響「え、釣り番組に出るか?」(169)

響「…ふーん、夏のアイドル釣り大会か」

P「う、うん…これの釣り部門なんだけど…調理部門は貴音が出たいって言うから決定したんだけど…」

P「ど、どうかな?皆にも持ちかけてみたんだけど餌のミミズとかが怖いって…」

響「いいよ、自分釣りは兄貴とかについて行って、たまに一緒にしてたし」

P「おお!さっすが!誰かは出すって言っちゃったからどうしようかと思ってたんだよ!」

響「ルールは…ふーん、竿は2本までか、どうすっかなあ?」

響「お、優勝商品とかあるぞ…有名料亭優待券2枚?」

P「番組の中で解説とか審査とかしてくれる方のお店だってさ」

響「ああ…貴音はそういう…」

貴音「…響」

響「みなまで言うな、だからこうして今自分達は釣具屋に来てるんだ」

チリンチリン

響「こんにちはー!」

釣具屋のお爺ちゃん「はいこんにちは」

響「ちょっと聞きたい事があるんだけど、相模湾の防波堤って何が釣れますか?」

釣具屋のお爺ちゃん「んー、お嬢さん達釣りは?」

響「いや、こっちはただのお供で。自分は釣りはしたことはあるけど、沖縄しか知らなくってさー…」

釣具屋のお爺ちゃん「へー!沖縄!なるほど、じゃあこっちの魚は何にも知らない訳だ」

響「そうさー、メッキとかは知ってるんだけど…」

釣具屋のお爺ちゃん「んー、メッキは今夏だしまだ早いな、釣りはどんな釣りを?」

響「ルアーとか考えてるんだけど大丈夫かな?」

釣具屋のお爺ちゃん「ああ、だったらスズキとか良いんじゃないか?」

響「あっ!知ってる!でもそれって相模に居るのか?」

釣具屋のお爺ちゃん「居るも何も今相模でルアーで簡単に狙えるのならスズキぐらいしかないだろうが」

響「げっ…そうなのか?」

釣具屋のお爺ちゃん「沖に出たら色々狙えるけどなあ。ああ、最近はクロダイなんかもルアーで狙うのか」

響「そうなのか…クロダイって美味しいかな?」

釣具屋のお爺ちゃん「んー…今の時期だとスズキの方がいいと思うけどなあ、クロダイは5月ぐらいから産卵をするけど、今の時期はやっと脂が乗り始めてきた頃だから」

貴音「響、スズキにしましょう。今は旬です」

釣具屋のお爺ちゃん「そうそう、お嬢さん良く知ってるね」

貴音「食を制する者はアイドルも制します」

釣具屋「アイドルなのかい!どうりで美人さんだと思ったよ。こりゃあサービスしなきゃなあ」

響「へへ、ありがとう!じゃあスズキにするよ。ルアーはメタルジグでいいかな?まあそれぐらいしか知らないんだけど…」

釣具屋のお爺ちゃん「ルアーでスズキなら鉄板はミノーとバイブレーションだろう、その辺りにあるからまあどうぞ」

響「分かったさー、うわ、でかいな…ミノーとか10cmぐらいあるけど大丈夫なのか?」

釣具屋のお爺ちゃん「大丈夫も何もこれぐらいが標準だよ」

響「スケールが違うなあ…カラーは色々あったほうがいいかな?」

釣具屋のお爺ちゃん「レッドヘッドにイワシ、チャートぐらいあったら上等だろうな」

響「じゃあ…これだけで」

釣具屋のお爺ちゃん「あいよ、竿とリールはどうする?」

響「それも買う予定さー」

チリンチリン

肇「…」

響「ああーっ!?肇!?」

肇「…!?な、なんで我那覇さんと四条さんが!?」

貴音「お久しぶりです、肇殿」

響「見りゃ分かるだろ、そういや肇も出るのか?夏のアイドル釣り大会」

肇「あ、はい…」

肇(…我那覇さんの手かごの中のルアー、シーバス狙い、かな?)

響「そういや肇は釣り好きとか書いてたな…」

肇「そうですね、ここにはよく来てます」

響「じゃあ有力ライバル候補か」

肇「そ、そんなに私は…」

響「まあ、お互い頑張ろう、あ、全力で行くから手加減はするなよ!?」

肇「…分かってますよ、我那覇さん」

肇(そうかー…シーバス取られちゃったか…)

肇(…だったら、私は…)

肇「あの、届いてたとお電話で…」

釣具屋のお爺ちゃん「はいはい、これでしょ、ブリーデンのダブルハンドル」

肇「…はい、ありがとうございます」

響(カスタムダブルハンドル…?スピニングの奴か…)

肇「…それでは、我那覇さん、四条さん」

貴音「…今度会う時は敵どうしというわけですね」

肇「…そうですね」ニコッ

チリンチリン

響「…」

響「肇の奴、何か企んでたな」

貴音「…ええ、相当な自信があると見受けました」

響「…しっかし、リールどうすっかな…」

響「…あ」

響「アクシスじゃん、懐かしいなー、確か次郎がこれでターポン狙ってたっけ」

響「これいつのモデルかな」

釣具屋のお爺ちゃん「あー…それは全然売れなくて、それとアクシスは2002年モデルだけだったかな?」

響「え、もうカタログ落ちしてるのか?今はカルカッタしかないのかな」

響「…」

響(肇はスピニングでなんか企んでたな…)

響(よし、じゃあ自分はベイトだ!)

響「これ買うぞ、左ハンドルだし」

釣具屋のお爺ちゃん「そうかそうか、それにするか」

響「よーし、ロッドも選ぶぞー」

釣具屋のお爺ちゃん「んー…うちはルアーのベイトロッドはあんまり置いてないんだよなあ…」

響「そ、そうなのか…」

釣具屋のお爺ちゃん「別のとこ回るかい?」

響「うーん、せっかくだからここで買うさー」

響「うーん、せっかくだからここで買うさー」

釣具屋のお爺ちゃん「おお、それはありがたい」

響「そうだなー…この船竿とか使えないかな?」

釣具屋のお爺ちゃん「まあー、使えないことは無いだろうけどなあ。船竿だから腰もあるし」

響「じゃあ、これにするよ。長さも振り回すならちょうど良いさー」

響「じゃあ次はちょい投げ用に適当に見繕うぞ」

響「ふう、買った買った…」

貴音「狙うのはスズキというわけですね」

響「うん、貴音は料理の方をよろしくな!」

貴音「…ふふ、最高の料理法を考えておきましょう」



葵「で、結局なんにしたん?」

肇「スズキは却下にしました」

葵「えー?なんで?ハネにするって言ったのに?」

肇「その代わり…」

肇「これで狙います」

葵「…釣りは分からんっちゃ」

肇「…」ヒソヒソ

葵「…!」

肇「相南といえばサーフ、サーフと言えば、ね」

葵「良いねぇ…」

葵「これは貰っちゃったんじゃない?優勝!…まあでも肝心の食材が釣れなかったらどうしようもないけど…」

肇「任せておいてください、葵さん」

肇「…相南の銀狼の名は伊達じゃないですよ」

P「響~、どうだ~」

響「まだ来ないさー」

響(…なんて言ってるうちに…)ゴンッ…

ガシッ!!

響「きた!」

キュキュキュキュ…

響「あはは、元気いいさー」

バシャシャシャシャ!!カシャシャシャン!

P「う、うわあ!でかいぞ響!」

響「そこそこかな?でも60は無い感じか~」

グンッ!グンッ!

キュキュキュキュ…

ギュンギュンッ!

バシャッバシャッ!

響「ん~、55ぐらい?」

バシャバシャ

響「…でもほんとすぐばてるんだな、スズキって。メッキの方がよく走るさー」

P「た、貴音!網だ網!」

響「ったく、いっつもプロデューサーは慌てるなあ…」

貴音「こちらへ寄せてください、響」

響「OK、行くぞー」

バシャバシャバシャッ!!

貴音・響「獲ったげろ~」

プロデューサー「…」

パクパク

プロデューサー「何度見ても慣れないな…うわあああ!!!」

ビッタンビッタン!

響「いちいちオーバーなんだよ、いっつもはどっしり構えてるのにさー」

ザクッ

グシッ!

スッ…

プロデューサー「南無南無…」

響「…自分達の身体になってくれ」

貴音「…最高の料理にします」

プロデューサー「練習でこの調子だと期待出来るな」

響「ああ、貴音の料理も旨いし、これは勝てるぞ~!」

貴音「優待券目指して頑張りましょう!」

3人「765プロ、ファイト~!おー!」

大会当日

響「うげぇ、で、出た~!」

貴音「…なんと」

葵「うわっ、961も!?」

肇「…よろしくお願いします」

冬馬「失礼な奴らだな」

北斗「チャオ☆」

司会「さーて皆さん!とうとうこの日がやってきました!!」

司会「夏のアイドル釣り大会、開催でーす!拍手ー!」

パチパチパチパチ!!!

響「頑張るぞ~!」

貴音「ええ!頑張りましょう!」

司会「はい!はい!静粛に!えー、では、ルールについて、解説いたします!」

司会「大会は大きく分けて二つの部門になります!釣り部門、そして釣った魚を使った料理部門となっております!」

司会「釣り部門は釣れた匹数によってポイントが加算されます!ポイント一覧はこちらになっております!


アジ:2


キス:3
……
サバ:3

根魚類:5

……
スズキ:15
……

……
マゴチ:40
ヒラメ:40
その他:0.5
イセエビ・極端に小さい魚:逃がしてください
ヒトデ・ナマコ:点数には入りません、逃がしてください

司会「えーイセエビですが、仮に釣れても、必ず!必ず逃がしてください!ダメです!小さい魚も逃がしてください!ポイントには加算されませんので!」

響「カニとかタコとかありなのか!?」

貴音「釣れるのですか?」

響「つ、釣れるんじゃないのか?知らないけど…」

司会「次に料理部門です!料理部門にて審査をしてくださるのは…この方!」

司会「○○料亭の女将さんです!」

女将「…よろしくお願い致します」

貴音「なんと、あの有名な高級料亭ではありませんか…」

響「ふーん、流石貴音だな、良く知ってるぞ」

司会「女将さんには50点評価で点数を付けて頂きます!」

司会「制限時間は本日正午から翌日正午にかけてです!エリアは相模湾内ならどこでも!」

司会「実は体力勝負にもなってるんですね~、くれぐれも寝ぼけて海に落ちないように!まあライフジャケットを着用していただくので浮きますけど!」

冬馬「へっ、体力勝負なら勝ったな!」

北斗「ちゃんと魚釣ってね?」

司会「料理の提出は本日夜、翌日朝、翌日正午の3回となっております!えー、なお他に釣り人がいらっしゃいますのでくれぐれも邪魔はしないように!」

司会「それでは~、よーい!」

司会「スタート!!」

ファーン

響(よし、まずは偵察だ)

響(…肇の奴車に乗ってる、どこへ行く気だ?)

響(ん、あいつ何を…)

冬馬「…あのー、すみませーん。横よろしいでしょうか?」

おっさん「おー、テレビか、ははは、ええぞええぞ」

司会「天ヶ瀬選手!現地の方と思われる釣り人と接触!」

おっさん「アジが釣れてますわ、アジ」

冬馬「ありがとうございます!」

おっさん「おー、皮やったらピンクより白がええぞ。このサビキやるわ」

冬馬「あ、ありがとうございます!」

おっさん「ははは、テレビに出るから気前良くせんとな」

司会「おーっと!天ヶ瀬選手これは嬉しい!」

響「自分も横いいかな?」

冬馬「ダメ」

響「むっかー!なんで冬馬が答えるんだよ!」

おっさん「おう、ルアーか。セイゴけ」

響「セ、セイゴ…?」

貴音「響、スズキの小さいものの事です」

響「なるほど、まあそんなところかなー」

おっさん「ほいっと」

冬馬「アジだ…お、俺も」

ブルブル

冬馬「おー!2匹ついてる!」

北斗「でも1匹はアジじゃないよ」

おっさん「ジンタやな」

司会「天ヶ瀬選手アジ1匹、その他1匹で2.5ポイント獲得です!」

冬馬「…さらばジンタ?よ…うわ、すっげぇぬるぬるする…」ポイッ

ピチョン

北斗「冬馬君ぬるぬるだね」

冬馬「…やめろ」

ピチョピチョチョ…

ゴポンッ!

響・冬馬・おっさん「!」

司会「おーっとー?天ヶ瀬選手のリリースしたジンタをスズキが持って行ったようです!すかさず我那覇選手はルアーをキャスト!」

響「…」

ピッ!ジャポン!

響(レンジは…1,2,3…)

キュルキュルキュル…

響「…」

冬馬「…ふん、そうそう釣れてたまるか、こちとら餌使ってるんだぞ」

響「…」

ゴゴゴゴンッ!!

響「!」

ガシィッ!

冬馬「」

おっさん「おうおう!兄ちゃん絡まるけんはよ竿あげて!」

冬馬「あっ、はい…」

キュキュキュ!!

バシャバシャバシャ

響「貴音」

貴音「分かっています」

バシャバシャバシャ!!

貴音・響「採ったげろ~!」

冬馬「番宣やめろ」

司会「流れるような連携で仕留めました!これは大きなスズキです!そして15ポイント追加!早速体長計測をしてみましょう!」

司会「41cmです!いやー!立派なものですね!」

おっさん「おー、食べごろやなあ」

響「まあとりあえず食材は確保できたな、あんまり荒らしまくるのもなんだし移動しよう」

貴音「はい」

おっさん「頑張れよ~」



肇「…どうかしたんですか?」

葵「え、いや?なんでも…」

モバP「ここでいいのか?」

肇「はい、大丈夫です」

モバP「頑張れよ~」

葵「頑張れ~、うわ!見て見て!三平ホントに釣っちゃったよ!」

モバP「『か~っ!ジジジジ…よっと!』う~ん、今見てもワクワクするなあ~」

肇「葵さんもついてきてくださいよ~…」

肇「…」ピッ

葵「…あ、綺麗な貝殻」ホジホジ

釣り人A「…おい、アレ」

釣り人B「可愛いなあ~、あんな子でも釣りするんだ。あ、近くで砂遊びしてる子も可愛いなあ」

釣り人A「いやまあどっちも可愛いけど、ルアーでレバーブレーキ使ってるぜ」

釣り人B「ホントだ、たまに聞くけどなあ、ちょっと話しかけてこようぜ」

釣り人B「…こんにちは、調子どうですか~?」

肇「…こんにちは、そうですね、フラットフィッシュなんですけど今来たところなんで探ってます」

釣り人A「フラットフィッシュですか、俺達ここ最近ずっと入ってるんですけど、4日前にマゴチを一本上げたっきりですね~ww」

釣り人A「…そういえばなんでレバーブレーキを?www」

釣り人B「…!お、おい!」

肇「…相南サーフは初めてですか?」

釣り人A「ん?…ああ、相南には結構来ますよ、まあこの辺りじゃ俺結構上手いほうかなーって、はははwww」

釣り人B「バカ、お前知らないのか!?相南の銀狼って!」

釣り人A「えっ…?」

肇「無理も無いですよ」

肇「相南の海底の地形、根、海流、ベイトの流入状況…」

肇「本当に相南を知っていれば1本しか上げられないことは無いはずですから」

釣り人A「なっ…」

釣り人A(銀狼…!?)ハッ!

釣り人A「ぎ…銀狼…LBD…!?」

肇「ふふ、リールはダイワに限りますよ、特にレバーブレーキは勝負してるって感じです…」

肇「からっ!」

ガシィッ!!

葵「やった!頑張れ~!」

釣り人A「そ、そこは俺達がもう探った場所なのに…」

釣り人B「…噂には聞いていたがホントに居たとは…」

釣り人B「相南のフラットフィッシュ・ランカー…」

葵「準備は出来てるっちゃ!」

肇「ありがとう」

葵「慎重にいくっちゃ」

肇「分かってますって、このサイズならいなせられますから」

釣り人A「す、すげえロッドワークだ…」

釣り人B「うっ…マゴチ…40無いぐらいか?でも充分じゃないか…」

釣り人A「い、いったい何者なんだよ!?」

葵「夏のアイドル釣り大会、見てね!」

釣り人A・B「ア、アイドルぅ~!?」

響「こいつらだけじゃないぞ!」

貴音「磯足袋で正解でした…」

葵・肇「!」

釣り人A「響ちゃん!?お姫ちん!?」

貴音「初めまして、知っていただいて光栄です」

響「ふふふ、知名度じゃ自分達のほうが上だったみたいだな」

釣り人A「クーラーボックス背負ってるお姫ちん可愛いよう…」

肇・葵「うむむ…」

貴音「…!その魚はもしや!」

響「うん?なんだ?その変な魚は、沖縄にも居なかったし」

葵「え?知らないの?」

貴音「これはコチです、響」

葵「ま、料理部門ではアタシが居る限り誰も勝てないっちゃ!」

貴音「あ、あの…図々しい申し出なのですが、コチ料理を少し食べさせてはいただけませんか…?私のスズキ料理と交換ということで…」

響「こらー!食欲に負けるなー!プロデューサーが世話してるスズキを駆け引きの材料にするなー!」

釣り人A「コチ料理に興味津々のお姫ちん可愛いよう…」

釣り人B「お前気持ち悪いからやめろ」

葵「スズキかー、良いよ。ちょこっとだけどね」

肇・響「ええ~!?」

響「…まあ、いいや。よっと」

肇「…キス釣りですか?」

響「そんなところ、あ、聞いてくれよ、これ…」

ガチャッ、ゴソゴソ…

響「ほら、せっかく大きいキスなのに…」

釣り人A「うわ、ボロボロだなあ、勿体ない。ヒラメかマゴチかな」

釣り人B「ヒラメじゃないかなあ?」

肇「!?」

肇(この歯型の大きさ…!)

冬馬「ほれほれほれー!」

北斗「冬馬、もう良いんじゃないの?」

冬馬「いや、翔太のお土産の分も釣っておこうってな」

北斗「なるほど、ね」

冬馬「何してるんだ?北斗、薄暗くてよく見えねえけど」

おっさん「あ~、一夜干しな」

北斗「そういう事ですよ」

ファーン

冬馬「お、料理提出開始か、どうする?」

北斗「うん、行こう」

おっさん「頑張れよ~、ワシはもう帰りますわ、ではでは」

冬馬「さようなら!」

司会「はい、現在の釣りポイント上位3チームの発表です!」

冬馬・北斗チーム:アジ36、サバ2、その他12…84

肇・葵チーム:マゴチ2…80

響・貴音チーム:スズキ1、キス15、その他4…62

冬馬「うおー!1位だぜ!」

響「むむむ~!でも次は料理で勝負だぞ!」

肇「料理なら葵が負けることは無いでしょう」

響「え?…うっ、なんかすごそうな包丁使ってるぞ…」

響(…でも、なんか緊張してるように見えるな)

冬馬「…ふん、道具で飯が作れるなら俺だってカップラーメン・レンジでチン三昧じゃねえよ」

響「ふーん、誰かに作ってもらったりとかしないのか?恋人とか」

冬馬「う、うるせえええ!!!」

北斗「こんなもんですね…!」

貴音「出来ました」

葵「よ、よろしくお願いします!」カチコチ

女将「…どれも美味しそうな料理ですね」

司会「そうですね~、お腹が減ってまいりました!」

女将「では、伊集院さんの料理から。いただきます」

女将「…これはアジのフライでしょうか?」

北斗「そうですね」

女将「美味しく揚がっております、衣はサクサク、身はホクホク」

北斗「北斗だけに?」

女将「とても美味しかったです。こちらはサバの味噌煮でしょうか、では」

北斗「今のカットで」

司会「は、はあ…」

女将「…そうですね、こちらも柔らかく仕上がっており美味しいです、ご飯と良く合いますね」

北斗「ありがとうございました」

司会「では、点数を」

女将「そうですね、50点中40点ということで」

司会「おお~!これは良い点数だ!」

女将「次は四条さんの料理を、…これは」

貴音「…キスのお刺身です」

司会「キス料理と言えば私天麩羅しか知りませんがどうなのでしょうか?」

女将「そうですね、キスと言えば真っ先に天麩羅となるのですが、大きい物はお刺身でも食べられます。独特の味わいが楽しめますよ」

司会「おお~、これは期待できそうだ!」

女将「…いただきます」

女将「そうですね、キス独特のなんとも言えない苦味…たまりませんね」

司会「これは皆さんおすすめの料理です!是非挑戦してください!」

女将「こちらはスズキでしょうか」

貴音「はい、スズキのムニエルです」

司会「これは意外か?洋風ときた!」

女将「そうですね、この大きさならば洗いよりこちらのほうが向いているでしょう、見た目も華やかですね。頂きます」

女将「…この香りはローズマリーですか?」

貴音「はい」

女将「楽しい料理ですね、ハーブも食欲をそそります」

司会「それでは点数は?」

女将「甲乙付けがたいですが…42点!」

貴音「…ありがとうございます」

北斗「負けちゃったか、ははは」

司会「それでは最後、首藤さんの料理に行きましょう!」

女将「…コチ飯ですか」

葵「は、はい!」

貴音(…)

司会「おやおや、緊張している様子です、とても美味しそうに見えるのですが…?」

女将「…頂きます」

女将「臭みの無いコチ飯、定番ですね、とても美味しいです」

葵(ほっ…)

司会「緊張していた首藤選手ですが思わず胸を撫で下ろした!」

女将「…次は天麩羅ですね」

葵「は、はい!」

女将「コチ飯も良いですが、やはりコチと言えばこれでしょう。揚げ加減も程よくとても美味しいですよ」

司会「さて、高級魚であるコチを使った料理、その判定は?」

女将「…42点ですね」

司会「42点!四条選手とどっこいだ!」

司会「さーて、次は…」

冬馬「うー、眠い」

北斗「睡眠釣法?」

冬馬「手に糸をくくりつけるだろ?掛かるだろ?起きるだろ?釣れるだろ」

冬馬「んじゃ」

北斗「何それ」

冬馬「…」zzz

P「…」zzz

響「…」

キュルキュルキュル…

ゴゴゴン!

ガシィッ!!

響「よし!」

貴音「良いですね」

響「60あるかな…?」

バシャシャシャッ!!

響「ふふ~ん、良い型さー、ブリブリ太ってるし!」

貴音「はい、きいぷするのはこれにしましょう」

響「脂も乗ってそうだな」

貴音「そうですね、期待できるでしょう」

響「…ま、とりあえず釣るだけ釣るか…」

キュルキュルキュル…

ゴゴゴン!

響「また来た、これは40ぐらいかな…まあポイント稼ぎにちょうど良いや」

貴音「そうですね、順調です」

響「調子良いぞ~」

葵「寝るよ~」

モバP「なんかあったら起こせよ~」

肇「お休みなさい」

肇「…そろそろか」

肇「…」ピッ!

肇(…それにしても、あの歯型…)

ガツンッ!

肇「!」

肇「…ん、ん?」

ゴゴゴンッ!グングンッ!

肇「小さいシーバスが回ってきたのかな…」

肇「回収回収…」

グングン…

ガガン…

肇「…?」

肇「あ、あれ…?今の何…?」

肇「…!!」

肇「こ、この歯型の大きさ…!!」ダッ!

葵「…」zzz

モバP「…」zzz

ガサゴソ

肇「…」

肇「ダイワ、尾長モンスター…」チャッ…

肇「…これで獲って見せましょう」

肇「化け物座布団…!」

冬馬「…」ポイッ

ポチャン

スイスイ

北斗「…」zzz

司会「…これはムラソイです!不精釣りです天ヶ瀬選手!」ヒソヒソ

冬馬「…寝れねえ、釣れるけど…」

冬馬「…あん?」

プルプル…

冬馬「…くっそー、んだよ…ちっちぇえのに食いつきやがって」

ムギュ

冬馬「…」

冬馬「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

北斗「!?」

司会「ああ~っと、ハオコゼでしょうか天ヶ瀬選手!」

冬馬「いってえええええええええええええええええええええええええええええええええええ」



カメラマンA「…」zzz

P「…」zzz

響「…」zzz

貴音「…」zzz

響「…ハッ」

響「んん~…」

響(…今何時だ?)

響(…4時とか…)

響(結局アレから2本上げてぱったりかー…)

響(…自分達すごいとこで寝てたんだな…ははは…)

響「…カメラマンさん、カメラマンさん」

カメラマンA「…あ、はい!?釣れました!?」

響「…今から釣りに行くところさー、もう皆は起こさなくていいよ」

カメラマン「は、はあ…」

響(目、醒めちゃった。釣るかあ…)

響(一応潮は動いてるんだな)

響(…ボイルとかしてたら良いのに)

響「…」ピッ

チャポン

響「…」

バフッ!!

響「!?」

ガシィッ!!!

ゴンッゴンッゴンッ!!

響「う、うわっ!?」

ジリジリジリジリ…

響「う、嘘だろ!?一投目だぞ!?それに…!!」

カメラマンA「!?」

響「うあああ…すごい…船竿がバットからひん曲がってる…」

バフッ!バフッ!

響「!?」

カメラマンA「あ、あれ滅茶苦茶でかいっすよ!!」

響「…あ、あんなでかいのが居たのか…!?」

響(くそっ、ドラグが止まらないぞ…!!船竿とベイトリールのパワーでも寄せられないのか!?)

響(ダメなのか…!!)

響(…!)

『見ろ!響!』

『え、ええ!?何それ!?めちゃくちゃ大きいさー!!』

『な?釣りで俺に敵う奴は居ないんだって!』

響「…ふふふっ」

響「…ふふっ…ふはははは!!!」

カメラマンA「…えっ、響さん…?」

響「あんなの、大したこと無いさー!」ニヤリ

響「次郎のバカは、これより貧弱なタックルでターポンやバラクーダを相手にしてたんだからな!!」

カメラマンB「…」ゴクリ

肇「くっ…!!」

ギイイイイン!!

肇(竿が鳴ってる…!)

ガシュッガシュッ!!ガシュッ!!

肇「化け物…!!あっ!?」

ジッジジッ!!

肇「…私にドラグを使わせるとは!!」

今さっき俺が第一発見したんだが佐倉杏子と我那覇響って似てないか?

冬馬「…」ズキズキ

冬馬「…」ズキズキ

キュルキュル

冬馬「…」ズキズキ

司会「おーっと、このムラソイは大きいですね!あ、サイズ計測の23cm、結果記録更新です天ヶ瀬選手!」

冬馬「…」ズキズキ

響「…くっ!」

貴音「響…」

P「が、頑張れ…!!」

響(や、やばい…自分より魚の方が体力があるのか…!?)

響(…くそっ!!)

『でかい魚ってのはな』

『ただ竿立てるだけじゃ寄ってこないんだ』

『特に相手の力量が上だったらな』

『じゃあどうすれば良いんだよ』

『色々、まーそれが出来れば苦労しないんだけどさ』

『響には無理かな?』

響(…馬鹿にするなよ!!)

響(…考えろ、突っ込まれたらマズイポイントは…?)

響(…橋脚、桟橋…)

響(…よし)

響(…勝ち筋が見えた)

響(…ここからは自分が攻めるぞ…)ニヤリ

ギラリ…

ギロッ!

響(…!)ゾクッ

響(…今、目が合った…)

P「で、でかい…」

貴音「な、なんと…」

カメラマンA「あ、あれ1m近くあるんじゃないのか…!?」

ジリジリジリ…

響(…獲る!)



肇(…よし、もうグロッキーだ)

肇(…次のタイミングで行く)

肇(…3、2、1!)

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  ___/      {           \:\:::::::::::::_;....;_:::Y:r'          r'
 、__)    そ   〉    _,。-‐' " ̄ ̄__`ヽ:':、rァr',..r‐-ミz、ー‐‐‐- 、,_     l  
  |     う   |   `ヽ、...,.___ 'ー=:-`:Y/'":-:=、 `__,..r‐'" ̄      l   響
  |  自  だ   l       ,.。-ー:'"::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、::i,        l   は
  l  分  ろ   |      /::::::::::::::::::::r:::::::::::::::::、:::::::::::::::::ヽ,::、       |   か
 ノ     !   l    ,r'::::::::::::::::::::::::;:j:::::::::::::::::::::i,::::::::::::::::::::i;:::、       l   わ
. ヽ         l.  /:,r7:::::::::::::::::::/ |::::::::::::::::::::::lヽ:;::ィ::::::::::::':,::':、     |   い
  |  自  そ   〉. レ' /:::::::::::::::::/ヽ、l_::i_::::::::::ハ:_lrヘ:::::i:::::::::::::'ir-=、.、   l    い
 /  分  う    /    .|:::::::::::i;:::/.   \l1:::::::l'~':j  \l:::::::::::i;:i.';      l、  な
 ヽ  !  だ  /    l::::::::::::i;/      \::j  _,.......、1ri;:::::l.lj :i、     ヽ.  l
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 〈_     !  ノ     ':;jヽ;::::l  , , ,   .    _ ' ' ' i/:V ノ::::、::::':、    l
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          ノ' /:::::::::,r-、z--、   l`'ー、___  _,.。 '/     i'~r'ー-、  l.:i, j
            l:::::::::/  / 7ーl、_  (lj    ̄  r/)     }く~"'ー   j :j
            i,::::::〈     '  / 〉 ヽ     /      く`'ー   ./:/

ザッパーン!!!

ビッタンビッタン!!

葵「おりゃあ~!!!」ガシィッ!!

司会「首藤選手!!引き波に取り残された超巨大ヒラメにしがみついたあああ!!!!」

葵「うんしょ!うんしょ!!やったー!!」

肇「は…ははは…」ヘタッ

肇「夜…明けちゃいました…」

葵「見て!!93cmもある!!」

司会「93cm!!??すごい!!まさに化け物です!!相南のヌシです!!!」

肇(93cm…か…自己ベスト更新だ…)

肇(…)

肇(…)フラッ…

バタッ…

葵「ああっ!?」

モバP「肇!!」ダッ

司会「ああーっと!?疲労困憊で気を失ったかー!?」

司会「…え!?我那覇選手にも超巨大スズキが!?」

響「…」

ユラァッ…

P「…」ゴクリ

響「くうっ…」

バシュッ!!ゴンッ!!ゴンッ!!

響(嘘だろ…まだ暴れるのか…)

響(もう朝だぞ…?)

響(腕の感覚がやばい…)

響(…)

貴音「…」スッ…

響(…うん?)

貴音「…」

チャプチャプ

P「た、貴音!?」

司会「何をしようというのか!?四条選手!!軍手をつけ、水の中に入りだしたー!!」

貴音「なんと立派な姿なのでしょう…」

ユラアッ…

ギラリ…

貴音「朝日を受け輝くその身体…鋼のよう…」

貴音「…」

貴音「…その身体、しばしの間預かります」

貴音「…!!」

ガシッ!!

P・響「…!!」

司会「ああーっと!?四条選手!スズキの下顎を掴みました!!これは危険です!!」

P「貴音!網を使え!!」

響「…いや、その必要は無いぞ」

P「えっ…?」

貴音「…めじゃあを」

響「…」

貴音「…」

貴音「…百と七せんちめーとるです!!」

カメラマンA「…ばっちり写ってます!!!」

司会「これはすごい!!!1メートルオーバーだああああ!!!」

司会「我那覇選手!今のお気持ちは!?」

司会「…あ、あれ?」

響「…」ジャバジャバ

P「お、おい!響まで!!」

ユラッ

響「…」

貴音「…」コクリ

パッ

ユラッ…

―…そうか―

―あばよ―

―手ごわかったぜ…―

響「…そうか、認めてくれるのか」

響「…そうか」

響「…じゃあな」

司会「…え、逃がすんですか?」

貴音「既に食材は確保しておりますゆえ」

響「…貴音」

貴音「…はい」

響「…昼ぐらいまで寝ていいか?」

貴音「…心行くまで」

司会「…まさに激闘、満身創痍、ですか」

冬馬「…」ジンジン

肇「…」zzz

響「…」zzz

冬馬「起きろー!!!」

肇・響「!?」

冬馬「…おら、最終判定だ」

さるさん喰らっちゃったぜ

響・貴音チーム:釣果:スズキ5、キス15、その他4・料理:42・43…207

冬馬・北斗チーム:釣果:アジ47、サバ2、根魚3、その他14・料理:40・43…206

肇・葵チーム:釣果:マゴチ2、ヒラメ1・料理:42・43…205



肇「接戦…ですね…」

冬馬「…痛くて眠れなかったがそれが幸いしたようだぜ」

葵「それ病院行ったほうが良いっちゃ…」

女将「…まずは伊集院さんから、ムラソイの刺身とカサゴの湯引きですね」

北斗「それにアラのお味噌汁です」

女将「…素晴らしい、カサゴは皮も楽しめますね」

女将「お味噌汁も良い出汁が出ています」

司会「女将さんにはボードに点数を書いていただきます」

司会「さて!点数は今回は後ほどお伝えします!次に参りましょう!」

女将「スズキの洗いですね」

貴音「…ちょうど良いものが手に入りましたので」

女将「氷が見た目にも涼しげで食欲をそそりますね、では」

女将「…臭みも取れ、酢味噌が引き立てています。まさに夏の風物詩です、これも大変素晴らしいお料理です」

司会「これも高得点が期待できそうです!では!次に参りましょう!」

司会「これはあのモンスターヒラメのお造りだー!」

女将「…」

女将「…素晴らしい、盛り付けもとても上手ですね、特にヒラメ自体も大きな物なので映えます」

女将「…味も申し分ありません」

司会「さあ一体どうなる!?点数は全て出ました!」

司会「結果発表です!!」

司会「…」

北斗「…」

冬馬「…」

響「…」

貴音「…」

葵「…」

肇「…」

司会「優勝は!」

司会「首藤選手と藤原選手ペアを1ポイント差で下した我那覇選手と四条選手ペアです!!おめでとう!!」

響・貴音「!!」

ワアアアアアアアア!!
パチパチパチパチパチパチ!!!

響「や、やったぞ~!!!」

貴音「はい!響!」

肇「負けちゃいましたか~…」

葵「悔しいな~、でも、おめでとう!2人とも!」

北斗「ま、健闘したかな?」

冬馬「お、俺の指と徹夜の苦労は…」ガックリ

北斗「…帰ったらまた魚料理食べよう、ね?魚も残ってるし」

冬馬「おう…!」

P「…俺は優待券無しか、懐が寒くなるぜ…」ヒソヒソ

響「美味しい物が食べられるんだからいいじゃん」

P「貧乏舌なの!」ヒソヒソ

P「あ、来た来た」

P「…ん?」

葵「お待たせしたっちゃ!」

響「…え?」

貴音「…やはりそうでしたか」

葵「知らなかったの?」

響「…え、ここ実家?」

葵「だからお料理持っていく時にすごく緊張したんだよ?」

響「ああ、どおりで…」

葵「あたしん家の料理は最高だから、遠慮なく食べてってね!」

響「うん!じゃあまずは…」



P「やっぱり違うなあ…高級料亭の料理は…」

貴音「…とても美味でした…」

響「最高だあ…」

響「また行く機会があったら行きたいな、ここ」

貴音「ええ、そうですね」

P「」

響「…どうした?プロデューサー、さっきから鉛筆で何か書いてるけど」

貴音「はて、これは…」

貴音「…」

P「…お金貸して?」


終わり

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