超能力。それは人知を超えた力。属にも魔法、異能、サイキック、スキル等
が、その超能力の一歩前の能力、炎を放出する超能力があるとすれば火を放出する劣化の能力
『劣』がこの世界に存在する。しかし、『劣』は存在はしているがそれを知る者は限りなく少ない
主人公、古春 葉流々(ふるはる はるる)も、『劣』等と言う能力など知る由も無かった。
だが、彼は何れ『劣』を知ることになる。そう遠くない未来にて…………
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「はるるん、今日お買い物付き合ってくれない?」
学校の下校時間、少女からのお誘いがあった。
古春「あー。いいよーこべっちゃん」
少女の名前は古部 矢那(こべ やな)、女性ながら男性の服装を着込んでいる。
古部曰く女性モノは通気性があって困るだとか。
古春「んじゃあこべっちゃん、待ち合わせ場所は公園なー」
古部「うん、早くねー」
古春と古部は中一からの仲である。古春は中一にこの町に引っ越してきた。
古部とは家が隣同士、さらに名前が似てたり、思うことが一緒なのかすぐに仲良くなった。
どれほど仲がいいかと言うと、二人の事を『フルフル』と呼ぶモノが増えるくらいだ。
そんなこんな、公園に向かう途中、コンビニの垂れ幕に目を見やる。
古春「……へー、ケーキ祭りかー」
そういえば古部は甘いものが好きだなーと思いつつ、買っておいてやるかとコンビニに向かった。
ビルの屋上で巻き髪の少年といたるところに包帯を巻きついている少女が景色を眺めていた。
「所詮僕達は『超能力者』の劣化に過ぎない。『劣』の能力を持つものは『愚者』と言うべきなんだよ」
「実は『劣』は、超能力開発の失敗により生まれた『負の産物』とも言われている」
「おかしいよね?僕達みたいな『愚者』が、『超能力者』と元は同じだなんて………」
「まるで夢を壊された気分だよ。子供の大切な玩具を目の前で壊されたくらいに……」
「だけど、僕の思いは途絶えない。『愚者』が『超能力者』の劣化版なら、成長すれば『愚者』は『超能力者』になれる」
「その為なら僕は何でもするよ……あぁ、勘違いしないでね?僕が『超能力者』になろう何ておこごましい考えはこれっぽっちも無いから」
「だって、僕の『劣』は、陰湿で汚くて姑息で卑怯で『超能力』どころか『劣』と呼べる代物なのか分からない」
「けれど、少なくとも新しい『愚者』を誕生することが出来る………本来ありえない事が起きるほんの少しの奇跡」
「僕の『劣』はそれでこそ僕の能力なんだよ。陰湿で汚くて姑息で卑怯な僕でこそ、この能力が発現されたんだね」
彼の話を目を瞑りながら聞いている少女。日向 鈴花(ひゅうが すずか)は発する。
鈴花「冬御 雪斗(ふゆみ ゆきと)、貴方の『超能力者は神的存在です』思考は、幾つ聞いても理解できませんね」
鈴花「第一に貴方の【微かな奇跡】は、はっきり言って『超能力者』に匹敵します。仮に『超能力者』がいたとして」
鈴花「第二に、貴方はどうしてそこまで『超能力者』と言う存在に憧れを抱いているのですか?」
冬御「……『アイドル』っているよね?」
鈴花「………はあ?」
冬御「たまに、本当にたまにだけど『アイドル』を自分のものにしたい事ってあるよね?」
冬御「いや、『アイドル』限定じゃなくて、『アニメキャラ』とか、『ラノベのヒロイン』とか一緒にいたいとか思わない?」
冬御「毎日大好きな人と一緒に過ごしてる妄想とかするよね?」
鈴花「………気持ち悪いですね」
冬御「そう、気持ち悪いと思われても、一緒にいたいと思う。ある意味『憧れ』なんだよ」
冬御「憧れのものと一緒にいたいって思うのは不思議なことなのかな?」
冬御「気持ち悪いと言われても、貶されても、侮辱されようとも、この気持ちは変わりない」
冬御「俗に言う、この身の全てを犠牲にしても………ね」
冬御「あはは、喋り過ぎちゃったかな?お喋りはここまでにしよっか、今から……『奇跡』を起こしに行くよ」
鈴花(………やはり分かりません。貴方のその思考)
鈴花(その気になれば世界を作り変える……………までは行きませんが、それでも『愚者』の中でも強者となりえる)
鈴花(これは私の過大評価なのでしょうか?)
鈴花(それとも………)
コンビニの中は以外に生暖かく、冬過ぎた春の日には少し暑く感じた。
が、今の古春には十分すぎるほど寒く感じていた。
強盗「早くしろ、ハリーアップ!!」
店員「あ、はい……………」
古春「……えぇ…………………」
まったく持って運が悪い。コンビニ強盗に出くわすなんて…………
まあ、静かに息を潜めていよう……………
冬御「やあ、古春くん。初めまして」
古春「………え?誰?」
冬御「悪いけど、話は後。君には『愚者』になってもらうよ」
冬御「【微かな奇跡】は『超能力者』の『一歩』の為に」
右頬を撫でられた。が、特に外見上は何も問題は無かった。だが、あまりにも周りの空気が変わっているように思えた。
まるで自分だけがこの場所にいてはいけないと感じる程に。
冬御「さて、君は一体どんな『劣』が出てくるのかな?」
強盗「おい、何話をしてんだ?こっちに来い」
声が聞こえたのか、強盗は古春を呼び出す。
冬御「あぁ………来ちゃうね、古春くん。がんばってね。鈴花。頼むよ」
その声と共に消えていく冬御。そして同時のコンビニ強盗がやって来る。
強盗「おい、黙ってろ、いいな?おい、急げ!!」
コンビニ強盗が店員の方を向いている。今なら手に持つナイフを奪えるかもしれない。
だけど、距離が足りない。2メートルくらい離れている。
古春(クソ!!この距離が無かったら………ッ!!)
と、思った。
その瞬間に、近づいた。体が、ではなく自分の場所全てが。
強盗との距離が縮んだ、と言うべきか。
唖然。と共に覚悟を決める。
古春(何故急に近づけたのか分からないけど、ナイフを『奪う』のなら今だ!!)
そう思ったと共に。
強盗の手からナイフが『消えた』
古春、強盗共に唖然。虚構を突く。泥棒は自然なる言葉を口に出す。
強盗「おいお前!!俺のナイフは何処にやった!?」
と。
一番驚いているのは古春。自分が思ったことが現実化してしまったのだ。
目を丸くすると共に、古春の右手には何故か文字が。
『二m距離』と『刃物』。この二つが手に書かれていた。
強盗「何とかいえよ!!」
強盗は古春に向かって突進してくる。大いに隙がある突進。
だが古春は唖然としていた為、避ける行為が出来ない。
古春(やばッ………距離が短…………)
古春(距離がもう少しあれば……!!)
その思考を考えたと共に。右手の『二m距離』の文字が消失。そして共に強盗との距離が『二メートル伸びた。』
古春(!?おかしいだろ!!)
古春(漫画じゃないんだぞ?アニメなんかじゃないんだぞ!?)
古春(俺が『奪う』『無くす』と願うと願ったものが消えて、手の甲にかかれて、手の文字が消えると共に文字の意味通りに実現して)
古春(これじゃあ………超能力者みたいじゃないか!!)
冬御「いいや、違う、それは『愚者』って言うんだよ」
古春「!?」
強盗「誰だテメェ」
冬御「おめでとう古春くん。君は意外と早く『劣』の能力にたどり着いたね」
古春「どういう意味だよ…ッ!!」
冬御「君の思考を見『透かした』のさ。僕の友達がね。」
冬御「因みに僕が消えたのも僕の友達が『透かした』んだ」
冬御「まあ、それよりもおめでとう、古春くん」
冬御「きみは『劣』の能力を手に入れた。それも素晴らしい能力」
冬御「僕が思うに、君の能力は………」
冬御「現実内のものを文字として体に取り組む能力だよ」
はい、すいません駄文失礼しました。
いやー、コンビニで強盗に出くわしましてイライラしたので書かせていただきました。
ノリでするもんじゃないね!!
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