小鷹「そうか、俺が最低野郎として嫌われちまえば丸く収まるのか!」(191)

小鷹(事の原因を考えてみれば、俺が星奈に告白されたのがすべて悪いんだ)

小鷹(いつまでも逃げ続けられるはずもないし、いっそ嫌われちまえばいいんだ)

小鷹(隣人部にいられなくなるかもしれないが、生徒会に腰掛けしてる状態よりはマシだ)

小鷹「問題は、どうやって嫌われるかだな」

小鷹(ないとは思うが、他の部員――夜空や理科、幸村にまで好かれてたりしたら……)

小鷹(そうだ、全員に告白すればいいんだ!)

小鷹(そうすればもう告白される事もないし、全員に告白する最低野郎が好かれるはずもない!)

小鷹「これだぁ!」

葵「と、突然どうしたんですか、小鷹くん?」

小鷹「あ、いや、ちょっと考え事をしててな」

小鷹(待てよ、葵も俺を好きだったり……するはずないよな。我ながら自意識過剰すぎるっての)

葵「……何か悩みがあるようですね」

小鷹「悩みは確かにあるんだけどな、解決方法が見つかったかもしれない」

葵「そうなんですか? 自分に手伝えることがあったら言ってください!」

小鷹(そうだな。試しに葵に告白してみるか。……どうせ最低野郎だって噂になって嫌われるだろうしな)

小鷹「葵、お前付き合ってる奴っているか?」

葵「きゅ、急にどうしたんですか? これから告白シーンに入るドラマの台詞みたいですよ?」

小鷹「好きだ」

葵「ふぇっ!?」

小鷹「葵が好きだ。俺と付き合ってくれ」

葵「……ぷっ、あはっ、あはははっ」

小鷹「俺、変な事言ったか?」

葵「だ、だって、小鷹くんみたいなチョイワルなイケメンが、ぷくくっ、自分のような人間に告白なんて、あははっ」 ケラケラッ

小鷹「葵。俺は本気だ」 ガシッ

葵「えっ? で、でも、自分は、その……うぅぅ……」 テレッ

葵「え?なんだって?」

小鷹(さすがにこれ以上はやりすぎか。叫ばれたりしたら嫌われるじゃ済まないしな)

小鷹「……なんてな、悪いな、今のはじょ――」

葵「わ、わかりました! 自分は小鷹くんとお付き合いします!」 ダキッ

小鷹「えっ、ちょっ」

葵「じ、自分みたいな人間と小鷹くんが釣り合わないですけど、でも、釣り合うように頑張りますから!」

小鷹(やばい、取り返しが付かない方向に!)

葵「柏崎星奈にも負けないくらい、小鷹くんの隣にいて当然な人間になってみせます!」 スリスリッ

小鷹「お、おう……」

小鷹(どうしてこんな事になったんだ! いや、逆に考えるんだ、葵に告白される前に片付いて良かったと思えば……)

葵「小鷹くん、頭ナデナデしてください!」

小鷹「これでいいか?」 ナデナデ

葵「えへへへー」 デレデレ

小鷹(ま、まあ、結果オーライだよな?)

え?

小鷹(ふぅ。やっと解放してくれたか」

小鷹「まさか葵があんなに積極的な奴だったなんて……意外な一面だったな」

小鷹(さてと。次は星奈だよな。返事しないまま逃げちまったわけだしな)

小鷹「星奈なら部室に行けば会えるよな」 スタスタ


小鷹「……ふぅ」

小鷹(部室の前まで来たのはいいが、さすがに緊張するな……)

小鷹「よし。いつまでも突っ立っててもしょうがないしな」 コンコンッ

「……誰よ?」

小鷹「入るぞ」 ガチャッ

星奈「えっ? こ、小鷹?」

小鷹「他の奴らは来てないのか?」

星奈「そ、そうね、最近は夜空も来ないし……」 ブツブツッ

小鷹(告白するには絶好の機会ってことか)

僕は愛人が多い

星奈「……」

小鷹「星奈。お前の告白、断わらせてくれ!」 ペコリッ

星奈「……そう」

小鷹「……それだけか?」

星奈「別に、私だって、その、つい告白しちゃっただけだし、それに……抜け駆けするみたいで……」 ブツブツ

小鷹「よく聞こえないが、断わるのはオッケーってことか?」

星奈「うん」

小鷹「そっか。それじゃ星奈、俺と付き合ってくれ」

星奈「ハァ!? あんた何言ってるのよ!!」

小鷹「俺から告白したかったんだ。ダメか?」

星奈「だ、ダメかじゃないわよ、ダメに決まってるでしょ、バカ!!」

一人称間違えた。あたしだったな

小鷹「まっ、そうだよな。悪かったな」

小鷹(俺から告白して振られたわけだし、これでもう告白される事もないよな)

小鷹「変な事言って悪かったな。じゃ、またな」 スタスタ

星奈「……待ちなさいよ」 ダキッ

小鷹「えっ?」

星奈「本当にあたしが好きなの?」 ギュッ

小鷹「それは、その」

星奈「ハッキリしなさいよ!」

小鷹「す、好きだ! 大好きだ!」

小鷹(くそっ、背中に当たる肉のせいで何言ってるのか自分でもわからなくなってきた!) グルグルッ

星奈「……夜空より?」

小鷹「もちろんだ!」

星奈「じゃあ小鳩ちゃんの事も毎日可愛がっていい?」

小鷹「ああ!」

星奈「浮気なんてしたら許さないんだから」

小鷹「しない!」

小鷹(というか浮気しかしてなくないか俺!?)

星奈「……じゃあ、キスしなさいよ」

小鷹「えっ? なんだっ――」

星奈「キス! あんたが来なくなってから、ずっと不安だったんだから! バカ小鷹!」

小鷹(しないわけには、いかないよな……)

小鷹「星奈」

星奈「ん……っ」 チュッ

小鷹(俺、殺されるかもしれないな……) ブルッ

この路線でいいのか?

小鷹(まさか30分近くキスし続ける事になるなんてな)

小鷹「他の奴らはもう帰ったよな」

理科「小鷹先輩、どういう事ですか!!」 ドシドシッ

小鷹「理科? まだ残ってたのか」

理科「人の呼び出しを無視するなんて、ふざけないでくださいよこの腐れ鈍感ハーレム主人公!!」

小鷹「なんで急に切れてるんだよ!? 落ち着けって、呼び出しって何の事だよ!」

理科「……聞こえてなかったんですか?」

小鷹「まあ、色々取り込んでてな」

理科「……」 ジトーッ

小鷹「ああ、そうだ。星奈の件は片付いたからな」

理科「えっ?」

小鷹「断わったよ。星奈も納得してくれた」

理科「な、何急に覚醒しちゃってるんですか! 色々準備してたんですよ!」

小鷹(嘘は言ってないはずだ。うん)

小鷹「悪いな、心配かけて」

理科「ふん、別に心配なんてしてないんだからね!」

小鷹「はははっ。……理科、いつもありがとな」

理科「……何の事ですか?」

小鷹「お前さ、いつも一歩引いた所にいて、影で頑張っててくれてさ……本当に感謝してるよ」

理科「で、デレですか! いつの間に理科ルートに突入したんですか!? どこでフラグが!?」

小鷹(理科に喋らせておくと、告白する雰囲気にならないな。……実力行使だな)

小鷹「理科」 スッ

理科「まさかこのままエロシーンに、んんぅっ!?」 

小鷹「……」 チュゥゥゥ

理科「……んぅ!?」 グイッ

小鷹(ここで引くわけにはいかねぇ!) クチュッ

理科「ひひゃっ!?」

小鷹(このまま押し切る!)

理科「ふぁ……あ……」 クタッ

小鷹「はぁ、はぁ……」

理科「な、なんてことするんですか……」

小鷹「こうでもしなきゃ、お前は話聞こうとしないだろ」

理科「だ、だからって、こんな」

小鷹「理科。俺と一緒にいてくれ」

理科「……」

小鷹「もっと頼ってくれよ。お前一人で全部背負おうとしたりするなよ」

理科「やっぱり、ダメですよ。星奈先輩を振った後で、私と付き合ったりするなんて」

小鷹「……」

理科「だからセックスフレンドからでお願いします」

小鷹「おい」

理科「冗談ですってば。でも私、あの場所を壊したくないんです」

小鷹「あの場所?」

理科「隣人部です。小鷹先輩が私と付き合ったりしたら、気まずくなっちゃうじゃないですか」

小鷹「そっか。……お前、本当に良い奴だな」 ニコッ

理科「……」

小鷹「ん、どうかしたか?」

理科「……ズルいですよ、そんな風に笑うなんて……」

小鷹「やっぱり付き合うか?」

理科「な、なんで聞こえてるんですか! ダメだって言ってるじゃないですか!」

小鷹「だよな。悪い悪い」

理科「……友達、からなら……いいですよ」

小鷹(友達から、か。それでも嫌われるには十分だよな)

小鷹「……お前と俺は、とっくに友達だろ」

小鷹(残るは夜空と幸村か。会えるとしても明日だな)

ケイト「やあお兄ちゃん、ずいぶん遅くまで残ってるね?」

小鷹「お前もまだ残ってたんだな」

ケイト「んー、なんとなくね」

小鷹(ん、ケイトにも告白しておいた方がいいのか? いやいや、それはないよな)

小鷹(一応するだけしてみるか)

小鷹「好きだ」

ケイト「へっ?」

小鷹「付き合ってくれ」

ケイト「えええっ!?」

小鷹(そりゃ驚くよな)

ケイト?ババアたっけ?

ケイト「ちょ、ちょっと待ってよ、付き合うってつまり付き合うってこと!?」

小鷹「お前大丈夫か?」

ケイト「大丈夫じゃないよ! 何言っちゃってんのさお兄ちゃん!」

小鷹「一応告白しておこうかと」

ケイト「一応って!?」

小鷹(そこにいたから告白しただけだしなぁ)

小鷹「あー、ほら、前に裸見ちまったしさ、責任取ろうかと思ってな」

ケイト「せ、責任取ってくれるわけ?」

小鷹「場合によってはな」

ケイト「ちょ、ちょっと考えさせて」

小鷹「ちょっとってどのくらいだ?」 グイッ

ケイト「な、なんだか今日のお兄ちゃん、ちょっと押しが強くないかな?」

小鷹(今日だけで色々と経験値上がったしなぁ)

ケイト「……」 ドキドキッ

小鷹(まずいな。この状況を見られたら、色々台無しだ)

マリア「あー、お兄ちゃんだー!!」

ケイト「マリア!?」

マリア「うわぁ、うんこクソババア!?」

ケイト「こらマリア!!」

マリア「うわああああああっ!!」 バタバタッ

小鷹(もう告白って雰囲気でもないし、帰るか)

小鷹「じゃあな、マリア」

マリア「また明日なのだ、おにいちゃん!」

ケイト「あ……明日! 明日言うから!」

小鷹「ああ。それじゃ」

小鷹(ふぅ。なんだか疲れたな)

小鷹「ただいまー」

小鳩「おかえりあんちゃ……くーっくっくっく、よくぞ帰ったな、我が半身よ」

小鷹「おう。これから晩飯作るから待ってろよ」

小鳩「我に捧げる供物の準備、急ぐがよい」

小鷹「はいはい」

小鷹(……小鳩には話しておいた方がいいかもしれないな)

小鷹「小鳩、飯の後でちょっと話がある」

小鳩「くっくっく、夜の血族たる我の寛大さに感謝するがいい」

小鷹「というわけで、これからは隣人部に出入りできなくなるかもしれない」

小鳩「……」

小鷹「ごめんな」

小鳩「あ、あ、あ……あんちゃんのバカタレー! なんでそんな事するんじゃー!」

小鷹「なんでって、色々あるんだよ」

小鳩「うぅぅぅぅ!」 ドンドンッ

小鷹「そんなに隣人部に来たかったのか?」

小鳩「そがいなこと言うとらん、あんちゃんはうちのあんちゃんなのになんですぐに好き好き言うんじゃ!」

小鷹「いや、だから……」

小鳩「う゛う゛う゛う゛う゛!」

小鷹(こりゃダメだな……明日の朝にまた謝ろう)

小鷹(ん? 携帯にメールが……理科と星奈か。適当に返しておくか)

小鷹(そうだ、幸村にメールしておくか。『明日、一緒に学校に行こうぜ』っと)

小鷹(今日はもう寝よう) クテッ


「……ちゃん」

小鷹(ん……?)

「……」 ゴソゴソッ

小鷹(なんだ、布団の中に……)

小鳩「あんちゃん……」

小鷹(小鳩?)

小鳩「あんちゃんはうちのあんちゃんなんじゃ……」 ギュッ

小鷹(まあ、仕方ないか。好きにさせておいて寝よう)

小鳩「あんちゃん……」

小鷹「ん、朝か」

小鳩「すぅ……すぅ……」

小鷹(よく寝てるな。……ん、なんか口の周りがベタベタするような。気のせいか)

小鷹「小鳩。朝だぞ、起きろ」 ユサユサ

小鳩「んー……」 パチッ

小鷹「おはよ」

小鳩「あ、う、うぅ……」 カァァァァ

小鳩「あ、あんちゃんのアホー!!」 バタバタッ

小鷹(なんなんだ、あいつ?)

ぶっちゃけ小鳩ちゃんくさそう肉食だし

小鷹(小鳩の事は今回の件が片付いてからだな。ふぅ) ガチャッ

幸村「おはようございます、あにき」 ペコリッ

小鷹「うわぁ!? な、なんで家の前にいるんだ!」

幸村「はい。あにきのご登校にお共するため迎えにあがりました」

小鷹「な、ならメールするなりチャイム鳴らすなりしろよ!」

幸村「あにきの舎弟の身で、あにきを呼び出すなどおそれ多いことです」

小鷹「お、おう……」

小鷹(まだ俺が真の漢だって勘違いしてるのか……)

小鷹「と、とりあえず行こうぜ」

幸村「はい」 トテトテ

小鷹(家からもかなり離れたし、そろそろいいか)

小鷹「幸村。話がある」

幸村「なんでしょうか、あにき」

小鷹「好きだ」

幸村「ありがたき幸せです。私も兄貴を敬愛しております」

小鷹「……いや、そうじゃなくて、一人の女としてな」

幸村「私は男です」

小鷹(やっべぇ、話が通じない)

あれ?この時点で自分が女だって知ってるよな?自覚してるよな?

小鷹「……俺はなぁ…実はホモなんだ」

幸村「私はノンケです」

小鷹「幸村!」

幸村「はい」

小鷹「……たとえ男同士であったとしても、強い絆で結ばれた相手は性別を越えて愛し合うもんだ!」

幸村「理科殿に聞いた覚えがあります」

小鷹「ああ、理科の言う通り、男同士であったとしても愛し合うのは普通だ!」

幸村「で、では、あにきは私を……」

小鷹「愛してる!」

幸村「はうっ」 キュンッ

小鷹「幸村、俺の子供を産んでくれ!」

小鷹(って何言ってるんだ俺は!? 言いすぎだ!)

幸村「う、産みます、あにきの世継ぎを産みます! 私、女の体に生まれた事を天に感謝します!」 キラキラッ

小鷹(やべぇ、やべぇ、やべぇ……!)

>>75
微妙に間違えた。性別を超越するのは真の男だけだったか

>>72
× 幸村「私は男です」
○ 幸村「私は真の男を目指していますゆえ」

かな

いいからサッサと書け太郎

幸村「早速あにきの猛り狂う男性そのものから溢れる男気を私の子宮に」 ギュゥッ

小鷹「ま、また今度な! 今は学校に行こうぜ!」

幸村「迷惑だったでしょうか」 シュン

小鷹「そうじゃなくてだな……お、お前と俺の子供を養うにも学歴が必要だろう!?」

幸村「はううっ」 キュンキュンッ

小鷹(俺のバカ野郎おおおっ!!)

小鷹「最後に夜空・・・はいいか別に」

小鷹(や、やっと学校に着いた)

幸村「ではあにき、放課後に」 スタスタ

小鷹「ああ……」

小鷹(まさか登校中に子供の人数や名前まで決めるハメになるなんてな……ん?)

夜空「……」

小鷹「うわっ! そ、そんな所に突っ立ってどうしたんだ、夜空?」

夜空「ずいぶんと幸村と仲良さげだったな」

小鷹「ゆ、幸村も隣人部の仲間だからな」

夜空「……私は違うのか?」

小鷹「も、もちろん夜空も」

夜空「も? 私はついでなんだな」

小鷹「つ、ついでなんかじゃない!」

夜空「いいんだ……どうせ私なんて、幼馴染でしかないからな……しかも忘れられてたしな……」 ドヨーンッ

小鷹(なんでこんなに暗いオーラ出してるんだ?)

夜空「すまなかったな、邪魔して」 スタスタッ

小鷹「ま、待ってくれ、夜空!」

夜空「私なんかに何か用か?」

小鷹「いや、星奈の件がどうなったか話してなかったろ? あれは断わったんだ」

夜空「えっ?」

小鷹「星奈も納得してくれたよ」

夜空「……どうして、断わったのだ?」

小鷹「どうしてって、急な告白だったし」

夜空「……認めたくはないが、肉は残念な中身以外はハイスペックだし、駄肉だって……」 ブツブツッ

小鷹(このまま言っちまうか?)

夜空「べ、別に詮索するつもりはないが、しかし、隣人部の今後にも関わる重大な案件で……」 ブツブツッ

小鷹「お前のことが好きなんだよ!」

夜空「えっ?」

小鷹「……」

夜空「小鷹が、私を? 本当に? 本当にか?」

小鷹「ああ」

夜空「それは……友人的な好きなのか? それとも、男女交際的な意味での……」

小鷹「両方だ!」

夜空「両方……し、しかし、男女間の友情は成り立たないという俗説も」

小鷹「夜空は俺が嫌いか!?」

夜空「き、嫌いでは……」

小鷹「好きなのか!?」

夜空「……す、好きです」

http://i.imgur.com/NreogAe.jpg

小鷹(これで隣人部メンバーへの告白も無事終わったか……) スタスタ

夜空「待て、小鷹、まだ話が」

小鷹「時計見ろよ、遅刻するだろ」

夜空「むっ。……ならば急ぐぞ」 グイッ 

小鷹「うぉ、おい!」

夜空「……二人揃って遅れたりしては恥ずかしいだろう」 タッタッ

小鷹(手を繋いで走った方が恥ずかしいだろ!?)

夜空「小鷹! 一緒に昼食を食べるぞ! 『恋人』同士はそうするものだ、『恋人』同士は!」 

小鷹「お、おい、教室でそんな大声出さなくても……」

夜空「……小鷹は嫌なのか?」

小鷹「い、嫌じゃない、嫌じゃない」


小鷹(はぁ……昼休みが終わってからも、授業の間は何度もこっちを振り返ってたな)

夜空「小鷹、部室に行くぞ」

小鷹「なんでそうなるんだ?」

夜空「隣人部は小鷹と私の……あ、愛の巣だからな」 カァァァ

小鷹(自分で言って自分で照れるなら言わなきゃいいんじゃ……)

夜空「い、いいから行くぞ!」

小鷹「いや、ま、待ってくれって、おい……」

小鷹(やばい、まだ心の準備が……っ)

小鷹「……や、やっぱりやめないか?」

夜空「肉も納得して振られたんだろう? 問題ない」

小鷹「でも」

夜空「肉が何か言うようなら私が捻じ伏せる! ほら、入るぞ」 ガチャッ

小鷹(な、なんて説明する? ちゃ、ちゃんと嫌われるためには……)

夜空「……ん、なんだ、今日はずいぶん集まってるな?」

小鷹「え?」

星奈「……」 幸村「……」 理科「……」 ケイト「……」 マリア「……」

小鷹「お前まで」

小鳩「……あんちゃんが悪いんじゃ」 プイッ

星奈「話は全部小鳩ちゃんから聞いたわ。小鷹、死に方だけは選ばせてあげるわ、そこに跪きなさい」

幸村「あにき、見損ないました」

理科「私は星奈先輩ほど優しくありませんから、選択肢はなしです。嬲り殺しです」

ケイト「乙女の純情踏み躙りやがって……ぶっ殺す」

小鷹(ぎゃ、逆に考えるんだ、バラす手間が省けたと……あ、ダメだ、これ死んだな)

ナチュラルに葵を忘れてた

夜空「待て、貴様ら! 小鷹に何をするつもりだ!」

星奈「夜空、黙ってなさい。そこの最低男は一万回殺しても足りない超罪人なのよ」

マリア「あはは~、おにいちゃんはバカなのだ!」

葵「な、何の騒ぎですか!」

小鷹「葵!?」

星奈「引っ込んでなさい、愚民。これから小鷹を私刑にするんだから」

葵「じ、自分の小鷹くんに変な事しないでください!」 グイッ

夜空「……なんだと?」

星奈「小鷹、あんた……」

ケイト「最っ低……」

夜空「な、なんだ、どういうことなのだ?」

夜空「つ、つ、つ、つまり……小鷹は、そこのちびっこどもを除いた、全員に……」 ブルブルッ

理科「告白したみたいですね……ふふふっ、通りでチキンオブチキンの小鷹先輩が妙に男らしいと思いましたよ……」 ドヨーンッ

幸村「私の女としての幸福は儚く消えてしまいました……やはり、真の男を目指すしかないのですね」

星奈「何が好きよ、あたしのファーストキス返しなさいよ!」

葵「極悪非道です、鬼畜です、最低の屑です、人の形をした人でなしです!!」

ケイト「お兄ちゃんなんてお笑い草だよ。あんたの事は、今度からクソ野郎って呼べばいいよね」

マリア「おにいちゃんはおにいちゃんなのだ!」

小鷹(予定通りに嫌われたな。これで良かったんだよな……)

小鷹(俺が皆に嫌われて、隣人部は俺抜きで元通り。そのはずだよな)

星奈「さあて、どんな罰をくだしてやろうかしら。裸で校内一周くらいじゃ済まないわよ」

夜空「待て」 スッ

星奈「何のつもり?」

小鷹「……夜空?」

夜空「小鷹は私の物だ、貴様らには触れさせない」

星奈「な、なんでそんな最低野郎を庇うのよ!」

夜空「……確かに小鷹のした事は裏切りだ。だが、それとこれとは別だ!」

理科「別って、どういう事ですか?」

夜空「こ、小鷹がどんなつもりだったとしても……わ、私は小鷹が好きだ!!!」

星奈「何よそれ、ズルいわよ!」

夜空「何がズルいだ! 貴様らは小鷹を許すつもりはないのだろう! ならば私が小鷹の恋人だ!」

小鷹「お、おい夜空!」

夜空「お前は黙っていろ!」

葵「そんな理屈、自分は認めません!」

夜空「貴様に認めてもらう必要などない!」

マリア「ん~、退屈なのだ……」 クタッ

小鳩「……」 チラチラッ

小鷹(予想した方向とどんどんズレてく。どうなってるんだ?)

日向「やあ!!!羽瀬川くんは貰っていくぞ!!!」

天馬「いや私が貰おう」

>>133
ペガサスはだーとれっ

幸村「では、私もそちらに」 スタスタ

星奈「なっ!」

小鷹「なんで……」

幸村「あにきには私の想像も及ばない深い思慮があったに違いありません」 ニコッ

夜空「まあ、許すと言うなら、私が口出しする事ではないが」 プイッ

マリア「クソババアと一緒よりおにいちゃんと一緒の方がいいのだ!」 トテトテッ

ケイト「マリア! ……お、お兄ちゃんを許したわけじゃないよ、マリアがそっちにいるから仕方なく……」 ブツブツッ

小鳩「わ、我が半身が慈悲を乞うと言うならば、許さぬでもない」 スタスタ

理科「なんとなく、小鷹先輩が何をしようとしていたかわかりました。真性のヴァカ!ですね。……はぁ」 スタスタ

夜空「むぅ……」

肉「」サクッ

小鷹「え?」ジワーッ…

なんだ、終わりか

葵「チョイワルどころか激ワルでした……」

小鷹「ごめん、巻き込んじまった」

葵「……頭撫でてください。そうしたら許します」 スタスタ

星奈「何よ、あんた達! 悔しくないの!?」

理科「星奈先輩、想像してください。もしここで許さなかったら、夜空先輩ルート確定ですよ?」

星奈「うっ」

理科「私達は悪役、二人は悲劇のカップルでイチャイチャしっ放しですよ?」

星奈「ううっ」

理科「それなら小鷹先輩を許した方がいいと思いませんか?」

星奈「でも、でも、ファーストキスだったんだから!」

理科「私だってそうですよ!」

夜空「小鷹。後で少し話し合おうか」 ギロッ

小鷹「……はい」

むこうーへとー

星奈「わかったわよ、許すわよ、許せばいいんでしょ!!」 スタスタ

小鷹「はぁ……結局、どういう事になるんだ?」

理科「みんな小鷹先輩が好きって事です」 ギュッ

夜空「こら理科、私の小鷹から離れろ!」

葵「小鷹くんはあなたの物じゃありません!」 ギュッ

ケイト「お兄ちゃん、責任取ってくれるって言ったよね?」 チュッ

マリア「やめるのだうんこババア! おにいちゃんが汚れるのだ!」

小鳩「うちのあんちゃんなのにぃ!!」

幸村「あにき、お茶をお持ちしましょうか?」

星奈「いい加減にしなさいよ、あんた達! 小鷹はあたしの婚約者なのよ!?」

小鷹(だ、抱き疲れすぎて重い……。しかし、結果的には丸く収まって良かった……のか?) 

幸村「あにきは愛人が多いですね」 ニコッ

ふぅ。俺頑張ったな

で、誰で童貞卒業すんのさ

生徒会長もせっかくだから落としてください!

>>168
情報少なすぎてどうしようもねえ

エピローグ

日向「葵、最近隣人部に入り浸っているようだが、羽瀬川と何かあったのか?」

葵「ふぇ!? な、何もないですよ!」

日向「ほう、ずいぶん慌てているようだが? まさか嘘を吐いてるのではあるまいな?」

葵「あう、うぅ……」


夜空(くそっ、小鷹と過ごせる時間がむしろ前より減っている!)

日向「失礼する!」 ガチャッ

夜空「な、なぜここにリア王が来るのだ!」

葵「ごめんなさい……」

小鷹「会長、どうしたんですか?」

日向「いやいや、この部室が羽瀬川ハーレムと化していると聞いてな、私も加えてもらおうと思ってな」

小鷹「えええええええっ!?」

夜空「もういやだぁあああああああああ!!」

その後、羽瀬川小鷹が生徒会長を脅迫して性奴隷にしているという噂が校内を飛び交う事となり、

隣人部は羽瀬川小鷹の支配するハーレムとして知られるようになる。しかし、その真実は彼らしか知らない。 おわり

じゃあもう続き書いといて

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