後輩「先輩、開けてくださいよぉ。ぜんぱーい」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

後輩「今更鍵なんて掛けなくても良いじゃないですかぁ。ねぇ、先輩、聞いてますよね？」

後輩「今、すぐそこに居るんですよね？　ドアの前で、ぐっと息を堪えて私の様子を伺ってるんですよね？」

後輩「ふふふっ。可愛いですね、先輩は。思わずぎゅっと抱き締めたくなっちゃうじゃないですか……」

後輩「もう少し遊びたかったんですけど、ごめんなさい。もう我慢できません、今からそっちに行きますね」

ｶﾁｬｯ　ｶﾞﾁｬｯ　ｷｨｨｨｨｨｨ

後輩「合鍵、持ってました。丁度、今、先輩がその右手に握りしめている物と同じ物です」

後輩「えへへっ、お揃いですね。なんか照れちゃいますね……」

後輩「え？　ストーカー女？　犯罪者？　異常者？　何のことを言ってるのか、少し理解に苦しみますけど……」

後輩「私はただ、先輩のことが好きで好きでたまらないだけの、唯の普通の女の子なんですよ？　丁寧に扱わないと、すぐに壊れますから」

後輩「あっ、逃げないでくださいよ。些細なことで傷付くって、さっき言ったばっかりじゃないですか……」

後輩「隠れんぼですかぁ？　別に良いですよ、この家の間取りは大体把握しているので」

後輩「先輩が隠れそうなところなんて、すぐ分かりますよ？　……あぁ、本当に先輩は可愛らしいんですね」

後輩「先輩、先輩、先輩、先輩、先輩……。あぁ、今から先輩は私のものになるんですね……」

後輩「そう考えると、胸の鼓動が抑えきれません、……先輩。何分保ちますかね？」