晴絵「同級生の親友と仕事の先輩に告白された」 (58)

 

晴絵「いやー、参った参った」

晴絵「二人とも急にそんなこと言い出すんだもんな」

晴絵「もっと事前にさぁ、それっぽーい空気出しててくれたら、私だってちゃんと察してたのになぁ」

晴絵「そりぁ嬉しいけど、いきなり言われたらいくら私でも戸惑っちゃうよ」

晴絵「そう思うだろ、玄ぉ?」

玄「そうですねー」ニコニコ

玄「でも仕方ないですよ」

玄「赤土先生かっこよかったですもん」

玄「小鍜冶さんとのタイトル戦」

晴絵「んっふふー、やっぱり玄もそう思う?」

玄「ですのだ」ドヤ

玄「っていうか、私は前からお二人から聞いてましたよ?」

玄「先生が好きだってこと」

晴絵「え、そうだったの?」

玄「ですのだ」

晴絵「何だよー、それならそれとなく私にも匂わせてくれてもよかったろー?」グイグイ

玄「お二人から口止めされてましたし、私もタイトル戦前の先生に負担を掛けたくなかったので」

晴絵「ああ、嬉しいなぁー。気遣いの出来る可愛い後輩とか最高だなぁ」

晴絵「いっそ玄が私と付き合わない?」

玄「……」ニコニコ

玄「……」ニコニコ

玄「……」ニコニコ

晴絵「……ごめんなさい」

玄「ですのだ」ドヤ

晴絵「え、そうだったの?」

玄「ですのだ」ドヤ

晴絵「何だよー、それならそれとなく私にも匂わせてくれてもよかったろー?」グイグイ

玄「お二人から口止めされてましたし、私もタイトル戦前の先生に負担を掛けたくなかったので」

晴絵「ああ、嬉しいなぁー。気遣いの出来る可愛い後輩とか最高だなぁ」

晴絵「いっそ玄が私と付き合わない?」

玄「……」ニコニコ

玄「……」ニコニコ

玄「……」ニコニコ

晴絵「……ごめんなさい」

玄「ですのだ」ドヤ

晴絵「いやでも実際さぁ、どうすりゃいいか分かんないんだよねー」

晴絵「プロになってからはずっとあの人に追い付きたくて必死だったし」

晴絵「……望が私をそんな風に思ってくれてたなんて、考えもしなかった」

玄「先生……」

晴絵「家業全部憧に押し付けて、東京に出た私の世話全部してくれてたのにね」

玄「空気出しまくってるじゃないですか」

晴絵「いやだって、望だよ? そりゃよく考えたら、本っ当に考え抜いたならその行動の真意を探れたかもしれないけどさぁ……」

晴絵「ほら私、周り見えてなかったし?」

玄「同じこと言ってるのに、さっきより言い訳臭さが酷い……」

晴絵「本当にね、こんな私の何がいいんだか……」ファサ

玄「ですのだ」ドヤ

玄「でもじゃあ、望さんのことはそういう対象で見たことはないんですか?」

晴絵「うーん、ないなぁ」

玄「……一度も?」ジトッ

晴絵「…………」

玄「……」ジー

晴絵「……ど、どこまで知ってる?」

玄「全部」

晴絵「………………一回だけ」ボソッ

玄「ですのだ」ドヤ

晴絵「いや、待ってよ。違うのよ」

玄「違くはないでしょ」

晴絵「そうだけどっ! そうじゃなくてっ!」ダンッ

晴絵「その日はちょっと、調子悪く負けちゃって」

晴絵「珍しく、私にしては本当に珍しく帰ってからお酒飲んでて」

晴絵「そしたら望が」

玄「き、聞いてないですから話さないでいいですっ!」

玄「っていうか望さん視点でもう聞いてますからっ!」

晴絵「…………ま、マジ?」

玄「ですのだ」ドヤ

おっと客が来た

しばらく麻雀しますので、落としてくらはい

健夜「ハルちゃん」

晴絵「なんですか?」

健夜「友達からディカプリオの映画のチケット貰ったんだけど、その、良かったら一緒に行かない……?」

晴絵「あー、あれですか。いいですね、凄く面白いですよ」

健夜「!? も、もう見に行ったの!?」

晴絵「え、ええ、この間望と…」

健夜「」



望さんは麻雀を楽しまされましたとさ

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