
京子「……ちなつちゃん、いっちゃった」
京子「……」
京子「……せっかく」
京子「……」
京子「せっかく、泣くの我慢してたのに……」
京子「ちなつちゃんに心配掛けさせないように……がまん……してたのに……」
京子「……」
京子「……うぅっ」グスッ
~放課後~
~校門前~
千鶴「……」
京子「……あ、ちづる」
千鶴「……」
京子「も、もう、遅いよ、また図書館で本読んでたの?」
千鶴「……」
京子「……えっと、千鶴さ……今日一緒に帰ってもいい……かな?」
千鶴「……」
京子「いい、よね?昨日、友達になってくれるって言ってたもん……ね?」
千鶴「……」
京子「……い、いやあ、昨日は千鶴のレアな表情沢山見れて楽しかった!」
千鶴「……」
京子「これからも、いっぱい、千鶴の事を知りたいなって!」
千鶴「……」
京子「え、えへへ、ほら、千鶴昨日みたいに笑って?ね?」
千鶴「……」
京子「私、面白いこといっぱいするから、ね?」
千鶴「……」
京子「……」
京子「ど、どうしたのさ、千鶴」
千鶴「……」
京子「……な、なにか言ってよ」
千鶴「……」
京子「……あ、わ、私また、ウザかった?」
千鶴「……」
京子「もう、それなら前みたいに舌打ちしてくれていいんだよ?」
千鶴「……」
京子「だ、だから、さ……」
千鶴「……」
京子「……お話、しようよ」
千鶴「……姉さんが」
京子「……!」
千鶴「……」
京子「う、うん!千歳が?千歳がどうかしたの?」
千鶴「……」
京子「あ、さてはまた千歳鼻血いっぱい出しちゃったとか?」
千鶴「……」
京子「そ、そりゃあ心配だよね、あの出血量はだって普通じゃないし……」
千鶴「……」
京子「な、なんなら今からお見舞いに……」
千鶴「……泣くんだよ」
京子「え?」
千鶴「私が歳納と仲良くなったって話をすると……姉さんが泣くんだよ……」
京子「……千歳が?」
千鶴「……昨日も言ったけど、姉さんは杉浦さんの事をまだふっきれてない……」
千鶴「それどころか……昨日はお見舞いに来てくれた杉浦さんに……酷い事を言っちゃって……」
京子「あ、綾乃に?」
千鶴「……それで、気を紛らわせるためにも、歳納の話題出したんだけど……そしたら……」
京子「……」
千鶴「そしたら、姉さんが泣きながら言ったんだ……」
京子「……なんて?」
千鶴「……歳納」
京子「な、なに……」
千鶴「……お前、昨日どうして本屋に来た?」
京子「え……?ミラクるんの新刊買いにだけど……」
千鶴「……本当に?」
京子「ほ、ほんとだよ?他に何が……」
千鶴「……私があそこに居るって事を、知ってたんじゃないのか?」
京子「……え」
千鶴「杉浦さんの事があったから、私に取り居るチャンスだと思って、あそこで待ち伏せしてたんじゃないかって……」
京子「……」
千鶴「……」
京子「……なにそれ」
京子「そ、そんな訳ないじゃん……だって、だってそんな……!」
千鶴「……」
京子「ち、違うよ?そんなことしてないって……だって、千鶴昨日、友達になるのも悪くないって……」
千鶴「……」
京子「い、言ってくれたじゃん……」
千鶴「……」
京子「し、信じてくれるよね?友達の事信じてくれるよね?」
千鶴「……」
京子「そ、そもそもどうして突然そんな妄想を……!」
千鶴「……」
京子「……もう……そう」
千鶴「……」
京子「……千歳が、そう言ったの?」
京子「そ、そんなの何時もの妄想だよ……千鶴も、知ってるでしょ、内容は判んないけど千歳が色んな妄想するって」
千鶴「……」
京子「ち、千歳って綾乃の事で何か悩んでるでしょ?だからきっと妄想が変なふうに暴走して……!」
千鶴「……歳納」
京子「……なに」
千鶴「……私はずっと、1人だった」
京子「え……?」
千鶴「ずっと1人で、姉さんとだけ親しくして過ごしてきた」
京子「……うん」
千鶴「お前と接して……姉さん以外と親しくなるのも悪くないかなと思ったのは確かだ……」
京子「わ、悪くないよ……悪くなんて……」
千鶴「……けど、やっぱり駄目だ」
京子「ち、ちづる?」
千鶴「……何かあると、私は」
京子「……」
千鶴「私は、姉さんを選んでしまう」
京子「……!」
千鶴「妄想か現実かなんて、どうでもいいんだ」
京子「……」
千鶴「姉さんがそう信じてるなら、それが真実なんだよ」
京子「……」
千鶴「……だから、私はお前を信じる事は出来ない」
京子「……」
千鶴「……すまん」
京子「……」
千鶴「……」
京子「……」
千鶴「……きっと」
.
「きっと、私には一生、友達なんてできないんだと思う」
.
.
「それじゃあ、一生かかっても、私は千鶴と友達になれないって事なのかな」
.
~公園~
京子「……」
京子「……」
京子「……あ、もう夜だ……」
京子「……」
京子「そ、そろそろ……帰らないとね……」
京子「……」
京子「こうして、ブランコ漕いでると……思い出すな……」
京子「小さい頃は、ずっと三人一緒で……」
京子「私が1人きりになる事なんて……無かったのに……」
京子「……」
京子「……ねえ、結衣、ブランコ押してよ」
京子「……」
京子「あかり、そこに居ると危ないよ……足が当たっちゃうよ……」
京子「……」
京子「なんて……あはは……」
京子「……」
京子「なつかしい……な……」
結衣「うん、懐かしいね」
京子「うん……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「……」
京子「え、あ、あれ?結衣?」
結衣「うん」
京子「……」
結衣「……」
京子「……えっと、今の聞いてた?」
結衣「うん」
京子「ど、何処から?」
結衣「ブランコ漕いでると思いだすなって辺りから」
京子「うぅっ///」
京子「な、何?何か用なの?」
結衣「いや、1人でブランコ漕いでるから何してるのかなって」
京子「……別に、私の事なんて放っとけばいいのに」
結衣「そういう訳にはいかないでしょ、友達なんだし」
京子「とも……だち……」
結衣「幼馴染でしょ、私達」
京子「……きょ、今日は、綾乃と一緒じゃないの?」
結衣「うん、久しぶりに生徒会に出るって」
京子「……そっか」ホッ
結衣「部室に行っても誰も居ないしさ……今日は部活やんなかったの?」
京子「……」
結衣「京子?」
京子「……結衣」
結衣「うん?」
京子「……ちなつちゃんがね」
結衣「ちなつちゃんが?」
京子「……部活、辞めちゃった」
結衣「え?」
結衣「ちなつちゃん、部活辞めちゃったの?なんで?」
京子「……」
結衣「こないだ私と会った時も何か様子がおかしかったし……何かあったの?」
京子「……」
結衣「京子?」
京子「……わかんない」
結衣「けど、何もないのにちなつちゃんが辞めるはずないでしょ?」
京子「……わかんないって」
結衣「退部するって言われたの、京子なんでしょ?その時理由聞かなかったの?」
京子「だ……だから……」
結衣「よっぽどの事だと思うよ、ちなつちゃんが辞めるなんて、京子は部長なんだからちゃんと……」
京子「だから!わかんないってそんなの!」
結衣「京子?」
京子「わかんない!わかんないよ全部!ちなつちゃんがどうして!あんな事言ったのか!」
京子「ち、千鶴だって!どうして友達になれないとか言うの!?信じてくれないの!?」
京子「全然判んないよ!どうして……どうしてっ!」
結衣「京子……」
京子「……どうして……」ヒック
京子「わ、わたし、がんばったのに……がんばったのにっ……」グスッ
京子「な、なんで……」ヒック
~数分後~
結衣「……落ち着いた?」
京子「……うん」
結衣「……そっか」
京子「……」
結衣「……あのさ、京子」
京子「……なに」
結衣「私はもう、綾乃のものだから、京子が辛くても、前みたいに抱きしめてやる事は出来ない」
京子「……」
結衣「……それは判ってくれるよね?」
京子「……」
結衣「……」
京子「……うん」
結衣「けどさ、お前には、何時も一緒に居てくれる子が、いるだろ?」
京子「いつも……一緒に……」
「……だから、だからあかり、頑張る」
「あかりのままで、京子ちゃんをちゃんと支えられるよう、頑張るっ!」
京子「……うん」グスッ
結衣「その子はさ、いっぱい頑張って京子の力になろうとしてると思う」
京子「……うん」
結衣「まあ、前から頑張って色々やってるみたいだったけどね」
京子「……うんっ」ヒック
結衣「だからさ……」
京子「……そう、だよね、私には、一緒に居てくれる友達がまだ……」グスッ
.
結衣「だから、寂しかったり辛かったりしたら、あかりにセックスして貰えばいいよ」
.
京子「……え」
結衣「あかりも受け入れてくれると思うからさ」
京子「セ……え?」
結衣セックス」
京子「……」
結衣「……」
京子「あ、あはは……結衣ったら、もう冗談ばっかり」
結衣「いや、冗談じゃないけど」
結衣「ひょっとして京子は知らなかった?」
京子「な、なにを」
結衣「あかりってさ、色んな女の子とセックスしてるんだよ」
京子「……」
結衣「私も誘われた事は有るよ、断ったけど」
京子「……」
結衣「京子は誘われた事ないの?」
京子「やめて」
結衣「あかりは上手らしいから、京子のどんな鬱憤も晴らしてくれると……」
京子「やめて!!!」
京子「ひ、酷いよ、結衣……あかりの事をそんな風に言うなんて……」
結衣「けど、本当の事だよ」
京子「そ、そんな訳ないじゃん!」
結衣「京子……」
京子「あ、あかりは!あかりは純粋で優しい子なんだぞ!?そんな事してるはずが……!」
「あかりはさ、アデルてぃーな雑誌とか読むの?」
「……」
京子「そんな……事してるはず……」
結衣「……それは、京子があかりの表面しか見てなかったからそう思うんじゃない?」
京子「……違う」
結衣「というかさ、京子はあかりがそういう子だったとしたら、友達とか辞めちゃうの?」
京子「そ、そんなこと……」
結衣「私は例え京子やあかりがどんな子だったとしても友達続けてくよ?」
京子「……そんなこと、ない」
結衣「ん?」
京子「そんな事ない!あかりは絶対そんな事してない!私が……!」
結衣「……私が、なに?」
京子「私が一番、あかりの事を知ってるんだから……!」
結衣「……そっか」
京子「……そうだよ」
結衣「京子がそう信じるなら、確かめてみればいいんじゃない?」
京子「……なにを」
結衣「あかりが、セックスしてくれるかどうかを」
京子「……だから、するはずないって」
結衣「あかりの家に行ってね……」
京子「……」
結衣「ハーブティーが飲みたいって、言ってごらん」
京子「……ハーブティー……」
結衣「それが、セックスさせて欲しいって事の隠語になってるから」
京子「……そんなの、嘘に決まってるじゃん」
京子「馬鹿馬鹿しいにもほどがある……」
京子「私は、私は何があってもあかりを信じるよ」
京子「あかりはそんな事しない」
京子「そんな事するのはあかりじゃない」
京子「確かめる必要も無い」
京子「……」
京子「なのに……どうして……」
ピンポーンッ
「はぁ~い」
京子「……どうして、私はあかりの家に来ちゃったんだろ」
あかり「あ、京子ちゃん、どうかしたの?」
京子「あ……うん、あの……」
あかり「遊びに来てくれたの?あかり、嬉しいよぉ!」
京子「うん……」
あかり「京子ちゃん、あかりの部屋にあがってて?今飲み物持ってくるからっ!」
京子「……」
あかり「京子ちゃん、何か飲みたいものある?」
京子「……」
あかり「京子ちゃん?」
京子「……あ、うん……じゃあ……ハーブティーで」
あかり「……ハーブ、ティー」
京子「う、うん……駄目、かな?」
あかり「……ううん、駄目じゃないよぉ、ただ」
京子「……ただ?」
あかり「……京子ちゃん、ハーブティー、苦手じゃなかったっけ?」
京子「……今日は飲みたい気分なんだ」
あかり「……そっか」
京子「うん……」
あかり「……じゃあ、あかり、準備してくるね」
京子「……大丈夫」
京子「多分、普通にお茶の用意してくれてるだけだよね……」
京子「……ちなつちゃんや、千鶴や、結衣や綾乃の考えてる事は判んない」
京子「だから、親しくなったのに、私から離れて行っちゃう……」
京子「けど……けど、あかりだけは……」
京子「あかりの事だけは、私、知ってるんだ……」
京子「あかりは、存在感が薄くて、ドジでおっちょこちょいで……」
「京子ちゃん、入るね……」
京子「むしさんがさわれなくて、ぴーぴー泣いちゃって……」
「えへへ、ちょっと恥ずかしいな……」
京子「けど凄く優しくて、誰よりも純粋な子だって……」
.
「京子ちゃんも、シャワー浴びて来る?あかりは、そのままでもいいけど……」
.
~数日前~
あかり「……え?」
結衣「だからさ、京子はセックス依存症なんだ」
あかり「……セ……え?」
結衣「性行為をする事に依存しちゃってるの」
あかり「……」
結衣「今までは私が処理してあげてたんだけどね、綾乃の事もあるし、もう出来ないかなって」
あかり「……」
結衣「けどさ、放置しておくと京子が知らない人とセックスしちゃったりする可能性も出てくるから……」
あかり「……」
結衣「あかり、聞いてる?」
あかり「……あ、うん、あかりちょっと気を失ってた……」
結衣「そうか」
あかり「……京子ちゃんが」
結衣「セックス依存症」
あかり「……け、けど、そんなの今まであかり知らなかったよ?」
結衣「そりゃあ、私と京子で隠してたからね」
あかり「そ、そっか……あかり、鈍いから判んなかった……」
結衣「そりゃそうだろうね」
あかり「え?」
結衣「なんでもないよ……」
結衣「それでさ、私の代わりを誰かに頼みたいんだよ」
あかり「……か、代りって、あの」
結衣「京子とセックスする代わりだよ」
あかり「……そっか」
結衣「うん」
あかり「……セックスって、あの」
結衣「性行為だよ」
あかり「……」
あかり「///」ボシューーー
結衣「大丈夫?あかり」
あかり「う、うん、大丈夫だよぉ///」
結衣「それでさ、あかりにその役をやって貰いたいなって」
あかり「あ、あかりが!?」
結衣「うん」
あかり「京子ちゃんと……え、セッ……なんだっけ?」
結衣「性行為」
あかり「……」
結衣「……」
あかり「う、うううっ、あかりそんなの無理だよぉっ///」
結衣「けど、誰かがやんないと京子は駄目になっちゃうんだ」
あかり「京子ちゃんが駄目に……」
結衣「きっともう学校にはいけなくなっちゃうだろうね」
あかり「そ、そんなのやだよっ!」
結衣「もし他所の人とセックスとかしちゃった場合、補導とかされちゃうかも」
あかり「京子ちゃんが……警察に……」
結衣「あくまで可能性としてだけどね」
あかり「……京子ちゃんが」
結衣「……あかりはさ、京子の事、好きだよね」
あかり「え?」
結衣「恋愛感情なのかどうかは判んないけど……京子の事、大好きだよね?」
あかり「……うん!」
結衣「じゃあさ、京子を助けてあげてほしいんだ」
あかり「……京子ちゃんを」
結衣「うん、小さい頃みたいに」
あかり「……小さいころみたいに」
結衣「きっとあかりになら出来るよ、協力するからさ」
あかり「……」
結衣「あかり?」
あかり「……うん!あかり、頑張る!」
結衣「じゃあさ、まずはえっちな本買ってきてよ」
あかり「え、えっちなご本?」
結衣「あかりは免疫が無いみたいだし、そういうのから慣れて行かないと辛いと思うんだ」
あかり「……えっちなご本って、何処で買えるのかなあ」
結衣「そりゃあ、本屋さんでじゃない?」
あかり「……そ、そんなの、あかり恥ずかしいよっ///」
結衣「けど、あかりが京子にしてあげる事はもっと恥ずかしい事なんだよ?」
あかり「ううっ///」
結衣「だから、頑張って慣れないと」
あかり「わ、わかったよ、結衣ちゃんっ、あかり、結衣ちゃんの代わりになれるよう頑張るっ///」
~昨日~
~ごらく部帰路~
ちなつ「ふー……京子先輩も何時も通りだったし……私も頑張らないとね」
結衣「あ、ちなつちゃん」
ちなつ「ゆ、結衣先輩!?」
綾乃「おひさしぶりね、吉川さん」
ちなつ「……杉浦先輩も」
結衣「部活もう終わったの?」
ちなつ「は、はい……」
結衣「じゃあさ、久しぶりに一緒に帰ろうよ」
ちなつ「え……」
綾乃「私は良いわよ?」
結衣「ちなつちゃんも、いいよね?」
ちなつ「……はい」
結衣「ちなつちゃん、私が居ない間、部活はどんな感じ?」
ちなつ「ど……どんなって……その……」
綾乃「きっと、何時もと同じ感じで楽しくやってるのよね?」
ちなつ「……です」
結衣「そっか、まあ私が居なくても大丈夫だよね」
ちなつ「……ですね」
結衣「私もちょっと怖かったんだよ、綾乃と恋人になった事でごらく部が何か変な感じにならないかなって」
ちなつ「……そ、そんなの……大丈夫ですよ」
綾乃「そうよね、吉川さんには歳納京子が居るものね」
ちなつ「え……?」
結衣「そっか、まあ別に平気だよね、京子がいるし」
ちなつ「……べ、別に京子先輩は関係ないですよ」
結衣「そう?京子は昔からそう言うの気にする子だったから、てっきり今回もそうなのかなって」
ちなつ「昔から……?」
結衣「うん、昔っからそうだよ、京子は誰か親しい人が沈んでると自分が辛いのを押し隠して元気に振舞うんだ」
結衣「その結果、自分の傷を開く事になったとしてもね」
ちなつ「……!」
結衣「まあ、今までは京子の傷が開きすぎないように私がフォローしてたんだけどね」
ちなつ「……フォローって……何をすればいいんです」
結衣「簡単だよ、その沈んでる子を京子の周りから切り離すんだ」
ちなつ「……切り離す」
結衣「相手の子に、京子と疎遠にしてくれって頼むんだよ」
結衣「そうすれば京子が無理に元気に振舞う必要も無くなるからね」
ちなつ「……」
結衣「今回は大丈夫だよね、何時も通りのごらく部なんだし」
ちなつ「……」
結衣「……私も、そろそろ部活に戻ろうかな?」
ちなつ「……!」
綾乃「え、船見さんごらく部に戻っちゃうの?」
結衣「勿論、綾乃も一緒にだよ」
ちなつ「……」プルプル
綾乃「ほんと?嬉しいわ」
結衣「もう、綾乃は甘えん坊だなあ」
~同日~
~池田宅~
千鶴「姉さん、杉浦さんがお見舞いに来てくれたよ」
千歳「あ、あやのちゃんが?」
綾乃「千歳、大丈夫?」
千歳「あ、あはは、ありがとな、綾乃ちゃん……」
綾乃「風邪引いたって聞いて心配したわよ?」
千歳「……うん、大した事はないんやけどな」
綾乃「そう、早く元気になりなさい?生徒会の仕事も溜まっててみんな困ってるんだから」
千歳「あはは、綾乃ちゃん、ごめんなあ、迷惑かけて」
綾乃「まあ、私も同じ穴のむじななんだけね」
千歳「え?」
綾乃「だって、私もここ最近は生徒会に出てないもの」
千歳「え……なんで……」
綾乃「ずっと船見さんとの事で忙しかったしね」
千歳「……ふなみ、さん」
綾乃「ええ」
千歳「……」
綾乃「千歳?」
千歳「あ、あやの……ちゃん、あの……」
綾乃「ん?」
千歳「……歳納さんの事は、もうええん?」
綾乃「歳納京子?歳納京子がどうかしたの?」
千歳「……綾乃ちゃんも歳納さんの事、あんなに気にしてたやん」
綾乃「んー、まあ、ライバルとしては気にしてたわね」
千歳「……そっかぁ」
綾乃「……少しは、恋愛感情があったというのも否定しないわ」
千歳「……」
綾乃「けど、今は船見さん一筋よ?」
千歳「……あやのちゃんが幸せなんやったら、それでええ」
綾乃「ふふ、おかしな千歳ね……私だけじゃなくて、みんな幸せなのに」
千歳「……みんな?」
綾乃「ええ、私も、船見さんも、歳納京子も、千鶴さんも……みんな幸せよ?」
千歳「……歳納さんと、千鶴も?」
綾乃「ええ」
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泣けそう アッカリーン
綾乃「さっきね、本屋さんで歳納京子を見かけたの」
千歳「ほんや……さんで……」
綾乃「千鶴さんと仲良くお話してたわ」
千歳「……え……けど、けど千鶴は歳納さんと、あんまり仲良うないし……」
綾乃「確かにそうだったけど……今はそんな事ないわよ?」
千歳「……そうなん?」
綾乃「きっとね、私と船見さんが結ばれた事で、歳納京子と千鶴さんの関係も上手く進んだんだと思う」
千歳「……」
綾乃「まあ、歳納京子もそれを狙ってたっぽいけど」
千歳「歳納……さんが?」
綾乃「ええ、だって歳納京子は前から千鶴さんの事を好きだって公言してたのよ?」
綾乃「何度アタックしても蹴散らされてたけど……」
綾乃「それでも諦めずに続けてた」
綾乃「そんな歳納京子だから、今回私と船見さんが結ばれたのを見て、きっと何か妙案が浮かんだのよ」
綾乃「千鶴さんと仲良くなる為の妙案が」
千歳「みょうあん?」
綾乃「例えば……今回の事を利用して泣き落とししたとか?」
千歳「……歳納さんは、そんなことせえへんよ」
綾乃「けど、タイミング的に考えればそうとしか思えないわわよ」
綾乃「あれだけ頑なだった千鶴さんの態度がコロッと変わるような妙案、他に有るかしら?」
千歳「……」
綾乃「まあ、歳納京子の事はもう良いわ」
千歳「……」
綾乃「友達である千歳には色々と聞いて貰いたいの、私と船見さんとの事」
千歳「……」
綾乃「あのね、土日に船見さんの家に泊ったんだけど……船見さん凄いの」
千歳「……」
綾乃「舌使いがね……あれが……して……それでね」
千歳「……」
綾乃「千歳、色々妄想してたから判るわよね?鼻血とか出さないでね?私と船見さんの事で」
千歳「……」
綾乃「それで、彼女の指が……」
千歳「……綾乃ちゃん、もうええし」
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千歳・・・(´・ω・`)
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ほ
綾乃「そんな事言わずに聞いてよ……誰かに話したいのよ、船見さんとの事を」
千歳「……もう」
綾乃「こんなこと話せるの、千歳くらいしか居ないし」
千歳「……ええさかい」
綾乃「これからも、いっぱい話して上げるわね、私と船見さんとの事」
千歳「……」
綾乃「千歳が元気になったら、いっぱい聞かせてあげるから、楽しみに……」
千歳「……もう帰って」
綾乃「え?」
千歳「もう……帰って!」
綾乃「千歳?どうかしたの?」
千歳「そんなん、綾乃ちゃんやない!綾乃ちゃんは、そんな子やないっ!」
カチャ
千鶴「ね、姉さん?どうかしたの?杉浦さん?」
綾乃「判んないわよ、お話してたら千歳が突然……」
千歳「もう帰って!帰って……えな……」グスッ
綾乃「……千歳の体調もすぐれないみたいだし、もう帰るわね」
千鶴「す、すまない、杉浦さん……」
綾乃「こっちこそ、ごめんなさい……力になれなくて」
千鶴「そんな事……」
綾乃「千鶴さん……千歳を元気づけてあげて」
千鶴「は、はい……」
綾乃「気分転換に、普段話さないような貴女の事を話して上げれば、千歳も落ち着くかもしれないわね」
千鶴「私の……普段話さないような事?」
綾乃「ええ、千歳が前に言ってたわよ、千鶴さんは自分の事を話したがらないって」
千鶴「そ、そうですか……」
綾乃「お願い、ね?」
千鶴「は、はい……ちょうど今日、普段無かったような事があったので、それを話そうと思います」
綾乃「そう……頑張って」
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千歳・・・!(´;ω;`)ブワッ
~現在~
~結衣宅~
ピンポーーン
『はーい、どちらさま?』
京子「……」
『……もしかして、京子?』
京子「……」
『ごめんね、今日は平日だけど……綾乃が泊りに来てるんだ』
京子「……」
『だから、帰ってくれないかな』
京子「……」
『ごめんね』
『さっきも言ったけど、寂しいならあかりの所に行けばいいから』
京子「……」
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アッカリーン・・・
ピンポーーーーーーーン
『……京子、悪ふざけは』
京子「……おねがい、いれてよ」
『だから、駄目だって言ってるだろ』
京子「おね……がい……」
『また明日ね、京子』
ピンポーーーーーーーーーーーーーーーン
『京子、いい加減にしないと怒るよ』
京子「……」
『船見さん、ちょっと代わって貰っていいかしら』
『え、いいけど……』
『……歳納京子?』
京子「……あやの」
『邪魔なの』
京子「……」
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うわああああああああ
『あ、綾乃、それは言い過ぎだって』
『だって本当の事だもの』
『けど、京子は友達なんだぞ?』
『友達だけど、限度があるでしょう、こんな夜中に押しかけて』
『それは……そうだけど……』
『歳納京子にははっきり言わないと判らないのよ、きっと』
『……そうなのかな』
『そうよ』
京子「……」
『あの……さ、京子』
京子「……」
『綾乃が言ってる事も、一理あるんだよ』
『邪魔……とまでは言うつもりはないけどさ、京子は私にとって友達だし』
『けど、友達なだけなんだよ』
京子「……」
『それ以上でもそれ以下でもないんだよ』
京子「……」
『まあ、友達以上な存在は綾乃だから、成りようが無いんだけどね』
『だからさ』
京子「……おねがい……します」
『え?』
京子「入れて……ください……おねがい、します……」
『だからさ……』
京子「ともだち以下でもいいですから……入れてください……」
『……』
京子「私……私、もう、他に……何もないから……」
京子「おねがい……します……」ヘタリ
『……』
京子「……なんでも……しますから」
『……』
京子「……」
『……』
京子「……」
『ほんとう?』
京子「……?」
『ほんとうに、何でもする?』
京子「……うん」
『何でも言う事聞く?』
京子「……はい」
京子「……わたしを、みすてないでいてくれるなら」
京子「わたしのことを、ひつようとしてくれるなら」
京子「なんでも、します……」
京子「だから……」
『……そう』
京子「……」
『じゃあ』
京子「……」
『入れてあげても、いいよね、綾乃』
『……ええ』
京子「……ほ、ほんと?」
~1か月前~
綾乃「……歳納京子が欲しいわ、船見さん」
結衣「……うん」
綾乃「他の誰にも渡したくないの」
結衣「私も……」
綾乃「どうすればいいのかしら……」
結衣「……京子は、人懐っこいからさ、手に入れても、すぐに逃げて他所に行っちゃう」
綾乃「……そんなの嫌よ、絶対嫌」
結衣「……じゃあ、逃げられないようにしよう」
綾乃「どうするの?」
結衣「京子を、壊して……私達以外を見れないようにすれば……」
綾乃「……もう、何処にも逃げる事はないわね」
結衣「……壊そっか」
綾乃「壊しましょう……」
こうして、歳納京子ちゃんは
二人のペットとして
幸せに
暮らしましたとさ
めでたしめでたし
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