姫子「なあなあ花田~」煌「なあに、姫子」(304)

ID:RSKm0aVJOの代行

代行アリシャス!


※方言自己解釈です
※キャラが原作より余裕でぶれています

書け麻雀お題:花姫

煌(皆さんおはようございます。花田煌です)

煌(突然ですが、私には悩みがあります)

煌(それは……)

姫子「花田~」タッタッ

煌「姫子、おはよう」

姫子「花田、すまんっ!数学ノート貸してっ」パンッ

煌「ん、大丈夫だよ」(ノートを手渡す)

姫子「ありがと、四限までには写し終わらせっけん!」

煌「困った時はお互い様だって」

姫子「いや~本当に……って」

姫子「え、つまりそいは花田が何かしら困った時…」

煌「うん。助けてね、姫子」ニコッ

姫子「あちゃー。そうなっかー」ポリポリ

姫子「…ま、仕方無かとやねっ」ニッ

煌(そう、彼女……鶴田姫子が私の悩みです)

煌(可愛くて、明るくて、麻雀が強くて優しくて)

姫子「そいじゃあ借りてくけん…」

煌(他人の事を思いやれる、出来た子です)

姫子「?」

煌(恋は一途で、真っ直ぐで)

煌(我が新道寺麻雀部の部長を中学の頃から慕っています)

姫子「……花田?」

煌(そう、彼女には想い人が居るのです)

煌(……しかし。)

煌(そんなすばらな親友の姫子に、想いを寄せる不届き者が居ます)

姫子「おーい…花田~?」(煌の目の前で手を振る)

煌(……そう。)

煌(その愚か者の名前は……花田、煌)

煌(紛れもなく……私の事です)

姫子「花田!」ユサユサ

煌「わひゃっ?」ビクッ

姫子「どげんしよったいきなり……心ここに在らずやったけど」

煌「あ、い、いやいや。考え事しててさ……ははは」

姫子「ふ~ん……?」

煌「…ど、どしたの」

姫子「…考え事っちゅーか、隠し事しとるやろー?」ジト

煌「えっ」ドキ

姫子「あ、図星って顔しとーよ」

煌「えええええ!?///」カアッ

姫子「顔真っ赤やし。花田、本当に嘘つけんやつよな」ハハハ

煌「……すばらくない///」(顔を俯ける)

姫子「ま、そいが花田の良かとこやけど……」

姫子「で、相手は誰なん?」(顔を近付けてひそひそ話)

煌「ふえぇっ!?」

姫子「華の女子高生ん隠し事やったら、恋バナが基本やろ?」ヒソヒソ

煌「し、知らなかったよそんなの」ヒソヒソ

姫子「で~?本当の、と・こ・は?」ニヤニヤ

煌「う~……」

煌「……っっ」モジモジ

姫子「ん~?」

煌「……そう、だよ」

姫子「そう…って?」

煌「……姫子の、言うとおり」

煌「私、恋しちゃったみたい…かも…///」カアッ

姫子「ふぁ……///」

姫子「ほ、本当にっ!?相手は?相手は誰なんっ?」(小さくキャーキャー)

煌「えっ、えーとぉ……」モジッ

姫子「……」ワクワク

煌(ど、どうしよ)

煌(あなたに恋い焦がれてるんです、なんて言える訳、ない…っっ)

煌(でも、私は嘘がつけない性分ですから……下手に偽ってもバレてしまう可能性が…)

煌「……っ」

姫子「……やっぱ言えんよなあ」フゥ

煌「……わ」

姫子「わ?」ワクワク

煌「私……っ」

煌(ど、どーしましょ!?私はどうすれば!?)

姫子「私?」

煌「私、が、好きな……のは……っ///」

姫子「す、好きなん……は……?」ドキドキ

煌「……っ///」

煌(ど……どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう)

姫子「……って、やばっ」ガタッ

煌「?」

姫子「先生来よった!……じゃ、また後で!」テテテッ

煌「あっ!?」

煌「あ……うん……」

煌(こ、これは……)

煌(一応助かった…んですかね?)

姫子「」(黒板の内容をノートに写しつつ別のノートに煌のノートの内容を写す)

煌(……姫子……)ジー

姫子「」モクモク

煌(…ノート、貸して良かったぁ…)

煌(これで、返す時にまた話が出来ますっ!)

煌(でも……)

煌(その時にまた、あの話を持ち掛けられたらどうしましょう)フゥ…

「………ば…そいじゃあ……花田!教科書56ページの頭から読みんしゃい!」

煌「ふえ?」

「って……教科書すら開いとらんかったんか。先生の授業、そげん聞いとられんってか」

煌「ちちちちちち、違います!申し訳ないですっ!」ガタタッ

煌(あ~~もう!今は授業に集中、集中……っ)

姫子「……」(振り返って煌を見る)

姫子(……花田?)

煌「……」ボー

姫子「花田」テクテク

煌「……姫子」

姫子「…珍しく注意されとったな」

煌「珍しいかな…」ポリポリ

姫子「……上の空なんも珍しか」

煌「っ、それは」

煌「あ……っっ」

姫子「??」

煌(危な…っ思わず口に出す所でした)

煌「……うん…ちょっとね…」エヘ

姫子「ちょっと、って…」

姫子(……こりゃ大分重症やろなあ)

姫子「随分重く考えとるみたいやね」

煌「え…何を?」

姫子「恋患いやろ?そげん勉強身に入っとらんのも、憂鬱になっとるんも」

煌「……そう、かも」

煌「これが、恋患いなんだ……」

姫子「私もあったけん、そん気持ち良くわかっとよ」ウンウン

煌「…実感、湧かないや」フフ

姫子「やろなあ。知らず知らずかかっとるもんやけん、恋の病なんて」

煌「恋の…病」

煌「……うん……///」

姫子(こげんしおらしか花田、初めて見よった)

姫子(やっぱ恋は、人ば変えるもんよな……)シミジミ

煌「……誰か、聞いてこないの?」

姫子「ん?」

煌「好きな、人……///」カアッ

姫子「んー……」

姫子「まあ、確かに気になっとけどー」

煌「けど?」

姫子「言いたく無かとやろ?」

煌「……」

姫子「……表情が言うとる」フフ

煌「ぁ……///」

姫子「恋しよる女の子は色々とナイーブやけんね!」グッ

煌「……」キュンッ

姫子「まーなんか困ったら恋愛の大先輩に聞きんしゃいっ」パンッ

煌「わー説得力ある」(棒読み)

姫子「あ、信用しとらんな~?」

煌「ふふふっ。まあ、何かあったら相談させてもらうね」

煌「ありがと……姫子」ニコ

姫子「ノート貸してもらったけん。おあいこおあいこ」

姫子「って……そうやった、ノート写しん続きばせんと」

姫子「いつまでも借りよったら、花田にも迷惑掛かっとやしね」

煌「明日の数学までに返してもらえれば、私、貸しっぱなしでも大丈夫だよ?」

姫子「いやいや、そんなん悪かとやろ~?」

煌「私は別に…」

姫子「それに、今日は部活帰りにぶちょーとカラオケ寄るけん、今日中に終わらしときたかとなんよー」ニヘー

煌「」ズキン

煌「そっか、それじゃあ頑張らないとだ」ニコ

姫子「んっ、頑張って終わらせっとよ!」グッ



煌(……私の、バカ)

煌(分かり切ってる事じゃないですか)

煌(姫子には、部長が居るんだって)

煌(私の入り込む余地なんて…ありゃしないって)



姫子「じゃ花田、また後で」

煌「頑張ってね、部長の為にも!」

姫子「ん!」ニコ

煌(不毛だとわかっていながら、彼女の笑顔に胸が締め付けられる)

煌(……なんて、浅ましい…)

煌「ふわぁ……」クテ…

煌(結局、まともに授業受けれませんでした……)

姫子「花田、ノートありがと」

煌「あ、姫子。写し終わったの?」

姫子「ああ、なんとか…」ノビ

煌「お疲れ様。…それじゃあ、食堂でも行こうか?」

姫子「あ~、今日は弁当なんよ。そいけん、ごめん」パンッ

煌「あ~そうか~って昨日もそうだったじゃないの」

姫子「あぇ、そうやったっけ」

煌「しっかりしてよー」アハハ

煌「…部長と一緒に、食べるんでしょ」ボソ

姫子「…? なんか言った?」

煌「いや何も~」

姫子「そ、そう…?」

姫子「そいじゃ、また後で」

煌「行ってらっしゃーい」フルフル

姫子「」フルフル

煌「」ニコニコ

煌「」ニコ…



煌「…すばらくない」ポツリ

煌(友人の恋路を、素直に応援出来ない私が)

煌(自分で許せないくらい……すばらくない……)

煌(……この心の内)

煌(ありのままを話せば、きっと貴女は私をワガママだと憤慨するんでしょうね)

煌(私を嫌い、避け始めるのでしょうね)

煌(……既に、私は…自分に嫌気が差しているくらいなんですから……)

キリーツ

キヲツケー

レー


煌「……」グテー

姫子「花田、部活行こー?」

煌「あ……うん」ムク

姫子「…めっきり元気無かとやね」

煌「はは…元気元気」

姫子「つくにしても、もちっとマシな嘘つけぃ。声のトーンも全然元気じゃ無かとやろ」

煌「本当、姫子には隠し事出来ないねー」

姫子「伊達に一年半一緒に居った訳じゃー無かとやろ?」ニ

煌「あ……」ドキ

煌「…そう、だね」ニコ

姫子「…あと一年、宜しくね」

煌「一年だけ?」

姫子「えっ?」

煌「はっ!」

煌「あ、いや、その…っ」アセッ

煌「そ、そっか~!今二年だった!まだ一年生の気分だったぁ」ハハハ

姫子「も~しっかりせえ~」ハハハ

煌(何反射的に口に出してるんでしょうね。大馬鹿なんでしょうね)

姫子「ぼけぼけしとらんと、部活行こう?」

煌「そーだったそーだった。仮にもレギュラーだったのに遅刻しちゃすばらくない」(荷物をまとめる)

姫子「そうやね。…花田はうちんエースやし」ウンウン

煌「何せ先鋒だったからね!」ビシッ

姫子「一年の頃、出られんかった雪辱ば晴らしたけんなー」ニコ

煌(……勿論、私が名ばかりの先鋒である事は、承知しています)

煌(でも、姫子と部長はその事を隠している)

煌(偶然とは言え、その理由を知ってしまった事実を…姫子に知られたら)

煌(きっと……今の関係じゃ居られない)

煌(極力、話し掛けないようにされて)ジワ

姫子「」ビクッ

煌(気まずそうに…目をそらして…私の前から…)ポロ

姫子「は、花田?」

煌「うぇ?」ポロポロ

煌「ひゃ、ひゃわわわわあっ!?」ポロポロ

姫子「どげんしよった、花田、わ、私なんかしよったかっ」アセッ

煌「ちちち、違うの、これはっ、そのぉっ!」ワタワタ

煌(どうしたんでしょう、最近)

煌(めっきり、弱気な考えしか浮かびません)

姫子「……落ち着きよった?」

煌「うん……ごめんね、姫子」

姫子「……部活、休む?」

煌「ううん大丈夫、出れるよ」グシグシ

姫子「わかった…でも、無理は禁物やけん」

煌「うん…ごめん」

姫子「花田が謝る事無かとよっ」ポンッ

煌「ごめん……」シュン

姫子「ほら…またぁ」

姫子「…花田らしく無かとよ。いつでんにっこり笑っとる花田はどこやったん?」

煌「……」ハッ

煌(私が、笑顔を忘れていただなんて)

煌(笑うの……忘れてただなんて。どれだけ余裕無かったんでしょ)フッ

煌「…ねえ、姫子」

姫子「ん?」

煌「元気、分けてもらっても……良い?」

姫子「……へ? そいは、どーいう」

煌「んっ!」ダキッ

姫子「ひゃあっ!?」ビクッ

煌「ん~~っ」スリスリッ

姫子「なななななんばしよっとぉぉぉ!?///」

煌「……」ギュー…

姫子「……は、花田?///」

煌「……はあ。」パッ

煌「ありがと。元気、いっぱいもらったよ」ニコッ

姫子「そ……そうか……っ///」ドキドキ

煌(っだあああああああ!!)

煌(勢い任せに何をしているんですか私は!)

煌(直接的過ぎるでしょう!馬鹿!私の大馬鹿っっ!)

姫子「……///」テクテク

煌(ほら~~も~~姫子も何も言わなくなっちゃったし……っ!)

煌(……でも、姫子の体…柔らかかった)

煌(抱き心地良くて……肌もすべすべで……いい匂いがして……)ホワ…

煌「」ハッ

煌(って、へ、変態染みてます!こんなの!///)ブンブン

姫子「……」ピタ

煌(私は…私が求めているのは、健全な…健全なお付き合いを…)

姫子「花田」

煌「ふゃいっっ!?///」ビックゥ

姫子「どこ行きよる……部室ここやろ」

煌「あ、あはは、はは……失敗、失敗っ」アセッ

姫子「……」

煌「……」ダラダラ

姫子「おはようございますっ」ガラッ

煌「お、おはようございまーす!」ピシャッ

仁美「おー」

美子「おはよ」

哩「おはよう、姫子、花田」

姫子「今日は何しよーとですか?」テッテッ

哩「ああ、今日はな……」

煌「……」

煌(悔しいですが……やっぱりあの間には入れそうにありませんね)

煌(まあ最初から分かってた事ですが…)フフ

煌(大丈夫……所詮は捨て駒。高望みはしませんっ!)

―――

――




姫子「そいじゃあ失礼しますっ」

哩「皆お疲れさん。また明日な」

煌「はい!お疲れ様でしたっ!」

美子「今日も元気やねえ」

煌「それだけが取り柄ですからね!」キラッ

仁美「そげんこつ無かとやと思うが」チュー

煌「えへへ」

煌(初めから叶わない恋と分かっていた…ならば)

煌(何を見ても。聞いても。感じても。私を失う事はありません)

煌(さようなら……私の、初恋)ギュッ…

――――――


姫子「なあ、花田」

煌「どしたの姫子、手止まってるよ」

姫子「いや…その…」

姫子「は、花田は…」

煌「?」

姫子「き、きき……キス、したこと……あっか?///」カアッ

煌「……へっ!?///」ビクッ

姫子「……///」プシュー

煌「な…何をいきなり…っ///」

煌「……無いと…思うけど……///」

姫子「そいじゃあ!」ガタッ

煌「!?」

姫子「練習……付き合ってもらえんかなあ……?///」ウルウル

煌「」

煌(いきなりなんですかこの展開は!?唐突すぎませんか!?)

煌(大体互いに宿題を片付けているだけなのにどうしてキスの話題になるんですか!?)

煌(というかこれはチャンス…いやいやいや!なんか間違ってませんかねえ!?)

姫子「なあ花田…」(顔を寄せる)

煌「ひっ」ビクッ

姫子「……」

煌「だっ―――ダメぇ―――っ!」(部屋を飛び出す)

姫子「花田?ちょっ……何逃げっとー!?」

煌「そりゃあ逃げもするってぇぇえ―――っ!」タタタッ

姫子「ええいっ往生際の悪いっ!」タタタッ

煌「あわわわわわわっ」タタタッ

姫子「~~っ」タタタッ

煌(姫子とキスだなんて嬉しいですけど!嬉しいですけどーっ!)

煌(こんなの、こんなの間違ってます!なんだかとても間違ってます!)

煌(部長の練習台……部長の代わりだなんて、嫌―――っ!)

姫子「花田―――っ」タタタッ

煌(出入り口!これで逃げ切れっ―――)ズルッ

煌「すばっ…らっ……」ドサァ…

煌(ソックスじゃあ…フローリング滑りますよねえ……)ズーン

姫子「花田」

煌「」ビクッ

姫子「そげん、私とキスするんは、嫌…?」(馬乗りになる)

煌「い、嫌……って、訳じゃあ……っっ」

姫子「じゃどうして逃げよったん…?」

煌「そ、それは……」

煌「……」

煌「わ、私っ」

煌「私、姫子が好きなんですっ……!///」カアァッ

姫子「へ……?」

煌「姫子が、部長に恋心抱いているように―――」

煌「私も、姫子が……大好きなんですっ……///」フルフル

姫子「……」

煌「だからこそ、私は…こんな形で、ファーストキスを済ませたくないんです」

姫子「……花田……」

煌「ちゃんと、然るべき関係になった上でむぐぐ」チュ

煌「」

姫子「ん……」

煌「むぐぐぐぐ!?」

煌(え……ちょ……っ)

煌(話、全然聞いてないじゃないですかあっ!?)

姫子「んん……」モゾ

煌(あ…でも…姫子の唇……あったかくて……柔らかで……)ギュ…ッ

姫子「んむ……」ギュ

煌(頭のなか……じわじわ溶かされてくような……っ)

煌(すばら―――)


ガラッ


哩「姫子、居るか……っ!?」ビクッ

姫子「」

煌「」

煌(―――くない……!!)

姫子「ぶっ、ぶちょー!こいはっ」ガタッ

煌(あっ)

煌(いやだ)

哩「…邪魔したな」ガラ

姫子「違うんです!」

煌(聞きたくない)

姫子「これは練習で、何かのまちが―――」



煌「うわああああああああああ!!」ガバッ



煌「……」ハァッハァッ

煌「……」ハァッ…

煌「……ゆ」

煌「夢……ですか……」バフッ

煌(……寝るまえに)

煌(姫子にオススメされたアニメを見たせいですね……)

煌(……確かに、先輩に恋心を抱く後輩…と言う点では)

煌(姫子も共感を抱くところがあったんでしょうが…)

煌「はぁ――……」グター…

煌(いかんせん、私には刺激が強過ぎでした)

煌(こんな、夢にも見てしまうくらい)

煌(……今思えば、私達は同じ寮生活)

煌(二階も、フローリングで出来た玄関もありません)

煌(少し考えれば、夢だとわかったでしょうに……)ズーン

煌「今何時……」

煌「……5時……少し早過ぎやしませんか……」バフッ

煌「……目はバッチリ覚めましたが……」

煌「あ、姫子」テクテク

姫子「ああ花田。おはよー」

煌「……傘は持ってきてないの?」

姫子「傘?」

煌「今日、天気予報で雨って言ってたよ?」(傘を振る)

姫子「あー今日起きたんギリギリやったけん、ニュース見れんかったんよー」

煌「また夜更かししてー」

姫子「いやー最近も深夜アニメが面白くって…」ハハハ

煌「あ、姫子にオススメされたやつ、レンタルして見たよ。昨日」

姫子「お、どうやった?」

煌「タイトルに反して…割と、ハードだったような…」ハハハ…

姫子「ああ…多分、花田が見たやつが一番そういう表現きついとこやけん」

姫子「後は百合好きじゃなくともヘーキヘーキ。…多分」

煌「あはは…まあ面白かったけどねー」

煌(あの、ピンク髪の子に)

煌(自分を重ねてるの?…だなんて、聞けませんよね…)

煌「ちなみに姫子は、誰が一番好きなの?」

姫子「うーん……」

姫子「ゆい……あっ、黒髪の先輩が居ったろ」

煌「あーわかるわかる。あのクールなツッコミ担当の」

姫子「どことなくぶちょーに似とる気がして…雰囲気とか」

煌「なるほどねー。姫子らしいや」

姫子「花田は、好きなキャラ居った?」

煌「えと、やっぱり主人公の子かな?」

姫子「花田、少し似とるもんなー」

煌「えっ」ドキ

姫子「めっちゃ良い子なとことか」ニッ

煌「そ……」

煌「そう……かな///」

姫子「さて、今日は一発目から数学やし……」

姫子「昨日、花田ん力借りたとこが発揮出来る」グッ

煌「だからってまた授業中寝たらダメだよ?」

姫子「うーん……ちょっち厳しか所かも……」アハハ…

煌「……」

煌「……たら」ボソ

姫子「ん?」

煌「また、抱きつかせてくれるなら……」

煌「またノート貸しても良いけど……っっ///」カアッ

姫子「えぇっ……!?///」ドキ

煌「……///」

姫子「……///」

煌「な、なーんて」

姫子「良かとよ」

煌「ファッ!?」ビクッ

煌「あ…あ、う……///」パクパク

姫子「……ね、寝よったら、やけんっ///」

姫子「そうならんよう、努力するっちゅーことっ!///」アセアセッ

煌「あ、あ、ああ……うん、そうだよねっ///」

姫子「そ、そいじゃ先生来るし、また後でっ」

煌「う、うんっ」

姫子「……///」

煌「……///」

煌(…なんだか)

煌(……うまく、眠ってくれないかな……とか考えてしまいますね…///)

姫子(はあ……花田のやつ、いきなり何言うとるんよ……)

姫子(眠気、吹っ飛びよった…///)

姫子「……ね、眠らんかったけん」

煌「ねー。良かった良かった」

姫子「お前なあ……」

煌「次からこういう約束にすれば、授業中居眠りしなくて済むね?」ハハハ

姫子「ま、まあ……そうやけど……///」

煌「……」

煌(そんなに、嫌だったのかな…)

煌(いや、好きでもない人間にあんな事されたら、誰だって嫌がりますか)

煌(現に、姫子も私に抱きつかれまいと起きてましたし)

煌(ノーチャンスノーチャンス。無駄な期待はするな……私)

煌「そう言えば、今日は部長と約束あるの?」

姫子「うーん、今日は部の卒業生で遊び行くらしくて……」

煌「成る程ー」

煌(……一緒に帰るくらいは、チャンスありますかね?)

―――

――




姫子「花田ー。部活行こー」ショボショボ

煌「ん~~……っぁ……」ノビーッ

姫子「眠そうやね」

煌「お互い様だけどね」フフ…

姫子「花田も夜更かししよったん?」

煌「いや……私は早く起きすぎちゃって」

姫子「目覚まし間違っとったん?」

煌「んーん。変な夢見ちゃってさ」

姫子「どげん?」

煌「えっ……とぉ」

煌(ここ、そのまま正直に言える訳ありませんよね……)

煌「ピンク髪の女の子に、キスの練習を迫られる夢を」

姫子「ははは、ショック強過ぎやったかー」

煌「まさか夢に見ちゃうとは思わなくってねー」ハハハ

姫子「にしても、あの子も悲惨やったよなぁ」

煌「え?」

姫子「まさか、そん好きな先輩に、キスシーン見られよって……」フフ

煌「……」

姫子「私やったら、自殺しとるかも」

煌「」ビクッ…

姫子「なーんて。……花田?」

煌「」ブルブル

姫子「……?」

姫子「花田」ポンッ

煌「ひっ――!」ビクッ

姫子「……」ポカン

煌「」

煌「あ……」

姫子「…え?」

煌「ごめん、またボーっとしてたみたいっ」アセッ

姫子「そ、そうかー、少し驚きよったー」ハハハ

煌「……///」テクテク

姫子「……」テクテク

煌(き、気まずい……っ!)

姫子「」ピタ

煌(さっきの、半分本当で半分嘘だってバレなくて良かったぁ……)ホッ

姫子「花田」

煌(それにしても、そこまで姫子は部長のことを……)モンモン

姫子「花田~?」

煌(当たり前ですよね。県外の高校に行った先輩を追いかけて入学したくらいなんですから)

煌(これは、昨日の夢は口が裂けても……っっ)

姫子「はーなーだーっ!」

煌「すばっ!?」ビクッ

姫子「大丈夫なん?…昨日と同じ間違いしとーけど……?」

煌「あ……っ」

煌「お、お笑いは天丼が基本だから、その……ね!」

姫子「いつから芸人になっとったんよ」ヤレヤレ

煌「あははは…」

姫子「おはよーございますー」ガラッ

煌「おはよーございますっ」ピシャリ

哩「ん、おはようさん。また二人同時か」

仁美「仲良かとやねー」チュー

美子「同じクラスやと一緒に来る確率は高かと思うとけど……」

煌「あはは……」

姫子「まあ、仲は悪くは無かとですけどー」ハハハ

―――

――




仁美「さ、部長。どこ向かうとですか」

美子「そん言い方、仕事帰りのサラリーマンみたいやね…」

哩「流石に飲みには行けんぞ。あと二年は我慢しときんしゃい」

哩「それと…私も、もうすぐ部長じゃなくなっとよ」

姫子「……ぶちょー」

哩「……どげんしよった、姫子」

姫子「気、付けてくださいね……?」

哩「…ん。」ニコ

仁美「取って食う訳じゃ無かとやけん、安心しときんしゃいー」

美子「ちょっと仁美ちゃん……」

煌「……」ポツン…

哩「……」

哩「花田」ポンッ

煌「あ…部長……」

哩「最近元気無かとやって?」ボソ

煌「え、そ、それっ……」

哩「姫子からな。…姫子、いっつも花田んこと話しとるんよ」ボソ

煌「えっ…」

哩「何悩んどるかは知らんが…何かあったら、私も姫子も、相談乗るけん」

煌「……でも」

哩「…まあ、話し辛か事やったら、メールでん聞くけん」

哩「姫子はああ見えて、根は繊細やけん……出来れば今んまま、仲良うしてやってくれな」ボソ

煌「ちょ、部長!?それって、どういうっ」

哩「さ、施錠すっとよ。総員解散ー」カチャカチャ

煌「ぶちょーっ!?」

姫子「……」テクテク

煌「……」(足音を立てないように5メートル程後方で歩く)

煌(結局、姫子を帰りに誘うタイミングがわからなかったってやつです)

姫子「……はぁ」

煌(姫子……)

姫子「っと……」ポツ

姫子「あ…傘…っ」サーッ

煌(……これは……チャンス!)

煌「お嬢さん、濡れますよ」スッ

姫子「…花田…」

煌「えへへ、なーんて。雨振るって言ったでしょ」

姫子「……うん。」

姫子「ありがと…///」

煌「…良いって事ですよ」フフ

姫子「あ…花田、肩……」

煌「ん……ああ。このくらい、何のことナイナイっ」ポタポタ

姫子「本当、花田は良い子やね」

煌「私は私が納得出来るように生きてるだけ」

煌「私が濡れないで姫子が濡れるってのは……納得いかないから」

姫子「……ふふ」

煌(って、ちょっとカッコ付け過ぎましたかね…///)カアッ

煌「まあでもこんな事だったら、もう少し大きな傘を―――」

姫子「煌」

煌「……すば?」キョトン

姫子「……この後」

姫子「…私ん部屋に寄ってもらっても、良かと?」

煌「……えっ」

煌(えっ、名前で呼ばれ―――っ)

煌(え、部屋にって)

煌(えっ)


―姫子、いっつも花田んこと話しとるんよ―


煌(で、でも姫子が好きなのは、部長なのでは……っ!?)

煌(え、え、何、まだ夢見てるんですかね私)

煌(それとも、今朝の夢って)

煌(まさか―――)

姫子「……」ギュッ

煌(傘を握る手を握られた―――っ)ビクッ

煌(あ、あったかい……っ!姫子の手、燃えてるのかと思うくらいに……っ!)ドキドキ

煌(だ、誰か私をひっぱたいてください)

煌(夢じゃないことを、確認する術をくださいっ……!!)

煌(長いはずの帰り道が、あっという間に終わってしまって)

煌(寮の……姫子の部屋の前―――)

姫子「……」ガチャ

煌「……」バサバサ

姫子「中……入って」

煌「あ、お、……お邪魔、します」

煌(……やっぱり、同じ寮に住んでいるからか)

煌(目新しい違いはありませんね……タンスも木目調ですし……)

姫子「椅子、一つしか無かとやけん……ベッド……座って」

煌「……うん」ギシ

煌「……」

姫子「お茶、淹れてくるね」

煌「お、おかまいなく……」

煌(どうしよう……すごい、ドキドキする)ドキドキ

姫子「……」(紅茶の入ったカップを2つテーブルに置く)

煌「ありがと…」

姫子「……」ズズ…

煌「……そろそろ、聞かせてもらえるかな」

姫子「」ピク

煌「私を、……招いてくれた理由を」ドキドキ

煌(心臓が、張り裂けそう)

煌(胸が、苦しい)

煌(私は……今、ちゃんと)

煌(呼吸出来ているのかすらわからないくらい……苦しい)

姫子「煌」

煌「…なあに、姫子」

姫子「胸……借りて良かと?」

煌「え?」

姫子「ダメ…?」ウルッ

煌(うっ)ドキッ

煌「そんな訳、無いでしょ」

煌「胸くらいいつでもどーんと貸し」ドサッ

姫子「……」ギシ

煌「ひ、姫子?」

姫子「……ごめん、煌…っ」(煌の胸に顔を埋める)

煌(っっ!)ビクッ

姫子「……」モゾ

煌(姫子の息……熱……っ)フルフル

姫子「……っく」

姫子「……ぅ」

煌「姫……」

姫子「ふぇぇぇぇ……っっ!」

姫子「うぇぇぇぇぇぇ……ッッ!!」

姫子「ッッは……ッああああぁあ!!」

姫子「うああああああああ!!」

煌「……っ」ポンポン

姫子「ひっぐ……ぅぐ……ッッ」ボロボロ

姫子「ああああああああああ!!」

姫子「うああああぁあん……ッッ!!」

煌(……成る程)

煌(弱い所は…部長に見せたくなかったんですね)

姫子「ぎらめぇぇ……ぎらめぇぇぇぇぇぇッッ!!」ズズッ

煌「大丈夫」

煌「大丈夫……ここにいるよ」ポンポン

煌(卒業していく先輩達にも)

煌(気兼ねなく巣立ってもらえるよう……心配を掛けまいと……)

姫子「ふぁぁあああああああ……ッッ!!」

姫子「っく……ひっぐ……」スンスン

煌「……涙の訳、聞いてもいい?」

姫子「……っ」スンッ

姫子「準決勝…大将戦、私のせいで……新道寺が……部長が……っ」

姫子「最後の、大会が……ッッ」ブワ…ッ

煌「……姫子」

煌(―――あの敗退後、誰も姫子を責める人は居なかった)

煌(当たり前でしょう。あれだけ活躍したのだから……)

煌(しかし、姫子には……それが逆に重荷となってしまっていた)

煌(自分のせいで敗退を決めてしまったというのに、一切責めず、泣かず、良くやったと言ってくれた、すばらな部長)

煌(その部長を決勝へ……優勝へ導けなかった重圧を、人知れず抱え込んでしまっていた)

煌(皆が皆、優しすぎるゆえに…申し訳ないが為に…今までつかえていたあれやこれやを、吐き出せる相手が居なかった)

煌(そこで姫子が、感情の捌け口として選んだのが……同い年で親友の私だった)

煌「……馬鹿姫子」

姫子「……っ、っ」

煌「新道寺で……あの準決勝で一番失点したのは、私なのに」

姫子「っ煌……」

煌「恨んでくれていい。殴ってくれてもいい」

煌「私が……私が居なければ、友清が先鋒だったなら、きっと」パァン

煌「」

姫子「お前……ふざけた事抜かしよって」

姫子「相手はインハイチャンプ、宮永照」

姫子「あん部長でさえ、飛ばんのが精一杯やった相手やぞ」

姫子「そいでん……どこが飛んでもおかしくなか先鋒戦!!」

姫子「誰も飛ばんかった!飛ばせんかった!」

姫子「お前が守ったんやろ!!」

姫子「お前が……っ全員っ……!!」フルフル

煌「……」

煌「でも、先鋒はエースのポジション」

煌「エースがあんなに失点したら、チームの汚点でしょ」

姫子「そ、そいは……煌が……煌は……」

煌「捨て駒だったんでしょ?」

姫子「……え」

煌(ああ…もういいや)

煌(全部、言ってしまおう)

煌「私、聞いちゃったんだ。今年は先鋒は捨てる方針で行くって」

姫子「だ……誰から……!?」

煌「部長と姫子」ニコ

姫子「あ……え……」

煌「一緒に帰ってる所、偶然聞いちゃってさ。びっくりだよねーオーダー決まったその日に捨て駒宣告だなんて」

姫子「……」パクパク

煌「流石の私も、ちょ~っとショックだったなあ~」

姫子「……恨んどる……?」

煌「いや全っ然」

煌「むしろ、感謝すらしてた。こんな私でさえ、活躍出来る場を、チャンスを与えてもらった」

姫子「……」

煌「しかし……終わってみれば、和了りは雀の涙、振り込みに振り込みを重ねた」

煌「戦犯とも言える存在でしかなかった」(姫子をベッドに上げる)

姫子「ひゃ…」

煌「私が飛ばなかったのも、誰も飛ばなかったのも、今なら全て偶然の一言で片付けられる」(ベッドに組み伏せる)

姫子「…きら…」

煌「ねェ、教えてよ姫子…」ギシ

煌「私は…あのチームに……必要だったの……?」ボロ…ボロ…

姫子「……煌」

煌「教え…て……よ……っ」(姫子の胸に顔を埋める)

煌「うぐっ……ふぐぅぅぅぅ……っ」

姫子「……馬鹿はどっちよ」ギュッ

煌「!?」

姫子「友清には悪かとけど…先鋒に据えとったら、二回戦目で飛ばされとったと思う」

姫子「プロとの特打ち……持ち点25000、跳倍が当たり前ん魔境な卓で」

姫子「いつも煌だけは飛ばされず、原点持っとる事もあった」

煌「それは……たまたま……」

姫子「煌は飛ばん。部長も言いよったろ…お前はこんチームの……いや……」

姫子「新道寺の…守り神やけん」ギュッ

煌「っぐ……」ブワッ

煌「……ひ、姫子っ……」フルフル

姫子「ん?」ナデナデ

煌「……」スンッ…

煌「う……うぅ……っ」フルフル

煌「…姫子ぉ…っ!」

姫子「…ん」

煌「好き……っ」ギュッ

煌「大好きッ……!」

姫子「……」

煌「初めてっ……教室で、声、掛けっ、くれた時からっ」ヒックヒック

煌「大好きだったよぉっ!」ギュ…ッ

姫子「…そう」ニコ

姫子「ありがとう……。」ギュッ

煌「うぇぇぇ……ッッ!」

煌(私は、泣きました)

煌(言えなかった一言一言が、全て赦されていく気がして)

煌(嬉しくて)

煌(姫子の“ありがとう”に“ごめんなさい”の意味も含まれている事を察してしまって)

煌(悲しくて)

姫子「せっかくやけん、今日は泊まっていきんしゃい」

煌「え、いいの?」

姫子「んっ。まあ、まずは風呂からやけど」

煌「そうだね…雨で濡れちゃったし」ベタッ

姫子「私もけっこー濡れよったけん」

煌「え、でもそんな雨当たってなかったでしょ?」

姫子「いや~局所豪雨がな~…」ジト

煌「あっ……///」カアッ

煌「~~~~っ///」ポカポカ

姫子「ははは……そいじゃ、一緒に入ろっか」

煌「えっ」

姫子「え~~煌、タダで泊まる気やったん?背中くらい流してもらわんと割に合わんけんっ」

煌「いや……その。いい……の?」

姫子「ほらほら、つべこべ言わんと脱いだ脱いだーっ」プチプチ

煌「わ―――っ///」

姫子「……うーん…やっぱ」マジマジ

煌「…そんな見ないで…///」

姫子「さっきも思うとったけど……中々やね」

煌「む~~……///」

姫子「ブラきつくなかと?そげんおもちしとったら合わなそうやったけど……」

煌「ほ、ほっといてよっ!///」

姫子「いや~羨ましかよ。まさかコレほどまで……」マジマジ

煌「だから胸はもう良いでしょ!お風呂入ろうってば!///」

姫子「え~」

煌「なに、そのえ~って…」

姫子「いや…是非そこまで育った育成方法ば教わりたく…」ワキワキ

煌「特に何もありませんーっ!///」

姫子「はわ~…」

煌「痛くない?大丈夫?」ゴシゴシ

姫子「ん~ちょうど……」ホワー

煌「……」

煌「姫子さー」

姫子「うん?」

煌「背中綺麗だよね」

姫子「いや、普通やろ?」

煌「…あ、姫子が爪立てる側だっけ」

姫子「いや何の話よ」

煌「こっちの話こっちの話」ゴシゴシ

姫子「むー」

煌「!」ピコッ

煌「はい、背中終わったよ」(後ろからタオルを渡す)

姫子「あ、ありが」

煌「隙ありっ!」ガシッ

姫子「ひ……っ!?」ビビクン

煌「胸を褒めて貰ったお返しにっっ」

煌「姫子のおもち成長にも一役買っておきましょうかねぇぇぇぇ!?」モニモニモニモニ

姫子「あっ、やーっ!ごめんってぇ!いっ……!///」ビクッ

煌「うわあ…もちもちで、ふにふにで、すばらっ!」フニフニ

姫子「んっ……き、煌ーっ!はなさんかぁ!」ジタバタ

煌「でも姫子の、控えめだけど良い形してるよねー」モニモニ

姫子「もー!いい加減にっ!ふうう…っ!///」フルフル

煌「ふう、これできっと大きくなるから♪」

姫子「…ならんかったら煌の揉み倒すけん…」グスッ

煌「……」ガシガシ

姫子「煌さー」

煌「んー」

姫子「……髪解きよると、まるで別人よなー」チャプ

煌「…それは髪型でしか私って判別出来ないってことー?」ワシワシ

姫子「今は胸で判別出来ゅう」ガシッ

煌「やあっ!?///」

姫子「ほーらほらほら早速仕返しと行きますかあ!?」ムニュムニュ

煌「ちょっ、シャンプーで目が開けられないのにっ、これっ、ひきょっ」ヒクッ

姫子「ぐぬぬ…憎らしか揉み心地っ」ワシワシッ

煌「やーんっ!ゆるして姫子ーっ!」ブンブン

姫子「仕方なかとやねー」(シャワーを出す)

煌「しゅばぁぁぁぁ!?」ジャバババ

姫子「はっはっ!」

煌「ふあー…」チャプ

姫子「やっぱ1人寮ん浴槽に2人は狭かとやったなー」ギュムム

煌「そーだね」ハハハ

姫子「…な、煌」

煌「はいはい姫子?」

姫子「ずっと、一番の友達で居てくれる?」

煌「……」

姫子「恋人として好いてくれとった煌には酷な事言っとーと、わかっとる」

姫子「やけど……」

煌「はーいストップ。大丈夫、言いたい事はわかってるよ」ギュッ

煌「最初から、叶わない恋だって知ってた。」

煌「だから…私は、姫子に二番目に近い距離で…最高の親友で居続けたい」

姫子「煌…」

煌「大好きだよ、姫子」ギュッ

姫子「私も。」ニコッ

煌「ごめんね、部屋着借りちゃって」

姫子「大丈夫大丈夫、あ、制服も洗濯乾燥しとくけん」

煌「何から何まで」

姫子「私から泊めよったし、気にせんで良かとよ」

煌「晩ご飯はどうする?冷蔵庫の中使って良かったら私作るけど」

姫子「あ、そいじゃ作んの手伝って。今日はパスタにしよーと思っとったけん」

煌「ソースは?」

姫子「カルボナーラとミートソース、どっちが良か?」

煌「それじゃカルボナーラ!」

姫子「わかった。んじゃ卵とベーコンとチーズ取って、麺茹でてくれん?」ジャー

煌「生クリームは?」ゴソゴソ

姫子「切らしとって…牛乳で代用しとる」

煌「シチューみたい」クスクス

姫子「言うな…味にさほど変化は無かとやけん」

煌「いただきまーす」パンッ

姫子「いただきます」

煌「姫子って料理出来たんだねー」チュル

姫子「どういう意味よ…一応私も一人暮らしん女子高生よ?自炊くらいしよる」クルクル

煌「これなら、いつお嫁さんに行かせても大丈夫だ」ツルツル

姫子「お前は私ん親かっ」フフッ

煌「……」クルクル

煌「……」

姫子「……」

煌「……」ハグハグッ

姫子「フライパンにおかわり残っとるけん」

煌「もらう!」グッ

煌「はふぅーしあわせー」バフッ

姫子「食べてすぐ横になっと牛になるぞ?」

煌「ならないもーん」ゴロゴロ

姫子「ああ、もう牛みたいにはなっとるかー」

煌「誰の頭が牛の角みたいだってえー!?」

姫子「自分でわかっとーとやね」クスクス

煌「もー…」

姫子「ほら、鳴き声まで」

煌「姫子ー?」ジト

姫子「すまんすまん……しょ、っと」バフッ

煌「……ね、姫子」

姫子「どした、煌」

煌「……」

煌「キス、していい?」

姫子「えっ…」

煌「あ、ほっぺねほっぺ。親愛のちゅー」

姫子「そ、そんなん」

姫子「勝手にすれば良かとやろ…っいちいち聞かんで」

煌「いやー、いきなりしたら迷惑かかっちゃうかな、って」

姫子「聞かれんのも聞かれんので恥ずかしかよっ」

煌「じゃあ、するね……」

姫子「するんやったら早よ…」

煌「……」ジーッ

姫子「…なんよ」

煌「やっぱり、肌も綺麗だなって。姫子は」

姫子「煌も変わらんくらい綺麗やろ」ハァ

煌「ふふ、ありがと…」チュッ

姫子「んっ……」

姫子「ん」チュッ

煌「ひゃ」

姫子「すかさずお返しすっとよ」ニッ

煌「姫子ってば…」ドキドキ

姫子「煌も肌すべすべしとるし、ニキビ見当たらんし」

姫子「やっぱ同じくらいやろ」スリッ

煌「姫子…」

煌「」チュッ

姫子「あーもう。明日も学校やけん、もう寝っとよ」

煌「じゃあおやすみのちゅ~」

姫子「もー……」

姫子「ん」チュッ

煌「えへへ…すばらっ」

煌「……」

姫子「……」

煌「姫子…寝た?」

姫子「ん…まだ……」

煌「……あのさ」

姫子「んー」

煌「抱き締めても…良い、かな…///」

姫子「……」

煌「あ、妙な意味じゃなくて!抱き枕的な…」

姫子「…いちいち、聞かんで…」ギュッ

煌「っっ」ビクッ

姫子「私も、抱き枕欲しかったとこやけん」ニッ

煌「姫子……」ギュッ

煌「……」ドキドキ

姫子「……」

煌(思っていたより、これっすごっ)

煌(寝るどころじゃ……なくなっちゃった)

煌(姫子の顔……すごい近いし)

煌(……姫子はもう、寝たのかな)

姫子「……」スー

煌「……」

姫子「……」スー…スー…

煌「……寝ちゃった……?」ボソ

姫子「……」スー…スー…

煌(寝ちゃってる……よね、これ)

煌(寝息立ててるし、返事も無かったし)

煌「…姫子…」(顔を寄せる)

姫子「……」スー…スー…

煌「……」ドキドキ

煌(ああ神様、……私は今日だけ、卑怯者になります)

煌(ごめんね……姫子)

煌(恋愛感情も…姫子への想いも)

煌(みんな、ここに置いていくから)

煌(今夜で……全部終わらせるから)

煌「ん……」チュ

姫子「……」

煌(……う、わっ)

煌(夢なんかよりも、格段に……すごい……っ)ドキドキ

煌(とろけそ……///)

煌「っは……///」ドクン ドクン

姫子「……」スー…

煌「んむ…」チュ

煌(姫子の寝息…熱……っ)ドキドキ

煌(すごい…唇同士のキスって、こんな)ギュッ

煌(こんな…っ)

煌「……っん」

煌「……姫子ぉ…」

姫子「……」スー…

煌「好き…」チュッ

煌「…好き…っ」チュ…ッ

煌(愛してる……姫子)

姫子「……」

煌「姫子…」

姫子「」(目をつぶったまま素早くデコピン)

煌「あだっ!?」ビクッ

姫子「早よ寝んかっ……ばかたれっ……///」(そっぽを向く)

煌「」

煌「お、起きてた…の」ドキドキ

姫子「……誰も寝とると返事しとらんもん」

煌「……ごめん」ギュッ

姫子「……」

煌「ファーストキス……部長に、あげたかったよね」

姫子「」ピクッ

煌「私……その……」

煌「……本当に、ごめん……!」ギュッ

姫子「……」

姫子「……良かとよ」

煌「えっ…」

姫子「練習みたいなもんやし…ノーカンやろ」

煌「……」

姫子「なんて…アニメの見過ぎやね」ハハ…

煌「……っっ」

姫子「煌なら」(元の体勢に向き直る)

煌「姫…」チュッ

姫子「ん……」

煌「!?」ビクッ

姫子「っ、お返し」ニコ

煌「」ドクン

姫子「恋人じゃ、無かとけど……」

姫子「煌は、十分私の特別やけん……」

煌「姫子……」キュン

煌「……それは、所謂セフレって」

姫子「も一発いっとく?」ググッ

煌「わー!わー!冗談だって!」ワタワタ

姫子「早よ寝んしゃい…」(目を閉じる)

煌「……うん」

煌「ね、姫子」

姫子「ん」

煌「夢じゃないよね…これ」

姫子「…案外、夢かもね」クスクス

煌「…まあ、夢でも良いや」

煌「おやすみ…姫子」

煌「……大好きだよ。」

―――

――




姫子「じゃあ花田、授業終わったら、また」

煌「あれ、名前で呼んでくれないの?」

姫子「え」

煌「昨日はあんなに煌、煌って呼んでくれたのに…」

姫子「わー!ちょ、ちょちょ、ちょい」

姫子「みんな居るとこやと、恥ずかしかとやろっ」ヒソヒソ

煌「あーあーはいはいなっとく」

姫子「全く…。じゃ、また後で」

煌「はいはーい」ヒラヒラ

煌(今日はどしゃ降りの昨日が嘘のように晴れ)

姫子「花田ー」

煌「んー?」

煌(雨降って、地面は固まりまくりました)

姫子「私、今日こそぶちょーに想いば伝えようと思う!///」

煌「お、ついに勝負に出るんだ…応援してるからね!」グッ

煌(さらには虹まで架かる始末)

姫子「そんで…その」

姫子「もし……断られよったら……そのっ」モジモジ

煌「うん、大丈夫わかってるよ」

煌「元気付け担当、任されました!」パシッ

煌(雨って、本当にすばらです)

姫子「花田……本当にありがとうね」

煌「いやいや。どーってことナイナイ!」

煌「ドーンと当たって砕けてきちゃって!」

姫子「う、うん…!」

姫子「……」

姫子「なあなあ花田」

煌「なあに、姫子」

姫子「……」スー…ハー…

姫子「……行って来ます」ニッ

煌「……ん。」

煌「行ってらっしゃい」ニコッ



カン。

…さて、この物語にはまだ続きがあります。
主人公は誰ですかって?

それはこのSSを読み切ったあなた方1人1人です

今の世の中、たくさん辛いこともある。たくさん嫌なこともある。もう誰も信じられない、信じたくない。そう思っている人がたくさんいるでしょう。

私もかつてその1人でした。でもこのSSの「男」のように(というかモデルは作者自身だったり…)懸命に生きて、今では細々とですが暮らしています。

開けない夜は、ありません。

これが、このSSで伝えたかったことの全てです。

最後の最後に、登場人物たちからのメッセージをお聞き下さい。

男「おう!まあなにやら辛いこともあるが、生きてみようぜ!開けない夜は、ないってな!」

作者「ちょっ、俺のパクったな!」

女「やれやれね、この二人は…クスッ」

友「見てくれて、ありがとな!お前らも頑張れよ!…イテッ!」

作者「(友の頭をはたきながら)読者様にお前らとか言うな!失礼だろが!」

まあなにはともあれ…

全員「読んでくれてありがとう!」

ありがとうございました!(続編をもしかしたら投下するかも…ゴホンゴホン)

正直これで良かったのか感がひどい

お題を出されたどこぞのおねーちゃー、こんな出来ですんませんした

代行の人、支援保守の人、本当にありがとした

特に保守の人は今回も寝落ちしてしまって本当にすんませんした

あと続きは無い

ではまた

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