妹「お兄ちゃん、家もコタツ欲しいよぉ……」 兄「我慢しろ」 (10)

妹「でも、体が寒いよぉ……。同じクラスの子みたいにテレビも見たいし……」

兄「そんな贅沢なこと言ってると、親父やお袋みたいに、あの黒服のコワモテの人達に連れていかれるぞ」

妹「や、やだ……。あの人達、怖いもん……。わ、分かった、贅沢言わない……」

兄「よし、偉いぞ。それでこそ俺の妹だ! 今日は久しぶりにお肉だぞ!」

妹「ほんとぉ!? やったぁ!! お兄ちゃん、大好きー!!」

兄(ごめんな、妹……。後少しの辛抱だからな……。)

妹「おは……よ……? お兄ちゃん……? あれ、置き手紙?」

拝啓・妹
これを見ている頃には、俺はおそらくこの世に居ません。
ですが、こうするしかなかったのです。兄の先立つ不幸を許してくれ。
だけど、俺の分の保険金があれば、借金も返せ、妹にひもじい思いをさせることもないでしょう。
最後に、お前は、絶対に自分の身を売ることなく、潔白に生きてください。これは俺の願いです。さようなら。

妹「お兄ちゃぁん……そんな……お兄ちゃぁん……」

数年後
妹「パチンコたのしいわー、遊んで暮らせてマジラッキーだわー」

更に数年後
妹「いやー、キャバ嬢、めっちゃ儲かるわー」

おわり

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