代行ID:ZM3dVM+K0
代行感謝ー
書き溜めなしです、ゆっくりやります
誠子「やったぁ、明日の部活が休みになった!」
淡「お休みお休みー♪」
誠子「よし、これは釣りに行くしかない!」
尭深「…また渓流釣り?」
誠子「そうそう!遊漁の年券買ったのに全然行けてなくて」
淡「ねんけん??」
誠子「川釣りにもお金が必要なんだ、まあ、年券は年間パスみたいな」
淡「なるほどなるほど!お金いるんだ!」
誠子「そうだぞー。川も手入れや管理が大変だしね、安いもんだよ」
淡「なんか面白そう!一緒に行ってもいい?」
誠子「え、淡が?釣りに?」
淡「ダメなのー?」
誠子「いいよ、自然の素晴らしさを教えてやるー」
淡「やったぁ!誠子とおでかけ~♪これってデートだよねぇ」
誠子「そ、そうなの?まあいいけどさ」
尭深「ねぇ、」
誠子「尭深?」
尭深「私も、行く」
誠子「え、でも、服とか汚れたりするし…大丈夫?」
尭深「その心配、淡ちゃんにはしないの?」
誠子「え?あ、だって淡はそういうの気にしないタイプだろ?」
淡「ひどーい!気にするよー!でも、いいの、楽しそうだから!えへへ」
誠子「ほら、気にしてないじゃん。でも、尭深はほら、気にするかなって」
尭深「…しない、しないもん。私も行く」
誠子「そう?ならいいけど…」
菫「楽しそうだなお前ら」
照「釣りね、楽しそう」
誠子「先輩方は何か予定あるんですか?」
菫「私たちは参考書を買いにな、えっと」
照「回りくどい…デートデート」
淡「ふふーん♪私と誠子と一緒だね!」
菫「渋谷も一緒だろうが」
淡「3人でデートって言うの?」
誠子「さ、さぁ?」
尭深「…言わない」
菫「そうだ、言わないぞ」
淡「なーんだ。でも、楽しそうだよね、ね、たかみー」
尭深「うん…多分」
誠子「よーし、じゃあ明日早起きなー」
淡「起きられるかなぁ…」
誠子「時間に来なかったら置いていくからなー」
淡「だ、ダメダメ!そんなのダメ!絶対起きる!」
誠子「うんうん、それでいいそれで」
尭深「私は早起き得意だから」
誠子「知ってる、だから尭深はその心配してないよ」
尭深「え、うん…//」
誠子「あれ、なんか顔赤くない?大丈夫?」
淡「たかみー風邪?もしあれだったら明日は…」
尭深「ち、ちが!風邪じゃないから、明日はちゃんと行くから…」
淡「…なーんだ」ボソッ
誠子「そう?ならよかった、あ、尭深、お昼なんだけどさ」
尭深「お昼?」
誠子「朝が早いから言いにくいんだけど、前に作ってくれたやつ…食べたいなぁって」
尭深「…おにぎり?」
誠子「そう!あれ美味しかったんだ、…連れて行く代わりって言うと卑怯だけど
お願いしてもいいかな?だめ?」
尭深「え、あんなのでいいなら…いくつでも」
誠子「ほんと?マジ?やった、ありがと!」ナデナデ
尭深「か、簡単だから、そんな、別に//」
淡「……ねぇ誠子!」
誠子「ん?」
淡「私も作ってくる!」
誠子「え、いいよ。淡は起きるだけで大変だろ?」
淡「つ、作るったら作るの!」
誠子「そう?ならまあ…お願いするね、淡」
淡「うん!任せといてよ!」
菫「…面白いことになってるな」
照「だね」
菫「亦野、あれは鈍感だからなぁ」
照「私は人のこと言えない…」
菫「確かに」
照「…ひどい」
菫「自分で言ったんだろうが」
照「ふん、菫のばか」
菫「おいおい、なんだよもう」
照「…ねぇ、明日はさ」
菫「ん?」
照「楽しみだよね」
菫「え、あぁ…だな」
誠子「じゃあ、明日は○時に集合ってことで!」
淡「うん!」
尭深「わかった」
誠子「アマゴはさ、警戒心強いから派手な色の服はNGなー」
誠子「あとちょっと岩場に登ったりするかもだからスカートもダメだし、
汚れてもいい服で、靴はスニーカーね、絶対だよ?」
淡「りょーかい!」
尭深「うん、楽しみ」
誠子「いつもは一人だからさ、人を連れて行くって新鮮だよ」
淡「私と一緒で嬉しいでしょー?」
誠子「うん、嬉しい嬉しい」
尭深「…私は?」
誠子「嬉しいに決まってる」
尭深「うん、そっか」
淡「川に入ったりするの?」
誠子「まあ浅瀬なんかには入ってくよ」
淡「ワイルドだー」
誠子「でさ、こう五感を研ぎ澄まして…竿を振るわけだよー」
淡「かっこいいー」
誠子「へへ、ありがと」
尭深「私たちなにか持ち物ある?」
誠子「あ、タオルは首に巻いたり拭いたり使うから
何枚かあってもいいかも。あと飲み物とか…あ、夜メールするよ」
尭深「うん、…ありがとう」
誠子「え?なんで?」
尭深「気を使わせてるかなって」
誠子「何言ってんの、私と尭深の仲じゃん?」
尭深「う、うん…だよ、ね」
淡「いいなーいいなー同級生いいなー」
誠子「後輩もいいんじゃない?」
淡「なんで?」
誠子「お前が甘えてくれるとほら、先輩的には嬉しいし?」
淡「あ、甘えてって…も、もう!//」バシッ
誠子「いたっ!叩くなよー」イテテ
淡「ばーか、誠子のばーか//」
尭深「…照れてる」
照「え、呼んだ?」
菫「…お前じゃない」
照「なーんだ…」
誠子「え?なんですか?」
菫「…まあ、頑張れ亦野」
誠子「へっ??」
次の日、待ち合わせ場所
淡「ま、間に合った…」ハァハァ
誠子「お、ギリギリだけどちゃんと来れたね、淡」
尭深「おはよう、淡ちゃん」
淡「ちょー早起きだよー初めてだよー」
誠子「えらいえらい」ナデナデ
淡「えへへ、あ、ちゃんとお昼も作った!」
誠子「ありがとね。お昼楽しみ」
淡「ふふん♪」
誠子「さ、淡がご機嫌のうちに行くかー」
尭深「うん」
淡「たかみーも作ったんだよね?」
尭深「うん、そうだよ」
淡「そっか、楽しみ…」
尭深「…私も」
誠子「どしたの?」
淡「う、ううん。なんでもなーい」
尭深「なんでもないよ、行こう」
誠子「あ、うん…じゃあ、ここを登っていくからね」
淡「はーい」
誠子「最初はなだらかだけど少しずつきつくなってくるから
辛くなったらすぐに言ってね」
尭深「うん、了解」
誠子「じゃあ出発ー!」
淡・尭深「おー!」」
淡「いつも釣るところへ行くの?」
誠子「そうそう、ちょっと大変だけどよく釣れるんだ」
淡「そうなんだー…ん~!空気が美味しい~」
誠子「うん、自然の澄んだ空気は何ものにも代えがたいよね」
尭深「緑の香りも落ち着く」
誠子「うんうん!二人が分かってくれて嬉しいよー」
淡「えへへー。それにしても大荷物だよね、誠子」
尭深「重くない?」
誠子「これくらいどうってことないよ、てか減らしたくらいだよ?」
淡「そうなの!釣りも大変だ!」
誠子「こう、小物とかごちゃごちゃと多くてさ」
尭深「そういえば誠子は整理整頓得意じゃなかったよね」
誠子「さすが尭深、よく覚えてる!って整理整頓しとかなきゃ
いざって時に欲しいものが使えなかったりするんだ」
淡「アハハーダメじゃん!」
誠子「うん、ダメだー」
尭深「私ならいつもで手伝うよ、ほら、1年生のときも…」
誠子「あ、そうそう!弘世先輩にすごい怒られたんだよなー!」
誠子「『亦野、部員になりたかったらまず身の回りを片付けろ!』ってね!」
淡「それ菫のモノマネ?似てないよー!」クスクス
誠子「え、似てなかった?あはは、難しい」ケラケラ
尭深「あのときみたいにいつでも頼ってね」
誠子「うん、ありがと尭深。尭深が同級生でよかった」
尭深「それは私のセリフ」
誠子「じゃあ、お互い様だね」
尭深「うん」
淡「……」ムッ
誠子「淡疲れたの?まだ出発して30分も経ってないよー」
淡「そんなんじゃないし!」
尭深「……」クスッ
淡「……っ!」
誠子「ならいいけど。あ、そこを右に曲がって」
淡「はーい」
誠子「ここからはぬかるみとかあるしちゃんとした道じゃないから
しっかり着いて来てね、木の枝とか段差にも気をつけるんだよ」
淡「はい!」
尭深「う、うん」
誠子「尭深?大丈夫?」
尭深「ごめん、平気」
誠子「ならいいけど…じゃあ、行くよ」
淡「……たかみーにだけ優しい」ボソッ
支援
しばらく歩いて…
淡「ねぇ誠子まだー?」
誠子「もうちょっと、頑張れ淡」
淡「うん!頑張る!」
誠子「その意気だ!」
淡「ハイ!隊長!」
誠子「誰が隊長だよまったく」
尭深「た、隊長…きついです」
誠子「尭深まで…って大丈夫?休憩する?」
尭深「あ、あとどれくらい?」
誠子「そうだな…このペースだと10分くらい」
尭深「なら頑張るから」
誠子「ほんと?無理しないでよ?」
誠子「あ、手をつなごうよ。そしたらほら、ちゃんと着いてこれるし」
尭深「え、でも//」
誠子「気にしないで、ハイ」
尭深「う、うん//」ギュ
淡「なっ!!」
誠子「淡?ほら、行こう」
淡「え、あ、うん…」
誠子「尭深、私が速かったら言うんだよ」
尭深「うん、あの、ありがとう…」
誠子「いいっていいって、そんな顔しないの」ノゾキコミ
尭深「っ!//」
誠子「ほら、さっさと行っちゃお」
尭深「う、うん!」
淡「おかしいおかしい…こんなはずじゃなかったのに…」ボソボソ
誠子「よーし、じゃあそこの岩場を登ろう。登ったら、ゴール!」
淡「え、これを登るの?」
誠子「ちょっと高いけど、そこに足をかければ」
尭深「…自信ないかも」
淡「川ならここにだってさ」
誠子「うーん、でもここを登ったところの方がいいんだ」
尭深「…なら、頑張る」
誠子「ありがとう尭深、じゃあ私が先に登るから引っ張り上げるよ」テヲハナス
尭深「あっ…」
淡「わ、私も頑張るから!」
誠子「うん、いい子だ淡!」ナデナデ
淡「う、うん!」
誠子「よし、じゃあ、ここに足をかけてっと…」グイッ
淡「すごい!かっこいい!」
誠子「あはは、ありがと。さて、どっちから登る?」
淡・尭深「「私から!」」
誠子「ちょ、二人一緒は無理かな」アセッ
淡「じゃあ、たかみーどうぞ?」
尭深「ううん、淡ちゃんからどうぞ?」
淡「いやいやここは先輩から」
尭深「こういうのは後輩からでしょう」
誠子「…どっちでもいいよ、ほら、」テヲノバス
淡「じゃあ私!」ギュッ
尭深「あっ!」
誠子「よし、淡、私が足をかけた場所に足をかけて…」
淡「う、うん。確かここ…」
誠子「引っ張るよ、いい?いくよ?んー!よいしょっと!」グイッ
淡「うー!っと!!」
淡「登れたー!おー!上はこうなってるんだ!」
誠子「いい景色だし、いい釣り場なんだ」
淡「いいねいいね!」
誠子「でしょ?頑張った価値もあるでしょ?」
淡「あるある!」
誠子「よし、じゃあ次は尭深だ」
淡「たかみーは運動音痴だからなー」クスッ
尭深「淡ちゃん聞こえてるよ!」イラッ
淡「えーなにかなー」
誠子「こら、淡」
淡「ごめんねーたかみー」
尭深「…誠子、早く上に行きたい」
誠子「うん、じゃあ、淡がやったみたいに足をかけて」
尭深「わかった」
尭深「ここ…だったかなぁ」
誠子「じゃあ、足をかけたところをしっかり蹴るんだよ?いい?」
尭深「う、うん」
誠子「はい、しっかり掴んでね」テヲノバス
尭深「掴んだよ、うん」ギュウ
誠子「引っ張るよ、んーっ!!よいしょ、あっ!!!」
尭深「え、あっ!」ズルッ
淡「誠子?ってちょ、危ない!!」グイッ
誠子「た、尭深大丈夫!?」
尭深「な、なんとか」
誠子「ちゃんと足元蹴った?」
淡「たかみーしっかり!誠子まで落ちちゃうよ!」
尭深「ご、ごめんなさい」ショボン
誠子「いいから、ほら、もう一度、引っ張るよ。いくよ!淡も一緒に!」グイッ
淡「う、うん!」グイッ
尭深「んっ!はぁ、登れた…」
誠子「ハァハァ、よかった」
尭深「ごめんなさい…足を引っ張ってばかりで…」
誠子「そんなのいいって。大丈夫だよ尭深」
尭深「でも…」
淡「誠子がいいって言ってるんだからもういいじゃんたかみー」
尭深「淡ちゃん…ありがとう、引っ張ってくれて」
淡「う、うん…別にいいけど」
誠子「尭深、元気出して。ほんと、平気だから。ね?」
尭深「…ありがとう、誠子」
誠子「よぉーし!じゃあ、お待ちかねの釣りの時間だぁぁぁ!」
淡「やっとだね!正直ちょっと疲れてるけどこれからだよね!」
誠子「そうだそうだ!これからだよ!」
誠子「じゃあ私はいろいろ準備するね」
淡「それって大変?」
誠子「そうだぞー、ほら、この細かいのをこうやってこうしてってやるんだぞー」
淡「…うっ、めんどくさい」
誠子「ほら、あっちの平らな場所に持ってきたシート敷いて座ろう」
尭深「うん、ちょっと待ってね」ゴソゴソ
淡「たかみーシート持つよ、それ」
尭深「うん、じゃあこっちの角を持って…」
バサー
誠子「さて、荷物を置いてっと…」
尭深「淡ちゃん、座ろっか」
淡「うん」
誠子「私は準備するから、二人はゆっくり休憩してね」
淡「うん」
誠子「疲れたでしょ?特に尭深は」
尭深「う、うん…けど気持ちいいね」
誠子「うん、水辺はマイナスイオンも出てるし清々しいよね」
淡「それに涼しい~水の音も心地いいね」
誠子「うんうん、っと、……あれ、どこやったっけ…あぁ、あったあった」
誠子「で、…ここにこれを置いて…」
淡「誠子集中してるね」
尭深「すごく夢中で楽しそう」
淡「…うん」
尭深「こんなにきついなんて思わなかったなぁ」
淡「だよね、舐めてたかも」
尭深「だけど、…来てよかった」
淡「…うん、よか ったよね」
誠子「よーし仕掛けの準備できたー」
淡「おっ!できたー!」
尭深「ってミミズ…」
淡「たかみー怖いの?」
尭深「こ、怖くない、けど、」
誠子「無理しなくていいよ尭深、でもまあ、これは釣りには不可欠でさ」
尭深「う、うん、そうだよね」
淡「ねぇ、こう竿をシュっとやるの?」
誠子「バカ、そんな場所ないだろー」
淡「そうなの?」
誠子「あんまり振っちゃうとそこらへんの岩とか木に当たっちゃうよ」
尭深「…なるほど」
淡「そうなんだー」
誠子「こうかっこよく振りたいなら海釣りとか、川でももっと広いところじゃなきゃね」
淡「ふむふむ!」
誠子「ほんとにわかってるのかー、ま、いいけどさ」
誠子「よし、じゃあはじめるか」
淡「わくわくだよー」
誠子「言っとくけど、1匹も釣れないかもしれないよ」
淡「え、そうなの!?」
誠子「自然が相手だしね」
尭深「難しいんだね」
誠子「でも、そこがいいんだけどね…っと、」
淡「そのあたりがいいの?」
誠子「うん、ほら、木陰になってて暗いでしょ?」
尭深「確かに…」
誠子「ねらい目なんだ、まあ、それでもダメなときはダメだけどね」
淡「そうなんだ!」
誠子「そんなにじっと見てなくてもいいよ淡」クスクス
淡「うん、でもいいの、楽しいし」
誠子「そう?ならいいけど」
尭深「ふふ、なんかいいね」
誠子「なにが?」
尭深「ううん、なんでもない」
誠子「そ、そう、ならいいけど」
しばらく経って
淡「…釣れないの?」
誠子「お、早速飽きたな、淡」
淡「……」
誠子「まあ、焦れちゃうよね。私も始めたばかりはそうだったよ」
尭深「そうなんだ」
誠子「気ばかりが急くんだ、だけど、神経を研ぎ澄ませて
じっと音を聞いてるとそんな時間もいいなって思えてきてさ」
誠子「釣れたら教えてあげるから」
淡「はぁーい」
誠子「尭深は退屈してない?」
尭深「してないよ、誠子を見てるだけで楽しい」
誠子「えーそれどういう意味だよー」
尭深「そのままだよー」
誠子「えー」
尭深「ふふ、大丈夫楽しいよ」
誠子「ならいいけどー」
淡「ねぇ、たかみー…」
尭深「なぁに?」
淡「…私が誠子に一緒に行きたいって言ったから付いて来たんだよね?」
尭深「さぁ、どうかな」
淡「ていうかぶっちゃけ、たかみーって誠子が好きだよね」
尭深「それは知らないけど淡ちゃんって誠子が好きだよね」
淡「私も知らない」
尭深「そう、私も知らないけど」
淡「…誠子ってさ、優しいよね」
尭深「優しすぎて、ダメな人」
淡「そう、でも、それが…嬉しいから」
尭深「嬉しいから、私も、淡ちゃんもダメなんだよね」
淡「3人ともダメダメだね」
尭深「そう、そうなの」
淡「…釣りバカ」
尭深「…鈍感」
誠子「ん~…釣れない」
お昼
淡「ねー誠子ーお昼の時間だよー」
誠子「え、もうそんな時間!?」
尭深「うん、そう」
誠子「くっそー…午前中1匹も釣れなかったよ…」
淡「そういうこともあるんでしょ?」
誠子「そうだけど、でもせっかく二人を連れて来たんだし…
かっこいいとこ見せたいじゃん」
淡「…ううん、誠子はいつでもかっこいいよ」
尭深「う、うん//」
誠子「そ、それは嬉しいけどでもなぁ…うーん、仕掛けがまずいのかなぁ」
淡「…ダメだやっぱり」ボソッ
尭深「だね…」ボソッ
誠子「まあ、仕方ないか…ってそうだ!尭深と淡が作ってくれたお昼ご飯じゃん!」
淡「そうそう!私が作ったこのおかずに注目!」パカッ
誠子「おぉ!美味しそう!」
淡「えへへー」
誠子「こんなに作ったって何時起きだよ淡、ありがとう!」
淡「が、頑張ったんだよ!」
尭深「あ、えっと、これ、誠子が言ってたおにぎり」スッ
誠子「おーこれこれ!海苔が美味しいんだよね!」
淡「もう、テンション上がりすぎー」
誠子「だって後輩と同級生が作ってくれたご飯が食べられるんだよ?」
淡「え?」
尭深「え?」
誠子「嬉しすぎてテンション上がらないはずなくない?
ほら、私は料理できないしさ、二人ともありがとね」
淡「あ、うん…」
尭深「うん、いいの。大した事じゃないから…」
誠子「じゃあ、いただきます!」
淡「はいどーぞ」
尭深「召し上がれ、誠子」
誠子「おー!玉子焼き美味しいー」
淡「でしょでしょー」
誠子「うん、淡すごいなぁ」ヨシヨシ
淡「もっと褒めてもいいよー」
誠子「うん、すごいすごい」
淡「誠子に喜んで欲しくて頑張ったんだからね」
誠子「喜んでるよ、ほんと、マジで」
淡「日頃のお礼と、今日のお礼」
誠子「淡…お前そんなキャラだっけ?」
淡「なっ!ひどーい!」
誠子「アハハ、ごめんごめん」
誠子「さて、尭深のおにぎりも食べようかなぁ」パクッ
尭深「どうぞ、たくさんあるからいっぱい食べて」
淡「たかみー私も食べていい?」
尭深「うん、もちろん。淡ちゃんの分も作ったから」
淡「わーい!ありがとー!私のやつも食べてね」
尭深「うん、じゃあ、いただきます」
誠子「おぉ!これだこれ!尭深のおにぎりはいつも美味しいなぁ」
尭深「そ、そうかな?別に普通って言うか…」
誠子「なんでだろう、美味しいんだよねぇ。何か入れてる?」
尭深「ううん、全然」
誠子「きっとあれだね、尭深の気持ちが入ってんだね」
尭深「えっ!?//」
誠子「美味しくなりますように、ってやつだね」
尭深「あぁ…そっちなのね」
誠子「そっち?」
尭深「ううん、なんでも。喜んでくれてよかった」
淡「たかみーよく作るの?」
尭深「そうでもないけど、前に一度1つあげたらすごく美味しいって言ってくれたから」
誠子「たまに食べたくなるんだよね」
淡「私のもなる?」
誠子「うん、美味しいからきっとなるよ」
淡「そっかぁ、よかったぁ」
誠子「さーて、腹ごしらえも済んだし…もいっちょ頑張るか」
淡「今度こそ釣り上げてよね」
誠子「うーん、まあ頑張るよー」
尭深「頑張って、誠子」
誠子「あ、あんまり遅くなると暗くて危ないから早めに切り上げるね」
淡「はーい」
尭深「うん、わかった」
誠子「あ、ていうか、ほんとに大丈夫?」
淡「なにが?」
誠子「いや、二人は釣りもしないのにここにいて退屈じゃないのかなって」
尭深「全然退屈じゃないよ、楽しい。ね、淡ちゃん」
淡「うん、大丈夫だよ誠子」
誠子「ならよし。…さて、仕掛けちょっと直すかな」
誠子「うーん、角度かなぁ…こっちをちょっと削るか」
誠子「……えーっと、これでいいかなぁ、よし」
淡「…相変わらず楽しそうで」
尭深「全然退屈じゃないよね」
淡「誠子を見てるだけで楽しいもんね」
尭深「…だよね」
誠子「っ!!あ、淡!きた!」
淡「ほんと!!?」
誠子「ほんとほんと!」
尭深「しなってる!」
誠子「よーし、そっとそっと…この網でっと…」
淡「っ!これがアマゴ!」
誠子「ちょっと待ってね、ハリを外して…はい、釣れた!」ドーン
淡「あ、赤い!」
誠子「あぁ、うんそうだよね。綺麗だよ…ちょっと小さいけど」
尭深「これで小さいの?」
誠子「うん、だけどまあ、よしとしよう」
淡「これがアマゴなんだぁ…」ツンツン
誠子「そんなに珍しい?」
淡「うん!誠子、連れてきてくれてありがと!」
誠子「あ、うん…なんか恥ずかしいな//」
誠子「そろそろ帰ろうかー」
淡「もういいのー?」
誠子「うん、これだけ釣れれば十分だよー」
尭深「午後はすごかったね」
誠子「こういうこともあるのが自然なんだよねー」
淡「面白いね」
誠子「でしょ?だから、やみつきなんだよね」
尭深「誠子、いい顔してる」
誠子「そ、そう?//」
尭深「さ、片付けよう」
誠子「うん、バラしてくね」
淡「これ塩焼きとかするの?」
誠子「そ、美味しいよ。お母さんがいろいろ料理してくれるの」
淡「食べたいなぁ」
誠子「うちにおいでよ、一緒に食べようよ。尭深も」
淡「い、いいの!?」
尭深「迷惑じゃない?」
誠子「ううん全然平気。今日は少し多めに釣れたしさ、ご馳走したい
ってお母さんが料理するんだけどさ」
淡「い、行く!行きたい!」
尭深「あ、私も…」
誠子「おっけー。じゃあ、このまま沢を下りてうちへ向かおっか」
淡「さんせー!」
尭深「ありがとう、誠子」
誠子「なんのなんの。いいってことよー!」
淡「たかみー嬉しいでしょ」
尭深「それは淡ちゃんでしょ」
淡「ふーんどうかな」
尭深「そっちこそ」
淡「誠子、魚の分重いでしょ?何か持とうか?」
誠子「バーカ。淡に持たせるなんてできないよ」
淡「なにそれ落とすと思ってるんでしょー」
誠子「違う違う。後輩に重いもの持たせるなんてできないってこと」
淡「…そ、そう?ありがと」
誠子「今日はやけに素直だ、いいね、可愛い」
淡「か、可愛くなんかないよ、バカ//」
誠子「えー、淡って可愛いよね?尭深」
尭深「そう?」
誠子「もう、尭深は素直じゃないなぁ」
尭深「そ、そんなんじゃ…」
誠子「さて、岩場降りよっか」
淡「うん…」
誠子「私が先に降りるからね…よっと、ここを持つといいよ」
誠子「おっと、…よし、降りられた。じゃあ尭深からおいで」
尭深「あ、うん…」
誠子「落ち着いてね、ゆっくりでいいよ。そう、そこを持って」
尭深「い、行くよ」
誠子「うん、ちゃんと支えるから平気だよ、っと…よし、降りられた」
尭深「ほっ…よかった」
誠子「ごめんね、危ない場所に連れて行って」
尭深「ううん!謝らないで」
誠子「うん、…わかった。…じゃあ、淡降りといでー」
淡「行くよ~」
誠子「淡、急がなくていいからね。安全第一だよ」
淡「わかってるってー、全然平気っ、あっ!!」
誠子「ほら、もう!しっかり手をかけて!」
尭深「淡ちゃん落ち着いて!」
淡「こ、怖いよ誠子!お、落ちる!」
誠子「大丈夫、ちゃんと足をそこ、そう、かけて!」
淡「う、うん!…はぁ、よかった」
誠子「よし、じゃあ、ゆっくり、そう、ちょっとずつ降りてきて…うん、そうそう」
淡「は、はぁ…お、降りられた」
誠子「調子に乗らないの…もう」
淡「…ごめんね誠子」
誠子「いや、私こそこんなところに連れてきてごめん」
淡「なんで、私が来たかったんだよ」
誠子「そうだけど…でも、ごめん」
淡「…うん、いいよもう」
誠子の家まで歩く
誠子「疲れてるだろうし、ゆっくり歩いて行こう」
尭深「…うん、疲れちゃった」
淡「でも楽しかったよね、たかみー」
尭深「楽しかったね」
誠子「ほんと?なら連れてきてよかったのかなぁ」
淡「よかったんだって!」
尭深「うんうん」
誠子「私も楽しかったよ、淡と尭深がいて楽しかった」
淡「それはそれは」
尭深「お魚楽しみ…」
誠子「美味しいよ、きっと」
淡「ねえ、誠子、誠子が好きなものってなーに?」
誠子「好きなもの?うーん、釣り?」
尭深「麻雀じゃないの?」
誠子「それも好きだけど、今日は釣りしたばっかりだしさー。淡は?」
淡「好きなもの?うーん、私は麻雀」
誠子「そっか、淡らしいね。尭深は?」
尭深「私は…私は、私も、やっぱり麻雀」
誠子「お茶じゃないんだ?」
尭深「うん。麻雀の次かな、お茶は」
誠子「そっかー…私は釣りも麻雀もどっちも好き」
淡「釣りは自然が好きだからでしょ?じゃあ麻雀は?」
誠子「麻雀は、打つのも楽しいし団体戦だとみんなの試合見るのも好きだよ」
尭深「そ、そうなの?」
誠子「私は白糸台の仲間が好きだし、みんなで戦う団体戦が好きなんだよね」
淡「私も、みんなのこと好きだよ」
尭深「なら、私だって」
誠子「一体感っていうのかな…スポーツともまた違うような、なんて言えばいいのかな
そういうのを体感できる麻雀が、好きなんだよね」
誠子「釣りとは全然違う、人と人とのつながりっていうかさ」
淡「誠子、いろいろ考えてるんだ」
誠子「どういう意味だーこらー」
淡「だって。ただの釣りバカかと。ね、たかみー」
尭深「ふふ、だね」
誠子「ち、違うって。もう…私はみんなが好きで麻雀が好きなんだよ」
尭深「そっか、みんななんだ」
誠子「尭深もそうだって言ったでしょ?」
尭深「そうだけど、そうじゃないっていうか」
淡「うん、そうだけどそうじゃないよね。わかるわかる」
誠子「えぇ、どういうこと?」
淡「鈍感な誠子には一生分かりませーん」
尭深「うーん、確かに」
誠子「私鈍感かなぁ。それは宮永先輩じゃないの?」
淡「うわ、自覚ないわけ?厄介だー」
尭深「ほんとだねぇ、困っちゃうね」
誠子「うぅ、二人がいじめるよー」
淡「照も大概だけど、誠子も全然負けてないから」
尭深「いい勝負かな」
誠子「…うーん。わからない…弘世先輩に聞いてみようかな」
淡「菫は多分教えてくれないんじゃないかなぁ」
誠子「そうなの?」
尭深「そうなの」
淡「ねぇ、それよりお腹すいちゃった」
誠子「もうちょっと我慢だー」
尭深「誠子ー」
誠子「ん?」
尭深「…今日はありがと」
誠子「え?うん…さっきも言ったよ?」
淡「あ、じゃあ私も!ありがと誠子!」
誠子「んー?変な二人」
淡「誠子、きっといつかさ」
誠子「いつか?」
淡「教えてあげるよ」
誠子「いつだよーそれ」
尭深「いつかは、いつかだよ」
誠子「なんとなく、すごく遠い話のような…」
淡「それは誠子次第ってことで」
誠子「うーん」
尭深「きっとね、わかるよ」
淡「私たち、気持ちが」
誠子「…気持ち?」
カン
もう2時過ぎてるやん、適当に書いて12時終了予定だったのに!
疲れた…すいません、最後駆け足ぎみになってしまった
ちなみに続きません
支援ありがとうですおやすみなさい
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